ハルヒ「東中出身、涼宮ハルヒ」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 19:50:31.10 ID:HvAE9/Bl0 「ただの人間です」 凄い普通の人がそこにいた。 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 20:10:00.94 ID:HvAE9/Bl0 そいつは、とても美人だった。 中学から上がったばかりの俺たちは、やはりまだまだこどもで でもそいつはそんなこどもの集まりからは飛びぬけた可愛さだった。 しかし俺とてそうそう女に話しかけるような軽い男ではない。 ヘタレと形容されるとそれは否といいたいが、見知らぬ女に 声をかける勇気がなかったのも確かだ。 そして、そのままダラダラと入学から10日が過ぎた。 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 20:15:47.76 ID:HvAE9/Bl0 高校に入ってから11日目の朝、俺は別段なにかがあったわけではないが 朝早くに学校に行った。なんの事はない、妹が朝うるさかったから早起きになっただけだ。 まばらな生徒の間を通りながら、我が教室へ向かう。 1年は慣れてないせいか、早めに来ている生徒も多いようだ。 特に挨拶する相手もいないが、教室に入るときくらいはなにか言ったほうがいいのか? 引き戸の扉を開け、教室に入り我が席を見遣る。 すると、俺の後ろの席にはいつもと違う人が座っていた。 不審−というよりは不思議に思いながらその前の席につこうと近づく。 と、近づいて気づいたが、それは涼宮ハルヒその人だった。 髪を切っただけか。 「髪、きったのか」 席が近いと言う地の利を生かして、お近づきになっておこうと考えた俺を誰が責められよう。 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 20:23:49.95 ID:HvAE9/Bl0 「え、あ−うん。気分転換にね」 そいつ―ハルヒ(名前がカタカナ表記だったのですぐ覚えた)さんは少しはにかむように笑い 髪を左手で隠すように押さえ付けた。 「へぇ・・・」 別に会話をしたかったわけではないのでここで終わってしまう。 だが 「・・・・」 「・・・・」 しまった、あそこで会話を終わらせてしまっては今向き合っているこの状態が物凄く恥ずかしい。 いや、居心地が悪い。 「え、と」 と、これはハルヒさんの声だ。まともに会話したことはないが、この人の声はとてもよく通ることを知っている。 「ただの人間です」の一言だった自己紹介から思っていたが、いい声だ。 「キョンくん・・・だっけ」 「いや・・・まぁいいが」 なぜ名前ではなくあだ名で呼ぶのかを聞かせてもらいたいもんだ。 どうせ国木田の手回しだろうが。 「髪・・・どうかな?」 「どうって・・・」 これは意外だ。この人はここ10日見てた限り、結構一人でいる時間が多かった。 人と接点がないわけではないが、見た目の印象の所為か、人を寄せ付けまいとするオーラを勝手に感じてしまう。 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 20:27:12.49 ID:HvAE9/Bl0 しかしここはどう返すべきか・・・ 普段話をしない分、こういうのは分らない・・・ 似合っているよと言うべきか・・・それとも、自分が思ったことをそのまま言うべきか・・・ >>15 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/12(水) 20:30:40.71 ID:XFZFb08v0 プッまるこみたい(嘲笑) 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 20:43:32.68 ID:HvAE9/Bl0 ここは・・・素直な感想を言うべきか・・・ 「んー・・・」 いや待てよ・・・?この髪型どこかで・・・ ふと、日曜日の夕餉時にあるアニメを思い出した。 「ぷっww」 「え?」 や・・・やばい!思わず吹いてしまった! いやでもこの髪形は・・・ 「ぶふぉwwww」 「ッ??」 だ・・・駄目だ・・・これは我慢・・・できん・・・・ 「ね、ねえ、どうかな?素直な感想を聞きたいんだけど・・・」 「そ、そう?」 く・・・これは正直に言っていいのか・・・? 「うん。ホントの所、どう?」 本人もこう言ってるしいいよね?ね? 「まるこみたい」 と、言っている間にも、俺の顔はにやけてしまう。 「え・・・まるこって・・・」 「あの日曜日やってるやつ」 「・・・・」 「ちょっと切りすぎたんじゃない?w」 「・・・・酷い」 「・・・え?」 彼女の目には涙が浮かんでいた。 「ど、どうしたの?」 「せっかく・・・せっかく思いきって切ったのに・・・」 ちょ・・・え・・・な、おれ?泣かせたのっておれ・・・!? 「う・・・うぐ・・・」 泣き出した彼女をあやす言葉>>35 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/12(水) 20:46:37.37 ID:XLIDXh+K0 安価なら 泣いてるハルヒ萌え〜 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 20:53:28.45 ID:HvAE9/Bl0 「っく・・・うっ・・・」 依然泣き続ける彼女。 どうする・・・どうする!? つかなんで泣いてる!? おれ!?俺がまるこちゃんみたいとか言うから!? ですよね。そうですよね。 しかし既に後の祭り。 どうすることも出来ない! こうなったら上手いこと慰めるしか・・・ しかし慰めると言ってもどんなだ? おれは女との接点が皆無と言うわけではないが、恋愛云々よりも遊びを優先して来た故、 どうもこういうこととなると疎い。その疎さと言えば国木田曰く肘の皮の痛覚ほどらしい。 しかしなめられても困る。こっちには小学生に妹がいるのだ。 泣いてる子のあやし方なら慣れたもんだ。 ただ問題は今度は相手が小学生ではなく高校生だと言うことだ。 しかし基本は同じ。女の子! これさえ分っていれば何一つ間違うことはない!そう! 「泣いてるハルヒ萌え〜」 「うっく・・・ひっ・・・」 泣きながらハルヒさんはこっちを見るも、また下をむき手の甲で目をこすりながら嗚咽を漏らす。 あっるぇー!?妹なら、『可愛いね〜』とか言ったら、すぐニコニコしながら機嫌よくなるのに! 高校生だからと思って可愛い→萌えに変えたのが駄目だったかぁ!? 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 20:55:29.20 ID:HvAE9/Bl0 しかし焦っていても意味がない。 だんだんと登校してきたクラスメイトたちからの視線が痛い。 どうする!?どうする!! クラスメイトへたちの一言>>45 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/12(水) 20:58:22.27 ID:R9VGFTlx0 おっぱぴぃー 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 21:05:34.41 ID:HvAE9/Bl0 ジワジワと汗が出る。爽やかな汗なもんか! 冷や汗と脂汗が同時に出るなんてびっくりだ!あれ?冷や汗って脂汗なんだっけ? 軽くトんでる俺の思考をさえぎるように、教室の後ろのドアから声が聞こえてくる。 「涼宮さん!?」 その声の持ち主は眉毛もといクラス委員の眉毛だ。 今日もいい眉毛でいらっしゃる。 「キョン君・・・何を考えてるのか知らないけどなんだか眉間に凄くムカっとするものがあるわ」 それは日本語として間違っていると思う。 「ところでキョン君、どうしたの?涼宮さん。・・・もしかして、泣かせたの?」 いや・・そのだな。 「どうなの?」 「近い!近いぞ朝倉!」 「どうなのよ?」 彼我の距離はもはや皆無。 彼女の眉毛が俺のデコへと擦り付けられる。痛い。 「その・・・」 「その?」 くそ!なんだ!なんで俺がこんな目に! しかたない・・・言い訳するなんて男らしくない真似、俺には出来ない。 プライドはないが矜持はある! 「はい!おっぱぴ〜!!」 クラス中からの目線が痛い。 あぁ・・・分ってたよ、こうなることは・・・。 「キョン君あなた・・・」 眉毛までもが怖い目で眉を顰めながら睨んでくる。 「おっぱっぴぃでしょ?」 そこですか。 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 21:11:30.58 ID:HvAE9/Bl0 「涼宮さん・・?」 眉毛が俺をほっといてハルヒさんに話しかける。 どうやら俺が原因だと目測をつけたらしく、「キョン君になにかされたの?」などときいている。 心外な。何もしてはいない。言っただけだ。 コラそこ!録音したおっぱぴーを再生するな!誰だ録音機材なぞ持ってきてるのは! 「キョン君!」 今まで聞いたこともないような声で眉毛が大声を出す。そんな耳元で張り上げられたら鼓膜がぶっ飛ぶ。 「ちょっときて」 え、いや、HRまであと10分だけど? 「大丈夫よ、私はクラス委員長なんだから」 関係ないと思う。そしてそれが関係あるとしても、俺は全く関係ない。 「ハルヒさんは?」 当人を置いていくとも思えない。しかし― 「いいの。とりあえず、ちょっと屋上まで行きましょうか」 その目にはなにか据わったものがあった。 だが俺もOTOKO。ここでそうですかとついていってはなにか駄目だ! 何が駄目かって、それはしらんがなんか駄目だ! 眉毛に一言>>65 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/12(水) 21:14:24.64 ID:nbu8hvDI0 その眉毛で「まゆこき」させてくれ!! 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 21:22:51.29 ID:HvAE9/Bl0 「ちょっとまってくれ」 「なに?」 付いてくるだろうと思って既に廊下に出ていた眉毛を呼び止める。 「早く行きましょう。あなたに話があるの」 そのセリフは例えば夕方の体育館裏なら告白の前振りに聞こえるだろうし、 食事前の夫婦間なら離婚話に発展するだろう。 まぁこの場合説教になるのは目にみえてるんだが。 「一つ、頼みがある」 「頼み?」 「ああ」 ここはなんでもいい、とりあえず話を引き伸ばして担任が来るのを待つんだ。 そうすればクラス委員長である眉毛でも、さすがに無理やり連れていこうとは思わないだろう。 さてしかし、どうしよう。引き伸ばすと言っても、この俺のだ。会話のネタなど持っていないし、 さらにちょっと苛立ってみえるあの眉毛を無理やりやり込める力も所持していない。 しかしそこはそれ、自分の奥底に眠るわけの分らない分部に頼って単語を並べるしかない! 「その・・・なんだ・・・」 「なに?」 と、思ったが、やはり俺は凡人、何も浮かんで来ない。 こういうとき自分の知能の低さに絶望する。テストで点を落としても何とも思わないのに不思議なもんだ。 「はやくしてくれない?」 あ、眉毛イライラしてる。や・・・やばい・・・青筋がみえる・・・。ん? 眉毛・・・?ふと、さっき額に触れた眉毛の感触を思い出す。 そうだ!!これがあったのか!! 「朝倉!お前の―」 「お前の?」 むしろこれしかないとおれは確信した。 「その眉毛で"まゆこき"してくれ!!」 廊下だったこともあって、学年中の目線を集めてるのかというほど、おれには視線が刺さりまくっていた。 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 21:27:41.84 ID:HvAE9/Bl0 どうしてだ・・・どうしてそんな・・・皆して蔑んだ目で俺を見るんだ!! 「・・・」 眉毛も固まったままだ。と、思ったら 「ええ、いいわよ?」 『おぉ・・・!?』 と何処からかどよめきが聞こえた。それもそのはず、願いを請うた自分が一番ビックリなのだから。 「ホントか!?」 「ええ」 うよっしゃあああああああああああ っとげふんげふん!!違う違う違う違う!!なにか違う!! このままだと後ろの席のクラスメイトを泣かせた上に、その直後まゆこきと言う至極マニアックなプレイを クラス委員長に要求するただのDQNだ!! くそ!しかもこの流れだと、連行→まゆこき→説教→おれ奴隷みたいな流れじゃない!? おれの考えすぎ!? ともかく、このままじゃまずい気がする! 例の如くなんとなく!!どうする!? 行動安価>>90 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/12(水) 21:30:51.55 ID:QmVWkuMoO 逆立ちしながらハルヒの前でまゆこきしてもらう 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 21:31:39.17 ID:HvAE9/Bl0 >>90 キョンと眉毛どっちが逆立ち?両方化。 >>95 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/12(水) 21:32:26.37 ID:QmVWkuMoO ハルヒ 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 21:39:02.01 ID:HvAE9/Bl0 「そうか、ありがとう。ただし」 「ただし?」 これでそのまま屋上へ行くのはまちがいなくアウトだ。 これではウハウハルートまっしぐら。 夢の眉毛エンド完遂だ。 しかしこっちにも考えがあった。 「ハルヒさんも連れていっていいか?」 そう、こいつは初め、俺にだけ話があるといった。 ということは、ここでハルヒさんを連れていくといえば当然渋るはずだ。 「え、いやだから私は―」 そらきた。 「いや、頼む。一人だと怖いしな」 「何が怖いのかは分らないけど・・・どうしても?」 ああ 「しょうがないわね・・・涼宮さ〜ん」 眉毛は未だ顔を伏せたまま嗚咽を繰り返すハルヒさんの所へ駆けていった。 アルェー?もしかして、俺の作戦失敗?ねえ? 「え・・・うん・・・うん・・・」 ハルヒさんはこっちを見てきょとんとしているが、どうやら眉毛の説得も順調に行ったらしく、俺の待つ廊下へと眉毛共々出てくる。 いや・・・断ろうよハルヒさん・・・。 「ほら、キョン君。これでいいんでしょう?いきましょう」 「う・・・うん・・・」 なにやらどんどんまずい方向に進んでいる気がしてならない。 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 21:48:35.50 ID:HvAE9/Bl0 さて所変わって屋上。 ここは普段は施錠されているらしく、一般生徒は入れない。しかし― 「クラス委員長だから♪」 そういい、まるでネコ型ロボット付属の4次元ポケットなのかもしれないスカートの小物入れからキーを取り出し開錠する眉毛。 お前は何者だ。 「さて―話を聞こうかしら?キョン君?」 屋上の真ん中で俺に対面する二人。まるで追い詰められたヒロインみたい!僕ってかわいそう!? キャラが崩壊しつつある脳を正常に保つために前の二人を見据える。 「話・・・といってもな」 何を話せばいいのか、何から話せばいいのかわからない。 「何って・・・涼宮さんを泣かせたでしょう?そのことよ。それ以外ある?」 どうやら結構マジな怒り顔の眉毛。責任感が強いのはいいが、それ以上に友達思いなのかもしれない。 「いや・・・分ってはいるが・・・」 しかし、こちらとて素直に謝る気はない。正直な感想を、と言われたから正直に言ったまでだ。 「そうだ・・・お前が―」 きーんこーんかーんこーん・・・ ・・・どうやら1限目が始まってしまったようだ。今日の1限目は・・・現社か。あの先生は少し口うるさいんだがな・・・。 まぁ今回は俺が被害者と言っても過言ではない(はず。 「1現目、始まっちゃったね」と、眉毛。 ああ と、俺。 「あ、あの・・・」と、目の赤いハルヒさん。 「それで?」 「ああ、それでだな」 始業のベルに遮られた続きを口にする。 「さっきの頼み事をお前が果たしてくれたら話してやってもいいぞ」 おれは鬼畜モードに入っていた。 123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 21:57:26.10 ID:HvAE9/Bl0 「さっきの頼みって・・・"まゆこき"・・・だったかしら」 「ああそうだ」 まゆこきとはつまり・・・まぁつまりそんなとこだ。正確に表記すると"眉コキ"。 「あ・・あの、朝倉さん?」 状況を飲み込めていないのはハルヒさんその人だけだ。 「涼宮さんはいいの。ちょっと待っててね、すぐ終わらせるから」 そういいおれに一歩寄る眉毛。まさかマジでするつもりか。 「ちょっとまてまゆ・・・朝倉」 眉毛の歩みにあわせて一歩下がるおれ。 「逃げないで」 さらに近寄る眉毛。さらに逃げる俺。 「あなたのお願いを、聞くことが出来ないでしょう?」 確かにそうだな。しかし俺は逃げ切らなければならない。天の声がそう言っている。 そうやって追いかけっこのように俺が追いやられたのは屋上の端、東側と北側のフェンスの繋ぎ目だ。 ここまできたら絶対無理な約束を作って逃げ切るしかない。 幸い眉毛は約束事には従順のようだ。ここで無理やりとりつくれば、もしくはこの場をやり過ごせるかもしれない。 「ハルヒさんを連れてきて貰ったのには理由がある」 俺は言う。嘘を。 「へえ?どんな理由?聞かせてよ」 俺は言う。逃げる為の無理難題を。 「ハルヒさんをおかずにするためだ」 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 22:09:54.89 ID:HvAE9/Bl0 「・・・あなた心底うんこね」「失敬な!」 結構汚い事を言う眉毛にびっくりしながらも、キャラにあってるといえばあってるな。などとちょっと関心&納得してる自分にもビックリだ。 「おかずっていったって・・・あなた何をさせるつもりよ?仮にもここは学校。ストリップなんて・・・」 想像力豊かなのはいいがその考えは安直すぎるぜ朝倉さんよぉ。 「なに、そう難しいことじゃない。ただ」「ただ?」 少しびくびくしているハルヒさんを見ながら俺は要求を告げる。 「ただ、ここのフェンスに足をかけて、逆立ちをしてほしいんだ」 「確信したわ。あなたうんこ以下よ」「侮辱だ!」 うんこ以下とは、俺も落ちたもんだ。 だがこれは好都合。ここまで言うってことは、やる気はないってことだ。 交渉決裂。つまり俺は逃げれる!俺の勝ちだ! 「・・ぁ・・の・・・」 「それが出来ないなら、俺は教室に戻らせて貰う」 「ちょ!あなた!ここまで来ておいてそれ!?ちょっとは―」 「あのっ!」 うお!びっくりした。ハルヒさんが眉毛の後ろでスカートの端を握り締めながらこちらを見ていた。 泣きそうな顔をしながら(実際少し涙がみえる)、必死に俺の方を見つめている。 「あの・・・私、逆立ちします・・・よ?」 「涼宮さん!?」「ハルヒさん!?」 俺と眉毛の声が重なる。俺も眉毛も、かなり予想外だったのだ。 「駄目よ涼宮さん。こんな人の言うことを聞いちゃ。どうせただ性欲の捌け口にしたいだけよ」 ここまで酷い言われようだと開き直りたくなるな。 「いいの・・・私・・・逆立ち得意だもん」 「「いや、そう言う問題じゃない」」 またもや二重奏。 と、有無を言わずにハルヒさんは東側のフェンスに近寄り、1メートルほど手前でとまり一気に逆立ちをした。 見事なほどに上がった足が、朝日に照らされ綺麗に輝く。 それよりも眉毛。そこをどけ。足しかみえない。お前の体で足しかみえない。 「キョン君。あなた、本気?」「ああ!」 ここまで快諾できた自分を誉めたくなった。同時に泣きたくもなったが。 151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 22:22:40.44 ID:HvAE9/Bl0 「・・・もうっ!知らないわよ涼宮さん!」 そう言って眉毛は俺の前から退く。 「んっ・・・!」「・・・・ゴクリ」 気合で息が漏れてるのはハルヒさんで、それを見て思わず喉を鳴らしたのは俺だ。 ゴクリ、だなんて、どっかの糞漫画か広辞苑の擬音の欄でしか御目に掛かれないものかと思っていたが、今まさに俺の喉はその音を発していた。 すらりと伸びた脚は、今は晴れ渡る空に向かって伸び、運動が得意だと言うだけあって少しむっちりした太ももは、それだけdぶごぉ!! 「あ・・・朝倉・・・殴るな・・・」 「うるさいわよキョン君?早く出すもの出しなさい」 あ・・・そか・・・まゆこきね。忘れてtぐほぉ!! 「なにか言った?」「いえ・・・」 あれ・・・?おれってこんなキャラだっけ? とりあえずして貰えるならして貰おう!正直額に残った眉毛の感触は気持ちいい以外の形容はできないほどいい物だった。眉毛フェチなんかじゃないぞ? かちゃかちゃ・・・ 「どぞ」「・・・ん・・・」 マイサンはなんとなく半おっきで、ちょっと起き上がっていた。水平から下に10度くらい。 眉毛はおもむろにそやつをむんずとつかむと、頬擦りをしてきた。ちょっとまて。 「おま・・・手馴れすぎじゃないか?」「・・・そんなこと・・・ないわ」 顔を背けながらもマイサンを眉毛に近づける眉毛。もう日本語がおかしくみえるがそこはスルー。 亀頭の下からお稲荷さんにかけて眉毛を擦りつける眉毛。明らかに日本語としておかしいがry。正直、たまりません。 眉毛を挟んで俺の反対側にいるハルヒさんは、逆立ちと言う苦しい状態のはずなのに目を見開いて俺の下半身を見ようとしている。 「あっ・・・あのっ!」 ハルヒさんが逆立ちをしながらこっちに叫び掛けた。 「んはぁ・・・キョン君の・・」 何故か興奮状態の眉毛はその声に気づかない。仕方ないので俺が返事をする。 「どうしたの?」 「あの・・・私にもみえる位置でしてくれないかな・・・とか・・・」 ・・・これはどういうことだろう 153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 22:24:18.95 ID:HvAE9/Bl0 ここは俺の任意で決めていいものだろうか・・・ 眉毛は眉毛をマイサンに擦り付ける事に没頭しているし・・・つか没頭するのおかしくないか? さてどうしたものか>>160 160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/12(水) 22:27:12.24 ID:q2ZuS3lJ0 kskst 161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/12(水) 22:27:13.90 ID:2p2Yc0WpO ここで谷口 185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 22:37:10.41 ID:HvAE9/Bl0 「あ・・・えと・・・」 口ごもる俺。どうしよう、ここでなにか急展開的な― ぎぃ・・・ ッ!? 「SASASAサボましょ・・・ぬわ!」 固まった級友、谷口。谷口とは入学当日に知り合い、結構交流がある。 が、だからこそこの状況はヤバい。これでは俺が・・・ 「すまん・・・」 まるで俺が― 「ゴーヤプリン!!」 俺が二人を襲ってるみたいじゃないか!! 「あーあ・・・・」 さすがに眉毛も気づいていたらしく、マイサンを掴みながら俺を見上げてくる。 「どうする?見られちゃったけど?」 「くっ・・・」 「うぅ・・・私も逆立ち・・・」 気づけばハルヒさんは逆立ちをやめ、眉毛の後ろに立っていた。 「くそ・・・今日はやめだ」 「そう?あなたがいいなら私はいいけど」 そういいマイサンを開放する眉毛。正直、名残惜しかった。 が、そんな事も言ってられない。さすがに屋上とはいえ屋外。そこで下半身ほぼ裸となれば恥ずかしさの方が勝るに決まっている。 じぃー・・・とファスナーをあげている間、何故かハルヒさんの視線が俺の手元に集中していた。気がする。 「よし、教室に戻るぞ」 「そうね」 「え・・・あの・・・」 最後に声を発したのはハルヒさん。何故かよそよそしい。 「どうしたの?涼宮さん」 「あの・・・ここに何をしに来たんですか?」 「・・・あ」 なんで言ったんですかハルヒさん・・・。 206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 22:48:37.73 ID:HvAE9/Bl0 とりあえず放課後にまた集まると言うことでその場は解散した。 解散といっても?どうせ同じクラスなんだから?とか、そういうのいらないから。 しかし同時に教室に入った時のあの級友たちの視線視線視線。痛いったらなかった。 そして昼休み。眉毛と涼宮さんは連れ立って何処かへいってしまった。中庭ででも昼餉を楽しんでいるのだろうか。 「おいキョン!説明しろ!」 いきなり俺の右肩にストレートパンチを食らわす級友は一人だけ、アホの谷口である。 「どうやら凄い事しちゃった見たいだねー」 とへらへら顔の級友は、中学から同じ学校の国木田だ。 「なんのことだ?」 と、一応白を切って見る。が 「お前が1現目サボって屋上で朝倉さんと涼宮に奉sごばごがっ!!」 「そうか、そんなにとんがりコーンを穴と言う穴に詰めたいか」 「やめっ!!涙点はやめて!!涙小管は穴って言えるほど大きくないから!!」 涙が通ってんだ、穴はあるんだから大丈夫。 「ぎゃぁあああああああ」 「で?何をしたのさキョン」 なにって、特に何も? 「へえ?まぁいいけどねー人の口に戸は立てられないよ?」 話によると「キョンってやつがそのクラスの女子2人に性的虐待を加えたらしい」という噂が流れているようだ。 まったく・・・心外甚だしい。 「でもさー、さすがにそうやって思ってるだけじゃ、どうにも出来ないくらい広がってるよ?」 ふむ・・・。 「クラスの人からでも、誤解を解いていったら?」 さすが国木田、頭が廻るな。 「そうだなー」 はて、誰に、何と言おうか>>215 215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/12(水) 22:51:36.77 ID:Nnvt+m/d0 キョン妹に キョン「おい、お前明日から高校に来い」 238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 23:01:27.57 ID:HvAE9/Bl0 そうだ、俺が何もしていないことを証明するには― くっ・・・使いたくなかったが、あの手しかない様だな。 っと・・・ケータイはカバンか・・・ おもむろにカバンを漁りだした俺をみて国木田が首を捻る。 「どうしたの?キョン」 「あ、いや、ケータイをだな・・・」 幸い、今日妹は学校を休んでいる。風邪だそうだ。新学期なのに(妹は確か昨日から学校のはずだ)可哀想に。 「?キョンのカバンならほら、机の上にあるよ?」 「なんだと?」 おれはカバンからケータイを出した覚えはないのだが・・・まあいいか。ケータイなんてテレビのリモコンに次いでなくしやすい物だ。 言われて、机の上を見ると確かにそこには俺のケータイがあった。しかし・・・ 「キョン、今日は妙にでかいキーホルダーを付けてるね?1kくらいあるんじゃない?」 確かに俺のケータイには1kはあろうかという「1kg」と書かれたダンベルのキーホルダーが付いていた。 妙にカッコイイから困る。 しかし― 「おれはこんなもん付けた覚えがないんだが」 こんなしゃれたキーホルダー、何処に売ってあるんだ・・・ とりあえず電話だ電話。家にいるはずだからな。 ケータイをもつ。が・・・ 「ぐおっ!!?」 めっさ重い。いや、たいした重さじゃないが、ケータイの重さじゃない! 「っておい!!」 これ本物のダンベルだぞ!! まさか・・・ おそるおそるケータイを開く・・・ するとその待ちうけ画面には・・・!!>>245 245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/12(水) 23:03:48.56 ID:2p2Yc0WpO キョンに眉コキをするために一生懸命眉を育てた古泉の姿が 260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 23:16:03.03 ID:HvAE9/Bl0 ぱちっ・・・ 俺は無言でケータイを閉じた。 「どうしたの?キョン。けったいな血相だよ?」 いやまてまてまて。違うぞ?あれ? もう一度ケータイを開く。そこには・・・ 男の眉毛がコマ写りに濃くなってゆく様が待ちうけフラッシュで写しだされていた。 「・・・・」 即座に消そうと、データフォルダを開く。何故だか分らないが凄くお尻がむずむずした。が、 「ロックが掛かってる・・?」 データフォルダの一番上、つまり一番新しいデータだったその待ちうけフラッシュだが、どうやらロックが掛けられている。 なんの事はない、買った時から変えていないロックナンバー「1234」を入力すれば・・・ 『警告:ロックNo.が違います!』 「何をするのかしらないけど、その手に持って振り上げているダンベルをゆっくりこっちに渡そうね?キョン」 狂い掛けた俺を国木田が優しく諭そうとする。 くそっ・・・こんな意味の分らないフラッシュ・・・開くたびに見るのかよ!!? つか誰の眉毛だ!眉毛の眉毛ならともかく知らないやつしかも男の眉毛だと!? 眉毛フェチじゃなくてね? と、とりあえず電話だ!妹に電話をしよう! 押しなれた自宅の電話番号を入力する。通話のボタンを押す ・・・接続中の画像までフラッシュになってやがる・・・。 『はぁい。キョンくんのおうちだよぉ〜』「妹か」 電話口で舌っ足らずな声で応答するのはまちがいなく我が妹だ。 『あっ、キョンくぅん』「妹よ、実は頼みが」 『つーつー・・・しばらく、お待ちください』「ん?」 回線が混雑してるのか、どうやら一旦切れてしまっている。まあ待てばいいか。 すると直後、 『・・・あなたの思うようにはいかない』 ツーツー・・・ 寡黙そうな控えめの声でどこか恐ろしい事を残して俺のケータイ通話は事切れた。 ・・・こえーよ・・・つか誰だよ・・・。 267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 23:22:16.61 ID:HvAE9/Bl0 無言でケータイを閉じ、机に突っ伏する俺に国木田が声を掛ける。 「今の声、もしかして奥のクラスの長門さん?」 お 前 が 神 か 。 「むしろ声だけで分ってるから変態か?」 「失礼だな君も」 そんな事はいい。とりあえずその長門とやらは何者だ。 「隣の隣のクラスの長門さんだよ。長門有希さん。何処の中学かは知らないけど、谷口が結構気にいっててね。 普段は一人で本を読んでるそうだよ。部室で」 そうか。して、そのナガモンとやらは何部なんだ? 「えーっとたしか・・・」 そこで国木田は、とんでもない言葉を発した。 「確か>>275だよ」 275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/12(水) 23:25:59.76 ID:gSJkTK3/0 キョン君ファンクラブ 287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 23:35:37.83 ID:HvAE9/Bl0 俺は今、部室塔3階へと続く階段を上がっている。 先ほど国木田から聞いた情報が正しければ、そのナガモンさんとやらはこの塔の3階、元文芸部部室にいるらしい。 元文芸部部室というのは、現在がその部活が活動していず、同好会としての仮部室を割り当てられているので今は文芸部ではないからだ。 そして今、その部室で活動している同好会、それが 「・・・キョン君ファンクラブへようこそ・・・」 部室の前でまるで俺が来る事を事前に知っていたかのように待ち構えていた小柄な女子―恐らくこれがナガモンさんだろう―が告げたものである。 その名をキョン君ファンクラブ、略してKFC団というらしい。別にカーネルサンダースさんはいないよ? 「君が・・・ナガモンさん、か?」 「ちがう」 予想を梳かされたようで、結構拍子抜けだ。 「私は長門有希。長い門と書いてながと」 あ、そうなの?めっちゃハズいんですけど・・・。 「それはすまなかったな。長門」 「いい。立ち話は疲れる。中へ」 そう言って文芸部部室であったKFC団団室へ招かれる俺。 と、中には>>290>>294>>300の3人がいた。 290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/12(水) 23:37:07.30 ID:bWGKy0Fw0 古泉 294 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/12(水) 23:37:38.19 ID:2p2Yc0WpO 岡部 300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/12(水) 23:38:27.64 ID:2sy+LgMSO きみどり 328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/12(水) 23:49:05.73 ID:HvAE9/Bl0 「こんにちわ、キョン君♪」 「おう」 「こんにちわ」 そこにはウチの生徒である証のブレザーを着た男子生徒、同じくセーラー服を着た女子生徒、そして一番奥に、 白地に赤のラインの入った我がクラス担任岡部が居座っていた。 「・・・これは何の集まりなんです?先生」 一応、一番状況を理解把握し、説明できると思しき人・・・つまり教論岡部に問う。 「なんだ、説明を受けてきたわけじゃないのか」 俺が知っているのはここが美味しいフライドチキンを提供していると言うことだけです。 