もしもハルヒの登場人物が全員女だったら 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/11(火) 15:47:56.94 ID:O1p3JBIE0 さて、もうすぐ春、気温も安らかな眠りを誘う程になってきた頃。 「いっつも寝てるじゃない」 あんたは黙ってなさい。 まあとにかく、春を目前に控えたある三月の日。 まーたハルヒがとんでもないことを言い出した。 「春って恋の季節よね!!」 「ストップ」 「なんでよ!!」 ・・・まあ落ち着いて聴きなさい涼宮ハルヒ。 私は『春を目前に控えたある三月の日。』というモノローグは使用したが春が来たとは 一言も言っていない。だから春まで今言おうとしていることは封印しなさい。どうせ忘れるから。 「何言ってんのよキョン!三月も四月も同じよ!大体一ヶ月程度はフライングには 入らないわ。三月と四月はそう変わらないでしょ?暦のほうがおかしいのよ!」 あんたの縮尺は日によって変わるからアテにならんのよ。あと一ヶ月の変化の大きさを知りたいなら 六月と七月を比べなさい。温度変化が物凄いことになってるから。 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/11(火) 15:59:26.79 ID:O1p3JBIE0 「うるさいわね。そんなことはどうだっていいのよ!」 どうでもよくない。どうせハルヒは今からやろうとすることで他人に迷惑をかける。 さらに一番迷惑がかかるのはたぶん私である。他の誰より私には止める権利がある。 「まあまあ、意見を伺うだけなら構わないじゃないですか」 と、古泉がこっそり私の耳元で囁いた。 「古泉。顔が近いわ」 「フフフ、気にしないでください。ふーふー」 「だったら耳に息を吹きかけるな!あと胸に手を伸ばすな!」 いつも笑顔を絶やさない女、古泉一姫。しかし今の顔は明らかに楽しんでいる笑顔だ。 ・・・なんでこんな奴の笑顔の質を見分けられるんだろうか、私は。長門の顔を見ていてそういうことに 鋭くなってしまったのだろうか? 「まあ構わないじゃないですか。涼宮さんが今言った言葉を聞く限り」 「あら古泉さん!話わかるわねやっぱり!」 わかっているのではなくお前に合わせているんだよハルヒ。 しかし古泉の今の発言には突っ込まざるを得ない。 「・・・『恋の季節』だぞ?」 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/11(火) 16:14:10.20 ID:O1p3JBIE0 恋。 「・・・男女の互い、または片方がもう片方に好意を持つ現象」 長門が解説してくれたが、その表現は淡白すぎない?まあ、正しいけど。 しかし、恋。男と女の間に発生する感情の中でも相当扱いに困るものの一つではないだろうか。 「そうよ!恋って殺人を犯させたり自殺させたりその他不思議な行動を取らせるじゃない!だったら 恋をすれば不思議なことのオンパレードよ!」 ・・・自殺したいのかお前は?というか『不思議な』というよりは『異常』と形容するほうが 正しい気がするものばっかりだし。 「まあそれらも含めて『恋』というものは神秘的であると言えるかもしれませんね」 わかったような顔で説明するな古泉。どうせこの部室内で恋をしたことのある奴なんていない。 「恋・・・ですか・・・」 ・・・そういえば朝比奈さんは未来人。恋をしてはいけない人間。この流れは申し訳なかったかな。 「・・・いいなぁ・・・」 ・・・えーと、朝比奈さん。大丈夫ですか? 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/11(火) 16:28:43.83 ID:O1p3JBIE0 「じゃあみんな!大体の流れはわかったわね!明日いつもの時間いつもの場所に集合!」 「ほわー・・・へっ?ええ!?」 思わず困惑する朝比奈さん。そりゃそうですよねー。ハルヒにとっての『大体の流れ』を掴めるのは 霞を食べて生きている仙人ぐらいのものでしょう。 「・・・えーと、ハルヒ。それで明日、何する気?」 「決まってるじゃない。ナンパよ」 ああ、もうダメねあんた。 そうして、ハルヒが『できれば宇宙人の恋人をゲットするのよ!』みたいなことを満面の笑みで言いつつ 帰宅していった後、私達の緊急会議が開かれた。しかし、 「大丈夫だと思いますよ?」 と古泉が平気な顔をして言ったのにはカチンときた。 「あのね。アンタはどうせ男集めに使われて何の実害もないでしょうけど、朝比奈さんとかは下手すると 本当にナンパされて危ない目に遭うかもしれないのよ?」 「それも含めて大丈夫だと思います」 「・・・?」