ハルヒ「SOS団は解散するわ」


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:アカギ「死ねば助かるのに……」ジグソウ「ほう」

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378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 00:05:12.10 ID:7Ht+l4wF0

キョン「で、どうしたらいいんだ?」

朝倉「先に言っておくけど、凄く難しいことだからあんまり期待しないでね?」

キョン「あぁ、わかった」

朝倉「じゃあ話すわね。 一連の騒動の原因は貴方が水死したこと。 自責から涼宮さんは世界をリセットした」

キョン「長門の話のと一緒だな」

朝倉「じゃあその自責をもう一度与えたらどうなると思う?」

キョン「まさか」

朝倉「SOS団を解散した事を、涼宮さんが世界を巻き戻してしまうほど後悔させれば良い」

381 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 00:10:45.11 ID:7Ht+l4wF0

朝倉「SOS団の要だった貴方が薬に走って、こんな所に入っても涼宮さんは全く後悔していない」

キョン「……」

朝倉「それどころか逆にウザったいのがいなくなって清々しい気分でしょうね」

キョン「……俺は……」

朝倉「一体どうやったら涼宮さんが後悔してくれると思う?」

キョン「……」

朝倉「貴方含め3人を死に至らしめた後悔、自責、そんなのから作られたこの世界の涼宮さんを」

キョン「それ……以上の……に晒す……」

朝倉「方法は教えてあげたわ。 後は貴方がどうするか」

キョン「……」

383 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 00:28:06.52 ID:7Ht+l4wF0

キョン「ハルヒを後悔させる……。 でもそれは……。 今のハルヒの世界は……」

長門「朝倉涼子の話に耳を貸さないで」

キョン「長門!? どうして! お前!」

長門「彼女の話は飛躍しすぎている。 SOS団がもどる確証もない」

キョン「……」

長門「もう忘れて。 SOS団は楽しかったけれど、もう過去だから」

キョン「そんな事できるか!」

長門「でも貴方には涼宮ハルヒを後悔させることもできない」

キョン「俺は……でも……」

長門「はっきりという。 貴方は無力。 何も出来はしない」

キョン「……あぁ、それはわかってる。 わかってるんだ……でも希望があることを知ったら……」

長門「そう。 じゃあ私はもう貴方に相応しくない。 さようなら」

キョン「長門!? 長門どこだ! 長門ぉ……」

386 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 00:37:28.79 ID:7Ht+l4wF0

古泉「おやおや、ふられてしまいましたか」

キョン「古泉……」

古泉「イギリスからちょっと用事でこちらにきたら大変なことに」

キョン「お前も知っているのか? この世界を戻す方法を」

古泉「えぇ、最初から知っていました」

キョン「教えてくれなかったのは……」

古泉「僕には僕の世界があるんですよ」

キョン「組織か?」

古泉「いえ、個人的にです。 イギリスも、結構楽しいですよ?」

キョン「ここは楽しくもなんとも無い」

古泉「現状を打開したいなら、動いてみてはいかがです?」

キョン「俺に味方してくれるのか?」

古泉「僕がそういう人間じゃないことぐらいご存知のはずですが」

キョン「そうだったな」

古泉「それでは僕はこの辺りで。 検討を祈りますよ」

390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 00:45:16.39 ID:7Ht+l4wF0

朝比奈「こんにちはキョンくん」

キョン「朝比奈さんまで。 今日は来客が多い」

朝比奈「ふふっ」

キョン「知ってるんでしょう?」

朝比奈「はい。 キョンくんが何を企んでるのかも、お見通しです」

キョン「俺はまだやるとは決めてませんよ……、そう、まだ決めてない……」

朝比奈「でも、戻したいんでしょ? この世界を消滅させて」

キョン「……」

朝比奈「私も、私の彼も、全部消滅させて……」

キョン「……」

朝比奈「SOS団で過ごした日々は本当に楽しかったけど、今は、今の皆の世界があるのよ」

キョン「わかってます。 わかってるんです」

朝比奈「……そう。 だったら、私の言いたいこともわかってるんだよね?」

キョン「……はい」

朝比奈「それじゃ、またねキョンくん」

392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 00:52:34.80 ID:7Ht+l4wF0

