碇シンジ「僕は……魔王を倒すために生まれた勇者、碇シンジです!」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 15:31:00.53 ID:FxCdyU720

―――自宅

「起きなさい……」

シンジ「ん……」

「起きなさい。碇シンジくん」

シンジ「……あ、おはようございます」

ミサト「さあ、行くわよ」

シンジ「……」

ミサト「嫌なの?」

シンジ「正直……あまり行きたくありません」

ミサト「そう……苦手なのね。父親が。……私と一緒ね」

シンジ「……」



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 15:35:04.88 ID:FxCdyU720

―――ネルフ国 王城

ミサト「国王、お連れしました」

ゲンドウ「来たか、シンジ」

シンジ「父さん……」

ゲンドウ「何のために呼び出したか、分かるな?」

シンジ「……」

ゲンドウ「お前には各国に居る魔王『使徒』を討伐してもらう」

シンジ「やめてよ……僕には無理だよ」

ゲンドウ「お前にしかできんことだ」

シンジ「なんで……いつもいつも、自分の都合で……!!」

ゲンドウ「……何も独りで行けとは言わん。――レイ」

レイ「はい」

シンジ「え……その子は?」

ゲンドウ「優秀な魔術師と共に旅立て」

レイ「よろしく」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 15:39:27.00 ID:FxCdyU720

シンジ「……無理だよ……僕に使徒なんて倒せるわけないよ……」

ゲンドウ「やらねば人類が滅ぶ」

レイ「……」

ミサト「シンジくん……」

ゲンドウ「何のためにお前を10年も葛城軍曹の元に預けていたか分からん訳ではあるまい?」

シンジ「そんなの関係ないよ……」

ゲンドウ「この日のためにお前を鍛えさせたのだぞ?」

シンジ「父さんの勝手じゃないか……」

ミサト「貴方にしかできないことなのよ?」

シンジ「でも……使徒って強いんでしょ……無理ですよ……」

レイ「碇くん」

シンジ「な、なに……?」

レイ「私と二人っきりよ?嬉しくない?」

シンジ「え……?」

レイ「二人だけの旅。嬉しくない?」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 15:42:58.16 ID:FxCdyU720

シンジ「そ、それは……」

レイ「私、ちゃんと朝は起こしてあげる。料理はできないけど」

シンジ「あ、それは僕が……」

レイ「碇くん、料理できるの?」

シンジ「う、うん……すこしだけど」

レイ「楽しみ」

シンジ「あ……えと……」

冬月「……勝ったな」

ゲンドウ「ああ」

レイ「私、肉が嫌いだから」

シンジ「そ、そうなんだ……分かったよ……」

レイ「じゃあ、いきましょう。世界のために」

シンジ「え、あ……」

レイ「では、行ってまいります、国王」

ゲンドウ「ああ、頼んだぞ、レイ」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 15:49:08.91 ID:FxCdyU720

―――街

シンジ「ちょっと、待ってよ!」

レイ「……なに?」

シンジ「いや……君はいいの?」

レイ「綾波レイ」

シンジ「あ、えと……綾波はいいの?」

レイ「なにが?」

シンジ「魔王を倒すたびなんて……危険じゃないか。死ぬかもしれない……ううん、きっと死ぬ」

レイ「どうしてそう思うの?」

シンジ「使徒はとてつもなく強いってミサトさんから何度も聞いたし、それに魔法も使うって……・」

レイ「平気。私も使える」

シンジ「で、でも……力も強いって」

レイ「大丈夫。貴方も強い」

シンジ「なんで……なんで、そんなことが言えるの……?」

レイ「私は貴方が世界を救うって国王から聞かされて育ったから。貴方は必ず世界を救う」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 15:53:55.93 ID:FxCdyU720

シンジ「……」

レイ「……」

シンジ「無理だよ……」

レイ「……どうしてそんなこと言うの?」

シンジ「確かにミサトさんに色々なことを学んだ……でも……使徒なんて……」

レイ「……」

シンジ「魔王だよ?魔王って……人間よりも遥かに強くて……大きくて……無理だよ……」

レイ「まだ戦ってもいないのに、そんなことを言うの?」

シンジ「戦わなくてもわかるよ!?一体一体が国を支配するだけの力を持ってるんだ。そんな奴らに相手にかなうわけないよ……」

レイ「大丈夫」

シンジ「根拠なんて……ないじゃないか」

レイ「碇君……私の目を見て」

シンジ「え……」

レイ「……私は貴方を信じているから。だから、大丈夫」

シンジ「あ、綾波……」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 15:57:35.61 ID:FxCdyU720

