古泉「………さてと、部室の入口の前で腹筋でもしますか」


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1 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[] 投稿日:2011/09/24(土) 12:14:15.51 ID:UqUVAZBD0

キョン「おい、古泉」

古泉「あ、こんにちは・・・ふっ・・・ふっ・・・!」

長門「・・・・」

キョン「ちょっと、どけ」

古泉「どうしてですか? ふっ・・・ふっ・・・爽やかな青春の汗は、今しか流せないんですよ・・・ふっ・・・ふっ・・・」

長門「・・・部室に入れない」

古泉「いえいえ、僕をまたげば入れますよ? その過程でパンツを覗いてしまったって不可抗力・・・ふっ・・・ふっ・・・青春の汗を流す爽やかな僕に・・・ふっ・・・やましいところなど・・・ふっ・・・ありません・・・はぁっ・・・はぁっ・・・」

キョン「あ、ブルマー」

古泉「どこですか?!」

バキィ!

キョン「そこに直れ」

古泉「殴ることないじゃないですか! 理由もなしにひどいじゃありませんか、第一あなたは・・・」

キョン「わかったな?」ギロォ

古泉「はい」

***

キョン「言い分があるなら聞くぞ」

古泉「青春の爽やかな汗を・・・すみません、正直に言います」

キョン「ああ」

古泉「その前に長門さん、席をはずしてもらえますか?」

長門「・・・・」

キョン「せめてもの情けだ、長門。気分は良くないだろうが、頼む」

長門「そう」

スタスタ

バタン

キョン「さて、吐いてもらうぞ」

古泉「ええ。・・・僕は、機関でも少々特殊な位置に居まして」

キョン「ほう?」

古泉「いまや涼宮さんの精神に関して僕以上に詳しい人間は居ないでしょう」

キョン「確かに、一番接している人間でもあるからな」

2 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[] 投稿日:2011/09/24(土) 12:16:22.33 ID:UqUVAZBD0

キョン「それが、どう関係あるんだ?」

古泉「ですから、機関の監視任務は僕に優先的に回されるんです・・・たとえそれがどんなものでも」

キョン「・・・・」

古泉「たとえば、涼宮さんの自宅の監視だとしても」

バキィ!

古泉「ぶへぇっ!」

古泉「どうして・・・・」

キョン「なんとなくだ。で、それがどうした?」

古泉「それが・・・なんだかその任務に就いている間、どうにも変な気持ちになってしまって・・・」ポッ

キョン「頬を染めるな! 変な気持ちってのは・・・」

古泉「ええ、なんていうか・・・性器の辺りがむずむずするような」

バキィ!

古泉「ぶっ! また・・・どうして!」

キョン「気色悪いことを言うからだ! 今日のお前は完全にどうかしてるぞ!」

***

キョン(こいつ・・・ウブなんてもんじゃないぞ。機関じゃ性教育はやってないのか?!)

古泉「どうしてかはわかりませんけど、それが恥ずかしいことに思えて」

キョン「覗きたいが、堂々とするようなこともできないから・・・」

古泉「そうです、腹筋に見せかけ不埒な真似を・・・」

ガラッ

長門「話は壁越しにまるっと聞いていた」

キョン「?!」

長門「古泉一樹には速やかに教育を施さねばいけない」

古泉「・・・・うわあぁぁぁぁぁああああっ!!!」バタバタ

長門「絶叫、原因不明・・・彼の肉体に損傷は無い」

キョン「心が痛いんだよ・・・そうだよな。結構扉からでも音漏れるもんな、聞こえるよな」

長門「とにかく、社会人の準備期間であるところの高校生としてこの性的知識の貧しさは日常生活に後々支障をきたす」

キョン「っていうか、既にきたしてるよな。これで見つけたのがハルヒだったら打ち首獄門コースまっしぐらってとこだ」

3 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[] 投稿日:2011/09/24(土) 12:17:17.00 ID:UqUVAZBD0

