キョン「用意出来るよな。ヒャ・ク・マ・ン・エ・ン」


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1 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:25:51 ID:EePL3Kd60

「古泉」

「あなたから用があるとは珍しいですね。なんでしょうか?」

「金出せ」

「えっ?あっ、すみません。僕はとんだ聞き間違いをしてしまったようで。あなたに限ってそのような……いえ、なんでないのですよ。もう一度お願い出来ますか?」

「金を出せと言ったんた。今度はちゃんと聞こえただろう」

2 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:26:31 ID:EePL3Kd60

「は、はい。しかしいきなりですね。またどうしてそのような事を?例えば説明のしにくい事件に巻き込まれて、そうですね……本当にお金が必要になったか、または僕に特定のアクションを起こさせたいのか、そこを教えて下さると僕としましても協力のしようというものがあるのですが」

「そんな面倒な話しじゃない。ただ金が欲しいから言っただけだ。それで、くれるのか?くれないのか?」

「金銭的にお困りなのですか?それならば僕に相談して正解でしたね。市内探索ではいつも奢って頂いてますし、他ならぬ友人の頼みです。幾らほどお貸しましょうか?」

「百万だ。貸すなんてケチな事抜かしてないで明日までに百万持ってこい」

3 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:26:52 ID:EePL3Kd60

「えっ!?それはどういう――」

ガチャッ!

「おっまたせー!ってまだキョンと古泉君だけ?」

「おう、長門も朝比奈さんも今日は用事があるんだと」

「……」(よく何事もなかったかのように振る舞えるな彼は)

「古泉君元気無いけどどうしたの?キョン、あんたまさかイジメてたんじゃないでしょうね?」

「俺がそんな事するわけないだろう。ちょっと具合がよろしくないみたいだ」

4 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:27:15 ID:EePL3Kd60

「そうなの?古泉君体調悪いの?今日は帰っても良いわよ」

「……いえ大丈夫です。心配して下さってありがとうございます」(百万円っていうのはなんだったんだ?今日の彼は少しおかしいんじゃないだろうか)

「さっき帰りたいって言ってたじゃないか。無理しない方がいいと思うぞ。今日は長門も朝比奈さんも来てないみたいだし」


「僕はそのようなこと――!?」

「やっぱり古泉君顔色悪いわよ。無理しても体に良くないし。うん、団長命令を下すわ。今日は帰って安静にすること」

5 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:27:42 ID:EePL3Kd60

「……分かりました。そうさせてもらいます」

「ほらキョン。送ってあげなさい」

「おいふざけんなよ!長門や朝比奈さんなら分かるがなんで俺が古泉送ってかなきゃならないんだよ!?」

「涼宮さん。僕は一人で帰れますから」

「そう?気をつけてね」

「はい」(ちょっと心配だけど涼宮さんと二人なら大丈夫だろう。納得いかないけど帰るとするか)

「ところでハルヒ相談があるんだが」

6 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:28:03 ID:EePL3Kd60

「なによ?あたしに相談持ちかけるなんてあんたらしくないわね。まぁ大した悩みじゃないんでしょうけど平団員の悩み事をこの団長様が聞いてあげるんだから有り難く思いなさい」

「ごめん、やっぱいいわ。どうせちっぽけな悩みだしお前も迷惑がってる事だし」

「ち、違うの!迷惑なんて全然思ってないから……、あんたの悩みはあたしにとっても凄く大切で……。これも団長の務めっていうか……、ううん、そんなんじゃなくて……。だから、だから……」オロオロ

「ああ泣くなよ。俺も意地悪な言い方して悪かったって。ちゃんと言うから」

7 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:28:44 ID:EePL3Kd60

「それでは僕はこれで失礼させて頂きます。さようなら……」(完全に二人の世界だ。僕の声は聞こえているだろうか?)

「実は昨日隣のクラスのやつから告白されちまって。結構かわいいやつだったから付き合おうか迷ってたんだけどハルヒはどう思う?」

『……!?』  ←古泉とハルヒの二人分

「お、古泉帰るのか?途中でぶっ倒れんなよ」

「キキキキキョン!あ、あんたいつ告白なんてされたのよっ!どこで!?誰に!?なんで!?」

(あっ………………電話だ………………)

8 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:29:08 ID:EePL3Kd60

夜 キョンの家の前
「おお、うちまで来てどうした?具合は良くなったのか?」

「……ええおかげさまで」

「俺には本当に悪くなったように見えるんだが」

「……それについてなんですが、一体どういうつもりなのですか?」

「何がだ?」

「何がって、あなた告白なんてされてないでしょう?」

「流石は機関、お見通しだな。だが人のプライバシーを勝手に覗き見るのは悪趣味っていうんだぜ」

9 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:29:29 ID:EePL3Kd60

「あんな作り話をして涼宮さんは本当に信じてしまったではないですか。先程は今までに無い強大な神人が現れ閉鎖空間内で初めて死者も出ました」

「ところで百万は?」

「僕にそんな大金が用意出来るはずないじゃないですか。あなたは自分が何をしたのかよく理解されていないようですね」

「まったく、理解されていないのはお前の方だ。俺だってあんな相談持ちかければハルヒが怒ることくらい分かるさ。それを知ってて告白されたなんて言ったのはなぜだと思う?」