レイ「危なくなれば逃げればいい」

シンジ「え……」

レイ「貴方は死なないわ……いえ、貴方は死なせない」

シンジ「ど、どういうこと?」

レイ「私が守るもの」

シンジ「綾波……」

レイ「この指輪……つけて」

シンジ「これは……?」

レイ「赤木博士が開発したマジックリング。心の壁を具現化させるためのもの」

シンジ「心の壁……?」

レイ「その壁さえあれば、使徒の攻撃を防げる」

シンジ「ほ、本当なの……?」

レイ「ええ」

シンジ「綾波……僕は……」

レイ「……行きましょう?」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 16:02:32.89 ID:FxCdyU720

―――ネルフ国 王城

マヤ「碇シンジ、綾波レイの両名は街から出た模様です」

ゲンドウ「そうか」

冬月「レイが役に立ったな」

ゲンドウ「当然だ。レイはシンジを歩かせるために存在している。そうでなくては困る」

冬月「そうだな」

ゲンドウ「これでようやく始まったな」

冬月「長かったな」

ゲンドウ「ああ……各国の使徒を殲滅……そして……」

冬月「全てはゼーレのシナリオ通りか」

ゲンドウ「ああ、問題ない」

冬月「しかし、あの二人で大丈夫か?不安はあるんじゃないか?」

ゲンドウ「問題ない。既に手配してある。いずれ合流するだろう」

冬月「そうか」

ゲンドウ「……(ニヤッ」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 16:06:13.59 ID:FxCdyU720

―――街道

シンジ「……」

レイ「……」

シンジ(間が持たない……)

レイ「……なに?」

シンジ「あ……えと……」

レイ「……?」

シンジ「ごめん……」

レイ「どうして謝るの?」

シンジ「あ、いや……その……ごめん……」

レイ「……」

シンジ(ずっとミサトさんと暮らしてたから、同年代の女の子にどう話していいかわからない……)

レイ「碇君?」

シンジ「な、なに……?」

レイ「前、魔物」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 16:09:19.28 ID:FxCdyU720

シンジ「え―――」

魔物「………」

シンジ「う、うわ……!?」

魔物「―――ァァァァァ!!!」

シンジ「う、うわ!!!うわぁ!!」

レイ「フィールド、展開」

魔物「!?!?」

シンジ「綾波!?」

レイ「くっ……い、今のうちに……」

シンジ「あ、う、うん……やぁぁ!!」

魔物「ゥゥゥゥゥゥ……」

シンジ「や、やった……」

レイ「はぁ……はぁ……」

シンジ「綾波……だ、大丈夫……?」

レイ「平気……少し、疲れただけ……」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 16:13:55.79 ID:FxCdyU720

シンジ「疲れたって……」

レイ「心の壁を具現化すると魔力を消費するから……」

シンジ「そ、そうなんだ……」

レイ「ごめんなさい……私、魔術師としては半人前だから……魔力も少なくて」

シンジ「そ、そんなことないよ……!!ま、守ってくれてありがとう……」

レイ「いいの。それが私の使命だから」

シンジ「使命……」

レイ「うん」

シンジ「……あ、綾波はこれから……できるだけ後ろにいてもいいよ……あ、あれぐらいの魔物なら、僕だけでもなんとかなるし……」

レイ「そう?」

シンジ「う、うん……本当に危なくなったときは魔法で援護してくれればいいし……」

レイ「……そう。わかったわ」

シンジ「じゃあ、行こうか。歩ける?」

レイ「平気」

シンジ「よかった……」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 16:17:50.20 ID:FxCdyU720

―――街 宿屋

シンジ「い、一緒の部屋なの!?」

レイ「そう。旅の資金は国から支給されているけど、無駄遣いは厳禁と冬月大臣に言われてる」

シンジ「で、でも……綾波が困るんじゃあ……」

レイ「どうして?」

シンジ「え……だって……男と二人なんて……」

レイ「男と二人は嫌」

シンジ「で、でしょ……?」

レイ「でも、碇君となら平気」

シンジ「え……あ……そ、それって……」

レイ「だって、勇者ですもの」

シンジ「あ……うん……そ、そうだね……」

レイ「行きましょう」

シンジ「うん……」

シンジ(綾波ってどうしてそこまで僕のことを信じてくれてるんだ……?)

