こなたがワーキングプアになったようです


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:ジャイアン「おいのび太、自殺の練習しようぜ」

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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 10:59:17.56 ID:ukixbqlu0

こなた「明日で大学生活も終わりです。もうすぐ社会人1年生なのです」

かがみ「あら、アンタちゃんと就職できたんだwで、どこに決まったの?」

こなた「大証2部の上場外食企業です。お金もいっぱい貰えるんだよ〜w」

かがみ「が・・・外食・・・本当に大丈夫なのか・・・?」

つかさ「わ〜、こなちゃん凄いね〜!私なんてどこからも内定貰えなかったよ〜」

こなた「いや〜、外食はあまりいい噂聞かないけど、大丈夫なんじゃないの?wかがみん考えすぎw」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 11:08:46.10 ID:ukixbqlu0

かがみ「そ・・そうかな〜・・・。まあ、アンタなら大丈夫かな〜・・・」

こなた「でもさ、仕方ないじゃん、就職セミナーで出店してる企業は、先物と消費者金融とパチンコ業界だけだったんだからw」
こなた「唯一そこの外食企業が1店だけ出てたんだけど、人に迷惑かける仕事じゃないしいいかなって思ってさ・・・」
    「で、かがみんはどこに決まったの?」

かがみ「私は都心にある税理士事務所よ、本当は弁護士になりたかったけど流石に無理だったわ〜w」

こなた「(ム〜・・・この野郎〜・・・。。。)」
こなた「ところで、つかさはこれからどうするの?」

つかさ「私はコンビニででもアルバイトしながら就職活動するつもり〜」

こなた「それも良かったかもね〜、そっちの方がゆっくり確実な企業を見つけられそうだもんね〜」

つかさ「エヘヘ〜w」


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 11:15:13.58 ID:ukixbqlu0

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

つかさ「こなちゃん良かったね〜、いい所に就職できて〜、羨ましいな〜」
    「ところでゆきちゃんはどうなったのかな〜?」


かがみ「あ〜、みゆきはどこも何社か内定貰ったみたいだけど、結局親のコネで父親の会社に入れて貰ったそうよ」


つかさ「・・・どこにも決まっていないの私だけなんだ〜・・・」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 11:18:55.75 ID:ukixbqlu0

かがみ「だ・・・大丈夫よ!つかさもちゃんと就職活動すればどこかに決まるから!!」


つかさ「うん!そうだね!」


かがみ「しかし、私もカッコいいこと言っちゃったけど、ヤバイぞ・・・」
    「税理士になるって言っても5科目中現状1つも科目合格はしていないし・・・学費ってどのくらいするんだろう?・・・ちょっとパンフレットでも貰ってくるか・・・」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 11:29:27.08 ID:ukixbqlu0

かがみ「・・・・。1科目辺り1年の授業料20万・・・2科目同時受験なら35万かよ・・・」
     「どんだけボッタクリなんだ・・・」

     「しかも税理士事務所の給料が初任給12万て・・・手取り幾らになるんだろう・・・?」
     「まあ、今の貯金崩して1年で2科目合格すれば大丈夫かな・・・科目合格すればお給料も上がるでしょ、流石にw」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

そうじろう「こなた、どうだ〜、準備はしっかり整ったか〜?」

こなた「今日から新入社員の合同合宿か〜、こんなのあるんだ・・・面倒くさいなぁ、も〜」

そうじろう「まあな〜、でも社会人は厳しいんだから甘く見るなよ〜、こなたw」

こなた「はいはい、大丈夫だよ。じゃあ言ってくるね〜」



そうじろう「う〜ん、あの初々しいスーツ姿がまたたまらんな〜」





13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 11:37:51.62 ID:ukixbqlu0

こなた「ふー・・・集合時間30分前に着いた・・・ハァハァ」
    「こうして集まると結構いるもんだねぇ、100人くらいいるかなぁ・・・」


教官「チッ、30分前なのにまだ到着してない奴らがいるな・・・」


こなた「(ウオッ!どうしてあの人竹刀なんて持ってるんだろう?まさか鬼教官?www)」
    「あっ、遅れてきた来た人たちが来た・・・」


教官「てめぇ等!!何で30分前に集合出来ねぇんだ!!??」
   「ちゃんとタイムスケジュールに30分前集合って書いてあるだろうが!!舐めてんのか!?オオ!!??」



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 11:44:40.72 ID:ukixbqlu0

新入社員「すみません・・・電車に間に合わなかったもんで・・・」

教官「そんなもんがいい訳になるとでも思ってんのか!!??」
   「お前ちょっと来いオラッ!!」

新入社員「す・・・すみません!!」

教官「こっち来いって言ってんだろうが!!」 ドガッ


ドガッ    ガッ   ガスッ




他の新入社員「お、おい・・・なんやねんアレ・・・まるで滅茶苦茶やんか・・・」


ザワ  ザワ  ザワ  ザワ


教官B「おい、お前等静かにせえや、コラ」


他の新入社員「・・・・・・・・。」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 11:56:51.29 ID:ukixbqlu0

教官B「お前等、携帯持ってる奴は全部出せ。合宿にそんなもんは必要無いからな」


こなた「まあ携帯は仕方ないと思うけど・・・向こうからまだ怒声と竹刀の音が聞こえる・・・」
    「あっ、さっきの人戻ってきた・・・」



教官A「お前もさっさと整列しろや!!」

     ドガッ

他新入社員「(!!)」

こなた「うわっ、後ろからとび蹴りされた!幾らなんでもやりすぎなんじゃないのかこれは・・・」
    「私、とんでもないところに来ちゃったんじゃ・・・」



教官C「携帯集めたら、5分で運動着に着替えてここに整列しろ」
    「少しでも列が乱れてたら全員一からやりなおしだ」


教官B「ええか〜?タイムスケジュールは絶対だからな。舐め切った態度だと即刻自主退社させるからなぁ」


教官A「全員集合したら、これより毎日42,195キロのマラソンをして貰う」
    「脱落する奴は全員自主退社させるからなぁ」

新入社員「(!!!!)」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 11:57:31.82 ID:ukixbqlu0

>>15
全部俺の経験を元にして書いております

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 12:06:03.78 ID:ukixbqlu0

新入社員A「なんだよ・・・これ・・・マジで毎日42、195キロ走らされるんか?」

新入社員B「ああ、あと富士山登頂とかするらしいよ」

新入社員C「マジで?なんか俺やる気ないわぁ・・・」



教官C「3分前〜!!」


こなた「(ヤバイ!あと3分しかないよ・・・)」


新入社員D「無駄口叩いてないで早くしろよ!!」

新入社員B「なんやねん、お前偉そうに言いやがって」

新入社員D「・・・・。」


教官C「2分前〜!!」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 12:11:43.80 ID:ukixbqlu0

教官A「よ〜し!全員整列出来たな?」


教官B「なんやねん、これ?これで整列出来た思うてんのか?おい?」


教官C「全然列が乱れてるじゃねえか!!??舐めてんのか!?おい!?」
    「もう一度やり直しだ!!元のスーツに着替えて5分後ここに集合しろ!!!!」


新入社員「(〜〜!!)」



教官A「それから今日は初日だから時間を読み上げてやったが、明日からは時間は読みあげないからな!!」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 12:18:45.37 ID:ukixbqlu0

〜〜2時間後〜〜


新入社員「ハアハア・・・」
こなた「ハアハアハアハア・・・」


教官B「よ〜し!やっと整列出来たなァ!!まあ今日はこれでいいだろう」



――――――生存者102/102名――――――――


こなた「(良かった・・・、今日は初日だから幾らなんでもいまから走ることなんて無いよね・・・)」


教官C「じゃあ、今からこのまま河川敷まで移動する。着いてこい!!」


こなた「(嘘・・・本当にやるの・・・?)ハアハア」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 12:31:25.36 ID:ukixbqlu0

教官A「これより、お前らには42.195キロを走破して貰う!!!!」
    「脱落する奴は容赦なく自主退職して貰うからな!!」


新入社員A「なんやねん、コレ?俺帰るわ。バカバカしい」
新入社員B「おい、行こうぜ」



教官B「他は!?帰るんなら帰ってもええねんぞ?」


新入社員「(・・・・・・・・・)」


教官C「お前等マジで社会人舐めんなよ!?お前等が思ってるような甘えた世界じゃねえんだからな!?」


こなた「(知らなかった・・・社会人ってこんな世界だったんだ・・・)」
  

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 12:37:33.83 ID:ukixbqlu0

教官A「ここから先21キロ位の地点の折り返し地点がある!!」
    「そこから折り返してここまで戻ってこい!!」


教官C「返事はどうしたぁ!!??」


新入社員「ハイ!!!!」


教官C「声が小せえんだよ!!!!!!!腹の底からもっと声出せや!!!!!!!!!!!!」


新入社員「ハイッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

教官B「オラァ!!行くぞ!!」


ピーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!



