ハルヒ「みくるちゃん、また明日ね!」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 01:30:01.96 ID:8XuesNmI0 みくる 「はい、また明日」 ハルヒ「行くわよ、キョン!ちゃんとポテトもつけるのよ!」 キョン 「分かった分かった」 長門 「…また」 みくる 「は、はいっ! また明日」     「古泉くん、またあし…」 古泉 「………」 みくる 「あ…」     「………」 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 01:34:55.46 ID:8XuesNmI0 とぼとぼ みくる「…はぁ」 古泉 「何か嫌な事でもあったんですか?」 みくる「え…!? ひゃあっ」 古泉 「おっと、大丈夫ですか?」 みくる「こ、古泉くん!? ど、どうしてここにっ」     「さっき、ばいばいしたはず…」 古泉 「僕は挨拶していませんよ?」 みくる「…あ…」 古泉 「すみません、無視したつもりではないのですが」     「少し、お話があるんですが…よろしいですか?」 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 01:40:25.71 ID:8XuesNmI0 みくる「さっき言ってくれれば良かったのに…私、少し傷ついちゃいましたよ」 古泉 「すみません。驚かせたかったもので」 みくる「とってもびっくりしちゃいましたよぉ」 古泉 「コーヒー、お飲みになって下さい。僕の奢りですから」 みくる「そんな…悪いです」 古泉 「驚かせてしまったお詫びですから」 みくる「いいんですか?」 古泉 「そんなに遠慮しないで下さい」 みくる「は、はい…ありがとうございます」 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 01:47:22.18 ID:8XuesNmI0 古泉 「それに、いつも美味しいお茶をご馳走になってますからね」     「ケーキやパフェも頼んでいいですよ」 みくる「そ、そんなっ…美味しいって、その言葉だけで十分嬉しいです」 古泉 「うーん、そうですか。残念です」 みくる「あ…じゃ、じゃあ、今度古泉くんがお茶を淹れてください」 古泉 「僕が、ですか?」 みくる「はい。古泉くんが淹れてくれたお茶、飲んでみたいです」 古泉 「…では、今度淹れてみましょう。朝比奈さん、やり方教えて下さい」 みくる「は、はい。私で、よければ…」 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 01:54:35.63 ID:8XuesNmI0 みくる「それで、話って…」 古泉 「………」 みくる「古泉くん?」 古泉 「朝比奈さんは、恋ってどんなものだと思いますか?」 みくる「ふぇ? こ、恋…ですか?」 古泉 「はい。恋、です」 みくる「え、えっと…そうですね…、楽しいもの…かなぁ」 古泉 「…楽しいもの、ですか」 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 02:03:08.49 ID:8XuesNmI0 みくる「好きな人の事を考えると、楽しくなったりしませんか?」     「明日話せるかな、とか…会えるかな、とか…」 古泉 「………」 みくる「話しかけられたら、本当に嬉しくなっちゃったり…」     「さっきなんて私、心臓が…」 古泉 「…さっき?」 みくる「ひゃあっ! な、なんでもないですっ」 古泉 「答えて下さって、ありがとうございます」 みくる「す、すみません、お役に立てたかどうか…」 古泉 「とても立ちましたよ」 みくる「あ…そうだ、古泉くんはどんなものだと思いますか?」 古泉 「僕ですか」     「僕は…切ないものだと思います」 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 02:09:55.41 ID:8XuesNmI0 みくる「…切ない?」 古泉 「はい。とても切ないものだと思いますね」 みくる「それは、どうしてですか…?」 古泉 「相手の方に好きな人がいたら…と考えると、切なくなりませんか?」     「話しかけて嫌われないか、とか」 みくる「………」 古泉 「好きな人が、他の男性と楽しそうに話していたり…」 みくる「でも、それは…」 古泉 「叶わない恋、だったり」 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 02:23:55.66 ID:8XuesNmI0 みくる「かなわ、ない…?」 古泉 「あなたなら、分かりますよね?」 