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 16:22:06.29 ID:FxCdyU720

―――夜

シンジ「じゃ、じゃあ……おやすみ」

レイ「おやすみ」

シンジ(……はぁ……違うベッドとはいえ……)

レイ「……」

シンジ(気になる……)

シンジ(綾波……僕のことを聞かされて育ったって言ってたけど……)

シンジ(僕のことどう思ってるんだろう……?)

レイ「……」

シンジ(ん……綾波……どこにいくんだろう?)

レイ「……」

シンジ(お手洗いかな……?)

シンジ(………綾波って、可愛いな)

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 16:25:41.95 ID:FxCdyU720

―――翌朝

レイ「―――起きて」

シンジ「ん……うわぁ!?!」

レイ「どうしたの?」

シンジ「ご、ごめん……綾波の顔が間近にあったから……」

レイ「ごめんなさい……どう起こしたらいいかわからなくて……これからは顔を覗きこまないようにする」

シンジ「い、いや……そういうことじゃ……」

レイ「……支度して出発しましょう?」

シンジ「そ、そうだね……」

レイ「今日中に使徒が支配する第三王国に到着できるはずだから」

シンジ「……」

レイ「怖い?」

シンジ「それは……だって……」

レイ「大丈夫。碇君は私が守る」

シンジ「綾波……」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 16:29:48.36 ID:FxCdyU720

―――第三王国

シンジ「ここが……酷い……街がボロボロだ……」

レイ「使徒が支配する国は大体こんな感じだって聞いてる」

シンジ「そうなんだ……で、使徒はどこに……?」

レイ「あの城にいるはず」

シンジ「あ、そこに……」

レイ「行きましょう」

シンジ「あ、あのさ綾波……」

レイ「なに?」

シンジ「あ、綾波は後ろから援護してくれればいいから……できるだけ、僕が……」

レイ「……ごめんなさい。それはできない」

シンジ「え……?」

レイ「私……魔術は一つしか使えない。でも、その魔術を使うと、街一つが吹き飛ぶから。貴方が近くにいると使えない」

シンジ「え……ええ!?」

レイ「だから、誰ひとり居ない場所でしか私の魔術は使えない。ごめんなさい」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 16:33:57.24 ID:FxCdyU720

シンジ「そ、そうなんだ……」

レイ「そう」

シンジ「……その魔術って一体?」

レイ「黒魔法。かつてこの世界を支配していた竜を殺すために開発された禁呪」

シンジ「もっと軽いやつは学べなかったの?」

レイ「才能……なくて……」

シンジ「あ、ご、ごめん……そういうつもりで言ったんじゃないんだ……」

レイ「さあ、行きましょう。使徒の攻撃は私が防ぐから」

シンジ「そんな……」

レイ「私にはそれしかないから」

シンジ「……」

レイ「行きましょう」

シンジ「うん……」

シンジ(普通の魔物で息を切らせていた綾波が、使徒の攻撃を防げるとは思えない……)

シンジ(僕が……僕が……やらなくちゃ……)

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 16:38:34.37 ID:FxCdyU720

―――城

サキエル「誰ですか?」

シンジ「お、おまえが……魔王か?」

サキエル「いかにも。私は第三使徒『サキエル』です。貴方方は?」

シンジ「ぼ、僕は……ネルフ国の碇シンジ……」

レイ「綾波レイ」

サキエル「ふうん……それで?」

シンジ「お、お前を……倒しにきた」

サキエル「なるほど……私を……」

シンジ「う……」

レイ「……」

サキエル「では……早速―――はぁぁ!!!」

シンジ(掌から何かが伸びて―――)

レイ「碇君!!!」

シンジ「え―――」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 16:44:23.81 ID:FxCdyU720

レイ「フィールド、全開」

サキエル「ほぉ……不思議な盾を」

レイ「うぅ……!!」

シンジ「綾波!?」

レイ「い、まのうちに……!!」

サキエル「でも……脆い」

レイ「あ―――」

シンジ「盾が割れ―――」

レイ「あぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

シンジ「綾波!?!」

サキエル「肩を貫いただけでしょう……大げさです」

シンジ「綾波!!綾波!!!」

レイ「うぅぅ……あぁ……」

シンジ「あぁ……こ、こんな……やっぱり……使徒になんて……」

サキエル「さあ、次は貴方の番だ……」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 16:49:50.29 ID:FxCdyU720

シンジ「な―――」

レイ「フィールド……全開……!!」

シンジ「綾波!?」

サキエル「またですか。でも、少し力を込めればそんなもの……」

レイ「あぐぅぅ……!!―――死なせない……碇君だけは……絶対に……」

サキエル「今度はいつまで持ちますかね……ふふふ」

シンジ「綾波……」

シンジ(逃げちゃ駄目だ……逃げちゃ駄目だ……逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ駄目だ……逃げちゃ……駄目だ!)