こなた「ハアハア・・・42.195キロなんて走ったこと無いけど、走るのは得意な方だし・・・」
    「なんとかなるかも知れない・・・」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 12:50:10.33 ID:ukixbqlu0

――――――こなた10キロ地点通過――――――――



こなた「ハアハアハアハアハア・・・(5キロ地点からポツポツ赤い顔して倒れてる人が出てきた・・・)」
    「私は中間くらいにいるんだろうけど、後ろにいる人はどうなったんだろう・・・」

    「10キロなんて走るの高校のマラソン大会以来だ・・・あの頃よりも体力落ちてるだろうし・・・」
    「もうちょっとペースを落とした方がいいんだろうか・・・」




――――――こなた15キロ地点通過――――――――


こなた「ハアハアハアハアハアハアハアハア!!!!」



『そうじろう「まあな〜、でも社会人は厳しいんだから甘く見るなよ〜、こなたw」』


こなた「知らなかった・・・・社会人ってみんなこんなに苦労してずっと仕事してるんだ・・・」
    「甘かった・・・・完全に舐めてたよ・・・お父さんもこんなに苦労して私を育ててくれてたんだ・・・ハアハアハアハアハアハアハアハアハアッ」





38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 12:56:39.15 ID:ukixbqlu0

――――――こなた20キロ地点通過――――――――


こなた「ハアハアハアハアハアハアハアハアッ、や・・やっと20キロ・・・まだ・・・倍あるの?うそ・・・」



ブオオオオオオオオオオオオオオン


こなた「!!!!」


教官B「オラァ!!ちんたら走ってんじゃねぇぞ!!根性が足りてねぇんだよ!!」


バシッ   バシッ


後続新入社員「ハイ!!!ゼーーーッゼーーーー!!ハアハアハアハアハア!!!!すみません!!!!」


こなた「ゼーーゼーー!!ハアハアハアハアハアハア!!!!(嘘だ!!嘘だ!!)」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 13:09:44.66 ID:ukixbqlu0

こなた「(ハアハアハアハアハア!!!!イヤだ!!なんでこんな!!)」



――――――こなた30キロ地点通過――――――――



折り返し地点を過ぎそこら辺に転がって倒れている新入社員をかわしながら走るこなた



こなた「〜〜〜〜ハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハア!!!!!!」
こなた「少し・・・・引き離せた・・・・ハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハア!!!!!!」




――――――こなた35キロ地点通過――――――――


こなた「ハアハアハアハアハアハアハア!!!!!!前より体力の消耗が楽に感じる・・・これがランナーズ・ハイってやつなのか・・・」
    「かがみん達も今頃こんな感じなのかなぁ・・・ハアハアハアハアハアハアハア!!!!!!」

    「もうちょっとだ・・・・がんばれ・・・ハアハアハアハアハアハアハア!!!!!!」





47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 13:19:23.07 ID:ukixbqlu0

――――――こなた40キロ地点通過――――――――


こなた「ハアハアハアハアハアハアハア!!!!!!やった!!やった!!」
    「向こうで隊列を作ってる新入社員達が見えた!!!!やった!!!!ハアハアハアハアハアハアハア!!!!!!」



――――――こなた42、195キロ地点通過――――――――


教官C「よ〜し、よくやったな。さっさと隊列に加われ」

ポンッ

こなた「ゼ〜〜〜〜!!ゼ〜〜〜〜〜!!!!」


教官A「オラぁ!!終わったからって気を緩めてるんじゃねえ!!隊列がみだれてるだろうが!!!!」


こなた「ハアハアハアハアハアハア!!ふーふー」





51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 13:25:52.43 ID:ukixbqlu0

―――――――30分後―――――――

教官B「よーし!!よくやった!!」


最後尾の新入社員「ゼ〜〜〜〜!!ゼ〜〜〜〜〜!!!!」
            「ハ・・・ヒ・・・あひがとふござ・・・いまふふ・・・・(ハイ、ありがとうございます)ゼ〜〜〜〜!!ゼ〜〜〜〜〜!!!!」
            「ウッウッ・・・グスッ・・・・ゼ〜〜〜〜!!ゼ〜〜〜〜〜!!」


教官A「今から寺に帰る!!!!帰ったらタイムスケジュールの通り、我が社の5訓と30カ条を暗記し、熱読して貰う!!!!」


新入社員「ハイ!!!!」


教官C「声が小せえっって言ってんだろうが!!!!!!!!!」


新入社員「ハイッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


    

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 13:26:47.65 ID:ukixbqlu0

怖いから言っておくけど王○とは言ってないからね・・・怖いから・・・

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 13:37:04.00 ID:ukixbqlu0

――――――寺に到着――――――


教官A「では今より、渡したプリントを全て10回熱読して貰う!!!!」
    「腹の底から声出せよ!!!!」

    「それが終わったら、夕食だ!!!!タイムスケジュール通りこなせよお前等!!!!」
    「今日は初日だから暗記は明日朝までに暗記してこい!!!!」


こなた「(明日の朝までって・・・こんな量の暗記なんて無理だよ・・・)ゴクリ」
    「(みんなも青い顔してる・・・)」


教官B「では、始めるぞ!!!!○○五訓!!!!!!!!!!!!!!!」


新入社員「○○五訓!!!!!!!!!!!!!!!!」


教官A「声が小せえって言ってんだろうが!!!!!!!!!!!!!!!」


   バシッ



59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 13:51:06.25 ID:ukixbqlu0

―――――夜21時――――――



教官A「今から自己PRを始める!!各々これからの自分の目標と今までの自分!!そして我が社にどのように貢献するか答えろ!!!!

新入社員「・・・・・・・・。」

教官A「どうした!!!???自分から名乗り出る積極性もないのか!!??お前等!!!!」

    バ シ ッ


新入社員C「ハイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


教官C「おーーし!!始めろ!!!!」


新入社員C「私は!!!!色んな会社の面接に行きましたが!!!!!!私を拾ってくれたのはここの○○だけでした!!!!!!!!!!」
       「このご恩を返す為に!!!!!一生○○に尽くして行きたいと思います!!!!!!!!!!!!!!!!!」



教官B「てんめぇ〜・・・・思いますじゃねえだろうが!!!!尽くしますだろうが!!!!!!!!!」
    「マジで舐めてんのかお前ぇ!!!!!!!!!!!!!!」

新入社員C「ハイ!!!!!!!!!!!!!!すみません!!!!!!!!!!!」



64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 14:06:35.16 ID:ukixbqlu0

――――夜23時30分―――――


こなた「や・・・やっと・・・終わった・・・・・まだ初日・・・なんだよね・・・これ・・・」
    「でも、今から○○五訓と30カ条覚えないといけないんだよね・・・」
    「この部屋で寝るのか・・・私の他に7人・・・よく見るとみんなヤンキー系の子ばかりなんだよね・・・」


新入社員A子「なぁ・・・今日みたいなんがあと6日も本当に続くのかな・・・?ヒソヒソ」
新入社員B子「あたし、ここでバイトしてたけど他にも富士山登頂とかもするらしいで・・・」

こなた「ねえ、社会人って本当にみんなこんなに苦労してるのかなぁ・・・?」

新入社員C子「わからへん・・・」
新入社員D子「アンタ東京弁やけど珍しいなぁ。東京のどこら辺の高校出たん?」

こなた「私は高校は埼玉だけどね・・・大学は東京にあるんだけど・・・」

新入社員B「はあ?アンタ大学出なん?大学出てたらこんなとこよりも普通の会社に入れたんちゃうん?」

こなた「大学出てても就職セミナーじゃ、消費者金融とか先物とかしか無かったよ・・・」
    「(そうか、ここにいるのって大学生ばかりじゃなかったんだ・・・)」

新入社員A「私も大学出やで、でも私もおんなじような状況やったなぁ・・・」

新入社員EF「私も大学出やで」

こなた「大体、大学生と高校生で半々くらいかぁ・・・」



65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 14:14:16.15 ID:ukixbqlu0

新入社員G「ちょっと!!うるさいな!!暗記できひんやんか!!」


新入社員B「なんやねんアンタ!ちょっとくらいええやんか!!」


新入社員G「明日までに覚えなあかんねんこれ!!あたしらグループになったんやから」
       「1人でも足引っ張られたら連帯責任になんねん!!ちょっとは真面目にやってや!!」


新入社員D「プッ、なにこの猿w早く誰か黙らしいやwwwwwwwwww」

新入社員G「・・・・・・・。」



この日から新入社員Gはあだ名は「猿」になった


――――――合宿1日目終了―――――――

29名脱落

生存者73/102名

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 14:28:26.56 ID:ukixbqlu0

――――このような毎日が1週間続いた・・・
こなたはなんとか合宿で生き残り晴れて社員として店舗に配属された・・・

新入生の中では虐めが横行し、それで脱落するものも少なくなかった・・・
男正社員の中ではキャメルクラッチを泡が吹くまでかけられたり

初めから8人ほどで示し合わせたジャンケンで標的を決め
負けた奴は全員でケツを本気で蹴るような行為が毎日繰り返された・・・

こなたも何度も虐めの標的にされたが、なんとか生き残ることができた


新入社員は最後に社長と抱き合って泣いて喜び、誰しもちょっとした洗脳状態になっていた・・・――――



こなた「やっと終わったよ・・・」
    「店舗に配属されればきっともうこんな辛い思いは無いんだろうなぁ・・・」



――――しかし、そんなこなたの気持ちはほんの数日で淡い夢だった事にきがつくのだった・・・―――

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 14:42:56.92 ID:ukixbqlu0

――――店舗に配属された社員の朝は早い、こなたは新入社員だったので朝6時からだった。
だが他の社員はとっくに入店しており、朝は恐らく午前5時には来ているらしかった・・・

そして、帰れるのは23時30分・・・そして激務・・・

特売日の日には仕込みの為に更に早くから出勤しているらしかった・・・
しかし、他の社員は平気な顔で働いている・・・

大学の怠け生活を繰り返してきていた所為か、こなたには信じられなかった・・・
疲労で疲れた顔をすると、どやされ。
また、仕事が出来ない為に他のパート従業員からもすぐに虐めの標的にされた・・・


そして3ヶ月後、24時にこなたは退職を店長に願い出た・・・
そしてその翌日、こなたは更に信じられない言葉と光景を目にした・・・


こなた「見たこと無い正社員が働いている・・・」


自分が辞めたその穴を埋めるために、わざわざ東北地方から電話1本で関西の店舗まで
呼び出され、転勤してきたらしい・・・

自分が退職を願い出てからその間何時間の出来ごとだろうか!?