みくる「…え…」 古泉 「なんて、冗談ですよ」     「朝比奈さんと逆の事を言ってみただけです」 みくる「…も…もう、古泉くん、いじわるです…」 古泉 「すみません。でも、本当に切ないものだと思っていますよ」 みくる「古泉くんは、今…恋を、してるんですか?」 古泉 「…はい。しています」 みくる「あ…相手の、方は…」 古泉 「………」     「長門さん、です」 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 02:31:28.85 ID:8XuesNmI0 みくる「……ぁ…」     「な…長門、さん…」 古泉 「はい」 みくる「そ…そうだったんですかぁ!しっ、知りませんでした」 古泉 「悟られないよう、努力していますから」 みくる「凄いです、全然…わ、分かりませんでしたっ」 古泉 「秘密ですよ? 朝比奈さんしか知りませんからね」 みくる「大丈夫、です。私、口は堅いです」 古泉 「そうですか。つい言ってしまったのですが、安心しました」 みくる「え、えへへ…わ!私、応援しちゃいますっ」 古泉 「いいですよ、そんな事しなくても」 みくる「大丈夫ですっ、ちゃんとばれないように、こっそり応援します」 古泉 「…ありがとうございます」 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 02:37:42.79 ID:8XuesNmI0 みくる「コーヒー、ごちそうさまでした」 古泉 「いえ、こちらこそ。お話を聞いて下さってありがとうございます」     「…楽しかったです」 ―――――――――――――――――――――――――――――― 「朝比奈さんは、恋ってどんなものだと思いますか?」 「僕は…切ないものだと思います」 ―――――――――――――――――――――――――――――― みくる「…わ、私…も、楽しかった、です」 古泉 「またよろしければ、相談に乗ってください」 みくる「私でよければ、い、いつでもっ」 古泉 「では、また」 みくる「はいっ、さよなら」 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 02:46:51.20 ID:8XuesNmI0 みくる「…恋は、楽しいもの…」     「ふふ、私、何言ってるんだろう」     「私は恋をしちゃダメな人間なのに…」     「いつか、未来に帰らなきゃいけないのに…」     「なんでそんな大事な事を忘れて…古泉くんに、恋しちゃってるんだろう…」     「…ふ…うっ…やだよぉ…」     「おっ、応援なんて…したくない…」     「…ふえぇっ…」 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 02:56:14.17 ID:8XuesNmI0 古泉 「こんにちは」 ハルヒ「あら、古泉くん。遅かったわね」 古泉 「すみません、担任に頼まれ事をされてしまいまして」 ハルヒ「ふぅん、大変ね」 みくる 「古泉くん、お茶どうぞ」 古泉 「ありがとうございます。すみません、お茶淹れれませんでしたね」     「今度早く来れた時にでも…」 みくる 「いいんですっ!」 古泉 「え…」 みくる 「い、淹れるなら私にじゃなくて、その…あっ、えっと…」 古泉 「…僕が淹れたお茶、飲みますか?」 キョン「いらねぇよ」 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 03:08:36.79 ID:8XuesNmI0 古泉 「今日は、メイドさんじゃないんですね」 みくる 「は、はい…今日は…」 パタン ハルヒ「あら、もうそんな時間? じゃ、帰りま…」 みくる 「あのっ、長門さん! 今日は戸締りお願いしますっ」 長門 「……?」 みくる 「涼宮さん、キョンくん、一緒に帰りませんかっ!?」 ハルヒ「い、いいけど…どうしたの? みくるちゃん」 みくる 「さぁ、早く行きましょ…ひゃあっ」 キョン 「朝比奈さんっ!? 大丈夫ですかっ」 みくる 「だ、大丈夫です。古泉くん、長門さん、また明日っ」 ハルヒ「ちょ、ちょっとみくるちゃん…」 キョン 「なんだなんだ」 バタンッ 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 03:15:51.79 ID:8XuesNmI0 古泉「………」 長門「朝比奈みくるがおかしい」 古泉「驚きましたね」 長門「…あなたも、おかしい」 古泉「僕は普段通りですよ」 長門「………」 古泉「戸締り、僕がしておきます」 長門「……分かった」 古泉「長門さん、また明日」 長門「…また」 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 03:25:10.32 ID:8XuesNmI0 ガチャ キョン「…何してんだ、古泉」 古泉 「あなたこそ、どうしたんですか? 