長門「だから、先ずはこれ」

スッ

キョン「エロ本か・・・」

古泉「・・・・」ソワソワ

キョン「見たいなら見ても良いぞ」

古泉「えっ!? いえ、いえいえいえいえ! そんな、滅相も無い!」

長門「まだ駄目」

古泉「そんな・・・・」ズーン

キョン「やってもいいだろ」

長門「まだ駄目、私に考えがある。段階的に性教育を開始する」

キョン「ふむ」

長門「まず、プランT〜河原でエロ本を見つけたあの日〜」

***

〜河原〜

長門「・・・」

バサッ

長門「・・・・・」

古泉「まだ出ちゃ駄目ですか? 見たいんですけど」

キョン「バレたからって開き直るな。長門の合図があるまで待機・・・・っと」

長門「・・・・」ブンブン

キョン「よし、行って良いらしい」

古泉「おおおおおっ!!! 待っていてくださーい、まだ見ぬ妖精よっ!!」

ダダダダダダダ

キョン「どんなテンションだよ・・・・」

***

スタスタ

長門「・・・・」

キョン「よう。で、どういう算段なんだ?」

長門「見ていればわかる」

キョン「そうか・・・・?! あれは・・・」

キャイキャイ

キョン「帰宅途中の女子高生・・・・だと?! 長門・・・お前ってやつは、まさか・・・!」

***

古泉「フ・・・あと少し・・・」

キャイキャイ

古泉「あれは・・・くっ! これではエロ本を見ることが出来ないじゃあありませんか!」

古泉「読んでいるところを見られてしまったら、とんだ赤っ恥になってしまいます!」

4 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[] 投稿日:2011/09/24(土) 12:17:43.57 ID:UqUVAZBD0

古泉「しかし、一刻も早く読みたいというのに・・・」

キャイキャイ

古泉「座ってダベり・・・なんて事ですか!」

***

キョン「女子高生が座りこんだ、か」

長門「ああなったら、数十分くらいは動かない」

キョン「計算のうちってわけか?」

長門「どうとってもいい。重要なことは、彼が自力で解答に辿り着くこと」

キョン「なんだか懐かしい気持ちになるな・・・」

長門「性教育は、思い出と共にあらねばならない。将来恥ずかしい思い出話で話のひとつも盛り上げることが出来ない人間が、どうして器用に立ち回れるというのか」

キョン「なんて深い考えだ・・・長門。お前、随分人間らしくなってきたじゃないか・・・いや、俺以上かもな」

長門「照れる」

キョン「マイスターと呼ぼう」

長門「照れる」

***

キャイキャイ

古泉「読めない、読みたいのに、読めない・・・あああっ」

古泉「読みたい、読みたい・・・読みたい?」

古泉「エロ本とは、読むものだったのでしょうか」

古泉「僕が機関の施設で彼女を監視して、なにやら妙な気分になったとき・・・」

***

ハルヒ『・・・・』

古泉「・・・ふふ、いけませんよ涼宮さん。一糸纏わぬまま鏡の前で無防備にポーズをとったりして」

古泉「はぁ・・・はぁ・・・見ているとなんだか・・・」

ハルヒ『・・・・』フニフニ

ハルヒ『おっきくなってない、わね』

ムクムク

古泉「いいえ、僕はおっきくなってますよ」

5 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[] 投稿日:2011/09/24(土) 12:18:49.17 ID:UqUVAZBD0

古泉(そうです、裸体とは読むものではない、見るもの!)

古泉(顔を近づけ凝視せずとも、方法はいくらでもある!)

古泉(・・・・ならば!)

キャイキャイ

古泉「・・・・・」

古泉(行け、黄金の左!)