こなたは、「辞めて良かった」と心の底から感じるのに一辺の余地も無かった―――――


73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 14:51:26.43 ID:ukixbqlu0

つかさ「こなちゃん仕事辞めちゃったの?」

こなた「うん・・・私のようなヌルい人間じゃ到底無理な業界だったよ・・・」

つかさ「そうなんだぁ・・・でも仕方ないよね・・・」
    「それに、私もこなちゃんと一緒に就職活動できると思うと嬉しいよw」

こなた「つかさは、まだどこも決まっていなかったんだぁ・・・」


つかさ「う・・・ん・・・。。。おかしいよね・・・もう20社近く受けてるんだけどどこも内定貰えないんだぁ・・・」

こなた「そうなんだ・・・そんなに厳しいんだ・・・」

つかさ「それにね・・・」
    「・・・・・・・」

こなた「それに何?」

つかさ「なんか新卒の子じゃないと企業は見向きも4してくれないの・・・なんでだろうね・・・」
    「歳だって1つしか違わないのに、全く見向きもしないで門前払いされちゃうの・・・」


こなた「え!?そんなものなの??」

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 15:00:58.11 ID:ukixbqlu0

つかさ「でもね、1つだけなんとか最終面接まで行けて実際にその会社まで行って合格確実だったの・・・営業だったんだけど・・・」


こなた「え!?本当!?凄いじゃん!!営業かァ・・・w」


つかさ「○イ・○ー・グループって会社なんだけどね・・・」
    「最終面接に実際に会社の待合室で面接したんだけどね・・・」

    「5分おきにどうも円陣を組んでるみたいで、そのたびに『やるぞーーー!!!!オオーーーー!!!!』」
    「とか『いいかあ!!絶対契約とってこいよおおおーーーー!!!!!』って聞こえてくるの・・・」


こなた「5分おき・・・ゴクリ・・・」

つかさ「私面接では自信満々なそぶりで騙して最終面接まで行ったんだけど、その場で断っちゃったよ・・・」

こなた「・・・・・・。」

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 15:10:56.80 ID:ukixbqlu0

つかさ「それに、みさおちゃんも他の会社の営業の中途入社で内定決まったんだけど」
    「入社日に30分だけ商品の説明受けてすぐに訳もわからず飛び込み営業させられたそうなんだけど」
    「ノルマが達成されなかったら夜23時まで飛び込み営業なんだって・・・しかも到底達成できないようなノルマを・・・」


こなた「それって違法なんじゃ・・・何の商品なの?」


つかさ「電話のマイラインだって・・・それ自体は無料の商品らしいんだけど・・・」
    「でね、中途入社で7人ほど入ったらしいんだけど、毎日1,2人辞めていくんだって・・・」
    「最後に残ったのがみさおちゃんだけだったらしいんだけど、流石にみさおちゃんの親に反対されて3日で辞めちゃったんだって・・・」

    「最後に給料なんて払わないって言われたそうなんだけど、労働基準局に訴えるって言ったらちゃんと振り込まれてたらしいよ・・・」


こなた「・・・・・。」

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 15:30:42.30 ID:ukixbqlu0

こなた「かがみんは!?かがみんはどうしてるの!?」


つかさ「うん、お姉ちゃんは毎日朝5時くらいに家を出て、帰ってくるのはいつも終電みたい・・・」
    「この数カ月で顔を合わせたのは数回くらいだよ・・・」

    「お給料も手取り10万も無いみたいだし福利厚生も無いみたいなの・・・」


こなた「でも、かがみん言ってたけど税理士って授業料だけでも何十万もするんでしょ?」


つかさ「お姉ちゃんは実家から通勤してるからなんとかお金も貯まるだろうけど・・・」
    「税理士業界って『徒弟制度』ってのが当たり前らしくて殆どお金なんてくれないんだって・・・」

こなた「徒弟制度?」


つかさ「うん、仕事を教えてあげてるんだからお給料低くて当たり前・・・って考え方らしいよ・・・」
    「働いている他の人たちはもう受験をもう諦めて惰性で続けてるだけらしいよ・・・」
    「そりゃ、そんなんじゃお金も貯まらないし、勉強だって出来ないよね。。。」


こなた「・・・・。」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 15:31:33.13 ID:ukixbqlu0

全部俺の実体験です
ちょっとタバコ買ってきます・・・

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 15:59:38.01 ID:ukixbqlu0

こなた「・・・・・・みゆきさんは?」


つかさ「ゆきちゃんは元気だよぉw」
    「ゆきちゃんが働いてる所は9時―17時でちゃんと終わって、お給料も30万以上貰えるんだって・・・あはは・・・」

こなた「・・・・。やっぱり・・・コネしか無いんだね・・・・・。。。」
    「ハローワークや求人誌の募集なんてこんなところばっかだもんね・・・」
    「求人情報じゃいいことばかり書いてあるのに・・・。。。」


つかさ「・・・・そ・・・・だね・・・・・・・。。。。」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

――――それから、こなたは散々就職活動を繰り返したがそのような会社しか見つからなかった・・・
つかさと同じコンビニでバイトをしたりしたが、「内定→ブラック→退社」を繰り返し
その度に食いつなぎのバイトも辞めないといけない・・・

その繰り返しが無駄な年月を繰り返し、こなたは26歳になっていた・・・
当時のマスコミはそんな若者を「ニート」や「フリーター」として笑いの的として取り上げ
そんなマスコミの報道が彼等の状況を更に悪化させた・・・―――――――





98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 16:02:17.61 ID:ukixbqlu0

そうじろう「こなた・・・お前、井上のおじさんの所で理容師として働かないか?」

こなた「え?おじさんのところ?」

そうじろう「ああ、おじさんのところは6店舗もお店持ってて凄く儲かってるらしいぞw」
      「こなたがいっぱしになったら40万位お給料を貰えるんじゃないか?w」
      「まあ、ボーナスとか保険とか厚生年金とかは無いんだけどな・・・」

こなた「え!?そんなにお金貰えるの!?やる!!もうこれしかないもん・・・!!」
    「(でも、あのおじさん私が○○を3カ月で辞めてから根性無いって言い続けてるんだよね・・・大丈夫かなぁ・・・)」







105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 16:14:40.19 ID:ukixbqlu0

―――数日後、こなたはおじさんの散髪屋で働きだした

給料は7万円(福利厚生無し)
ここも、つかさの言っていた「徒弟制度」の世界だった

普通の従業員は朝8時出勤だが、こなたは朝5時から出勤し
掃除や鏡拭き朝の支度、それが終わったら他の従業員が来るまで自分で自主練習に励んでいた

そして終わっても総店長と一緒に自分たちでチラシを町の隅々まで夜中2時3時まで配ることもあった・・・
全ての作業が超絶ダッシュで遂行しなければ蹴りを入れられ次に何をするか1秒でも考えるとまた蹴りを入れられた・・・

年間休日数は10日も無かった・・・
本来、隔週休2日(週休6日)であるが休みの日も毎日修行の為に出勤した――――


こなた「でも、みんな厳しいけど社長の親戚だから最低限温かみがあるんだよね・・・」
    「今までの所に比べると全然マシだよw」


と、こなたはいつも自分を誤魔化す日々だった・・・
実際には社長はとっくに引退しているので、総店長以外の人間からは悪質なイジメを受ける日々だった・・・

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 16:35:11.29 ID:ukixbqlu0

―――こなたは1日100人、休日には200人以上一番重労働のシャンプーばかりしていた・・・―――

こなた「ハアハアハアハアハア!!!!」

30代従業員A「おい!!お前いい加減次に何やるか考える癖やめろや!!」

ド カ ッ


こなた「ええ!?だって今シャンプー終わって1秒も経ってないじゃないですか!?」

30代従業員A「チッ!!1秒って、無茶苦茶大事やろうが!!!!」
         「お前金貰ってるんちゃんか!!??おお!?」

こなた「あっ、すみません・・・」

他の30代従業員B「あのゥ〜、早くしてくれませんかねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ????」

総店長「お前やる気ないんやったら帰れや!!」

こなた「あっ!!私の荷物!?」

ドカッ

総店長「帰れっつってるやろ!!!!」

ドカッ

何度も荷物を店の外に放り出される、その度に繰り返しこなたは「すみません、お願いします」と繰り返し
荷物を抱えて店に戻ってくるが、同じように荷物を店の外に放り出された・・・

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 16:41:22.14 ID:ukixbqlu0

――その頃こなたはここに来て3カ月で20キロ痩せていた・・・

それからこなたは、1秒でも次に何をするか考えたら駄目だと言う考えに犯され
以後、ずっとその悪い癖に苛まされ人生を失敗することになる・・・


1年後、こなたはおじさんが新しくもう1店舗店を作ると言うことで
総店長と一緒に新しい店舗に移動することになった・・・
ようやく地獄のような店舗に別れを告げることが出来た・・・