「僕に恨みがあるんですか?」

「違うそんな事じゃないだ。むしろお前の事は親友くらいに思っている」

10 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:29:50 ID:EePL3Kd60

「ならばどうして僕を脅す様ことを!?あなたの真意がまったく理解出来ません!!」

「いいか、俺が脅してるのはお前じゃない。機関だ」

「それも分かりません。なぜあなたが機関を」

「そりゃ孤島に別荘建てたりしたくらいだからな。俺の見立てじゃ相当な金持ち集団なはずだ?そうだろ?だったら百万円なんてかわいいもんじゃないか」

「だとしましても僕には何の権力もありません。機関に百万円を用意させることも出来ません」

「そうか、残念だ」

「諦めて頂いたのですか?」

11 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:30:10 ID:EePL3Kd60

「よし、明日ハルヒの目の前で朝比奈さんレイプしよ」

「ちょっと待って下さい!?そんなことしたら――!!」

「用意出来るよな。ヒャ•ク•マ•ン•エ•ン」

「…………分かり……ました」

12 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:30:32 ID:EePL3Kd60

次の日 昼休み 教室
「ねぇ、キョン。ちゃんと断ったんでしょうね」

「なんだ?」

「なんだじゃないわよ!」ポカポカ

「分かった分かった。痛いって」

「いい?昨日も言ったけどうちは恋愛禁止なんだから。規則を破っても破門とかそういうのはしないけど……絶対守りなさいよ!」

「まぁなるようになるさ。……あれっ?どこ行くんだ?」

「あんたに関係ないでしょ!」タッタッタッ

13 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:30:53 ID:EePL3Kd60

放課後 屋上
「おおーー!!すげぇーー!!マジで百万円だーーーー!!!!」

「言われた通り用意しました。あなたも分かっているとは思いますが戻ったらすぐにでも涼宮さんの方へフォローを入れて下さい。朝から涼宮さんは四組と六組の教室に出向いて何やら怪しげな行動を繰り返しています。隣のクラスの女子生徒から告白を受けたというあなたの言葉を相当引きずっているのでしょう」

「安心しろ。戻ったらすぐにでもあの告白は断ったとハルヒに伝えとく。お前の苦しむ顔を見るのは俺も本望じゃない」

「その言葉を聞けてとりあえずは安心出来ませた。それと僕はまだ仕事が残っているので涼宮さんには代わりに謝っておいてくれませんか?」

14 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:31:11 ID:EePL3Kd60

「任せとけ。俺はもう少しこの百万円を眺めてから部室戻るわ。じゃ、これからもよろしく頼むな!」

「これからも……?」

「そうとも。親友だろ、オ•レ•タ•チ」

15 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:31:50 ID:EePL3Kd60

次の日 昼休み 教室
「お空が綺麗ね」ニコニコ

「どうした?風邪引いてるとしか思えない発言だぞ」

「う、うるさいわね。なに言おうが別にいいでしょ」

「そうかい」

「それより古泉君のこと知ってる?」

「SOS団で古泉のこと知らないやつは居ないだろ」

「そうじゃなくて、さっき廊下で会ったんだけど制服の下包帯だらけだった」

「きっとバイトが大変とかそんなだろ?」

「どんなバイトよっ!?」

16 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:32:14 ID:EePL3Kd60

 放課後 部室

「昨日は体調よくなかったみたいだけど大丈夫?」ニコニコ

「はい、おかげ様ですっかり良くなりましたよ」

(今日の涼宮さんは機嫌がいいみたいだ。彼もちゃんしてくれたようだ)

「キョン君古泉君、お茶ですぅ」

「いつもすいませんね朝比奈さん」

「有り難く頂きます」

17 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:32:39 ID:EePL3Kd60

「なぁなぁ古泉」ヒソヒソ

(また変な話しを聞かされるんじゃないだろうか)

「なんでしょう?」

「朝比奈さんの胸についてどう思う?」

(ほらきた)

「どう、とは具体的に申しますと?」

「揉んでみたいと思わないのかそうじゃないかって事だ」

18 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:33:02 ID:EePL3Kd60

「そういえばお礼がまだでしたね。何を言ったのかは知りませんが今の涼宮さんは上機嫌のようです。これもあなたのおかげでしょう。ありがとうございます。この調子を維持して頂くと機関としても非常に助かりますので、この事はお忘れなく」

「おい、高校生ならあっちの話しの一つや二つ出来ないと終わってるぞ。お前はあの豊満なおっぱいをどうしてやりたいんだ?俺は両手いっぱいに揉みまくってやりたいね」

「この話しはやめにしましょう。今日は皆さん揃っている事ですし聞かれてもまずいでしょう」

「ちっ良い子ぶりやがって。今ハルヒは朝比奈さんをおもちゃにしてるし、長門は放っておいても大丈夫だろ」

19 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:33:19 ID:EePL3Kd60

「それ以前にあなたは人間のモラルというものについて勉強なされた方がいいかもしれませんね」

「なんだと古泉っ!!もう一回言ってみろぉぉおおおお!!!!」

『……!!?』   ←全員分

「ちょっとちょっと、どうしたのよキョン」

「二人共けんかはだめですよぅー」

「こいつが朝比奈さんの淹れてくれたお茶に文句つけやがったんだ!!」

20 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:33:38 ID:EePL3Kd60

(違う。僕はそんな事言ってない)

「挙げ句の果てにSOS団の奴等にはモラルに欠けるとか言いだした!!」

「違うんです!聞いて下さい、僕は――!」

「ええぇーーんうわぁーーん!」

「みくるちゃん泣かないでっ」

「僕は……僕はただ……」

21 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:34:04 ID:EePL3Kd60

数十分後
「ペラッ……ペラッ……パタンッ」

「あらっもうこんな時間。今日はこれで解散しましょ」

「ハルヒ、ちょっと古泉と二人で話しあるから先帰っててくれ。なぁ古泉」

「ええ、まぁ……はい」

(今度は何の用だろう?)