シンジ「―――うわぁぁぁぁ!!!!」

サキエル「む……無謀と勇気は違うと、教わらなかったのですか?」

レイ「碇君!!」

シンジ「え―――」

サキエル「えい」

シンジ「が―――ぎぃぁあああああああ!!!!!!」

サキエル「あははは。腹を刺されたら痛いでしょう?」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 16:54:22.89 ID:FxCdyU720

レイ「碇君!!」

サキエル「貴女も……それ」

レイ「あぐっ!?」

シンジ「あ……や……な……」

レイ「あ……ぐ……し、なせ……ない……」

サキエル「あははは。人間のくせに使徒に立ち向かおうなどとするから」

シンジ「あ、や……なみ……」

レイ「い、か……り……く―――」

サキエル「死ね」

レイ「ぎぃ!?」

シンジ「――――――」

サキエル「人間なんて、脆い……あははは。なんのために生きているのかさっぱりわからないほどに」

シンジ「………あ、や……な……み……」

サキエル「次は貴方の番だ。すぐに後を―――」

シンジ「―――――」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 16:58:54.42 ID:FxCdyU720

サキエル「はぁ!!」

シンジ「…………」

サキエル「その盾か……そんなもの……」

シンジ「………」

サキエル「な、なんだ……!?つ、貫けない……!?先ほどの女とはまるでちが―――」

シンジ「――――ウオォォォォォォォン!!!!!!!」

サキエル「ひっ!?」

シンジ「オォォォォォォォォォ!!!!!!」

サキエル「な、なんだ!?お、お前―――」

シンジ「アァァァァァァ!!!!!」

サキエル「ぐほぉ!?―――つ、強い!?」

シンジ「ハァァァ……ハァァァァ………」

サキエル「ひっ……し、死になさい!!!」

シンジ「ウオォォォォォォォン!!!!!」

サキエル「ギャ――――」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 17:02:16.96 ID:FxCdyU720

―――宿屋

シンジ「―――はっ!?」

シンジ「え……ここは……?」

レイ「起きた?」

シンジ「……綾波……?」

レイ「大丈夫?」

シンジ「う、うん……」

レイ「じゃあ、ごはん。持ってくるから」

シンジ「わ、わかった……」

シンジ「……なにがあったんだっけ……?」

シンジ「確か……使徒と戦って……綾波の頭にあいつの触手みたいなのが刺さって……」

シンジ「…………」

シンジ「よく……覚えてないや」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 17:06:33.86 ID:FxCdyU720

―――ネルフ国 王城

冬月「―――覚醒したそうだな」

ゲンドウ「いや、暴走だ。覚醒とは呼べんよ」

冬月「そうか」

ゲンドウ「だか、結果は上々だ。爺共も喜んでいる」

冬月「初めての戦闘にしては……だな」

ゲンドウ「ああ」

マヤ「国王。報告が」

ゲンドウ「ああ、聞こう」

マヤ「第六王国、第八王国にて使徒を殲滅したとのことです」

ゲンドウ「そうか。わかった」

マヤ「はい。失礼します」

冬月「彼女か……流石だな」

ゲンドウ「ああ……だが、奴では大願は果たせんよ」

冬月「……そうだな」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 17:10:24.84 ID:FxCdyU720

―――翌日 街道

レイ「……」

シンジ「……」

レイ「どうかした?」

シンジ「あ、いや……あの、僕の思い違いかも知れないんだけど……」

レイ「なに?」

シンジ「綾波……あの使徒に頭を貫かれなかった?」

レイ「……いいえ。肩だけよ」

シンジ「そ、そう……ならいいんだ」

レイ「そう」

シンジ「肩はもう平気?」

レイ「ええ。大丈夫」

シンジ「な、なにかあったら、言ってね?」

レイ「ええ」

シンジ(やっぱり……あれは夢だったのかな……)

