ドラえもん「今日は早起きだね」


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7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 02:38:49.24 ID:fVYNfelgO

立った…まあのんびり書く


ドラえもん「何かあるの? のび太君」

のび太「ふふふ」

ドラえもん「気持ち悪いなあ」

のび太「今日、出木杉君がかわいい女の子に会わせてくれるんだって!」

ドラえもん「また君は……。でも出木杉君がそんなこと言ったの?」

のび太「言ったよ。よし、準備出来た。行ってきまーす」

ドラえもん「行ってらっしゃい……」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/25(月) 02:43:33.71 ID:fVYNfelgO

【学校】

ジャイアン「出木杉、ほんとにほんとなのか?」

出木杉「本当だよ、凄く綺麗なんだから」

しずか「でも、どこに向かってるの?」

のび太「こんなところ、ぼく初めて来た」

出木杉「まあ待ってよ。こっちだよ」

しずか「……資料室って書いてあるわ」

出木杉「うん。ちょっと待って、鍵は借りてあるから」

ガラガラ……

スネ夫「うわあ……暗いしほこりっぽい……」

ジャイアン「こんなとこに女の子なんていねーだろぉ」

のび太「僕もそう思う」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/25(月) 02:48:17.85 ID:fVYNfelgO

出木杉「こっちの方にいるから来て」

しずか「あっ……これって、日本人形じゃない?」

出木杉「そうだよ。何の資料か分からないけど、この間たまたま見付けたんだ。着物とか、すごく綺麗だよね」

しずか「ほんと、かわいいわ」

ジャイアン「なーんだ、人形かよ」

スネ夫「綺麗だけど、人形じゃねえ……一緒に遊べないものね」

のび太「……」


先生「こらこら! 君たち何やってるんだ、用事がないなら早く帰りなさい!」


のび太「わ、先生だ!」

出木杉「すみません、すぐ帰ります」

しずか「あのう、先生」

先生「ん? なんだね、源君」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/25(月) 02:52:39.91 ID:fVYNfelgO

しずか「あの人形、使ってないんですか?」

先生「え? んん……あんな人形あったかな……まあ使ってないものだね」

しずか「貰えませんか? 気に入っちゃったんです」

ジャイアン「ええ! あんな古くさい人形……」

スネ夫「シーッ!」

先生「いや、いかんいかん。一応学校のものだからな、さあ帰りなさい。野比は早く帰って宿題をするんだぞ」

のび太「はぁい、なんで僕だけ……」

出木杉「さよなら、先生」

ガラガラ ピシャン



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/25(月) 02:58:57.49 ID:fVYNfelgO

書き溜めてないよ。すまない

【帰り道】

のび太「人形、残念だねしずかちゃん」

しずか「仕方ないわよ、学校のものなら」

スネ夫「で、でもしずかちゃんが欲しいならさ、ドラえもんに頼めば何とかしてくれるんじゃないかな」

ジャイアン「おう! そーだな、例えば、学校にこっそり忍び込んで……」

しずか「ダメよそんなの」

ジャイアン「大丈夫だって、夜なら分からないって!」

のび太、スネ夫「夜ぅ!?」

ジャイアン「ついでに度胸だめしもできるじゃーん」

出木杉「でも……」

ジャイアン「なんだよお前ら、怖いのか。情けねえなー!」


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/25(月) 03:02:38.07 ID:fVYNfelgO

のび太「こ……ここ怖くなんかないよ!」

スネ夫「そ、そうだよ!」

しずか「ちょっとぉ、みんな……」

ジャイアン「それじゃ今日は夜に学校に忍び込んでやろーぜ!」

全員「……」

ジャイアン「おいのび太! お前ちゃんとドラえもんに言っとけよな!」


【野比家】

のび太「…………ただいまぁ…………」

ドラえもん「暗い! 近寄らないで!」

のび太「なんてこと言うんだよドラえも〜ん…………」

ドラえもん「だって目が死んでるんだもん。どうしたの、今朝は元気だったじゃない」

のび太「……」

ドラえもん「またいじめられたの?」

のび太「……実は……」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/25(月) 03:06:49.41 ID:fVYNfelgO

