朝倉「そろそろおでんの季節じゃない?」キョン「まだ早いだろ」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/03(水) 09:42:43.06 ID:+E7GTg/z0

朝倉「そうなの?でも、コンビニではもうおでん始めましたってのぼりが立ってるじゃない」

キョン「あー、コンビニのそういった季節モノに対しての準備と仕込みの速さはいつも異常だからアレを基準にするな」

朝倉「ふ〜ん、そういうものなんだ」

キョン「そういうものなんです」

朝倉「キョン君ってそういうどうでもいいことは聞けばすぐ教えてくれるわよね」

キョン「お前らが知らなさ過ぎるんだよ」

朝倉「そうねぇ、知識としては知っていても実際の経験が伴なわないとダメなのよね〜」

キョン「そんなもんか?」

朝倉「そうよ、私なんて実際に稼動してまだ3年なんだから」

キョン「そうか三歳なのか」

朝倉「うんっ、さしゃくらりょーこしゃんしゃいでしゅっ♪」

キョン「……」

朝倉「ちょっ!?そこで黙らないでよ」

キョン「すまん、ちょっと良くわからなかったもう1回やってくれ」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/03(水) 09:54:49.42 ID:+E7GTg/z0

朝倉「イヤ」

キョン「なんでだよ?」

朝倉「ノリでやってみたは良いけど今思い返すと恥ずかしいのっ!」

キョン「んな恥ずかしがるくらいならやらなきゃいいだろうが」

朝倉「だからノリだって言ってるじゃない!もうこの話は止めっ!おしまいっ!」

キョン「自分でやっておいて勝手な奴だな」

朝倉「あらっ、女の子ってそういうものよ?それを極限まで極めた子をキョン君は知ってるじゃない」

キョン「あー……あぁー、うんそうだったな」

朝倉「そうそう♪」

キョン「そういやお前は随分感情豊かになったよな?」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/03(水) 09:58:04.26 ID:+E7GTg/z0

朝倉「そお?以前だってそういうのはしっかりやれていたと思うけど?」

キョン「や、そういうんじゃなくてだな、今のお前を見てると以前のお前はそれらしくこなしていただけなんだなってのがわかる」

朝倉「あら、そんなことないわよ?教室の中ではまだ演技してるような状態よ」

キョン「そうなのか?じゃあ今は?」

朝倉「何言ってるのよ、こんな所キョン君にしか見せる訳ないじゃない」

キョン「そ、そうか……」

朝倉「そうよっ♪」

キョン(くっ、最近のコイツは妙に可愛らしい時がありすぎて困るな……)

朝倉「だとしたらやっぱりキョン君の家でお世話になっているからかしらねー」

キョン「そんなんが影響あるのか?」

朝倉「うーん、なんて言うのかな……ほら、人の営みって無駄だらけじゃない?」

キョン「そうか?」

朝倉「そうよ」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/03(水) 10:01:44.49 ID:+E7GTg/z0

キョン「どんなところが?」

朝倉「どんなところって言われても……う〜ん……ほら、人間って生き物じゃない?」

キョン「そらそうだ」

朝倉「それなら目的は現行の目的は生命維持で最終的には種の繁栄を目指すものでしょ?」

キョン「あー……なるほど確かに無駄が多いな」

朝倉「でしょ?でもね……」

キョン「うん?」

朝倉「キョン君の家で暮してるうちにそういうのって大事な無駄であり必要な無駄なんだな〜って思ったの」

キョン「……よくわからん」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/03(水) 10:16:43.49 ID:+E7GTg/z0

朝倉「そりゃキョン君にとっては当たり前でしょうけど私にとってはすごく新鮮だったのよ」

キョン「そんなもんかね」

朝倉「そんなもんなんです」

キョン「で、なんでこんな哲学的な話になっているんだ?」

朝倉「なんでかしらね…………あ、そうそうおでん!」

キョン「あ〜そういやそうだったな」

朝倉「今日のお夕飯おでんでいいかしら?」

キョン「だからまだ早いって言っただろうが」

朝倉「えー、いいじゃない。決まりっ、今夜はおでん!」

キョン「はぁ、まぁこっちは作ってもらう側だから大人しく聞いておこう」

朝倉「……どうしてもイヤだった?」

キョン「そこまでは言うつもりはないぞ」

朝倉「そう、良かった。それじゃキョン君に満足してもらえるように腕によりをかけて作るわね!」

キョン「ああ、期待してるよ」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/03(水) 10:25:51.56 ID:+E7GTg/z0