「分かったけど喧嘩は絶対駄目よ」

22 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:34:47 ID:EePL3Kd60

「ぐずっぐずっ、うるうる」

「あと鍵も頼むわよ。もうみくるちゃんも元気出して。みくるちゃんの淹れてくれたお茶はとっても美味しいから」

「じゃあな皆、また明日」

 バタンッ

(あれから皆の誤解を解くのも大変だった。特に朝比奈さんとの距離はぐっと離れた気がする。これからどうすれば)

「なぁ、こんな無益な争いはもうやめにしないか。双方憎しみ以外の何が生まれるっていうんだ」

23 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:35:04 ID:EePL3Kd60

「僕が何をしたっていうんですか」

「俺の要求を無視した。お前等は黙って従ってればいいんだよ」

「そうしなければまた涼宮さんを怒らせるのですか?」

「そうだ。ハルヒを傷つけるのは俺も嫌だし、お前等にとってもそうだろう」

「その通りですが……」

「まぁお前の話しはどうでもいいんだよ。とにかく俺は朝比奈さんの胸を揉みたいんだ。どうにかしろ」

24 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:36:31 ID:EePL3Kd60

「そろそろいい加減にしてもらえませんか。この二日間だけで一体何人の犠牲者を出したと思ってるんですか。今なら僕を含め機関の者は今回の一件について綺麗に忘れましょう。涼宮さんや朝比奈さんまでもこれ以上悲しませるつもりなのですか?お願いです。こんな馬鹿げた事はもう終わりにして下さい」

「ああもう、説教なんて聞きたくねぇよ。正直うんざりなんだよ。ハルヒにも、SOS団にも」

「お願いです……目を覚まして下さい……」

「うるせぇな本当に。お前もお前だよ。俺を利用する事しか考えてないくせによ。俺が今までに何回命の危機にさらされたのか分かってんのか?それも全てハルヒに関わったばっかりにだ。SOS団ではいつも雑用や下っ端扱いされるし、一歩外に出れば事件に巻き込まれる。もう

25 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:37:01 ID:EePL3Kd60

「うるせぇな本当に。お前もお前だよ。俺を利用する事しか考えてないくせによ。俺が今までに何回命の危機にさらされたのか分かってんのか?それも全てハルヒに関わったばっかりにだ。SOS団ではいつも雑用や下っ端扱いされるし、一歩外に出れば事件に巻き込まれる。もう付き合いきれねぇよ!!散々なんだよ!!」

26 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:37:24 ID:EePL3Kd60

「……利用だなんて……そんな」

「いや、ついカッとなっちまってすまなかったな。でも疲れたんだよ俺も。お前らみたいな普通じゃない人間に囲まれるのが」

「そうですよね……。普通じゃないですよねこんなの、……すみませんでした」

「謝るなんてやめてくれ。巨乳娘を用意しろ」

「って、お互いちょっと良い雰囲気だったのにぶち壊すのやめてくれませんか?」

27 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:37:43 ID:EePL3Kd60

「わりぃな、辛気臭い話しは苦手でな。とにかく期限は明日までだ。もちろん朝比奈さん並の美人じゃなければ却下だからな」

(はぁ……こいつどうしよ……)

28 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:38:02 ID:EePL3Kd60

次の日 昼休み 特進クラス
「あの、古泉君」(きゃー、古泉君に話しかけちゃったよー///)

「はい、なんですか?」

「そこの入り口で五組の男子が古泉君の事呼んでたよ」(クールな古泉君もかっこいいー!彼女にしてもらいたいー!)

(確かにドアからこの教室を見回しているの彼で間違いない。やめてほしい)

「分かりました。ありがとうございます」

「ううん。いいの」(もうちょっとお話してたいなー)

29 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:38:31 ID:EePL3Kd60

廊下
「わりぃな、わざわざ呼び出して。それにしても今のショートカットの子かわいかったな。ムラムラしてきたぞ」

「手短かにお願いします。今のあなたとは話せば話す程こじれそうですから」

「長話はお前の得意技だろうが。まぁいい、それでよ。昨日言ってた巨乳娘は用意出来たのか?」

「まったくあなたという人は、この話しは厳密にと言いましたよね。廊下の立ち話に持ち出すものではありませんよ」

「ハルヒの耳に入らなければいいだけだろう。いいから言えよ」

30 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:39:03 ID:EePL3Kd60

「用意出来ています。あなたの都合がよろしければ今日にでも大丈夫です」

「やっぱりお前の親友でいてよかったよ。それじゃあ放課後だな。おっと、団活が終わってからなんてぬるいこと言うなよ」

「できれば涼宮さんの方を優先して考えて下さい」

「そうか、お前がそこまで言うなら今からあのショートカットの女子犯しにいってくるわ」

「分かりました!放課後迎えに上がりましょう!」

31 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:39:20 ID:EePL3Kd60

「俺に逆らうだけ無駄なんだよ。それと迎えはいらない。その巨乳娘はここに連れて来い」

「なぜですか?涼宮さんに見つからなくともここの生徒に知られるだけでまずいんですよ。リスクが高まるだけです」

「可哀想に。お前に学習能力が備わっていないばっかりにあのショートカットの女子は俺に犯されるんだな。可哀想に」

「分かりました!連れて来ましょう!」

(可哀想っていう自覚はあったのか)

32 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:39:52 ID:EePL3Kd60

放課後
「ねぇ一樹君。ここ一樹君が通ってる学校なの?今どこ向かってるの?」テクテクッ

「すみません、少し黙って頂けませんか?先程も言いましたがあまり人目につきたくないのですよ」

「……ごめんなさい」くよくよっ

(はぁ、こんな事したくないのに。この方には本当に申し訳ない。)

