シンジ「カヲル君になりたい」


メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:カイジ「もう俺には○○で一発当てるしかねえんだ!」

ツイート

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 11:35:39.29 ID:C3eNkT6WO

シンジ「格好いいし、優しいし、頭いいし、誰からも嫌われる要素がないじゃないか。理想だよ」

シンジ「けど、どうやったらカヲル君みたいになれるのかな…」

シンジ「そうだ。カヲル君を研究して、カヲル君になりきってみよう」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 11:38:43.74 ID:C3eNkT6WO

カヲル「♪」ポロンポロロン

シンジ(ピアノとクラシックが好き…)

カヲル「シンジ君の番だよ。…どうかしたのかい?」

シンジ「えっ?ああ、ごめん!」ポロンポロロン

シンジ(……疑問系は「かい?」と言う)

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 11:44:19.02 ID:C3eNkT6WO

アスカ「近寄らないで!変態!ナルシスホモ!大っ嫌い!」

カヲル「そうか。僕は君を嫌ってはいないよ。互いの認識を確認しあえたね」ニコニコ

シンジ(どんなに頭に来ることを言われても怒らない…)


カヲル「シンジ君、シェイクスピアのうんたらかんたら……」

シンジ(話の6割がよくわからないけど頭良さそう)

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 11:46:59.89 ID:C3eNkT6WO

シンジ「えっと、それから立ち方はズボンに手を入れて、ちょっと斜に構えたような感じで……こうかな」

シンジ「それでいつも笑ってて」ヘラッ

シンジ「へへ、結構似てるかも」


シンジ「明日からこれで行こう」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 11:49:47.44 ID:C3eNkT6WO

シンジ「おはよう」ニッコリ

アスカ「………お、おはよう」

シンジ「アスカ…君のお弁当はできているよ」ニッコリ

アスカ「」ゾワッ

アスカ「な、なんなの…?」

シンジ「なにがだい?」ニッコリ

アスカ「気持ち悪い」

シンジ「」グサッ

シンジ「………」暗


アスカ(なんだ、いつものシンジか)ホッ

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 11:53:39.57 ID:C3eNkT6WO

シンジ(ハッ、カヲル君ならこんなことで落ち込んだりしないんだ)

シンジ「そうか、僕はアスカを気持ち悪いなんて思っていな」

アスカ「ねえ、朝ごはんは?」

シンジ「ああ、うん。できてるよ…はい」


シンジ(アスカは家族だからうまくいかないや…)

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 11:59:07.41 ID:C3eNkT6WO

シンジ(へへっ、この歩き方格好いいな。周りの人、僕のことをカヲル君みたいだって思ってるかな)チラチラ

周囲「?」

周囲(なんだあいつ、自意識過剰っぽい奴だな)

周囲(別に気にしてねーっつーの)

シンジ(ちょっとチラチラ見すぎかな。もっと自然にしてよう。僕はカヲル君、僕はカヲル君)スタスタ

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 12:02:16.98 ID:C3eNkT6WO

シンジ「やあ、おはようトウジ」

トウジ「やあ?」

シンジ「心が晴れやかになるような天気だね」ニコ

トウジ「なんや、どないしてん?センセ」

シンジ「なにがだい?」ニコニコ

トウジ「なんや、話し方オタク臭いで」

シンジ「お、オタク!?」ガーン

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 12:06:31.18 ID:C3eNkT6WO

シンジ(カヲル君の話し方がオタク…!?)

シンジ(けど、カヲル君が話してるとあんなに格好いいじゃないか)

シンジ(なんで僕がやるとダメなんだろう…)

トウジ「な、なんや今日のセンセおかしいで?」

シンジ(ハッ)

シンジ(そうだ、見た目が僕のままだからだ!)

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 12:08:04.87 ID:C3eNkT6WO

シンジ「ごめんトウジ!僕、忘れ物したから家に帰るよ!」ダッ


トウジ「なんや、いつものシンジか」ホッ

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 12:10:15.23 ID:C3eNkT6WO

シンジ(大事なことを忘れてたんだ。カヲル君は…)タタタッ

シンジ(目が赤くて髪が銀髪だったんだ!)タタタッ


シンジ(あ、あとカヲル君は無駄に走らないんだった)ピタッ


シンジ()テクテク

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 12:16:40.80 ID:C3eNkT6WO

ドラッグストア

シンジ「ないなぁ…」

シンジ「あ、あの…すみません。銀色のブリーチが欲しいんですけど…」小声

薬局店員「銀髪ですか!?」

シンジ「///」

薬局店員「うーん、銀髪のブリーチはありませんねぇ…金髪ならありますけど…」

シンジ「そうですか…」

薬局店員「美容院とかなら出来るかもしれませんけど…」

シンジ「はあ、ありがとうございます…」

薬局店員(つーかこいつの顔に銀髪とかマジでかwwwwww)