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 17:14:20.79 ID:FxCdyU720

―――夜

シンジ「はい、シチュー。お肉は抜いてあるから」

レイ「ありがとう……温かい」

シンジ「そう……」

レイ「体がぽかぽかする」

シンジ「綾波……あの使徒に僕たちはどうやって勝ったの?」

レイ「……」

シンジ「気が付いたら使徒は居なくなってて、街の人は喜んでいたけど……」

レイ「貴方が倒した。それは間違いないけど、私も気絶していたから……」

シンジ「そ、そっか……ごめん」

レイ「どうして謝るの?」

シンジ「あ……えっと……」

レイ「……?」

シンジ「あ、と、とにかく食べてよ。明日には第四王国に着いちゃうし……早めに寝ておかないと」

レイ「ええ、そうね。そうする」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 17:17:55.79 ID:FxCdyU720

―――翌日 第四王国 王城

シャムシエル「……なん、の、よう?」

シンジ「お、おまえを倒しに……来た」

シャムシエル「そ、うか……にん、げん……ころす……」

レイ「危ない!」

シンジ「うわぁ!?」

シャムシエル「こ、ろす……にんげん……ころす……」

シンジ「あ、あの触手が……厄介だ……!!」

レイ「ええ」

シャムシエル「……」

シンジ「――また来る!!?」

レイ「一度、逃げましょう」

シンジ「う、うん!!」

シャムシエル「……に、がさない」

シンジ「もっと、広い場所で戦わないと……」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 17:21:25.74 ID:FxCdyU720

―――街

シャムシエル「……こ、ろ、す」

シンジ「はぁ……はぁ……」

レイ「くっ……」

シンジ「綾波!?」

レイ「はぁ……だいじょ……ぶ……」

シャムシエル「……」

シンジ(ここなら家屋もない……よし)

レイ「碇君……」

シンジ「来い……!!」

シャムシエル「……こ、ろす……」

シンジ「この触手を―――掴めば!!」

シャムシエル「……!?」

シンジ「ぐぁぁぁぁ!!!!!―――こ、今度は守らなきゃ……ちゃんと……綾波を……守らなきゃ……!!」

シャムシエル「……ころす……はな、せ……ころす……」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 17:26:18.16 ID:FxCdyU720

レイ「碇君!」

シンジ「このまま、懐に飛び込んでやる……うわぁぁぁ!!!」

シャムシエル「……はな、せ……は、なせ……!!」

シンジ「この剣を刺し込んでやる……食らえっぇぇぇ!」

シャムシエル「うごご……・あが……いぎ……!?」

シンジ「あぁぁぁぁぁ………!!!!」

シャムシエル「ぉぉ……ぃぃ……ぁぁ……」

シンジ「ぅぅぅぅぅ………!!!!」

シャムシエル「ぁぁぁぁ……ごぎお………ば……ぁ―――」

シンジ「―――はぁ……はぁ……はぁ……」

レイ「碇君……」

シンジ「……」

レイ「大丈夫……?」

シンジ「うん……大丈夫……」

レイ「よかった……でも、もう無茶しないで……」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 17:30:04.60 ID:FxCdyU720

シンジ「う、うん……」

レイ「宿に行きましょう?」

シンジ「あ、うん……」

「いた……」

「あいつだ」

シンジ「え……?」

レイ「街の人?」

「あんたが、使徒を倒したのか?」

シンジ「あ、はい……」

「そのことには礼をいう……」

シンジ「あ、いえ……」

「でも……なんで街の中で戦ったんだ……?」

シンジ「それは……相手は触手を振りまわして周囲を壊すから……瓦礫に巻き込まれないように広い場所へ……」

「使徒が街で暴れた所為で……また、人が死んじまった……どうしてくれる?」

シンジ「あ……え……?」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 17:34:07.28 ID:FxCdyU720