 コンコンッ

「古泉です。失礼します」

33 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:40:12 ID:EePL3Kd60

 ガチャッ

「おう古泉待ってたぞ。っとそこの隣にいる美人さんはまさか」

「ねぇねぇ一樹君。ここどこ?あの人誰?」ギュ

「そうです。しかしあなたも中々無理難題を突き付けますね。わざわざ学校でなくとも場所はこちらで用意しましたのに」

「そこらへんのラブホなんかじゃ駄目だ。学校ってのがポイントなんだよ。それにしても朝比奈さんに負けず劣らずの逸材じゃないか。高校生なのか?本当に高校生なのか?」

34 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:40:30 ID:EePL3Kd60

「一体何の話ししてるの?……怖いよ」ギューッ

「詐称などしてませんよ。同級生も条件の一つですから。あの……すみませんがずっと掴んでいる僕の腕、離してもらえませんか?」

「……」フルフルッ

「なんだ古泉。随分と気に入られてるようだな」

「あまり怖がらせないで下さいよ。彼女には何も話していませんので。まぁ記憶はTFEI端末に頼んで消してもらいますけど」

「記憶……?わたしどうなっちゃうの……?」

35 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:40:49 ID:EePL3Kd60

「最後に確認させて頂きますが、涼宮さんにはちゃんと今日の活動を休むと伝えてあるのですか?」

「大丈夫だ。お前がそこの美人さん連れて来てる間に部室に顔だしてきた。古泉と揃ってお腹痛くなりましたってな」

「欠席の理由の多少問題ありですがよしとしましょう。それより早く済ませて下さい」

「あの人怖いよ……。一樹君早く帰ろうよ……」

「なぁに怖がらなくていいんだよ。ちょこっとおっぱい触らしてもらうだけだから。とりあえず古泉、お前は出てけ。ムードが台無しだ」

36 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:41:20 ID:EePL3Kd60

「ムードがあったなんて知りませんでした。では外で待たせてもらいます。それと、何度も申し上げるようですがあまり怖がらせないであげて下さい」

「一樹君待って……お願い……」

「言わなくてもレディーは大切にする主義だ。さぁお嬢ちゃん、まずは服の上から楽しませてもらおうか」

「いやぁーーー!!!」

(怖がらせないでって言ったのに……)

37 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:41:41 ID:EePL3Kd60

次の日
「古泉、あの女の子もう一回頼めないか?あれから余計にムラムラするんだが」

「彼女は精神的負担があまりにも重過ぎたためTFEI端末に頼んで記憶を消してもらいました。これ以上は無理かと。僕が止めに入らなかったらあのまま最後までしてたでしょうからね」

「すまなかった。どうにも自分を抑えきれなくなってな」

「そうですか。まぁ僕としましても約束は守りましたからこれ以上かける言葉はありませんね」

「お前俺の事軽蔑してるだろ?」

38 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:42:10 ID:EePL3Kd60

「何を根拠に?微塵もしていないと断言出来ますよ」

「だったらなんで目を合わせてくれないんだ」

「目を合わせたらまた何か要求されそうだからです」

「目を合わせなくても要求するんだぞ俺は」

「やめて下さい」

「次は俺専属の性処理係の子連れて来てくれ」

「やめて下さいと言ったのに……やれやれ」

「今俺のやれやれ使ったね?特許とってんだよもう。パクリ料百万円だよ」

39 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:42:39 ID:EePL3Kd60

「前の百万円は何に使ったんですか?」

「話しを逸らす作戦か。まぁ乗ってやろう。前のは阪仲とセックスするために使った」

「すみません。ここ数日耳が遠くなってしまって。特にあなたからの言葉だけ耳に入らなくなってしまって。もう一度お願いします」

「だからよ、阪仲に百万渡す代わりにセックスさせてもらう約束したんだ。始めは断られたけど百万見せたらコロッと態度変わりやがって、でも結局百万だけ持ち逃げされてセックスできなかった。意外と悪女だなあいつ」

「それは非常にまずいですね」

40 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:44:00 ID:EePL3Kd60

「そうだろ。幾ら何でも一回百万って。払おうとした俺も騙し取られた俺も馬鹿だったよ」

「馬鹿の部分につきましては同意に一票投じさせて頂きますが、もしその話しが涼宮さんの耳に入れば大変厄介な事になります。すぐ対策を練らねばなりませんね」

「だからもう百万俺にくれっ!」

「とにかく僕は今日の活動を欠席させて頂きますのであとは宜しくお願いします」

「おう、任せとけ。俺の百万取り返してくれよ」

41 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:44:19 ID:EePL3Kd60

「やはりあなたには任せられないので涼宮さんには自分で言いに行きます。あなたは何もしないで下さい」

(僕の仕事を増やさないでほしい……)