‐数分後‐

ドラえもん「だめーーーーーー!!」

のび太「ちょ、ちょっと」

ドラえもん「なに考えてるんだ! いくらジャイアンに言われたからって……ぼく手伝わないからね!」

のび太「そ、そんなあー! 頼むよぉ! ドラえもん連れて行かないとジャイアンにごろ゛ざれ゛る゛ぅぅぅぅぅぅぅ!!」

ドラえもん「泣いてもダメッ!」

のび太「う……ううう、せっかく……スネ夫が、ぎゅうひ入りの美味しいどら焼き持ってきてくれるのに……」

ドラえもん(ぴくっ)

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/25(月) 03:11:02.20 ID:fVYNfelgO

エロはないよ。


のび太「しずかちゃんも、ドラえもんがいるなら安心だって……」

ドラえもん「……。もう……分かった分かった、言っとくけど、一回だけだからね」

のび太「! ありがとう! ドラえもんありがとう!」

ドラえもん「はあ……」

たま子「ご飯よー」

のび太「はーい。……ドラえもん、10時に学校に行く約束だからそれまでゆっくりしよう」

ドラえもん「ゆっくりって、のんきなんだから……」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 03:15:49.08 ID:fVYNfelgO

‐夜9時55分‐

【学校】

しずか「あ、ドラちゃん!」

ジャイアン「お、ちゃんと来たなのび太」

のび太「当たり前だよ! 怖くなんかないんだから」

ドラえもん「怖がってたくせに」

スネ夫「出木杉君は無理だってさ」

ジャイアン「まあいいじゃんか、そんじゃ行こうぜー。ドラえもん」

ドラえもん「はあ、気が進まないなあ……」

ジャイアン「つべこべ言ってねえで早くしろよ!」


ドラえもん「どこでもドアー!」
チャラララーン


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 03:19:57.47 ID:fVYNfelgO

【資料室】

ジャイアン「こうアッサリ入れるとつまんねーなあ」

ドラえもん「だったらボクを呼ばないでよ……ねずみいないよねココ」

スネ夫「あ、人形があったよしずかちゃん」

人形(スネ夫の懐中電灯に照らされている)

しずか「かわいいわねー……どうしてこんな所に入れられてるのかしら」

のび太「そりゃあ使わないから……じゃないの?」

ドラえもん「……」

ジャイアン「ま、いいじゃんか、しずかちゃん持って帰るんだろ?」

ドラえもん「……」

しずか「……持って帰りたいけど、やっぱり泥棒みたいだし……」

ドラえもん「……」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 03:24:07.30 ID:fVYNfelgO

スネ夫「だけど、ここに置いてるだけじゃかわいそうだよ?」

ドラえもん「……」

のび太「そうだ。泥棒がいやなら明日皆で先生に頼んでみようよ」

ドラえもん「……」

しずか「そうよね。やっぱりそれがいいわ」

ドラえもん「ダメだよ、しずかちゃん」

しずか「え?」

ジャイアン「なんだよドラえもん、ケチケチすんなよ」

スネ夫「そうだよ、使わないなら先生も頼めばくれるかも……」

ドラえもん「いいから、貰うのはダメ。今見られたからもういいでしょ、もうここにも来ちゃダメッ」

のび太「え〜、なんで?」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 03:28:54.22 ID:fVYNfelgO

ドラえもん「なんでって、それはその……。とにかく帰ろうよ、明日みんな学校なんだし」

ジャイアン「なーんかはっきりしねーなあ」

しずか「たけしさん、ドラちゃんの言うとおり帰りましょうよ。お人形さんには、きっとまた会えるかもしれないわ」

スネ夫「そうだね。資料室なら時々先生に頼まれて行くこともあるからね」

のび太「じゃあ、帰ろうか? ドラえもん」

ドラえもん「帰ろう帰ろう! どこでもドアで早く帰ろう」

ガチャ、 バタン。

のび太(へんなドラえもんだなぁ……)

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/25(月) 03:35:14.50 ID:fVYNfelgO