「そうだ……お前が城の中で戦っていれば……!!」

「娘を返してくれ!!」

シンジ「そ、そんな……僕は!?」

「使徒を倒してくれたくれたことは感謝する。だけど、今すぐ出ていってくれ」

シンジ「……!?」

レイ「……」

「お前は無駄に被害を広げただけだ……」

シンジ「ちょっと……待ってよ……こっちは命がけで……!!」

「俺たちはお前になんて頼んでない。それに倒す算段あったんだ」

シンジ「なんだよそれ……なんだよそれぇ!!!」

「出ていけ。もうこの国にはこないでくれ」

シンジ「なんだよ……じゃあ……何のために……僕は……」

レイ「碇君、行きましょう」

シンジ「なんだよ……なんだよ……くそ……」

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 17:39:20.21 ID:FxCdyU720

―――夜 街道

レイ「両手、痛む?」

シンジ「大丈夫……」

レイ「そう」

シンジ「綾波……僕たちのしてることに、意味なんてあるの?」

レイ「街の人では使徒は倒せない。きっと貴方がやらないともっと多くの人が犠牲になっていた」

シンジ「でも……人を助けて……恨まれるなら……」

レイ「碇君は立派だと思う」

シンジ「……」

レイ「全ての使徒を倒せば……きっと世界中の人は貴方を称えてくれる、褒めてくる」

シンジ「そう……かな……そんな風には今は思えない……」

レイ「大丈夫……きっと、そうなる」

シンジ「ごめん……今は……」

レイ「そう……」

シンジ「ごめん……」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 17:45:10.20 ID:FxCdyU720

―――ネルフ国 王城

マヤ「―――第四、九、十、十一王国にて使徒の殲滅を確認しました」

ゲンドウ「そうか」

冬月「シンジとレイよりも優秀だな。彼女は」

ゲンドウ「そうでなくては困る」

冬月「そういえば第五王国の使徒は……二人だけで倒せるのか?」

ゲンドウ「そのためのレイだ。問題はない」

冬月「それもそうか」

ゲンドウ「葛城軍曹」

ミサト「はい」

ゲンドウ「第五王国の使徒は少々手ごわい。二人に指示を与えろ」

ミサト「はっ!」

冬月「大丈夫かね」

ゲンドウ「シンジがレイを守ればな」

冬月「それができればいいな」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 17:50:03.18 ID:FxCdyU720

―――街道

シンジ(僕……なんのために戦ってるんだろう……)

シンジ(命をかけて人から恨まれて……何の意味が……)

シンジ(僕が使徒と戦うことに……意味なんてあるの……?)

レイ「碇君?」

シンジ「え……なに?」

レイ「少し呆けてたから」

シンジ「あ、ごめん……」

レイ「どうして謝るの?」

シンジ「……いや……」

ミサト「―――まだ治ってないのね、すぐに謝る癖」

シンジ「え!?ミサトさん!?」

ミサト「久しぶりー、元気だった?」

レイ「葛城軍曹、お久しぶりです」

シンジ「ど、どうしたんですか!?」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 17:55:10.35 ID:FxCdyU720

ミサト「そろそろ第五王国に入るって聞いてね。すっとんできた」

シンジ「どういうことですか……?」

ミサト「第五王国にいる使徒はちょっち手ごわいの。だから、私が指揮してあげるー」

シンジ「そうなんですか……」

レイ「手ごわいとは?」

ミサト「レイ、貴方の魔術を使う時よ?」

レイ「え……」

ミサト「第五王国にいる使徒は一定範囲内に侵入してきた物をかたっぱしから排除する嫌な奴なのよ」

シンジ「それって……王国の人は……?」

ミサト「人どころか建物もないわ。皆、使徒が消したの」

シンジ「……」

レイ「それなら私の魔術が使えます」

ミサト「ええ。こういう状況下でしか使えないのが残念だけどね」

シンジ「あの……それって誰も人がいないってことですよね?」

ミサト「ええ、そうよ?」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 18:00:15.75 ID:FxCdyU720

シンジ「なら……わざわざ倒さなくてもいいんじゃないですか?」

ミサト「シンジくん……」

シンジ「倒しても……誰からも感謝されないなら……別に……」

ミサト「感謝されたいから使徒を倒すの?」

シンジ「そうじゃないですよ……でも、命をかけたんだから、見返りは欲しいじゃないですか……少しぐらい」

ミサト「そう……そうね」

シンジ「父さんだって……誰も……褒めてくれない……それどころか恨まれることもある……」

ミサト「……」

シンジ「そんなの……あんまりじゃないですか……!!」

ミサト「それでもやるの。世界のために」

シンジ「でも……」

ミサト「なんのために10年も訓練をしてきたと思うの?」

シンジ「それは……ミサトさんが無理矢理に……」

ミサト「シンジくん……」

シンジ「……」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 18:05:17.53 ID:FxCdyU720

―――第五王国

ミサト「あれね。これ以上踏み込むと死ぬから」

レイ「はい」

シンジ「……」

ミサト「作戦は至ってシンプル。レイが魔術の詠唱をする間、シンジくんがレイを守ればいいから」

シンジ「……わかりました」

レイ「もし詠唱中に相手が反応してきても、大丈夫ですね」

ミサト「ただし……二発目はない」

シンジ「それは綾波の魔力が?」

ミサト「そう。次を撃つまでにかなり時間がかかるから」

シンジ「……」

レイ「……」

ミサト「じゃあ、作戦開始は6時間後に。それまでにゆっくり休んでおいて」

シンジ「わかりました……」

レイ「はい」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 18:10:16.02 ID:FxCdyU720