スー・・・ツンツン

ペラリ

古泉「・・・・」チラチラ

キャイキャイ

古泉「・・・・ふふ」ジーッ

***

長門「成功」グッ

キョン「おお、懐かしい。足で開いてからのチラ見とは・・・深夜営業のエロ本自販機の前のエロ本で同じ事をしたなぁ・・・」

キャハハハ・・・

長門「女子高生に気づかれて笑われているも、それにまったく気づいていないあたりもポイントが高い」

キョン「・・・熱中しすぎだろ」

***

古泉「ふふ・・ふふふ・・・ふふふふ・・・・ふふ・・・」

トントン

古泉「うわぁっ!」ビクッ

長門「もう七時」

古泉「あ・・・もうそんな時間ですか」

キョン「女子高生も帰っちまったぞ」

6 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[] 投稿日:2011/09/24(土) 12:19:15.70 ID:UqUVAZBD0

古泉「いやあ、実に素晴らしい放課後でした」

キョン「そうかい、お前そんな奴だったか?」

古泉「きっと、そうだったんでしょう。・・・この本は持ち帰ってかまいませんね?」

長門「かまわない」

古泉「そうですか、では失礼して・・・」

パサッ

キョン「いいや、没収だね」

古泉「はい?」

キョン「まだダメだ」

古泉「な・・・」

キョン「な?」

古泉「なんなんですかもう! いいじゃないですか! 今日は森さんが任務で居ないんですよ! 一人で存分に見れる貴重な日なんですよ!!」

古泉「わかってるんですか、それを奪う権利があなたにあるんですか?!」

キョン「(こいつ何なんだよ・・・)まぁ待て。まだ踏まなければならない段階がある・・・長門にはわからんだろうがな」

***

古泉「エロ本より良いものなんてありませんよ! いいから、返してください!!」

キョン「それが、あるんだよ。深夜、コンビニの成年コーナーに行ってみろ」

古泉「成年コーナー・・・/// そんなの、無理に決まってるでしょう! 僕たちまだ16歳なんですから」

キョン「そうだな。成年コーナーというものは、まぁなれないうちは気恥ずかしいものだし、居心地も悪いだろう」

長門「そう、彼にはまだ早い」

キョン「だがな、成年コーナーには抜け道がある・・・お前、漫画は読むか?」

古泉「いえ・・・」

キョン「だろうと、しょうがないな。今からすぐに長門の家の近くのコンビニに行け」

古泉「ど、どういうことですか?」

キョン「さっきだって悪いようにはならなかったろう? 行けばわかる、黙って行ってみろ」

古泉「はぁ・・・」

キョン「ヤングアニマルを立ち読みしろ、いいな?」

7 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[] 投稿日:2011/09/24(土) 12:19:42.14 ID:UqUVAZBD0

テレテレテレー、テレテレテー

イラッシャイマセー

古泉「ふう、来たは良いんですけれど・・・本当に僕の求めるものがここにあるんでしょうか」

古泉「ヤングアニマル・・・ヤングアニマル、っと」

古泉「表紙は普通のグラビアですね」

ペラペラ

古泉「これは・・・?!」

古泉「く・・・なんてけしからん本でしょう! ユリア・・・・百式?」

ペラペラペラペラ

古泉「・・・・」

ペラペラペラペラ

古泉「・・・・」

***

古泉(確かに彼が薦めるのも納得のけしからなさ、しかし彼の言った成年コーナーの抜け道とは一体・・・・)

ドンッ

客「すいません」

古泉「す、すみません」

ガヤガヤ

古泉(やけに混んでいますね、ガラの悪い人もいます・・・?! こ、これは・・・!)

古泉(い、いつの間に・・・・)

古泉(成年誌コーナーが正面に?!)

古泉(足元にはさっきと同じヤングアニマル・・・どういうからくりですか?!)

古泉(それにしても・・・成年誌の表紙というものは、胡散臭いところもまた非常に良い!)

古泉(・・・・ふふ、なんたる奇跡でしょう、これは)

古泉(一見まともながらけしからんヤングアニマルを読みながら、成年コーナーもチラ見できる!)