たぬきの霊かわいいなぁ。
場面転換多くてすみません

‐数分後‐

【のび太の部屋】

のび太「あ、ドラえもん。これスネ夫がくれたどら焼き、僕のはないけど」

ドラえもん「ありがとう……」

のび太「ねえ、ドラえもんなんか元気なくない?」

ドラえもん「そんな事ないよ。それより宿題は?」

のび太「……。ドラえもぉ〜ん、コンピュータペンシル貸」

ドラえもん「ぼく寝る、おやすみ」

のび太「あーんなんで晩御飯のあとにしなかったんだろー!」

ドラえもん(もう、情けないなあ)
ドラえもん(寝よう……)

ドラえもん「ZZZ……」

のび太「ほんとに寝てる……」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 03:46:40.87 ID:fVYNfelgO

再開します

‐夜中‐

……ン
…………リリン

のび太「……ん〜……」

ジリリリリン
ジリリリリン

たま子「やあねえもう……こんな時間に電話……?」

パパ「ほっときなさい」

ジリリリリン
ジリリリリン

のび太「もぉーうるさいなあ……」

ジリリリリン
ジリリリリン

のび太「ママたち寝てるのかなぁ……仕方ないや……僕が行こう……」


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 03:50:42.60 ID:fVYNfelgO

ガチャ

のび太「はぃぃ……だれぇ?」

ジャイアン『の、の、のび太か!』

のび太「ジャイアンじゃない……どうしたの?」

ドラえもん「のび太君どうしたの?」

ジャイアン『来てくれよ! き……うわああああああああっ!!』

のび太「……っ!」
キィーン……

のび太「ちょ……ちょっとジャイアン?」

ツー、ツー、ツー

ドラえもん「いま3時だよ? こんな時間に……誰?」

のび太「ジャイアン……」

ドラえもん「なんて?」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 03:52:50.30 ID:fVYNfelgO

のび太「分かんない。来てって言ってたけど切れちゃった」

ドラえもん「……」

のび太「まあいいか……寝よう? ドラえもん」

ドラえもん「う……うん」

ドラえもん(……何かあったのかなぁ?)

のび太「ん〜、むにゃむにゃ……」

ドラえもん「すぐ眠れる君が羨ましいよ……」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 03:56:52.18 ID:fVYNfelgO

ありがとう。つまんないけど、のんびりいきます


‐朝‐

【学校】

出木杉「野比君おはよう」

のび太「あっ、出木杉君。おはよう」

出木杉「……昨日、夜にほんとに行ったの?」

のび太「うん。でもちょっと見ただけだよ、ドラえもんに叱られて」

出木杉「あはは、そうだよね」

のび太「あんまり眠れなかったから……今日も、こんな早くに登校したんだけど……」

出木杉「そ、そう」
出木杉(早くないよ、普通だよ……)

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 04:01:22.67 ID:fVYNfelgO

ゴウダってどんな字だっけ?間違ってたらすまない


先生「なんだ。源に、骨川に剛田は休みか」

のび太(え? 三人とも休み?)

のび太(あ……昨日の夜、少し寒かったもんなあ……風邪かな?)

出木杉(変だなぁ……。たけし君もか、風邪……?)

のび太「今日は……早く帰ろう。みんないないとつまんないや……」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 04:05:03.15 ID:fVYNfelgO

【野比家】

のび太「ただいまー。あれ、ドラえもんいないのか……とりあえず窓でも開けてと」

ガラガラ

のび太「四次元ポケット干してるよ。たまには干さなきゃダメなのかな」

のび太「……横になろう」

ごろん

のび太「はぁ……退屈だなぁ」

のび太「そういえば……ジャイアンの電話、夢かなぁ?」

ジリリリリン
ジリリリリン

のび太「! びっくりしたー、電話か、はーい」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 04:09:25.08 ID:fVYNfelgO

のび太「もしもし」

出木杉『あ、のび太君、ぼく出木杉だけど』

のび太「出木杉君? どうしたの?」

出木杉『今ね、しずかちゃんの家やスネ夫君の家に行ってみたんだけど、朝からいないみたいなんだ』

のび太「ええ? いないって……」

出木杉『夜はちゃんといて、おやすみって言い合ってたんだけど、朝起きたらいなくて……警察にも行ったんだって』

のび太「……で、でもなんで? なんでそんなことに?」

出木杉『分からないけど、これからたけし君の所に行ってみるね』

のび太「う、うん」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/25(月) 04:13:11.51 ID:fVYNfelgO