42 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:44:45 ID:EePL3Kd60

「そうだろ。幾ら何でも一回百万って。払おうとした俺も騙し取られた俺も馬鹿だったよ」

「馬鹿の部分につきましては同意に一票投じさせて頂きますが、もしその話しが涼宮さんの耳に入れば大変厄介な事になります。すぐ対策を練らねばなりませんね」

「だからもう百万俺にくれっ!」

「とにかく僕は今日の活動を欠席させて頂きますのであとは宜しくお願いします」

「おう、任せとけ。俺の百万取り返してくれよ」

43 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:45:39 ID:EePL3Kd60

次の日
「今日阪仲に百万の話ししたらトボケた顔してたぞ」

「TFEI端末に頼んで記憶を消してもらいました。それとこれよりクラスで百万円の話しは禁句とさせて頂きます」

「最近のお前俺に協力的っていうか開き直ってるな。それより記憶ってどうやって消すんだ?」

「知りませんよ。ええ知りませんよ」

「そのTFEI端末は人の記憶も操る事ができるのかな?」

「なにを企んでいるのです?」

44 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:46:02 ID:EePL3Kd60

「バレたか」

「そこは否定してほしかったです」

「あの巨乳娘に俺の事を好きだって錯覚させたいんだ。これなら向こうも嫌がる事なく最後までやれるから問題無いだろ?」

「あの一件は仕方なく応じたんです。もう彼女の事は忘れて下さい」

「駄目だ。初めてはあいつって決めたんだ。あの大き過ぎない範囲に収まっている丁度いいサイズの胸。言わずもがな触り心地も最高。何と言ってもSOS団の女性陣にも引けを取らないくらいにかわいい。是非もう一度」

「阪仲さんを狙ってたのはどこのどなたでしょうね」

45 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:46:29 ID:EePL3Kd60

「古泉、世界崩壊させちゃうよ」

「くっ、それを言われてしまえば太刀打ち出来ません」

ピッポッパッ PLLLL

「もしもし、森さんですか?実はかくかくしかじかで…………えっ!?そうなんですか。……はい、分かりました。失礼します」

「随分と楽な説明だったな。それでどうしたんだ?」

「あの子がなにかのショックで記憶を取り戻したと。今は精神的に病んでるみたいで」

46 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:47:00 ID:EePL3Kd60

「ヤンデレもいいと思うが」

「僕の力量ではあなたのボケにツッコミきれません。やはり記憶をいじるという方法は控えた方がいいですね。あなたも阪仲さんに変なショックを与えないように気をつけて下さいよ」

「ところで森さんで思い出したんだが」

「聞かなきゃよかったと後悔する自分が予測されますが万が一を考えて聞きましょう」

「性処理係はまだ用意していないのか?」

「聞かなきゃよかった、ってなんで森さんで思い出すんですか?」

47 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:47:22 ID:EePL3Kd60

「そっちで人探すの大変そうだから俺が選んでやる。今すぐここに森さん連れてこい」

「あなたは軽蔑という言葉からも軽蔑されるべき人間のようですね」

「今すぐとは無理があったな。期限は明日だ。俺がハルヒを怒らせる前にだぞ」

「一つ確認したいのですが、あなたと涼宮さんはそういう関係ではありませんよね?」

「なんだ急に?」

「あまり驚く質問でもないと思うのですが。あなたの異常なまでの性欲が涼宮さんにも降り注がないか心配なのです」

48 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:47:53 ID:EePL3Kd60

「男の性欲なんて皆こんなもんだぞ」

「普通は抑制してます。一つの組織を恐喝してまで欲求不満を発散させているのはあなただけですよ」

「そうか、でも心配いらない。ハルヒは俺に取っての切り札だからな。体操着盗んだくらいだ」

「なんてカミングアウトだ。この世の終わりを告げるカウントダウンが見えてきました」

「それは新しい能力か?」

「バレたらどうなるかあなたも分かっているでしょう」

49 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:48:15 ID:EePL3Kd60

「盗んだのが俺だったら大丈夫だろ?あいつ俺の事好きだし」

「なぜこんな時だけ鈍感キャラの設定じゃないんだ。まったく、その好きな人に裏切られたらどんな気持ちになるか考えて下さい」

「そりゃ最悪に気分なるな」

「ならこれからはそういった行動はつつしんで下さい」

「よく分からんがそれで性処理係が手に入るなら安いもんだ」

「それにつきましてはまだ了承していないんですが。ああ……森さんが知ったらどんな顔をするか……」

50 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:48:46 ID:EePL3Kd60

放課後
「おっまたせー!古泉君久しぶりね!ってあれ?みくるちゃん来てないの?」

「そうみたいだな」

(あなたのせいでしょう!)

「キョン代わりにお茶淹れて」

「しょうがねぇな、誰かさんのせいでよお」

(だからあなたのせいでしょう!)

51 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:49:10 ID:EePL3Kd60

「なぁ古泉」ヒソヒソ

「なんでしょうか?」

「森さんはいつくるんだ?」

「まだ機関でも検討中です」

「期限今日までだぞ分かってんのか?」

「もう少し伸ばして頂きませんか?」

「そうか、ならもう早退するわ」

52 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:49:34 ID:EePL3Kd60

「ここ最近欠席ばっかりじゃないですか。今日くらいでましょうよ」

「あームラムラする」

「声大きいですよ」

「ハルヒー。次は俺古泉のクラスの子に告白されちまったんだけどどうすればいいかなー?」

『――!?』

「キキキキョン!あんたいつからそんなにモテるようになったのよ!次はどこのどいつ!」

(やばい、この負傷した体で閉鎖空間なんて行ったら今度こそ死ぬ)

53 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:53:12 ID:EePL3Kd60

「どこのどいつって言われてもな、名前も知らない」チラッチラッ

(必要以上にこっちを見るな。ちっ、仕方ない)

「すみません!電話が来たようなので!もしもし!何?大丈夫?OKだって?分かりました失礼します。いやー向こうが申し出を受け入れてくれましたよっ。中々頑固な人でね。いや、バイトの話しです。皆さんは気にしないで下さい!」

(電話なんてかかってきてないよー。勝手に決めたら森さん怒るだろうなー)