朝倉「答えは出たのかしら」

キョン「まだだ。 まだ、決められない」

朝倉「優柔不断ね」

キョン「その通りだ。 でも」

朝倉「自分は無力だし、この世界を壊す権利もない。 でしょ?」

キョン「あぁ……」

朝倉「それは本心なの? それとも建前なの?」

キョン「わからない」

朝倉「教えてあげる。 貴方の本心は、涼宮さんを傷つけたくないという気持ちよ」

キョン「わからない」

朝倉「SOS団を解散させて、貴方を捨てて、自分は楽しく、貴方は苦しく」

キョン「……」

朝倉「この現状の原因は全部涼宮さんにあるのに、それでも大切に思ってるの?」

キョン「……」

393 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 00:58:54.58 ID:7Ht+l4wF0

朝倉「この世界の涼宮さんなんて、貴方の思ってた涼宮さんじゃないんだから」

キョン「……」

朝倉「この世界なんて、貴方の暮らしていた、暮らしていたい世界じゃないんだから」

キョン「……さい」

朝倉「この現状なんて、貴方にとって何の楽しみも利益もないんだから」

キョン「……うるさい」

朝倉「全部壊してしまったらいいのよ。 どうせ壊れたあとの世界なんだから」

キョン「うるさい! 俺は! でも! まだ!」

朝倉「ま、やりたくなったらやればいいわ。 悩む時間はたっぷりあるわけだし」

キョン「俺は、俺はああああああああああぁぁあ」

395 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 01:15:42.09 ID:7Ht+l4wF0

医師A「おい、またあいつが暴れてるらしいぞ!」

医師B「まったく! あんな地下の閉鎖された部屋で治療も何も無いだろうが」

医師A「お前……そうかまだここに来て日が浅かったな」

医師B「あぁ……」

医師A「あいつはもうダメだ。 完全にいかれてる。 治しようがない」

医師B「いやでも」

医師A「あいつはずっとあいつの創りだした人格と一人で話している。 もう15年だ」

医師B「……」

医師A「しかもほぼ同じ内容をだ。 もう身内も入院費用を振り込むだけで会いにはこねぇ」

医師B「はぁ、でも、なんで15年もあんなところに居るのにあんな暴れる体力があるんだろうな」

医師A「さぁな。 死んでほしくないとか、丈夫に育って欲しいとか、そんな魔法でもかかってんじゃないか?」

医師B「医者が魔法なんて言葉使うかね。 確かにまぁ、不思議だわなぁ……」

医師A「ほら行くぞ。 形式上何かしらアクション起こしておかないとあとで面倒なことになるからな」

医師B「あぁ。 そんな話聞いたらあんまり気がのらないが……」

END

408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 02:43:54.11 ID:7Ht+l4wF0

キョン「わかった。 やろう」

朝倉「あら、まさかの展開ね」

キョン「色々思うところもあるが、俺はSOS団を取り戻したい。 ただそれだけのために行動する。 ほかは切り捨てる」

朝倉「決心は硬いみたいね。 私たちもバックアップしてあげるから、何でも頼んで頂戴」

キョン「そうだな。 まずは退院。 そして俺がこの病院にいた形跡を完全に消して欲しい」

朝倉「ここに入ったという部分は?」

キョン「それは消さなくてもいい。 俺が高校生活半ばで隔離されて音信不通なのは、これからの展開で都合がいいからな」

朝倉「了解ー。 はい、完了。 さぁ、さっさとこんな暗い場所でましょ」

キョン「あぁ、俺はやっと、今日から変われそうだ」

414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 03:15:55.24 ID:7Ht+l4wF0

キョン「さて、俺が入院してから半年か。 時間を戻せたりはしないよな?」

朝倉「それはさすがに無理ね」

キョン「だろうな。 戻すつもりもないが。 本題だが、まずはハルヒの両親を殺して欲しい」

朝倉「過激ねぇ。 しかも死なせてじゃなくて、殺してだなんて」

キョン「金品を殆ど奪って、強盗殺人という形で頼む。 死体はかなり凄惨に、でも死ぬときは苦痛なくやってくれ」

朝倉「最後の良心ってところかしら」

キョン「第一発見者はハルヒで、その後は、出来ればマスコミが騒ぐように」

朝倉「以前のキョンくんからは有り得ない注文ね」

キョン「そりゃそうだろ、俺は前の世界のキョンじゃないんだから」

朝倉「でも、両親がいなくなったら小さくても閉鎖空間とかできちゃうんじゃない?」

キョン「どうにかできないか?」

朝倉「できるのはできるけどー」

キョン「古泉達に気づかれると厄介なんだ、頼む」

朝倉「はいはい」

415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 03:18:18.75 ID:7Ht+l4wF0