のび太「……何だろう、ドラえもんに聞いてみようかな……」


のび太「あれ、ドラえもん。今帰ったの?」

ドラえもん「うん、ちょっとね。どうしたの? 浮かない顔して」

のび太「あのね、実はね……」

〜〜

のび太「……っていう訳なんだ」

ドラえもん「……」

のび太「ねえどう思う? 何か悪い奴がいて、こどもを誘拐してるとか」

ドラえもん「……のび太君、あのね」

のび太「なに?」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/25(月) 04:18:19.97 ID:fVYNfelgO

出木杉「すみませーん! のび太君いますか?」

ドラえもん「出木杉君の声だ」

のび太「本当だ。ちょっと待ってて!」

バタバタ

ドラえもん「……出木杉君もあの人形は見たんだっけ? 出木杉君なら気付いてるかなぁ……気付いてないかなぁ……」

のび太「お待たせドラえもん、出木杉君もちょうどジャイアン達の事で来たんだって」

出木杉「うん、やっぱり三人ともいなくなってたんだ。最後に会ったのは家族以外なら、のび太君とドラえもんだから何か分かるかなぁと思って」

ドラえもん「ねえ出木杉君、出木杉君もあの人形見たんでしょ?」

出木杉「? うん。夜は出掛けられなくて、行かなかったけど……」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/25(月) 04:21:06.76 ID:fVYNfelgO

ドラえもん「じゃ、気付いてた?」

のび太、出木杉「…………」

出木杉「何に?」

ドラえもん「気付いてないのか……」

のび太「何? もったいぶらずに言ってよドラえもん」

ドラえもん「あの人形の着物だよ」

のび太「着物がどうかしたの?」

ドラえもん「……まあのび太君は分かんないだろうけど……。出木杉君はほんとに知らないのかぁ……」

出木杉「いったい何の話?」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/25(月) 04:24:09.20 ID:fVYNfelgO

ドラえもん「あの人形の着物の着方。向かって左側が上になってたんだよ」

出木杉「そう言われてみれば……」

のび太「それがどうしたの?」

ドラえもん「はあ……。ぼくも怖がりだから……昨日言わなかったけど、その着方はね、普通じゃないんだよ。普通は向かって右側が上になるの」

のび太、出木杉「……」

ドラえもん「向かって左側が上になるように着せるのは、死人に着物を着せる時にやるの」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/25(月) 04:29:28.39 ID:fVYNfelgO

のび太「わああああああ!」

ドラえもん、出木杉「!!!」

たま子「のび太! 静かにしなさい!」

……しーん

ドラえもん「びびびびびっくりさせないでよのび太君!」

出木杉「僕もびっくりしたよ……」

のび太「だ……だってそんなの、そんなの聞いたら怖いよ!」

ドラえもん「だから黙ってたんだ! ジャイアンならともかく君は怖がりだし、ましてやしずかちゃんに持って帰らせるわけにいかなかったんだよ!」

のび太「それはそうだけど、そんな大事なこと早く言ってよ!」

出木杉「あの……」

ドラえもん「言ってたからって何か変わってたの!?」

出木杉「あの……」

のび太「分かんないけど言ってよ!」
ドラえもん「なんだよ怖がりんぼのくせに!」

出木杉「うるさーーーーい!」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 04:38:04.11 ID:fVYNfelgO

たま子「のび太! …………の声じゃなかったわ、あら……」



出木杉「あ、ごめん……」

のび太「……い、いえ」

ドラえもん「お構い無く……」

出木杉「と……とにかく喧嘩してる場合じゃないよ。僕は幽霊なんて信じていないけど……でも……」

のび太「……」

出木杉「……そうだ、タイムマシンで過去に行ってみるのは?」

ドラえもん「そ、それが今、故障してて……」

のび太「また……映画のお約束じゃない」

ドラえもん「大丈夫、タイムベルトとか色々あるから! あ……る……、あれ……」

のび太「なに?」

ドラえもん「……ない……四次元ポケットが空っぽだ……っていうか、これ四次元ポケットじゃない!」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/25(月) 04:44:26.45 ID:fVYNfelgO