古泉「ふふふ・・・・」

客「!」ビクッ

8 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[] 投稿日:2011/09/24(土) 12:20:39.32 ID:UqUVAZBD0

古泉「ということが、あったんです! いやあ、あなたに薦められたヤングアニマル以外にも計算外の楽しみがありましてね」

古泉「表紙絵だけしか見ることはできませんでしたが、それでも桃源郷でしたよ!」

キョン「それも含めての、俺の指示だよ」

古泉「何ですって?!」

キョン「特定の雑誌類は、店ごとに存在する雑誌の配置パターンによっておかれる場所が異なる」

キョン「成年雑誌っていうものはたいていそのコーナーの下のほうの棚が良く空きがちになる。入荷数と種類の絶対数の少なさのせいだな」

古泉「・・・・」

キョン「ゆえに、購読層の年齢が高い雑誌や、卑猥な表現が多かったり、教育上よくない雑誌はそのスペースに収まることが多い」

キョン「あの店舗におけるヤングアニマルもその類のものだ。しかもファミリーマートはノンアルコール飲料の未成年への販売を自重したりと何かと気を使う店でな」

キョン「その影響を受けたあそこの店長はヤングアニマルクラスのけしからなさの雑誌でも、必ず成年コーナーに置いてるんだ」

***

古泉「つまり、僕がヤングアニマルを読もうと思って成年コーナーの前に立っていたとしても」

キョン「ああ。お前は悪くない、漫画を読みたかっただけだからな・・・結果、普段恥ずかしくて見れない成年コーナーの雑誌を凝視できたところで・・・」

古泉「偶然の結果でしか、無い・・・!」

キョン「そうとも」

古泉「僕は今、いつにもましてあなたという人間を尊敬していますよ」

キョン「よせ、気持ち悪い。なんならパチスロ雑誌とかもそのあたりに置かれることが多いから使えるが、俺もお前もそういう興味は薄そうだからな」

古泉「仰る通りです」

キョン「ところで、長考ももういいだろう? もう詰んだ様なもんだぜ」

古泉「ええ、降伏しましょう・・・サレンダーとも言いますが」

バタッ

長門「・・・・・」

キョン「よう」

古泉「こんにちは」

長門「・・・そう。昨日はどうだった?」

古泉「最高でしたよ!」

9 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[] 投稿日:2011/09/24(土) 12:22:50.43 ID:UqUVAZBD0

長門「・・・そう。じゃあ、プランWに進む」

キョン「お、随分飛んだな」

長門「古泉一樹の状態から算出された次に実行すべきプラン。あなたのプランにより手順が省略された、素晴らしい成果」

キョン「ああ、男にしかわからないようなモンもあるからな」

長門「今回は山になる」

古泉「山?」

キョン「と、言うことはやはり・・・」

長門「エロ本の回し読み」

キョン「やっぱりな」

古泉「はぁ・・・そんなことが山になるっていうんですか?」

キョン「わかってないなぁ、お前は」

長門「一人一冊ずつエロ本を選んで買って回し読むこととする」

***

キョン「おいおい、俺たちはともかく古泉が購入するのはハードルが高いだろう?」

長門「買うというより、私が転送する」

ブゥン・・・

キョン「うぉっ?!」

長門「今作成した、エロ本名鑑。これに丸をつけると自動でその本が出現する」

古泉「なんとも便利な・・・」

長門「一人一部ずつ、自分の心にウソをつかず、自分の思う最高のエロ本を厳選すること」

キョン「了解、じゃあ俺は・・・これだ!」

長門「私はこれ」

古泉「早いですね・・・」

キョン「自分の中でだいたい決まってるもんさ、お前は時間をかけて選ぶといい」

古泉「ですが、僕の性知識ではちゃんと良いものを選べませんよ・・」

キョン「性知識以前の問題として、魅力を覚える女性や服装のタイプがあるだろう? そういう好みで選ぶといい」

10 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[] 投稿日:2011/09/24(土) 12:23:26.45 ID:UqUVAZBD0

古泉(ふむ、他人に見せて恥ずかしくないエロ本というものは・・・やはりこういうものでしょうか)

古泉(普通に美人な女性が制服姿で写っている表紙ですね)

古泉(学び舎の中ですごす僕たちにとってある種神聖な制服、それを汚す行い!)