その頃ようやくこなたはシャンプーの技術は自分で言うのもなんだが
全店舗で一番上手くなっていた自覚がうっすらあった・・・

厳しいがしっかり教えてくれてる・・・・
勿論こなたはその気持ちは十分伝わっていた・・・

本来26歳で理容を志すのは明らかに遅すぎる・・・
その分厳しくして技術を身につけさせて貰っていることは、こなたには十分理解できていた・・・


月給は未だ7万円(福利厚生、保険。ボーナス無し)――――

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 16:50:40.71 ID:ukixbqlu0

――――新しい店舗に総店長と移動したこなたはとまどっていた・・・

とにかく客が来ない・・・

前の店舗では客が一切来ない時間帯もあったが、それでも常に何かを探して
仕事を絶え間なく1秒も休むことは無かった・・・

だが、流石にこれは何もすることは無い・・・

しかし、前の店舗では30代の従業員ABもいなければ
何もしなくても怒る人間はいない・・・


こなた「こんなんでお金をもらってもいいのか!?」


そんな天国みたいな状況が、こなたを一層不安にさせた・・・
給料も7万円から8万円、更には15万円まで上がっていた・・・・

ひげそりの技術もある程度出来るようになり、ようやくカットの練習を教えて貰ってるある日の事だった・・・

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 16:59:57.07 ID:ukixbqlu0

チャリーン

総店長「おー、頑張っとるかァ?w」

こなた「おはようございます、社長」
他従業員「おはようございます」


社長「今日はもう一人新人を連れてきてんw」


それは15歳の男の子で中学を卒業したばかりだった


社長「こなたなんかでも続いてるんやから、この子も大丈夫やろwww」


こなた「(私の評価って未だに根性ない奴なんだ・・・)」


総店長「あー・・・もう一人ですか・・・」

社長「まあ、そういうことなんで一つ頼むわぁw」


―――この15歳の子は実質3日で辞めることになる・・・
理由はこなたに対する修行風景を見てビビったことだった

更に、理由としては「夏休みが無い」「1日中立ちっぱなしでしんどい」と言う理由だった・・・――――

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 17:14:45.44 ID:ukixbqlu0

―――しかし、この15歳の子が見せた3日間の仕事はどうも
こなたとは違って物覚えが良く、評価はこなた以上だったらしい・・・

総店長もこなたと比較して若いから物覚えが良い
26歳では頭が固まってしまう、これが年齢の差だとこなたに事あるごとに言って聞かせた・・・

総店長にしてみれば、事実をそのまま口にし
更にはだからこそもっと頑張らなければならないと、こなたにはっぱをかけただけに過ぎない言葉だったのだろう・・・



しかし、その言葉が予想外にこなたの心を蝕んでいった



こなた「私は何をやっても駄目な人間なんだ・・・」
    「幾ら頑張っても人並みに到達することは出来ない・・・」
    「昔から何をやっても人並みに物事を出来たことが無い・・・」
    「幾ら頑張っても社長の評価は『根性無し』のまま・・・」


次第に負の感情に染められて行き、とうとう鬱病を患ってしまうことになった
生まれて初めて鬱症状の発病・・・恵まれた環境の中にも関わらず初めての挫折・・・

こなたは今でもこの時の事は自分でも生涯ではじめての甘く・・・根性が無いと
過ちに苛む・・・・



141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 17:22:12.01 ID:ukixbqlu0


こなた「お願いだから1人にして・・・」

少しそっとしておいてくれれば、こなたは元の精神状態に戻れる自信はあった
しかし、周りはそうしなかった

鬱病なんてものは、存在しない
それは根性が足りないから・・・


この考えが社長や総店長にとって当たり前の考え方だった


それから1ヶ月総店長もこなたを自分の家に招いたり
遊びに誘ってくれたりもした・・・・


それが逆効果だと理解してくれることは一切無かった


そして、こなたの散髪屋修行も終局を迎えることになる・・・
これは、こなたにとって人生最大の失敗であろう・・・

こなたは、せっかくのチャンスを全て台無しにしてしまった・・・
それはもしかしたら、今まで自分が必至に積み上げてきたものを
一気に崩す陶酔にも近い感情だったのかも知れない・・・





144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 17:31:25.35 ID:ukixbqlu0

――こなたはそれから3カ月近く自分の部屋に引きこもっていた・・・

ある晩、こなたは荷造り用のビニール紐を引っ張りだし
原付に乗り、郊外にある公園へとふらふら移動した・・・

原付のシートの上に立ち、高く太い木の枝に紐を吊るし首に縄をかけた・・・

そして何度も何度も木を蹴って原付を倒そうとした
バイクのバランスが大きく崩れもう少しでバイクが倒れそうなところで
こなたは完全に死を覚悟した・・・

だが寸での紙一重の所でバイクが倒れることは無かった・・・


そして、こなたはまたふらふらとスベリ台まで移動し一晩そこで夜空を見上げていた・・・



こなた「死ねなかった・・・やっぱり自分は根性無しだった・・・」

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 17:44:03.28 ID:ukixbqlu0

こなたはつかさの勧めで今働いているホームセンターで一緒にアルバイトをすることにした


つかさ「こなちゃん、このゴンドラの商品を全部品だしするんだよ?」

こなた「うん・・・」


こなたは1日中1人で走り回り仕事に集中していた


従業員「泉さん、凄いね!!本当によく頑張るよね!!」

つかさ「こなちゃんすごーい!!」

従業員「接客も凄く丁寧だし、本当にいい子が入ってきてくれたってみんな喜んでるよ!!」

こなた「!?そんな・・・これくらいのことで・・・」


こなたがここで働き初めてから半年近くになり、自分を人間扱いしてくれることに
喜びと自信が回復してくるのが良くわかった・・・


店長「泉さん、もし良ければ部門の仕事についてくれないかな?」
   「泉さんみたいな真面目な人だと、とても嬉しいんだけど」

こなた「え!?私でもいいんですか!?喜んでやらせていただきます!!」



154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 17:53:21.07 ID:ukixbqlu0

こなたは自分の休みの日でも勝手にやってきて
もちろんタイムカードなんて押さずに無心で休日も無く朝から晩まで働き始めた

当然売り場の状態は完璧に近く、書類作業も完璧
棚卸も誰よりも早く作業が全て終わっていた

休みも取らず、お昼に昼食も取らず働き続けていたのであるから
当然の事だった・・・


副店長「泉さん、もし良ければ社員の終礼にも参加してくれないかな?」

こなた「え!?いいんですか!?こちらこそお願いします!!」


思いもかけなかったが、もしかしたらこのまま頑張れば社員にして貰えるんじゃないだろうか?
一般的には小売は給料低くてブラック企業と言われているが、こなたから見れば
年収300万以上貰えるなんて夢のような話だった・・・


こなた「頑張ろう!!頑張ろう!!」


しかし、そんなこなたの淡い期待はすぐに幕を閉じる・・・


パートのおばちゃん「社員に?ないないwww確かに数年前までは大量に中途採用してたけど」
            「今は中途採用なんて全くしてないよwww」



158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 18:02:22.65 ID:ukixbqlu0

こなた「(そんな・・・。。。家に帰ってネットで調べてみよう・・・)」



2000年 中途採用者数 320名
2001年 中途採用者数 210名
2002年 中途採用者数 10名
2003年 中途採用者数 3名
2004年 中途採用者数 1名
2005年 中途採用者数 2名


こなた「・・・本当だ・・・全く中途採用を行っていない・・・」

つかさ「こなちゃん・・・」

こなた「ははは・・・。。。仕方ないよ・・・そんな上手い話なんてある訳なかったんだよ・・・」
    「つかさはこれからどうするの?」

つかさ「私はもう半分諦めちゃってるよ・・・もうこれでもいいかなって・・・」
    「今の求人探しててもどこも同じような所ばかりだもん・・・」


こなた「私は諦めないよ・・・今27歳だからまだギリギリ間に合うかも知れないもん・・・」

167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 18:11:03.44 ID:ukixbqlu0

それから数日後こなたは1枚のスーパーの折り込みチラシに正社員募集の文字を見つける
そこは、その地区では有名なスーパーだった・・・


こなた「よし!!ここに応募してみよう!!」

みゆき「泉さん、こんばんは」
    「就職活動はどんな感じですか?」

こなた「あっ!みゆきさん!今からこのスーパーの応募しようと思って!」

みゆき「あら、確かここは私の職場で働いてる方の身内がそこに精肉を卸してるって聞いたことがあります!」
    「ちょっと待っててくださいね、私がなんとかその方にお願いしてみますから!」


こなた「え!?本当!?みゆきさん!!ありがとう!!本当にありがとう!!」

170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 18:23:28.14 ID:ukixbqlu0

プルルルルルルル

ガチャ

こなた「はい、泉です」

みゆき「泉さん、さっき知り合いに頼んでみたところ今から面接に来れないか?と言うことでした」

こなた「ええ!?ほんとう!?ありがとう、みゆきさん!!」

みゆき「ただ、そこで働くことは大丈夫なんですけど」
    「休日数や他の待遇面は全くわからないんですけど大丈夫ですか?」
    「お給料だけは他の一流企業並みに貰えるらしいんですけど」

こなた「ええ!?本当!?そんなに貰えるんだったら休日なんて無くたっていいよ!!」


こなた「やったー!やっとまともなところで働く事ができるんだ!!神様ありがとう!!」
    「もう既に履歴書は書いてあるしさっそく面接に行ってこよう!!」





しかし、この時こなたは今までの職務経歴上、最も最悪な会社に足を踏み入れた事に気が付かなかった・・・

この後2年ここで勤め上げた後退職し、何とかそれまでに貯めた400万を吐きだし、
更に借金420万を背負うことになるとは思わなかった・・・



176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 18:34:31.08 ID:ukixbqlu0

トントン

こなた「泉です!今日は面接に伺いました!!」


部長「あー、入って」
   「ほー、あれから1時間しかたってないのに、もうこんな履歴書を書いたのか!凄いな!!」


こなた「あー、いえ・・・そんなw(本当はここを受けるつもりで前もって書いていたんだけど黙っておこうw)」

部長「27歳ね。明日から働ける?週に休みは1日なんだけど。」


こなた「はい!!全然大丈夫です!!(うっ・・・週休1日か・・・)」


部長「精肉部門担当なんだけど、技術も身に付くし良いと思うよ?」
   「何故かうちは技術を身につけたらさっさと辞める奴が多くてねー」


こなた「はい!!ありがとうございます!!(辞める人が多い・・・休みが少ないからかな・・・)」

178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 18:42:12.74 ID:ukixbqlu0

そうじろう「こなた!!就職できたんだってな!!おめでとう!!」

こなた「ありがとう!!お父さん!!やっと就職できたよ!!」
    「これからは、いっぱいお金稼いでお父さんを楽にしてあげるからね!!」

    「あっ、でも試用期間3カ月って言ってたからまだ分からないんだけどね〜wえへへ」

そうじろう「そうかそうか、まあどこも試用期間なんて当たり前だからなァ〜。頑張れよ!こなた!!」


こなた「みゆきさんにもお礼しなきゃね〜w」
    「ちゃんと明日の準備もしとかなきゃw」

179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 18:56:37.30 ID:ukixbqlu0