先程帰られましたよね」 キョン「上着忘れたんだよ」 古泉 「そうですか」 キョン「で、お前は何してんだ」 古泉 「見て分かりませんか? お茶を淹れてるんです」 キョン「どうして」 古泉 「…飲みますか?」 キョン「………」 古泉 「失敗してしまいましたが」 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 03:35:29.41 ID:8XuesNmI0 ハルヒ「ったく、遅いわね!キョンのやつ!」 みくる 「………」 ハルヒ「…ねぇ、みくるちゃん。何かあったの?」 みくる 「え…? な、何にもないですよ…」 ハルヒ「あたしに嘘つくつもり?」 みくる 「うっ、嘘なんか…、あれ…」 ハルヒ「何もなかったら涙なんて出ないわよね?」 みくる 「…こ、これは…」 ハルヒ「誰かに何かされたの? もしそうだったらちゃんと誰か言いなさい」     「あたしがぶん殴って来てあげるから!」 みくる 「す…涼宮、さん…ふっ…ふえぇっ」 ハルヒ「まったく、団長に隠し事なんて許されるわけないじゃない」 みくる 「…うぅっ…くっ…」 ハルヒ「落ち着いたら、ちゃんと話すのよ!」 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 03:44:02.90 ID:8XuesNmI0 キョン「まずい」 古泉 「なかなか朝比奈さんのようにはいかないですね」 キョン「古泉、何かあったのか」 古泉 「…驚きました。あなたからもそんな事を言われるなんて」     「長門さんにも言われてしまいましたよ」 キョン「俺が気づいて、長門が気づかないわけないからな」 古泉 「おかしいですね、僕は普段通りに振舞っているはずなんですが」 キョン「今日のお前は変だ。いつも変だけどな」 古泉 「傷つきますね」 キョン「で、何があったんだ? お前が弱ってるところを見れそうだから聞かせろ」 古泉 「…困ったものですね。まぁ、あなたならいいでしょう」 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 03:52:44.64 ID:8XuesNmI0 古泉 「僕に好きな人がいるのは、ご存知ですか?」 キョン「存じてない」 古泉 「そう思っていました」 キョン「マジなのか?」 古泉 「マジですよ。ですが、叶わない恋です」 キョン「叶わない恋?」 古泉 「はい。叶わない恋です」 キョン「…なぜ俺を見つめる」 古泉 「なぜでしょう?」 キョン「なぜ視線を外さない」 古泉 「なぜでしょう?」 キョン「………」 古泉 「………」 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 03:59:45.79 ID:8XuesNmI0 古泉 「言っておきますが、あなたじゃありませんよ」     「僕は至ってノーマルな人間です」 キョン「今、凄くホッとした」 古泉 「あなたは僕をどんな人間だと思っているんですか」 キョン「冗談だ、冗談」 古泉 「人と話をするときは相手の目を見て…」 キョン「分かったから。さっきの続きをしろ」 古泉 「…僕は…」 106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 04:08:53.37 ID:8XuesNmI0 キョン「なるほどな…」 古泉 「…僕は怖いんですよ。傷つく事が」 キョン「お前さ」 バンッ! キョン「のわあっ! びっくりした…って、ハルヒ?」 ハルヒ「キョン! 行くわよ!」 キョン「えっ? うわ、引っ張るな! ぐ、ぐるじ…」 バタン 古泉 「………」 みくる「……あ、あの」 古泉 「お茶」 みくる「え…?」 古泉 「お茶、淹れますね」 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 04:22:29.73 ID:8XuesNmI0 古泉 「美味しくありませんね」 みくる「そ、そんな事は…」 古泉 「いいんですよ。無理しなくても」 みくる「…少し、渋いです」 古泉 「………」     「どうして、戻ってこられたんですか?」 みくる「………」 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 04:36:52.22 ID:8XuesNmI0 ―――――――――――――――――――――――――――― ハルヒ「なるほどね」 みくる 「…もう、いいんです…私…」 ハルヒ「ダメよ! まだ想いを伝えてないじゃない」 みくる 「…でも…古泉くんは、長門さんが好きだって…」     「私、失恋しちゃってます…想いを伝えても…」 ハルヒ「みくるちゃんはそれでいいの!?」 