古泉(これはポイントが高いでしょう!)

古泉「決めました!」

キョン「そうか・・・じゃあ、俺から見せよう」

バサッ

古泉「これは・・・使用済み下着が付録についている?!」

長門「なんとも意外。使用済みなどという嘘っぱちの文句に踊らされるタイプには見えない」

キョン「ああ。俺もそれを本当だとおもっちゃいないさ。だが、その嘘は単なる嘘か?」

長門「それは・・・」

キョン「嘘と夢に違いなんて無い。可能性を信じてそれに興奮したら、それがすべてだろう?」

***

パチパチパチ・・・

長門「・・・・よく思いが伝わる素晴らしい主張だった」

古泉「ええ、まったく」

キョン「照れるな、これは・・・」

長門「じゃあ次は私」

キョン「長門のエロ本か、想像もつかないな」

古泉「案外ホモセクシャルなんてのも、あるんじゃないですか?」

バサッ

キョン「これは・・・強姦もの?!」

古泉「ニッチな・・・こんな本もあるんですか?! しかし、とても女性向けとは思えない」

長門「そう、確かにこのようなことが現実として自身に降りかかることを私という個体は望んでいない」

長門「だけれど、エロ本とは所詮創作物でしかない」

11 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[] 投稿日:2011/09/24(土) 12:23:54.12 ID:UqUVAZBD0

長門「ゆえに本来受け入れられないことだって、想像上のものとして興奮の材料にだってできる可能性がある」

長門「だから私はこういった本を愛読している」

古泉「・・・・・」

パチパチパチパチ・・・

キョン「なるほどな、確かにエロ本の中でまで現実に囚われる必要は無い」

古泉「非現実を現実と信じようとするあなたに、あくまで非現実としての可能性を追求する長門さん」

古泉「どちらも非常に興味深い考え方です」

キョン「はは、次はお前だぜ」

古泉「ええ、謹んで大トリを飾らせていただきましょう」

バサッ

古泉「僕のはこれです」

長門「オーソドックスな制服もの」

***

古泉「オーソドックスとは、世の中でいつだって愛されるということの言い換えです」

古泉「素晴らしいエロ本とはこういうものの事を言うのでしょう」

古泉「見てください、この女優の顔を・・・・やはり美人こそが」

キョン「待て」

古泉「どうしました?」

長門「・・・・それは、あなたが本当に紹介したかった本?」

古泉「そうですよ、薦めるならどれが良いかって・・・」

キョン「ダメだ。自分の心の嘘をつかない、それが約束だったろ」

古泉「僕は心からこの本を・・・」

キョン「当たり障りの無い本を選べば楽だろうが、それじゃあ今回の集まりの意味が無いんだ」

古泉「・・・・・」

長門「あなたは本心では・・・・」

12 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[] 投稿日:2011/09/24(土) 12:24:19.48 ID:UqUVAZBD0

古泉「良いじゃないですか制服で」

キョン「古泉・・・・」

古泉「だれも幸せになれませんよ、他人の本当のフェチなんて知ってもいやな気分になるだけです」

ガタッ

古泉「失礼します」

キョン「古泉!」

タタタタタタ・・・

キョン「・・・やっちまったか」

長門「あなたのせいではない、私のせい」

キョン「いや。・・・だけど、まだ早かったみたいだな」

長門「この行程は必須だった。マニアックな趣味を明るく話題にできるような人間になれないと、性教育の意味は無い」

キョン「っふぅ、なんだか子育ての苦労がわかるような気がするな。まったく、あいつ扉も閉めずに・・・?」

長門「?」

キョン「ドアのそばにシャーペン・・・・ハルヒのじゃないか、これ」

***

キョン(その後、俺たちは何事もなく帰った。困難が忍び寄っていることにも気づかずに・・・)

