古泉「あなたのじゃありません」


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:ジャイアン「のび太を・・・野比のび太を生き返らせてくれ・・・」

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3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 07:34:24.46 ID:FJJHPgkZO


佐々木「全く困ったね。僕の意見は君達の前では意味を持たないみたいだ」

キョン「ああ、すまんが今回ばかりは譲ることができないな。なんせハルヒより佐々木の方が団長に向いている」

ハルヒ「なっ……」

ハルヒ「どこにそんな根拠があんのよ!」

キョン「佐々木は仲間を思いやることができる。それに、冷静で論理的だ。
    感情的なお前とは天と地ほどの差があるんだよ」

佐々木「僕はただキョンの……え、SOS団の仲間に入りたくて転校してきただけなんだ。
    団長の座を奪いに来たわけじゃないから勝手に話を進められても困るよ……」

古泉(しかし、いずれにしても涼宮さんの願望実現能力が佐々木さんに転移してしまった以上……
   僕達が仕えるべき人物は佐々木さんということに……)

ハルヒ「あたしは絶対に譲らないわ。SOS団の団長はあたし。
    これに納得のいかない人はどうぞ出ていってちょうだい」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 07:45:50.19 ID:FJJHPgkZO

みくる「す、涼宮さん……」

ハルヒ「いいのよ? みくるちゃんもキョンと同じ意見なら出ていっても」

みくる「ふ……ふえぇ」

ハルヒ「……」

長門「」ガタッ

みくる「な、長門さん?」

長門「涼宮ハルヒを除いたこの場にいる人間が一度退団し、新たに団を立ち上げればいい」

キョン「おお! さすが長門だな」

佐々木「ダメだ。ダメだよ、キョン」

キョン「何故だ? むしろそれ以外方法はないだろう?」

佐々木「団長に向いているのは僕じゃなくて、間違いなく涼宮さんの方だよ。
    圧倒的なリーダーシップと行動力、決断力、それに頭脳がある」

ハルヒ「佐々木さん……」

古泉「では……あまり好ましい策とは言えませんが、団長の席を2つ用意するというのはどうでしょうか」

長門「異論はない」

みくる「わ、わたしもそれがいいと思います!」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 07:56:42.49 ID:FJJHPgkZO


ハルヒ「上に二人の人間が立つなんてのは論外よ!
    必ずそれぞれの派閥が出来上がり、最終的に内部で反乱、そして分裂するに決まってるわ!」

キョン「ああ、俺も反対だ。この際ハッキリした方がいい。
    現団長さんからも退団許可が下りてんだ」

佐々木「僕に団長の務めを被る意思がないとしてもかい?」

キョン「いや、お前は完全には拒否していないはずだ。
    このまま団長の座を任せられると決定したとしても、お前は辞退しないだろう?」

佐々木「なっ……」

古泉(彼の言う通り、佐々木さんは団長という地位を決して悪く思ってはいないでしょう。
   例え本当に拒絶していたならば、願望実現能力が働いてもおかしくはないはずです。
   いえ、あるいは……)


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 08:04:30.36 ID:FJJHPgkZO


キョン「じゃあ多数決を取らして貰う」

キョン「ハルヒがこのまま団長を続けるべきだと思うやつは手を挙げてくれ」

長門「……」

みくる「……」

古泉「……」

キョン「……」

ハルヒ「……」

キョン「と、いうことだ。すまんが、現時点を持ってこのSOS団の団長は佐々木ということになった」

佐々木「……」

ハルヒ「……そう……わかったわよ。
    絶対絶対譲るつもりなんてなかったけど、あんた達がそういうのなら諦める。
    邪魔な存在であるあたしがここにいてもSOS団は成長しない。拡散の妨げになるくらいなら、大人しく身を引くわ」

キョン「ああ」

ハルヒ「……佐々木さん」

佐々木「……」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 08:10:40.91 ID:FJJHPgkZO

ハルヒ「あたしに退団命令をだしてちょうだい」

佐々木「な、なにもそんなことを」

ハルヒ「お願い。そんなに甘い物じゃないのよ。
    団長を辞める時は、あたしがSOS団をやめる時。そう決めてたの。
    それに、古参はいつまでも残りつづけるべきじゃないわ」

佐々木「そんな……」

キョン「佐々木」

佐々木「…………わかった」

ハルヒ「……」

佐々木「涼宮さんを、現時点でSOS団から除名します」

ハルヒ「…………ふうー。うん。……じゃ」ガチャ バタン

古泉(これからどうなっていくのか、注意深く観察しなければなりませんね)