こなたが働く事になったスーパーはこの界隈では最も有名なスーパーだった
客足は常にいっぱいで他県にも轟くほどの有名なスーパー

店舗も5店舗あり、そのうちの4店舗も集客力は凄まじく誰しもがホワイトのイメージしかもっていなかった
「一流企業並みの給料」
これも嘘では無いと言う説得力がそこにはあった


出勤は朝7時00分 退勤は夜20時30分
週休は1日 有給無し 社員は福利厚生有り ボーナス有り(年間なのか2か月分貰えるらしい・・・)

これだけ見るとそうは悪くない待遇だった・・・

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 18:57:46.57 ID:ukixbqlu0

ちょっとご飯食べるね

185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 19:36:53.17 ID:ukixbqlu0

こなた「おはようございます!泉です!!」
    「宜しくお願いします!!」


A店精肉長「おー、来たねーw」
       「じゃあ、何から始めようかー」


こなた「あっ、パックのラップがけならできます」
    「昔バイトでやってたことあるんでw」


A店精肉長「そうかぁ、じゃあここにあるの全部ラップがけして貰おうかな」

こなた「はい!」


A店精肉長「おい!B!!泉さんにお前の出来ることお前が辞めるまでに全部教えろ!!」

16歳パート男B「・・・・・・(チッ)あっ、じゃあこっちへ・・・」


こなた「はい、よろしくお願いします!!」


16歳パート男B「泉さん、俺もうすぐここ辞めちゃうんですけどね・・・」

こなた「え!?そうなんですか・・・」
          「」


187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 19:48:32.44 ID:ukixbqlu0

16歳パート男B「理由はさっきの奴と仲が悪いから」
          「あっ!でも泉さんなら仲良くやっていけると思いますよw何かそんな予感がするし!!」


こなた「あはは、そうですかね?w(そうなんだ・・・大丈夫かなぁ・・・)」


それからは1ヶ月間ずっとつきっきりでBはこなたに色々教えてくれた


16歳パート男B「泉さん、不器用だな。そこはこうだって言ってるだろ?」

こなた「あっ、すみません・・・」

16歳パート男B「おお!うめえ!!初めてなのになんでこんなに綺麗に肉の皮を削げるんだろう!」
こなた「何か肉の皮を削ぐのって、散髪屋の髭そりに似てますねーw」

16歳パート男B「髭そりと肉の皮はぎと一緒にしないでくれ!そんな簡単なもんじゃない!!」
こなた「あっ、すみません・・・(髭そりは簡単じゃ無いんだけどなぁ・・・)」

16歳パート男B「俺、泉さんみたいなお姉さんが欲しかったなぁw」
こなた「はははw(何か調子のいい人だなぁw)」


こなた「(でも、この人この歳でこんなに飴と鞭も使い分けられるし、良く動くしどうしてこんなに嫌われてるんだろう・・・?)」





188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 20:00:00.24 ID:ukixbqlu0

その疑問は結局、今でもこなたにはわからなかった
大方、若さゆえに怒られた事に腹を立てて盾ついたかそんなところだろう・・・

1ヶ月後Bは辞める予定だったが部長に諭されて、b店に配属されることになった
そこでBも社員になるために頑張ることになったらしい・・・


従業員C「何かBの奴b店で働くことになったらしいですよw」

a店精肉長「何なんだよアイツ!!辞めるって言ってたんじゃねえのかよ!!」

a店精肉長「あっ、泉さん。この肉切ってくれる?」

こなた「あっ!はい!」

ザクッ  ザクッ

a店精肉長「・・・・・・・。あっ、もういいわ。他の作業やって」



こなた「あっ、すみません・・・(駄目だ・・・全然上手くならないよ・・・私って本当に不器用だな・・・)」


――――――――2週間後――――――――

従業員C「a店精肉長!!Bの奴たった2週間で出勤して来なくなったらしいですよwwwwww」

a店精肉長「マジで!!??ぶっはははっはははwwwwwwwwwwwwwwwwww」
       「アイツらしい結末やったな!!!!wwwwwwwwwwはっはははははははwwwwwwww」

192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 20:07:50.59 ID:ukixbqlu0

こなた「あの人辞めちゃったのか・・・・」
    「あれから私誰でも出来るような肉しか切らせて貰ってないし大丈夫なんだろうか・・・」

プルルルルルル


a店精肉長「はい、あっ部長。はい、はい。」


こなた「一体何の話してるんだろう・・・?」


a店精肉長「あっ、新しい32歳の新人が来るんですか・・・」
       「あ〜・・・それなら、その人よりも泉さんのほうがいいと思います。はい、はい。」


こなた「?」


a店精肉長「あー、泉さん。さっき部長と話をしたんだけど、明日から泉さんにb店にいってもらうことになったから」

こなた「え!?そうなんですか・・・」

a店精肉長「あっちは、ラップ巻きの人員が足りなくてね。多分あっちに行けばラップ巻きばかりの仕事になると思うよ?」


こなた「え!?ラップ巻きって!?肉が切れくても社員になれるんでしょうか・・・?」

a店精肉長「あー、そこは大丈夫wこの店はそういうの関係無いからw」
こなた「・・・・・。」

197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 20:21:30.55 ID:ukixbqlu0

『見放された・・・』こなたはすぐにそれを直感できた・・・

a店精肉長「あっ、それから今から泉さんを各店舗に車で案内してあげるよ」
       「社員になるんだから一度各店舗に顔合わせしておかないといけないからねw」


こなた「あっ、はい!(良かった・・・まだちゃんと社員にしてくれる手はずになってるんだ・・・)」


a店精肉長「じゃあ、行こうかwまずは、えーと・・・明日から働くb店に行こうか!」

こなた「はい!!」

こなたはa店精肉長と一緒にb店c店d店と回る・・・
どこも初対面では全く普通の人達だと思った・・・

中でもc店の精肉長はバイヤーであり、総精肉長の人だった
その時は感じも良く、一番気さくな感じの人だった

c店バイヤー「おー!君が泉さんかよろしくなーwwwひゃっひゃっひゃwwwwwww」

ポン  ポン



199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 20:30:12.08 ID:ukixbqlu0

a店精肉長「あー、あとはe店だけか・・・う〜ん・・・」
       「今日はもう遅いし、あそこは他の店と違って小さくて流行って無いから見る価値もないしやめておこうか・・・」

こなた「あっ、そうなんですか・・・はい・・・」


a店精肉長「うん、そうしようそうしようw」

こなた「?」

その時、a店精肉長の不自然なe店への拒絶は後に痛いほど理解することになる・・・

a店精肉長「ところで、泉さんは各店に回ってどこの店が一番雰囲気いいと思った?」

こなた「あっ、え〜と、、、最後に回ったバイヤーのいる店ですかねw」


a店精肉長「そうかなぁ・・・俺はあそこが一番雰囲気悪いと思うんだけどなぁ・・・」
       「さっきの店に限らず、このスーパーは本当に変な人が揃ってるから気を付けときな・・・・本当に・・・・・。」


こなた「??はい・・・」


a店精肉長の言葉は本当だったことにすぐに気付くことになる・・・
a店は本当に唯一まともな人間が揃っていた・・・

あのBが2週間で辞めたことが痛いほどわかる超ブラック企業であったことに・・・



204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 20:49:19.34 ID:ukixbqlu0

こなた「おはようございます!!宜しくお願いします!!」

従業員D「おう!おはよー、じゃあこのパックをラップにかけてくれるか?」

こなた「はい!!」

従業員D「おい、E。これからお前が泉に仕事教えたれや」
従業員E「おう、わかった」


初めの2日程は全く人間性に問題無い人たちだと思っていた・・・

大量の商品にラベルを貼るがやはり、初めは誰でもグラムの値段や設定を間違える・・・

従業員E「おい、このラベル貼ったん誰や?」

こなた「はい、私です・・・」


従業員E「お前かーーーーー!!!!!何してくれとんねんお前!!!!!!!」


     ド ン ッ


胸倉を掴まれ激しく冷蔵庫に叩きつけられるこなた


従業員E「お前が間違って損した分、お前が金払ってくれるんか!!!!????おい!!」

206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 20:56:38.52 ID:ukixbqlu0

こなた「あ・・・すみませ・・・」


従業員E「おい!!!!おいコラ!!!!!!!はっきりもの言えよお前!!!!!」


こなた「はい・・・すみません・・・・」


ミスをする度、何かを質問する度にこのような会話が3分ほど続く・・・
従業員Eだけでは無く周りの全てがこんな感じだった・・・

唯一パートのおばちゃんの中でも2人位だけはまともに口を聞いてくれた・・・


パートのおばちゃんA「泉さんはあだ名なんて言われてるの?」

こなた「あっ、友達からはこなちゃんって言われてます・・・」

パートのおばちゃんB「こなちゃんかぁ・・・かわいいなぁw」



212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 21:03:28.73 ID:ukixbqlu0

店が閉店しすると必ず従業員Eに呼び出される


従業員E「お前、昼間パートのおばちゃんと何話しとってん?」

こなた「え・・・私のあだ名とか・・・・」

従業員E「お前もう27歳やろうが!!!!!お前は他の奴と違って大きく出遅れとんねん!!!!」
      「無駄口叩く権利がお前にあんのか!!??おい!!!!」


こなた「すみません・・・」


従業員E「すみませんとちゃうやろうが!!!!!こっちは聞いとんねん!!???」
      「しゃきしゃき答えろや!!!!!!!糞が!!!!!!!!」

こなた「あっ、いや・・・・・・・・・・・・・・」


従業員E「答えろっつってるやろうが!!!!」


ガッ  ザ ザ ザ ザ

また胸倉を掴まれ、ぶん投げられる
毎日、閉店するとこれが繰り返される・・・


217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 21:13:18.34 ID:ukixbqlu0