眠気はピーク越えたけど手が疲れてきた


のび太「なっ、なんで!?」

ドラえもん「分かんないけど!」

のび太「そんなの映画版にもなかったよぉ! どうしよう……」

出木杉「……あんまり行きたくないけど、一度人形を見に行ってみようよ」

のび太「ええっ」

出木杉「もし、人形が何か関係あるなら、何か分かるかもしれないし……」

ドラえもん「……それはそうだけど、もう閉まってるよね……」

出木杉「晩御飯を食べたらすぐに学校に行こう? 鍵は……その時に考えようよ」

ドラえもん「そうだね……だけど、ポケット……どうして……」

のび太「さっき天日干ししてた時に……すり替えられたとか」

ドラえもん「誰に?」

……しーん

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/25(月) 04:50:21.70 ID:fVYNfelgO

出木杉ってうつのしんどいから、デキにします


デキ「それじゃとりあえず夜に」

のび太「うん。バイバイ、出木杉君」

ドラえもん「ちょっと僕、スペアポケットに何かないか見てみるよ」

のび太(ああ……怖いなぁ……やだなぁ……でも……)

のび太(……)

ドラえもん「あ、スペアポケットはちゃんとあった! でも、盗んだ奴がほとんど出したのかなぁ……役に立つのは……通り抜けフープくらいかなぁ……」

のび太「そういえばドラえもんどこに出掛けてたの?」

ドラえもん「え? お友達の所に行ってただけだよ」

のび太「そう」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/25(月) 04:51:59.25 ID:fVYNfelgO

逆だろうか……ごめん

y←このかたち

が普通だから向かって右を上って書いてしまった。

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/25(月) 05:16:40.98 ID:fVYNfelgO

‐数時間後‐

【学校の前】

デキ「うう……ちょっと怖いね、やっぱり……」

のび太「今日はまだ8時だから、昨日よりはましだけど……怖いよドラえもん……」

ドラえもん「ボクも怖いけど……と、とりあえず入ろうよ」

女「あら? あなた達」

ドラえもん「ん? ど、どちら様ですか?」

女「あ……ごめんなさい。私はこのあたりに住んでるの、別に変なことはしないわ。こんな時間に何してるの?」

デキ「……え、えーっと」

女「あ、もしかして学校に忍び込むつもりじゃないでしょうね?」

のび太「えっ!? ま、ま、まままままさかあぁ〜!」

ドラえもん(……ああ、うそ下手くそなんだから!)

女「まあいいけど、見付かったら叱られちゃうわよ」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 05:23:19.60 ID:fVYNfelgO

のび太「そうですよね、あはあはあは」

女「私もそういうスリルのあることは好きよ。そうだ、私校舎の前で見張っていてあげる。誰か来たら知らせてあげるわ」

デキ「ええ?」

マキ「いいからいいから! 私はマキって名前よ。ここの学校の卒業生なの、だからある程度校舎の中も分かってるし……。男の子達の冒険を応援してるから」

ドラえもん「応援より、むしろ止めて欲しいんですけど……」

マキ「なぁに、しっかりしなさい! タヌキちゃん!」

ドラえもん「タヌキじゃなーい!」


【校舎の中】

のび太「マキさん、一緒に来て欲しかったなぁ……」

デキ「仕方ないよ。でも明るい人だね、僕達の先輩だって」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 05:25:52.00 ID:fVYNfelgO

ドラえもん「あった、資料室だよ。通り抜けフープが残ってて良かった」

デキ「のび太君、懐中電灯は任せたからね」

のび太「うん……」

ギシ、ギシ……

デキ「床の音が響くなあ……人形は確かあっちに……」

のび太「灯り向けるよ?」

ぱっ

ドラえもん、のび太、デキ「ひぃ……!」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 05:30:28.40 ID:fVYNfelgO