13 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[] 投稿日:2011/09/24(土) 12:24:48.24 ID:UqUVAZBD0

ドサッ

キョン「う、うう・・・ん・・・」

キョン妹「キョン君、朝ですよー! おきておきてーっ!」

キョン「ああ・・・ん? お前、その格好は」

キョン妹「えへへぇ、キョンくぅーん」

クパァ・・・・

キョン妹「おまんこくぱぁー」

キョン「・・・・・」

キョン「・・・・」キュウ

***

長門「・・・・」

古泉「こんな朝早くから、どうしました?」

長門「マイスター・キョンが倒れた、涼宮ハルヒの仕業」

古泉「?!」

長門「涼宮ハルヒの力の影響を受けていないと思われる人間を割り出し、集めた」

古泉「僕と、長門さんだけ・・・と」

長門「彼もまたそう。しかし、妹の痴態を目撃して再起不能になった」

古泉「彼ほどの男性が・・・?!」

長門「彼には妹属性が無い」

古泉「実妹が存在するが故のジレンマ・・・というわけですね」

長門「それを背徳感として肯定する人間も居る・・・が、彼はそうではない」

***

長門「世界すべての人類の情緒のバランスが崩れている。通常の状態ならば卑猥と嫌悪すべき対象すら快としている」

古泉「なるほど・・・」

長門「しかし行動を変化させるわけにはいかない、通常通り登校する」

古泉「ええ、それがいいでしょうね。涼宮さんに気取られて何かしらの影響を及ぼしかねない危険を冒すよりは、現状維持がいいでしょう」

長門「そう。ちなみに生徒は全員が全裸で登校している」

古泉「なんですって!? やりましたね!」

長門「・・・・・あなたは、それでいい?」

古泉「え・・・? 裸が見れるんですよ?」

長門「そう」

14 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[] 投稿日:2011/09/24(土) 12:27:58.46 ID:UqUVAZBD0

長門「・・・・・」

教師「うおおおおっ!! 良いぞ、いいぞっ!!!」

パンッパンッ

女生徒「あひゅうううっ!!!」

長門「・・・・・」

***

教師「では古泉、俺の逸物を握れ」

古泉「はい」

シュッシュッ

古泉「・・・・」

教師「ああ・・・っ!」

古泉(長門さんの言葉・・・気になります)

教師「いいぞ・・・いいぞっ!」

古泉(僕のものはちっとも大きくなっていません)

古泉(それは、男性教師に手コキを強要されているから? ・・・いいえ、最近エロ本を読むようになってわかってきたことですが、僕にはホモっ気があるようですから問題にはなりません)

古泉(そもそも沢山の女性・・・しかも才女ぞろいのこの組で裸体を拝めるなんて、最高の環境です。大きくならないはずが、ない・・・)

古泉「・・・これが、本当に僕の求めたエロスなんでしょうか」

教師「あああっ!!」ビュクビュク

***

古泉「・・・・・はぁ。やっと中休みですね」

フッ

古泉「屋上に、あれは・・・長門さん?」

15 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[] 投稿日:2011/09/24(土) 12:29:03.33 ID:UqUVAZBD0

長門「・・・・」

みくる「あああっあっあっ」プシャア

鶴屋「あっ、みくるっ!! みくるっ!!!」プシップシャア

ガチャ・・・

古泉「これは・・・?!」

長門「・・・・」

鶴屋「あああっ!!!」ビクンビクン

長門「これは、あなたの姿」

古泉「え?」

みくる「ああんっ! 鶴屋さん、鶴屋さんっ!!」

長門「朝比奈みくる、彼女はレズ・・・しかし涼宮ハルヒの力の影響下には無い」

古泉「は、はい? だって今現に貝合わせを・・・」

長門「彼女は想い人が正常な自己を失ったのをいいことに、屋上に呼び出して交わりをしようとたくらんで・・・・そうしているだけ」

古泉「・・・・・」

古泉(これは、美しくない)

古泉(そんな棚から牡丹餅みたいな幸運でエロが手に入っても・・それは真に素晴らしいエロスなんでしょうか?)