「いやですね、僕たちはそんなものを提供するために、一同に介しているわけではありません」 優男っぽい男子生徒がにこやかに、爽やかに応える。 「おっと、これは失礼を。僕はKFC団団員その2、古泉一樹といいます。今後とも、どうぞよろしく」 そう言って古泉はおれに手を差し伸べてくる。しかし― 「あなたは黙ってて」 長門がそれをかかと落としで払いのけ、俺の横に立つ。 「この人は私が呼んだ。つまり、今は私の」 「そんな・・・団長だけずるいですよ?・・・まったく。困ったものです」 「とりあえず長門さんよ、机の上に上って何をする気?ってちょっと!?俺の上に乗らないで!肩車とか出来ないって!」 「あー・・・おほん!俺は分るよな。ハンドボール部顧問の岡部だ」 そういって手を出してくる担任岡部。がすぐさま隣に座っていた女子生徒が岡部の腕に画鋲を刺し込む。 「そして『ぐぎゃぁあああああああ』私が『画鋲が筋肉に刺さって』団員その3の喜緑よ『いってえええ』。よろしく。って静かにしてください」 そう言って岡部の首筋にチョップをかます喜緑さん。 もんどりうって昏倒する岡部。 なんなんだ・・・・。 397 名前:1[sage] 投稿日:2008/03/13(木) 00:52:07.94 ID:PlJRSht00 図示すると面倒なので口頭で今の状態を説明すると そうそう広くない部室にあった長机に俺、長門。 反対側に古泉と喜緑さん。 そして悶絶中の岡部はその間に挟まれ長机の上に寝かせてある。 「実は、今日は―」 「ちょっとまて」 話を切り出そうとした優男を制する。 「なんでしょう?」 にこやかに返事をする古泉。何故かヨダレダラダラである。 「この手術前見たいな光景、なんだか凄く不快・・・というか違和感があるんだが」 時折泡を吐きながらビクついている岡部が視界に入ってうざったらしい。 「ふむ、それもそうですね」 そう言って席を立つ古泉。岡部の脚側へ回りこみ、脚を引っ張り引き摺りおろす。 ごがっ!! という鈍いうめき声と共に着地した岡部は、2・3度痙攣して事切れた。 ってうぉい!死んだんじゃねえのか!? 「大丈夫です。彼は意外と元気なんですよ?ねぇ長門さん?」 「そう」 といいながら俺の耳に息を吹き掛ける長門さん。 なんだか鳥肌がとまらない。ついでにぼkk・・・おっとだれか来たようだ。 俺の脳内会話を聞いていたかのようなタイミングで部室のドアが叩かれる。 「はいって」 長門さんが入室を許可する。先ほどの古泉との会話からも分るが、ここの長は長門さんということになっているらしい。 一番危ないキャラなんだが(俺の生命的な意味で)。 と、失礼しますという常套句と共に入室してきたのは>>403だった。 403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/13(木) 00:54:30.70 ID:laUmAAZIO 朝倉 414 名前:1[sage] 投稿日:2008/03/13(木) 01:05:25.71 ID:PlJRSht00 「こんにちわー・・・あら?キョン君?どうしてここに?」 入室してきたのは眉毛だった。文をそのまま理解しようとしたら凄い図になるが、眉毛= を考えるとすぐ分るだろう。 そう、眉毛=剛毛だ。 「キョン君・・・あなたとはいつかキチンと話し合うべきのようね」 なにぃ・・・!こいつ、俺の心が読めるのか!? 「当然よ。私はあなたのことをあいsぶっ!!」 唐突に俺にべったりだったハズの長門さんが瞬間移動でもしたかのような速度で(動いているところがみえなかったから実際に瞬間移動かもしれない) 眉毛に近寄ると、その眉毛にかぶりついた。 「きゃっ!ちょ・・・ちょっと団長!なにするんですか!!」 「独断専行は許可されていないはず。あなたを処分する」 そう言いながら長門さんは関節を外すかのような音を立て始める。 「ちょっと・・・やめてよその泣き声・・・凄く怖いんだからねっ!?」 眉毛が閉めた扉に背中を付けて涙目でいやいやをする。 てかそれ泣き声かよ!?威嚇!?こわっ!! 「まぁまぁ団長、落ち着いて、お茶でもどうです?」 そう言いながらおれの前に茶を差し出す優男。なんだ、気が聞くな。 そして長門さんの席の前にも湯のみを置き、長門さんに近づく(通り際に肩を触られた気がするが気のせいだろう)と、 「・・・・」 「・・・・よくやった」 と耳打ちでなにかをささやくと長門さんは例の威嚇をやめ、自分の席につく。 「朝倉さんもさぁ」 と、長机の一番扉に近い辺に椅子を設置し、自分の席に戻る優男。 「茶請けもありますよ?」 そういって出してくれたのはバームクーヘンだ。気が利くのはいいが、用意周到すぎだろ。 ここは仮にも部室だろ? そう思いつつも、一口サイズに切られたバームクーヘンを口に含む。 「ごがぁ!?」 ものっそい勢いで口の水分を吸収された!!なにこれ!!新しい! 水気を求めて目の前の湯のみへ手を伸ばす。そして一気に飲み下す。 そこで世界が暗転した。 423 名前:1[sage] 投稿日:2008/03/13(木) 01:11:31.47 ID:PlJRSht00 目覚めたときそこは>>425だった。 425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/13(木) 01:13:41.41 ID:Xmh7ymMd0 こいずみもへや 434 名前:1[sage] 投稿日:2008/03/13(木) 01:23:16.23 ID:PlJRSht00 ここは何処だろう。分っていることはおれが寝ていることと、そこが結構な高さの天井を保有していることと、 あとは― めっちゃ近くに古泉の顔があると言うことだ。 しかも正面に。 「死んでしまえ」 静かにそういい、仰向けで寝ている俺の顔を覗きこんでいたヤツの鼻っ面に頭突きをかます。 「マッガーレ」 意味の分らない言葉を吐き捨て、のた打ち回る古泉。ふん、いい様だ! 「起きた」 と、部屋の扉が開く気配と共に静かな声が背後から聞こえてきた。声の持ち主はどうやら長門さんのようだ。 手にはお盆、そしてその上には湯気のあがるお碗とコップと急須。 「ここは?」 痙攣してその場から動かない古泉は放置して、やってきた長門さんに訪ねる。 「そこの豚の家。あなたの家から1kmの範囲。安心して」 なにに安心すればいいのか聊か疑問だが、まぁいい。 「おかゆを作った」 そういってお盆を床におく長門さん。なんと優しいんだろう・・・目からおかゆが出そうだ。 「と、見せかけてバイアグラ丼」 うおおおおおおい! 「ゴクリ・・・」 動かなくなっていた古泉が口だけ動かして何やらつぶやいた。うんこでも食ってろ! 「飲んで」 食べてじゃなくて!?ねえ!!飲むの!? これは是が非でも回避したい!! 「そっそうだ!あいつは!?」 「あいつ?」 どんぶりを片手に持ち、さらに片手でスプーンを構えて臨戦体勢だった長門さんがぴたりととまる。 いける・・・! 「そ、そう!あいつだよ、えーと・・・>>440は!?」 440 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/13(木) 01:27:51.18 ID:TqivH4qb0 kskst 441 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/13(木) 01:28:02.12 ID:laUmAAZIO 情報統合思念体 449 名前:1[sage] 投稿日:2008/03/13(木) 01:34:47.87 ID:PlJRSht00 そうだ!ここでまた使うしかない!働け!俺の脳の奥のさらに奥なる場所よ! 「あいつだ!情報統合思念体は!?」 さてはて、この言葉はなんだろうな?自分でもぶっ飛んでると思うよ。 でも仕方ないだろー!?だめ?ねぇこれだめ!? 「・・・何故あなたがそれを」 「え?」 長門さんの目は、今まで見せなかった明らかな感情を写していた。そしてそれが、驚きだとも、当然おれは理解した。 「あなたにはまだ何も言っていない。朝倉涼子や喜緑江美里、そしてそこの豚がその情報を話した形跡はない。 あなたはどこでその情報を」 「どこで・・・と言われても」 ただ単に浮かんできた難しそうな単語を並べただけだ。それらしくな。 「しかし」 と、長門さんは一息いれ、 「これで、独断専行が許される」 なんでそうなる!? 言うが早いか長門さんは>>455をしだした! 1「分っていると思うが、455で全てが決まる」 455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/13(木) 01:37:49.52 ID:5a/vCztP0 寝る準備 463 名前:1[sage] 投稿日:2008/03/13(木) 01:46:47.36 ID:PlJRSht00 ヤバイ! そう感じて目を力いっぱい閉じて衝撃に堪える構え。しかし― 「少しまっていて」 その言葉に拍子抜けする。なんだ、別段危ないことをするんじゃないのか。ふぅ・・・ 「できた」 はや!っておおおおおおおおおおい!! 「こっちに」 そうして長門さんが指差す先には― 「いっしょに」 シングルベッドなのにはみ出ないように並べられた二つの枕があった。 危ない!いろんな意味で危ない!!この世で一番危ないかも!! 「え、遠慮してこう」 「そうはいかない」 そういい長門は俺の手を引き、ベッドに引っ張っていこうとする。でもさ、 「ん・・・おもい」 長門の力では到底無理だ。俺は細身な方だと思うが、それでも一応成人男性平均くらいの体重はある。 「んっ・・・こっちにっ・・・きて・・・っ」 一生懸命俺を引っ張りいれようとしている所がベッドでなければ快諾したかもしれないが、バイアグラ→ベッド、ではしり込みするのが当然だろう。いやしないのか? 「だいじょうぶ。ただ一緒に寝るだけ。挿入なんてしない。してもゴムは付ける。細工したゴムを付ける。こどもをつくるだけ。だからっ」 一気に言うとまた俺を引っ張り入れようとする長門さん。 細工ってどんな細工だよ!!穴開けるのか!?こども作るっておい!ツッコミどころ多すぎだぞ!! しかたない・・・ 「長門さん、おれは」 「んっ・・・」 なおも引っ張り続ける長門の顔を引っ張られてない手で押さえ顔を近づける。 「あのですね、おれは―」 そこで、長門に口を塞がれた。 眉毛で。 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/13(木) 22:14:02.77 ID:PlJRSht00 とりあえずこのスレの目的は"まゆこき完遂"だ。 しかし安価によってキョンの行動が変わってくる。 とりあえず長門に頼んで、昨日のスレの一番最初に時間軸を戻してもら・・・ 俺はキョン。高校に入学してから11日目の朝だ。 何故か早く学校に付いた俺は、自分の後ろの席にいる女子を見つけた。 涼宮さんといったか、まだまともに話したことはないが、どうやら長かった髪を切ったようだ。 (端折り) 「ね、ねえ、この髪、どうかな?」 どうかな・・・と言われてもな・・・ 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[age] 投稿日:2008/03/13(木) 22:14:41.73 ID:PlJRSht00 ここはどう答えていいのか分らない・・・ さてどうしたものか>>15 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/13(木) 22:20:12.27 ID:iAlKv+zX0 kskst 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/13(木) 22:22:29.28 ID:uHNVuazN0 もっと短いほうがいいな・・・ 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/13(木) 22:28:43.12 ID:PlJRSht00 「んー・・・」 そうだな・・・ここは素直な感想を述べてやろう。 聞いてきたって事は、誰かに見せるためなのかもしれないし、そうなれば俺の意見も無碍にはされないだろう。 「そうだなあ・・・」 それにしたって結構ばっさり切ったもんだ。昨日までは腰当たりまであった髪が、 今では肩に掛かるかどうかほどだ。 しかし・・・! 「もうちょっと・・・」 「もうちょっと・・?」 「短い方がいいかな?」 俺はスーパーショートが大好きだ。 そうまるで 「そ、そうかな・・・?」 「うん。もっとこう、五厘くらいで」 野球部かのような坊主がいい。ざらざらしてるし。 「ご・・・りん?ごりんって何?」 そう珍しい言葉ではないだろうが、そうか、女子には解らんもんなのかな。 「五厘ってのは、髪の毛の長さだよ」 「長さなの?」 結構興味津々といった様子で、席に付きながら後ろをむいて話かける俺の顔を覗きこむ涼宮さん。 「うん。単位はセンチ」 「センチ・・・?10割が1センチで、10厘が・・・1ミリ?ってことは・・・」 「そうだな。0.5ミリだ」 おれはなにかを踏み違えたか? 26 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/13(木) 22:33:18.81 ID:PlJRSht00 どうやら明らかに踏み違えたようだ。 見るからに怪訝そうな顔をする涼宮さん。どうする。この顔はまずい。 まるで部屋に放置していたコップの底に、飲んでいた物が固まって着色されている様を見ているかのようなこの目。 正直堪えられない。 「それって・・・?」 ヤバイ、ここでなにか妙案のようなものを考えつかないと、始まったばかりの俺の高校生活はいろんな意味で終わりかねない。 どうする・・・ここは・・・どうすべきだ・・・?とりあえず誤魔化しの言葉を言うべきだろう。 そう考えたらこれしかないとおれは思った。 「>>30」 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/13(木) 22:36:09.70 ID:uHNVuazN0 ところで朝倉、眉コキしてくれないか? 35 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/13(木) 22:44:08.67 ID:PlJRSht00 これしかない! 「ところで朝倉、眉コキしてくれないか?」 他にあっただろ・・・おれ・・・!!? 「は?」 「やっとその気になってくれたようね」 理解不能の俺の言葉を受けて首を捻る涼宮さんの口から漏れる疑問句と同時に発せられた声は、 涼宮さんの対面、つまり俺の後ろに立つクラス委員長、眉毛――もとい、極太眉毛だった。 「・・・やはりあなたとは一度、みっちり話し合いを行うべきだと思うの」 「なんのことやら。勝手にモノローグに入ってくるな」 「?」 訳の分らないと言った状態の涼宮さんはひとまず置いておき、俺は眉毛の方を見遣る。 「それで?誰が何に対してその気になったんだ?」 いきなりの登場にも関わらず、眉毛はさも"今まで何を聞いていたの?"見たいな顔をして俺を見下げていた。 「今あなたが言ったことに対して、あなたがその気になったって言う話よ」 はて、俺は今なんと言ったのだろうか。天よりの声じゃないのか? 「その可能性はあるけど、今はそんなこと後回しよ」 と、言いながら眉毛は俺の手をとる。どうでもいいことのはずなのに、 女の子特有の柔らかさと細やかを兼ね持つ眉毛の手にちょっと緊張する。 「まて」 そんなことを考えながらも、俺の脳はどこかで正常に働いていたようだ。制止の言葉が漏れる。 「お前が俺を気持ちよく出来るとでも?」 違うだろおれー!!? 37 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/13(木) 22:48:00.04 ID:PlJRSht00 もう最悪だ・・・。 朝早かったとは言え、さすがに生徒もちょくちょく入室して来ている。 そして俺と眉毛の会話に聞き耳を立てているやつも。 「へえ?そう言うこと言うんだ?」 悪戯っぽい笑い顔と、ひょいと持ち上げられた極太ぐはぁ!!! 「なんですって?」 「いえ。」 ひょいと持ち上げられた眉毛がとても様になっているから怖い。 「とりあえずここじゃ駄目よ。>>42に行きましょうか」 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/13(木) 22:50:36.30 ID:OslNm7WhO キョンの家 53 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/13(木) 22:58:40.33 ID:PlJRSht00 「キョン君の家にでもいきましょうか」 な、なんだってーッ! こいつ・・・大丈夫か・・・? 「まてまて朝倉。まぁ、俺の家に向かうのは百歩譲っていいとしても、まだ朝だぞ。8時半だ。授業どころか HRすら終えてないのに、いいのかよ?そんなことして」 このままこいつの言うままになってはいけない。気がした。それに俺も入学早々欠席は嫌だ。 「いいのよ」 「なんだと?」 こいつ、まさかいつもサボってるのか?常習犯(と言っても入学してから11日目なのだが)だから 今更そんなこと言われても、とか思ってるのだろうか。 「クラス委員長だもの♪」 ウインクをしながらそんなことを言われても信憑性にかけるんじゃあああ!! それじゃ、涼宮さん、後はよろしくね♪と言いながら左手に俺を、左手にバッグを"持ち"教室を出ようとする眉毛。 ちょっとまて!俺は一応男だ、体重だってそれ相応はある。はず。こいつ・・・片手で俺を持ちあげてるだと・・・っ!? 「ちょおま!まてまて!!人間扱いを受けたかったらちょっとまて!」 「もぉ・・・なによキョン君。どこかに不満が?」 「まずおろせ」 「うん、それ無理☆」 そう言って俺は教室から強制連行された。我が住処へ。 教室を出る時にふとみえた、涼宮さんの悲しそうな目が、まるで俺が悪い事をしているかのような錯覚を引き起こさせた。 59 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/13(木) 23:08:46.15 ID:PlJRSht00 「なぁ朝倉」 「なぁに?キョン君」 俺の家へ向かう道すがら、俺は眉毛に声をかけた。 「おろせ」 「無理☆」 もう殺して・・・。 通りにいる住人からの視線が痛い。しかもこういうときに限って見知った近所のおばさんだったりするから困る。 学校を出て20分。俺は自転車を使って通学しているのだが、その旨を伝えても 「無理☆」 の一点張りなので、仕方なくそのままの状態で今は学校と家との中間当たりだ。 このまま状況に流されていい物だろうか。家に帰って―眉・・・ くそ!落ち着け俺!!冷静になるんだ!!!眉コキなんてされてたまるか!!!そうだ、考えろ。 俺がまず考えないといけないことは防音関係だ。恐らく音&声を発する事になるだろう。 しかし一軒家の我が家なら、よほど大きい声をださなければ近所に聞こえる事は― 「って何やる事前提での心配をしてるんだおれは!?」 「ちょっと!?恥ずかしいから大声出さないでくれる!?」 そう思うならまずおろせ。 「まったく・・・・いいお兄さんが何やってるのよもう」 「お前には言われたくない」 ったく・・・ん?お兄さん? 「あ・・・あぁ・・・」 「ん?キョン君?」 「しまったあああああああ!!!」 「だから静かにって!」 首筋に打ち込まれる手刀の痛みを感じながら(今日は妹が風邪で学校を休んでるじゃないか・・・)と、 脳内で反芻しながら俺は暗闇に意識を手放した。 61 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/13(木) 23:10:22.83 ID:PlJRSht00 「ん・・・っ!?」 目を醒ました俺が見たものは、自室であろう天井と、それがみえなくなるほど視界を覆う>>66だった。 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/13(木) 23:12:38.66 ID:eG/EFkoM0 猫 75 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/13(木) 23:22:30.36 ID:PlJRSht00 「っぎゃあああああああああ」 この叫び声は俺のものだ。 「っしゃー!!」 そしてこの叫び声は、今しがた俺の目に爪をふかぶかと差し込んだ猫それだ。 この猫はなんだ・・・? 俺は猫を飼っていた覚えはない。どうやら三毛猫のようだが、猫には詳しくないのでそれ以上は分らない。 億足通り自室だと言うことに気づいたのは、寝ている所が俺のベッドだからだ。 しかし、ここで予想外な事が起こる。 「フシュー・・・!!」 猫がまだ怒っていた。 「すまん!まじすまん!!」 謝るも猫は威嚇のポーズをとったままだ。どうする・・・? 猫が好きなものなんて、ねずみかまたたびくらいだろう(偏見)。 今この部屋にはねずみなんていないし、またたびなんてマニアックなものを持ち合わせている記憶もない。 どうする・・・?猫を落ち着かせる方法・・・・そうだ! ふ・・・さすがおれ・・・自分の才能が怖い。 「とりゃ!!」 自分に掛けてあった掛け布団を猫に覆い被せる。ふふふ・・・身動きがとれまい・・・って・・・? あれ? 猫には軽く掛け布団を被せたから、多少猫よりも大きなふくらみが布団の中心に出来るのは分る。 分る・・・が・・・これは・・・!? 明らかに猫のそれとは違う大きさになる布団のふくらみ。 それはまるで、菌性のキノコが成長する様を早送りしたかのような動きだった。 やがてそれは、ベッドの上に座っていたおれの登頂を抜き、さらに大きくなると、まるで人が立っているかのような高さまでのぼりつめた。 ・・・・。 "まるで人が立っているような高さ"・・・だと? 否、断じて否。 なぜなら・・・・ 「脚、みえてるぞ」 82 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/13(木) 23:29:19.52 ID:PlJRSht00 "まるで人が―"ではない。明らかに人が立っていた。 布団の丈が、そいつの身長にあっていないのか、膝小僧くらいまでは普通に見えていた。 「・・・・」 無言の布団。 どうやら返答をするつもりはない様だ。 しかし誰なのか、当てるヒントはある。 まず脚だ。脚はほっそりとしているし、長めのソックスをはいていることからまず間違いなく女だろう。 そして身長。座ったこの位置からでは確認できないが、それは俺より幾ばくか低いほどだった。 さて・・・この二つから導き出された答え・・・それは。 「お前はだれだ」 見知らぬ誰かだった。 もうこうなったら強行手段!布団を剥ぐぞ! 「せい!」 自分でも妙だと思うほど意味不明な掛け声と共に布団を剥ぎとる。 すると中から出てきた人物は―>>90 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/13(木) 23:31:58.97 ID:eG/EFkoM0 ごんぶとまゆげ 97 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/13(木) 23:37:08.22 ID:PlJRSht00 ・・・誰だよ? 「風、香る、風香」 「・・・頭大丈夫か?」 「・・・!?」 再び布団を被せる。危ない危ない。ごんぶと眉毛で一番最初に浮かんできたキャラがあいつだなんていえない。 気を取り直して布団をめくる。すると―>>102 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/13(木) 23:39:03.13 ID:eaByR6p+0 佐々木 109 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/13(木) 23:48:11.18 ID:PlJRSht00 「やぁキョン」 そう言って体を晒したのは、中学時代のクラスメイト、佐々木だった。 「佐々木・・・?どうしてお前がここに?」 佐々木とは結構つるんでいた。話が合うと言うか、妙に会話の波長が合っていたのだ。 「よく分らないよ。授業中寝ていたつもりなんだけどね。気づいたらここって訳さ。ホント、キョンの周りは中学の頃から 面白い事だらけだなあ」 そうシニカルに笑う"彼女"は、ベッドの上からとっと降りると、俺の座っている所から50センチほど離れた場所に腰を下ろす。 「それで?今回は何があったんだい?」 こんな口調だから想像できないかもしれないが、佐々木はそこそこ顔がいい。 下手をすると涼宮さんに並ぶほどだ。 そんな女の子を前にしていながらも、普段通りの会話が出来る俺は、もしかしたら神経が図太いのかもしれない。 はたまた相手が佐々木だからなのかもしれないけれど。 「何と言われても・・・そうだ。あいつはどうした」 「あいつって?」 あぁそうか、こいつは気づいたらここだったんだ。状況を理解しているはずもない。 「すまない、こっちの話だ。ちょっとここで待っていてくれ」 「? かまわないけど」 了承を得て、部屋を出る。一体何が起こってごっはぁ!!!!!!!! なんだこれは!煙い!つかキツイ!色々きつい!目が!鼻が!!煙の触れる皮膚が!!! よく見ると仄かに紫色をした煙(まさしく紫煙だ)が廊下の"下の方"を伝っている。 煙って上にたまるもんだろ普通!! 腕で顔全体を覆うように隠しながら煙の出所を探す。 煙の流れを逆追いしていくと、その先は妹の部屋だった。 111 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/13(木) 23:56:07.64 ID:PlJRSht00 く・・・これは・・・! 部屋に近づけば近づくほど濃くなっていった紫煙は、最終的にはほぼ紺に近い煙となり、 妹の部屋のドアの下にある隙間から漏れ出ていた。 ドアの左右の隙間からは、床下10センチほどから煙が出ていない所を見ると、部屋全体に煙が充満しているわけではなさそうだ。 おそるおそるドアに近づく。すると― 『あはは、妹さん、それは入れちゃ駄目だよ〜』 『えー!だって入れたらキョン君絶対元気になるよ?』 眉毛の声と妹のはしゃぐ声が聞こえる。 『そ、そうなの?ゴクリ』 『古泉じじゅうーww』 何の会話だ何の・・・。 とりあえず中の様子を確認せねば。 このまま開けようか、それとも一応ノックをすべきなのだろうか。 『じ、じゃあ、これなんかはどう?』 『えー?キョン君、ぱい○んには興味ないって言ってたよー?』 「そんな事ない!!じゃなくて俺はお前にそんな事言った覚えはねえ!!!」 しまった―!つい感情に任せてドアを開け放ってしまった・・・。 『『あ』』 「え」 すると中には、ガスマスクと思しき物を顔に装着し>>119をしている二人の姿があった。 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/13(木) 23:59:10.34 ID:vfqGTE0YO かぶと虫食べてた 127 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 00:01:37.28 ID:r+5NQSvI0 ・・・何だろう。 凄く異様な光景だ。 二人の顔にはガスマスク。 そしてそれのアゴの分部を少しずらそうとしている左手。 さらに右手に握られるカブトムシ。 極めつけは― 『ぼふっ!』 二人のお尻から出る紫の煙。 139 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 00:04:22.45 ID:r+5NQSvI0 次こそ>>141 141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/14(金) 00:04:57.26 ID:fkIzZ4EWO >>134 そう(´・ω・`) ID変わったね 安価ならかぶと虫の投げあい 149 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 00:14:15.34 ID:r+5NQSvI0 思わず無言でドアを閉めた。 まて。落ち着け。そうだ、クールになろうぜ。そう、そうだそうだ―・・・ 「ちょっとまておまえらあああああ」 駄目でした。 「起きたのね、キョン君」 「おはようキョンくぅん」 「はれ?」 さっきまでの光景は何処へやら。二人は妹のベッドに腰掛け、二人で本を読んでいた。 「? どうしたの?」 眉毛がこっちを見て怪訝そうな顔をする。 「い・・いや・・・今確かに・・・」 お前たち、カブトムシ合戦してなかったか?あれ?まるで俺がキ○ガイみたい。 「なんでもない」 「キョンくん?」 妹が首をかしげてこっちを見ている。その額には冷えピタが貼ってある。やはり学校は休んでいたようだ。 「キョン君、顔色が悪いわよ?どうかしたの?」 それはここの― と言いかけて、俺は言いとどまった。あれ?煙が・・・ない? 「?」 二人が不思議そうに顔を見合わせる。―というか。 「ところでお前ら、いつからそんなに仲よくなった?」 いつから、と言う質問は的確ではない。今日初めて会ったはずなのだから、さっき俺が寝ている間以外考えられない。 「さっきー。ねえねえキョンくん。りょうちゃんなんでここに来たのー?」 りょうちゃん?・・・あぁ、朝倉涼子→りょうちゃんね。 「まゆこきしにきたって言ってたけど、わたし分んないよぉ〜」 「朝倉ちょっと来い。お前は3桁回ほど殴らんと気がすまない」 「や、やだ・・・ちょっとした悪戯よ。いずれ知る事になるんだから、別に早くてもいいじゃない?ねー?」 成長してもまゆこきなどと言うマニアックな単語は覚えない。 158 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 00:23:03.25 ID:r+5NQSvI0 無理やり朝倉を廊下に引き出す。妹も付いてこようとしたが、寝ているように叱咤し、二人廊下で向き会う。 「さっきのはんだ」 呶呶と前置きを言うのは面倒なので、さっさと本題を聞く。 「さっきのって?」 ニヤニヤと言う形容がぴったりの笑い方をしながら眉毛は俺に聞き返す。 「とぼけるな。佐々木が出てきた。煙が発生した。カブトムシが美味しいのに合戦の道具になってる」 あれ?後半なんかおかしくね? 「あら、佐々木さんが出てきたのね?」 「ん?」 ちょっとまて、こいつは佐々木を既知しているのか。 「ええ、あなたの身辺の人間は全て洗いましたから。もちろん、生まれてから今現在まで」 さらりと怖いな。 「でも佐々木さんかぁ・・・なんでだろう」 ・・・なんだろうこの釈然としない態度は。 「・・・だからかなぁ」 「なんだって?」 なにかを言ったようだが、独り言だったようで、んーん、なんでもと手を振る眉毛。 「あのね、あの猫、あなたが会いたいと思ってる人が"召還"されるの」 つまりあの猫はお前の手先か。どうりで― 「眉毛が太いとおもっがあああああああああああああ!!!」 「キョン君!?どうしたの!?」 「てめえのそのアイアンクローが収まったら教えてやるよ!!だから離せ!離してください!」 っはぁ!っはぁ! あぶね・・・逝きそうだった。 161 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 00:29:44.32 ID:r+5NQSvI0 「・・・それで」 「なに?」 「それでなんで、そんな"会いたい人が召還できる猫"なんて物を準備した」 あえて"何で準備できるのか"は聞かないでおこう。 「えとね」 そこで足先を見つめながらスカートの前で指を絡め弄びだす眉毛。 「えと・・・」 なんだろう、歯切れが悪い云々依然に、話を切り出して来ない。 こんな眉毛は珍しい。左の文を読んだだけでは"サンジの眉毛"を賞賛しているようだが、違うぞ? 眉毛=極太眉毛 なら分るかごはっ・・・! 「朝倉・・・金的は・・・ナシ・・だ・・・」 「えとね・・・?」 何事もないかのように進めますかあなたは。 「そこで、私が召還されたら・・・」 「されたら・・・?」 「まゆこきをしてやったのになぁーってwwwwwwwwwwwwwww」 189 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 00:48:45.47 ID:r+5NQSvI0 「・・・そんな取り決めがあったのか」 驚いた。何に驚いたって、そんなどうでもいい事に"会いたい人が召還できる猫"を使った事もさることながら、 「残念だったでしょーwwww」 などと、意味の分らない勝ち誇り方をしていることにだ。 「正直、どうでもいいんだが」 「・・・!?」 すると、勝ち誇った顔だった眉毛が、目を見開いて一瞬固まる。そしてさらに数瞬、悲しそうな顔をしたが、それを秒単位に直したら 五厘秒ほどだろう。あれ、五厘ってなんかデジャヴが・・・。 「へ、へえ。意外と冷静ねーキョン君」 そりゃ・・・これで取り乱したら、まるで眉毛にまゆこきをして貰いたくて仕方ない見たいじゃないか。>>102め・・・くそっ!! 「本音が出てるわよ?」 ちょっと冷静を取り戻した眉毛がからかいを入れる。 と、 『キョーン、近くにいるかーい?』 自室から佐々木の声が聞こえてきた。 「とりあえず、お前はもう帰れ。佐々木も俺が責任を持って帰らすから」 「えー・・・でもぉ」 「あ、帰るんじゃなくて学校に今からいくのも手だな」 『キョーン?』 ガチャ 「お?」 ドアを開けて出てきたのはやはり佐々木だったが、どうも足取りが危うい。千鳥足というか。 「おう、すまん。ちょっと取り込んでてな」 「いや、それはかまわないよ。でも一つ頼みがあるんだ」 どうしたんだろう、佐々木は少し頬が赤い。 「・・イレ」 「なんだって?」 「その、トイレ・・・を・・・貸してはくれないかな?」 「(ここで選択肢よ!!)」 耳打ちしてくる眉毛の声がなかったら、俺は佐々木を押し倒していたかもしれない。 