「それでキョン!もちろん断るんでしょうね!」

「当たり前だろうハルヒ」ニヤッ

54 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:56:37 ID:EePL3Kd60

次の日
「古泉お前。準備出来てないってどういうことだ。昨日の電話は嘘かよ!」

「森さんは機関でも重要なポストですし記憶を消して後遺症を残すわけにはいかないんですよ。それに胸を触るところから性行為ってハードル上がり過ぎでしょう」

「確かに、言われればそうだな」

「そうですよ」

「じゃあ代わりにお前のクラスの子呼んで来て。この間俺がわざわざお前のクラスまで行っただろ。その時にお前呼びに行ったショートカットの女出せや」

「それはいくらなんでも」

55 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:57:04 ID:EePL3Kd60

「できるの?できないの?」

「流石の機関も一般人には……」

「ハールーヒー♪なぜ泣くのー♪俺の勝手でしょー♪」

「分かりました。やらせて頂きます」

「楽しみだぜ」

56 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:57:31 ID:EePL3Kd60

次の日 放課後 校門
「おい、ここで待ってれば本当にかわい子ちゃんは来るのか?」

「大丈夫ですよ。それと涼宮さんが五百メートル以上離れている限りは機関の者が止めに入る事もありません」

「そんなのどうやって分かるんだ?」

「あなたは何をするのか予測不可能なので今日から常時監視させてもらってます」

「そうか、俺の武勇伝が筒抜けになるわけか」

「もうボケなのかも分かりませんよ」

57 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:58:05 ID:EePL3Kd60

テクテク

「あのぅ、古泉君。用ってなに……?」(古泉君に呼び出されちゃった///超嬉しい///)

「またこの反応か!?なぜ古泉ばかりモテるんだ!!」

「褒められても嬉しくありません。あっ、ご足労有り難うございます」

「全然大丈夫……。大好きな古泉君のためだもん……」(言っちゃった///)

「あなたを呼び出したのにはわけがありまして――」

「ではさっそくいこう」

58 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:58:27 ID:EePL3Kd60

「早いですって!ここから車で人気の無い場所に移動する手筈になっていますから」

「……?」(一体なにされちゃうんだろ?でも古泉君なら全てオーケー///)

「俺はこの日のために一日オナ禁してきたんだ。もう我慢できん!」

「男のあそこはもう少し溜まるように出来てますからっ!」

「おい、運転手も含め全員降りろ。こうなったらカーセックスだ!!」

「えっえっ!?きゃあーーーーーー!!!!」(初めては古泉君って決めてたのにーーー!!)

「すみません、全ては世界存続のためです……」

59 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 01:59:37 ID:EePL3Kd60

次の日
「最高だった」

「そうですか……」

「セックスがあんなに良いもんだったとは。俺は今までなんのために迫り来る女子達から童貞を守り続けていたのやら」

「そすですか……」

「お前が割り込まなかったらもう一発はいけた。邪魔しない約束だったのによー」

「そうですか……」

60 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:00:15 ID:EePL3Kd60

「どうしたんだ?うつむいたりして?」

「分からないのですか?落ち込んでいるんですよ。それで、満足できましたか?」

「いいや、欲を言えばまだだ」

「最後の願いなら聞いて上げます」

「最後かは分からんがこれだけは叶えたい」

「この際です。言って下さい」

「随分素直じゃないか」

61 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:00:35 ID:EePL3Kd60

「随分素直じゃないか」

「今更あなたを説得しようとは思いませんよ」

「では遠慮なく。あの巨乳娘とやりたい」

「……またそれですか」

「お前が仲介に入ってくれなきゃできないんだよ」

「……もう疲れた」

62 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:01:04 ID:EePL3Kd60

「分かった!これで最後にする!あの子とやらせてくれー!」

「……疲れた」

「お前も腕にしがみ付かれたときあの巨乳を押し付けられてたじゃねぇか!なんで分かってくれねぇんだよ!」

「……た」

「口数が減ってしまう病気なのか?口数が二文字ずつ減ってしまう病気なのか!?そうなのか!?そんな事よりやらせろー!」

63 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:01:37 ID:EePL3Kd60

次の日
「そろそろハルヒを犯してもいい頃合いだと思うんだが」

「それだけは何があってもダメです。あなたを殺してしまった方が僕らにとってまだマシな結末が期待されることでしょう」

「冗談だよ。それよりさっきのテストが散々だった。教師共が採点する前に改ざんしてくれないか?」

「分かりました」

「よかった。それを見越して勉強しなかったんだ」

64 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:01:57 ID:EePL3Kd60

「ですが僕らにも限界というものがあります。今でも閉鎖空間はまれに現れているというのが現状です。世界を守るのと平行してあなたの面倒を見るのはそろそろ無理が生じ始めます」

「俺の面倒を見るのも世界の平和を守る事に繋がるんだぞ」

「真面目に考えて下さい。世界が消えてしまえばあなたも困るんですよ」

「そうか……だったら俺に良い考えがある」

「却下です」

「せめて聞いてからにしろ」

65 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:02:20 ID:EePL3Kd60

「聞きますよ。ただ先に結論を言っただけです」

「わかった、なら言うぞ。つまりお前らの言い分はこうだ。ハルヒが不機嫌になったときに生まれる閉鎖空間やその他現実世界に悪影響が及ぼすのを処理するのがお前等の本業なわけで、しかしその本業である仕事一つで手一杯だから俺の面倒は見切れないと」