TV「この平和だった街に一体何が起こったというのでしょう……」

朝倉「どうかしら?」

キョン「上出来だ。 まだ一歩目だけどな」

朝倉「涼宮さんは憔悴しきってるけど、大丈夫なの?」

キョン「それが目的だろ? 大丈夫だ、問題ない。 絶対に世界は元に戻す。 信じてくれ」

朝倉「それはまぁ、信じるけどぉ。 ほんと、変わっちゃったわね……」

キョン「……さて、次はハルヒの彼氏だな」

朝倉「また殺すの?」

キョン「いや、彼氏にハルヒをふらせるだけでいい」

朝倉「それは楽ねー」

キョン「このタイミングでふるってのは、面倒な展開になったから捨てようって意志が丸見えだからな」

朝倉「鬼畜……」

417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 03:24:47.90 ID:7Ht+l4wF0

朝倉「さぁ、次はどう出るの?」

キョン「ハルヒに次の彼氏ができないように手回しをする」

朝倉「具体的には?」

キョン「特にない。 とにかくハルヒに心の拠り所をつくらせないことだ」

朝倉「本当に淡々としてるわね」

キョン「俺だって心苦しいんだ。 でもやると決めた以上、やり遂げるしか無いだろ……」

朝倉「男ねー。 惚れちゃいそう」

キョン「やめてくれ」

419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 03:32:09.62 ID:7Ht+l4wF0


朝倉「ねぇ、涼宮さん、相当まいってるみたいだけど大丈夫なの? 彼女に死なれたらもともこもないんだけど」

キョン「その辺りはそっちがなんとかしてくれ」

朝倉「便利屋だと思っちゃって……。 でも相談できる友達とか居ないのかしらね」

キョン「ハルヒの性格だと、女友達はできないだろうからな」

朝倉「涼宮さんのことよく見てるのねぇ」

キョン「そりゃな……」

朝倉「で、次はどうする?」

キョン「高校を退学させる。 最初で貯金もなくなってるはずだからな。 学費云々でいけるだろ」

朝倉「それは私に頼まなくてもそのうち同じ展開になりそうだけど」

キョン「じゃあ、親類との関係を切ろう」

朝倉「涼宮さんを孤立させたいの?」

キョン「あぁ。 でも孤立させるだけじゃ、ない」

朝倉「ふぅん……」

424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 03:39:35.68 ID:7Ht+l4wF0

キョン「さて、ハルヒの様子はどうだ?」

朝倉「朝比奈みくるがかなり支援してるみたいで、少しは元気出てきたみたいよ」

キョン「朝比奈さんか……」

朝倉「やっぱり未練あるんじゃない。 惚れるのやめようかなー」

キョン「ぐ……。 惚れて欲しくはない、が、確かに朝比奈さんをどうにかするのには抵抗が」

朝倉「全く。 貴方はもう取り返しつかないことやってきてるんだから」

キョン「わかってる……。 朝比奈さんは……」

朝倉「……」

キョン「朝倉、朝比奈さんに化けれるか?」

朝倉「出来るわよ?」

キョン「よし、その姿で未来で何が起こるか!みたいなのをどっかにたれこんでくれ」

朝倉「無理やり未来に返しちゃうってことね」

キョン「これで、ハルヒが一人になる。 暫くしたら俺が動けるようになるはずだ」

朝倉「ふーん。 まぁいってくるわね」


427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 03:47:16.90 ID:7Ht+l4wF0

朝倉「涼宮さん、もうなんか見てられないわ……」

キョン「俺もだ。 でもこれでいい。 今からが本番だ……」

朝倉「これから私はどうしたら?」

キョン「とりあえず待機しててくれ。 頼みたいことがあったらまた世話になる」

朝倉「はぁ、頼むわよ。 私たちは相当貴方に期待してるんだから」

キョン「期待か。 俺は俺のためにやってるみたいなもんだからな……」

朝倉「じゃ、そのついでってことでいいわ。 私個人はこの先どうなるのか楽しみに思ってるし」

キョン「そう言ってくれると楽になる。 じゃあ、仕上げに行ってくる」

430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 03:55:04.12 ID:7Ht+l4wF0