199 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 00:58:43.47 ID:r+5NQSvI0 「(なんだ選択肢って!)」 思わず俺も耳打ちで返事をしてしまう。 「(あなたばかぁ?ここで佐々木さんを選ぶか、私を選ぶかっていう√マップ出てるでしょ!?)」 「すまん、俺には佐々木√しかみえなごっがぁ!!!」 「キョン君ったら、どうしたの?指先を押さえて」 く・・こいつ・・・一瞬にして俺の全ての指の爪を深爪にしやがった・・・!! 地味にいてーんだよ!! 「キョン・・その・・・もう・・・いいかな、トイレ・・・」 「あ・・・あぁ・・・」 「すまないね」 そう言って俺と眉毛の間をひょこひょこと通り抜ける佐々木。 そこまでしてトイレにいきたかったのだろうか。 「ふふ・・・薬が効いてるみたいね・・・」 「さて朝倉、お前の血は何色か確かめさせて貰おうか」 「や、やぁね・・・どうせ大人になったら飲むんだし・・・」 飲むかよっ!? 「所でいいの?私はいつでもOKだけど、佐々木さんはこのチャンスを逃したらもう捕まえられないかもよ?」 何目的で捕まえるんだよ・・・。 しかしこいつの意図する所は分らなくはない。つまり― 佐々木のような可愛い子が家に来ているんだから、これは彼女にするチャンスなのでは、ということだろう? 「ちょっとキョン君・・・あなた心底馬鹿ね。もううんこようんこ」 ひ、ひどくね・・・? 「佐々木さんにまゆこきして貰えるかもしれないって話よ。多分、これを逃したらもう二度とないわ」 まゆこきひつけーなおい! しかし、どうしよう。なんだかこいつの言葉には妙な説得力があった。 佐々木を引き止める→Y,or N,>>215 215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/14(金) 01:06:58.29 ID:ZSeex7710 y&n 朝倉マユコキ 佐々木逆立ち 226 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 01:17:24.91 ID:r+5NQSvI0 「ちょっとまった」 トイレに向かおうとする佐々木に声を掛ける。 「なん・・だいキョン」 結構辛い状態なのか、言葉を発するのもきつい状態のようだ。 「ただ貸すのは、やはり貸しが出来ていやじゃないか?」 「む?」 「ゲームをしてお前が勝てれば行かせてやろう」 「ゲーム?すぐ終わるのかい?」 ふふふ・・・ 「あぁ・・・すぐ・・・な」 「(キョン君も悪い人だなぁ♪)」 眉毛のつぶやきがうざったらしいがここはスルーだ。 「じゃぁ、早くしてね?」 「おう、それじゃ佐々木。逆立ちしろ」 「ちょっとまっててね」 「すまなかった佐々木。とりあえずトイレに行こうとするのはやめてくれないか」 「・・・キョン・・・結構本気でヤバいんだ。先に行かせてはくれないか」 カタカナ表記したら相当クラっとくるセリフを発しながら俺を上目遣いで見る佐々木。 やめろ・・・そんな・・・まるでヒキガエルみたいに潤んだ目で見るな・・・。 「だが断る。すぐ終わるんだ。それに逆立ちは得意だったろう?」 「確かにそうではあるかもしれないけれど・・・」 佐々木は中学時代、運動が出来た。マット運動系が得意で、よく逆立ちは倒立回転飛びなどをやっていた。マジで。 「で、でも今僕は、スカートだよ?一応、その辺は考慮してくれないかな」 「それも断る。むしろ見せてください」 「あなたにはプライドってものがないの!?」 地面に擦りつけた額がやけに清々しかった。 232 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 01:30:23.14 ID:r+5NQSvI0 「わ、分ったよ。頭をあげてくれキョン」 「そうか!じゃあ逆立ちしろ!」 「身代わりの早さが尋常じゃないよね」 そうは言いつつも、廊下の壁の前で逆立ちの助走を付ける佐々木。ひょこひょこ歩きは依然続いているので、何ともおかしな光景だ。 「んっ・・・」 ふと漏れた声がとても色っぽかった。が、あえてそこには動じないフリ。 「ほう・・・」 未だに佐々木の運動神経はいいようで、全体重を支える力強くもほっそりとした腕、走っていることを思わせる筋のみえるふくらはぎ、 そことは相まって丸みのある太ももがなんとも・・・ 「・・・ッ・・・ッ・・・・・ッ!!!」 「どうしたの?キョン君」 股間を蹴り上げた眉毛が後ろから不思議そうな目で俺を見下ろす。 くそっ・・・!つかまたデジャヴだ!!ふしぎ!! 「んっ・・・キョン・・・これで・・・どうすればいいんだい・・・?」 おっと、忘れてた。逆立ちだけじゃつまらない。 「そうだな、その状況で、『逆立ち佐々木』って5回早口で言えたら言っていいだろう」 「・・は、早口言葉・・・?」 そうだ。ゲームはこれだ。一見してとても単純。文としてもそう難しくはない。しかしー 「わ、わかった。『さかだちささきさかだちささきさかだちささき―』」 今佐々木は逆立ちをしている。しかもトイレに早く行きたいという焦りと、下半身を締めなければという意識もある。 そしてなにより― 「『さかだちさかちさかだちさかだ』!!・・・ッ!?」 俺や眉毛に見られているという恥ずかしさもあるのだ。 「――――・・・ッ!?」 おや・・・? 245 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 01:42:19.00 ID:r+5NQSvI0 「――〜〜・・・ッ!!!」 ぷしゃぁぁ・・・ と、どこか小気味のいい音を立てて、上下の反対になった佐々木の体をなにかが序々に濡らしていく。 「(放尿プレイとは・・・キョン君もやるなぁ)」 普段はスカートに隠され、今は眼前に晒されている白の下着(俺的評価AA+)は、今はべっしょり濡れて佐々木の体に密着していた。 軽く透けてみえる肌色と、その中心の淡い黒が、何ともエロティックだ。 「・・っはぁ・・!」 と、息を吐いて佐々木は逆立ちをやめた。 というよりは、自重を支えきれなくなり、その場に崩れこんだ。 「はは・・・キョンの前で放尿とは・・・僕も落ちた・・・ね」 「さ・・・佐々木ぃー!!!」 佐々木は事切れた。 「く・・・っ!佐々木の仇・・・かならずすいませんすいませんだから旋毛の毛を20本くらいまとめて抜こうとするのをやめてくださいうああああああ」 ぶちぶちっ!!!! 「気を失った見たいね・・・とりあえず、キョン君の部屋に運びましょうか」 「そうだな」 254 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 01:53:14.91 ID:r+5NQSvI0 「さて・・・と」 今、俺は自室のベッドの上にいる。 枕の上に座って、下半身は裸だ。何故って?それを聞くのかいパトリシア・マーティン。 「こっちも準備万端よ」 「ちょっとまて、何で佐々木は裸なんだ」 枕に座る俺の前には、上半身裸の眉毛が。そしてその後ろには全裸の佐々木が壁に寄り添って寝息を立てていた。 「だって、あなたが放尿させた所為でほぼ全身びしょ濡れだったのよ?そのままじゃ、部屋が汚れちゃうわ」 汚れるというほど汚いものでもなかろう。佐々木のならな。 「・・・だから何でそう怖い顔をするんだ」 「しらない!」 そう言って、眉毛は俺の脚を開かせた。 「・・・なんていうか・・」 「なんだよ」 「あんなことさせて置いて大きくなってるあなたってホントにへんt」 「それ以上は言うな。頼む」 せめて、口に出さないでくれ。口にしてしまったら、それは現実の物となるのだから。 「まぁいいけどね。こっちの方がしやすいし♪」 そう言って、割り入った脚の間に顔を入れる眉毛。 「へぇ・・・情報は持っていたけど、やっぱりこんなグロテスクなもんなんだ」 グロテスクとはマイサンに失礼な。一応、手入れはしてあるんだ。 「手入れって?」 ナチュラルに俺のモノローグと会話しやがったなこいつ・・・。 「歯ブラシで垢を落としたり」 「絶対嘘よねそれ」 「あぁ、もちろん。けど―」 「けど?」 けどな― 「まゆこきって、きっとそんな感触だと思うんだ」 「ふふ・・・そうかもね」 そう言って、マイサンは眉毛の眉毛と初接触した。 263 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 02:00:17.56 ID:r+5NQSvI0 正直な感想を言おう、 「んは・・・っ・・・」 微妙だ。 なんだろう、むず痒さの中に、気持ち良さを見つけることは出来るのだが、それ以上でも、それ以下でもない。 「はっ・・・はぁ・・・」 それに反比例するかのように、眉毛のモチベーションは絶好調。頬は真っ赤だし、息も上がっている。 目も半開きだし、瞳は泣いた後かのように潤んでいる。 「しかし、これでもフルボッキな自分が情けない」 「っは・・・んぅ?」 そりゃそうだ。ただのクラスメイトだった女の子が奥で全裸で寝ている。 さらに、現クラスメイトが半裸でマイサンを弄っている。 もしかしたら、世界中の男を的に回してもいいくらい羨ましい状況なのかもしれない。 下半身に意識を集中したら、このこそばゆい感覚で出してしまいそうだ。それはそれで勿体無い。 そう思い、意識を他の所にやろうと奥ですやすや寝ている佐々木を見る。 前述したように、佐々木の顔はいい。さらに、特に意識してみたことはなかったが胸もそこそこあるようだ。 せいぜいC前後だろうが。 「・・っきゃ!?」 すると下半身から軽い悲鳴が聞こえた。 267 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 02:06:30.97 ID:r+5NQSvI0 「どうした?」 「なんか・・・びくってなったわ・・・」 なんだと?俺が眉毛テクに反応しているとでもいうのか!く・・・っ! これはなんとしてでも我慢したくなってきたぞ・・・。 「ちがう・・・」 え? どういう訳だろう。眉毛はしかめっ面をして俺を見上げる。 「キョン君、私の眉毛に反応したんじゃない・・・きっと・・・」 きっと? 「佐々木さんの体に反応したんだわ」 な、なんだってーッ!? それは・・・そうかもしれない。 佐々木は今、壁によりかかって、こちらをむいて座らされている。 しかも体育座りで。内股気味。コレ、サイキョウ。 「むぅ・・・ってあら?」 怒り出すかと思ったが、再び脚の間に顔を埋め、興味深そうにマイサンを弄る眉毛。 「ど、どうした?」 そのあまりの熱心さに、マイサンに異常が起きたのではないかと勘ぐってしまう。 「これは・・・異常だわ・・・」 なにっ!?どうした!? 「透明なねばねばが出てきた・・・精液じゃないし・・・これは危険かもね・・・」 ・・・・どうやら先汁に付いての知識はなかったようだ。 271 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 02:13:11.82 ID:r+5NQSvI0 「それはだな朝倉」 「うん?」 先汁と言ってだな―略 「つまり、気持ち良かったり、性的高まりを感じたらコレがでるの?」 そういうこったな。 「ふぅん・・・」 そう言いながら再びまゆを近づける眉毛。 ふむ・・・このむず痒さはいつまで・・・ ズリッ――!! 「ふぉっ・・・!?」 な・・・なんだ今のは・・・!? ズッ・・ズッ・・・・ズ!! 「おぅ・・・くぉ・・・ふっく・・・!!」 なんだ!?今までの感覚とま全く・・・いや、さっきの感覚のむず痒さを取り除き、快感だけを増倍させたかのようなこの感覚!! 「ちょ、、ストップ!!」 思わず眉毛の頬を両手で挟んで制止してしまう。 「は・・・ ? どうしたの?」 不思議そうな顔でこっちを見る眉毛の眉毛には・・・ 大量に俺の先汁が付いていた。 これかッ・・・! ぬめり気のある俺の先汁が、眉毛の感触を程よいものに変えていたのだ。 まさか、自分で自分の首を締めるようなことになるとは・・・!! 「? あなたの先汁がどうかしたの?」 い、いや・・・。 駄目だ。ここで、「先汁付いてたら気持ちいい」などと言ったら、調子に乗ってどんどんやってくるに違いない。 275 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 02:22:49.60 ID:r+5NQSvI0 しかしクラス委員長の名は伊達ではないと言うことか、眉毛は「ははーん・・・?」と言った様子で口の端を上げ、 「もしかして、このぬるぬるしたのが付いてたら気持ちいいの?」 などと抜かしてきた。そんなわけあるか!ものっそい気持ちいいです!! 「もう本心丸出しね・・・」 そういって再びまゆこきを開始する眉毛。 ずっ・・ずりっ・・・ずりっ・・・。 「はっ・・・くっ・・・うぅ・・・」 「ふぅ・・はぁ・・・これ・・どんどん熱く・・・」 うわ言のように漏れる言葉を聞き取れるほど、今の俺には余裕がなかった。 正直いつ出てもおかしくない。 まゆこき・・・なんて恐ろしい子ッ!! 「ん・・・んん・・?」 と、理性がぶっ飛ぶのをギリギリの所で押さえていると、眉毛の後ろで動くものがあった。 佐々木だ。どうやら目が醒めそうになっているようだ。 しかし・・・ 「ふみゅ・・・」 再び寝入ってしまった。よほど緊張していたのか、それともショックを忘れるために体が無理やり寝ようとしているのかは定かではない。 って!!!おい!! 一度起きそうになった所為で体が動いたのか、内股気味に体育座りだった脚が、いつの間にか開脚されていた。 そこには・・・・ ずっ・・・ずっ・・・!! 「くぁ!!ちょ・・・朝倉・・・っ!!すとっ・・・!!」 「え?あ、きゃっ!?」 視的快楽と、知的快楽が同時に俺を襲い、俺は朝倉の右眉で果てた。 278 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 02:29:16.57 ID:r+5NQSvI0 ビュクッ!ビュッ! という擬音的表現ではなく、耳で聞きとれるのではと思うほどの大きな音を立てながら眉毛の右眉を中心に噴射された我がマイサンズジュースは、 眉毛の顔の右半分を全て覆い尽さんとばかりの量だった。 「――・・・ッ!はっ!くっ!!うぅ〜・・・ッ!」 掛けられている方である眉毛も、何故か体をビクつかせ、息も絶え絶えになっている。 「く・・・はぁ〜・・・」 全てを出し終えた俺は、眉毛の頭に右手を置き、その上に左手、さらにその上にアゴを乗せ 「・・・気持ち良かったぞ、涼子」 そう言ってやった。 「〜ッ!!・・・////」 その行為が、佐々木の肢体を観察するための囮だと言うことは、墓場まで持って行かねば。 290 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 02:38:03.92 ID:r+5NQSvI0 その後のことを少しだけ語ろうと思う。 あの後、眉毛の顔半分に付いた俺の性を拭きとりながら(事後処理というものがあそこまで憂鬱なものだとは思わなかった)、 ふと、思ったことを口にしてみた。 「なぁ朝倉」 「・・・・」 「なあってば」 「・・・・」 「・・・涼子」 「なぁに?♪」 しまった、佐々木の肢体のためとはいえ、出すぎた真似をしてしまったようだ。 とりあえずその問題は後に回して。 「結構しつこくまゆこきしようと思ってたみたいだけど、なんでそんなにやりたかったんだ?」 「え・・・それは・・・えっと・・・」 どもる眉毛。なんだ、はっきりしなさい。 「わ、私ね」 「おう」 「眉毛が・・・その・・・」 「性感帯なの」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それって恥じることなの? 「キョン君ならそう言ってくれるとおもった!!」 「わ!ばか!顔を完全に拭いてからにしてくれえええええ」 そして、眉毛が文芸部員女生徒に消されたのは、それからしばらくしてからだった。 そう・・・それは放課後教室で 『眉間の筋肉で挟んで"眉間ズリ"が出来るか』というものに挑戦していたときだった――。 ―つづく?― 295 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 02:40:50.93 ID:r+5NQSvI0 (´・ω・`) と、言うわけでこのスレは終わりだ。 長いこと付き合わせてすまなかった。 途中の指摘通り、スレタイは基本関係ないんだぜ。 皆の安価で話は進む!今回は俺の独断専行ばっかりだったけど!! ていうかぷん太であがってるのかよwwww これはいい黒歴史になりそうだZe・・・ 多分これからも ハルヒ「東中出身、涼宮ハルヒ」 でいくと思うから、このスレタイを見かけたら覗いてみてくれると嬉しいぜ。 ハルヒの純愛ですか。 個人的には書きたいんですがねぇ・・・おれがツンデレを書くとどうしてもヤンデレにry 303 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 02:47:20.74 ID:r+5NQSvI0 みんな・・・ありがとう・・・ 今ぷん太見てきたけどホントにまとめられてるよ・・・ おれ泣きそう・・・・ 恥 さ ら し だ よ ・ ・ ・ とりあえず、今日は消えるぜ!! 1 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 19:03:00.91 ID:r+5NQSvI0 (´・ω・`)やぁ、3日連続で立ててしまったまろゆきだ。 何せ明日から2日ほど休みだからな。 ここは立てて置かないと他に時間がないと思ってね。 と言うわけで前スレから行ってきた眉コキすれの続行だ。 と言いたい所だが、前のスレで「普通のハルヒもやってほしい」とあったんでな。 安価SSに変わりはないが、出来るだけ普通の展開に持っていってほしい。 今回の最終目的は、ハルヒデレデレ√だ。 そこんところよろしく頼む。 まず時間軸を決めたい。 1=キョンとして、高校に入学してから0〜300日くらいの間にしてくれ。 >>5 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/14(金) 19:16:06.54 ID:eEYVddejO 30 8 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 19:25:57.55 ID:r+5NQSvI0 キョンこと俺がこの高校に入って早1ヶ月。 特に目立ったこともなく4月を終え、今は5月6日のゴールデンウィーク開けである。 定時に学校に向かう途中、例の強制ハイキングコースを少々うんざりしながら登っていると 「よっ、キョン」 後ろから肩を叩かれた。谷口だった。 「ゴールデンウィークはどっかいったか?」 そう聞かれた俺だが、正直朝から野郎と駄弁りながら坂を上るほど元気はないのでスルーしてやった。 「つれねーなー?」 そう言いながら肩に絡み付いてくる谷口が妙に熱っぽく感じた。なんだろうこの寒気は。 谷口から逃げるかのように早々に教室に入ると、ハルヒは教室の窓際の一番後ろの席でつまらなそうに窓の外を眺めていた。 今日のハルヒの髪型は>>12で、それを見て俺は、ああ、今日は>>12だから水曜日か、などと思った。 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/14(金) 19:37:39.12 ID:GRJd9uvBO 天然パーム 14 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 19:48:23.16 ID:r+5NQSvI0 今日は天然パーマだから・・・ふむ、水曜日か。 「よう」 何の気なしに声をかけるおれ。席が前後なだけの関係だが、挨拶くらいはする。俺も常識人だ。 「・・・」 だがハルヒは俺を無視しているのか、それとも俺に気づいていないのか、未だ窓の外を遠い目で眺めている。 「ふぅ・・・」 このやり取りも慣れたもんだ。もう1ヶ月にもなるのだ。一度自己紹介に付いて質問したが、そのときも突放されてしまった。 しかし、なんだろう。ここまで取り付く島がないと、無理にでもこちらを向かせたくなる。 「なぁ」 「なに?」 こちらには目を向けず、俺に横顔を晒しながらそっけない返事をするハルヒ。む・・・。 「曜日で髪型を変えるのは、自己紹介で言ってた宇宙人対策か?」 こいつは曜日で髪型を変えている。 月曜日は伸びた髪を下ろして。火曜日は頭の上で角のように。水曜日はパーマ(ただのクセっ毛かもしれないが)、 木曜日は三つ編み。金曜日は両おさげだ。 前、一度だけ木曜に学校があった時があったが、そのときハルヒは欠席していた。 土日はどんな髪型をしてるか気になるもんだ。 「・・・?」 俺の言葉に多少ビックリしたような顔をするハルヒ。やっとこちらを見て目を見開くその顔は、やはり美人の部類に入るそれだろう。 15 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 19:55:58.74 ID:r+5NQSvI0 「いつから気づいてたの?」 ってことはやっぱり宇宙人対策なんだ・・・。いや、なんとなくノリで言ってみただけだ。まぁ毎日髪型(と言うか髪質さえも)変えていたら、 そりゃ疑問を抱くってもんだ。 「あっそう」 驚いた顔を元に戻し、また詰まらなそうに外を眺めるハルヒ。だが、 「あたし」 いつもならそこで終わるであろう会話が今日は終わらなかった。コレは大収穫かもしれない。 「思うんだけど、曜日によって感じるイメージってそれぞれ異なる気がするのよね」 会話が成立したのは初めてかもしれない。 「色だと・・・」 「おいキョン!お前どうしたんだ!?」 朝のHR後の休み時間に早速俺の元にやってきては肩をバシバシと叩きながら喚くのはまたもや谷口だ。 「どうしたってなにがだ」 「おれ、涼宮があんなに長く会話をしているところ、初めて見たぞ」 へえ、そうなのか。 「一体どんな魔法を使ったんだか・・・」 魔法と言われても。 それにしてもハルヒは、そこまで人と疎遠な人間なのか。 「こりゃなにか起こるぜ・・・」 アゴに指を添えながら自分の席に戻る谷口のセリフが、妙に頭に残った。 そして翌日。 16 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 20:03:13.44 ID:r+5NQSvI0 教室に入った俺が席の方を見ると、俺の後ろの定位置にハルヒは腰掛けていた。 だが― 「よう。髪、切ったのか」 ハルヒは髪をばっさりと切り落とし、腰まで行こうかという長髪は、今では見る影もなく肩に触れる程度にゆれている。 「別に」 とそっけない返事のハルヒ。相変わらずだ。 まぁこれ以上問うても意味がないかなとも思い、自席に付いて前をむく。 すると、 「ちょっと」 後ろからハルヒの声が聞こえてきた。なんだ、用事があったなら初めに言ってくれればいいのに。 「どうした?」 後ろを見ると、ハルヒは人を呼んで置きながらそっぽを向き、空に揺れる羊雲を眺めていた。 なんとなく俺もその方向を眺める。あぁ、五月の空は綺麗だな。 「ちょっと・・・っ」 そう言ってハルヒは俺のネクタイを引っ張った。しまってるしまってる!! 「な、なんだ・・・!?」 「その・・・女の子が・・・髪切ってきてるんだから、お世辞でも誉めるのが世の通りでしょ?」 アゴが外れるほど俺は口を開いていたに違いない。 17 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 20:10:57.09 ID:r+5NQSvI0 なんなんだこいつは。いきなり髪を切ってきて、一応関心を示した俺を一度突き放して置きながらこの発言だ。 おれにどうしろって言うんだ。 「と、とりあえずネクタイを離せ・・・っ!」 俺が意識を手放す寸前、ハルヒが握り締めていたネクタイから手を離す。 「ごっ・・・ごめん・・・」 予想外に素直に謝るハルヒ。どうしたのだろう、顔が赤いようにみえなくもない。 「いや・・・まぁいいが。でもどうした?俺に感想を聞いてどうするんだ?」 素直な疑問だ。こいつはそういった人の目を気にしないものだと思っていたんだが。 「い・・・いいから早くいいなさいよ!どうなの!?」 う。なんだこの切羽詰まった様子は。 とりあえずここは答えて置いた方が身の安全上得策の様だ。 「うーん・・・そうだな」 そう言って俺はハルヒの顔(正確には髪型)をじっくりみる。 「うぅ・・・」 ハルヒは何故か真っ赤になり、俯いてしまった。 ふむ・・・この髪型は・・・>>20 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/14(金) 20:19:08.23 ID:aGhX8Cfq0 聖子ちゃんカット 22 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 20:29:33.62 ID:r+5NQSvI0 「似合ってるんじゃないか?」 この髪型は聖子ちゃんカット・・・つまり新妻聖子(俺の好きなミュージカル女優だ)に似ている。 この髪の長さがもう少し長ければ、顔の綺麗さも相まって新妻聖子そのままだ。 「そ、そう」 返事は詰まらなそうだったが、結構嬉しかったのか、俯いたままの顔からは照れた様子が見て取れた。 「あぁ、長いままでも俺は似合ってたと思うがな」 「〜・・・っ!」 なにか妙なうめき声のような音を発したハルヒは、椅子が後ろにぶっ飛ばんばかりの勢いで立ち上がると、 そのままの勢いで教室を飛び出していってしまった。 「? なんだったんだ?」 そして、ハルヒは朝のHRが始まる直前まで戻ってこなかった。 「キョン君」 そして昼休みまで何事もなく過ごし、中学からの連れである国木田、そして何故か俺を嫉妬の目で見つめる谷口と昼餉を終え、 食後の会話をそれなりに楽しんでいるとクラス委員長である朝倉が俺に声をかけてきた。 「ん?なんだ」 普段会話をしないというわけではないが、イベントやクラス活動の時以外ではあまり俺との接点のない人物からの声かけに 妙な違和感を覚えた。 「キョン君、最近涼宮さんと仲いいのね」 「そうか?」 妙にニヤニヤしながら俺の近くの空席に腰を下ろす朝倉。 「そうよ。涼宮さんったら、他の男子どころか、女子ともまともに会話してくれないのよ?キョン君くらいだわ」 へえ。そうだったのか。確かに誰かと会話をしてる所をみたことがないとは言え、そこまでだったとは。 24 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 20:34:27.22 ID:r+5NQSvI0 「それでね」 そこで話題が尽きたかと思ったが、どうやら今の話題は今から始まる話への前振りだったようだ。 「それで、なんだ?」 妙に余所余所しい態度の朝倉。なんだ? というか、さっきから谷口の視線が痛い。俺は何もしていない。 「あのね?」 なんだ?朝倉は、癖であるのか指先をアゴの下であわせて、上目遣いで俺をみてくる。 こうしてみると、谷口の「AAランク+」の評価もあながち間違ってはいなかったように思えてくるほど、朝倉は魅力的であった。 特に眉毛。 「実はキョン君に頼みがあるの」 ほう、聞こうじゃないか。とりあえず話を。 「うん、ありがとう。実はね・・・」 実は? 「涼宮さんと>>27して欲しいの」 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/14(金) 20:36:35.01 ID:2BqVXkbjO 紙ずもう 33 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 20:49:56.32 ID:r+5NQSvI0 「涼宮さんと、紙相撲をして欲しいの」 ・・・・。 「あぁ・・・やめて・・・そんな目で私を見ないで・・・」 おっとすまない。つい意味の分らない発言に、いきなり授業中に下ネタを大声で叫び出した人物を見るかのような目でお前を見ていたようだ。 「すまん。で?その理由を教えて欲しいんだが」 まず何故紙相撲なのかを聞こうともしたが、もしかしたら理由があるのかもしれない。理由を聞いてそれでも分らなかったら、 そのときはどうして紙相撲な理由を聞けばいい。 「えっと・・・それは・・・」 ついにあわあわと周りを見て挙動不審になる朝倉。目が泳いでいる、とはこの事なんだろう。 「べ、別に理由はないの・・・やって欲しいっていうだけで・・・」 「・・・は?」 どんどん意味が分らなくなる。理由が"やって欲しい"というだけだとは。何とも理解不能だ。 「まぁキョン。そう言わずにやってあげなよ」 そう声を掛けてきたのは俺の対面に座っていた国木田だ。 「もしかしたら、ここではいえない理由かもしれないし。それに紙相撲くらいやってあげてもいいじゃない。理由がなくってもさ」 「国木田くん・・・」 まあ、国木田の言っていることは尤もだが・・・。 「とりあえず、やってやってもいいんだが」 「ホント!?」 挙動不審+潤目だった朝倉が身を乗り出して俺に迫る。顔にはいつもの笑顔が戻り、本当に嬉しそうな顔をしている。 「あ、ああ・・・しかし、紙相撲と言っても、準備がいるだろう?」 迫る朝倉に圧され、つい合意してしまう。だがたかが紙相撲と言っても、準備がいるのは確かだ。 関取はその辺のプリントを切り取って使えばいいが、土俵となる箱のような物はどうする? 職員室から盗んででもくるのか?どっちにしろすぐには準備できないはずだ。 「あら、それなら大丈夫よ」 ぽむ、と手を打つと、とててと自分の席に掛けより、自分のバッグの中からなにかを持ってくる朝倉。 「それは?」と、国木田。 「コレは私の作った土俵よ」 そこには気とプラスチックで出来た板の上に円形のコルク板を固定した、日本紙相撲協定に規定された作りをした公式土俵があった。 37 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 21:00:14.52 ID:r+5NQSvI0 「この下の木みたいな部分は、叩いたときに反発して力士を動かすための力が上手く出るように型紙で組み立てて裏に割り箸で補強してあるの」 ・・・。 「そしてこの上の白い部分はボール紙を使っていて、ここのコルク板見たいな丸いのは、段ボールを潰して使ってあるの」 おい・・・。 「この土台とボール紙の間にはゴムが四箇所に設置してあって、5ミリくらい間を空けてあるの。コレも力士に力が伝いやすいように・・・」 「ちょっとまて」 ここまで一気にまくし立てた朝倉は、どこか新しい発見をした子供のような顔をしていた。 俺の声に反応した朝倉ではあるが、顔は意気揚々としたままで、まるで「早く続きを話させて」とでも言わんばかりだ。 「これ、いつ作ったんだ?」 俺はあえて、マニアックだなおい!などというツッコミは避けておいた。何故なら谷口からの視線が相変わらず痛いからだ。 「えっと・・・昨日造り方を調べて・・・徹夜でつくったの」 最後は♪が付くようなテンポでいい終え、胸を張る朝倉。 ぱっと見でも分るほどの胸が、ブラウスの前ボタンをはちきるほどの勢いで盛り上がる。 正直、辛抱たまらん。 「・・・それで、つまり?」 俺はその先を促す。 「うん。つまりね、後はもうあなたが許可してくれればいつでも出来る状態なの」 俺が許諾すると信じていたかの様なその事前準備を、俺は喜んでいいのか微妙な気持ちになった。 38 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 21:10:20.47 ID:r+5NQSvI0 「ハルヒ」 放課後。いつもの如く、そして脱兎の如く教室から去ろうとするハルヒを呼び止める。 「? なによ」 ハルヒは朝の事を気に掛けている様子はなかった。しかし、俺の方を振りかえるハルヒの顔は、いつもより赤くみえた。 夕日の所為だろうか。 まだクラスには結構な数の生徒が残っていたが、俺は教室後方中央まで到達していたハルヒに近寄る。 「な、なによ」 なにかされるとでも思ったのか、ハルヒは軽く身構える。今からされることが、紙で象った力士を直径12センチの 土俵の上で戦わせるゲームの宣戦布告だとも知らずに。 「えとだな、実は、一緒にして貰いたいことがあるんだ」 何故こんな展開になっているのか、果たして自分でも理解できない。 「・・・なに?」 未だ警戒を解いていないハルヒだが、一応話は聞いてくれるみたいだ。他のクラスのヤツが話しかけてもこんなリアクションを とらないことを知っている俺だから思うが、あながち朝倉のセリフも間違っていなかったようだ。 「えっとだな、その、一緒に・・・」 「一緒に?」 あぁ、何で紙相撲をしよう、と言うだけなのにこんなに緊張しているんだろう俺は。 たかが紙相撲だぞ!!別にやましい事をしようって訳じゃない!! そう自分に言い聞かせ、勢いに任せて発した俺のセリフは 「紙ずりしてくれないか!?」 明らかにやましい物へと変化していた。 41 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 21:14:10.30 ID:r+5NQSvI0 紙・・・ズリ・・・? 「・・・は?」 固まる俺とハルヒ。集まるクラスの視線。 「いやっ!そのっ!」 しまった!おもっきり噛んだ!!しかも最悪な発音になってる!? 「もう一回言ってくれる?聞き取れなかったんだけど」 ハルヒは俺を子供をあやすような目で見ながら先ほどのセリフを反芻するように促す。 くそ・・・今度こそ噛まないように言わねば。 「すまん噛んだ」 「でしょうね」 はぁ・・・と溜息と共に嘲笑するハルヒ。ぐっ・・・次こそ噛まないぞ!! 「俺と>>46をしてくれって言ったんだ!!」 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/14(金) 21:21:42.20 ID:aGhX8Cfq0 モンゴル相撲 51 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 21:32:31.04 ID:r+5NQSvI0 「俺とモンゴル相撲をしてくれと言ったんだ!!」 