朝倉「それじゃスーパー寄って帰りましょ?」

キョン「はぁ、また荷物持ちか……」

朝倉「何よいいじゃないその位」

キョン「……まぁいいけどさ」

朝倉「もうっ、そんなんでごねてるとまたパートのおばさんに怒られるわよ?」

キョン「ああ、あれな……『彼女にメシ作ってもらうってのに荷物持ちくらい快くしてやりなっ!』だったか」

朝倉「ふふっ、そうそう。あのおばさん今日いるかなー?」

キョン「勘弁してくれ、それ依頼あのスーパーにお前と行くと生暖かい視線が刺さるんだよ……」

朝倉「えー、なんでよいいじゃない」

キョン「いやいや、お前は周りから勝手にカップルだって思い込まれてその様に扱われるのは嫌じゃないのか?」

朝倉「私?私はキョン君となら嫌じゃないわよ?」

キョン「!?そ、そうか……」

朝倉「あっ、もしかして……キョン君は、イヤ?」

キョン「い、いやっ、別にイヤって言うことはないが……」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/03(水) 10:35:22.19 ID:+E7GTg/z0

朝倉「そっか、良かった……それじゃ行きましょ♪」

キョン「あ?ああ……それで何を買うんだ?」

朝倉「んー大根は仕込んであるし卵はあるし……キョン君何か入れて欲しいものある?」

キョン「牛スジ」

朝倉「えー……」

キョン「なんだよ、ダメなのか?」

朝倉「ダメじゃないけど無理よ」

キョン「なんでだ?」

朝倉「事前に炊いて仕込んでおかないとね……次やるときは準備しておくわね」

キョン「ああ、頼んだ」

朝倉「他には何かない?」

キョン「んー大根と卵はあるんだよな?」

朝倉「それは外さないわよ。あとははんぺんとか練り物は今日買っていくつもりだけれど……」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/03(水) 10:38:52.88 ID:+E7GTg/z0

キョン「あ、餅巾!」

朝倉「もちきん?」

キョン「なんだ知らないのか?」

朝倉「ええ、どんなの?」

キョン「だから餅だよ餅」

朝倉「お餅?そんなの煮込んだら溶けちゃうじゃない」

キョン「ばっかお前、だから油揚げの巾着に入れるんだろうが?」

朝倉「へー、それでお餅巾着でも餅巾か〜」

キョン「それならどうだ?」

朝倉「うん、それならいけるわよ」

キョン「そうか、よし!それじゃいくぞ」

朝倉「はーい♪」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/03(水) 10:48:43.45 ID:+E7GTg/z0

〜スーパー〜

朝倉「えーっと……次は、と」

キョン「あ、朝倉!ピザポテトが安いぞピザポテトが!」

朝倉「えー?……いつもと同じお値段じゃない、ダメ!」

キョン「馬鹿な!?128円だぞ!?」

朝倉「いつもその値段よ、安いときは108円で売ってるわよ」

キョン「マジか!?コンビニより安いぞ」

朝倉「マジよ、コンビニが高いのよ」

キョン「そうか……それじゃ安いときに買っておいてくれ!」

朝倉「え〜、おばさまから預かってるお金なんだから無駄遣いは出来ないわよ」

キョン「そこをなんとか!」

朝倉「はぁ……もう、わかったわよ」

キョン「よっしゃあ!」

朝倉「ふふっ、子供みたいなんだからもう」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/03(水) 10:54:49.17 ID:+E7GTg/z0

キョン「何を言うか、ピザポテトは人類にとって必要な栄養素なんだぞ?」

朝倉「えっ、そうだったんだ……」

キョン「いや、冗談だ。マジに取るな」

朝倉「もうっ!」

キョン「それでもピザポテトってたまーに無性に食いたくなるからあると助かるのはマジだ」

朝倉「知らないわよそんなの!」

キョン「わかった怒るな怒るな、ちゃんと分けてやるから」

朝倉「む〜……」

おばさん「あらっ、来てたのかい涼子ちゃん!」

朝倉「あ、おばさん!こんにちは〜」

キョン「ども」

おばさん「今日は彼氏と一緒にお買い物?相変わらず仲がいいねぇ」

朝倉「あはは、彼女じゃないですよ〜」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/03(水) 11:02:42.36 ID:+E7GTg/z0