しずかの人形(パジャマ姿で、尻餅をついた格好で置かれている)

スネ夫の人形(パジャマ姿で、走り出そうとしている格好で置かれている)

ジャイアンの人形(私服のまま、何かに殴りかかろうとしたような姿で置かれている)


のび太「な……な……何? まさかあれって……」

デキ「ま、まさか……まさかだよ」

ドラえもん「で、でも、でもあれはきっと……」

のび太「……みんななの? あれが?」

?「わあ! あなた」

のび太「えっ!?」ビクッ

のび太「だ、誰?」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 05:39:03.05 ID:fVYNfelgO

デキ「のび太君! 灯りをあっちに!」

のび太「え……うわあぁっ! どど、ドラえもん!」

人形「なあに? そんなに私に会えて嬉しい?」
(ギシ、ギシ、ゆっくりとのび太の方を向く)

ドラえもん「あっあの……、みんなを、人形にしたのは……」

人形「私よ……だって昨日会いに来てくれたでしょう?」

のび太「それは、確かに見に来たけど……みんなを人形にするなんて、そんなのないよぉ……」

人形「……」

デキ「しずかちゃんや、たけし君も、スネ夫君もみんな、友達なんだ、だから元に……」

人形「……イヤ」


人形「イヤよぉ。私にも友達が欲しいんだもの、欲しいんだも、の。友達、欲しい、んだも、の」

デキ「な、何か声がだんだん低くなってない?」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 05:46:35.62 ID:fVYNfelgO

人形「あなたたたたたちもぉ、わた私と仲よく、よくしてててテテ」
(一直線にのび太の元へ近付いて行く)

のび太「嫌だあぁ!」

デキ「あっ! のび太君、そっちはダメ……」

ドラえもん「のび太くぅん!」

バタン!


‐数分後‐

【資料準備室】

ばんばんばん!

ばんばんばん!

のび太「……ああ、ドラえもん、どうしよう……僕、どうしてこんな所に逃げちゃったんだろう、よりによって行き止まりの準備室なんか……」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 05:51:38.14 ID:fVYNfelgO

ドラえもん「仕方ないよとっさだったんだもん……だけど、さっきから出木杉君の声がしない」

ばんばんばん!

のび太「出木杉君をひとり置いて来ちゃったよう……」

のび太「ドア叩いてるの人形だよね、怖い、怖いよドラえもん……」

ドラえもん「うう……僕も怖いよ……」

人形「開けて開けて開けけ、ケケテテテテえ゛ーーーなかよくなりましょうよぉぉー」

ばんばん!ばんばんばんばんッ!

ばぁん!


のび太「ひぃっ!」

ドラえもん「ドアが壊れた、のび太君僕のそばにいるんだ!」

人形「あ゛ーみつけたあ゛」

のび太「……ね……ねえもう止めようよ、お願いだよぉ……うわぁあん!」

ドラえもん「のび太君泣いてる場合じゃ……」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 05:57:20.37 ID:fVYNfelgO