「・・・」 さらに固まるハルヒ。さらに集まる視線。 もう殺して。いっそ跡形も残らないほどに消し炭に。 「あぅ・・・」 漏れた可愛い声はもちろん俺の物だ。 もう泣きたい気持ちだった。 しかしそこに救いの声が入る。 「いいわよ」 「マジでっ!?」 承諾したこいつの気が知れない。モンゴル相撲を理解しているのか。 「相撲でしょ?ようするに。相撲くらい知ってるわよ」 いやまぁそうではあるんだが・・・。 「そ、そうか。良かった」 自分でつぶやいて置きながらなんだが何が良かったのかさっぱり分らない。 「それじゃ、やると決めたらさっさとやるわよ。私は思い立ったが吉日ってのが信望なの」 そう言って教室を出ようとするハルヒ。 「ちょ、ちょっとまて。何処にいくんだ」 当然の疑問を投げかける俺。するとハルヒは怒りを露わにしながらも顔を赤くほてらせるという高等技術を試行しながら 「ここでやるわけじゃないでしょう?」 と俺をにらみ付けた。俺の目を見ている間にもどんどん顔が赤くなってゆく。 「いや、まぁそれはそうだが・・・」 御尤も、ここは教室。しかも生徒も大多数が残っている。しかしならば何処で・・・? 「そ、そりゃもちろん・・・」 もちろん? 「あんたが誘ったんだから・・・あんたの部屋に決まって!・・・るでしょ・・・」 先ほどの救いの声と言うのは撤回させてもらうことにしよう。 55 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 21:41:34.76 ID:r+5NQSvI0 「うぅ・・・私の土俵がぁ・・・」 教室を出るときの朝倉の声は聞かなかったことにしよう。 帰宅途中の街並みが、普段とは何故かちがってみえた。 隣であるいているのは、確かにほぼ無言で、さらにずっとむっつり顔をしているが、学年でもかなりの確率で女子ランキング上位に 食い込む女子である涼宮ハルヒであるのだ。それが、キッカケが何であれ一緒に下校しているのだ。 俺 の 家 へ 向 け て 。 なんか、新鮮というか、むず痒いというか。 「へえ。キョンって、家、結構遠いのね」 ふ〜んなどと漏らしながら周りを見渡すハルヒの顔は、どうしたモノか真っ赤である。まるで茹蛸だ。 「ねえ、この辺って、宇宙人出たりしないの?」 でねえよ・・・。出たらこの街事態がマスコミの山になるだろうよ。 「ま、それもそうよね」 普段通りのトンデモ会話だったが、どうもハルヒの顔にはいつもと違う感情が見て取れた。 「・・・なによ」 「・・・あ、すまん」 どうやら知らず知らずの内にハルヒの顔を覗きこんでいたらしい。なんかこっちまで恥ずかしくなってきたな。 恐らく俺の顔も今は真っ赤だろう。真っ赤になって二人歩くその姿は、もしかしたら遠目で見たら恋人同士にみえるのかもしれない。 61 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 21:53:58.54 ID:r+5NQSvI0 「ただいまー」 「おじゃまします」 「お帰り〜キョンくぅ・・・おかーさ〜〜〜ん!!!」 「待て妹よ」 「キョンくんが!!キョンくんが彼女連れてきたよぉ〜〜!!わたし捨てられちゃったよぉ〜〜・・・!」 ・・・何てことを言いやがる我が妹よ。 ハルヒは、(こいつ・・・早く何とかしないと・・・)見たいな目で俺をジト目で見ている。 いや、俺何もしてないから。ホントだよ? 奥のリビングで妹の騒ぎ声とそれをなだめる母親の声を聞きながら、俺はハルヒを自室へと招いた。 「へえ、意外と片付いてるじゃない」 部屋に椅子は勉強机のそれ1つだけだったので、俺はハルヒにそれを勧め、自分はベッドに腰を下ろす。 部屋を一通り鑑賞したハルヒは、「で・・・」と言って俯いてしまった。 「どうした?」 「いや・・・その、モンゴル相撲・・・は・・・?」 あ、そういやそんな名目でこいつを連れてきたんだった。 「あー・・・そうだなぁ・・・でも、今親も妹もいるし、相撲なんてスポーツを室内でやるとなぁ・・・」 そう言ってやんわり断ろうとした俺。何故なら出来れば相撲をしたくないからだ。 「そ、そうよね」 ハハ・・・と空笑いするハルヒは、笑っているもののどこか物寂しそうだった。なにか俺の発言は間違っていたか? ・・・・。 少しの間沈黙。なんだか気まずい。 と、いきなり部屋のドアが開き 「キョンくぅん」と妹が闖入してきた。 「はぁ・・・お前はノックをいつになったら覚えるんだ?」 「せんぼん?」 そっちじゃない。 「で、なんだ?」 手早く用事を済ませて退室して頂きたい。いや、沈黙を打開したと言う点では、お前はとてもグッジョブだったと言っておこう。 「うん。あのね、お母さんがね、買い物いくから、欲しいものないかきいてきてって」 夕食の準備は既にしてあった見たいだし、なにか雑貨でも買いにいくのだろう。欲しいもの、ね・・・。 「それじゃ、なにか飲み物と茶請けでも」 「わかったぁ〜。それじゃ、わたしも付いていくから〜お留守番よろしくね〜」 「ああ」 ・・・・!?わたしもついていく・・・だと!? 63 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 22:03:08.62 ID:r+5NQSvI0 「ちょっとま・・・!」 「ばいばーい」 そういって部屋を出ていく妹は、振りかえり際ウインクをして去っていった。 付いていく・・・つまり・・・! 「二人・・・だけかよ・・・」 もうなにかの力で操られてる気分だった。 「・・・・」 結局また沈黙。 しかし、10秒も経たないうちにハルヒが椅子から腰を上げ。 「そ、それじゃしばらく誰もいないってことよね?」 と、妙に真剣な顔でこっちを見つめるハルヒ。 「あ、ああ・・・」 そしてどもるおれ。 「そ、それじゃあ・・・さ・・・。すす、相撲、できるわよね・・・?」 最後まで言い切る前に真っ赤になり俯くハルヒ。なんだか小動物を見ているようで心が和んだ。 「ああ・・・そうだな・・・」 思わず俺も赤くなりながらうわ言のように言葉を漏らす。 「そ、それじゃ・・・」 そういいながらハルヒは制服のブラウスに手をかけ一気に脱ぎ・・・っ!!? 「ちょちょちょ!まて!!」 丁寧に実況している場合ではない。ハルヒは何故上着を脱いだ?なんでなんでなんでなで・・・ モンゴル相撲か。 「訂正!訂正!!モンゴル相撲やめー!!」 もう慌てふためくしかない俺を他所に、ハルヒはブラウスを座っていた椅子の背もたれに掛け、スカートのホックを外し一気に脚から抜きとる。 って普通に観察してんじゃねえかおれ!!目に焼き付けて置こう!そうだそれしかない!! あっさり負けた理性をどこかに追いやり、俺はハルヒの体躯を見つめる。 上気した顔と比例して、首まで真っ赤になったハルヒは、靴下も脱ぐとこっちを見る。 「ちょ・・ちょっと。あんたも脱ぎなさいよねアホキョン!!」 そう右手人差し指をこちらに突き付ける。ちょっとした動きで揺れる胸と、その上の薄い青のブラが何ともカワユイ。 65 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 22:10:45.87 ID:r+5NQSvI0 しかし、俺もこのままハルヒに従うつもりはない。 モンゴル相撲なんて、明らかに出放題なわけだし、それを忠実に再現しなくてもいいはずだ。 「ハルヒ、落ち着け!ここじゃ相撲なんてままならなうおっ!!!?」 説得に掛かろうとした俺は、瞬動でも使ったのかと思うほどのスピードで近寄ってきたハルヒによって投げられる。 落下位置はベッドの上、綺麗にお尻から落ち、一瞬息が詰まる。 「ぐぉ!?」 追い討ちをかけて来るかと思い身構えるが、何も来ない。不審に思いハルヒの方を見ると。 「・・・」 無言でモンゴル相撲特有の、敵に勝った時のポーズ(両手を掲げるようなやつ)をとっていた。 説得ならいまだ!! 「なぁハルヒ。今の行動でも分るように、ここじゃ相撲は難しい。もっと、楽しい落ち着いた、しかし燃えれるゲームでもしようじゃないか」 「なによそれ」 ポーズをやめこちらを見遣るハルヒ。もはや下着姿の状態になれてしまったのか、隠すべき場所を隠してはいない。 「そうだな・・・」 今はハルヒの肢体を網膜に焼き付けている場合ではないが、とりあえず思案するフリをしてハルヒの太ももを観察する。 「そうだ・・・・>>70をしようじゃないか」 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/14(金) 22:15:19.82 ID:2BqVXkbjO kskst↓ 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/14(金) 22:15:30.81 ID:KoVObBgw0 ボンバーマン 77 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 22:22:47.20 ID:r+5NQSvI0 「ボンバーマンをしよう」 「なんで?」 「え?」 「なんで?そう言う展開になるの?」 「えっと・・・」 なにやら怒っている。何でと聞かれても、相撲から逃れようと考えた末に出てきた答えがそれなのだから仕方ない。 どうやってもこれ以上の選択肢が出て来ない自分の馬鹿らしさにちょっと涙が出た。 「ねえ・・・」 「えと・・・」 なにやらとてもまずい気がする。俺は悪い事をしていないはずなのに、俺が悪い事をしてしまった気分だ。 「ねえ・・うぅ・・・」 えええええええええ!? ハルヒは顔を手のひらで覆い、嗚咽を漏らし始めた。な、泣いている? 「ど、どうした、ほら」 ベッドから起き上がり、ハルヒの元へいき顔を引き寄せる。 女に泣かれたら、男はそこで負けなのだ。 「な、俺が悪かったから。泣くなよ・・参ったな」 「うぅ・・ふっ・・・ひっ・・・く・・・」 一生懸命声を出すのをこらえているのか、苦しそうだ。 見るに堪えかねて、俺はハルヒの顔を自分の胸に押し付けた。 「すまん・・・」 女の扱いなんて、そろばんの扱いよりも理解していない俺だったが、とりあえず恋愛小説の鵜呑みのように強く抱き寄せる。 「うぅ・・うぁ・・キョン・・・なんで・・・」 それはこっちが聞きたい気分だよ・・・。 80 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 22:31:25.86 ID:r+5NQSvI0 その状態を5分をど意地していると、ハルヒはやっと落ち着いたらしく、こちらを見上げてきた。 「ねえ・・・キョン・・・」 俺の肩ほどの高さのハルヒの身長は、こういうシチュエーションだと絶大な破壊力を持つ。見上げるハルヒの顔は、 依然真っ赤で、目すらもその色素を受け継いだのか、涙で濡れたそれさえ真っ赤だ。 そして、相撲のために脱いだため、胸元と下半身局部以外は裸だ。正直、この5分で何度死にそうになったことか。 「なんだ」 あえて目線を合わせて聞く。こうすれば照れて目線を反らすはずだと、今日一日で把握したからだ。 しかしハルヒはこちらをみたまま、 「・・して・・・」 聞こえねーよ・・・。 「キスしてっていってんのよばか!」 鼻っ面に頭突きですか・・・。いてえ・・・。 「嫌だといったら?」 あえてちょっと拒絶的な態度をとって見る事にした。 「いいわよ?ボンバーマンをしてやりましょう」 お・・・?拒絶を拒絶するかと思ったが、そうはなさそうだ。 「リアルボンバーマン、やってみたかったのよねぇ」 涙で濡れたその顔は、はにかみながら恐ろしさを含めた笑い顔を作ると言う神業を成していた。 82 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 22:36:34.31 ID:r+5NQSvI0 「あーもう分った!目え閉じろ!」 くそ・・・なんでこんな展開になってんだ・・・。 とりあえず目を閉じさせる俺。正直、キスなんてそうそうした事のある物ではない。 目を閉じ顎をクイと上げたハルヒの顔は、とても綺麗で、それだけで俺の興奮はかなりの加速度を持ち上昇していった。 しかし・・・ 俺はこの唇をすぐに奪う気にはなれなかった。 なんだか、普段からの奇行や俺への暴行を考えると、ここで弱っているハルヒのいいなりになるのは少し癪だったのだ。 ふむ・・・ちょっと悪戯してやるか・・・。 ハルヒは今ほぼ裸体だ。しかも俺に身を預けている。コレはまちがいなくチャンスだ・・・!! よし・・・ならやる事は一つだけっ!!!>>90 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/14(金) 22:40:43.13 ID:KAGEsdTN0 朝倉召還 95 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 22:49:41.23 ID:r+5NQSvI0 「ねえ」 俺とハルヒは飛んだ。 ビックリしたのを形容したのではなく、実際に飛び退いた。 何故なら 「紙相撲マダー?」 今まで二人きりだった部屋(というか家全体に二人しかいなかったはず)のドアに朝倉が持たれかかってこっちをジト目で見ていたからだ。 「・・・おま・・・!空気嫁!!」 「突っ込む所はそこなのね?」 こいつは何者なんだ・・・。さっきは紙相撲にやけに詳しかったし、今は恐らく施錠していたであろう家の玄関を普通に進入してきている。 それ以前に、施錠されていなかったとして、俺たちに気づかれないように部屋に入る事など不可能ではないのか? 「・・・朝倉さん。邪魔しないでくれるかしら?」 「あら?邪魔ってひどいんじゃない?あなたにキョン君がいく様に仕向けさせたあなたが、仕向けた本人であるわたしに向かって」 「・・・!!」 ? どういうことだ?今朝倉はなんといった? ハルヒに俺が向かうように仕向けた。コレは恐らく紙相撲の事だろう。確かに、理由は定かではないが、俺は朝倉に頼まれてハルヒに 紙相撲を提案した。 仕向けさせたあなたが?仕向けさせた"あなた"?ハルヒが? 「どういうことだ」 ハルヒの肩をつかんで俺は顔を覗きこむ。 100 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 23:00:33.78 ID:r+5NQSvI0 「・・・」 ハルヒは俺から目線をそらし、バツが悪そうに床を見つめる。 「おい」 「まあまあキョン君。そんなに涼宮さんを怖い目で見ないであげて。協力したわたしも馬鹿だったわ」 「・・・!朝倉さん!」 ハルヒは床から目線を剥がし、ばっ!という擬音と共に朝倉に目線を移す。 「ふふ・・・キョン君、事情を簡単に説明するとね」 「やめて・・・!」 ハルヒは制止しようとするが、それを俺がさらに制止する。 「ハルヒ、少し静かにしていろ」 俺の自分でもビックリするような低い声にびくっ!と肩を震わし動かなくなるハルヒ。 「わたしは、涼宮さんに頼まれて涼宮さんにあなたに好意を抱くように仕向けたの」 ・・・それで? 「そしてわたしは、それを引き受けた。ある交換条件付きでね」 そんな意味の分らない用件を呑む、その交換条件とやらを聞こうか。 「それはね・・・」 「朝倉さん、それだけは・・・」 「それは、涼宮さんとキョン君がもし交際に成功したら」 ハルヒが俺の腕の中で身を硬くする。 「週イチで、あなたを抱く権利をわたしに譲渡することよ」 俺は混乱しつくしたのかそこで気を失った。 103 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 23:04:57.65 ID:r+5NQSvI0 悪夢をみた。 俺は一人暮らしをしていて、妻が二人いる夢だ。 夢の中では、俺はまるでエロゲーの主人公のような人生を送っていて、二人の妻は共に美人だった。 結婚はしていないが、二人が夢の中で妻だと言い張るので、ならばいいかとその辺は軽視した。 毎日家でゴロゴロしていて、二人が俺を取り合って、身の回りの世話をしてくれて・・・ これって悪夢なの?といわれたら、おれは即答で「悪夢以外のなにがある」というだろう。 二人の妻が、ハルヒと朝倉以外なら天国なんだろうがな。 そして目を醒ました俺がみたのは>>110だった。 108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/14(金) 23:07:55.66 ID:iHW2fwdS0 ボンバーマンに熱中する二人 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/14(金) 23:08:56.05 ID:TYO8ypJf0 >>108 114 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 23:16:09.80 ID:r+5NQSvI0 「ねえ」 「なによ」 「この勝負に・・・!勝ったら・・・」 「うん・・・っ!」 「キョン君貰えるって言う約束・・・ちょ!十字路に爆弾置くのやめてよ!!」 「約束は約束よ」 「くっ!まだよ!3回勝負なんだから、まだ勝機はある!!」 「誰がそんな事いったの?あたしの勝ちよ」 「聞こえない〜!!3回勝負って言ったもん!!」 「あなたが勝手にね。頭だいじょうぶ?」 「くぅー!!こうなったらリアルボンバーマンよ!!!」 「・・・いいわ、面白いじゃない」 「受けて立つというのね。流石涼宮さん。そうこなくちゃ」 「ふふ・・・なめて貰っては困るわ」 「それじゃ・・・」 「「いざ!!!」」 ばしっ! 「きゃっ!」 「きゃぅ!」 「とりあえずそこに正座しろ。二人共だ」 「「・・はい・・・。」」 そこから怒涛の説教が1時間続いた。 117 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 23:24:07.44 ID:r+5NQSvI0 「うぅ・・・キョン・・・」 なんだ。 「脚・・・そろそろ限界・・・正座崩していい・・・・?」 駄目だ。 「うぅぅ〜・・・」 俺から駄目だと言われてすぐ諦める所を見ると、こいつはこいつなりに結構反省しているのかもしれない。 「ま、いいだろう。ハルヒ、ちょっと立ってみろ」 「え、ホント?やたー!!」 そういってピョンと立ち上がるハルヒ。未だ下着だけと言う格好なのが、何故だか今は滑稽にみえた。 「ぉ・・?おとと?」 立ち上がったハルヒだが、1時間もの正座に相当堪えていたのだろう。ふらふらとした足取りで、ぷるぷるしている。 「やっぱ・・・むり・・・きゃっ!?」 座ろうと重心を下にしたとき、ハルヒはバランスを崩した。脚が自由に動かない今、バランスを崩すとどうなるか、言うまでもない。 足を挫いたハルヒはベッドに腰掛けて説教していた俺の方に倒れてきた。 「ってぜってー狙ってるだろお前!!!」 ハルヒの身体をキャッチする寸前。俺は身を翻しその体躯をよけた。 「ふぼっ!」 妙な声を上げてベッドの上に倒れこむハルヒ。 「よけるなんてひどいわよ!姑息だわ!!」 いやよけるだろ普通・・・。 「ねえ・・・キョン君・・・わたしもそろそろ・・・」 「お前は>>125してろ」 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/14(金) 23:28:33.93 ID:KAGEsdTN0 長門とあやとり 132 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 23:39:49.37 ID:r+5NQSvI0 「お前は一番好きな人とあやとりでもしてろ」 「じゃあキョン君いっしょに」 「ただし同性な」 「・・・あ、長門さん?ごめんね、夕食時に。うん、うん。ううん、違うの、ちょっと観察対象の家まで来てくれないかしら」 こいつ・・・電話かけるの早すぎだろ・・・。 「まった」 「ううん、全然。ね、長門さん。あやとりしましょうよ」 ってまた誰か知らんヤツが現れた!!!唐突に!!! 「あやとりとは。情報が足りない」 「あ、あやとりって知らないんだ・・・えっとね・・・」 唐突に現れた小柄な女の子(うちの制服を着てるからうちの学校の生徒なんだろう)に耳打ちをする朝倉。 「理解した」 「さっすが長門さん、状況の飲み込みが早い!」 あやとりって口頭で説明できるもんなのか? 「涼宮ハルヒ、ちょっときて」 「え?あたし?」 そこで唐突に声をかけられる涼宮ハルヒ。 「いまからあやとりをする」 「と、言うわけ。キョン君が"してろ"って言ったってことは、この展開を望んでいるのよね♪」 ? こいつ何を言っているんだ? 長門と呼ばれた女生徒がハルヒに歩み寄る。それと同時に朝倉もその反対側に回りこみながら 「綾はわたしのものよ」 と、意味不明な事をいう。 「ちがう。あなたは間違っている。綾はわたしのもの」 「え?え?」と、挟まれたハルヒ。 そしてハルヒの盗り合いを始める二人。 「まて、」 突っ込むべきか悩んだが流石にこれは言わせて貰おう。 「"綾盗り"違いだ」 138 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 23:48:43.50 ID:r+5NQSvI0 それはあやとりじゃなくて綾って言う人を取り合う二人の絡みだ、などと、どっかのコンビ芸人のネタを脳内で反芻している俺を他所に、 「あなたはわたしのとりこ」 「ちょ・・・」 「違うわよ長門さん。彼女はわたしの事ばっかり考えてるのよ」 「ちょっとちょっと!?」 「それなら、身体で証明してもらう」 「長門さん・・・あなた天才ね・・・」 「きゃぅー!?」 ただでさえ裸体に近かったハルヒは、既にマッパにさせられていた。 とりあえず、喉も乾いたし、流石に妹たちも帰宅しているだろうから、買っておいて貰った物をとってこよう。 一階に下りると母親がニヤケ顔をしながらファンタグレープとスナック菓子各種を渡してくれた。 あと妹も居たが、無言の威圧で発言を無きものにした。 そうしてコップを4つと飲食物を持って部屋に戻ると、そこでは三人が>>145。 145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/14(金) 23:51:11.88 ID:TYO8ypJf0 ボンバーマンに熱中 153 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/14(金) 23:55:09.65 ID:r+5NQSvI0 そこでは三人がボンバーマンに熱中していた。 「ちょっと・・・朝倉さん・・そこに爆弾置いたらわたしがっ!いやぁん!」 「・・・綾はいただいた」 「させないわよ!!」 「綾、逃げることはない。いっぱつ」 「怖いから!それとあたしは綾なんて名前じゃないわ!!」 「せいyもが」 「長門さん、それは言っちゃ駄目なの。分るわよね?」 ボンバーマンに熱中、かと思いきやさりげなく綾取りも継続しているようだ。 ・・・・。 ・・・・・・・・。 なんで三人ともマッパなん? 157 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 00:02:29.57 ID:jnKjgZtS0 「飲み物、持ってきたが?」 「長門さん、綾はあげるわ。わたし、キョン君がいい」 「かまわない」 「かまいなさいよあなたも!!い、いやキョン!別にレズに目覚めたわけじゃ・・・」 「とりあえずお前ら服を着ろ。三人共だ」 「「「なんで?」」」 うっ!?なんだこいつら・・・。まるで服を脱いでいる・・・いや、"着ていない"のが普通の事のように。 「そーいえばさ、朝倉さん」 「なーに?涼宮さん」 「あたしたちって、キョンのとり合いをしてたのよね?」 「そうね」 ちょ・・・!こっちを見つめながら会話をするな!!めっちゃ怖い!!目が黒目だけの人くらい怖い!! 「あたしたち、今裸よね」 「そうね」 あわわ・・・二人ともこっちに目線を固定したまま近づいてくるぅぅううぅう!これやられたらマジ狂うって!! 「今、大声だしたら、キョンのお母さんきて、この状況見て・・・」 「さぁ・・・どう思うでしょうね・・・?」 気づいたら二人は俺の目の前、というより鼻の先が触れるほどの近さまで近づいていた。 そして、可笑しいかな、俺はいつの間にか服を脱がされていた。 158 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 00:04:34.13 ID:jnKjgZtS0 ***>>1だ ここからはエロ注意になる。 ついでに、3人同時と言うのは無理だから、誰か一人に√を絞ってくれ。 √選択肢 rァ  ハルヒ     朝倉     長門     その他 159 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 00:04:55.27 ID:jnKjgZtS0 安価>>165 165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/15(土) 00:06:21.66 ID:eZK2v0TR0 nagato 171 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 00:14:21.58 ID:jnKjgZtS0 「さ、キョン。あたしと朝倉さんのどちらをとるか、もう決まってるわよね?」 「ふふ、何言ってるの涼宮さん。彼にある選択肢はわたしと言う一つだけです」 「へえ・・・」 「ふふふ・・・」 ばちばちばちっ・・・!! やばい、こいつら・・・目から火花が・・・!! 目から火花ってめっちゃ怖いな。などと悠長に考えている暇ではないようだ。 マッパの3人は、どうやってもコレからの展開が予想できる状態だ。 しかし、ここでこの二人のうち二人を選べば、どちらにせよ選ばれなかった一人から殺されるだろう。 それだけは避けねば。 そして俺はどうすればいいか悩んだ。0.2ミリ秒ほど。 「俺が選ぶのは―」 「「ゴクリ」」 「その長門さんとやらだ」 俺はそう言いながら、可愛いお尻をふりふりベッドの下に顔を突っ込む長門さんを指差した。 「朝倉さん、刃物ってある?」 「えー・・・そんな事突然言われてもサバイバルナイフの5本くらいしか準備してないわよ」 お前は普段何をして生活をしてるんだ。 「5本だけなの?少ないわよ」 少ないのかよ! 「とりあえず、二人とも落ち着け。長門を選んだのには理由がある」 「なによ」 「なんなの?」 またもやジト目の二人。マジこええええええ。 「俺が貧乳好きだから。・・とりあえず二人とも胸元に添えたナイフを俺にゆっくり渡そうか」 189 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 00:39:29.99 ID:jnKjgZtS0 「長門、だったな」 「そう」 長門をベッドの上に寝かせ、足の間に割って入る。 「朝倉とは友達なのか?」 「ともだち?」 そこで首を捻る長門。さっきあやとりも知らなかったし、言語障がいか何かを患っているのだろうか。 まぁおれは可愛くていいと思うが。 「あぁ、一緒に話して、一緒に遊んで、一緒にいる時間が楽しい仲間のことだ」 「なかま・・・」 しかし長門は綺麗な身体をしている。確かに胸は無いが、その分先端の僅かな主張が映える。 思わず、と言うか意図的に胸に手を伸ばす。 「ふっ・・・」 目をきゅっと閉じ、長門の口から声が漏れる。軽く触れただけなのに、過剰な反応な気がするんだが。 昔、成長過程の胸は敏感になっているという話を聞いた事がある。もしかしたら、年不相応のこの胸のふくらみは、 コレからの未来を揶揄しているのかもしれない。 「触ってもいいか?」 既に触って置きながらこうやって聞いてしまうのは、どうやらおれがSっぽいからなのかもしれないとのことだ。 因に佐々木談。 「・・・いい」 許可を得て、長門の胸に手を添える。見た目からは、硬さを想像していたのだが、やはりそこは胸と言うことだけあるのか、 少女然とした特有の柔らかさが胸に伝わる。 「っっ・・!? !?」 ふにふにと親指の腹と人差し指の中ほどで胸を挟みこむ。そのたびに長門は困惑したように目を見開き、口から熱い吐息を漏らす。 まさか・・・ 「長門、こういうの初めてか」 「こういうの・・・っ!とは・・・性行為の・・っ・・・ことっ!んっ・・・!」 質問しつつも手を動かしていると、落ち着いた声と艶のある声が交互に聞こえてきてなんだか楽しかった。 「ああ」 「・・・はじ・・・めて・・・!?」 なるほど、初めての感覚に戸惑いを感じているのだろう。と、自己解決しつつ先端の突起を指で挟みこむ。 ふにふにとした柔らかさは、他の所よりもハリがあるようで、とても気持ち良かった。 199 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 00:51:01.10 ID:jnKjgZtS0 しかし、いつまでも胸を弄っているわけにもいけない。 下の方もすぐに入れれる訳が無い。初めてなのだから。 そう思って、左手を長門の右胸に、右手を長門の股間に、口を長門の左胸にやり解していく事にした。 「・・・?」 と、口を近づけようとしたとき、長門の表情が視界に入った。 「どうした?」そう言いながら左手で先端をつまみ上げる。 「・・・っ!!あうっ!・・・〜っ!!」 長門は、腰をうかせてビクビクと痙攣し、2秒ほど静止してまた元の状態に戻った。 どうしたんだろう。まさか・・・ 「口でされるの想像していっちゃった?」 「っっ・・・!」 ぶんぶんとがぶりを振る長門。どうやら図星のようだ。 しかし、今ので長門の下半身は準備できたはずだ。布団にまで流れていくほど長門の股間は濡れていた。 「長門。少し触るぞ」 そう言うが早いか、おれは右手で長門の股間をまさぐりだした。 長門はとても細くて小さくて、まるで子供のようだったが、太ももは異常なほどにふくよかで、とても触り心地がよかった。 「っぁは!・・・くぅ〜〜ん・・・っ!!はっ!!」 何故か毛の無い長門のすじを上からなぞっているだけなのに、相当な反応を見せる長門。 そして指先で穴を探り当て、ゆっくりとそこに中指を沈めていく。 205 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 00:59:42.45 ID:jnKjgZtS0 「うぅぅぅ・・・!長門さんずるい・・・!!」 「キ、キキ、キョンは!好きであの子を選んだんじゃないわ!!そうよ!!!・・・うぅううっ!!うぅー!!キョン・・っ!キョンの枕!」 そう言いつつ、二人は観察を止めようとしない。 それどころか、ハルヒはキョンの枕で、朝倉はキョンのパンツでオナニーを始めていた。 207 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 01:01:10.38 ID:jnKjgZtS0 これは・・・ヤバイんじゃないか? 中指は第一関節にも到達しないうちに先に進めなくなった。 それは物理的なものであり、そして 「っく・・・!!!ぁはっあっっ・・・!!!〜〜〜〜・・・っ!!!!はっ!」 長門の感度的な問題でもあった。 ゆっくりと出し入れを繰り返しているだけなのに、何度も軽い絶頂を迎えているらしく、もう呼吸すらままならない状態だ。 「とりあえず・・・広げるしかないよなぁ・・・」 しかし中指でコレだ。それ以上のものが入れるのかね。 マイサンは少なくとも中指の4倍ほどある。明らかに無理だ。何かいい手は無いだろうか。 無理に入れるという手もあるが・・・>>215 215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/15(土) 01:04:26.81 ID:GsNfqXJHO 竜巻斬艦刀プレイ 266 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 11:49:02.07 ID:jnKjgZtS0 ほふう。飯も食った。ニコチンも摂取した。賢者にもなった! 今から再開しよう。 ところで>>215竜巻斬艦刀は危険だからやめて欲しい。 と、言うわけで再安価を出そうと思う。 267 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 11:49:59.32 ID:jnKjgZtS0 長門にマイサンは入る事が出来るのか・・・? 広げる必要があるのでは・・・。 さてどうしよう。無理やり入れると言う手もあるが・・・。 >>271 270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/15(土) 11:54:18.79 ID:zL9lb6F9O リアルタイムキター 安価なら 長門にのり(食べるやつじゃない方)を入れ放置しておく 271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/15(土) 11:56:29.84 ID:xEtQDTRRO >>270 275 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 12:08:29.02 ID:jnKjgZtS0 「お・・そうだ」 「・・・?」 少しがっくりしている長門から身体を離し、勉強机の引き出しからスティックのり(液体)を持ってくる。 「これがあったな」 百均に売ってあった3本セットのスティックのりを一本持ってくると、長門は少し不安そうな顔をしている。 「それは」 長門が聞いてくる。これはスティックのりだが? 「ちがう。使用目的は」 んー・・・?おれは少しニヤニヤしながらスティックのりのプラスチックの容器を顔の前でちらつかせる。 「ちょっと、これ舐めてくれないか?」 そう言って、長門の口元に持っていく。 「なぜ」 そういいながら、長門はこっちを見つめてくる。瞳がなんだか潤んでいる。 「まぁまぁ」 「・・・ん」 疑問顔のままだが、どうやら俺のお願いは聞き入れてくれるようだ。ちろちろと可愛い下を伸ばしてスティックのりのドーム状 のキャップを舐める。 