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 08:20:49.24 ID:FJJHPgkZO


あれから三日が経った。
佐々木を中心とした新生SOS団は、俺達の期待を全く裏切らず安定し、毎日順調に活動を続けていた。

昨日行われた部室の一斉掃除により、ハルヒに関連するものが捨て去られ
この文芸部室からは、全くと言っていいほどハルヒの面影がなくなっていた。

ハルヒとはほとんど話をしなくなり、するとしてもかなり事務的な会話しかしないようになった。

古泉「……いやはや、能力の持ち主が佐々木さんへと変化してから、閉鎖空間は
   今まででは考えられないほど安定しています。逆に暇なくらいですよ」

長門「こちらも特に異常は見られない」

みくる「わたしも未来から何も指令がありません」

キョン「やはり団長として相応しいのは佐々木だったんだな」

佐々木「なんの話をしているのかはよく聞こえないけど、唐突に僕を褒めるのはよしてもらえないかい?
    突然の事にどう対応していいのか分からなくなってしまうよ」

キョン「ははっ、こりゃすまん」

14 名前:佐々木の口調が国木田みたいになるんだけど[] 投稿日:2010/11/12(金) 08:30:54.44 ID:FJJHPgkZO

そんなこんなで特に問題も起こらず、平和な日常が続いたのだが
SOS団が新しくなってから一週間も経った頃くらいから、徐々に何かがおかしくなっていったのである。

その原因は、異常なほどに俺を縛り付ける佐々木の行動にあった。

佐々木「キョン、昼休憩なんで僕のクラスに来てくれなかったんだい?
    一緒にお昼を共にすると約束したじゃないか」

キョン「い、いや、すまん。急に岡部に呼ばれちまってな」

佐々木「嘘だ。僕は君が女の子と二人で歩いているのを見たんだ」

キョン「待て待て、あれは鶴屋さんだ。職員室に偶然用事があるってんで、ついでに一緒に行ったんだよ」

佐々木「本当かい?」

キョン「ほ、本当だよ」

佐々木「じゃあここに鶴屋さんを連れて来てくれないかい? 本人に確かめる必要がある」

キョン「な、何をそこまで……」

佐々木「団員のことを把握するのは団長の務めだといつも言っているはずだよ?
    君を誰かに取られる訳にはいかないからね」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 08:40:26.19 ID:FJJHPgkZO


実際、鶴屋さんをここに連れて来たらまずいことになるだろう。
というと、実は俺は毎日のように佐々木に誘われることに精神的疲労を感じるようになり、
職員室に呼ばれたと偽ろうと考え、一人屋上へ向かったという事実があるからだ。
そこへ向かう途中、確かに鶴屋さんとバッタリ会ったのだが、その時は佐々木に関する悩みを少し聞いてもらっていたのだ。

つまり「職員室」などというワードは一切でてこない。
追及されたら必ずボロが出てしまうだろう。
しかし、高校に入学してからというものの、神様が俺に味方をしてくれたことは一度もなく、
今回もまた例外ではなかった。

鶴屋「おや? キョンくん奇遇だね!」


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 08:48:47.07 ID:FJJHPgkZO


とてつもなく悪いタイミングで現れたこの人を見て、俺はただただうろたえる他なかった。

鶴屋「どうしたんだい? なんだか様子がおかしいっさ」

佐々木「鶴屋さん、少し聞きたいことがあるの」

鶴屋「ん?」

佐々木「昼休憩の時、キョンと何をしてたのか教えてくれない?」

この時の俺はとにかく必死だった。佐々木にバレないよう、後ろから
鶴屋さんとどうにかアイコンタクトを取ろうと躍起になっていたのである。

鶴屋「何って、廊下で会ったから少し話しただけっさ!」

佐々木「何を話したの?」



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 08:58:26.14 ID:FJJHPgkZO


神様から敵視されている俺だったが、どうやらまだ希望は残っていたらしい。
ほんのわずかな天使が、俺に微笑んだかのように見えた。

鶴屋「……」コクリ

キョン「……」コクリ

鶴屋さんとアイコンタクトをとることに成功した。

佐々木「どんな話をしたか教えてくれない?」

再度投げかけられる質問に、鶴屋さんは答えた。

鶴屋「なんだったかなー……」

自分を指差し、口を「担任」と動かす。

鶴屋「あ、思い出したにょろ! 確かキョンくんの担任の……岡部先生っさ!
   えーっと……そうにょろ、職員室に呼ばれて、……ん? ……あ、
   んー? っと」

佐々木「どうしたの?」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 14:54:36.98 ID:FJJHPgkZO