―――夜

ミサト「シンジくん……」

シンジ「……」

ミサト「無理矢理、やらさせれてるって感じてたのね?」

シンジ「当たり前ですよ……僕は戦いたくなんて……」

ミサト「……逃げる?」

シンジ「……」

ミサト「今、貴方たちの他に二人、使徒を倒して回っている女の子がいるわ」

シンジ「え……」

ミサト「その子たちに全部任せる?」

シンジ「……その方がいいなら」

ミサト「自分で決めなさい」

シンジ「……」

ミサト「逃げるにしても、戦うにしても……自分で決めるの。確かに今までは無理矢理だったかもしれない。でも、もう自分で選べるはずよ?」

シンジ「……大人ってずるいですね。そうやって、子どもの逃げ道を塞いでいくんだ……」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 18:14:53.29 ID:FxCdyU720

シンジ「……綾波。隣、いいかな?」

レイ「ええ」

シンジ「もうすぐだね」

レイ「そうね」

シンジ「綾波は……怖くないの?」

レイ「……怖くない」

シンジ「どうして?」

レイ「貴方がいるから」

シンジ「え……?」

レイ「貴方の傍にするだけで私は戦える」

シンジ「どうして……?」

レイ「……貴方が勇者だから」

シンジ「そんなこと……僕は……」

レイ「―――貴方はすごい。使徒を一人で二体も倒したんですもの。だから、私は貴方に頼る」

シンジ「綾波……」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 18:17:27.62 ID:FxCdyU720

レイ「守って」

シンジ「……」

レイ「私を……守って」

シンジ「……うん」

レイ「ありがとう」

シンジ「……」

レイ「そろそろ時間。私、行くから」

シンジ「どこへ?」

レイ「私の居場所……使徒と戦う場所に」

シンジ「綾波……」

レイ「さよなら」

シンジ「……」

シンジ(僕も行かなきゃ……)

シンジ「綾波を守れる場所に」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 18:21:15.88 ID:FxCdyU720

ミサト「シンジくん、準備はいい?」

シンジ「はい」

ミサト「相手が攻撃してきたら?」

シンジ「フィールドを展開する」

ミサト「オッケー。じゃあ、よろしくね」

シンジ「はい」

シンジ「守らなきゃ……」

――――

レイ「………」

ミサト「レイ?」

レイ「いつでも」

ミサト「じゃあ、お願い」

レイ「はい」

ミサト「―――作戦開始」

レイ「―――黄昏よりも暗き存在」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 18:24:21.43 ID:FxCdyU720

レイ「血の流れよりも赤き存在―――」

ミサト(気がつかないでよ……)