のび太「場合じゃないってなんだよ! 泣くに決まってるじゃないかあ!」

ドラえもん「で、でも……」

のび太「ジャイアンはいっつも僕にゲンコツしてきたけど、うっ……、ほんとは優しい友達なんだよぉ!」

ドラえもん「のび太君……」

のび太「スネ夫は意地悪もするけど、う、えっく……、なんだかんだで、一緒に遊んでくれて……、う、う、出木杉君は、僕みたいなバカな子とも、仲良くしてくれて……」

人形「……あ゛ー……」

のび太「しずかちゃんは……うう……。しずかちゃん……」

ドラえもん「の……のび太君……」

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 06:02:06.14 ID:fVYNfelgO

ドラえもん「のび太君、スペアポケットあげるから。ちゃんと逃げて帰るんだよ」

のび太「? な、なんで? ドラえもん」

ドラえもん「やいっ! お人形!」

人形「あ゛ー。ふふふふふふ」

ドラえもん「ぼ……ぼぼ僕の大親友に手を出したら、僕だってゆるさないぞ!」

のび太「ドラえもん」

ドラえもん「僕が人形になってやる! だからのび太君に手を出すな!」

のび太「な、何言ってるんだよドラえもん!」

人形「……ああ……ああ……羨ましい……」

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 06:10:10.07 ID:fVYNfelgO

人形「私には、そんな友達いなかったわ。ずっと私一人だったの。羨ましいわ、あなた達みたいな友達……羨ましい」

のび太「人形さん……」

人形「本当に羨ましい……羨ましいわ……憎いくらい」

ドラえもん「う……」

人形「あなたも仲間にしてあげる!」



のび太「やめろぉっ!」

?「やめなさーい!!」
ガシャアアアン!

人形「!?」


76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 06:20:28.38 ID:fVYNfelgO

じゃあ出木杉で
今さらだけど


のび太「窓ガラスを割って……せ、先生に怒られる!」

ドラえもん「そんな場合じゃな……あ! あなたは……?」

パーマン3号「私はパーマン3号! ドラえもんさん、あなたには会ったことがあるのよ! のび太君にも!」

のび太「……? あー!? もしかしてほし……」
ドラえもん「こら! あ、パー子さん……でもなんで……?」

人形「ぐ、うー、ああ……」

パー子「この間、遊びに来てくれたでしょう? その時に借りた道具を色々見ていたら、未来の事が分かって……」

ドラえもん「あ……そういえば、いくつか貸してあげたっけ……。それで来てくれたの?」

パー子「もちろんよ、私もあなた達に助けてもらったじゃないの」

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 06:30:28.68 ID:fVYNfelgO

人形「あ……うう……」

ドラえもん「ま、まだ僕らを人形にするつもりだな!」

人形「う……」

パー子「待って、何だか様子が変よ」

人形「……う……うう……ごめんなさい……私、うう……」

のび太「……泣いてるの?」
ドラえもん「そうみたい」

人形「寂しかったから……。本当に寂しかったの、だから羨ましくて、たまらなかったの……」

のび太「……も、もういいよ……みんなを、元に戻してくれたらそれで……」

ドラえもん「そうだよ。そうしてくれたらもう何も……」

人形「戻しちゃったら私、また一人になるのね……」

パー子「そんなことないわ! 私、あなたを引き取ってあげる」

ドラえもん「ええ!?」

パー子「きっと大丈夫よ、あんまり使いたくないけど、星野スミレの名前でお願いすれば……」

のび太「それはそうかもしれないけど……」

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 06:33:41.28 ID:fVYNfelgO

パー子「そのあとのび太君のお友達にあげるのもいいし、無理なら私が大事にするわ。うちにもお人形があるから仲間もいるわよ」

人形「……」

ドラえもん「しずかちゃんか、スミレちゃん、どっちも大事にしてくれると思うよ」

人形「本当に?」

のび太「うん、それに僕らも……こんなことがなければ、君に会いたいし仲良くなりたいよ」

人形「……分かった……」

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 06:38:42.70 ID:fVYNfelgO

‐数十分後‐

【校舎の前】

マキ「あっ、皆……おかえりなさい」

のび太「マキさん。ずっといたの?」

マキ「いたわよ、当たり前じゃない」

しずか「のび太さん、この人は?」

マキ「私はマキっていうの、ここの卒業生よ。この子達が学校に忍び込むっていうから……楽しそうで私もここまで来てたの」

出木杉「でも、僕達三人で入って行ったのに、出てきた時に人数が増えていても何とも思わないんですね」

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 06:44:13.16 ID:fVYNfelgO

マキ「……」

のび太「そういえば……」

マキ「……そうよね、変よね」

ドラえもん「あなたは何か知ってたんですか?」

マキ「私は……この学校の卒業生よ、みんなが見た人形は私がここに寄贈したの」

スネ夫「寄贈、ですか?」

マキ「私の妹が持っていたんだけど、造られてからすぐ妹にプレゼントされて、そのあとすぐに妹は亡くなって……長い間蔵にしまわれてたものよ」
マキ「かわいそうだから、蔵から出したんだけど……どうせなら学校に飾って貰えばいいと思ったの、子供たちがたくさんいるから、お人形も寂しくないかなって思って」