必死に、必死に「職員室」という言葉を伝えようとしたのだが、さすがに少し複雑すぎだったようで、
鶴屋さんは困り果てた顔になっていた。
これでは不審に思われるのは時間の問題だ。もうこれしかない。

キョン「職員室行ったんじゃないですか。もう忘れちゃったんですか?」

鶴屋「あ、そ、そうだったそうだった! キョンくんは職員室に行ったにょろ!」

佐々木「…………そう、ありがとう」

鶴屋「い、いやーははは! じゃあわたしはもう行かないと! またねっ!」

キョン「は、はーい! ありがとうございましたー!」

佐々木「……」

キョン「な? な? 言った通りだったろ?」

佐々木「……キョン、明日はちゃんと来て欲しい。君とお弁当を一緒に食べたいんだ」

キョン「わ、わかった! 明日だろ? 約束する」


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 15:08:15.80 ID:FJJHPgkZO

という、確実に破れない約束をしてしまった次の日、俺が佐々木を今までと違う目で見てしまうキッカケ
となる事件が発生した。

授業と授業の間の休憩時間に、すごく落ち込んでいる鶴屋さんと遭遇したのだ。
がっくりと肩をおろし、朝比奈さんに半ば支えられながら廊下を歩いていた

キョン「どうしたんですか? そんなに下を向いて歩いて……鶴屋さんらしくないですよ」

鶴屋「……な、なんでもないっさ」

キョン「……鶴屋さん? 一体何が……」

みくる「……鶴屋さん、誰かに体操服をビリビリに破られてしまって……」ボソッ

キョン「な、なんだって!?」

みくる「しーっ! 声が大きいです!」

キョン「あっ、す、すいません……」

キョン「……」

鶴屋「……」トボトボ

31 名前:おまけ[sage] 投稿日:2010/11/12(金) 15:11:32.21 ID:FJJHPgkZO

長門「わたしの胃はまだケーキを欲している」

古泉「で、ですが……」

長門「……いけないこと?」ジッ

古泉「うっ……」キュンッ

キョン「おい長門、古泉の身にもなってやれ。そんなことしたら確実に閉鎖空間が発生しちまうぞ」

長門「……でも食べたい。……いけないこと?」ジッ

キョン「」キュンッ

キョン「いやいや、ダメだ。ダーメーだ。俺にそんな色仕掛けは通用しない」

古泉「……」

長門「……ケーキ」ジーッ

古泉「」キュキュンッ

キョン「ほら、古泉からもなんか言ってやれ」

古泉「長門さん……抱きしめてもいいですか?」

キョン「おい」

おまけ続く

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 18:29:40.62 ID:FJJHPgkZO

そうして迎えた昼休憩。さすがの俺でも今回ばかりは適当な理由をつけて
約束を破るわけにもいかず、意気揚々とは決して言えないテンションで佐々木の教室に訪れていた。

佐々木「キョン……君のためにお弁当を作ってみたんだ。是非食べてほしい」

キョン「なんだ、それなら最初から言ってくれればわざわざ自分の弁当を持ってきたりなんかしなかったのに」

佐々木「ちょっとしたサプライズのようなものだよ、キョン。どうだい? 兼ねてからの親友の手作り弁当の味は」

キョン「ああ……うまいぞ」

佐々木「これから毎日作ってこようかな」

キョン「それはさすがに遠慮しちまう。別に無理しなくていいぞ?」

佐々木「無理じゃないさ。キョン、君のためにお弁当を作るのは僕の生きがいみたいなものだよ」

キョン「ははっ、大袈裟だな」

佐々木「ううん。大袈裟じゃない。そうしていれば、キョンがどこにも行かずに、毎日僕のところに
    お弁当を食べにきてくれると思うから」

キョン「……そ、そうか」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 18:38:22.38 ID:FJJHPgkZO