ハルヒ「どうして……、私がこんな目に……」

キョン「……おい、ハルヒか?」

ハルヒ「キョン……?」

キョン「ハルヒ! 久しぶりだな……」

ハルヒ「そうね」

キョン「……あー、そのなんだ、そこの喫茶店でも入らないか?」

ハルヒ「……嫌」

キョン「じゃあ、えっと、そうだな……」

ハルヒ「あそこの公園がいい」

キョン「おぅ。 コーヒーでも買ってくるから行っててくれ」

ハルヒ「まって、私も一緒に行く。 ……一人にしないで」

433 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 04:04:47.09 ID:7Ht+l4wF0

キョン「……」

ハルヒ「……」

キョン「……その、大変だったな」

ハルヒ「あんたこそ高校の途中で居なくなって……」

キョン「あぁ……」

ハルヒ「……気付いたら古泉君も転校してて……」

キョン「……」

ハルヒ「有希も、居なくなってて……」

キョン「そうか……」

ハルヒ「朝比奈さんも……」

キョン「……」

437 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 04:15:01.32 ID:7Ht+l4wF0


ハルヒ「あんたに言うのも悪いけど、私、あの事件のあとにふられちゃって」

キョン「……」

ハルヒ「こんな面倒な事はごめんだって顔してた」

キョン「……」

ハルヒ「私は、好きだったのに、一人で盛り上がってただけだったみたい」

キョン「……」

ハルヒ「皆そうだった。 私のことをすごくメンドくさそうに見るの」

キョン「……」

ハルヒ「……高校も、退学になって、私もう、何も無くなっちゃった」

438 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 04:16:30.13 ID:7Ht+l4wF0

キョン「……俺がいるだろ」

ハルヒ「え?」

キョン「今ここに、お前の隣に俺がいるじゃないか!」

ハルヒ「でも私、SOS団解散させて、キョンのこと無視して……」

キョン「あぁ、そのせいで俺は高校も辞めた。 けど、それはもう昔の話だ」

ハルヒ「キョン……?」

キョン「そうだ……全部昔の話だ。 俺がSOS団にいたのは、楽しかったから、だけじゃない」

ハルヒ「……」

キョン「惚れた女が、ハルヒが居たからだ」

ハルヒ「……」

441 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 04:19:19.61 ID:7Ht+l4wF0


キョン「なぁ、俺の所にこないか?」

ハルヒ「でも……私……今こんなだし……」

キョン「構わないさ。 それに、惚れた女がこんなに弱ってるのに手を差し伸べないなんて男じゃねぇ」

ハルヒ「あんた、変わったわね……」

キョン「あぁ、お前もな」

ハルヒ「……そ、うね……」

キョン「ほら、行こうぜ。 長門のいたマンション覚えてるか? 俺あそこに住んでんだぜ?」

ハルヒ「へぇ……。 あんなに金欠で奢り渋ってたキョンが……出世したわねぇ」

キョン「ちょっと調子戻ったんじゃないか? しおらしいハルヒもいいが、元気なハルヒの方が好きだな」

ハルヒ「っ……! このバカキョン!」

キョン「ははは……」

443 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 04:22:23.12 ID:7Ht+l4wF0

ハルヒ「ねぇキョン。 今日であの時の再会から1年ね」

キョン「そうだな」

ハルヒ「あの時の現実が嘘みたいに、キョンと再会してから楽しい時間がずっと流れてて……私……」

キョン「……」

ハルヒ「ほんと、キョンには感謝しても仕切れないわ。 謝っても謝りきれないけど……」

キョン「あぁ、本当に色々あったからな……」

ハルヒ「うん……。 そうだ、今日はキョンの好きなカレー作ったわよ!」

キョン「なぁハルヒ。 今幸せか?」

ハルヒ「な、なによ! そんな恥ずかしい……」

キョン「どうなんだ?」

ハルヒ「そうねー。 うん、嘘みたいに楽しくて、幸せね!」

キョン「そうか。 まぁ、嘘なんだけどな」

ハルヒ「えっ?」

447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 04:26:48.85 ID:7Ht+l4wF0


ハルヒ「ど、どういう、嘘って? え?」

キョン「お前の両親を殺したのは俺だ」

ハルヒ「な……」

キョン「お前の彼氏にお前をふらせたのも俺だ」

ハルヒ「……」

キョン「親類との縁を切らせたのも、俺だ」

ハルヒ「……」

キョン「高校を辞めさせたのも俺だし、朝比奈さんを消したのも俺だ」

ハルヒ「そ、そんな笑えない冗談は……」

キョン「冗談じゃない。 全部俺がやった」

451 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 04:28:06.71 ID:7Ht+l4wF0