―――

シンジ「はぁ……はぁ……いつでも、こい……」

ラミエル「――――」

シンジ「なんだ……?」

―――

レイ「時間の流れに埋もれし偉大なる汝の名において―――」

ミサト「―――まずい!?来る!?」

―――

ラミエル「―――発射」

シンジ「撃ってきた!?―――フィールド、全開!!!」

―――

ミサト「シンジくん!?」

レイ「我ここに闇に誓わん、我らが前に立ち塞がりし――――」

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 18:27:29.61 ID:FxCdyU720

シンジ「あぁあああぁあああああっぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!!!」

ラミエル「―――――」

――――

ミサト「もう少し……!!!」

レイ「全ての愚かなるものに、我と汝が力もて、等しく滅びを与えんことを―――」

ミサト「よし!!」

レイ「ドラグ・スレイブ」

―――

ラミエル「……・!?」

ラミエル「キュエェェェェェンギュキュゥゥゥゥン!!!!!!!」

―――

ミサト「よっしゃぁ!!」

レイ「―――碇君!」

ミサト「あ、レイ!!待ちなさい!!」

レイ「行かなきゃ……!!」

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 18:33:24.94 ID:FxCdyU720

シンジ「あ……がぁ……はぁ……はぁ……」

レイ「碇君!!」

シンジ「はぁ……あ、やなみ……」

レイ「大丈夫……?」

シンジ「……やったの?」

レイ「ええ。碇君のおかげ」

シンジ「流石……」

レイ「碇君がいたから……」

シンジ「―――だって、綾波を死なせたくなかった。さよ、なら……なんて、いうから……守らないとって……」

レイ「碇君……泣いて……」

シンジ「……ご、めん……無事で……よかった……」

レイ「ごめんなさい……こんなとき……どうしたらいいか……」

シンジ「……ほ、ほめて……くれると……うれしい……」

レイ「……碇君、本当にがんばったわ。ありがとう……かっこよかった」

シンジ「……ありがとう……」

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 18:39:29.86 ID:FxCdyU720

―――ネルフ国 王城

ゲンドウ「それで、二人は?」

ミサト「現在、医務室で休ませています」

ゲンドウ「そうか」

冬月「よかったのか?ここに戻して」

ゲンドウ「あの傷では満足に戦えない。完治してからまた旅に出せばいい」

冬月「そうか」

加持「―――失礼しますよ」

マリ「どうもー」

ゲンドウ「来たか」

加持「すません。遅くなりました」

冬月「第十二、十五、十六王国の使徒を殲滅させたようだな」

加持「ええ。なんとか」

マリ「余裕でしたよ?」

ゲンドウ「……これで残るは4体か……」

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 18:43:48.00 ID:FxCdyU720

―――医務室

シンジ「……知らない場所だ」

マリ「……」

シンジ「うわぁ!?だ、だれ!?」

マリ「よっ!少年、話は聞いてるよー?」

シンジ「え……?」

加持「三体も殲滅させたんだってね」

シンジ「あ、あなたたちは……?」

加持「これは失敬。加持というものだ」

マリ「私はマリ」

シンジ「そ、それで……なにか?」

加持「いや、顔を見せておいたほうがいいと思ってね」

シンジ「え……?」

マリ「あたし、これから一緒に付いて行くから。よろしくにゃ?」

シンジ「ついて……いく?」

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 18:48:21.38 ID:FxCdyU720

加持「不満かい?彼女はこれでも立派なファイターだ」

マリ「あちょー!!ってね」

シンジ「いえ……急だったから……」

加持「君がここを出るときにはもう一人加わるはずだ」

シンジ「もう一人……ですか?」

加持「彼女も有能だぞ?気が強いのが玉にきずだが」

マリ「わたしも楽しみだにゃー」

シンジ「……君も、使徒を?」

マリ「うん。君と一緒で、三体倒した」

シンジ「そうなんだ……」

マリ「どうかしたの?」

シンジ「いや……」

加持「綾波レイのことか?」

シンジ「……!?」

加持「君は分かりやすいな。大丈夫、綾波レイも一緒だよ。二人が加わるから彼女が外されることはない」

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 18:53:14.73 ID:FxCdyU720

―――中庭

レイ「……」

シンジ「綾波……」

レイ「あ、碇君」

シンジ「もう歩いても大丈夫なの?」

レイ「ええ」

シンジ「そっか」

レイ「……どうしたの?」

シンジ「いや……その、なんだが久しぶりに会ったきがして……嬉しくて」

レイ「……私も」

シンジ「え……?」

レイ「……碇君にこうして生きて会えて……嬉しい」

シンジ「綾波……それって……」

ゲンドウ「―――レイ」

シンジ「と、父さん……!?」

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 18:55:23.57 ID:FxCdyU720

ゲンドウ「戻るぞ?」

レイ「はい」

シンジ「父さん……」

ゲンドウ「なんだ?」

シンジ「……」

ゲンドウ「用がないなら行くぞ?」

シンジ「……」

ゲンドウ「ではな」

レイ「また」

シンジ「あ、うん……」

シンジ(結局……何も言ってくれないじゃないか……)

シンジ(やっぱり……父さんは僕のことなんて……!!)

シンジ「くそ……!!」

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/27(木) 19:00:22.03 ID:FxCdyU720

―――数日後 ネルフ国

マヤ「大変です!!」

冬月「どうした?」

マヤ「第七王国にいるはずの使徒がこちらに向かって来ています!!」

ゲンドウ「……」

冬月「碇……」

ゲンドウ「分かっている。爺共が欲を出したようだな」

冬月「どうする?」

ゲンドウ「魔王をこのままここへ到達させるわけにはいかん。迎え撃つ」

ミサト「シンジくんとレイは?」

マヤ「医務室に」

ミサト「マリにも準備させておいて」

マヤ「はい」

ゲンドウ「……まだ覚醒には至っていない」

ゲンドウ「ここへ使徒が来るのは早すぎる……」



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