ある世界の、ある日の、ある少女達の会話


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:キョン「お前って彼氏いるんじゃないのか?」

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1 名前:吉星 ◆ObCLeKAw2g [] 投稿日:2010/08/11(水) 11:56:12.33 ID:MmHMaI2s0

“木枯しに抱かれて” 小泉 今日子

2 名前:吉星 ◆ObCLeKAw2g [] 投稿日:2010/08/11(水) 12:38:02.98 ID:2FIBY2mcP


 「ねえ、かがみって『ハルヒ』のラノベのほう、全部読んだんだよね?」

 「うん、それがどうかしたの?」

 「じゃあさ、その中にかがみって出てくるの?」

 「は?」(コ、コイツ頭ヤバくなってないか……待てよ、これはチャンスかも)

3 名前:吉星 ◆ObCLeKAw2g [] 投稿日:2010/08/11(水) 12:48:15.13 ID:2FIBY2mcP


 「さーあ、どうだったかしらねえ?」

 「ええー、もったいぶらないで教えてよ」

 「いいわよ。でも、ヲタクの名にし負うあんたが、

  まさか内容について私に聞く日がくるとはね」

 「うっ…。分かった。自分で読むよ」

 「私の貸そうか?」

 「いい。買ってくるよ。ポイントつくし」

 「そう」(やった!しめしめ……)

4 名前:吉星 ◆ObCLeKAw2g [] 投稿日:2010/08/11(水) 12:59:57.90 ID:2FIBY2mcP


 「あ、そういえばこなたも行くでしょ?」

 「どこへ?」

 「ほら、話したでしょ、涼宮さん達のところへよ。

  あんた前から聖地を巡礼したいとか言ってたじゃない」

 「ああ、行く行く。ふっふっふ……かがみん」

 「な、何よ」

 「でもつきあい始めの二人の間にのこのこ入ってお邪魔するほど、

  私は無粋な女じゃないよー。それとも二人っきりは怖いのかい?」ニヤニヤ

 「ちょっ…変なこときにしてるんじゃないわよ。それに、今さら怖いものなんてないわ」

5 名前:吉星 ◆ObCLeKAw2g [] 投稿日:2010/08/11(水) 13:07:49.34 ID:2FIBY2mcP


 「ほぉー、それはまたどういう」

 「古泉くん、言ってたもの。自分の能力が消えたわけじゃないから、

  きっとまだ何かある。それでも必ず守るから、つきあってほしいって」

 「それで、かがみはどう答えたの?」

 「どうもこうもないわよ。構わないけ死なないでって」

 「はーーーっいや〜〜参ったねこれは。かがみんは思い込んだら真っ直ぐの人だったんだねぇ、

  てっきりツンデレの王道を行くものだと踏んでたんだけど」

 「こなた、それは相手によるわよ。私そんなに人間できてるわけじゃないから」

8 名前:吉星 ◆ObCLeKAw2g [] 投稿日:2010/08/11(水) 13:17:49.72 ID:2FIBY2mcP


 「ふーん、それはどういう意味なのかな?」

 「だからあんただって大事だって…ちょっと、何言わせるのよ!

  そ、それを言うならあんたこそいい男だと思ったらすぐ捕まえるものだと思ってたけど、案外奥ゆかしいじゃない」

 「‥そりゃ、ね。だって私ハルヒ観てたから。話的に、ながもん攻略もアリとは思うけど、基本ハルキョンだからね。

  それに…実際にハルヒとキョンに会ったら、二人の幸せを願わずにいられないよ。

  私とずっと友達でいたいって言ってくれたの嬉しかったし」

9 名前:吉星 ◆ObCLeKAw2g [] 投稿日:2010/08/11(水) 13:25:35.47 ID:2FIBY2mcP


 「こなた……」

 「みゆきさんはどう思う?ていうかワケ分かんないでしょ?」

 「泉さん……私はSF小説のような現象が起こるとは正直にわかには信じられませんでしたが…

  …〈神隠し〉のような伝承は確かにあります」

 「泉さんがその、キョンさんへの思いを秘めたまま、ということはお恥ずかしいのですが、

  私には何も申し上げられることがなく……」

10 名前:吉星 ◆ObCLeKAw2g [] 投稿日:2010/08/11(水) 13:33:59.34 ID:2FIBY2mcP


 「みゆきさんはやっぱりマジメだなあ。でも、ありがとね。

  あ、そうそうかがみってさ、凄く積極的なアプローチするんだよ、たとえば…」

 「ちょっっこなた!?」

 「あ、でもあの晩のかがみも捨てがたいな。すごくかわいいんだよ、かがみさ」

 「こなた。……久し振りに屋上に行こうか」


   キャーカガミサマーゴムタイヲー

   マテコラァ!!