ハルヒ「でもそんな、個人の能力じゃ……」

キョン「俺がどうしてこんな贅沢な部屋に暮らしてると思う? 金があるからだ」

ハルヒ「……」

キョン「株ってわかるか? 俺はあれで一山当てた。 まぁ一山程度って量じゃないがな」

ハルヒ「う、嘘よ……」

キョン「嘘じゃない。 ほら、その一度も開けさせなかった部屋開けてみろ。 金が置いてある」

ハルヒ「……こんな……札束……」

キョン「金を出したら喜んで殺人も、縁切りも、引き受けてくれた」

ハルヒ「どうして、そんな……」

キョン「お前が俺から、俺の全てだった、SOS団を奪ったからだ」

453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 04:29:22.14 ID:7Ht+l4wF0

ハルヒ「そんな……だって……」

キョン「俺の喪失感、絶望感、そりゃ酷かったね」

ハルヒ「あ……う……」

キョン「捨てられる辛さ、わかっただろ?」

ハルヒ「……」

キョン「何もかもなくしてしまう辛さわかっただろ?」

ハルヒ「ごめん……ごめんなさい……」

キョン「……許すよ」

ハルヒ「え?」

キョン「SOS団を解散して、俺を絶望の底に落としたこと、全部許してやる」

455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 04:31:30.07 ID:7Ht+l4wF0

ハルヒ「え、い、いいの……? 私…」

キョン「あぁ。 でもな、一つ許せないことがある」

ハルヒ「……何……?」

キョン「お前に復讐しようと、お前をもう一度手に入れようと、俺がやってきたこと全部が許せない」

ハルヒ「な、キョン! まって! 何をするの! そのナイフを置いて!」

キョン「1年前、俺はお前を拾った。 それは今日の復讐のためだった」

ハルヒ「キョン!」

キョン「でもな、この1年一緒に過ごして思ったよ。 やっぱり、復讐劇なんてやっちゃいけなかったって」

ハルヒ「やめ、置いて、ねぇ、待ってよ」

キョン「だから、俺はけじめをつける。 そこにある金でお前は一生暮らしていけるはずだ」

ハルヒ「や、やめてよ、また私を一人にするの?」

キョン「……じゃあな、ハルヒ。 いつだったかのポニーテールは最高に似合ってたぜ」

ハルヒ「キョンー!」

457 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 04:33:08.88 ID:7Ht+l4wF0

朝倉「はぁ? お金を大量に部屋にだして欲しい!?」

キョン「あぁ、明日で1年だからな。 仕掛ける」

朝倉「はぁ、大丈夫なんでしょうね」

キョン「大丈夫だ。 上手くいく、と思う」

朝倉「頼むわよ……」

キョン「おう。 あぁ、後、何があっても手出ししないでくれ」

朝倉「……わかったわ」

458 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 04:34:44.08 ID:7Ht+l4wF0

ハルヒ「……なによ、お金なんてあったって……どうしようも……ないじゃない……」

ハルヒ「私は……また一人……」

ハルヒ「しかも、間接的に、私が、キョンを、殺した……?」

ハルヒ「また、私が殺した……」

ハルヒ「……私が―――」

459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 04:35:57.69 ID:7Ht+l4wF0

ハルヒ「キョン! 今日のSOS団の集まりは無しよ!」

キョン「はぁ? なんでまた」

ハルヒ「私とデートしましょ!」

キョン「あー、今なんて言った?」

ハルヒ「私と、デート!」

キョン「俺とお前は一体いつからそんな関係になったんだ」

ハルヒ「えーと、前世!?」

キョン「お前……頭打ったか?」

ハルヒ「な、なんかそんな感じがしただけよ!」

谷口「おーおー、お熱いことで」

キョン「谷口……」

ハルヒ「私はキョンが居ないとダメなの!」

キョン「あ、あぁ、わかった、わかったから静かにしてくれ、授業中だ」

END

468 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/17(日) 04:50:07.97 ID:7Ht+l4wF0

こんな時間まで付き合ってくれてありがとうなんだぜ
俺のはあくまで>>1のSSがあってこそだからな!

齟齬と、便利すぎる朝倉さんは申し訳ない



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