「そのまま口に含んでくれ」 「もぁ・・・ん・・・」 舐めていた舌を口に収め、そのまま容器も口に含める長門。 「ん・・・・」 含んだその状態でこっちを見上げてくる長門。 「そのまま顔を上下に動かしてくれ」 「ん・・・ん・・・」 少し苦しそうな顔をしながら顔を懸命に動かす長門。 よし、コレくらいでいいだろう。 「ありがとう長門。もういいぞ」 「ん」 そう言って口を離す長門。 コレくらい湿っていれば・・・。 278 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 12:19:58.99 ID:jnKjgZtS0 「長門、力を抜け」 「? ?」 疑問符を頭の上に浮かべながら、おずおずと身体を俺に任せる長門。 開かれた脚の間に、水っぽい長門の秘所が晒された。 長門の唾液によって濡らされたスティックのりの容器をそこにあてがう。 ドーム状のキャップをゆっくりと沈めようとする。 「っ!ん・・・っ!!」 容器はマイサンの1/3ほどの太さだが、それでも長門にはきついようだ。 「中々はいらないな・・・」 ゆっくりと挿入していくものの、力ずくで無ければ入らなさそうだ。 何かいい手は無いかと、秘所の上の方、まだ自室に篭った豆を皮の上から擦る。 「・・・っ!!!!!!!」 すると長門は腰をうかせ、息を詰まらせる。 しかし、快感に反応したその動きの所為で、俺の手によって固定されていたスティックのりの容器はふかぶかと長門の中に入ってしまった。 「〜〜〜・・・ッ!!!はっ!!!ぁー・・・!!」 長門はその体勢で固まり、そして腰を小刻みに痙攣させた。 「入ったな」 長門の顔に顔を近づける。しかし長門の顔は、どこか呆けたような状態になっていた。 口は半開きで涎を垂らし、目も虚空をさまよい色を失っている。 思わず唇を奪う。と言うより口を奪う。 長門の口の中を舌で堪能している間も 「んー!んっ!んん〜・・・っ!!」 と何度も腰を震わす長門。 「ぷは・・・。よし、ちょっとその状態で待ってろ」 このまま少しすれば、もしかしたら穴が拡がるかもしれない。 279 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 12:25:58.82 ID:jnKjgZtS0 「あ・・・」 口を離すと、長門は何処か名残惜しそうに声を漏らし、俺の方を見つめてくる。 く・・・そんな目で見るなよ・・・。 「拡がったら、ちゃんとしてやるから」 別に長門が催促してきたわけじゃないが、これは明らかに本能をさらけ出した顔だ。 人間の三大欲の一つが表に出てきている。 「・・・わかった」 そう言って長門は自分の秘所に刺さったスティックのりに手を沿え動かしだした。 「ん・・・んぁ・・・!ふっ!〜〜・・・ッ!」 まるで自慰をするかのように、というよりまさに自慰をしてそこを広げようとする長門。 コレを鑑賞しているのもいいかもしれないが、流石にそれは叶わないようだ。 「キョンが長門さんから手を離したわ・・・」 「キョン君イズフリーダム・・・」 そう言って俺の後ろで長門との絡みを見て(おかずにして)いた二人が涎を垂らしつつ近づいてくる。 「「ふふふ・・・」」 さて・・・コレは死亡フラグが立っていると見ていいのかね。 どうするか。>>290 284 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 12:33:47.36 ID:jnKjgZtS0 ここでまさかの再安価>>287 287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/15(土) 12:36:02.13 ID:wX+C8Wli0 谷口 288 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 12:36:40.02 ID:jnKjgZtS0 >>287 谷口をどうするか >>292 289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/15(土) 12:37:58.81 ID:4YQGra40O 加速 安価なら電話で谷口に今の状況を自慢 292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/15(土) 12:40:01.97 ID:A/UVB1AIO >>289 295 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 12:48:25.41 ID:jnKjgZtS0 とりあえず二人から逃げよう。 「まあ落ち着け二人とも!!」 部屋の端まで追い詰められた俺は、裸で涎によって床を汚しつつ俺に襲いかかろうとしている二人を制した。 「なによ・・・キョンの身体!キョンの身体!」 「すぐに食べてあげるから・・・ふふふ」 ちっとも制せてなかった。 「は、ハルヒ」 「んふーなに?キョン」 俺の顔を両手で挟み込み口を近づけてくるハルヒ。 「携帯をとってくれ。そしたらキスをしてあげよう」 「どうぞ!!」 はや!持ってくるのはや!! 「あぁありがとう」 そのままハルヒを無視して谷口のナンバーを呼び出す。 「え・・・キョン〜・・・キスは〜・・・?」 近寄るハルヒを右手で制しながら、左手で携帯を耳に当てる。 『しばらくお待ちください・・・WAWAWAわすれもの〜俺の忘れもの〜♪』 ・・・こいつ・・・待ち歌最悪だろ・・・。 『谷口ですぅ!』 「谷口か」 威勢良く電話にでた谷口。 『どうしたキョン』 あっちはあっちで俺のナンバーを知っているので、俺からの電話だと分っていたのだろう。 「実はだな、俺はいま凄い状態にある」 『聞こう。と言うかお前AV見ながら電話とは、いいご身分だ』 どうやら谷口は、後ろでスティックのりに発情する長門の声をAVから漏れる音だと思ったようだ。 296 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 12:59:41.50 ID:jnKjgZtS0 「実はな、この声AVじゃなくてリアルだ」 『・・・すまん幻聴が聞こえた。なんだって?』 「リアルで俺のベッドの上に自慰する女の子がいる」 『病院いけ?』 どうしてもこいつは信用しないようだ。 「ねえ〜キョン〜ちゅう〜んー・・・」 そう言いながら俺の右手をかいくぐってハルヒが俺の顔へと近づく。 「あ、涼宮さん!ずるいですよ!わたしだって!!んー」 そういい二人が俺の顔へと吸い付いてくる。 『キョン、今の声はAAランク+事朝倉涼子と中学時代俺を振った涼宮ハルヒじゃないか?』 お前、振られてたのか。ださ。 『うるせえ!とりあえず状況を説明しろ!』 「信じないんだろ?じゃあな」 『ちょ!ココで切るかおまっ・・・』 俺は通話終了のボタンを押し携帯を机の上へ放った。 「二人ともそこに座・・・だからお前ら行動が早いわ!!」 俺が命令を下す前に全裸の二人は床に座っていた。しかも正座。 全裸の二人はこちらをモノ欲しそうな目で見上げている。 さて、どうしたものか。>>310 310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/15(土) 13:19:50.10 ID:A/UVB1AIO 全員相手にする 348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/15(土) 18:05:28.44 ID:jnKjgZtS0 俺も男だ。女が迫ってきて逃げたら、男が廃る! 「よし、やっちまえ!」 自分に言うように声に出す俺。 しかし、相手は三人だってだから服を脱がそうとするなお前ら・・・!!! 「とりあえず落ち着け。そしてベッドに座・・・OK、行動が早いのはいいことだ」 またもや俺が言い終わる前にベッドに腰を下ろす三人。例の如く何故か正座。っていつの間にか長門も俺の令に従ってる。 よし、3人同時にやるとは言ったが、ここは一人一人の役割を決めて置けばスムーズに進むかもしれない。 そうだな・・・3人いるんだし・・・。 うむ! 「ハルヒ、お前は>>355」 355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/15(土) 18:10:09.91 ID:GsNfqXJHO タンポポに刺身を乗せる 357 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 18:17:29.81 ID:jnKjgZtS0 「タンポポに刺身を乗せてこい」 俺が難解不明の命令を下すが早いか、正座の状態から器用にジャンプし、床に着地。そしてそのままの勢いでドアに向かって かけ出し、部屋を出ていってしまった。 「・・・あいつあの格好のまま出て行きやがった・・・」 その後の展開が凄く不安だが、とりあえずハルヒは何処かへいった。 あれ、コレって3人相手にしてることにならないんじゃ?とも思ったが、もしかしたらタンポポや刺身に発狂するかもしれないし、 そうなればコレは十分俺がハルヒを楽しませていることになるだろう。・・・まぁ希望的推測だが。 「それじゃあ・・・」 と言って、ベッドに正座する残り二人を見遣る。 朝倉はこっちを見上げながら涎をだらだら零している。目も色を失い、「キョン君・・・キョン君っ・・・」と声にはなってないが 口がパクパクと動いている。大丈夫か。人として。 長門は長門で、依然挿さったままのスティックのりをゆっくりとだが動かし、 「ふ・・・っく・・・んっ・・・」と目を閉じ熱い息を吐く。 さて、どちらに何をさせるか。>>367 367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/15(土) 18:33:08.62 ID:oa8q9nOz0 刺身からタンポポを取り除く 372 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 18:36:35.31 ID:jnKjgZtS0 >>367 長門、朝倉のどちらに>>375 375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/15(土) 18:37:20.52 ID:GsNfqXJHO 長門 378 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 18:47:47.44 ID:jnKjgZtS0 「よし、長門ってうお!!」 いつの間にか、正座している長門と朝倉の後ろには、ベッドに横たわるハルヒがいた。いつのまに・・・。 「キョン〜・・・」 そうこっちを微笑しながら見上げるハルヒの身体には、皮膚が見えんばかりの量の刺身が張り付いていた。 そして身体の中心、へその上当たりにタンポポが遠慮がちに2輪添えてあった。 ふわふわと種を撒ける状態の白いタンポポが。 そりゃこの季節のタンポポはそんなんだけどさあ!!? 「よし、長門」 俺は後ろを気にも止めず一心不乱に秘所を弄る長門に声をかける。 「ぇ・・・?はっ・・!?くっぅぅッ・・」 こっちを見て長門はすぐに目線を下ろし、なんだかビクビクと痙攣していた。 「(声だけでいってしまった)」 「なんだって?」 「問題ない。なに」 何かをいったようだったが、長門が問題ないと言っている限り大丈夫なのだろう。 「ああ、後ろを見てくれ」 そう言われ、長門は後ろを振り向く。そのとき初めて気づいたように、長門はびく!と身体を震わす。 「ユニーク」 「ちがう、そりゃ馬鹿って言うんだ」 「わかった」 「ひど・・・」 381 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 18:55:19.18 ID:jnKjgZtS0 「俺はなハルヒ、『タンポポに刺身を乗せる』と言ったんだぞ」 「え・・・」 そう、俺が先ほどの要求が難解だと言ったのはそこだ。 普通とは逆のことを要求し、ハルヒが混乱するだろうと呼んだからだ。 「どうやらハルヒ、お前は俺の言うことを聞けないようだな」 「ちょ・・・違う・・・違うのキョン!聞き間違えただけで!」 「黙れ」 「ごめんなさい」 よし、ハルヒは静かになった。そうだな、ちょうどいい。 「長門」 「なに」 「そいつの身体に張り付いたその刺身、全部取り除いてくれないか」 「・・・食べても」 「あぁ、かまわない」 何故かハルヒの横たわる横には、刺身皿(4枚。自分も食う気だったのか)と、4膳の箸、醤油小瓶、わさびがおいてあった。 長門はそこから一人分のセットをとると、わさび、醤油を皿に入れ、箸でハルヒの鎖骨あたりの切り身をとった。 「いただきます」 丁寧にそういうと、醤油とわさびをつけ口に運ぶ。 「どうだ?」 「おいしい」 よし。意図していたことではないが、これで毒のようなものが盛ってないと言うことは分った。 「少し俺にもくれないか」 「あ、わたしも食べる〜」 しばし、三人が一人の身体から刺身を剥ぎながら食べると言う異様な光景が繰り広げられた。 383 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 19:05:18.62 ID:jnKjgZtS0 しかし、刺身はハルヒの全身にあるのだ。それこそ首根っこから脛下まで。 半分といかない所でお腹一杯、というより飽き、皆無言になる。 「・・・こんな量のお刺身、いったい何処から準備したのかしらね」 そう、俺の身体に擦り寄りながら言う朝倉。胸を当てるな胸を。 「キョン〜・・・もういいでしょ?」 ハルヒの身体にあった刺身は、だんだん無くなりつつはあったが、未だ身体の中心、お腹付近に大量に乗っている。 「んーそうだな・・・長門」 「ん・・・んんっ・・・ふっ!」 声をかけたのに、長門は何故か苦しそうに身を丸め、その双肩を震わせている。 「んん・・・ん〜・・・ッ!」 両手を股にやり、苦しそうに痙攣する長門。どうしたんだろう。スティックのりがまだ苦しいのかな。 「長門、感慨入っている所悪いが、ハルヒの身体からタンポポをとってくれないか」 「な・・・ぜ・・・んっ・・・」 こっちを赤い顔で見ながら疑問を投げかけてくる長門。なんだかこっちまで身体が熱い。 「いいからいいから」 「わか・・・った・・・」 そう言って長門は、四つんばいでハルヒに近づきタンポポに手を伸ばす。 「・・・どうするの?キョン君」 肩の上にアゴを置いていた朝倉が俺に問う。 「なんだか"ふー"ってしたくなってな」 「子供なのね」 ふふ、と楽しそうに笑う朝倉。まぁ違うんだがな。 「ま、みてな」 そう言って、俺はこちらに向けられた長門のお尻に近づいた。 385 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 19:15:08.94 ID:jnKjgZtS0 長門のお尻は、学生のそれとは思えぬほど小さく、そして綺麗だった。 「えりゃ!」 その掛け声と共に、俺は長門の中に身を半分ほど埋めていたスティックのりを引き抜いた。 「ひゃ・・・!うぁ・・・っ!んん〜〜ッ!!」 相当キていた様子の長門は、その刺激に耐え切れず絶頂してしまう。 ハルヒの隣に並んで身を横たえた長門の下半身に回りこみ、その割れ目に手を伸ばす。 「ふぁ・・・」 「・・・まだ相当きついな」 長門はもはや意識が無いも同然の状態で、口だけが辛うじて呼吸と言う生命機能を果たしていることを示していた。 「キョンってば〜・・・」 「また長門さんなの・・・?」 放置された二人は恨めしそうにこちらを見る。 「もういいわっ」 しかしハルヒは、少し意気込んだ様子でそうつぶやくと身体に残った刺身を何も付けずにもしゃもしゃと口に放りだした。 まぁほっとこう。 「でも・・この状態じゃ長門に無理やり入れるのは無理だな」 そう考えるのは一番妥当だろう。このまま入れたら、長門に後遺症を残す可能性がある。 だが長門の目は有無を言わぬ口とは違い、その感情をこっちにダイレクトに伝えてきていた。 「(いれて)」 恐らくその程度のものだろうが、だらしなく開いた口と、真っ赤な顔とのギャップで、その目がとても恐ろしくみえた。 「しかしなぁ・・・」 何故かフル勃起なマイサンをなだめるように、俺は思案した。 どうするべきだろう。>>400 400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/15(土) 19:25:16.79 ID:lK0Cz8s90 谷口に電話 408 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 19:56:37.81 ID:jnKjgZtS0 「朝倉、ちょっと携帯を・・・ありがとよ」 いつも思うんだがこいつらは俺の言葉の先を何で理解できるんだ?超能力者か。 受け取った携帯を開き、リダイアルをする。 『しばらくおまt・・おいキョン。状況を説明しろ』 「電話出るのはえーよお前・・・」 『いいから聞かせろ。出来れば朝倉涼子の喘ぎ声を』 「黙れ」 電話に即刻出た谷口は、受話器越しに興奮している。まくし立てる様な言葉には、余裕が感じられなかった。 「とりあえず、今俺の部屋には女が三人いる。長門と言う女の子と・・・」 『涼宮と朝倉だな』 「理解が早くて助かる」 『さっき声を聞いたんでな。あれの所為で俺は悶々としていたんだぞ』 「そうか」 とてもどうでもいい情報ありがとう。 『それで?何故そんな状況なんだ?もう外も暗いのに』 ホントだ。色々忙しくて気づいていなかったが、もう外は真っ暗だった。帰宅したのが5時半ほどだったから、 そこからするともう3時間近く経つ事になる。 「まぁ、俺にもよく解らん」 これは確かだ。もう意味が分らないからな。 『よく解らんってなんだ。で、今はどんな状況なんだ』 「裸」 『よし、今から俺もそっちに』 「こんでいい」 ぴっ 「なんだったの?」と、再び身体に絡まる朝倉を見ながら 「さあな」と、再びどうするかを俺は考えた。>>413 416 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 20:04:18.73 ID:jnKjgZtS0 そうだ。 「おまえらー」 パンパン、と手を叩いて注意を煽る。 「せっかく四人いるんだし、ゲームでもしようじゃないか。」 「「馬鹿がいる」」 「・・ばか」 元気な2人だけどころか、ぐったりしていた長門までが俺を蔑んだ目で見てくる。 なんで!? 俺の提案は間違っちゃいない。だって皆を相手にするなんて、俺一人じゃ無理だからだ。 「勝ったやつ、俺と」 「「「いざ!!」」」 既に始めやがった!!!しかもリアルボンバーマンかよ!? 「俺と・・・」 俺は途中で切られた言葉を口の中で反芻する。 「>>421しようぜ・・」 と。 421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/15(土) 20:08:37.96 ID:RWPuH+sY0 おにごっこ 425 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 20:22:14.17 ID:jnKjgZtS0 しかし、先ほどの威勢はどこへやら。三人は三人とも息も絶え絶え苦しそうにリアルボンバーマン (つまり胸のぶつけ合い)をしている。 「朝倉さん・・・胸大きすぎ・・・」 「そんなことないわ・・・それより長門さん!あなた胸無さすぎて痛いのよ!」 「失礼」 長門は至極尤もな意見を言いながら怒り(グーぱんち)を朝倉のアゴにヒットさせた。 そして朝倉はダウンした。 「ふふ・・・長門・・・さん・・・やる・・・わね・・・」 そして何もされていないはずのハルヒさえも、なんだか今にも倒れそうだ。 「あなたの手はお見通し。先ほど混入されていた薬もばれている」 「・・っ!?・・・・何で分ったの?」 薬?なんのことだろうか。 「あなたが準備したわさびには、アンドロゲンやエストロゲンが含まれていた」 「長門、それはなんだ」 長門は無機質な目をこちらに向ける。目の落ち着きとは違い、顔は依然真っ赤、呼吸も荒い。 「ステロイドホルモン製剤」 「分るように言ってくれ」 こいつは何処からそういう情報を入手してるんだか。 「性欲増強に効果があるとされる。男性で言うバイアグラ」 ・・・。 「あぁ・・・違うのキョン・・・ちゃんとあんたにも効くよう、バイアグラも入れて・・・きゃうぅぅ!」 怒りに任せハルヒの乳房の先端をつねりあげる。 「い、いたい!!いたいよぉキョン!!あ!やめないで!!やめないでぇ!」 痛いと言うから手を離したのに、どうやら続けて欲しいらしい。だが止める。 「とりあえずお前ら、早く決着を付けたらどうだ」 これじゃ結局二人を相手にすることになる。全く・・・。 426 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 20:27:17.65 ID:jnKjgZtS0 そして、身体に物が触れるだけで快感になってしまうと言う異常な状態での二人の闘いは、4分ほど続いた。 その間、バイアグラ入りわさびを食した所為であろう性欲を振り払うため、一人でボンバーマンをしていた。 なんだ、結構面白いじゃないか。 そして、1ゲームが終わった頃、俺の後ろでの戦闘は終了した。 「・・・勝ったのか」 そこには、激戦に勝ち残り、その何とかホルモン剤の所為なのであろう愛液が太ももまで垂れた全裸の>>434が立っていた。 434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/15(土) 20:32:10.84 ID:VHbLmFDV0 谷口 440 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 20:40:23.26 ID:jnKjgZtS0 「あぁ」 ・・・・・。 俺は目を疑った。今までこれほど自分の目の前の光景が嘘だろ?と思ったことは無かった。 「涼宮も長門とやらも、まだまだだったな」 「なんで・・・お前が?」 そこには全裸でフル勃起、さらにその先端から透明なカウパーを垂れ流す谷口の姿があった。 「言っただろう?今からそっちにいくって」 仁王立ちをする谷口は口の端を歪めてこちらを見下ろす。 「くるなと言ったはずだ」 「さあて、なんのことかな」 谷口は俺に一歩近づく。 「大体お前は、俺につめたすぎる」 歩く度、股間のブツが揺れて正直不気味だ。 「昨日だってそうだ」 昨日?はて、何かあったか。 「朝だよ朝。俺がゴールデンウィークに付いて聞いたのに、お前は無視して行こうとしたじゃないか」 そんなことも・・・あったか? 「けっ、もう忘れてやがる。俺はな、お前のそう言うとこ嫌いじゃないが、結構辛いもんもあった」 谷口は顔をしかめ、俺の正面に胡坐をかく。 「今日なんて、俺や国木田と話してたのに、お前はすーぐ女との会話を優先しやがる」 そりゃ、お前たちとの会話よりは優先するだろうよ。 「俺はな、涼宮に振られた」 突然、昔話を始めた谷口。 「そして思った。女は信用ならんと」 背筋が凍った。 442 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 20:45:00.38 ID:jnKjgZtS0 思えば、谷口は今日の昼休み、ずっと俺を睨んでいた。 そして俺は、それが俺に対する妬みの視線だと思っていた。 そう、思っていた。勘違いだったのだ。 「正直、朝倉や涼宮と一緒にいると聞いた時は怒り狂う所だったよ」 つまり谷口のあのときの視線は― 「キョンを女にとられてたまるか、ってな」 女になびく俺への怒りだったのだ。 465 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 21:36:56.97 ID:jnKjgZtS0 「なぁキョン・・・」 そう言って谷口は、胡坐の状態から四つんばいになってこちらに近寄ってくる。 「おれさ・・・」 俺は全身に鳥肌を立てていただろう。部屋にいる5人の中で、俺だけが服を着て、暖かい格好のはずなのに 一番寒そうにしていたのは俺だけだった。 「お前のこと・・・」 俺は思わず、座ったままの状態で腰を引く。 「落ち着け谷口、お前はどうかしている」 「どうかしている?そうかもな」 自嘲気味に笑う谷口だが、一向に近づくことをやめようとはしない。 「知ってたか?俺、結構力はあるんだぜ?」 そう言った谷口は驚きの跳躍力で俺の上に覆い被さり 「やらないか・・・」 耳たぶを舐めあげながらそう囁いた。 「夢かよ!!?」 俺はバネの様に飛び起き、周りを見回した。 なんだか、明日から谷口にあわせる顔が無い。というかむしろ顔をぶん殴ってやりたい。 俺が夢だと気づいたのは、谷口にお尻にごにょごにょされた時に痛みが無かったからだ。 絶対に何かおかしいと思い、自分で自分を殴り覚醒した。 明晰夢を見るのは初めてだった。 「しかし暑いな・・・」 もしかしたら暑いのではなく身体が熱いのかもしれないが。 しかし暗い。電気は消え、自分の視覚がちゃんと機能しているのかさえ疑わしい。 とりあえず電気を付けよう。そう思いベッド脇にあるはずの電気スタンドへ手を伸ばす。 「あれ・・・そう言えばどこから夢だったんだ?」 469 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 21:47:54.69 ID:jnKjgZtS0 そして俺は予想外の感触に飛び退く。 スタンドの方へ手を伸ばしたはずのおれだったが、つかんだ物は別の何かだった。 なんだ?なんだなんだ!?今の柔らかい感触は! 明らかに生ものの感触だった。生暖かい感触と、すべすべした質感。 くそ、暗くてわかんねえ!! と、思っていたが、だんだんと目が慣れてきた。 そして俺はベッドはベッドだったが、普段とは逆さまに寝ていたことに気が付いた。 なるほど、じゃあスタンドじゃなくて電気を付ければいいか・・・。 みえるようになった目を凝らしながら床に降り立ち、部屋の明かりを点すため、ドアの方へ歩く。 ・・・・・床が濡れてるんだが・・・? そしてスイッチを手探りで見つけ、それを押し入れる。 ぱちっ、と静かな部屋にスイッチの音が響き、コンデンサを溜める為の電気が蛍光灯へ2・3度送られる。 そのときの、ぱっぱっ、と点る短間隔の明かりで俺はみた。 ベッドの上で、先ほど俺が寝ていた所の隣に寝る>>478と、床に倒れるそれ以外の二人を。 478 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/15(土) 21:51:20.83 ID:uK/JF9r00 佐々木 485 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 21:54:24.07 ID:jnKjgZtS0 >>478 "それ以外二人"の当たりで分って欲しかった・・・ ハルヒ、長門、朝倉の三人から頼む 再>>490 490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/15(土) 21:56:59.25 ID:87TjY+YO0 ハルヒ 493 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 22:08:57.24 ID:jnKjgZtS0 「ハルヒ・・・」 思わず声が漏れる。 どうやら、三人とも疲れて寝ているだけのようだ。朝倉、長門は仲良く部屋の真ん中で並んで横たわっている。大の字で。 そしてハルヒは、猫が陽だまりで寝ているかのように丸まってすやすや寝息を立てていた。 「しかし・・・」 三人とも裸と言うのが、何ともシュールな光景だった。 しかし、この床を濡らしているのはなんだ。透明だけど、ぬるぬるしている。 そう思って床を伝ってきたその先を見ると・・・ 「そこの二人、ちょっと起きろこら!」 俺は二人の股間に踵落としをお見舞いした。 「きゃぅ!」 「・・・いたい」 二人は三者三様ならぬ二者二様のリアクションで身を起こす。 「あら、キョン君起きたのね」 「おはよう・・・」 ああ。それじゃ、服を着てGO HOMEだ。 「えぇ〜・・・」 「わかった」 「長門は理解が早くて助かる。ご褒美だ」 そういって長門にデコチューをする。 「・・・今日は良く寝れる気がする」 そう言うが早いか、いつの間にか着替えた身体を部屋の外へ向ける。 「・・涼宮ハルヒの混入した薬は、既に効果が切れている。後はあなた次第」 「そうか。ありがとな」 「いい」 そして、長門は去っていった。 501 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 22:26:31.45 ID:jnKjgZtS0 「朝倉、お前もだ」 長門を見送ったおれは、朝倉の方へ向き直る。 「わたしもなの?まったく・・・しかたないわね」 あ、やっぱ待った。 「え?もしかして・・・」 朝倉はとても顔を輝かせながらこちらを見る。ふふ、そう期待してもらっても困る。 「なになに?」 まだ服は着るな。汚れるからな。 「服が汚れること・・・じゅる」 「床を掃除してから帰れ」 「そんなとこだと思ったわよ!!」 下着だけを付け、朝倉は掃除を始めた。 「それにしても・・・」 朝倉は床に雑巾掛けをしながら独り言のように話し始めた。 「涼宮さんがわたしに話しを持ちかけてきたときは、ホントビックリしたわよ」 そういや、ハルヒは何でそんな面倒なことに打って出たんだ? 「さぁてね?わたしにはわからない。でも―」 朝倉は雑巾の手を止め、こちらを見上げると垂れた髪を耳にかけ、ふふっと笑った。 でも、なんだ。 「それくらい、あなたが好きだったんじゃないかしら?」 悪戯そうに笑うその顔に、俺は顔を伏せることしか出来なかった。 506 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 22:33:04.66 ID:jnKjgZtS0 「それじゃ、わたしも帰るから」 掃除を終わらせ、荷物をまとめてそう言った朝倉は、少し黙って俯いてしまった。 「どうした?」 「あのね、キョンくん・・・」 朝倉はシュンとうなだれたように下を見つめたままだ。 「なんだ」 このまま黙っていては、先にすすまなそうな気がしたのでこちらから問い掛ける。 「うん・・・その、今回は譲るけど、涼宮さんに全てを任せたわけじゃないの」 うん? 「だから・・・その・・・わたしもあなたの事、好きよ」 そう言って朝倉は、俺の唇を強引に奪い、さらに舌を入れ10秒ほど堪能して口を離した。 俺は咄嗟の出来事に反応する事も出来ず、朝倉に全てを任せ、口を離されてさらに10秒後、我に返った。 「・・・はっ!あまりの気持ち良さもとい突然のことに反応できなかった!朝倉おまええええ」 「ふふ、あわてるキョン君、かわいい♪」 そういっておれから離れた朝倉は、 「またね」 それだけ言って部屋から出ていってしまった。 窓から。 「・・・とことん常識知らずだなあいつ・・・」 俺は、ふと時計を見て日付が代わっていることを認知した。 508 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 22:44:11.47 ID:jnKjgZtS0 「おい・・・おーい」 身体を丸め、裸で幸せそうに寝ているハルヒの頬をぺちぺちと叩く。 寒くはないが、まだ裸で寝るには早い時期だぞ。おい、おーい。 「ん・・むぁ・・・ふぁぁ〜・・・」 眉を顰め、直後大口を開けてあくびをしながら伸びをするハルヒ。 形のいい胸が、それほど大きくないことを強調するように前に突き出される。 「起きたか?」 「〜・・・ってうわわ!!何でキョンがいるのよ!?」 ハルヒは俺を見るなりがばっ!と身体を起こし、おれから飛び退く。 「しかもあたし裸じゃない!!・・・って、そうか、そう言えばそうだったわね」 近くにあった毛布を引っつかみ、それを胸の前で握り締めるも、事態を把握したのか肩の力を抜くハルヒ。 「ところでハルヒ、何で俺は寝てたんだ?」 俺は何処からが夢だったのかを確認するためにハルヒに問うた。 「あぁ、あんたがあたしたち3人をほっぽらかしてボンバーマンしてた時、あたしたちのやってた殴り合いが反れてあんたに当たったの」 そういって、ハルヒは何処からかバットを取り出しヒョイヒョイと動かした。 ・・・殴り合い? 「ま、そんな事はいいのよ。で?あの二人は?」 そういってハルヒはバットを投げ捨て(もっと静かに投げろ!)部屋を見回す。 「あれ、皆いないどころか、部屋が綺麗になってるわ」 ああ、あいつら(朝倉)に帰るとき片付けるよう頼んだからな。 「ふ、ふーん・・・」 ハルヒは、突然顔を赤くすると、俺と目線が合わないように無理やり部屋をきょろきょろと見回した。 薬は抜けたんだから、顔を赤くする理由はないと思うのだが。 ふと、朝倉の声が脳裏で再生される。 『それくらい、あなたが好きだったんじゃないかしら』 ハルヒに習って自分の顔が真っ赤になるのを感じた。 513 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 22:56:30.13 ID:jnKjgZtS0 「ね、ねえキョン?」 あ、ああ、なんだ? 「あ、あたし、結構今の格好恥ずかしいのよね」 ・・・そりゃそうだろう、みてる俺だって恥ずかしい。 「き、キョンも、その・・・脱ぎなさいよ・・・」 さらに真っ赤になったハルヒはとうとう毛布に顔を埋めてしまった。 「お、お前が服を着ればいいだろ!おれ、外に行ってるから・・・」 と、行って外に出ようとした俺を、ハルヒは未だ制服だった俺のYシャツを引っ張り制した。 「やだ」 「なんだと?」 俺の言葉に一瞬ビクリとするも、ハルヒはこちらを見上げ 「やだ!」 そうもう一度いい、俺に飛びかかってきた。 ハルヒはその勢いで俺の唇を奪うと、すぐに口を離して見つめてきた。 体勢は、俺がした、ハルヒが上で重なっている状態だ。 ハルヒは裸なので、いろんな所が身体に当たり、今更ながら目のやり場に困る。 しばらく見つめあっていたが、俺の方が負けてしまう。