古泉「……仮にAさんとしましょうか」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/22(水) 03:18:28.80 ID:InBR8SWn0

どうも、こんばんわ、古泉です。
今からボクがする話は、信じられないかもしれませんが、本当にあった事なんです。
何といっても僕が実際に体験した出来事なんですから。

ボクの所属する「機関」の同僚、まあ仮にAさん、としましょうか。
年上で、ボクからすると父親くらいな感じの白髪の男性なんですけどね。

普段はとても慇懃で、すごーく丁寧な人なんです。
礼儀作法とか、完璧で。見習わなくちゃなーって思ってたんです。

しかしですね、彼、

――同性愛者だったんです。

いつでしたかね、彼、真面目な顔して、ボクに、

「古泉、実はね……、私はホモなんですよ」

そう言ったんです。

それをずーいぶん、気にしてるようだから、
ボク、彼に、おやおや、そんな事気にする必要無いじゃないですか。
そう言ったんです。
けれど、彼は気にしていたんでしょうねぇ。ええ。

彼、寂しそーな笑顔を浮かべて、

「そうかもしれませんねぇ……」

彼、それだけを言ったんです。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/22(水) 03:26:55.79 ID:InBR8SWn0

それからしばらく時が経ったある夜、ボクの携帯に電話が入ったんですよ。
その晩、ボクは森さんとベッドで一戦終えて、一眠りしてたんです。
そこに携帯電話の着信音。森さんが起きて代わりに出てくれて……、
ボク、横の森さんに「電話よ」って起こされたんです。

おやおや、今、何時ですか?
そう思いながら時計を見ると、ちょうど、深夜の二時。
いわゆる……丑三つ刻ってやつですよねぇ。

うわー、やだなぁ、眠いなぁ、なんて思いながらも、
森さんに、電話の相手は誰ですか?
聞きました。ええ。

「Aよ」

電話はあの、ホモの、Aさんだったんです。
いやぁ、気持ち悪いなぁ、閉鎖空間かなぁ、サボっちゃおうかなぁ?
なーんて思いながら電話に出ようとすると、

なんだかおかしいんです。なーにかが、おかしいんですよ。

何だか気になって、
森さんをパッと振り返ってフッと見てみると、
顔が真っ青になってるじゃないですか。
蒼白といってもいいですよ。
もう真っ白だったんです。

「あの、どうかしましたか?」

ボク、そう聞きました。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/22(水) 03:33:38.76 ID:InBR8SWn0

「なんかね、電話のA、おかしいのよ。
 『貴女には用は無い』って、それだけ繰り返して
 ……なんだか気持ち悪くって」

森さん、しずかぁーに、そう答えたんです。

おやおや、何を言ってるんですか。たぶん聞き間違いですよ。
そう言ってボク、携帯を受け取ったんです。ええ。

不思議なことに、携帯を持っていると、森さんとの距離がやけに遠く感じるんです。
このまま持っていたら、関係が切れてしまうんじゃないか。
そんなふうに感じたんですよ。

まあ、とりあえず携帯を耳に当てたんですけど……。
空気が重い。
何故だかドーンとする。
なにかおかしい。
なーにか変なんです。
そこでボク、気付いたんです。
密かーに、なにか音がしてるんです。

携帯からでした。

そこから、

『……パン……ヌ……』

聞こえた瞬間ゾーッとしました。
全身に鳥肌が出ました。
うわぁ、キモい。

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/22(水) 03:37:08.76 ID:InBR8SWn0

けれど、電話には出なきゃならない、仕方が無いので話しかけました。
ええ。

「もしもし、古泉です」

……シーンとしてました。
先程まで携帯から聞こえていた音が無い。

「もしもし」

……シーン。

「もしもし」

……シーン。

返事がない。

「もしもし、Aさんですよね」

……シーン。

「もしもし、ねえ、何かあったんですか?」

……シーン。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/22(水) 03:43:52.33 ID:InBR8SWn0

返事が無いんです。
まるで死人の様なんです。
もうボク、気持ち悪くなっちゃいましてね。

「もしもし、何も無いんなら切りますからね!」

こう、怒鳴って電話を切ろうと耳から話した瞬間、

……また、あの変な音が聞こえたんです。

『……パンツ……脱……。……待……古泉……。
 ……お前……肛……。……必……挿……』

「うわあ!」

ボク、悲鳴を漏らしてました。
逃げたい、でも携帯から手を離せないんです。

あの声がどんどん声が大きくなるんです。
ボク、叫んだんです。

「森さん、この人変だ!
 森さん、この人おかしい!」

でも森さん、こっち見てじぃーっとしてるんです。ピクリとも動かないんです。

そのままどれくらいいたんでしょうね。
ボク、携帯を耳に当てて握り締めてまんま気を失ってたんです。ええ。
気がついたら、森さんはベッドに寝てました。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/22(水) 03:48:29.13 ID:InBR8SWn0