従業員E「ええかあ?お前には『はい』と『すみません』と『私がやりました』の3つしか基本喋んな」


こなた「はい・・・」


こなたは教え方はこうでもきっと何か意味があってそう教えてくださってるんだと思うようにしていた
ただ、自分には感情なんて無いただの機械のように数年我慢すれば、きっと全てが解決するんだと思うようにしていた・・・


――2か月後ある日の朝――

こなたは店が近所なのでバイクで通勤している
そうすると、たまに従業員Fとすれ違う

従業員Fは重度のアトピーの為23歳なのに頭髪が禿げていた・・・
普段は馬鹿な性格でみんなにコビを売ってるような性格だった・・・


こなた「おはようございます。Fさん」

従業員F「・・・・・・」
      「お前気易く俺に喋りかけてくんなや・・・」

ブオオオオオオオ

こなた「・・・・・・。」


このやりとりも毎日の事だった・・・

223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 21:22:28.21 ID:ukixbqlu0

こなた「おはようございます!!」


こなたは散髪屋で働いてたことを経験に1秒も絶えること無く、常にダッシュで
毎日作業をしていた

・・・そうしないと殺される・・・

そんな強迫観念からか毎日必至だった・・・
それ故に、一つ一つの作業に非効率さが出ることがしばしばあり

それは、こなたにも気が付いていたことだがそれでもそうせざるを得なかった・・・


ド   ン   ッ


従業員E「お前ぇぇぇぇぇぇえ!!!!またミスしやがって!!!!!マジでぶち殺すぞ!!!!おい!!!!!」

プルルルルルルル

従業員D「はい、もしもし。あっ、はい。はい・・・」
     「おい、泉。部長からお前に電話や」


こなた「はい、泉です」

部長「おー、泉さんか?前に試用期間3カ月って言うたんやけどな・・・アレもうちょっと待ってくれへんか?」



229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 21:31:30.21 ID:ukixbqlu0

こなた「・・・・え・・・・・」

部長「いやいや、まぁそんな悲観せんでええねん」
   「泉さんもいつになるかわからへんけど、それまでちゃんと自分を磨いて・・・な?」


こなた「・・・・・・。はい・・・・(そんな・・・そんな・・・)」

ガチャ

従業員D「なんて?」

こなた「正社員の話はもうちょっと先延ばしになるって・・・」

従業員D「あっそ」


こなたはその後もずっと必死に働き続けた・・・
『こんな教え方で上達できる訳が無い・・・』
そんな感情も押し殺して必死に働き続けた・・・

パートのおばちゃんC「なんで、こなちゃんって全然喋らへんの?キモーいwww」
パートのおばちゃんD「やめたりーやwww可愛そうやんwwwwwwwwwwwwww」


いつの間にか、こなたは『隠キャラ』としてのイメージを確保し
周囲から馬鹿にされるだけの存在になっていた・・・

232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 21:47:31.21 ID:ukixbqlu0

中でも「パートのおばちゃんD」は他の従業員の10倍はこなたを面白おかしく笑い飛ばした
パートのおばちゃんDは50歳過ぎで間違いなくたいした仕事も出来ない

どう考えてもこなたの方が何倍も仕事が出来るのは疑う余地も無かった


しかし、社員は果てしなく厳しく、パートやバイトには果てしなく甘い・・・
こなたを除いてはみんな和気あいあいと雑談をしている・・・


パートのおばちゃんD「んも〜、こなちゃんこんなこともわからへんのぉ・・・?www」←その教えも間違っている
              「こなちゃん、何やってるん?wwwそんなんしたらあかんやんwwwwwww」
              「こなちゃん、ちょっとは喋った方がええでぇwwwみんな気持ち悪がってるやんwwwwww」


このパートのおばちゃんDは、従業員Eよりも監視の目は厳しいものとなり
喋れば後で怒られる・・・そんなこともわかっていない周囲の視線は更に厳しくなる


この頃から、こなたは「隠キャラ」としての立場から「異常者」としてのイメージを
このパートのおばちゃんDによって不動のイメージを植えつけられていた・・・



237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 21:58:38.36 ID:ukixbqlu0

1年と半年後、高校生の男バイトが3人入ることになるが、こなたが今まで見てきた色んな職種のバイトよりも
遥かに働かない3人だった。そして同様に会社はそんなバイトでも果てしなく甘かった・・


バイトA「このバイトほんまにキツイよなぁw」
     「俺なんて初日に便所に吐きに行ったもん・・・wwww」


従業員D「・・・・・・・・」
従業員E「・・・・・・・・」
従業員F「・・・・・・・・」


こなた「・・・・・・・・」


この言葉には、全員が絶句していた・・・
「じゃあ、私はどうなるんだよ・・・」そんな言葉も全部飲みこんで我慢していた・・・

ある日、こなたは床掃除の為に床に水をホースで撒いていたが
必死に働いてるこなたを余所目に3人は遊び呆けていた・・・

そこに、こなたが撒いていた水がほんの少しバイトAに当たった

バイトA「うわっ!チッ!何すんねんお前ぇ!!」
バイトBCはそんなバイトAの態度に流石にひいているようだった・・・




240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 22:03:16.66 ID:ukixbqlu0

こなた「私・・・落ちるところまで落ちたんだな・・・」

その頃のこなたは「ショタ」、「レズ」と全く身に覚えのないあだ名に変わっていた・・・


でも・・・もうすぐここに来て2年になる!時期的にもう社員になれる日が近づいているはずだった・・・
この間時給750円 月給は19万程だった(税込) もちろんボーナスも福利厚生も無い・・・
こなたは、今まで厚生年金にも入れた事は無かった・・・


もうちょっとだ・・・もうちょっとだ・・・・

243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 22:11:07.55 ID:ukixbqlu0

ある日、こなたはc店のバイヤーに呼び出された


こなた「やった!!やっと正社員になれる!!」


ところが、そんなこなたに待っていた言葉は『正社員になれない』であった・・・

こなた「・・・・・・・」


愕然とするこなたに

c店のバイヤー「ほら、もうお前ええ歳やんか?」
          「いや、なられへんとは言うてないねん。お前肉もろくに切られへんやろ?」


こなた「はい・・・(だって・・・だってそれは今まで一度も肉なんて切らせてくれなかったから・・・)」


c店のバイヤー「だから、正社員になられへんかったからって辞めんといて欲しいねん」
          「今うちって本当に人が足りてないやろ?」


こなた「はい・・・(何を・・・・何を勝手な事ばかり言ってるんだろう・・・この人たちは・・・)」

247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 22:16:21.83 ID:ukixbqlu0

こなた「お父さん・・・正社員になれなかったよ・・・」

そうじろう「ええ!?なんだって!?どうして!?」

こなた「・・・・」


こなた「どうしたら・・・どうしたらいいんだろう・・・」
    「私どうしたらいいんだろう・・・」

こなたは帰って2ちゃんねるで色々仕事を探したり転職板を覗いたりしていた・・・


こなた「資格!!そうだ!!もう資格を取るしかない!!」





250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 22:25:04.08 ID:ukixbqlu0

こなた「この2年で貯蓄したお金が400万ある!!」
    「このお金で2年間税理士の勉強をすれば上手くいけば合格!!」

    「駄目でも税理士の5科目のうち何科目か合格すればどこか事務所に入れるかも知れない!!」
    「そうだ!!2ちゃんねるで聞いてみよう!!簿記2級だって持ってるし!!」


会計板2ちゃんねら「なれるなれる!!てか簿記2級でも全然なれるよ!!」
            「つか、今からでもうちに来てくれないかなぁ・・・マジ今人出が無くて困ってる・・・」
            「うちは給料月20万くらいでボーナスも3カ月分しか出ないけど、全然入れるよ?」

こなた「あ・・・・あぁ・・・まだこんな道があったんだぁ・・・」


この時の日本は2007年稀にみる新卒バブルでたまたま人手が足りない事にこの時のこなたは気が付かなかった・・・


こなた「なれる・・・なれるんだ・・・資格取れば正社員に・・・」







259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 22:34:16.57 ID:ukixbqlu0

次の日こなたは従業員Eに仕事を辞めると告げた

従業員E「そうかぁ・・・で・・・いつから・・・」

こなた「すみません、じゃあ今から帰ってもいいですかね?」

従業員E「ああ!?」

こなた「もう時間が無いんです!!7月の試験まで3カ月しかないし!!今日のお給料はいりませんから!!」

従業員E「お前そんな勝手が許されると思ってんのか!!!!!??????」


こなた「お願いします!!お願いします!!!!」


従業員E「・・・・・・・・。チッ」

もういいから行けやと言うそぶりを首だけで示す従業員E


こなた「ありがとうございます!!」

こなたは焦っていた、あと3カ月しかない・・・
この機会を逃すともう手遅れになる・・・



262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 22:38:43.50 ID:ukixbqlu0

従業員E「おい、ちょっと待て・・・」
      「一応バイヤーにも連絡してみる」


こなた「・・・・・はい・・・・」


バイヤー「おーい・・・どうしてん?この間辞めてほしくないってあれだけ言うたやろ?」

こなた「すみません・・・でも本当に時間が無いんです・・・」

バイヤー「もう決心は変わらんのか・・・?」

こなた「・・・・・はい・・・・・」

バイヤー「じゃあ、正社員にしたるって言うたらどうする?」


こなた「・・・・・え・・・・・?」


思いもかけない言葉にこなたは茫然とした・・・・

265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 22:42:31.15 ID:ukixbqlu0

バイヤー「正社員にしたるって言うたらどうする?」


こなた「・・・・・・それは・・・・それだったら辞めたりは・・・・」

バイヤー「わかった。じゃあちょっと俺から部長に電話してみるからちょっと待っとけ」
      「ええから大人しく今日は働いとけ、ええな?」


こなた「・・・・・・はい・・・・・」


その日、こなたはキツネにつままれたような面持ちで仕事を続けていた・・・

こなた「私は・・・どうしたらいいんだろう・・・?」

268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 22:49:17.34 ID:ukixbqlu0

