もしも、朝倉と長門の役割が逆だったら。 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/12(水) 12:47:42.52 ID:mFaGfCcNO 朝倉「今日の報告はここまでよ」 長門「……そう」 朝倉「それにしても、いきなり涼宮ハルヒに誘われた時はびっくりしたわ」 長門「観察がより容易になった。プラス要素と考えるべき」 朝倉「まぁそうだけど、他の連中も訳ありばっかりだったのよ?」 長門「いずれ接触する事は分かっていた。少々時期が前後しただけ」 朝倉「もう、会話が弾まないわね」 長門「所見を述べたまで」 朝倉「はいはい。それじゃあ部屋に戻るわね。お休み、長門さん」 長門「…………」 バタン 長門「…………」ペラッ 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/12(水) 13:00:41.38 ID:mFaGfCcNO 朝倉「長門さん、明日一緒に来てほしい所があるの」 長門「……任務に関係が?」 朝倉「大ありよ。涼宮さんが急に草野球で優勝するって言い出したの。団の宣伝の為に」 長門「彼女にフラストレーションを与え過ぎるのは危険」 朝倉「私もそう思ったから賛成したんだけれど、人数が足りなくて助っ人を連れて来る事になったの」 長門「……了解した」 朝倉「ありがとう。涼宮さんたら本当にイキナリで」 長門「…………呼称」 朝倉「え?」 長門「呼称が変わった。あなたは報告時に彼女を涼宮ハルヒとよんでいたはず」 朝倉「あら、そうかしら。何だか自然にね」 長門「…………」 朝倉「観察対象と親密な関係を築いている証拠じゃない?プラス要素よ、プラス要素」 長門「……そう」 朝倉「じゃあ明日の朝にマンションの前でね。お休み、長門さん」 長門「…………」 バタン 長門「…………」ペラッ 39 名前:もしも、朝倉と長門の役割が逆だったら[] 投稿日:2008/03/12(水) 13:14:28.75 ID:mFaGfCcNO 当日 キョン「すまんな朝倉。妹が風邪でなけりゃ連れてきたんだが」 朝倉「いいのよ。彼女も快く了承してくれたし」 長門「…………」 キョン「今日はわざわざありがとう。えーと……」 朝倉「彼女は長門さん。で、彼がキョン君よ」 キョン「ニックネームで紹介するな……。すまないな、うちの団長のわがままに巻き込んで」 長門「…………」ジー キョン「あの、えーと……」 長門「…………」ジー 朝倉「ちょっと……長門さん?」 長門「…………いい」スタスタ キョン「……宇宙人は個性豊かだな…」 朝倉「あら、どういう意味かしら?」 キョン「何でもない。そろそろ始まるぞ」 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/12(水) 13:22:29.63 ID:mFaGfCcNO 試合終盤 古泉「不味いですね。閉鎖空間が次々に観測されています」 キョン「向こうはこの日の為に練習を重ねてきたんだ。勝てる道理がない。」 古泉「仕方がありません。彼女に頼むとしましょうか」 キョン「彼女?」 古泉「多分、協力してくれますよ。利害が一致していますしね」 古泉「朝倉さん、ちょっと……」 朝倉「……ふふっ、面白そうね」 キョン「大丈夫なのか?朝倉」 朝倉「まかせて。魔法は得意なの」 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/12(水) 13:27:59.75 ID:mFaGfCcNO カキーン 朝倉「はい、一点♪」 ハルヒ「やるじゃない涼子!!!」 古泉「何とかなりそうですね」 キョン「……試合が終わったら勝ちは向こうにくれてやろう。余りに不敏だ」 55 名前:ただいま[] 投稿日:2008/03/12(水) 14:01:29.91 ID:mFaGfCcNO 朝倉「どう、長門さん。私の情報操作は?」 長門「……一つ一つのプログラムが甘い」 朝倉「もう、たまには誉めてくれたっていいんじゃない?」 長門「…………」 朝倉「はぁ……ん?なーにキョン君?」 