 「…ゆきちゃん、ちょっといい?」

 「どうなさいました?」

 「こなちゃんのこと……」

 「はい」

11 名前:吉星 ◆ObCLeKAw2g [] 投稿日:2010/08/11(水) 13:43:17.08 ID:2FIBY2mcP


 「こなちゃん、キョンくんに結局告白しないままで……

  それなのにハルちゃんもキョンくんもわざわざこなちゃんに、

  結婚するって報告までしにくるなんて……あんまりだよ、こなちゃんがかわいそうだよ」

 「うーん、その‥涼宮さんとお相手のキョンさんがご一緒に見えたんですか?」

 「そうみたい……」

 「そうでしたら、涼宮さんもキョンさんも泉さんの気持に気づいておいでの上なのではないでしょうか」

 「ええっそんな、だったら余計に…」

 「泉さんは傷付かれたでしょうね」

 「ぅぅっぅっ…」

 「…でもだからこそと思われたのかもしれません」

12 名前:吉星 ◆ObCLeKAw2g [] 投稿日:2010/08/11(水) 13:50:57.68 ID:2FIBY2mcP


 「?」

 「お話を伺っていますと、泉さんがどんなに涼宮さんとキョンさんのことを好きか、

  伝わってくるような気がします。そしてきっと、涼宮さんたちも同じくらい、泉さんのことを好きなのだと思います」

 「どうして……?」

 「私たちと同じ年で、お二人が結婚を決意されたのは、決して軽々しい気持でなく、

  並々ならぬ覚悟を秘めた上でのことだと考えられます。泉さんのお気持ちを背負った上で、

  お互いを一生大事にする契約を結ぶという、一つのカタチとして答えを出されたのだと思います」

 「そんなの都合がよすぎるよ…」

13 名前:吉星 ◆ObCLeKAw2g [] 投稿日:2010/08/11(水) 14:03:24.20 ID:2FIBY2mcP


 「そのことも充分分かっておいでだと察します。普通ならば、そこで疎遠になる所です。

  しかし、その上で、それでもお二人は泉さんとおつきあいしたいと願われて、

  泉さんの所へいらしたのだと思います。お互いの相手と同じくらい、泉さんのことを大事にするという思いとともに。

  そして、泉さんにその申し出が断られることも覚悟の上で」

 「それで……こなちゃん……」

 「相手のことを真剣に想えば想うほど、叶わなかった時に心に空いた穴は大きくなるのかもしれません…。

  泉さんが無理をして抑え込んでいるようにも見えます…それでも」

 「私は泉さんの心の広さと愛情の深さを尊敬します。

  私には経験が無いけれど、とてもそこまではおつきあいできないと思います。

  そして、少しうらやましく感じます。泉さんと涼宮さん、そしてキョンさんがまるで兄弟のような絆で結ばれていることに」

 「……………こなちゃんもハルちゃんもキョンくんもいかほど〜、だよ」

14 名前:吉星 ◆ObCLeKAw2g [] 投稿日:2010/08/11(水) 14:11:51.92 ID:2FIBY2mcP


 「それはつかささんも。どんだけ優しいの、です」

 「ゆきちゃんもだよ。ありがとう。私、こなちゃんが本当に元気になるまで待つよ!」

 「私も泉さんを信じて見守ります」

 「私も不本意ながら同感ね。これ以上こなたがからかってくるのがエスカレートしても困るけど」

 「禿同!てか私のことか。いやいや〜華の乙女の時間は自分に使ってこそだよー?」

 「あら」

 「!?こ、こなちゃん 今の話聞いてたの?」

 「うん。つかさとみゆきさんの愛が私にじわ〜っとしみこんできたよ」

15 名前:吉星 ◆ObCLeKAw2g [] 投稿日:2010/08/11(水) 14:20:19.01 ID:2FIBY2mcP


 「…ねえ、こなちゃん」

 「なに?つかさ」

 「こなちゃんが元気になってほしい、前のように心から笑っててほしいって私は思ってるよ。

  でもそれは私の願いだから。

  こなちゃんの心にぽっかり穴が空いたままで。ずっと胸がひしゃげちゃいそうなくらい痛くて、痛くて、

  心が辛いよーって叫んでるままだとしても。

  ごめんね、私には分からなくて。

  でも、だとしても私はずっとずっと、こなちゃんのそばにいたい。

  前のとおりのこなちゃんに戻れなくてもいいから、こなちゃんにいてほしい…」

だめだ、私。一番辛いのはこなちゃんなのに。こなちゃんの気持ちが分からない自分が悔しくて、

きっとこなちゃんは私の何倍も何十倍も辛いんだろうな、って考えたらもっと悲しくなって。

気がついたら勝手に涙が流れてた。

16 名前:吉星 ◆ObCLeKAw2g [] 投稿日:2010/08/11(水) 14:26:16.61 ID:2FIBY2mcP


 「つかさぁ…」

こなちゃんの目にふわぁって涙がこぼれるまで溜まって、私に抱きついてきたのは覚えてる。

気がついたらずっと、こなちゃんは私の胸元でわあわあ叫んでて、私もこなちゃんを抱え込んで泣きじゃくってた。

もしかしたら授業、始まってたかもしれない。

そのうちお姉ちゃんとゆきちゃんに肩を抱かれて、こなちゃんと私は廊下を歩いて、気がついたら保健室にいた。

お姉ちゃんとゆきちゃんは、学校が終わるまで私達のそばにいてくれた。みんな泣き方は違ってた。

17 名前:吉星 ◆ObCLeKAw2g [] 投稿日:2010/08/11(水) 14:32:58.87 ID:2FIBY2mcP


しばらくたったある日、お姉ちゃんが委員会で残って、こなちゃんと二人で帰ってた時、

こなちゃんがふと、

 「‥ねえ、つかさ。ハルヒたちのこと、悪いことばかりじゃないよ?

  バイト先のステージに立つ時、みんなと踊ったことがとても懐かしくなる時があるんだ」

私はそう、とだけ答えた。

私はこなちゃんの傍を歩こう。

こなちゃんが駆けてゆくまで。










 「こなた、素敵な友達に恵まれたね。みんなのこと、大切にね」



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