それほどハルヒは、まさに穴が開くほど俺を凝視していたのだ。 「ねえキョン・・・」 ハルヒは上半身の力を抜き、身体を俺の上に乗せアゴを俺の鎖骨の上あたりに固定する。 「好きよ・・・」 俺の理性がぶっ壊れる音が聞こえた気がした。 516 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 23:12:42.16 ID:jnKjgZtS0 翌日 ハルヒは、いつもと同じ時間、同じ場所にいた。昨日の事もあり、少々顔が合わせ辛かったが、 「よう」 「あ!キョン!」 こいつの元気な顔と、後ろで一つ結びされたポニーテイルをみただけで来て良かったと実感できる俺は結構な現金者なのかもしれない。 「ねねね、キョン」 なんだ? いつもの調子とは違い、俺に甘えるように摺りつきながら話しかけるハルヒ。 俺もビックリしたが、それ以上にクラスのヤツが驚いているに違いない。こんなハルヒ、他のヤツに見せるのはなんだか癪だが。 「なんだ?じゃないわよ!せっかくあんたの注文通りポニテにしてきてやったんだから、ちょっとは誉めなさいよ!お世辞でも!」 そういいハルヒはくるりと一回転して見せる。ふわりと舞ったスカートとポニーテイルが何ともいえない。 「ああ、似合ってる。お世辞じゃなくな」 そう言ってやると、ハルヒは 「んふ、そうでしょうそうでしょうよ!」 とご機嫌に笑ってみせる。 そこにクラス委員、もとい非常識眉毛がやってきた。 「だから、あなたはわたしの事をもっと―」 だからモノローグと普通に会話するなと。 「まあいいわ。それよりキョン君、涼宮さん。昨日はお楽しみできた?」 「もちろんよ」 「・・・ここが教室だと言うことを忘れないように」 クラスの男子が殺意しかこもっていない目でこっちに注目してるから。 そこ、カッター等の刃物を筆箱から出さない。 「ま、わたしのおかげよね。キョン君、昨日は」 「何言ってんの、全部あたしの実力よ!!」 「ふーん・・・?」 ハルヒと朝倉のやり取りを、クラスの視線を浴びつつ止めるべきかほったらかして置くか思案しつつ俺は 「ま、これでいいのか?」 と楽観的な言葉で締めくくってやった。 ―ハルヒ√Fin― 518 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/15(土) 23:15:54.20 ID:jnKjgZtS0 (´・ω・`)やぁみんな。 ここまで保守してくれた人、見てくれた人、絵を描いてくれた人、そしてなんとなく世界中の皆、ありがとう。 実はここで終わるつもりは無いんだ。 最後にハルヒ√Finと書いたのは他の√もやってみたいからなんだ。当然。 そして同時に、ハルヒとのエロ展開を端折ったのは、>>1のエロ表現能力が低いからなんだ。 希望があれば、このスレ内で書こうじゃないか。 昨日から長々やったハルヒ√、俺は満足だ。 満足じゃないと言う人は、次の安価で"ハルヒを書け"と原文ママで書いてくれ。 後半gdgdになったが一応終わりだ。 そして日付変更から、また再開しようと思う。 それではしばし。 537 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 00:02:00.06 ID:W+AjHKcv0 さて、日付も変わったことだし、安価をとろうか。 おれはどうすればいい?>>545 545 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/16(日) 00:06:18.18 ID:PLmTH2Kr0 ハルヒにメール 551 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 00:17:09.83 ID:W+AjHKcv0 「暇だ」 キョンこと俺は、土曜日と言う週五日制の学生には何とも暇でしかない一日を堪能していた。 昨日は夜遅くまで長門からかりた本を読んでいた所為もあり、起床したのは昼時寸前だった。 空腹を昨晩の残り物でみたし、両親は仕事、妹は遊びと言う理由で誰もいないリビングを占有していた。 しかし、土曜日の昼と言うのは、とても暇だ。テレビもまともな物をやっていない。 「やることねーかなー」 長門からかりた本は昨日の夜全部読み終わってしまったし、さらに言うなら夏休み前のこの時期は外に出て遊ぶのも億劫だ。 つまり、完璧にやる事がなくなってしまった。 俺は開かれたカーテンと、そこの窓からみえる眩し過ぎる日差し、その上にあるエアコンを見て、さらに外に出る事がいやになった。 地球温暖化、とか言うけど、こういうとき実感してしまう。 部屋には備え付けの時計があるが、癖で携帯を使って時間を確認してしまう。 「1時・・・か」 飯を食うのに1時間も使ったのはいいが、1時と言う遊びに行くには遅すぎ、テレビ番組を堪能するには早すぎる時間を恨めしく思った。 「ん?」 ふと、携帯にメールが入っていることに気が付いた。 「古泉からか」 携帯のディスプレイには、SOS団団員その4こと古泉一樹からメールが入っていた。 内容は 『また、閉鎖空間が発生しています。もしかしたら、涼宮さんに何かあったのかもしれません。それとなく探ってはくれませんか?』 とのことだった。因にメールが届いたのは朝方4時だ。こんな時間に起きているはずもない。 「また、団長様は何が不満なんだろうな・・・」 そうぼやきながら、俺はハルヒへメールを送るためにアドレス帳を呼び出した。 552 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 00:17:53.47 ID:W+AjHKcv0 *夏休み前と言う時間軸に勝手にしました。  あとこの時は、まだ古泉は副団長になってないと思うんだ。  違うようなら、脳内で変換してくだしあ>< 555 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 00:29:34.02 ID:W+AjHKcv0 そうは思ったものの、別に"俺が"ハルヒに用事があるわけではなく、メールを送る時の切り口をどうすればいいかわからない。 結局、10分ほど悩んだ挙句送ったメールが 『よう、団長殿。元気か?』 という、朝の挨拶程度にどうでもいい物だった。 自分の文才の無さに愕然としながらも、本棚にあった宮部みゆき著の本を読んで返信を待つ。 『ララララ、サンバでTo night♪』 と、織田裕二「Love Somebody」が部屋に鳴り響く。 SOS団団員からのメールは、全員この曲に設定してある。踊る大捜査線いいよな。 携帯を開きメールを見る。するとそれは、ハルヒからではなく朝比奈さんからであった。 神速が如き速さで携帯を操作し、メールを見る。内容は― 『すいません(汗の顔文字)、今涼宮さんと一緒にいるんですけど、涼宮さん携帯の充電切れちゃってるみたいなんですよ(困った顔の顔文字)。 何か用があるのなら、お電話を差し上げますけど・・・(意気消沈した顔)』 なんだろう、この人はメールからマイナスイオンを出すことが出来るのかね?だとしたら、ノーベル賞物だ。 しばしメールから感じられる癒しオーラを受け、HP回復を試みる。 「っと・・・返信返信・・・」 あまり待たせてはいけないと思い、メールを送る。えっと・・・ 『あ、いえ。別に急ぎの用事があった訳ではないので』 と送ろうと思ったが、その下に気になった事をもう一文加える。 『それよりも、何でハルヒと一緒にいるんです?買い物か何かですか?』 そして、俺は送信ボタンを押して読書を再開した。 561 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 00:40:17.23 ID:W+AjHKcv0 すると、2ページも読み終わらないくらいの時間が経って 『電話が掛かって来たわよ!早くとりなさいよ!!』 という、何故かハルヒに設定された着歌が鳴り響いた。因にSOS団団員からの電話の着信音は全てこれだ。 何故か凄く不愉快なのは、読書の邪魔をされただけではないだろう。 携帯を開くと、そこには"朝比奈みくる"との表示。それだけで癒されるのは俺だけだろうかね? 「もしもし」 通話のボタンを押して常套句を告げる。 『ちょっとキョン!?あんたね、あたしの携帯の充電がギリギリなの知っててメールしてきたでしょ!!』 しるか・・・。 『あんたのメールに返信しようと思った矢先電源が落ちたじゃない!もう!』 そ、そうか。しかしそれって俺の所為か? 『あんたの所為以外に何があるってのよ!』 ふむ、古泉が閉鎖空間の発生を言ってくるだけあって、ハルヒは少々殺気立っていた。 『ふん、で?あんた、なんか用事があったんじゃないの?』 ハルヒは、まあいいわ。と言った感じで話を切り出してくる。 「なにがだ?」 『何が、って何よ。あんたがメールをよこしてきたんでしょ』 ああ、そうだったな。しかし、そんなことを言われても、俺は古泉から言われるままにメールをしただけだ。特に用事などない。 「いや、暇だったんでな。特に用事といった物はない」 俺は半分嘘、半分本当の事を言ってみた。 『なにそれ。つまんないわねー。宇宙人見つけた!とかじゃないの?』 ねーよ。 『あっそ。で、あんたは暇な訳ね』 そうなるな。 『わかったわ。あんたの携帯って、あたしと同じとこのよね』 お前と・・・?あぁ、たしかそうだな。 『じゃあちょっと待ってなさい』 「お前が待て。待ってなさいって、お前、ウチにくるつもりか」 『そうよ?』 ・・・色々と面倒な事になる予感が凄くするんだが。 563 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 00:52:49.52 ID:W+AjHKcv0 電話を切り携帯を見つめる。 『20分もせずに付くから、それまで部屋の掃除とかしてなさい!わかったわね!』 といい一方的にブチったハルヒの考えがよくわからない。携帯の機種を聞いてきたってことは、充電しに来るだけかもしれない。 そう思い、とりあず部屋の掃除を始める。この季節、エアコンを入れっぱなしにする事も多いので、部屋は少々埃っぽかった。 しかし・・・ 「・・・保険ってことで」 そう思い、俺は朝比奈さんにメールを送ることにした。 『件名:このメールは、ハルヒに見られないようにしてください  本文:今朝方、古泉からメールが入っていて、閉鎖空間の発生を感知したと言っていました。      もしかして、今朝比奈さんとハルヒが一緒にいるのも、それの関係なんですか?』 そして俺は、部屋の掃除にとりかかった。 しかして、俺の部屋は綺麗とはいえないものの、あまり散らかっている方でも無かった。 本は一応全て本棚に入れてあるし、机の上も中も殆ど使わないこともあって綺麗にしてある。 クローゼットの中はちゃんと整理してあるし・・・年齢制限の入った本は、先日谷口が全て持って行きやがった。 まぁ、それが吉と出たようだが。 取り敢えず、床の雑巾掛けくらいはしておこうと、洗面所から雑巾とバケツを持ってくる。 普通にあるいているだけでは気づかないが、床ってのは一番汚れているところだ。 そして雑巾掛けが終わる頃、朝比奈さんからメールが届いた。 『わかりません・・・実は、わたしも今日の朝、涼宮さんから急に呼ばれて、一緒に街を散策していたんです・・・(汗の顔文字)。  今、近くのコンビニあたりです(笑った顔文字)。後5分ほどで着きますよ(音符の顔文字)』 ふむ・・・このメールから解ったことは二つあるな。 1:朝比奈さんが可愛いと言うこと。 2:朝比奈さんはメールでもやっぱり可愛いと言うこと。 まあ、これくらい知ってたけどな。 そして部屋全体を雑巾掛けし、バケツと雑巾を片付け終わった時、狙ったとばかりに玄関の呼鈴がなった。 573 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 01:04:28.42 ID:W+AjHKcv0 「おっじゃまー!」 そう言ってハルヒは俺が出迎える前に勝手に家に上がりこんできた。 「おう。らっしゃい。朝比奈さんも」 「こ、こんにちわぁ、おじゃましまぁす・・・」 舌ったらずな朝比奈さんの声に癒されつつ、勝手にリビングに向かうハルヒを制す。 「ちょっとキョン!なにすんのよ!!」 首根っこを文字通り"鷲掴み"されたのが気に障ったのか、ハルヒは俺の腕に噛みつかんばかりの勢いで歯を剥く。 「あぶね!すまん!ちょ!あぶっ!」 ガチンガチンと歯を鳴らせながら手に襲いかかってくるハルヒを牽制しながら、俺はハルヒをなだめ様と試みる。 「は、ハルヒ!部屋はこっちだ!せっかく掃除したんだから、俺の部屋にこいよ!」 「あ、そうね」 するとハルヒは落ち着きを取り戻し、それもそうか!と言わんばかりの顔をして 「ほら!そうと決まれば早く連れて行ってよ!」 と俺を促してきた。 現金なやつめ・・・。 「し、しつれいしまぁす・・・」 「へぇ、キョンの癖に結構片付いてるじゃない」 「お前が掃除をしろと言ったんだが?」 「ま、それもそうよね」 掃除の為に切っていたエアコンのスイッチを入れながら、俺は二人に椅子を勧める。 「あ、あ、すすいません・・」 と恐縮そうに椅子を受け取る朝比奈さんと違い、ハルヒはさも当然のように腰を下ろし 「キョン、充電器とコンセントの場所は?」 などと聞いてくる。遠慮を知らないとはこのことに違いない。 「コンセントには繋いである。ほれ」 と充電器のプラグの方を差し出す。 「よきにはからえー」 とそれを自分の携帯に繋ぐハルヒ。なんなんだ。 577 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 01:15:02.32 ID:W+AjHKcv0 で?ハルヒよ。 「んむ?」 自分で買ってきたのであろうポテトチップスうす塩味を食べた手に付着した塩分を舐め取っているハルヒに向かって俺は身体を向ける。 ハルヒは俺の勉強机付属の椅子に。朝比奈さんは妹の部屋からパチってきた椅子に、俺はベッドに座っている。 「んむ、じゃねえ。なんか用事あったんじゃなかったのか」 家に来るほどだ、何か訳があったに違いない。 「え?いや、別にないけど?」 取り敢えずポテトチップスを袋の上から3度殴ってやった。 「こらー!馬鹿キョン!あんたね、ポテトを袋の上から叩いたらどうなるかわかる!?ねえ解る!?」 粉々になるな。 「そうよ!あんた、粉々になったら食べにくいけど、最後に残った粉がおいしいじゃない!!ありがとう!」 意味がわからない。 「あ、しょこたんブログ更新してる」 ハルヒは携帯を両手で操作しながらしょこたんブログを見ていた。 これ幸いと、朝比奈さんをちょいちょいと手招きで呼ぶ。 「(なんでしょう・・・)」 おずおずとハルヒの様子を窺いながらベッドに近づく朝比奈さん。それだけで可愛い。 「(結局、なんなんです?ハルヒ、普段と特に変わった様子は無いようにみえますけど・・・)」 朝比奈さんは、一瞬固まったが決心したような面持ちで顔をあげ、 「(じ、実は・・・長門さんが関係しているようなんですけど・・・それ以上は・・・)」 長門?長門がどうしたんだろう。 「(わ、わたしにもよく・・・でも、古泉くんの話を聞くと、そういうことになります)」 長門か・・・長門ねえ。 「(でも、長門は昨日俺の家でちょっとパイズリごっこをしたくらいで、他に何もしてはいないと思いますよ)」 「それが原因で決定ですぅ!!」 耳元で朝比奈さんのヴォイスが爆発&俺の鼓膜が爆破された。 582 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 01:25:02.73 ID:W+AjHKcv0 「ぶっ!!」 携帯を弄りながらペプシコーラを飲んでいたハルヒだったが、流石の大声にビックリして口の中身を吹き出していた。 「わわっ!涼宮さん!大丈夫ですか!!?」 そういってハルヒの後ろに回り、背中をさする朝比奈さん。 「ごっ・・はっ・・・みくるちゃん・・・どうしたのよ急に・・・」 「あっ・・ぅ・・・いえ、なんでもないですよぉ」 なんでもない事は無いだろう。俺の右耳は聴覚を機能していない。 「ちょっとキョン?あんたみくるちゃんに何したのよ」 目ざとく俺が原因だと突き止めたハルヒは、俺をジト目で睨んでくる。 「や、やや、涼宮さん!キョンくんは関係ないですよぉ!」 「そうなの?」 二人の会話が上手く聞き取れないが、恐らくそんな感じだろう。 「ま、まあハルヒ。気にするな」 「? なんなのよ・・・」 再び携帯を弄りだすハルヒと、ほっと胸を撫で下ろ(せないほど大きいが)し席に戻る朝比奈さん。 しかし、再びハルヒの方を窺いつつこちらに来る朝比奈さん。 「(とりあえず、長門さんを呼んでくださいっ!)」 そう言ってまた席に戻る朝比奈さん。 長門を呼ぶ?何故。Why? まあ朝比奈さんが言うんだ、断る理由もない。しかし― 「なあハルヒ、どうせだから長門も呼ぼうじゃないか」 一応ハルヒには許可を貰っておかなければ。でないと、急に来た時の説明に困る。 「・・・なんで有希まで呼ぶの?」 するとハルヒはいきなり不機嫌そうな顔になり、こちらを睨んでくる。 ・・・なんでと、いわれても。 「明確な理由が無ければ、却下ね」 そういって携帯に再び目を落とすハルヒ。はあ・・・何でこんなに捻くれてるんだ、今日のハルヒは。 しかし明確な理由ね。特にないんだが・・・・。ここは得意の出放題だ。 さてなんと理由を付けよう。しかし、この場合理に適ったもので無ければならない。ふむ・・・>>590 590 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/16(日) 01:30:57.50 ID:14volJ7uO 長門が宇宙人だから 596 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 01:43:30.60 ID:W+AjHKcv0 そういえば、ハルヒは今日も街を散策していたと言っていた。つまり世の不思議を探していたのだろう。 つまり―長門の本性をばらせば・・・。 「ハルヒ聞け」 「ぁによ」 ポテチを口に放りながら聞き返すハルヒ。 「お前には黙っていたことがある」 今まで適当に聞き流す体だったハルヒだが、この言葉には反応してきた。 「いってみなさい」 偉そうだなおい。 「実はな」 「(キョン君?何を・・・)」 「長門を呼ぶのは、長門が宇宙人だからなんだ」 「・・・」 「!?」 一応注釈を入れると、無言なのがハルヒで、ハッとした顔をしているのが朝比奈さんだ。 「これで、呼ぶ理由には十分か?」 「あっあのっ!」 朝比奈さんはあわてふためいている。 「・・・答えはNoね」 ハルヒはまた携帯に目を落としながら返事をする。 「なぜだ」 「あんたねえ・・・」 気だるそうにこっちをみると、ハルヒは却下の理由を述べた。 「あんた確か、前もそんなこと言ってたわよね」*涼宮ハルヒの溜息冒頭参照 「・・・そうだったな」 そういやそうだった。そしてあの時・・・ 「そしてその時あたしは言ったはずよ」 ふざけんなっ!と、一蹴されたのだった。 「わかった?」 怖い笑い顔をしながら、ハルヒは駄菓子コーンポタージュの封を開いた。 しまった・・・この手は使えない・・・どうしたものか・・・>>605 605 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/16(日) 01:50:33.18 ID:1v4cX2CV0 ksk 606 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/16(日) 01:50:47.07 ID:14volJ7uO 長門を混ぜてパイズリ祭りをしたいから 611 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 01:58:46.08 ID:W+AjHKcv0 しかたない。正直これ以上ハルヒの機嫌を損ねると赤丸微笑マッガーレ野郎のバイトが増える一方だ。 まあかまわないが。 となれば、チャンスはあと一度だと考えていい。 と、言うことは・・・。 本音を言うしかないのか。正直、ハルヒはまだしも朝比奈さんの前でこれを言うのは気が引ける。というか嫌だ。 しかし、恥よりも本能が勝ったとはこの事か、俺はハルヒにむけて口を開いた。 「ハルヒ」 「ぁによ」 先ほどのデジャヴとばかりに、口にコーンポタージュを放りながらこちらを一瞥するハルヒ。 「さっきのは冗談だ。ホントの目的は他にある」 「・・・聞こうじゃないのよ」 ハルヒは俺の真摯な態度が見てとれたのか、先ほどとは違いこちらに身体を向け話を聞く体勢だ。 「ゴクリ」 俺からみて右の方に座っている朝比奈さんも、息を呑んでこちらの様子を窺っている。 「長門を呼ぶ理由。それは―」 「それは?」 「ゴクリ・・・!」 「3人でパイズリをして貰うパイズリ祭りを敢行するためなんだぽっ!!!!」 語尾が不思議なキャラになるかと思うほど、思いっきりハルヒのぱんちがアゴ先にクリティカルヒットした。 618 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 02:09:17.12 ID:W+AjHKcv0 「ごっ・・・がっ・・・」 ベッドの上に座っていたはずの俺は、パンチの勢いか、床の上でKOの体勢をとっていた。 「はぁ・・はっ・・・ぁ・・・」 俺が天井を見上げて息を整えていると・・・ 「説明をして貰おうじゃないの?キョン」 ふふふと笑うハルヒが俺の頭脇に立ち俺を見下ろす。この場合の見下ろすの読み方は「みおろす」であり「みくだす」でもある。 そして反対側の頭横に、 「大丈夫ですか?キョン君?」 と、何故か思いっきり拉げたバットを持った朝比奈さんが立つ。同じく笑い、"見下ろし"ながら。 「みくるちゃん、ぐっじょぶよ」 そう言って笑ってない目で親指を立てるハルヒ。 「そ、そんなぁ・・・えへへ・・・」 と思いっきり照れる朝比奈さん。どうやら今日が命日のようだ・・・。 「死ぬ前に弁明でもしたらどうなのタコキョン」 「そうです、死んで逃げるなんて卑怯です。負け犬らしく喚いてから死ね」 あれ?朝比奈さんが天使じゃなくて悪魔になってる? いやそんなことを言っている間にも、俺の首に手を伸ばそうとするハルヒ。やめてくれ。 「い、いやな・・・じつは・・・」 ここで死ぬわけには行かない。何故なら長門の胸でまだ達した事がないのだから!!! 「みくるちゃん、そのバットちょっとかしてくれる?」 「いやです。今からキョン君を殴るのに使うんですから」 「それもそうね」 ちょっとまて。 「じつは・・・>>622」 621 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/16(日) 02:11:50.70 ID:SHVRIeB20 パイズリじゃなくて生でしちゃって長門のお腹には俺の子が・・・ 622 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/16(日) 02:12:27.02 ID:SHVRIeB20 >>621 629 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 02:20:12.74 ID:W+AjHKcv0 「パイズリじゃなくて生でしちゃって長門のお腹には俺の子が・・・」 「「死に腐れ」」 ハルヒが放った顔面に飛んで来る正拳付きと、朝比奈さんが振り下ろして腹に突き刺さった曲がったバットによって、 俺はもんどりうって昏倒した。 ―You lose  continue?  Yes / No >>631 631 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/16(日) 02:21:18.30 ID:sUd5G2fb0 Yes 632 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 02:29:39.33 ID:W+AjHKcv0 「なぁんだ・・・やっぱり嘘だったんですねww」 「ま、当たり前よね」 「何言ってるんですかぁ〜一番心配してた癖に」 「!うるさいわよみくるちゃん?」 「あうあう・・・痛いですぅ〜」 悪夢から俺を引き戻したのは、ハルヒと朝比奈さんのnice boatな会話だった。 まさか・・・この展開は・・・!! 「うわ、結構グロイのね」 「うぅ・・気持ち悪いですぅ」 !!! その一言で悪寒が頂点に達した俺は、勇気を出して目を開き声の方をみた。 「失礼」 そこには 「あ、ごご、ごめんなさい!!」 「そうよみくるちゃん。子供がいなかったんなら、有希、もう仕舞っていいわよ」 「そう」 お腹を不思議なガラスのような物で透かしてハルヒと朝比奈さんに見せていた長門の姿があった。 そんなオチかよ!!! 「あら、キョン。起きたのね」 「あ、おはようございますぅ」 「よく寝てた」 三者三様で俺の起床を出迎えたのはいいが、なんだ?そのトンデモアイテムは。 「有希が持ってたのよ。凄いわね、こんなもの持ってるのを見せつけられたら、あたし有希が宇宙人だって信じたくなってきた!」 いや信じろよ。 637 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 02:38:11.34 ID:W+AjHKcv0 気が付けば、俺が寝ていたのは自室では無かった。 「ここは・・・長門の家か」 「そうよー大変だったわ、あんたを運ぶの」 「運んだのか、わざわざ」 「ええ、有希ったら、電話に出ないんだもの」 そういって長門を指すハルヒ。人を指差すんじゃありません。 「あ、うん。ってかキョン?何であんたここが有希の家ってわかったのよ」 げ、しまった。墓穴だ。 「ふーん・・・あんた、ここに来た事あるのね?」 ま、まあな・・・。 ここはお茶を濁すの一手しかない。これで理由を聞かれたりしたら終わりだ。 「ま、いいけど」 しかしハルヒはそれ以上は問うてこなかった。よかった・・・。 「のんで」 いつの間にかリビングの中心にある炬燵机にお茶を準備していた長門。相変わらず超人の速さだな。 まぁ、人では無いらしいが。 「それにしても有希、あんた家に家具が少なすぎじゃない?」 そういって部屋を見回すハルヒ。確かにこの部屋は何も無いかもしれないが、俺の部屋の時といいちと不躾過ぎやしないか? しかし長門はそんな事は気にも止めず、もくもくと4人分の湯のみにお茶を汲み分けていく。 「それで」 俺は机の一辺に座りながらハルヒに話しかける。 「なに?」 先ほどよりは幾分か機嫌がいいハルヒは自分も机の前に移動しながらこちらを見る。 「今から何をするんだ?」 至極尤もな質問だったが、ハルヒの答えは意外なものだった。 「そうね・・・今3時過ぎだから・・・>>641でもしましょうか」 641 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/16(日) 02:41:58.23 ID:1sdCxb1hO 紙相撲大会 649 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 02:51:35.24 ID:W+AjHKcv0 「紙相撲大会でもしましょうか」 神・・・相撲・・・だと・・・?ゴクリ。 「紙よ紙」 そういってハルヒは持っていた手提げバッグから何かを取り出す。 それは? 「実はこれね、朝倉さんが転校する直前、あたしにくれたのよ」 ・・・朝倉・・・だと・・・? 朝倉。あいつだけは忘れない。夕焼けに照らされた教室。呼び出された俺。呼び出した朝倉。 その直後の灰色の教室。逃げ回る俺。襲い掛かる朝倉。そして― 「それは推奨できない」 それを止めた長門。 思えば長門は、最初っから俺を守り続けてくれた。 それが、どんなに小さなものであろうと、凶悪で災厄で最悪なものだったとしても。 「? 有希、それどういうことよ」 怪訝そうな顔をし、長門の顔を覗きこむハルヒ。 「危険」 「紙相撲の何が危ないっていうのよ」 そう笑うハルヒだったが、俺は長門の言葉を聞き流せるほど、長門の言葉の重さを知らないわけではない。 「ハルヒ、長門が嫌がってるんだ。ここは満場一致できるゲームでも・・・」 「いやではない」 折角の俺の提案を、まさかの長門が制する。 「ただ、推奨できないだけ。危険度は0.1%未満」 そ、そうなのか。 「そう」 「なにあんたたち意味の解らないことを言い合ってるのよ?」 ハルヒは更に険しげな顔をしたが、それ以上は問い詰めてこなかった。 「とにかく、有希もいいっていってるんだし、やりましょうよ紙相撲!朝倉さんから貰って日の目を見る事の無かったこれを、 とうとう使う日がきたのよ!みくるちゃんも参加するわよね!」 「は、はいぃ!」 耳たぶを甘噛みされ、声を荒げる朝比奈さん。正直、堪らんです。 652 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 03:01:54.02 ID:W+AjHKcv0 そして俺たち4人は、紙相撲をすべく、自分の力士の作成にとりかかった。 この家になんでもあるような気がしてはいたが、まさかハサミが4個もある事にはビックリだ。 しかし― 「よしっ!こんなもんね」 厚紙まであるのは何故だ。そこが一番驚きなんだが。 更に色鉛筆やクレヨンといった着色用の材料までそろっている。 「備えあればなんとやら」 長門は俺のモノローグに反応するかのようにぼそりと一言漏らした。 出来上がった力士は、各々の性格をよく表していた。 ハルヒのは赤を基調とした力強いもの。朝比奈さんは、髪の色を思わせるピンクを基調とした丸々としたもの。 長門は、何故それが力士と言えようかと思うほど細身の、しかしバランス感を感じさせる水色を基調としたもの。 そして俺のは― 「キョン、あんたセンス無さすぎ」 ボンバーマンの形をした、と言うよりボンバーマンそのものだった。 ところで、4人いるんだが、これはトーナメント式にやるのか? 「うーん・・・そうねえ・・・」 4人同時に土俵に乗せてみたが、φ12センチと言う広さでは、4つの力士が既に触れ合うような形になってしまう。 「どうしましょうか」 そういったハルヒが、トンと土俵に手を置いた時、それは起こった。 654 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 03:13:33.79 ID:W+AjHKcv0 と、言っても、正直俺は何が起こったか理解することが出来ずにいた。 何故なら・・・ 「お久しぶり、キョン君。それに涼宮さんに朝比奈さん。・・・」 土俵が光ったと思ったら、次の瞬間― 「長門さんも」 机の上に朝倉が召還されていたからだ。 「うぇええ!?朝倉さん!?あなたどうしてここに!!」 「きゃうぅ〜・・・」 「・・0.1%以下、正確には発生確率0.08724%の事象」 ハルヒは狼狽、朝比奈さんは卒倒、長門は解説。 もう、何がなんだかだ。 「朝倉・・・」 「キョン君、ホントにお久しぶり」 そうにこやかに言いながら机の上から身軽に床に脚を下ろす朝倉。 「どうしてまたやってきた。俺を始末するのか」 再びの走馬燈。トラウマのフィードバックだ。 「ふふ、違うわよ」 未だにこやかな顔の朝倉は、しかして眉毛で少し寂しそうな雰囲気をかもし出すという器用な事をして俺に笑いかける。 「ちょっとちょっとキョン!これって凄いわよ!学会で発表したら賞取れるわよ!!」 そうはしゃいでいたハルヒは、自分のセリフはこれだけだと言わんばかりに黙りこみ、そのままぶっ倒れた。 「っ!ハルヒ!!」 咄嗟に手を伸ばして床で頭を打つことだけは防ぐ。 「てめぇ・・・」 朝倉の方を睨む。こいつ、俺だけならずハルヒに直接・・・!! 「やあね、わたしは何もしてないわよ?」 「なに?」 「涼宮ハルヒは興奮のあまり脳中血圧が上昇しただけ。ただの気絶」 な、そうなのか・・・驚かすなよ。 659 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 03:22:43.38 ID:W+AjHKcv0 「わたしは」 俺はハルヒを床にゆっくり横たえてから朝倉の方を見て身構える。 「この時を待っていたの」 そして机の上にあった土俵を持ちあげる。 「でも、ホントに成功するなんて・・・ふふ、不思議なものね」 どういうことだ。 「わたしは、この土俵の上に4人同時に力士を乗せて、更に土俵の真ん中を叩かれたら再構築されてここに来る事を許されていたの」 ・・・ご都合主義か。 「ち、違うわよ!ちゃんとそうやってプログラムしてたんだから!」 「そして、長門はそれを知っていたと」 だから止めたのか。 「違う。私がそれを制止したのは、何かプログラムされていると言うことがわかったから。プログラムの内容まではわからない」 「あら、長門さん、プログラムの存在に気づいてたのね。流石だわ」 ・・・。 「それで」 「なにかしら?」 「目的はなんだ?また来たってことは、それなりの理由があるんじゃないのか?」 これは当然の考えだろう。理由もなく来たんなら、さっさとお帰り願おう。 「そうね、目的。あるわ」 「聞かせて貰おう」 「ふふ、それは・・・それはね」 無駄に焦らして朝倉は言った。 「>>671よ」 671 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/16(日) 03:30:32.78 ID:14volJ7uO 長門に足マンされるため 724 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 11:22:05.96 ID:W+AjHKcv0 「・・・」 「・・・すまん。俺も長門も混乱してて幻聴が聞こえたようだ。もう一度頼めるか?」 今のが幻聴だと信じたい俺は、今一度朝倉の言葉を催促した。 「もうっ!恥ずかしいんだから、ちゃんと聞いててよね」 朝倉は、その顔を殺人鬼のように歪んだと言うことを忘れさせるかのようにぷんぷんと膨らまし、更に頬も赤くするという 何とも女子高生らしいそれにし、両手で顔を挟んで恥ずかしそうに顔を振る。 正直、予想以上に可愛いそれに不覚にも萌えてしまった。 