「ほう、あたなにしては筋が通ってますよ」

「そしてハルヒが不機嫌に成れば成る程仕事が忙しくなる。これも合ってるだろう?だったら簡単だ。俺がハルヒと恋人関係になって誰もが幸せになればいい」

「実に的を射抜いた見解のようですが、やはり却下です」

「なぜだ!?一部の隙も無さ過ぎて逆に怖くなるくらいパーフェクトな理論だっただろ!」

66 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:03:20 ID:EePL3Kd60

「解説しますと我々の本業が楽になるというのは我々のメリット。あたなが涼宮さんと恋人関係になるというのはあなたのメリット」

「俺はハルヒと付き合いたいとかじゃなく、お前等の事を思ってだな」

「双方にメリットのある話しですが、これでは駄目なんです。なぜなら世界が崩壊してしまうかもしれないというデメリットの方が大きいからです」

「なんでだよ」

「まずあなたの言った内容には事実でない事が二つあります」

「世界崩壊ってなんでだよ?」

67 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:03:42 ID:EePL3Kd60

「一つ目は、実を申しますと機関はそれほど忙しくないのですよ。涼宮さんが中学生の頃は本当に大変でした。簡単な話しそれと比べれば今は少し余裕があるのです。そして重要な二つ目ですが、涼宮さんがあなたと付き合ってしまったらそれこそ我々の仕事が忙しくなる。ひいてはこの世界の存続も危うく幸せな者などいなくなる」

「てめぇ、二つ目はまだ理解できるが一つ目のはお前が言った嘘じゃねぇか!」

「嘘をついたのはあなたからの要求を軽減するためでした。しかし今ので我々にメリットが無い事も証明できました。まぁ、今までの話しが嘘か真かは証明できなくともただ一つ確信して言えるのは欲にまみれたあなたに涼宮さんを幸せにはする事は出来ない、という話しです。分かって頂けましたか?」

68 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:04:09 ID:EePL3Kd60

「うーん。途中から良く分からんが、それを言ってしまえば俺が馬鹿みたいなので分かった事にしておこう」

「そうして頂けると地球人一同助かります」

「ハルヒと付き合うのをやめるだけで最終的には俺が全地球人を救ってしまってぞ。わっはっはっ」

「我々は世界のための小さな犠牲です……」

69 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:04:29 ID:EePL3Kd60

「ここここ古泉ぃぃぃ!!!」ドタドタっ

「いきなり現れてなんですか?」

「やややばい事にななななった!!!!!」

「そのまま何を言っているのか理解したくないので落ち着かないで下さい」

「スゥーハァー、スゥーハァー。サンキュー、深呼吸したら落ち着いたぜ」

「よかったですね」イラッ

70 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:04:52 ID:EePL3Kd60

「冗談言ってる場合じゃねぇ!実は今同じクラスのやつにコクられたんだ!!」

「物語上の設定は四月一日でしたか?」

「マジだって!ぶっ殺すぞ!」

「殺される前に監視役から確認をとってみましょう」

ピッポッパッ PLLLL

「もしもし古泉です。少し確認したいことが……!?そんな……まさか……」

ピッ

71 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:06:38 ID:EePL3Kd60

「信じてもらえたか?」

「残念ながら信じざるおえない状況に直面しました。しかも相手は阪仲さんだったとは……」

「そうなんだよ!」

「まぁあなたは女性に対して優しいですし顔もイケメンではないですが許せる範囲ですし、表面上だけなら好感を持たれても不思議ではないと思います。表面上だけはね。競争率も低そうですし」

「俺がモテすぎる話しはどうだっていいんだよ!問題は告白されたときにめちゃくちゃ緊張して、それで焦って逃げて来たんだ。俺はどうすればいい?」

72 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:06:58 ID:EePL3Kd60

「そのままで良いと思いますけど」

「でも逃げる間際に『すぐに返事は出来ない、ごめん』とだけはなんとか言ったんだ」

「余計な事を。変なところでしっかりするのやめて下さい」

「頼む古泉。俺を男にしてくれ」

「段階としてはまず人間になることが必要です」

「冗談はいいんだ。とりあえず自然な流れで阪仲とセックスしたい。最短ルートを攻略してくれ」

73 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:07:17 ID:EePL3Kd60

「どうせ僕にはその頼みは断りきれないでしょう。分かりました。あなたに協力するふりをしつつ自然な流れで妥協点を探していきましょう」

「お前俺を馬鹿だと思ってるだろ」

「涼宮さんがあなたのことを『バカキョン』と呼んでいるのです。いずれなるでしょう」

「今度ハルヒに『バカいずみ』と呼ばせてやる」

74 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:07:36 ID:EePL3Kd60

放課後
「いいですか。オシャレに気を遣ったりデートコースを考えたりする前に、まずやらなければならないのは告白の返事をする事です。男を磨くのはそれからです」

「なるほど。で、それはどうすればいいんだ?」

「相手のハートを鷲掴みにするには、やはり気の利いた台詞の一つや二つさらっと言えるようでなければなりませんが、恋愛検定四級のあなたは無難に『俺も好きだ』の一言でよろしいでしょう」