おばさん「ちょっとアンタ!」

キョン「え、俺?」

おばさん「涼子ちゃんみたいな器量よし放っておいて何やってんだい!」

キョン「はい!?」

おばさん「まったく!家事も出来て気が利いて……それでいてこんなに綺麗な子中々いないだろうに」

キョン「はぁ、まぁそう、ですね(いや、宇宙人だけどな)」

おばさん「それにスタイルもいいし……こんなにしっかりとしたお尻してんだ、いい子産んでくれるよっ!」ペシッ

朝倉「きゃっ!?お、おばさん!?」

キョン「ぶっ!?」

おばさん「それに涼子ちゃんもちゃんと押す所は押さないとダメじゃないか」

朝倉「いや、だからキョン君はそういうんじゃなくてですね!」

おばさん「え〜?でもメシ作ってやってんだろ?」

朝倉「そ、それは一緒に暮しているから……」

キョン「ばっ、おまっ!?」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/03(水) 11:12:50.84 ID:+E7GTg/z0

おばさん「え!?なんだい同棲してたのかい?」

朝倉「ち、ちがっ!わたっ、わたしがキョン君の家に転がり込んでおばさまからキョン君をよろしくって言われてそれでっ!」

キョン「お、おい!朝倉、落ち着け!」

おばさん「はっはっは、こりゃアタシが口を出すまでもなかったね!」

朝倉「だ、だからそうじゃなくて!」

おばさん「いいよいいよ、わかっているさね。そこまで行っているんならもう若い2人だけの問題だね、口出して悪かったよ」

朝倉「うぅ……違うっているのにぃ……」

キョン「今のはお前の言葉選びが悪い」

朝倉「ゴメンねキョン君……」

キョン「……まぁ、いいけどさ」

おばさん「何2人でコソコソ喋ってるのかはわからないけど避妊だけはちゃんとしなよアンタ達!」

朝倉「ひゃいっ!?」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/03(水) 11:21:27.51 ID:+E7GTg/z0





朝倉「うぅ……もうあのスーパー行けない……」

キョン「まだ凹んでるのかよ」

朝倉「だって恥ずかしいじゃない!今後きっと一人で行っても生暖かい目で見られるんだわ……」

キョン「お前さっきその位いいって言ってたじゃないか」

朝倉「急に恥ずかしくなってきたのっ!」

キョン「はいはい」

朝倉「う〜……」

キョン「それにしてもお前にしては珍しくうろたえていたよな?」

朝倉「うん……」

キョン「……なんかあったのか?」

朝倉「別に何もないけど……」

キョン「そんな風には見えなかったが」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/03(水) 11:26:53.98 ID:+E7GTg/z0

朝倉「私にもわからないわよ。だってキョン君とのことを言われているうちに顔が熱くなってきて……」

キョン「ん……?」

朝倉「頭もてんぱっちゃって思考が上手くまとまらなくなっちゃって自分で制御できなくなっちゃうし……」

キョン「お、おい朝倉……」

朝倉「それでいて私の言葉でキョン君がどんな反応をするかも気になっちゃってどうしようもなくなっちゃったんだから仕方ないじゃない」

キョン「う……」

朝倉「……キョン君?」

キョン「いや、なんでもない……」

朝倉「?」

キョン(まさか、いやしかし……でも朝倉だしなぁ……う〜ん……)

朝倉「あ、そうだ!キョン君わかるかなぁ?」

キョン「あ?ああ…………ん〜」

朝倉「何で私がああなっちゃったのか」

キョン「んあ!?」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/10/03(水) 11:34:43.45 ID:+E7GTg/z0

朝倉「ねえねえ、わかるんだったら教えてよ」

キョン「い、いや、それは……」

朝倉「それは?」

キョン「出来るかボケェ!」

朝倉「え〜、なんでよ!」

キョン「何でもだ!そういうのは自分でちゃんと考えて自分で理解してくもんなの!!」

朝倉「そうなの?」

キョン「そうなの!」

朝倉「む〜、煩わしいわね……」

キョン(『それは……お前が俺に恋をしているんだぜ!』(キリッ!なんて言えるかボケ!それにそうじゃなかった時は死にたくなる……
    そうだ、そうと決まった訳じゃないんだ変な妄想をするんじゃない俺!)

朝倉「何で今度はキョン君が悶えているのよ?」

キョン「い、いや、なんでもない気にしないでくれ」

朝倉「ん、わかった」

キョン(な?ほらな?やっぱりですよ!……変に舞い上がらなくって良かった〜……)



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