みくる 「……よくない、です…私…古泉くんの事…好き、です」 ハルヒ「あたしに言ってどうするのよ」 みくる 「…無理、ですから…」 ハルヒ「どうせ無理だと思うなら、きちんと想いを伝えなさい」     「それに、今の状態を失恋とは言わないわ」     「きちんと想いを伝えて、振られたら、失恋って言うのよ」 みくる 「……わ…たし…」 ハルヒ「あー、もう! じれったいわね! 行くわよ、みくるちゃん!」 みくる 「…え? ひゃあぁっ」 ―――――――――――――――――――――――――――― 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 04:48:52.12 ID:8XuesNmI0 みくる「…こ、古泉く」 古泉 「朝比奈さん」 みくる「あっ…は、はい…」 古泉 「僕があなたに、コーヒーを奢った日、何日か覚えていますか?」 みくる「……四月、一日…?」 古泉 「はい、四月一日です。何の日か知っていますか?」 みくる「エイプリル…フール…」 古泉 「そうです。実は、僕はあなたに嘘をつきました」     「どれが嘘か、分かりますか?」 みくる「…え…っと…こ、恋が切ないこと…ですか?」 古泉 「残念ながら、それは本当です」     「僕がついた嘘は、『長門さんが好き』だという事です」 136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 05:10:17.55 ID:8XuesNmI0 みくる「…え?」 古泉 「僕が好きなのは、あなたです」 みくる「……ど、うして…嘘を、ついたんですか」 古泉 「怖かったからです」 みくる「怖い…?」 古泉 「あなたが僕を好いて下さっていたのは、分かっていました」     「ですが、あなたは未来人で、僕たちは…敵対組織です」 みくる「………」 古泉 「許されないことですから。僕たちが、想い合う事は」 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 05:26:01.50 ID:8XuesNmI0 古泉 「あぁ、組織が怖いわけではありませんよ」     「僕が怖いのは、あなたを失うことです」 みくる「…私、を…?」 古泉 「あなたは、いつか帰って…いや、帰らされてしまいますよね」     「僕たちが付き合っていたりしたら、あなたはきっと、今より泣いてしまうはずです」 みくる「あ……」 古泉 「その姿を見てしまえば、本当にあなたを失うという事を嫌でも実感させられますから」 みくる「…だから…嘘を…?」 古泉 「…長門さんの名前を嘘に使うのは気が引けましたが、長門さんも良いとおっしゃって下さったので」     「あなたに諦めてもらいたかったんです、僕を」 152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 05:39:29.02 ID:8XuesNmI0 古泉 「そして僕も、あなたを諦めたかった」     「でも、無理でしたよ。あなたを諦めるなんて」 みくる「………」 古泉 「僕は弱い人間なんですよ」     「大きい傷を作りたくないから、先に小さい傷を作ろうとしたんです」    「でもあなたを傷つけた事が、一番自分を傷つけていました」 みくる「古泉くん…」 古泉 「ごめんなさい、朝比奈さん」     「僕は、あなたが好きです」 157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 05:49:19.72 ID:8XuesNmI0 みくる「…私も…古泉くんの事が…」     「…ぁ…」 古泉 「禁則事項、ですか?」 みくる「……古泉くんの、事が…」 古泉 「泣かないでください。大丈夫です、分かっていましたから」     「あなたの気持ちは、伝わっています」 みくる「…古泉、くんが…」 古泉 「ありがとうございます」 みくる「ごめんなさ…い…」 古泉 「謝らないでください。悪いのは僕ですから」 みくる「…違います。誰も、悪くないです…誰もっ…」 166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 06:14:51.41 ID:8XuesNmI0 古泉 「朝比奈さん」 みくる「はい」 古泉 「手を繋いで帰りましょうか」 みくる「はい…」 古泉 「怒られてしまいますか」 みくる「分かりません」     「でも、今は…普通の高校生、ですから」 古泉 「そうですか。