「今度はちゃんと聞いてね・・・?」 「あ、ああ」 「・・・」 下から覗きこむような上目遣いのその視線に、思わずこっちが照れながら返事をする。 長門と言えば、まるで何処かの王様のように踏ん反り返り、朝倉を下衆を見るそれで見下げていた。 「私が戻ってきた理由は・・・長門さんに、足マンしてもらうためよ・・・きゃー!言っちゃった!言っちゃったわ私!」 朝倉の言葉は俺が先ほど聞いた言葉が幻聴ではないと言うことを証明したと共に、 「・・・」 「ちょ・・長門さん何処へ・・・って、包丁は駄目よ!!それがどれくらい危ないか知ってるでs・・・やめ!お願い!その目やめて!!」 長門の怒りに火をつけることになった。 「まあ待て長門」 「いや。これは侮辱。殺害動機には十分」 殺害動機て。 「キョン君・・・やっぱりあなたって優しいのね」 「黙れ万年眉毛野郎」 「うぅ・・・野郎じゃな・・いわよぉ・・・ぐすっ」 朝倉は今にも泣きそうなと言うか泣きながら顔をぶんぶんと振る。 「あなたが許可すれば、いつでも殺れる」 長門は無機質な目をこちらに向けながら包丁を煌かせる。 「まあそう言うな。朝倉も、久しぶりに戻ってきたんだ。ちょっとは願い事を聞いてやってもいいんじゃないか?」 「キョン君・・・」 725 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 11:34:33.70 ID:W+AjHKcv0 「でも」 「朝倉、お前はどうやったらまた情報ナンタラ体に戻るんだ?」 長門がどうしても殺したいの、と言った子供のような目をしながら恐ろしい事を無言のオーラで送ってくるのをスルーし、朝倉に向き直る。 「んー・・・そうね。わたしは情報思念体に無理を言って戻ってきちゃったから、そう長くは居れないわ・・・残念だけどね」 そういって、自嘲気味に肩をひょいと上げ溜息を漏らす朝倉。ふむ・・・。 「てことは、目的を果たしても、果たせ無くても結局は消えるわけだ」 「そう・・・なるわね」 更に哀しそうな様子で、今度は肩を落とす朝倉。 「じゃあ、目的を果たしたらすぐに戻るのか?」 と、言うことだろう。 「そうね」 やはり肯定の体をとる朝倉。俺の一言で、目的を果たしてくれるのね!?と言わんばかりにうきうき顔の朝倉の視線を受け流しながら、 「ちなみに、目的を果たせなかったら、どのくらいでここからいなくなるんだ?」 と聞いてみた。この場合の"ここ"とは、地球上だと思って貰って構わない。 「んー・・・どうだろ・・・地球の時間に換算したらどのくらいになるのかなぁ・・・」 うーん、と顎の下に軽く握った拳をあてがいながら思案する素振りの朝倉。 「ざっと・・・1万年くらいかしら」 「よし長門」 俺は朝倉から身体を長門の方へ戻し、 「朝倉の望みをかなえてやれ」 朝倉をここから追い出す方の選択肢を宣言した。 726 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 11:50:17.80 ID:W+AjHKcv0 何が「そう長くは居れないわ」、だ。1万年だと?ざけんな。 「・・・」 長門は、はぁ?あんたヴァカ?とでも言いたそうな顔でこちらを見ている。 「長門、お前がいやなのは解る。屈辱なのも解るが、このままこいつを放置していたらそれだけで俺は命を狙われ続けるかもしれん」 長門の手から包丁をとろうと手を伸ばし、柄を握ってゆっくりとろうとしたが、 「・・・」 無言の長門の得体のしれない握力でがっちりホールドされていて全然とれない。 こいつ・・・こう言うところで超人を発揮しなくても。 「(あ、そうやって言えば、長門さんも私の言うこと聞いてくれるのか。なるほど)」 何かボソボソと言いながら、ぽむと手を鳴らす朝倉。何を企んでる。 「長門さん、言うことを聞いてくれないのなら・・・私は本来の目的を達成するだけよ」 そう言って、何処に仕込んでいたのかジーンズの後ろからいつかのサバイバルナイフを取り出す朝倉。いや、あれはアーミーナイフだったか? 「朝倉、落ち着け。長門は俺が説得する。だからそれは仕舞え」 俺は保身の所為かめちゃくちゃ焦りながら朝倉と長門の説得を同時にこなす。 「なあ、長門。言うこと聞いてくれたら、今度一緒に市内の図書館に連れていってやる」 「図書館?」 俺は長門が興味を惹かれそうな言葉を捜しつつ説得の締めに入る。 「ああ、市内の図書館はな、めっちゃくちゃでかいんだ。蔵書数1000万冊以上だ」 それほどあるかは知らないが、少なくとも以前行った例の図書館よりは大きい。はずだ。 「一緒に?」 「あ、ああ。もちろん一緒にだ。一緒に本を探そう」 こちらとしては余り重要ではないキーワードに食って掛かってきた長門。一緒だと言うことに、何か利点があるのだろうか。 「月二回」 「え?」 長門は急に俯いて聞き取り辛い小さな声でつぶやいた。しかし、キッと顔を上げると、普段からは考えられないほど意思のこもった声で 「月に二回。第一、第三日曜は毎週。それが条件」 そう俺を睨みながら言う長門の顔は、とても長門のそれとは思えなかった。失礼とは解っているが、長門がするような顔じゃないと、違和感を感じた。 頬も少し赤くなり、目も潤んでいる。まるで、親に懇願する子供のそれに見えた。 「・・まかせとけ」 図書館はそう嫌いではない。それに、一人ではなく長門もいるなら、断る理由はなかった。 730 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 12:02:14.98 ID:W+AjHKcv0 「交渉成立」 そう言って包丁を俺に手渡す長門。良かった、この部屋が血に染まる事はもうなさそうだ。 そうほっと胸を撫で下ろしながら包丁を台所へ持って行く。台所には、調理用の道具が一切見当たらなかった。 もしかして・・・ずっと店屋物なんだろうか・・・。 長門の身体を多少心配しながらリビングに戻ると。 「な、長門さん・・・服も脱がしてよ・・・」 下着下半身だけ脱がされ、床に寝転ぶ朝倉と、 「わかった」 それに覆い被さるように手を伸ばす長門の姿があった。 「・・・っ!」 鼻にツーンとするものを感じながら、机の上にあったティッシュに手を伸ばす。 何だこれ・・・百合天国ってのはこの事か・・・。 長門は朝倉の下腹部に腰を下ろすと、朝倉の服に手をかける。 朝倉は、涎を垂らしながらその様子を羨望のまなざしで見つめている。 「はゎ・・・長門さんが私の服を・・・はふぅー!」 と、意味の解らない言葉さえもこぼしている。 「な、長門さん・・・キス・・・キスして〜・・・」 んー、と首を伸ばす朝倉だったが、長門はそれを無視してこちらを無理かえった。 「・・・」 無言でこちらを見つめる長門の目には、俺にしか解らない程度の度合いで困惑が混じっていた。 「どうした?長門」 「どうする」 どうする・・・って言われてもなぁ・・・。 「どうするもこうするも、してやればいいんじゃないか?」 鼻をティッシュで押さえながら鼻声で返答する。すると、 「・・・」 長門は無言で『はぁ・・・全くこの人は』見たいな顔をして朝倉の方に顔を向け唇を重ねた。 「んは・・・ふぁぁ・・・」 そういいながら、朝倉の腰は勝手に痙攣していた。 732 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 12:12:49.14 ID:W+AjHKcv0 「んっ・・・んんー!!」 朝倉は息をする事も忘れたかの様に長門の口に吸い付いていた。タコかお前は。 「んっ・・・ふっ・・・」 長門は長門で、朝倉のそれを無視する事なく全て受け入れていた。二人とも、呼吸はしろよ。 「ぷぁ!・・・はっ・・は・・・」 口を離す時に糸を引く空唾が、何とも美しかった。 「長門さん・・・」 そう言って長門を見つめる朝倉の目は、もう長門を見みているのかどうかさえ解らないほど虚ろなものだった。 「あなたの要求は足マン。ここに」 そう言って、長門は朝倉に机の横に寝るように促した。 「ふふ・・・わかったわ」 長門の声で我に返った朝倉は、長門の指示通り机の方に足を向け寝転ぶ。 「足を開いて」 机に座るという行儀の悪い事をしながら、朝倉に更に指示を出す長門。 そしてそれに素直に従う朝倉。 「や・・・ぁ・・・はずかしい・・・」 朝倉はゆっくりと脚を開いた。位置的な関係で、俺にも朝倉の秘所は丸見えだ。何故か湿っぽくなったそこは、むぁっと熱気を帯びているようで 何ともエロティックだ。 おっと・・・ティッシュが一箱切れてしまった。 「もっとこっちへ」 長門は朝倉に近づくよう命じた。 「はい・・・」 何故か敬語になりながら、朝倉は長門の言う距離まで近づく。 「・・・」 長門は無言で、朝倉の脚の間に自分のそれを入れ、秘所に親指でツンと触れた。 「や・・・長門さん・・・ソックスは・・・きゃぅぅぅっ・・・!」 何故か制服&黒のニーソだった長門は、遠慮など知らない様子で、まるで機械のような速さで脚を動かしだした。 「おっと・・・二箱目が切れてしまったようだ」 733 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 12:23:48.48 ID:W+AjHKcv0 「ち・・・ティッシュはもう無いのか」 部屋に備え付けられてあったティッシュは二箱だけで、そしてそれは俺が鼻から垂れ出る赤い液体を拭きとる事に全て費やしてしまった。 「トイレットペッパーでもとってくるか・・・」 他に代用できる物が無いので、口惜しいがこの場を少しはなれる事にした。 「な、長門さっ・・・〜〜!!まっ・・・はぅ!」 「・・・」 二人のやり取りはどんどんエスカレート、まあ長門の足の動きが鋭くなり、朝倉の痙攣が増しているだけなんだが。 そんな二人を一秒でも長く見ていたくて、俺は急いでトイレへ向かった。 「っと・・・あったあった」 トイレはリビングから出た廊下を1メートルも進まない所にあるため、すぐに目的の物をゲットできる。 そして、すぐさまリビングへとんぼ返り。すると・・・ 「〜〜・・・っ!!」 「!!」 長門の脚で達したのであろう朝倉が、腰を浮かせてその脚の間から透明な液体を放射していた。 長門は、流石にビックリしたのか脚を引っ込めてその様子を固まったまま凝視する。 「・・・っは!っは!はっ・・・!」 息も絶え絶え、朝倉はぐったりとその場に倒れて仕舞った。 「・・・任務完了」 そう言って俺の方を見る長門。 しかし、その顔は赤く染まり、朝倉から受け継いだのかその目は虚ろだ。 「ど・・・どうした?」 長門は俺をじっと見つめたまま止まってしまった。 「長門さん・・まだよ・・・まだおわらんよ・・・!」 しかし、朝倉は意外としつこかった。終わりと思っていたが、まだまだ頑張れる、とばかりに長門に手を伸ばす。 しかし・・・ 「・・・」 長門はこちらをどうする?といった様子で見つめたままだ。ふむ・・・・。 1:長門にそのまま続ける様指示する(百合√完遂) 2:辛抱たまらん!と言って参加する(長門&朝倉√完遂)   >>745 743 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/16(日) 12:33:17.68 ID:AZ0gxeHoO 3、ハルヒとみくるを四つんばいにして並べて、バックから交互に挿入 745 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/16(日) 12:34:16.42 ID:AZ0gxeHoO >>743 746 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 12:35:57.55 ID:W+AjHKcv0 >>745           !警告! 選択肢外です。それでも本当にそれを選択しますか?          Yes / No >>752 752 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/16(日) 12:37:22.97 ID:y0k8V2qkO 1と3の組み合わせ 753 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 12:39:08.44 ID:W+AjHKcv0 >>752 選択肢3の定義が未明です。この場合の3は『ハルヒとみくるを四つんばいにして並べて、バックから交互に挿入』でよろしかったでしょうか。 Y/N また、Noの場合は定義をお願いします。 >>757 757 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/16(日) 12:43:58.86 ID:SHVRIeB20 NO 2 758 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 12:47:57.61 ID:W+AjHKcv0 >>757 >>752より、1と3(=2)の組み合わせと言うことになり、矛盾になります。 もう一度選択肢を選びなおしてください。 >>765 1:長門にそのまま続ける様指示する(百合√完遂) 2:辛抱たまらん!と言って参加する(長門&朝倉√完遂) 765 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/16(日) 12:55:41.64 ID:IpTB86nu0 1 771 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 13:11:10.37 ID:W+AjHKcv0 「・・・」 じっとこちらを見つめる長門を見ていると、胸がぎゅっと痛くなったがしかしこれも俺の保身のため。俺って結構自分勝手なのな。 「・・・長門。取り敢えず今は、朝倉の相手をしてやってくれ。俺はここで見てるから」 おかずにはしないから安心しろ、とはいえなかった。何故ならしてしまいそうだから。 「・・・わかった」 長門は不承不承といった感じに頷くと、手を伸ばしたくても力が入らずに上手く起き上がれない朝倉の方へ向き直った。 「長門さん・・・?」 朝倉は、長門の顔から何を見てとったのか不思議そうな顔をし 「ふふ・・・長門さんも、キョン君には弱いわね♪」 と笑った。なんのこっちゃ。 「・・・うるさい」 長門はそう呟くと、朝倉の股間に踵落としをした。・・・これはひどい。 「〜!!ったいわよ・・・長門さん・・・」 そう言いながらも朝倉の腰は浮き、びくっびくっと痙攣している。これはひどい! 「へんたい」 長門はそう蔑むようにいい、朝倉から放出されたものによって汚された足を朝倉の股間にあてがった。 足の裏が朝倉のそれに密着するように乗せ、脚全体を動かして上手い事擦る。長門のニーソは既にびっしょりで、 動かすたびに漏れる音から、その液体が粘着質のものだと言うことを伝えてくる。 「は・・はいっ!変態です!わたしは・・・〜〜っ!!ふっ!長門さんに!足でされて感じる変態ですっ・・・!!」 あれ?何この展開。SMプレイ? 「そう」 「そうですぅ!!」 朝倉は、もう理性と言うものを持っていない唯の性欲の塊のような顔をしていた。 目は虚ろどころの騒ぎではない。もう黒目が眉毛を見ようとしているかのように上を向いている。 「はひっ・・・かはっ・・・!!」 長門は右足の親指を器用に朝倉の中にいれると、左足の踵で朝倉の陰核を擦ると言う器用な事を始めた。 774 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 13:18:33.25 ID:W+AjHKcv0 しかしそれもすぐに終わる。何故なら。 「あっ・・あっ・・・かっ・・・はっ!!ぁ〜〜〜・・・ッ!!」 10秒とせずに朝倉が絶頂に至ってしまったからだ。 「はっ・・はっっ・・・」 そして朝倉は、当初の目的である足マンで達し、そして気絶した。 「ながもん・・・しゅきしゅき・・・」 意味の解らないことをぼやきながら。全く・・・人騒がせなヤツだ。 「ふぅ。」 「なにしてるの」 ・・・うわああああ!!!しまった!!!!!! 「お、思わず賢者様に・・・」 「解答の詳細が不明。詳しく」 長門は、汚れたニーソを脱ぎ俺の方へ歩み寄ってくる。 ちょっとまて!今おれは下半身を晒しているんだぞ!!! 「いい」 そう言う長門の顔は、先ほどの上気したそれそのままだ。 どうしたんだろう、気分が悪いのかな。確かに、あんなヤツの相手をしていたんだからな。 「と、取り敢えずまて、今仕舞うから・・・」 そういってマイサンを仕舞おうとズボンに手を掛ける。が 「尿道に精液の存在を確認。まだ汚れている」 そういって、長門は俺に>>780をしてきた!!! 780 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/16(日) 13:22:54.71 ID:MeHi8CD80 メドローア 786 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 13:33:55.40 ID:W+AjHKcv0 なんと言っていいのか、俺はここがダイの大冒険の世界か、もしくはドラクエの世界に迷い込んだような錯覚を覚えた。 長門がなにかを唱えているのは理解できたが、それを聞きとる事は適わなかった。 「な、長門・・・何をする気だ」 すると長門は、まさに呪文と形容するにぴったりの文字の羅列を止め、こちらを見下ろすと、 「メドローア」 と一言だけいい、また呪文へ戻った。 メドローアだと!?ま・・・まさか・・・。 「メドローアって・・・ドラクエ?」 そう聞くと、長門は呪文を呟きながコクリと首肯した。 まじかよ!!! 俺は座っている上体から飛び起き、下半身を晒したままという何とも情けない姿でリビングのドアの方へ掛け出した。 そして勢いに任せてドアノブを捻る。しかし― 「くっ・・・またこの空間かよ!!」 ドアに行き着く寸前、部屋は灰色の世界へと変貌していた。恐らく、長門が情報連結とやらをしたのだろう。 「な、長門!お前に朝倉を一任したことは謝る!!すまんかった!でも消滅だけはやめてくれ!!」 知らない人の為に解説すると『メドローア』と言うのはダイの大冒険及びドラクエ2に出てきた"万物を消滅させる攻撃呪文"だ。 まさに最強。なんだって消滅しちゃうぞ☆ なんて可愛く言ってみたものの、長門の呪文はとうとう終盤に差し掛かっているようだ。 長門はこちらに手をかざし、最後に力を込める様にいい終えるとその手を振り下ろした。 「うあ!!うわああああ」 そして― 787 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 13:38:55.33 ID:W+AjHKcv0 そして・・・ 俺のマイサンは消滅した。 こうして俺は、キョン子としての学校生活を送る事を強いられることとなる。 ―キョン息子の消失編― 始動。 812 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 15:31:20.32 ID:W+AjHKcv0 さて、安価再開といくか。 しかし、>>1000で終わらすには、短いものの方がいいだろう。 残り200レスも切ったことだし、安価も近くにするとしよう。 さて、ハルヒのキャラでやってもいいが、ここは全てを安価に任せようと思う。 と言うわけで、今スレ最後の安価SS開始だ!! では、作品名>>815!! 815 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/16(日) 15:34:24.39 ID:oM5zDdY3O kskst 816 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/16(日) 15:34:51.90 ID:9NUiFRcZ0 ハルヒが望む永遠 817 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 15:37:22.45 ID:W+AjHKcv0 >>816 作品名ではないがまぁ涼宮ハルヒと解釈していいんだよな!? これで桜蘭高校ホスト部とか言われたら、俺は発狂するぜよ? と、言うわけで、ハルヒで行こうと思う。 誰と誰の絡みにしよう。まぁハルヒなんだろうが一応安価をとるよ。 >>821 821 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/16(日) 15:42:15.40 ID:oM5zDdY3O ここはやはりキョンとだろJK 823 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 15:43:16.57 ID:W+AjHKcv0 >>821 キョンと、誰の? 824 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/16(日) 15:45:11.71 ID:oM5zDdY3O ハルヒ 826 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 15:47:42.55 ID:W+AjHKcv0 しまった・・・レスを消費しないためにまとめて安価出せばよかったかな・・・ と言うわけで時間軸を決めたい。 いつ頃にしようか。 今回は高校入学から1日〜5年後まで範囲を広げて見る。 >>830に任せる。 830 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/16(日) 15:50:28.62 ID:9NUiFRcZ0 1年後 ラブ展開 832 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 16:03:16.25 ID:W+AjHKcv0 「ふぁ・・・〜〜・・・」 体育館から我が新しき教室へ向かう途中、俺は身長が10センチ以上も伸びるのではないかと思うほどの大きな伸びをし、 そのままの流れで振り上げた手を頭の後ろに組んだ。 俺が高校2年生に上がると同時にこの学校に入学してきた新1年生は、俺たちよりも少しばかり頭の中が小春日和なのか、 それともただの馬鹿なのか、俺たち2年生を気遣う様子も無くぺちゃくちゃと駄弁りながら教室へ闊歩する。 「やれやれ・・・後輩が出来ると言うのは、何度経験しても不思議な気持ちだ」 そう独り言をぼやいていると、それに反応を示してきた人物がいた。 「ぁにいってんのよ。そんなもん、社会に出ちゃ日常茶飯事じゃないの」 俺の隣を歩いていた涼宮ハルヒその人だ。 高校入学と同じ日に知り合った(というか俺が一方的に存在を認識したのだが)ハルヒは、実は超人たる神だった。 その辺の件は端折るとして、あれから既に一年経ったのかと思うと、俺は少々センチメンタルになってしまった。 この1年。それはとても短かった。いや、ここに行き付くまでの道のりはとても長かったが、来てしまえばあっという間だった、と言うべきか。 兎にも角にも、SOS団の活動は、今尚進行中であった。 朝比奈さんは今日を持って3年生に進級、俺やハルヒ、違うクラスだった長門や古泉も然りだ。 「まぁ、それもそうなんだがな」 ハルヒに適当に返事をしつつ、俺は新しい教室のある2年生の階へ足を向ける。ハルヒもそれに習い横に付いてくる。 「・・・なあハルヒ」 「なに?」 妙に上機嫌なそいつの顔を俺は身長の関係で見下ろすような角度で見て、疑問に思ったことをそのまま口にする。 「もしかして、また同じクラスか?」 「・・・あんたクラス分けの表も見てないの?」 ご名答。俺は新学期だと言うことを忘れて結構ギリギリで登校してきたのでな。 「ったく!同じクラスよ同じクラス!もうっ、何であんたとだけ一緒なのよ。有希と古泉くんは一緒なのに」 さっきまでの笑顔は何処へやら、今はぷんぷんと口を尖がらせて怒るハルヒ。ま、いつものハルヒだな。 833 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 16:13:02.01 ID:W+AjHKcv0 「ま、いいじゃないか。全員知らないやつよりは、マシってもんだ」 「それもそうね。ま、谷口が同じクラスってのは解せないけど」 そう、谷口、国木田も同じクラスだった。こうも去年のメンバーが揃うと、それだけでハルヒの超人的力が働いたのではと勘ぐってしまうのは俺だけじゃないはずだ。 そんなやり取りをしているうちに、教室に到達する。2年生は2階なので、1年の時よりは体育館から近いのだ。 「って・・・」 俺の出席番号を教室の入り口に貼って合った名簿表で確認すると、俺の番号の下には 『涼宮ハルヒ』 との名前が書いてあった。つまり・・・ 「またあんたが前なのよ。あたしも朝知ったけど、もううんざりよね」 そういうこった。何で名前順に番号が振り当てられてるのかをこの時ほどうらんだことはないな。 「おはよう。今日からきみたちの担任になった―」 席に着くと程なく新しい担任―また岡部か―が教卓で簡単な自己紹介と今年の抱負のようなものを述べ、ハンドボールのなんたるかを語り出した。 そして 「みんなに自己紹介をしてもらう」 去年と全く同じセリフで自己紹介を提案した岡部。まあ、恒例のことなので余り不満の声は漏れなかった。 そして出席番号の順に自己紹介が行われ、程なく俺の番が来た。ま、適当に当たり障りの無いことを言ってればいいか。 そう思って名前、誕生日、趣味を言い終わり無言。岡部の「終わりか?」と言う質問に「はい」と答えようとした時、 「は・・いってえ!!」 お尻をハルヒに抓られた。いてえよばか! 「まだあるでしょっ」 ハルヒは小声でそう言うと、何事も無かったかのようにそっぽを向く。マジであれ言うのか・・・。 しかし突っ立ってるわけにもいかない。俺はクラスの痛い視線をにこやかに受け流しながら、 「あと・・・ハルヒの彼氏やってます」 そう告げ席に腰を下ろした。 839 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 16:21:48.86 ID:W+AjHKcv0 俺が『おぉ・・・』という新クラスメイトたちの感嘆の溜息を聞きながら、更に顔を真っ赤にしながら腰を下ろした瞬間。 だんっ!と言う音と共に後ろのハルヒが立ち上がる。少しざわついた教室が、急にしんとなり、ハルヒに注目している。 「涼宮ハルヒ、ただの人間です。キョンの彼女です」 そういい切るとまたけったいな音を立てて座った。 ああもう、なんだかね・・・。 つまり、そう言うことだ。 俺は、世界の存亡云々も込み込みで、ハルヒと付き合うことになった。 しかしこれは、俺たちが望んだことでもあった。 俺はハルヒを、ハルヒは俺を恋人として意識していたかった。 ま・・・なんだ、お恥ずかしい限りで。 「おい!キョン!」 例の如く、初めのHRの後谷口が俺の所へ駆けてきて肩をバシンと叩いた。 「おまえ、ハルヒと付き合ってるってのは聞いてたけど、それを言うか?普通。しかも自己紹介!」 既にハルヒが居なくなっているのをいいことに、谷口は大声で俺に問い詰める。声がでかい顔が近い気色悪いんだよゴーヤプリン。 「でも驚いたよ」 同じく寄ってきた国木田が、1年前とまるっきり同じセリフで俺に語りかける。 「まさか、自己紹介でとは・・・キョンも変わったねえ」 「っせえ」 変わった、か、確かにそうかもな。俺は変わり、またそれ以上にハルヒは変わった。 ここ最近、正確には俺とハルヒが付き合い出してから、閉鎖空間の発生は見受けられないとマッガーレ野郎が言っていた。 つまり俺の行動は、俺とハルヒ以外にもいい方向へ事態を進行させているらしい。 841 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 16:32:11.97 ID:W+AjHKcv0 「でも、」 国木田は更に言葉を続ける。 「SOS団に所属していることが全校に知れてしまっている所為か、さっきの痛い子発言でも誰も冷やかして来ないね」 「・・・ま、今回ばかりは、あの団に感謝してもいいのか・・・な?」 確かに、普通ならあんな発言、虐めのいい対象だ。これ以上ない恥ずかしい発言だったからな。それを強要したハルヒは頭が沸いてるんじゃないだろうかと思ったが。 ま、そこがいいんだけど。 「わ、谷口。多分、キョンってば今変なこと考えてたよ」 「ああ、俺にもわかったぜ。多分涼宮が可愛い〜萌え〜とか、そんな感じだろ。ホント、見てるこっちが恥ずかしいぜ」 「い、思ってねえよ!」 俺が思考を見透かされた悔しさとその内容の恥ずかしさに机を思いっきり叩き立ち上がったとき、 「へえ、思ってないの?」 「ごっ・・・がっ・・・おま・・」 後ろにいつの間にか戻ってきていたハルヒが俺の股間に蹴りを命中させた。 「ホント・・・あんたって馬鹿でしょ」 「・・・すまん」 何故謝っているのか、自分でも解らないが、最近ハルヒに頭が上がらない俺は、仕方なしに頭を下げた。 「ま、今回はいいわ」 そう言ってハルヒは先を急いだ。 今は放課後、ハルヒと肩を並べて我が文芸部部室、もといSOS団活動室へ向かうべく部室塔の廊下を歩いている。 新学期になって、ハルヒは新1年生の勧誘に向かうのかと思ったが、 『別にいいのよ、もう』 と明確そうで歯切れの悪い返答でそれを否定した。 「で、今日は何をするんだ?」 普段から別に何をしていると言うわけではないが、新学期に入ったのだから、何かそれにちなんだことをするのだろうと思い俺はハルヒに尋ねた。 「んー・・・そうねぇ・・・」 しかしハルヒは別段何かを考えていたわけではなさそうだ。これから考えると言ったところだろう。 全く、こんな団長なのによく1年も存続があり得たもんだ。 「ま、部室に行ってから考えればいいでしょ」 そう言って、ハルヒは元文芸部部室のドアを開いた。 842 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 16:40:05.73 ID:W+AjHKcv0 「あら?皆今日は早いのね」 部室には、既に俺とハルヒ以外の団員が揃っていた。 「あっ・・・こんにちわぁ」 「どうも」 「・・・」 初めに舌っ足らずな声で挨拶を舌のは今日から3年生の朝比奈さん。今日もメイド服が・・・あれ?着てない・・・? にこやかに会釈をしたのは自称超能力者の古泉だ。いつものうざいだけの爽やかスマイルも・・・何故か今日は陰りがみえる。 三点リーダは言わずもがな、宇宙制アンドロイドの長門有希である。しかし、いつもなら目を通しているはずの鈍器になりえるハードカバーを手にしていない。 「・・・?」 俺は、三人共に妙な違和感を覚えた。 「みくるちゃん、メイド服はどうしたの?」 ハルヒもそれに気づいたようだ。まあ、朝比奈さんだけかもしれないけど。 「あっ・・あのぅ・・・」 朝比奈さんは歯切れの悪い返事をし、目を泳がせている。どうしたのだろう?何か着れない事情があるのだろうか。 「実は」 口を開いたのは、古泉だった。意外な方向からの声に、俺もハルヒもはっと顔を向ける。 「実は、お二人に話があるですよ」 そう肩をひょいと上げる古泉は、いつもよりも儚げな顔をしていた。 843 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 16:49:09.30 ID:W+AjHKcv0 「話?」 俺より先に、ハルヒが聞き返す。 「ええ、でも、すいません。涼宮さん。先にキョン君に説明したいことがあるので、しばらくここで待っていて貰ってもかまいませんか?」 そう俺を直視しながら言葉はハルヒに向けると言う難しいことをする古泉。 「? まあいいけど」 そう言ってみくるちゃんを団長席に座らせるハルヒ。 「みくるちゃん、ちょっと三つ編みさせてー」 「ど、どうぞ・・・ひゃぅっ!」 「では、あなたは外へ」 朝比奈さんとハルヒの戯れを目に焼き付けることも適わず、俺は古泉に背中を押されて部室を後にした。 「それで?」 連れ出されたのは、いつかのテラスだった。 「ふふ、そう焦らないでください―・・と言いたい所ですが、それも無理のようです」 困ったものです。と肩を上げる古泉は、昼の太陽によって作られた木漏れ日をまるで何処かの俳優かのように身体に写していた。 入学式、始業式なんてものは、大抵昼前に終わるからな。 「どういうことだ」 俺はそんな古泉に見え隠れする危うさに少々焦りを感じながらその先を促す。 「実はですね・・・。私たちは、転校します」 ・・・なんだって? 「転校、といったんです」 古泉は指先を絡めて顎の下に固定し、眉毛を下げて困り顔をする。 「お前の言っていることが理解できん」 俺は率直な感想を述べた。転校?どこに。俺たち?誰が。 俺の頭には疑問符が一杯だ。 「何処に・・・かは解りません。しかし、誰が、との質問にはお答えしましょう」 「聞かせろ」 古泉はここで、今日一番のスマイルを見せた。 「私、朝比奈みくる、長門有希の三人です」 とても哀しいスマイルを。 845 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 16:59:40.23 ID:W+AjHKcv0 「・・・どういことだ」 自分でも平静を装っていることが物凄いことだと実感しながら、俺は古泉を見据える。 「そのままの意味です。私は普通の学生に戻り、朝比奈みくるは未来に返る。長門有希は・・・そうですね、情報だけの存在に還るのでしょう」 俺は、俺の中でのダムが決壊するような音を聞いた。 「どういうことだ!!」 「お、落ち着いてください」 「これが落ち着いていられるか!!」 普通の人間に戻る?未来に返る?情報に還る?ざけんな! 俺は無意識の内に古泉の胸倉に掴みかかっていた。そのネクタイが千切れんばかりに締め付ける。 「手を離してください・・・事情を説明しましょう・・・」 「早くしろ」 そう吐き捨てて俺は古泉を付き離す。 「ふふ、あなたでも困惑することがあるんですね」 「あたりまえだ。御託はいいから、早く説明しろ」 「やれやれ・・・せっかちさんですね」 ネクタイを直しつつ微笑む古泉を殴り倒したい衝動を抑えつつ、その先の言葉をひたすら待つ。 