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 12:19:52.89 ID:C3eNkT6WO

シンジ(美容院かぁ…高そうだなぁ)

シンジ(というか、そもそも髪の長さが足りないや)

シンジ(ちょっと胡散臭いけどカツラしかないかぁ)

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 12:26:16.23 ID:C3eNkT6WO

自宅

ミサト「ただいまー」

ミサト「あら?シンジちゃんはぁ?」

アスカ「知らない。学校ズル休みして引きこもってたんじゃない?」

ミサト「え?学校に行ってないの?」


シンジの部屋

シンジ(ネット通販……銀髪のかつら……)カチカチ

シンジ(あ、これカヲル君っぽい。これがいいや)カチカチ

シンジ(赤いコンタクト…)カチカチ

シンジ(な、なんだこれ!高い……)

シンジ(しょうがないか…髪だけで我慢しよう…)

ミサト「シンちゃん?入るわよ?」トントン

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 12:30:13.41 ID:C3eNkT6WO

シンジ「な、なんですか?」

ミサト「今日、どうして学校に行かなかったの?」

シンジ「…今日は…」

シンジ(カヲル君になりたくて髪のブリーチ探してた……なんて言えない)

シンジ「……」

ミサト「はぁ」

ミサト「シンちゃん、私はね。あなたの保護者としての責任があるの。学校に行きたくなくなるようなことがあるならちゃんと言いなさい」

シンジ「……」

ミサト「そうじゃないなら、ちゃんと学校に行きなさい」

シンジ「シェ、シェイクスピア」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 12:34:15.86 ID:C3eNkT6WO

ミサト「え?」

シンジ「シェイクスピアですよ、葛城ミサトさん。今日はシェイクスピアなどの偉人の自伝を読みふけってしまったんです」

ミサト「バカな嘘はやめなさい」

シンジ「う、嘘なんかじゃありませんよ!」

ミサト「なら、その自伝について、あなたの感想を言いなさい」

シンジ「え………それは………」

シンジ「………」

シンジ「よ」


シンジ「良かったです…」

ミサト「」ニッコリ


ミサト「明日はちゃんと学校に行きなさい」


シンジ「はい…」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 12:38:14.68 ID:C3eNkT6WO

シンジ(うまく行かないや……カヲル君はもっといつも余裕があるのに)

シンジ(なんで僕には出来ないんだろう)

シンジ(口調も同じなのに)


トウジ「最近、センセがいつものセンセに戻ったな。安心したわ」

ケンスケ「そうだな。なんかオタクっぽかったもんな」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 12:43:46.78 ID:C3eNkT6WO

シンジ「」トボトボ

カヲル「シンジ君」

シンジ「カヲル君!」

カヲル「どうしたんだい?元気少ないね」

シンジ(元気少ない…!なんてカヲル君らしい意味深な言い方なんだろう)

シンジ(やっぱり本物はすごいや)

シンジ「そ、そんなことはないよ…」


シンジ「あの…カヲル」

カヲル「ん?」ニッコリ

シンジ「どうやったらカヲル君みたいに格好よくなれるのかな」

カヲル「?」

シンジ「カヲル君みたいになりたいんだ。カヲル君みたいになれたら、もっと自分に自信がついて、自分を好きになれる気がするんだ」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 12:51:21.93 ID:C3eNkT6WO

カヲル「僕になることが出来ない自分が嫌なのかい?」

シンジ「うん…」

シンジ「こうやって人の真似ばかりしようとして、自分がないのも…本当は嫌なのかも」

シンジ「でも、自分のままじゃ全然ダメだから…カヲル君みたいに自信のある人になりたいんだ」

カヲル「君には、自分がない?」

シンジ「うん…」

カヲル「けれど、シンジ君。僕になろうとする意志を持つ君も、それを否定する君も、全て君自身ではないのかい?」

カヲル「僕はどの君も素敵だと思うよ」ニッコリ

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 12:53:22.72 ID:C3eNkT6WO

シンジ「か…」

シンジ(格好いい……)

カヲル「?」

シンジ「うん、そうだね。僕、もっと自分を好きになれるようになりたいよ」

シンジ(こうなりたい。カヲル君みたいになりたい……)

カヲル「」ニッコリ

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 12:56:09.65 ID:C3eNkT6WO

自宅


シンジ「ただいま」

アスカ「バカシンジ。なんか来たわよ」荷物ポイ

シンジ「?…………、…ハッ!////」

シンジ「ああ!本か!あの本だ!遅かったなぁ、わすれてたよ!」バタン

アスカ「あの軽さで…………本?」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 12:58:26.37 ID:C3eNkT6WO