キョン「あーその……昨日はすまなかったな。来なくて」

佐々木「君に謝る必要はないよ、キョン。君は岡部先生に呼ばれて、職員室に行っていたんだ。
    キョンのせいじゃない」

キョン「あ、ああ……。そうだ……佐々木」

佐々木「ん?」

キョン「鶴屋さんの服がビリビリに引き裂かれていたらしいんだ」

佐々木「それは恐ろしい事件だね。僕も気をつけないと」

キョン「ああ、そうだな。ところで、佐々木は何か知らないか? 鶴屋さんがひどく落ち込んでてな」

佐々木「さあ……僕は何も知らないよ」

キョン「……そうか、ならいいんだ。いや、すまなかった」

佐々木「くっくっ、君は謝ってばかりだね。少しはお礼を言ってみたらどうだい?」

キョン「ああ、そうだな。ありがとう、佐々木」

佐々木「いえいえ」ニコッ

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 18:42:42.28 ID:FJJHPgkZO


キーンコーンカーンコーン

キョン「うっ……ふあぁ……やっと今日の授業も終わりか」

ハルヒ「……」ガタッ スタスタスタスタ

キョン「……」

岡部「おーい」

キョン「はい?」

岡部「申し訳ないがこの資料を運ぶの手伝ってくれないか? 一人じゃ持ち切れなくてな」

キョン「ああ、いいですよ。暇なので」

岡部「助かる」


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 18:50:25.87 ID:FJJHPgkZO


スタスタ スタスタ

岡部「ところで、お前達のおかしな団体はどうなってんだあれは」

キョン「あー……いえ、ハルヒのやつが抜けてからは別に問題を起こした覚えは」

岡部「いや、そうなんだがな? ……うーむ」

キョン「? どうかしたんですか?」

岡部「この間転校してきた佐々木さんっているだろ? 確か涼宮の変わりにお前んとこの集団に仲間入りしたっていう」

キョン「詳しいんですね」

岡部「そりゃそうだ。職員室で話題に上がらない日はないくらい有名だからな、お前達は」

キョン「はぁ……」

キョン「それで、佐々木が一体どうしたんですか?」

岡部「ああ」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 18:58:19.54 ID:FJJHPgkZO


この冷や汗をとめるためには一体どうすればいいのだろうか。
昼休憩、佐々木に鶴屋さんのことについての質問をした時、思いのほか佐々木の反応が落ち着いたものだったので
俺はもう一度考え直すことにしようと改めたのだが、岡部の話を聞いた今の俺では、どうもそのようにはいかない。

岡部『いや、な。突然その佐々木がすごい気迫で俺のとこまで来たんだよ。
   それで何を聞かれるかと思ったら、「キョンが昨日の昼休憩にどこに居たのか教えてほしい」だとか
   「鶴屋という生徒のクラスを教えてくれないか」とか「先生は昨日キョンと話しましたか」とか
   お前に関することばかり聞くんだよ。正直訳がわからなかった。
   なんだ? お前達の集団は、メンバーが監視下にでも置かれてるのか?』

佐々木は知っていたんだ。
俺が嘘をついていることを。



41 名前:おまけ[sage] 投稿日:2010/11/12(金) 19:04:29.03 ID:FJJHPgkZO

長門「抱きしめられたら、ケーキが食べられる?」

古泉「も、ももちろんです!」

キョン「ちょっと待った!! それだけは俺が断じて許さん」

長門「何故?」

キョン「こんな変態ホモ野郎に長門が抱き着かれてたまるか!」

古泉「野郎とは聞き捨てなりませんね」

キョン「変態ホモはいいのかよ!」

長門「わたしは別に構わない」

古泉「変態ホモがですか?」

キョン「お前少し黙れ」

長門「……ケーキ、食べたい」

42 名前:おまけ[sage] 投稿日:2010/11/12(金) 19:14:27.74 ID:FJJHPgkZO

長門「……お願い」ジッ

古泉(うわあ……もうだめだあ)

古泉「長門さん、是非僕とお付き合いをしてください!」

長門「ケーキが食べられるなら」

古泉「ひゃっほう!」ガタッ

キョン「待て待て待て待て!」

古泉「なんですか? 長門さんはケーキが食べたい。僕は長門さんと付き合いたい。
   長門さんは食べられるなら付き合ってもいいとおっしゃっています。
   つまり利害は一致。何も問題ないはずです」

長門「わたしの財布もケーキがよくなる」

キョン「うまいこと言わんでよろしい!!」


43 名前:本編[sage] 投稿日:2010/11/12(金) 19:20:32.34 ID:FJJHPgkZO


キョン「許さん! 絶対に許さんぞ俺は!」

古泉「何故ですか? ……あ、もしかして長門さんが男性とお付き合いするということが、あなたはたまらなく嫌だと?」

キョン「はあ? 違いますぅ」

古泉「じゃあ涼宮さんに今から告白してきます」

キョン「おう! 行ってこい! ファイトだぞ古泉!」

古泉「いえ、やはり朝比奈さんに告白してきます」

キョン「……まあ、お前が告白したところで相手にされないとは思うがな」

古泉「ではやはり長門さんに」

キョン「許さん」

古泉「おかしいでしょう……」

長門「ケーキ出せ! 早くケーキ出せよ!!」



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 19:27:39.00 ID:FJJHPgkZO


古泉「とにかく僕はもう長門さんの虜ロールなんです」

キョン「苺ロールみたいに言うな! しかもそれ全然意味違ってくるぞ」

古泉「こうなったらもう! 長門さんに決めて貰うしかありません!」

キョン「ああ、そうだな!」

古泉「長門さん! 付き合うならどちらがいいですか!?」

長門「ケーキ!」

キョン&古泉「うわああああああああああ」チクショウ

ハルヒ「なにやってんのよこいつら……」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 19:34:59.66 ID:FJJHPgkZO