「質問!」

「どうぞ」

「気の利いた台詞って何ですか?例を挙げて言ってみて下さい」

75 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:09:25 ID:EePL3Kd60

「高等テクニックはまだ早過ぎるでしょう。焦りというのはいつの時代も禁物と言われています」

「くそっ、お前はその恋愛検定何級なんだよ?」

「五段です」

「嘘を言うな」

「嘘ではありません」

「……」ジー

「無駄話をしてていいんですか?阪仲さん下校してしまいますよ」

76 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:10:25 ID:EePL3Kd60

「いっけねえ。とりあえず『俺も好きだ』でいいんだよな?」

「はい。相手の出方に応じて『一緒に帰ろうか』と言える事が出来ればコンボが成り立ちます」

「よし!行ってくるわ!」

「健闘を祈ります」

「おーい!阪仲ー!」タッタッタッ

「あっいけない。涼宮さんには秘密にするように言うのを忘れてた。まぁいいでしょう。すぐに終わるから」

77 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:10:45 ID:EePL3Kd60

ピッポッパッ PLLLL

「もしもし、古泉です。ターゲットはまもなく所定の位置に現れます。後は任せますので宜しくお願いしますね。……はい、心より健闘を祈ります」

78 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:12:05 ID:EePL3Kd60

次の日
「随分落ち込んでいられますが、昨日は上手くいきましたか?」

「行くわけねぇーだろ。お前らのせいだ」

「はて、あなたに睨まれる覚えはありませんが」

「確かに証拠がねぇもんな。下校途中にからまれたヤクザがお前の仕向けた機関のやつだったなんてな。せっかく阪仲と一緒に帰れたのに」

「ほう、そんな事があったのですか。知らなかったとはいえ目の前で苦しんでいるただ一人の親友を慰める事もしなかったなんて。自分自身が許せませんよ」

「笑顔で言うな」

79 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:12:25 ID:EePL3Kd60

「くっくっくっ。申し訳ありません。あくまでも否定し続けるつもりだったのですが、こうも上手くいくと笑いが止まりませんね」

「やっぱりか。機関の奴等だと分かってはいたが、思わず逃げ出してしまった。もう阪仲にも嫌われた。セックスも出来ねぇよこれ」

「今だから教えて差し上げましょう。彼らは機関の者ではなくその道の人間から雇った本物です。逃げて正解でしたよ」

「古泉ぃ!こんなことしてただで済むと思うなよ!」

「はい」ニコニコ

80 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:12:57 ID:EePL3Kd60

次の日 昼休み 九組のクラス
古泉「あれ?涼宮さんではないですか。珍しいですね。どうしたのですか?」

ハルヒ「あ、あのね……、ちょっと変なこと……言うかもしれないけど……」うじうじ

古泉「はい?」

ハルヒ「購買行って……、えっと、あれ……あんぱんをね……買って…き…て……」もじもじ

古泉「あんぱん、ですか?ええ涼宮さんの頼みであればこのくらい構いませんよ」

ハルヒ「じゃあこれ……」

81 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:13:22 ID:EePL3Kd60

古泉「お代もいりませんよ。では行ってきます。涼宮さんはご自分の教室で待っていて下さい」

ハルヒ「ま、待って……!」

古泉「どうしました?」

ハルヒ「あ……あ……、あり……が…と………」

古泉「はい」

ハルヒ「……バカ……イズミ……くん……」

古泉(あのやろう!!!!)

82 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:13:52 ID:EePL3Kd60

放課後
キョン「うぃーっす」

朝比奈「こんにちわ。今お茶入れますから」

長門「……」

古泉「どうも」

キョン「いつも悪ですね朝比奈さん」

朝比奈さん「いえ、結構楽しいですから」

キョン「あっ、悪いで思い出したけど古泉にも礼を言っとかないとな」

83 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:14:47 ID:EePL3Kd60

古泉「はて、なんでしょう?」

キョン「あんぱん美味しかったよ」

朝比奈「?」

長門「……」

古泉「どういたしまして」イラッ

キョン「それよりお前、こんなところでのんびりしてていいのか?」

古泉「まったく問題ありませんが」

84 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:15:22 ID:EePL3Kd60

キョン「いや、でもお前……ハルヒが……」

古泉「涼宮さんがどうしたのですか?」

キョン「そうか。持久戦だな。ハルヒを怒らせるのが俺の切り札だったがこれは俺にとっても危険だかなら」

朝比奈「切り札……?カードゲームのお話ですか?」

古泉「くっくっくっ」

キョン「何がおかしい!知ってること全部吐け!でないとハルヒが――」

85 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:18:32 ID:EePL3Kd60

  バタァンッッ!!!

朝比奈「ひっ……」

長門「……」

キョン「ハル……ヒ……」

古泉「さぁ大変だ」

ハルヒ「キョン!部室にいるなんて良い度胸じゃない!てっきり帰ったかと思ったわ!さぁ、もう逃がさないわよ!!」

朝比奈「えっ!えっ!」

86 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:19:02 ID:EePL3Kd60

キョン「待てハルヒ!俺がどうかしてたんだ!まるで宇宙人に操られたみたく口が勝手に動いて」

ハルヒ「それはすごいわね、だったらあんたの体を解剖したら宇宙人の痕跡が見つかるかも」

キョン「古泉、助けろ……」

古泉「朝比奈さん、お茶っ葉変えましたか?」

朝比奈さん「それより涼宮さんが……」ぶるぶる

ハルヒ「今日という今日はその曲った根性を直してあげるわ。来なさい……!」ギロッ

87 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:19:29 ID:EePL3Kd60

キョン「……………はい……」

  バタン!

古泉「朝比奈さん、また腕上げましたね?」

朝比奈「どどどどうなってるんですかぁあ!?」

長門「数日前、それまで涼宮ハルヒから断続的に発生していた情報エネルギーがまったく検出されなくなった」

朝比奈「それはつまり……」

古泉「涼宮さんも普通の女の子になったのですよ。あっ、おかわりお願いします」

88 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:19:51 ID:EePL3Kd60

朝比奈「それじゃあ涼宮さんはなぜあんなに怒ってたんですか?」

古泉「彼が調子に乗って怒らせたんでしょうね。最早僕達には関係のないことですよ」

89 名前:sanngosyou[] 投稿日:2011/03/29(火) 02:22:09 ID:EePL3Kd60

ダメだ。今回もオチなかった。もうわからぁん!
でも最後まで目を通してくれた人ありがとう。



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