シンジの部屋

シンジ「き、来た……銀色のかつら」ドキドキ

シンジ「か、被ってみよう」

シンジ「ど、どうかな」

シンジ「これで、こう立って……」

シンジ「へへっ、すごいや。本当にカヲル君みたいだ」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 13:00:13.10 ID:C3eNkT6WO

シンジ「」ガラッ

シンジ「へ、へへ」

アスカ「ギャッ」

シンジ「どうしたんだい?アスカ。元気少ないね?」

アスカ「ま、またバカの変な病気が始まった…」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 13:03:42.80 ID:C3eNkT6WO

ミサト「ただいまー…って、え?誰?」

シンジ「嫌だなぁ、僕ですよ。ミサトさん」

ミサト「な、なぁに?何かの出し物?」

アスカ「ただの病気」

シンジ「どうですか?似合ってます?」

ミサト「うーーーーん……………」

ミサト「ちょっちよくわからないわ」

ミサト(ウィッグと顔が浮きまくっててこりゃ酷いわ…)

ミサト(でもナイーブなシンちゃんにハッキリ言ったら傷つくだろうし…)

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 13:09:14.73 ID:C3eNkT6WO

ミサト「見慣れてないせいかもしれないけど、あなたはいつもの髪の方が素敵よ?」

シンジ「そうですか…?」

シンジ「やっぱり、似合っないんですね」シュン

ミサト(そうね)

ミサト「そうじゃないけど、あなたは黒い髪が似合うお顔なのよ。それはとっても素敵なことなのよ?」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 13:11:30.19 ID:C3eNkT6WO

シンジ「そうなのかい?」

ミサト「そうよ、だからね、シンちゃん。せめてそれは家の中だけにしなさい?」

シンジ「ふふ、残念だけれど、わかったよ」

アスカ「気持ち悪」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 13:15:10.95 ID:C3eNkT6WO

登校


アスカ(全っ然わかってないじゃないこのバカ)

シンジ「おはよう!」

ザワッ

トウジ「ゲェッ!またセンセがおかしなったで」

ケンスケ「どうしたんだよその髪」

シンジ「うん、少しね。どうだい?」

ケンスケ「どうって……ねぇ」

トウジ「どうもこうも」

ケンスケ・トウジ(益々オタク臭くなった…もう一緒に歩きたくないレベル)

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 13:18:24.59 ID:C3eNkT6WO

シンジ「綾波、おはよう」

レイ「おはよう…」

レイ「どうかしたの?」

シンジ「あ、これ?へへ、どうかな。似合う?」

レイ「……」

レイ「…フィフス?」

シンジ「」ドキッ

シンジ「え?い、いやぁ?あんまり意識してないけど」

シンジ「」ドキドキ

レイ「そう…」

シンジ(やっぱりカヲル君に似てきたんだ)

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 13:20:45.91 ID:C3eNkT6WO

シンジ「トウジ、ケンスケ。一緒に帰…」

トウジ「す、すまんなシンジ、ワシ妹の病院に行かなあかんねん」

ケンスケ「同じく予定あり、悪いね」

シンジ「そう…あ、アスカ」

アスカ「嫌」

シンジ「まだ何も言ってないのに…」

アスカ「話しかけないで。気持ち悪い」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 13:23:03.49 ID:C3eNkT6WO

下校

シンジ「」トボトボ

カヲル「シンジ君?」ヒョイ

シンジ「か、カヲル君!」ドキッ

カヲル「どうしたんだい?その髪…」

シンジ「う、うん。ちょっとね…」

カヲル「そう」ニコッ

シンジ「」ドキドキハラハラ

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 13:29:41.56 ID:C3eNkT6WO

シンジ「か、カヲル君…あの、どうかな、これ」

カヲル「変わらず素敵だよ」ニコッ

シンジ「ほ、本当?」パァァ

カヲル「本当さ。変わらず、僕の好きなシンジ君だよ」

シンジ「カヲル君…」

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/01/20(日) 13:36:08.10 ID:C3eNkT6WO

ショーウインドウ前を通りかかる二人

シンジ「…?」

シンジ「え!?」

シンジ(な、何だこの酷い格好は!)

シンジ(僕はこんな格好で本物のカヲル君と並んでたの!?)

シンジ(こんな格好で今日1日「〜かい?」なんて言ってたの!?)

思い浮かばれる走馬灯


シンジ(うわぁぁああああ!!)



ツイート

メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:長門「ぶっ・・・ぶりぶりっ!ぶりっ!プリプリッ!・・・ぶーーっ!」