「あなたも知っての通り」 そして古泉は事の起こりを説明し始めた。 「ここ最近・・・正確にはあなたと涼宮ハルヒが付き合い始めた1ヶ月ほど前から、閉鎖空間の発生は完全に停止しています」 それは前述通りだ。つまり、ハルヒのイライラが発生していないことになる。 「しかし、涼宮さんが全く憤りを感じて居なかったと言うわけがありません」 そりゃあそうだろうよ。誰だって日ごろのストレスはある。 「更に、あなたとの喧嘩もありました」 確かにな。多少恋人間のすれ違いはあるさ。 「しかし・・・それでも閉鎖空間は発生しなかった。これがどういう事か・・・あなたは理解できるはずです」 どういうこと?どういうことって、どういうことだ。憤りを感じても・・・閉鎖空間を発生させない。何も起きない。そんな、まるで― 「まさか・・・」 俺の喉が鳴るのが聞こえた。 「そのまさか。涼宮さんは―・・・・既に>>851です」 851 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/16(日) 17:03:28.65 ID:9NUiFRcZ0 影武者と入れ替わっていた 855 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 17:14:09.75 ID:W+AjHKcv0 「そのまさか」 まて、その先にあるのは、幸なのか・・・それとも― 「涼宮さんは・・・既に」 不幸なのか 「別人物です」 俺は古泉を殴り倒した。 「・・・痛いですよ」 「妙にしおらしく言うな女の倒れ方をするな頬に手を当てるな内股になるな顔が遠いんだよ気色悪い」 「か、顔が遠いのはいいじゃないですか」 「だまれ」 俺は古泉を見下し、睨み付ける。 「で、ハルヒがなんだって?」 俺が聞くべき事をそのまま声に出す。 「・・・涼宮さんは」 古泉は身体に付いた汚れをはたき落としながら立ち上がり、俺に身体を向ける。 「あなたと付き合い出す寸前、影武者と入れ替わっています」 この時ほど理解不能なセリフを聞いた事がなかった。 「短的すぎる。どういうこった」 俺は溜息をしながら再び席に付く。 「どういうこともこういう事も、そのままの意味です。あなたが1ヶ月付き合ってきた彼女は、"彼女(恋人)"ではあっても"彼女(ハルヒ)"では無かったのですよ」 頭が痛い・・・。つまり? 「つまりあれか、あれはハルヒじゃないのか」 「いいえ、あれは涼宮さんです」 もう支離滅裂もいいところだ。 「だから!どういうことだとっ・・・」 「涼宮さんは」 頭を掻き毟り怒りを露わにする俺に対し、古泉は静かに語り始めた。 「自分が嫌いだったんです。素直になれない自分に。そして変わろうと思ったはずです。なんとしてでも、自分の気持ちに素直な、ただの女の子に、 変わりたいと心から願ったはずです。そして―」 そこで一旦髪を掻き上げる古泉。こんな時までかっこつけてどうする。 「そして、涼宮さんは変わりました。文字通り"生まれ変わった"のですよ」 これで解ったでしょうとばかりに、古泉は足を組んでそこに手のひらを当て背筋を伸ばした。 860 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 17:24:46.98 ID:W+AjHKcv0 「ちっとも理解できねえよ」 俺はまたもや率直な意見を述べた。 「・・・つまりですね」 がっかりしたような、しかたないですねえと言うような顔で足組みを解く古泉。 「あなたは涼宮さんから告白されたはずです。1ヶ月前のあの日」 ああ。 そうだ、俺とハルヒの交際は、俺からの物ではない。俺も望んではいたが、それのトリガーを引いたのは違えようのないハルヒその人だった。 「つまり、あなたに告白をしてきたのは、いつも強気で、思った事をそのまま口に出来ようか涼宮ハルヒではなく」 再び足組みをしながら続ける古泉。 「生まれ変わり、自分の気持ちに素直な新生涼宮ハルヒ。と言うわけです」 ・・・ってことはだ。 「あれはハルヒでありハルヒでは無いと?」 思いっきり端折ったが、つまりはそういう事なのか? 「ご名答。しかし、少し違います。今までの涼宮ハルヒとは違うだけで、あれは間違い無く涼宮さんです」 ・・・・・? 頭がこんがらがって来た・・・って、つまり。 「あれは、ハルヒなんだろ?」 「ええ」 俺は再び、机を乗り越えて古泉を殴り倒した。 「お前・・・」 「い・・・いたいです・・・」 俺は肩で息をしながら古泉を問い詰める。 「さっきお前は、ハルヒが影武者と入れ替わっているといったな」 古泉は身体を叩きつつ起き上がりながら「ええ・・」と力なく返事をする。 「影武者の意味を言って見ろ」 「かげむしゃ 【影武者】 [1] 敵をあざむき、身代わりとするため、主君と同じ服装をさせた武者。」 「どっから引っ張ってきた!・・まあいい。つまり、影武者ってのは、本体とは別に個体があるものの事じゃないのか」 「まさに、その通りです」 ってことは・・・。 「自分に素直になれず、思った事とはまるで正反対の事を言ってしまう・・・そんな涼宮さんは、まだこの世界、この時間軸に存在します」 865 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 17:43:50.89 ID:W+AjHKcv0 「・・・詳しく聞こうか」 1分ほど前のデジャヴュを感じながら席に着く俺と、「いいでしょう」としてやった顔で対面に腰掛ける古泉。こいつ、わざわざわ解り難いに離してるな。 「涼宮さんは、今この空間時間軸に2人存在することになります。そして―」 古泉はここでふふ、と楽しげに笑い 「二人は同じ部屋で生活をしています」 ・・・これこそ涼宮ハルヒの分裂だ・・・。 「これは悪夢か?古泉」 「残念ながら」 そういって首を竦める古泉。はぁ・・・厄介過ぎるだろ・・今回だけは。 「まあ、これから普通の人間に戻ろうとしている僕には、余り関係の無い話かもしれませんが」 そういい微笑する古泉の言葉で、ここに来て最初に聞いたとんでもない台詞を思い出す。 「ハルヒが2人になったことは、もうこの際棚に置いといて聞こう」 俺は身を乗り出して古泉に尋ねる。 「はい。なんでしょう」 「その話と、お前らの転校。何が関係あるんだ?」 俺自身は尤もな質問だと思っていたのだが、古泉はきょとんとすると唐突に吹き出した。 「あはは、ここまで言っておいて解らないとは・・・あなたも相当な鈍感さんですね」 肩で笑う古泉に目潰しを食らわそうか悩んでいると、一通り笑った古泉がこちらを見て 「失礼しました。いやはや、困ったものですね」 と前置きを置いて続きを話しだす。 「私たちがここに居る理由。それは神たる涼宮ハルヒの行動を観察、そしてストレスによって生み出される神人の撤去です」 それは知っている。 「長門有希は進化の可能性を調べるため。朝比奈さんは『禁則事項』の一点張りですが、恐らく未来テクノロジーの根源となるのが涼宮さんなんでしょう」 どちらも知っている。あの頃は自称なだけだと思っていたが、二人とも明らかに常人ではない事を証明してくれた。 「そして私たち3人が同時に消える・・・と、いうことはですよ」 3人の目的が無くなる・・・ってことか? 「そうですよ。解ってるじゃないですか。つまり、涼宮さんは、もう既に神ではありません」 なんだと? 「二人になった涼宮さんは、二人ともただの人間・・・二人になるのに全ての力を使い切ってしまったのです」 866 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 17:54:06.52 ID:W+AjHKcv0 こりゃどんな悲劇だ。いや、ミュージカルか? 素直になれない自分がいやで、素直になりたい一心で、新しい自分を作ってしまったハルヒ。 『涼宮さんといえど、さすがに自分自身を改竄する事は難しかったようです。変わりたい、と願った次の日の朝、恐らく二人になっていたんでしょう。 改竄の副産物が、多少素直になった今の涼宮さんです。しかもこちらの調べでは、元の涼宮さんは意識を持って居ない植物状態のようです』 「(俺にどうしろっていうんだよ・・・)」 古泉との密談を終え、部室に戻った俺は、一人頭を抱えて机に突っ伏していた。 「のんで」 一人安穏の世界を妄想していた俺だが、机の上に置かれる湯飲みと掛けられた声に反応して面を上げる。 「・・・長門」 そこには、いつもお茶を入れてくれるSOS団専属メイドの姿ではなく、寡黙な宇宙制アンドロイド、長門有希の姿があった。 「のんで」 「あ、ああ」 言葉を反芻する長門の有無を言わさぬ態度に急かされ、俺はお茶を口に含む。 「おいしい?」 いつかのマンションを思わせるセリフだった。 「ああ。・・・・うまい」 俺は、この味気ないお茶と共に、長門からトンデモ話を聞かされた事を思い出した。 「長門・・・」 「外に」 俺のセリフを遮るように手を伸ばし、俺の腕を掴んで外に連れて行こうとする長門。 「あっ!キョンに有希!どこいくのよ!」 「すまん、ちょっと話があるんだ。ここで待っててくれ」 「・・・」 「なんなのよ・・・?」 ハルヒは怪訝そうな顔をしていたが、再び朝比奈さんの髪を弄る事に専念し始めた。 そして、俺と長門は何故か誰も居ないコンピ研部室へとやってきた。 867 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 18:06:43.37 ID:W+AjHKcv0 「コンピ研は今日は休部」 そ、そうか。 俺の思考を読んだかのような返答に、思わずどもる俺。しかし、そんな暇も与えないと言わんばかりに長門は椅子を勧める。 「それで、状況を説明してくれるんだよな」 出された椅子に座りながら俺は長門に問いかける。 「古泉一樹からはどこまで」 長門も椅子を用意し、俺の前に腰掛ける。 「あーっと・・・ハルヒが二人になって、それに力を全部使って普通の人間になって・・・それで、お前らの存在意義が無くなった。ってことだ」 俺は大雑把に、更に解り易く古泉の話を端折った。 「そう」 長門はそう呟くと、こちらを凝視して目線を外そうとしなかった。 「な、長門。出来れば説明を始めてくれ」 そう催促すると、長門は何処からかメガネを取り出し、それをかけた。 「な、長門?」 「気分」 そ、そうか。長門も気分で理解不能な事をするんだな。 「あなたが涼宮ハルヒから告白を受ける前夜、正確には当日零時十二分三十三秒、涼宮ハルヒは自分自身の改竄を試みた。そして、それは一見成功した」 そこまで一気に言い立てると、一拍置いて更に解説を続ける。 「しかし、涼宮ハルヒの力を持ってしても、自分自身の改竄と言うのは無理があった。その副産物が、今部室に居るほうの涼宮ハルヒ。 もう一人の涼宮ハルヒ、元の何も変化していない方の個体は、現在涼宮ハルヒの自室で脳仮死状態。更に、改竄時に涼宮ハルヒの 持ち得る全ての力を使った模様。現在、涼宮ハルヒは二個体とも通常の人間と同じパーソナリティ。ただの人間。この結果に情報統合 思念体は失望している」 「・・・と、いう事は?」 俺は細かいツッコミをするのが面倒になった。何故ならこんな御託を並べているという事は、長門がどういう状態にあるのか知っているからだ。 「・・・情報統合思念体が出した結果は・・・」 長門は、俺が初めて長門の家に行った時「情報の伝達に齟齬が発生するかもしれない。でも聞いて」と言った。 あの時の長門も、妙に饒舌だった。長門は・・・ 「・・・私と言う個体の抹消」 感情が溢れると舌がよく動くのだ。 869 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 18:15:19.16 ID:W+AjHKcv0 「長門」 「なに」 長門の声は、俺の聞き間違いだろうか震えていた。 「そんなの無視しちまえ。いつかのように」 そう、いつかの消失のように。 「無理」 しかし長門はがぶりを振った。どうして。何故。Why? 「この決定は、既に10日前に決まっている。私自身の独断で今日現在まで引き伸ばした。でももう限界。自分自身を改定することは、とても力が必要」 ハルヒと同じく、長門も自分自身に変化を起こすことは難しいようだ。 「だから・・・今夜、零時零分をもって・・・」 やめるんだ、その先を言うな。 「長門」 俺は長門に手を伸ばし、頭を包み込む様に抱き寄せた。 「・・・!」 長門は俺の腕の中で固まる。しかしすぐに四肢を緩めると、腕を俺の背中に回してきた。 「長門・・・辛い思いをさせた」 「ありがとう・・・」 そして長門は、禁じた言葉をもう一度言った。 「今夜零時零分を持って・・・私は・・・消滅する・・・」 その声は、聞き間違う事など有り得ないほど震えていた。 870 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 18:28:15.59 ID:W+AjHKcv0 五分後、今まで見た事も無い可愛らしい顔で泣き続けていた長門は落ち着き、 「先にいってて」 と言って俺をコンピ研部室から追い出した。 「ま・・・いいけどな。後でこいよ」 そう言った俺の背中に 「・・・・とう」 と呟き声が聞こえたが、聞こえなかったことにしておくことにした。 SOS団部室に戻ると、ハルヒは朝比奈さん弄りをやめ、コンピ研から奪ってきたそれでネット徘徊をしていた。 「キョン、あんた何処いってたの?有希は?」 至極尤もな質問だが、俺はそれに答えることは出来ない。お茶を濁すとしよう。 「あぁ、この前借りた本に付いて論議を交わしていたんだ。長門はちょっと図書室にいってくるってよ」 「あ、そ」 そこまで深くは考えていなかったのか、あっさりと信じてネットの世界に戻るハルヒ。 「あ、あのっ・・・」 そして席に着こうと俺が思っていた矢先、朝比奈さんが俺に話しかけてきた。ま、くるだろうとは思ってたけどね。 「朝比奈さん、外ででも」 「は、はいっ」 「ハルヒーちょっと朝比奈さんにも話あるから、席外すぜ」 「むーキョン、あんたあたしと言うものがありながら、それはないんじゃない?」 流石に不審に思ったのか、突っかかってくるハルヒ。 「俺はお前だけだ、ハルヒ」 「だ、だよねー!そうよね!よし、行って来なさいっ」 俺の一言でこうも態度が代わるとは、やはりこれもハルヒが望んだ世界なのだろうか。 ・・・ハルヒの望んだ世界・・・ね。 871 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 18:36:33.19 ID:W+AjHKcv0 「それで、ここまで二人から聞いた話をまとめると、ハルヒが二人になり、力も失い、三人は必要なくなった、と」 「そうですぅ・・・」 朝比奈さんと俺は、部室塔の屋上に来ていた。他にくるところも無かったし、俺たちの部室は三階、つまり部室塔の最上階なので屋上には近かったのだ。 「朝比奈さんは、未来に返るだけなんですか?」 「へ?返る"だけ"?」 だけ、と言う言葉に過剰に反応する朝比奈さん。こういう事には鋭いんだな。 「ええ。長門は・・・こう言っちゃなんですが、抹消されるんです」 俺の言葉を聞いた朝比奈さんの顔が変わった。 「キョン君・・・抹消されるって・・・っ!?」 これほど切羽詰まった朝比奈さんを見るのは初めてだった。なので、俺は包み隠さず長門から聞いた話を伝えた。 「そんな・・・長門さんが・・・?」 朝比奈さんは力無くその場にへたり込んでしまった。 「・・・それで、朝比奈さんは?」 もう俺は、正直どうでも良くなっていたのかもしれない。いろんなことを一気に聞かされ、頭が歩行者天国のような混乱を起こしている。 「キョン君は・・・キョン君はそれでいいんですか?」 「え?」 俺の予想とは検討違いな声が聞こえてきて、思わず聞きかえす。 「長門さんが、古泉くんがいなくなって、キョン君はそれでいいんですか!?」 朝比奈さんは、目に強い意思と大量の涙を溜めて俺を問い詰めた。 「言い訳・・・ないじゃないですか」 俺は素直な思いを伝えた。しかし、思いだけではどうにもならない事があるという事を、奇しくもこの1年でハルヒによって思い知らされたのだ。 「わたしは・・・」 そして朝比奈さんは語りだした。 「わたしは、今日が終わるその瞬間、TPDDによって未来時間軸に帰還する事を命じられています・・・」 TPDDってのは・・・なんだっけか、タイムマシンか。 「そして、そのとき同時に、涼宮さんの本体・・・いえ、今となってはどちらが本体と区別するのはおかしいんですけど・・・あのっ・・・ 元の・・・元の涼宮さんを未来に持って行く事になっています」 ・・・それは、けったいな話だな。 「そして・・・連れて行った涼宮さんの研究をするのが、その後の私の任務です・・・」 また面倒な話になってきたぞ・・・。 874 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 18:45:34.04 ID:W+AjHKcv0 しかし、そのとき俺はある事を思い出した。 「で・・・でも、未来の朝比奈さんは・・・」 あ、しまっ! 「未来のわたし・・・?」 そうだった、この事は禁則事項に触れる!危ない・・・ところだった・・・。 「い、いえ。気になさらずに」 「?」 涙を拭きながら立ち上がる朝比奈さん。そのとき屋上に春を実感させる暖かい空気が低気圧の方へ向かって流れる。 「・・・ふふ、わたし」 「どうしました?」 空気の流れてくる方を向き、髪を押さえて笑う朝比奈さん。 「わたし、ここに来て1年しか経ってないけど・・・」 そしてこちらを振り返りながら、風に舞うスカートを押さえようともせず満面の笑みで 「ここにきて、ここが好きになって・・・楽しかった」 別れの言葉を口にした。 876 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 18:50:59.62 ID:W+AjHKcv0 「(朝比奈さんはああ言ってたけど・・・俺は諦めない)」 部室に戻る道のりで、俺は顎に手をやりつつ思案し続けた。 小朝比奈さんは知らないが、俺は大朝比奈さんと面識がある。そして、大朝比奈さんからは、このような事態が発生するという警告は無かった。 つまり、この時間軸では、何かしらの事件が起こる訳ではない。起こったとしても、警告が来ないということはそれほど危険な事ではないのだろう。 恐らく、俺の頑張り次第でどうとでもなる。はずだ。 部室に入って、見回すと、古泉だけがそこにいた。 「ハルヒはどうした」 俺のつっけんどうな態度にも微笑で返す古泉。 「ふぅ・・・お手洗いです」 そうか。まあ、人間だしな。 とぼやき、『人間だしな』と言う台詞に物凄い重みを感じた。 「先ほど本部から連絡が入りました」 古泉はいつの間にか俺の正面に腰掛け、携帯を開いて見せた。 「どうやら、僕の能力が使える時間が、少し短くなりそうです」 どういうことだ。との俺の質問を受け、古泉は携帯を仕舞いながら返答する。 「どうやら、僕ら超能力者・・・喜緑さんや荒川さん、森さんもですが・・・我々の能力は、現在存在する涼宮ハルヒの二個体が同じ時間軸に存在している間、機能するようです」 なるほど、つまり朝比奈さんが未来に連れて行くまでは、力があるわけだな。 「ご名答。そして・・・」 機能する時間が短くなるという事は・・・朝比奈さんが動くのが・・・ 「そうです、早くなります」 「いつだ」 「今現在から、1時間半後になります」 ・・・・! 俺に課せられたタイムリミットの短さを恨んだ。 877 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 19:01:31.17 ID:W+AjHKcv0 俺は部室を飛び出して、未だ隣室にいるはずの長門の元へ走った。 「長門っ!!」 ドアを開け放ち、中に先ほどと同じ状態で座っている長門へ駆け寄る。 「・・・なに」 長門は泣き腫らした目を擦りながら、こちらを見上げ首を傾げる。 「朝比奈さんの行動が早くなる!あと90分だ。どうにかするにはそれまでにしないと・・・!」 しかし、長門はこれといったリアクションも見せずに、立ち上がってこちらに一歩近づいた。 「もう無理。私がいなくなった後の情報改竄は任せて」 そう言って俺の脇を抜けて行こうとする長門。長門・・お前・・・っ! 「おいっ、長門!」 思わず大きな声を出しながら長門の肩をつかむ俺。そのまま、肩を引っ張りこっちを向かせる。 「お前・・・ホントにそんなこと言ってるのか、ホントにこれで終わりでいいって、そう思ってるのか!?」 長門の瞳を覗き込む。するとそこには、宇宙制アンドロイドのそれとは思えないほど、透き通る液体を流す灰色の目があった。 「・・・いや」 長門はいつもの端的な表現だったが、それでも感情を押し出すその声は隠せていなかった。 「・・・長門・・・協力してくれ」 「・・・」 長門は首肯し、俺に身体を預けて来た。 「・・・あなたを・・・信じる・・」 そして俺が抱き締めようかどうか迷っているとき・・・。 まさしくそのとき、俺は長門の言葉を思い出した。 879 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 19:11:20.21 ID:W+AjHKcv0 『私自身の独断で今日現在まで引き伸ばした。でももう限界。自分自身を改定することは、とても力が必要』 ・・・『自分自身を』・・・? 「長門!!」 「っ!?」 俺に身を預けていた長門は、突然肩を掴んで引き剥がされた事に驚いて俺を見上げてくる。 「お前、さっき自分自身の改定には力がいると言ったな」 「・・・」 またもや首肯。 「だが、お前は以前、自分自身どころか、世界を丸々改竄しなおしたじゃないか。あれはどうしてだ」 「・・・あれはかなり無理を強いた。さらに初めての暴走という事もあって情報統合思念体から下された処分も軽いものだった。  でも今回は違う。それを今行えば、間違い無く・・・」 そこで長門ははっとしたように顔を上げる。やっと気づいたか。 「間違いなく、なんだ?」 「抹消・・・される・・・」 そう、長門はこれを恐れていたのだ。これ以上の不備を起こせば、間違い無く自分は消される。それが怖かったのだ。人間に近づきつつある長門は。 しかしどうだ、今回の騒ぎは。どうしたって長門は消される。それならば、やってやろうじゃないか。 「でも・・・」 俺の言葉で納得してくれたと思ったのだが、長門は俺から身体を離し、口を紡ぐ。 「ど、どうした?」 不安になる俺。そこに追い討ちをかけるかのような長門の声。 「私たちがいなくなれば、あなたは涼宮ハルヒと一緒にいられる。邪魔は入らない。涼宮ハルヒの力によって、振り回されることも無い」 長門は尤もな事を述べ始めた。 「それに私たちは元々あってはならない存在。ここに居るべきではない。あなたが以前の涼宮ハルヒを望むという事は、それを受け入れるということ」 長門は・・・どうしてそんなに自分を苦しめるのだろうか。 「でも・・・それでも・・・元の世界を望む?」 俺は・・・俺は・・・。>>905 905 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/16(日) 19:32:48.39 ID:vV7lsjuS0 ハーレム√じゃなきゃ駄目だ! 909 名前:まろゆき >>905に敬意を賞す[age] 投稿日:2008/03/16(日) 19:47:44.18 ID:W+AjHKcv0 そして俺は、何度目になるか解らない長門の力を借りる方を選んだ。 910 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 19:48:38.65 ID:W+AjHKcv0 「長門、例えお前たちがこの世界に存在し続け」 長門は俺から1メートルほどの所で突っ立ちこちらを見つめる。 「ハルヒが普通の人間で無くなるとしても、俺は―」 そして長門の後ろ、開け放たれたままのドアの向こうに他のSOS団が勢ぞろいしていることを視認し、 「こらキョン!有希になにしてんのよっ!!」 と言う声を聞き流しつつ顎先をくいと上に上げ、 「俺は、お前たちの居る世界の方が好きなんだ!!」 気持ちのあるままに叫んだ。 次の瞬間、俺はいつかの閉鎖空間に居た。 912 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 19:58:07.90 ID:W+AjHKcv0 そこはコンピ研部室の中であることに変わりは無かったが、色と言う存在を忘れているかのようにただただ灰色の世界が広がっていた。 ・・・いや、灰色と言う事がわかるということは、色の概念は失っていないようだ。何もみえない闇の世界だったら気が狂ってしまう。 「ふふ・・・あなたはそういう人だと、思ってましたよ」 「キョン君・・・」 その声で、俺は孤独の世界から隔離される。 先ほどと変わらぬ位置に、泣きそうな朝比奈さんと特上スマイルの古泉が立っていた。もちろん、その手前には長門も。 「ここは?」 「閉鎖空間なのはわかっているようですが、少し違います。長門さんに頼んで、無理やり擬似的な空間を生み出してもらいました。その方が、色々と行動しやすいので」 ふむ、なるほどね。 「ハルヒは?」 ただ、そこに居たはずであるハルヒの姿だけがみえない。そのことが、俺を猛烈に不安にさせた。 「居ますよ」 そう言って、SOS団の方、元文芸部部室を指差し微笑する古泉。 「そうか」 そう呟いてみたものの、安心感は否めない。長門、朝比奈さん、古泉の順に脇をすりぬけ、我が団屈指の部室へ駆ける。 「ハルヒ・・・」 開け放たれた元文芸部部室のドアから中を覗くと、そこは俺にはとても信じられない光景が広がっていた。 「ふふ・・・驚きでしょう?こうしてみると、本当に自分が夢でも見ているかと思ってしまいます」 後ろから古泉の声が聞こえる。この時ばかりは、古泉の意見も尤もだ、と思った。 「これがハルヒの望んだ結果・・・か」 そこには、部室の真ん中の長机の上に横たわる二人のハルヒが居た。 915 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 20:03:45.68 ID:W+AjHKcv0 「で・・・これからどうするんだ?」 「そうですね。今回、私と朝比奈さんに出来ることはなさそうです。残念ながら」 「すいません・・」 古泉も朝比奈さんも申し訳なさそうにしている。いや、古泉は別段そういった態度ではない。後で締めて置こう。 「じゃあ・・・」 最後に部室に入ってきた長門を見て、俺は身体を長門へ向ける。 「長門・・・頼めるか?」 「・・・」 長門は俺の言葉には応えず、ただかつかつと妙に音の響く空間に歩を進める。そして、ハルヒの寝る机の前まで来ると。 「本当に」 とだけ呟いて、俯いてしまった。 「どうした、長門」 俺は長門の顔を覗き込む。そこには既に眼鏡の外された素の長門の顔と 「本当に、これで、よか、・・・たの」 涙を零す瞳があった。 「ああ・・・やっちまえ」 俺はいつかと同じセリフで長門に世界改竄の許可を下した。 916 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 20:13:12.24 ID:W+AjHKcv0 エピローグ その後の話を少しだけしようかと思う。 あの擬似閉鎖空間で俺の命令に従うべく、長門は案外短い呪文を唱えて世界改竄を行った。 その時長門の身体が閃光に包まれ、目を閉じ、そしてまた開いたら・・・元の世界のSOS団部室に居た。 しかし、その時ハルヒはそこには居ず、長門の話によると身体に負担が掛かったから自宅へ空間転移を行ったそうだ。 やれやれ、最後まで世話の焼ける。 そして程なくし、長門は自分の消滅宣言が撤回されたと申し出てきた。概念での通話ってのは、こう言うときいいよな。 その後、古泉の元にも電話が、朝比奈さんにも(どういう手段だったのかは知らないが)未来に帰還する予定は延期になったと連絡が入った。 どうやら、俺の選択は間違ってはいなかったらしい。 その日の夜、ハルヒを除いたSOS団は、長門の家に行って軽い打ち上げをした。 もしかしたら、これに参加している俺以外の全員が消えていたかもしれないと思うと、自然に涙がでた。 最後は例の如く、長門の本を閉じる音で解散と相成った。 打ち上げの時くらい、本読むなよ、とも言いたかったが、それが絵本だったと知った時、俺は思わず笑ってしまってそれを止める気力を削がれてしまった。 「それじゃ・・・キョン君・・・ホントにありがとう・・・またあしたね!」 ええ、それじゃ。また部室で。 「あなたには感謝することが沢山あります。またあした、お礼とお詫びも兼ねて新しいボードゲームを持って行きますよ。では」 これ以上増やしてどうする。ま、いい暇潰しになるものを持ってこいよ。 「・・・わたしは・・・あなたに助けられた。ありがとう。おやすみ」 当然だ。今後ともお前には世話になるつもりだからな。今日はゆっくり休め。 そして俺は一人、家路についた。 918 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 20:21:07.13 ID:W+AjHKcv0 翌日。 俺は少し浮ついた気持ちで学校へ登校した。 長門や朝比奈さん、古泉が未だこちらに存在し続けれるとするならば、ハルヒの力は未だ継続中だ。 そうなると、これからまたトンデモ生活が続くのだろう。やれやれ、疲れる限りだ。 そう思う気持ちの反面、再びあの奇天烈な面子で活動を続けられると言うことを100%に分割するとするならば、 喜び70%、誇り20%、不安10%だ。不安の割合が少し多いかもしれないくらいだ。 教室に入ると、そこには既に席について学校で二度寝をすると言う不思議な技をしているハルヒがいた。 髪は何故かポニーテイルにしてある。 「くかー」 「漫画かっ!」 まるで少年漫画の"主人公"のようないびきをかくハルヒにチョップをお見舞いしてやる。 「ごがっ!」、と不思議な声を上げ、ハルヒは起床した。 「ぁにすんのよ・・・ってキョン、あ!おはよ!!」 そういって涎を拭きながら俺に抱き付いてくるハルヒ。ふぅ・・・ここ1ヶ月で慣れたもんだが、流石に照れる。・・・って、あれ? 「ちょっとハルヒ、長門の所まで行くぞ」 「おんぶー」 「解ったから耳に食いつくな」 そのままハルヒを背負って長門の居る教室へ向かう。 「長門!いるか!」 長門の教室は、まだ殆ど人がいなかった。しかし長門の姿は見当たらない。まだ来てないのか・・・! 「なに」 「うおっ!」 しかし、後ろから声をかけられる。なんだ・・・いたのか・・・。 919 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 20:27:49.39 ID:W+AjHKcv0 「長門、これはどいうことだ。ハルヒが元に戻って居ない!まさか・・・」 昨日の改竄で、ハルヒは元に戻ったはずだ。しかし・・・ 「キョン〜・・・」 背中でごろごろと喉を鳴らしているハルヒは、元に戻るどころか昨日よりも状態が悪化しているようにみえる。 「ちがう」 俺の言葉の先を予測して否定する長門。違うったって現に・・・。 「私のミス」 ミス? 「昨日の改竄時、二個体のどちらかを残して涼宮ハルヒにあった元の力を戻した」 それは、知っているが・・・。 「その時、わたしはどちらが元のハルヒか識別出来なかった。だから適当に・・・」 そういって長門はふふっ、と悪戯そうに笑った。 「こ、コラ長門!お前が適当とかあるわけないだろ!絶対わざとだろ!!」 「しらない」 ちょ、こら!! 「キョン〜・・・お姫様抱っこ〜・・・」 「いやちょ・・・待て長門、いやハルヒ!!待つんだうわああああ」 こうして、俺は以前よりも少しだけ?自分に素直になったハルヒと、トンデモ生活を再び開始することとなった。 もしかしたら、これこそが『ハルヒの望んだ世界』だったのかも―・・・しれないな。 ―ハルヒの望んだ世界Fin― 921 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/16(日) 20:31:12.33 ID:W+AjHKcv0 (´・ω・`)やぁ、お疲れなんだ。 3時半から始めたこの話だが、とても長くなってすまない。今は反省している。後悔はしていない。 >>816の『ハルヒの望む世界』というのがちょっと気に入って使わせて貰った。いいヒントをありがとう。 はてさて、この糞長い物をちゃんと読んでくれる律儀な方はいるのかね。自分でも飽きれるほど普通の話だからな_| ̄|○ そして出来ればレスを欲しい。感想と言うものを聞かせて欲しいんだ。 なじってくれてかまわない。 973 名前:まろゆき[age] 投稿日:2008/03/16(日) 21:11:10.85 ID:W+AjHKcv0 アフターストーリー 「のんで」 例の如くお茶を差し出し俺の前に座る長門。これは大道パターンとして定着しつつあるようだ。 「おいしい?」 そして同じく大道のセリフ。あぁ、うまい。 「そう」 そして長門は本に視線を落とした。 ここは長門の家だ。今日の放課後、一緒に帰ろうと抱きつくハルヒに解ったと相槌を打つ俺に長門が招きの声をかけてきたのだ。 一旦ハルヒを家に送り届け、そしてその足で長門の家に向かった。まだ外は明るかったから、ここに到着したのは7時前だろう。 「な、長門、話があるんじゃないのか」 ここにきて既に1時間経とうとしていた。流石にお茶も入らない。 「・・・」 長門は無機質な目でこちらをじっと見つめ、そして本をぱたんと閉じるとすっくと立ち上がり机を廻って俺の隣に腰を下ろした。 「な、長門?」 俺は動揺し、長門の方へ向き直ろうとする。が、長門が寄りかかってきてそれを許そうとしない。 「わたしは頑張った。ご褒美を」 が、頑張ったって・・・ハルヒのことか? 「そう。わたしはわざと涼宮ハルヒを素直な人格の方にした。これはいけないことだけど、涼宮ハルヒもあなたも、それを望んでいた。だから叶えた」 ま、まあそうだけどさ・・・。 「今、この空間には誰も入れない。だから・・・」 そう言って長門は俺の唇を奪った。 「んむっ!」 そして舌を侵入させ、一通り堪能すると口を離すと 「だから・・・だから今は・・・わたしだけを・・・」 「また夢かよ!!!!」 俺はこんな苦痛と闘いながら、新しい世界を生きている。