では、いつか二人で普通に遊びに行きましょう」     「普通に手を繋いで街を歩いたり、普通にキスをしましょう」     「そして…普通に笑顔で、別れましょう」 みくる「…はい…」     「きっと、とっても楽しくなります」     「恋は…楽しいもの、ですから」 終わり 170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 06:24:04.65 ID:8XuesNmI0           r´    / l ヽ  \ 、ヽ            __rく>            /  / /l.  l、 \  ヽ ', lヽ          └ ¨Z/′         /, l. / /´ヽ lヽ   ヽ. ! ヽ. ト ヽ、         {て_ ィ         '´|  V '__ヽ. ト\、_',|   ',|             _, ̄rz_          | l. ,| | __ \゙、ヽ.__ヽl.  ト.|             〉´マ/ヽヽ            lハlヘ|´ `   ヽ´ ``〉,^! | !           . {.(>,、>ノノ            l\l|    |    //ィ N              `¨ ,-ァ           | ハ ヽ  __   /ハ/ `       _         / /-.           '′lハn\ `ニ´/! !        ,イ |      .  / /´{ し'〉            _,.-' /ヽ ` - ´ ,ハ\       | |ヽ       `_t‐ュ二        _, - ' /   |  ヽェ、 '   | ヽー、    _ | ト. ヽ      └ ァ,∠   ,.、-‐ ´    /  |  /  〉   |   ヽ `⌒.l ヽ',ヽヽヽ     <イ.ト-′   / ヽ     〈  ,.-|ヽ/ ヽ-/ ヽ/|、  ,〉     | l_! ヽ ゙l       └'  230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 17:59:10.11 ID:8XuesNmI0 ハルヒ「ちょっとキョン!いつまで寝てるのよ!次の授業始まるわよ!」 キョン 「うるさい。まだ休み時間だろ」 ハルヒ「バカなんだから、ちゃんと授業聞きなさいよね!」     「団員にバカがいるのは、団長として恥ずかしいのよ!ふん!」 谷口 「怒られてばっかだな、お前」 キョン 「好きで怒られてるわけじゃない」 国木田「仲良いよね」 キョン 「そうかぁ…?」 国木田「うん。あ、先生来たよ」 谷口  「寝たらまた涼宮に怒られっぞー」 キョン 「はぁ…」 231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 18:06:16.49 ID:8XuesNmI0 キョン 「(眠い)」 コンッ キョン 「ん? 手紙?」 ハルヒ「………」 キョン 「(ハルヒか。えーっと、なになに?)」     「『キョン、さっきはごめんね。昼休み、部室の前に来て!』…?)」 キョン 「…はい?」 232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 18:09:04.68 ID:8XuesNmI0 キョン 「谷口、俺を殴ってくれ」 谷口 「は? 何だよ、突然。それより飯食おうぜ」 キョン 「いいから殴れ! 軽く」 ベシッ 谷口 「これでいいのか?」 キョン 「痛い…夢じゃないのか」 国木田「どうしたの?」 キョン 「なんでもない…俺、ちょっと用事があるから。お前ら二人で食ってろ」 谷口 「…何なんだ?」 国木田「さぁ?」 234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 18:16:11.65 ID:8XuesNmI0 キョン 「(部室の前か…ん? 挙動不審の人物が…)」     「って、ハルヒ?」 ハルヒ「あっ…キョン!」 キョン 「お前、さっきの手紙…」 ハルヒ「あ、あのね、キョン。さっきはみんなの前で怒鳴ってごめん、ね」 キョン 「!?」 ハルヒ「あたし、みんなの前じゃ…す、素直になれなくて、ああいう態度取っちゃって」 キョン 「いや、え?その…ハルヒ?」 ハルヒ「…そそ、それで、今日はキョンにお弁当を…作って」 キョン 「弁当…?」 長門 「………」 238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 18:19:51.53 ID:8XuesNmI0 ハルヒ「ゆ、有希っ」 キョン 「え? 長門?」 ハルヒ「…ちょうど良かったわ! 有希、一緒にご飯食べましょ!」     