次の日さっそくこなたは部長に呼び出されなんとその日から正社員・・・

部長「ええか?社員になったからってこれで終わったんとちゃうぞ?」
   「今までみたいに気の抜けた仕事しとったら格下げもあるからな。質問あるか?」


こなた「福利厚生は!?福利厚生もあるんでしょうか・・・?」

部長「ああ、あるぞ、なんやそれが目的やったんか」


こなたは正社員になれた・・・しかしこなたはすっきりしない気持ちと
迷いが生じていた・・・


『部長「今までみたいに気の抜けた仕事しとったら格下げもあるからな。」』

こなた「私は・・・私はそんな気持ちで仕事なんかしていない・・・」
    「あんなに・・・あんなに頑張ったのに自分はそんな評価しかされていなかった・・・」
    「あんなに頑張ってたのに・・・あんなに耐えてきたのに・・・どうして・・・どうして・・・・」

271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 22:56:14.59 ID:ukixbqlu0

こなたは正社員となったことでe店に配属と決まった
e店と言えばa店精肉長が避けていた唯一人気の無い店・・・


こなたは従業員から初めてe店の実情を聞いた
どうやらこのスーパーで最も人格が歪んでいる人物が1人で仕事をしているらしい・・・

従業員D「アイツ一番このスーパーで狂ってる奴だから気をつけとけよ」
従業員E「おい、Fwお前があの店舗でアイツと2人で仕事することになったらどうする?」
従業員F「辞める・・・」


これは、全く冗談で言ってる事では無かった・・・
しかし、その時のこなたは現実感が無かった・・・

278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 23:03:30.53 ID:ukixbqlu0

次の日こなたはe店へと向かった
そこに居たのは1人の小太りの26歳の男だった・・・

デブ「おー、来たかー。俺はいつも1人で仕事してるから正直マジで人出が欲しかってんwww」
   「ええか?俺が言うことは一発で覚えろよ?俺2回以上同じ事言わせる奴嫌いやねん」


こなた「はい」


言ってることは普通は無茶苦茶なことなんだろうが
こなたにとってその程度の発言はもはや珍しくも無くたいして感じることは無かった・・・

こなた「(言われてた程酷くは無さそうだなぁ・・・きっと本当に人出が欲しかったんだろうなぁ・・・)」




283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 23:12:59.77 ID:ukixbqlu0

3日ほどたいした変化は無かったが、ある日こなたはまたバイヤーから連絡を受けた
どうやら、やはりc店で働いて欲しいとのことだった・・・

こなた「(きっとバイヤーが気を使って、この人とだと潰されると思ってそっちに移動してくれたんだろうなぁ・・・)」


この時のこなたはまだバイヤーが良い人なんだと思っていた
いや、実際には確かに良い人なんだろう・・・しかし、こなたはバイヤーが一皮剥いたら
とんでもない人格に豹変することを知らなかった・・・



しかし、こなたは迷っていた・・・
あれだけ頑張って来たのにあれだけの仕打ちを受け・・・
たいした評価もされず・・・ただ、いいように使おうとしていただけの会社に・・・

辞めると言った次の日すっ飛んできて次の日いきなり正社員・・・・





あまりにも馬鹿げている・・・・・



287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 23:19:26.23 ID:ukixbqlu0

一番初めに働いていたa店の自分の後に入ってきた人(32歳)も
そして何故かバイトAも正社員にすんなりなっていた・・・


自分だけが・・・


こなたは正直もう辞めたかった・・・
いっそもう辞めて税理士の勉強してどこかの事務所に正社員として働きたかった・・・


ある日こなたは事務所に呼び出された・・・
そこには部長とバイヤーがいた


こなた「一体何の話だろう??」


部長とバイヤーは真剣な顔でこなたに攻め寄った・・・



部長「お前ショタなんやってなぁ・・・?」

こなた「!!??」



290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 23:24:58.29 ID:ukixbqlu0

こなた「・・・・・・」


バイヤー「お前ショタなんやろ??」
      「ずっとお前を見てきたけどお前にはその気がある・・・」


こなた「あ・・・ぁ・・・・」


あのパートのおばちゃんが吹聴しまくっていたのだった・・・
どうも先日行われた自分の歓迎会でその居酒屋の店主の子供がなついてきたので
頭をなでたことが原因らしい・・・


こなたはそれから1時間30分・・・真剣に部長とバイヤーに詰め寄られた・・・
しかし、こなたに許されている言葉は「はい」「すみません」「自分がやりました」の3つしかない・・・

こなた「すみません・・・・」


こなたは終始その言葉だけを吐き続けるしかなかった・・・

295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 23:31:54.84 ID:ukixbqlu0

こなたの精神はもう既にズタズタになっていた・・・


こなた「辞めたい・・・辞めたい・・・・・・・・」


従業員「自分ほんまにキッショいなぁwwww」

こなた「はい、ありがとうございます」

従業員「自分彼氏とかできたことあるん?wwwww」
     「自分の友達もそんなキショいん??wwwwww」

こなた「すみません・・・」


ガ ラ ッ

グロッサリー担当従業員「オラァ!!!!お前いつも冷凍庫の電気つけっぱなしにすんなって言ってんだろうが!!!!」

こなたはいつもこの人物に冷凍庫の電気がつけっぱなしだと叱られていたが
絶対こなたでは無かった・・・

しかし、こなたは例のごとく「すみません」の一言しか言えなかった・・・



298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 23:36:31.94 ID:ukixbqlu0

グロッサリー担当従業員「お前何回言わせんねん!!ふざけんなよ!!マジで!!」


精肉以外の人間は比較的穏やかそうだったが、この時ばかりは
こんなにこの人物が激怒したとこは見たこと無かった・・・


こなた「私じゃありません・・・」

グロッサリー担当従業員「あぁ!?」

こなた「絶対違います・・・」


グロッサリー担当従業員「・・・チッ、子供でも電気位消せるやろうが!!」


そう言い残すと意外そうな顔をしながら彼はその場からすぐにいなくなった・・・
こなたにとってこれが初めての反抗だった・・・

300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 23:37:18.62 ID:ukixbqlu0

>>296
男だよ

308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 23:45:29.93 ID:ukixbqlu0

この店には、まだ比較的優しい、おじいちゃんの従業員がいた・・・
厳しい事を言うがこなたに対してそんなに他の従業員と比べて酷い仕打ちは無かった・・・

しかし、その日はそんなおじいちゃんも全くこなたへの態度が違っていた・・・


こなた「これってどうやるんですかね?」←何のこと聞いたのかは忘れた・・・

おじいちゃん「何でお前にそんなこと言わなあかんねん?」

こなた「え?」

おじいちゃん「何でお前にそんなこと言わなあかんねんって言っとんねん!!!!????」


何気ない本当に何気ない仕事上の事を聞いただけで激怒しだした


こなた「え・・・でも・・・」

おじいちゃん「だから!!!!何でお前にそんなこと言わなあかんねんって言っとんねん!!!!????」


ド カ ッ


訳が分からなかった・・・
突然意味不明なことで怒りだしたかと思うとこなたは突き飛ばされた

311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 23:49:18.22 ID:ukixbqlu0

その日1日でこなたは
「ショタ」「冷凍庫」「おじいちゃん」の3つも立て続けに起こる限界値が振り切れるような
出来事が起きた・・・



こなた「は・・・ははは・・・何これ・・・何これ・・・・・・・・・」



次の日からこなたは反抗の目を隠せない状態になっていた
頭の中は「辞めたい」という気持ちで溢れかえっていた・・・

315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 23:57:00.22 ID:ukixbqlu0

そんなこなたの態度がいつまでも隠し通せるものでは無かった・・・


ある日こなたはバイヤーに呼び出された

バイヤー「なんやねん?言いたい事があるんやったらはっきり言えや」

こなた「辞めさせて欲しいです・・・」
    「前に辞めたいと言った日から税理士のことで頭がいっぱいになってしまいました・・・」


こなたの口からスラスラと破壊の呪文が吐きだされる・・・


バイヤー「・・・・わかった、部長に言っとくわ・・・・」


こなた「終わった・・・・とうとう終わった・・・・・」


その時こなたは解放感と喪失感と絶望感を同時に味わっていた・・・・
それから数時間後のバイヤーは今までの温厚な態度から豹変することとなる・・・

319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 00:07:20.25 ID:d5A29lRZ0

数時間後、バイヤーは会議から戻ってきてさっそくこなたにこう言い放った
こなたが辞めることは他の誰も知らなかった・・・

バイヤー「あー、泉君ちょっとちょっとwwwww」


バイヤー「さっき会議でみんなに話したんやけどなぁwwww」
      「部長は『辞めさせろ』の一言やったわwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
      「おめでとう!!良かったなぁwwwwwwwww他の店舗の精肉長も全員お前の事無茶苦茶言っとったわぁwwwwww」

こなた「はい、ありがとうございます・・・・」


こなたに一気に絶望感が襲ってくる・・・


バイヤー「もう隠しとってもしゃーないやろwwwwwwwww」
      「おーいwwwみんな集まってくれやぁwwwwwwwwwwww」
      「なんとこの泉君は晴れて退職することになりました!!!!!!おめでとう!!!!拍手!!wwwwwwwww」

324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 00:11:19.37 ID:d5A29lRZ0

一同流石にびっくりした様子だった・・・


バイヤー「あっ、そうそうwwwお前を紹介してくれた友達もけたくそに言うとったわwwwww」
      「じゃあ、泉さんから一言お願いします!!wwwwww」


こなた「あっ、すみません・・・自分は本当に不甲斐ないなぁと・・・」


バイヤー「そうか!!良かったやん!!それに気づけただけ!!wwwwwww」
      「でも、もう遅いけどなぁ!!wwwwwwwwwwwwwwwwwww」

327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 00:14:53.39 ID:d5A29lRZ0