みくる「あああっ! あっ、あっ」プシャア

古泉(この先エロ本を買うなら、正々堂々と書店で買いたいという気持ちが僕にはあります。そうしたらきっと達成感により手にしたエロスもよりすばらしく思える)

古泉(・・・もしかして昨日のあれも・・・?)

古泉「・・・・涼宮さんのところへ行きましょう」

長門「理解した?」

古泉「ええ。彼女にはエロスへの覚悟が無い、だだをこねて欲しがっているだけの子供と同じです。そしてそれは僕にも無かった」

長門「・・・帰ったらプランX〜女子店員の恥じらい〜に進む、覚悟していて」

古泉「望むところです!」

16 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[] 投稿日:2011/09/24(土) 12:29:57.21 ID:UqUVAZBD0

岡部「おおっ! ハンドボォール! 良い締りだぞハンドボォール!!」ズバンッ!ズバンッ!

ハルヒ「・・・・」

ガラガラ

古泉「・・・・」

スタスタ・・・

長門「彼女は意識を失っている。変化した世界から自分を守るために、心を閉ざした」

古泉「そのようですね」

長門「実は彼女は・・・スカトロフェチ。それを肯定しきれない自分とのギャップに悩んでいた」

***

古泉『だれも幸せになれませんよ、他人の本当のフェチなんて知ってもいやな気分になるだけです』

***

古泉「そこに昨日の僕の言葉があったわけですね」

長門「そう、この間の私と同じように壁越しに聞こえていた」

長門「あの言葉は確かに正しい部分もある。けれどあなたは自分をさらけ出してゆかねばならない。そうしなければ、一人だけのフェチなんて空しいだけ」

古泉「そうですね。エロを通じて心が通じ合うことをあなたと彼に教えられたというのに・・・僕は滑稽です。友人となら受け入れられないフェチでも笑いのタネにして、お互いをわかりあえるのに」

長門「今回の事件はあなたが中心、あなたの言葉ですべてが終わる」

古泉「・・・そろそろ白状しますよ。涼宮さん、僕の本当のフェチは・・・」

***

キュイイイイ・・・

17 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[] 投稿日:2011/09/24(土) 12:30:48.44 ID:UqUVAZBD0

長門「・・・・」

ペラ・・・ペラ・・・

キョン「・・・・」

ペラリ

古泉「こんにちは。おや、今日は百合同人誌特集でしょうか」

キョン「そうだ、俺の持ち込みでな」

古泉「それは素晴らしい」

長門「読み終わったらプランXを行う」

古泉「う・・・店頭でエロ本を買うんですよね」

長門「そう、がんばって」

古泉「努力はしますよ」

バサリ

古泉「さて、読みますか!」

ペラ・・ペラ・・・

長門「・・・・・それは?」

古泉「『怪傑熟女』・・・僕の最高のエロ本ですよ」

キョン「それはまた・・・・何ともマニアックだな。一昨日の当たり障りの無いのとは一転して」

古泉「いいじゃないですか、一緒に読みましょう!」

キョン「いや、俺は・・・」

古泉「ねえ、読みましょう!」キラキラキラ・・・

キョン「・・・・そうだな、新しいジャンルもいいかもしれない」

古泉「ほらほら!」

キョン「あんまり顔を近づけるな」

古泉「このページのこの女優が素晴らしいんですよ!」

キョン「ふむ・・・」

長門「・・・・」

クルッ

長門「おしまい」

18 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[] 投稿日:2011/09/24(土) 12:31:14.55 ID:UqUVAZBD0

終わり



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