「キョン、あんたこんなところで何やってるわけ? あんたは教室で谷口達と仲良く食べてなさい!」 キョン 「お、おい、ハルヒ! お前さっき弁当…」 ハルヒ「これはあたしの弁当よ! ふん!」     「じゃ、行きましょ、有希!」 バタンッ キョン 「な、なんなんだ…?」 241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 18:23:04.26 ID:8XuesNmI0 ハルヒ「………」 長門 「…良かったの?」 ハルヒ「えっ? なにが?」 長門 「…それ」 ハルヒ「何言ってるの、これはあたしのお弁当よ。あたしが食べるの」 長門 「…そう」 ハルヒ「いっただきます!」     「うん、美味しいわ。有希、一口どう?」 長門 「…いい」 ハルヒ「そ! さすがあたしよね〜」 長門 「………」 ハルヒ「(早起きしてキョンの為に作ったのに…うぅ、あたしのバカ…)」 242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 18:26:43.58 ID:8XuesNmI0 谷口 「なんだ、もう用は済んだのか?」 キョン 「………」 ボカッ 谷口 「いてっ! なにすんだよ、キョン!」 キョン 「他人の夢でもないのか」 谷口 「…お前、変だぞ」 キョン 「うるせぇ」 245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 18:31:56.45 ID:8XuesNmI0 とぼとぼ ハルヒ「あ…」 キョン 「ハルヒ…」 ハルヒ「キ、キョン! 今日はいつもより早めに部室に来るのよ!」     「いい!? 遅かったら死刑だからね!」 キョン「あ、あぁ…」     「(普段通りだ。さっきのは、何だったんだ…?)」 ハルヒ「(みんなが来てないときならちゃんと話せるはず…頑張るのよ、あたし!)」 247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 18:42:34.73 ID:8XuesNmI0 キーンコーンカーンコーン キョン 「ハル…」 ハルヒ「早く来なさいよアホキョン!」 ビュンッ キョン 「ヒ…」 国木田「涼宮さん、早いね」 キョン 「…俺も行くか。じゃあな」 国木田「うん。また明日ね、キョン」 谷口  「おう、またな!」 国木田「谷口は掃除当番でしょ」 谷口  「お前も手伝え」 国木田「嫌だよ。じゃあね」 谷口  「………」 250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 18:55:43.56 ID:8XuesNmI0 ガチャッ ハルヒ「キョン!」 キョン「お、おう。来たぞ」 ハルヒ「あああの、あのね!あのお弁当…本当はキョンの為に作ったの!」     「でもその…有希が来て、私、つい。明日も作ってくるから、その…食べてくれる?」 キョン「………」 ハルヒ「嫌ならいいのよ? 大丈夫だから、ハッキリ言って」 キョン「…食べる。食べたいから、作ってきてくれ」 ハルヒ「い…いい、の?」 キョン「ああ」 ハルヒ「ありがとう…キョン」 キョン「礼を言うのはこっちだ」 ハルヒ「お礼は、食べてからがいい」 キョン「…そうか」 ハルヒ「えへへ、良かった」 253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 19:03:34.68 ID:8XuesNmI0 キョン「顔、真っ赤だな」 ハルヒ「うるさいわよ、ばか…」 キョン「はは」 ハルヒ「あ…あのね、キョン」 キョン「なんだ?」 ハルヒ「わわ、わた、わたし…その、キョンの事…」 キョン「………」 ハルヒ「ひ、ひょわっ! きょ、きょんなにやってなんでだきしめ…」 キョン「…つ、ついだ。体が勝手に動いた」 ハルヒ「キョン…」 キョン「ハルヒ…」 ガチャ みくる「すみません、遅かったですかっ?」 パシーンッ 255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/04(火) 19:11:13.47 ID:8XuesNmI0 キョン「ぶはっ」 ハルヒ「キ、キョン! 顔に虫がついてたわよ! あたしが潰してあげたんだから感謝しなさい!」 みくる「あわわ、キョンくん、大丈夫ですか?」 古泉「おやおや、賑やかですね」 長門「………」 ハルヒ「みんな遅いわよ! 全く、息が詰まりそうだったわ!」 古泉「どうかなされたんですか? 目に涙が溜まっているように見えますが」 ハルヒ「あ、あくびよ、あくび! 退屈だったからねっ」     「(うぅ…ごめんね、キョン…)」 キョン「…やれやれ。相変わらず、前途多難だな」 終わり