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/25(月) 06:54:36.94 ID:fVYNfelgO

マキ「でも学校側にはそこまでちゃんと伝わってなかったみたいで……結局長い間資料室にしまわれてるって、最近噂で聞いたわ。ちょっと前にお願いして見せて貰ったら、着物の着方が死装束になっていたから怖くなった、きっと人形が怒ってるんだと思ったわ。
……でも実際私は、それを放置してた……。あなた達が帰り道に、話していたのを偶然聞いた時、あの人形のことだとすぐに分かった」

ジャイアン「止めてくれたら良かったじゃんよ……」

マキ「そうよね、ごめんね……私、ただ会いに行くならいいと思って……。でも、次の日に何人かこどもが行方不明になったって聞いたから、怖くて……絶対あの子のせいだと思ったの」

マキ「でも私はどうしたらいいのか分からないし、色々迷っていたら、タヌキちゃんの話を聞いたわ」

ドラえもん「タヌキじゃなくて、ネコです!」

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/25(月) 06:59:54.64 ID:fVYNfelgO

マキ「不思議なポケットを使って、色々な事を出来るって。だから」

のび太「あー! まさか、ポケットを取って行ったのって……」

マキ「……ごめんね、でも私には使えなかったわ、だって使い方が分からないんだもん。返すわね」

ドラえもん「ああ、四次元ポケット! 良かった、壊れてない」

マキ「もうひとつ言うとね、私の妹も友達がいなかったのよ。みんなと同じ年代で、体が弱くてずっと学校に行けなかったから」

出木杉「そうなんですか……」

マキ「私がもっとしっかりしたお姉ちゃんだったら良かったのにね……」


83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 07:04:26.82 ID:fVYNfelgO

‐翌日‐

【しずかちゃんの家】

しずか「作文の宿題って久しぶりね」

スネ夫「僕は作文得意だからなぁ、のび太は苦手そうだけど」

のび太「う〜……」

出木杉「そういえば、しずかちゃんの部屋に来てからなの? 人形の着物が元に戻ったの」

しずか「そうなのよ。正直言うと最初は迷ったけど……やっぱりかわいいし、悪い子じゃないって思うの」

出木杉「うん。だってあんなに表情が優しいもんね」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 07:08:37.68 ID:fVYNfelgO

ジャイアン「……」

スネ夫「どうしたのジャイアン」

ジャイアン「俺さ、あれからずっとのび太に言いたかったんだけど」

のび太「え?」

ジャイアン「俺達、あの時人形にはなっちゃってたけど、耳は聞こえてたんだ」

のび太「……」

ジャイアン「お前がさ、泣きながら俺の事を友達って言ったのも……」

スネ夫「……そ、そうだね、聞こえた聞こえた」

出木杉「僕にも聞こえたよ」

しずか「私も」

のび太「えっ、え、あああの……」

ジャイアン「嬉しかったんだぜ! のび太! 心の友よ!」

のび太「ええ、あ、あははは、やだなぁ照れるじゃない……」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/25(月) 07:15:16.21 ID:fVYNfelgO

【のび太の部屋】

ドラえもん「ううん……いいお天気だなぁ〜……」

ドラえもん「のび太君ちゃんと宿題やってるかなあ」

ドラえもん「しずかちゃん達がいるから大丈夫か」

ドラえもん「……」

しーん……

ドラえもん「……」

ドラえもん「……寂しい! 僕もしずかちゃんの所に行こうっと!」

たま子「あらドラちゃん、遊びに行くの?」

ドラえもん「えへへ、ちょっと親友のところに」

たま子「行ってらっしゃい」

ドラえもん「行ってきまーす」

ガチャ、バタン


ドラえもん
『友達っていて当たり前みたいだけど、僕は、僕の友達をずっと大切にしていくんだ』

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/25(月) 07:17:33.58 ID:fVYNfelgO

終わり

なんか無理矢理だし予定と違うけど、それより眠気がまたきた……
けど、出掛けます

ちらっとでも見てくれてた人ありがとう。最後のほうはほんとごめん

慣れないことはしたらダメだな……



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