ああ、さっきのは気のせいだったのかなぁ……。
そう思うことにして、携帯を切ろうとすると、


「古泉、パンツ脱いで待ってろ。
 お前の肛門に必ず私の陰茎を挿入させてやる」


ここでボク、気付いたんです。


ああ……彼はボクとホモセックスしたいんだな、って。

それに気付くと、ボク、お腹に力込めて、

「ボクはノンケだから無理です!」

そう、言ったんです。
しばらく無言が続きました。

すると、電話が切れました。

『……ツー、ツー、ツー、ツー』

しばらく心臓がバックンバックンしてましてね。ええ。
頭の中は、もうパニック状態でしたよ、ホントに。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/22(水) 03:55:15.86 ID:InBR8SWn0

一体、何があったんでしょうか?
ボクはまとまらない頭で考えました。
Aさんの携帯に電話をかけてもみたんですよ。
でも、出ませんでした。メールも、同じ。

仕方が無いので、気になるのを抑えながら、
ボクは森さんの豊満な胸の谷間に、顔を挟み込んで寝ちゃったんです。

次の日、ボクはAさんとも共通の仕事仲間の多丸さん(弟)に話を聞いてみたんです。

「昨日ですね、Aさんから電話が来たんですよ。
 なーんか様子が変でしてねー」

ボクの言葉で多丸さんの顔が真っ青になりました。

「古泉、それは何時の話だ?」

「えーっと、昨日の二時ですかねぇ」

こう答えると、彼、言ったんです。

「――Aは、昨日の昼に逮捕、拘束されてたので電話なんてかけられなかったはずだ」

どうも、性欲を持て余したあげく、
ボクと共通の知り合いの男子高校生を強姦して捕まったそうなんです。
男子高校生は、「何で俺ばっかり酷い目に逢うんだ!」そう号泣していたそうで。はい。

しかし、Aさん、実は射精して無かったんだそうです。辛かったでしょうねぇ。
きっと彼、直腸内に中出ししたったんでしょうねぇ。余程、悔しかったんでしょうねぇ。
その執念がボクの携帯電話に……人間の念って怖いものですよ。

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/22(水) 04:02:16.04 ID:InBR8SWn0

これは後日の話なんですけどね。

Aさんが保釈されて、ホモを治そう、って「機関」が判断しましてね。
ボク、Aさんの側に、ずーっとついてたんです。
監視ですね、要は。

閉鎖空間で戦う時も、食事する時も、トイレに行く時も。
ずーっと、一緒。

治るかなぁ、治るといいなぁ。
なぁんて思いながら毎日を過ごしてると、
何故だか、Aさんが正しいんじゃないかって思い始めてきたんです。

そんな馬鹿な、ボクはノンケだ。
なんて考えながら過ごしてると、背後に気配がしたんです。ええ。
Aさん、襲ってきました。

まあ、仕方が無い、仕方が無いってなもので、受け入れてみると、


――実に良かったんです、女なんて糞みたいなものでした。

もう、ばっちり目が覚めた。そんな感じでしたよ。
森さんには泣かれましたが、きっぱり別れました。
今では、ボクはAさんとの情事の傍ら、知り合いの男子高校生にも、
モーションをかけているところです。

彼が落ちるのも、時間の問題だと思いますよ。ええ。

いやぁ、こういうことって、本当にあるんですねぇ。

15 名前:南部十四朗 ◆pTqMLhEhmY [sage] 投稿日:2010/12/22(水) 04:04:18.71 ID:InBR8SWn0

 読んでくださった方、ありがとうございました。
 自分、これを書いている時にフッと思ったんですがね。ええ。

 もしかしたら季節はずれなんじゃないか、って。
 ネタ的にもどうなんだろう、って。
 どうしようかなぁ、困ったなぁ。
 まあ、でもいいや、書いちゃえ!
 なんて思いながら書いていると、
 何故だか、変な感じがしたんです。

 嫌だなぁ、怖いなぁ。
 なんて思いながら書いていると、気づいちゃったんです。
 ええ。

 ――もう続けるの無理だ。

 いやぁ、こういうことって、すごくよくありますよねぇ。
 それでは。

 あ、ポミーさん来たら濃厚な3P描写希望しますよ。ええ。



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