キョン「なんだと!? もともとはお前がさっさとケーキを食べないから俺がフラれる羽目になったんだろうが!!」

ハルヒ「無茶苦茶ね……」

古泉「あなたのじゃありません」

ハルヒ「え?」

古泉「あのケーキはもう長門さんのですよ」

長門「」ガタッ

ハルヒ「いやいやいやいや! 正真正銘あたしのだから! まだ食べてないから!」

キョン「古泉お前! 自分だけ長門のポイント上げようってか!?」

長門「古泉一樹、一歩財布に近づきましたー」

キョン「ちくしょおおおおおおおお!!!」チクショウ

ハルヒ「プライドのかけらもないんかい!!」



48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 19:44:22.86 ID:FJJHPgkZO

ハルヒ「もうメンドクサイから今食べちゃうわよ」

古泉「なっ!!」

キョン「聞きました!? 奥さん今の聞きました!?」

古泉「ええ! ハッキリと! あの人ったら、ケーキ欲しがってる子供がいるのに(長門)全部自分で食べちゃおうですって!」

キョン「やぁねえ!」肩をペシッ

古泉「やぁねえやぁねえ!」肩をペシペシッ

キョン「これだから顔だけいい女は」

ハルヒ「どこのババァよ……なんなのよもう」

長門「もう我慢できねえ、朝比奈みくるから絞り出してくる」

ハルヒ「何を!?」

長門「金」

ハルヒ「根っからの最低じゃない!!」

長門「止めないで」ガタタッ

ハルヒ「いやいやいやいや!!」ガシィッ

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 19:50:42.19 ID:FJJHPgkZO


古泉「長門さん長門さん! それなら僕も一緒に行きます!」

長門「いい、足手まとい」

キョン「ははっ! ざっまぁみろぉ古泉ぃ!! 長門ー? 俺ならいつでも左手空いてるぞー?」ニコッ

ハルヒ「もう行ったわよ」

キョン「うそーん!!」

古泉「あなたのせいだ!」

キョン「そうだそうだ!!」

ハルヒ「ええぇ……」



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 19:55:19.42 ID:FJJHPgkZO


ハルヒ「もう! めんどくさいわね!!」

ハルヒ「いいわよ! このケーキ持って行って有希に告白なりなんなりすればいいじゃない!!」プンスカ

古泉「いやっほおおおおおおおう!! 行ってきまーーーす!!」ガタタッ

キョン「待てこらぁ!!!」ボキャ

古泉「はぁん! 何すんのよ!!」

ハルヒ「なんなのよもうほんとに……」



52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 19:58:55.53 ID:FJJHPgkZO

キョン「そのケーキは俺のだ!!」

古泉「いいや、僕のです!!」

キョン「俺のだ!」グイッ

古泉「僕のです!!」グイッ

キョン「俺のだ!!!」グイグイッ

古泉「僕のです!!!!」グイグイッッ

グチャッ

ハルヒ「あ……」

キョン「……」

古泉「……」

キョン&古泉「(;゜3゜)〜♪」

ハルヒ「あんたら死ぬべきよ」



53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 20:02:57.64 ID:FJJHPgkZO


ガチャ

長門「ふう、ちょろいな」チャリン

ハルヒ「いやー!! 有希が真っ黒になったー!!」

長門「? それなに?」

キョン「え?」

古泉「ははっ」

長門「なんでわたしのケーキ潰れてんの?」

キョン「え?」

古泉「……禁則事項です♪」ウリンッ

キョン「ひゅーう!♪」

ハルヒ「……」

長門「……」


54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/12(金) 20:07:10.95 ID:FJJHPgkZO


長門「消えろ。拡散しろ」

古泉「いやいやいやいや! 待って下さい!」

キョン「そうだ! あれを落としたのはハルヒだぞ!?」

ハルヒ「はあ?」

長門「それは事実?」

ハルヒ「んなわけないでしょ」サラッ

キョン「……最低だな」

古泉「ええ。団長が団員を思いやれないなんて」

古泉「というわけで」

古泉「その団長腕章は佐々木さんの為の物です、即刻外してください」

ハルヒ「……………」


終わり



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