長門「!」 キョン「いや、攻撃はいいが……守備はどうするんだ?」 朝倉「ああ、それならボールn」 長門「ボールに情報操作を施す」 朝倉「……長門さん?」 長門「いまの攻撃で点差は覆せる。故に、これからは守備が重要になってくる」 キョン「あ、ああ……そうだな…」 長門「なので些細なミスも許されない。私が操作するべき」 朝倉「……何かカチンとくるわね」 キョン「ま、まあとにかく……どうすればいいんだ?」 長門「私をキャッチャーにして」 キョン「分かった。審判に伝えてくる」タッタッタッ 朝倉「…………」ジー 長門「…………何?」 朝倉「ん〜?べっつに〜?」 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/12(水) 14:19:30.74 ID:mFaGfCcNO 試合終了 ハルヒ「今回の勝利でSOS団の名が轟いたでしょうね!」 キョン「悪名がな」 ハルヒ「うるさい!」 古泉「いやはや助かりました。ありがとうございました。朝倉さん」 朝倉「私のも楽しめたしおやすい御用よ。それに、長門さんも『凄い』頑張ってくれたし」 長門「…………」 ハルヒ「そうそう!有希っていったわね!あなたがキャッチャーになってから、かすらせもしなかったじゃない!」 キョン「ああ、助かったよ。長門さん」 長門「…………いい」 ハルヒ「決めた!有希!あなたは今日から名誉団員よ!!」 朝倉「あら、よかったわね?長門さん」 長門「…………」コク 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/12(水) 14:42:30.33 ID:mFaGfCcNO 帰宅 朝倉「さて」 長門「ここは私の部屋」 朝倉「今日の報告会をしようと思ってね」 長門「私は今日、涼宮ハルヒと終始一緒にいた。それはあなたも同じ。交換するべき情報は無い」 朝倉「そう?報告聞きたいんじゃない?特にキョン君の事とか」 長門「…………何が言いたいか分からない」 朝倉「彼ね、なーんにもない普通の人間なの」 長門「…………」 朝倉「にも関わらず、涼宮さんに選ばれた……何故か分かる?」 長門「…………彼は特別な存在」 朝倉「うん。だから……何て言えばいいのかしら……人間の抽象概念は説明しにくいわね…」 長門「…………」 朝倉「その……長門さんが彼と親しくすると……いい事にはならないと思うの」 長門「…………心配いらない。不用意に涼宮ハルヒを刺激する事は避けるべきだと認識している」 朝倉「…………」 長門「…………」 朝倉「……そう。ならいいの……それじゃ、また明日ね」 長門「…………」 バダン 長門「…………」 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/12(水) 15:06:34.55 ID:mFaGfCcNO 数日後 スーパー キョン「あ……」 長門「……!」 キョン「こんにちは(レトルトカレーが大量に……)はは……えーと、その、この前は本当に助かったよ」 長門「……いい」 キョン「あー……情報操作って言ったか?朝倉のバットも凄かったが、長門さんのボールにも驚いたよ」 長門「…………朝倉涼子の情報改編能力は私に劣る。あれでは予想外の展開に対応しきれない」 キョン「そうなのか?俺には分からないが、まあ長門さんがそう言うならそうなのかな」 長門「……『さん』はいらない」 キョン「へ……?」 長門「長門でいい」 キョン「あ、ああ……長門。これでいいか?」 長門「…………」コク 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/12(水) 15:19:23.28 ID:mFaGfCcNO 帰り道 キョン「そうか、おれにとって朝倉は完璧超人だったが……長門の目からみるとまだまだってところか」 長門「……彼女は優秀、対人コミュニケーション能力等は特に」 キョン「ふーん……ま、得手不得手があるからな」 長門「……そう」 キョン「あ、俺はこっちなんだ。またな、長門」 長門「……また」 ガチャッ 長門「…………私は、優秀…」