こなた「みゆきさん・・・・ごめんね・・・・・ごめんね・・・・・・」


こなたは必死にみゆきに謝った・・・



みゆき「いいんですよ、泉さん。気にしなくて・・・」





こなた「ごめんね・・・・・」



こなたは謝るしかかわす言葉を持ち得なかった・・・・

332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 00:21:40.91 ID:d5A29lRZ0

次の日こなたはいつものように店に向かった
バイヤーは来ていないようだったが、バイヤーから1本の電話が入った・・・

従業員「あっ、はい・・・ええ来ていますけど・・・」


どうやら、バイヤーはこなたがそのまま店に来ないと思ってたらしい・・・


従業員「はい、泉に代わりますか?え?いい?」


従業員「泉、バイヤーがe店に応援に行けって・・・」


あんなに虐め抜いてきた従業員から流石に憐みの顔をされている・・・
e店あの・・・あのデブのいる隔離所だった・・・

だが、こなたはあの隔離所が殺戮所のイメージに変わるのはそう時間がかからなかった・・・




342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 00:29:40.68 ID:d5A29lRZ0

e店の応援に着いたこなたは恐る恐る言った・・・


こなた「お願いします・・・」


デブ「・・・・・」


返事は何も返ってこない・・・


こなた「あの・・・何をしましょうか・・・?」


まだ返事は返ってこない・・・
こなたは挙動不審に1分ほど何も出来ない・・・


デブ「お前2年も働いててまだ何やるかもわかってないんか!!!!!!!!??????」
   「冷蔵庫に切った肉入ってるからラップ巻いて値段付けろや!!!!!!!!!!!!!!」

デブ「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!」


ドカーンッ ドガーーンッ
そこら中に転がっているダンボールを蹴りまくって暴れているのが冷蔵庫の中から聞こえる・・・




351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 00:39:06.89 ID:d5A29lRZ0

その日途中でバイヤーから電話が入った・・・
内容は「お前も一度はここの正社員になった人間やったら次の人間が決まるまで働けや」との事だった・・・


こなた「殺される・・・」


こなたはこの状況をなんとか回避できないだろうかと考えたが考えが及ばなかった・・・


デブは数分おきに疲れる事無く、延々同じことを繰り返す
やり口は、到底聞こえない声でわざとボソッっと何かの指示を出し
こなたが「もう一度お願いします」と言うと俺に同じことを2回以上言わせるな!!と同じように暴れ出す。


こなたは恐れながらも、よく疲れないものだと感心するものがあった・・・
店は1日中数分おきに怒声が鳴りひびいた・・・


客がびっくりしないか心配しないかとこなたはいつも不思議に思った・・・


372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 00:50:58.85 ID:d5A29lRZ0

その毎日が1ヶ月ほど過ぎた・・・
こなたは2ちゃんねるの転職板に相談すると退職願いを提出すれば、法的に数日で辞めてもおk

こなたはさっそく退職願をしたため、バイヤーに提出した
同時に次に働く税理士事務所の内定が決まったからすぐに辞めさせて欲しいと願い出た

退職願いなんて提出した人間は初めてだったらしく、それについてもしばらく笑いの的にされた・・・


―――数日後――

バイヤー「おい、泉www今月は30日まで出勤してあとはもう来なくてもいいぞwwwwww」

こなた「え・・・でも・・・今月は31日まで暦はあるのに・・・」

バイヤー「かまわへんwwww31日はもう来なくてもいいwwwwwww」


未だにこなたには何故30日までの出勤で良かったのかはわからない・・・
しかしあのバイヤーの表情から何か年金なのか保険なのか、何かしら意味のある
こなたにとって不利なことなんだろう・・・・


ようやく、こなたはこの忌まわしいスーパーから離れることができた・・・
しかし、失ったものは大きかった・・・

2年も働いたが技術になることは何も身につけることが出来なかった・・・
この時こなたは29歳になっていた・・・

もう絶望的な歳である・・・

388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 01:04:43.29 ID:d5A29lRZ0

こなたは次の日からさっそく貯金400万を取り崩し、専門スクールに35万払い
税理士2科目「簿記論」「財務諸表論」を受講した・・・



ここからは、大した出来事は無かったが



毎日朝一番早くから学校に来て夜遅くまでずっと勉強に明け暮れた・・・
簿記論は尋常じゃない程計算を速くとか無いといけない・・・

配られた理論は全部隅々まで暗記した・・・

しかし・・・翌年の試験は「A」判定(最も合格に近い点だが不合格)



また貯金を崩して翌年に向けて勉強した
専門スクールははじめに払った35万だけではなく、事あるごとに大金が必要になる・・・


そんな折、世の中はリーマンショックにより株は底値に近い株価まで下がっていた・・・

395 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 01:10:31.34 ID:d5A29lRZ0

こなた「今、株を買えば儲かる!!」


こなたは、あの忌まわしきスーパーでの出来事が毎日頭をよぎり
自分の何が悪かったのか毎日自問自答していた・・・

そう言えば、彼等の話す事は競馬やパチンコ、麻雀等の賭けごとの話ばかりだった・・・


話が出来るようになる為にも賭けごとくらいできなきゃ!!
そんなこなたの気持ちが、やったことも無い株に手を染めはじめた・・・


こなた「お父さん!!今株をやればきっと儲かるよ!!」

世間知らずのそうじろうはそんなこなたの言葉をあっさり信じ
600万をこなたに預けた・・・




403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 01:15:25.69 ID:d5A29lRZ0

初めは調子が良く
こなたはユアサの株に投資し、600万が一気に1200万になった・・・


こなた「凄い・・・働かなくてもこんなに簡単にお金って儲けられるんだ・・・」


こなたは株の世界にどっぷりはまりこんだ・・・
税理士の勉強なんてそっちのけに・・・


結局こなたはその1200万も「みずほ銀行」に投資
これは2ちゃんねるで絶対儲かると言われ信じ込み、投資したのだった・・・


結局こなたは1200万を150万まで溶かしてしまうことになる・・・
勿論、次の年の税理士試験も不合格に終わった・・・・

416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 01:23:19.15 ID:d5A29lRZ0

こなた「結局・・・試験には一科目も受からなかった・・・」
    「でも前に一科目も無くてもぜんぜん税理士事務所で働けるって言ってたし何とかなるかもしれない!!」


税経板住人「は?アホか?一科目も持ってない奴が働ける訳無いだろ・・・?」
        「マジで舐めてるとしか思えない、どこのどいつがそんなアホ雇うんだよ?」



こなた「え?え?でも・・・二年前に聞いた時は資格なくても大丈夫だって言ってたよ?」


サーー・・・←血の気のひく音


税経板住人「つか、マジこいつキモい。二年前の事とかしらねーよ。マジムカつく・・・」
        「つか、二年前の就職バブルと今じゃ状況が全然違うだろ・・・」





428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 01:34:36.76 ID:d5A29lRZ0

こなたはそれから三日間寝れなかった・・・
フラフラと気が付けば、つかさの元に行きもう一度あのホームセンターで働きたいと涙ながらに訴えていた・・・


こなたの評判はとても良かったので、今でもつかさとホームセンターで月給14万5000円のパートをしている・・・
その面接に時駄目もとで「頑張れば正社員になれますか?」


と聞いてみた・・・


答えは

「なれるなれる!w正社員の目標を持って頑張って欲しい!!」
との以外な答えだった

それからまた、こなたは1年半がむしゃらに頑張り今に至るが
その正社員になれると言う話は間違いで、結局今は全く中途採用を行っていないと言う
振り出しに戻る答えだった・・・


そしてまた無駄にこなたは歳をとり、現在の32歳に至っている・・・



434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 01:38:26.22 ID:d5A29lRZ0

こなた「ねえ、つかさ?私もう正社員になるの諦めたよ・・・」
つかさ「そうだね・・・その方がいいよ・・・」

こなた「せっかくフリーターで一生過ごすって決めたんだから、どうせならもっと時給の高い所がいいなぁ・・・」
    「ゆうメイトで働いてそのうちAクラスになると時給1500円くらい貰えるって聞いたんだけど本当かな?」
つかさ「さあ・・・こなちゃん騙されやすいから・・・」



キャスト

こなた                 俺

つかさ・そうじろう(の大半の話)  俺の母親

かがみん(の経験)         大半俺

みさお(の経験)           俺

433 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 01:38:11.81 ID:zS71Dzgo0

どうやって金無くしたか気になって見てたけど完全に自業自得じゃねーかw
むしろ全体的に所々自業自得感が否めない。
それを全部周りのせいにして私は可哀想と思ってる。それじゃ駄目だな。

と思ったけど書き方上手いからか読んでて面白いんで>>1頑張れ

436 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 01:40:05.56 ID:d5A29lRZ0

>>433
そこ突っ込まれると思ったw
すまん、自覚してる・・・

438 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 01:41:21.06 ID:RxQMrlQk0

簿記2級って高校で取得したの?

449 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 01:45:23.27 ID:d5A29lRZ0

>>438
いや、1回目のホームセンターで働いてる時に取ったんだよ
2回目(現在)は正社員になれると思って色々とったよ

第2種電気工事士、DIYアドバイザー、グリーンアドバイザー
リフト免許、販売士2級・・・他にもなんか取った気がする・・・


全部無駄に終わったよ・・・

440 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/31(土) 01:42:24.40 ID:QwUrXpof0

どうやったらそんなに辛酸を舐め続けられるのか

こういう話を目にする度に思うのだが途中で公務員になりゃ解決なんじゃねーの?
それとも年齢制限的な何かがあるのかな

453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 01:47:58.32 ID:d5A29lRZ0

>>440
そう言えば外食辞めた時
警察官の試験受けたんだけど落ちちゃったw

当時の俺はほとんど勉強の仕方を知らなかった・・・

勉強のやり方が開花したのは、必死に税理士試験受けた時だった
遅すぎる開花だったな・・・

451 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 01:45:46.90 ID:i24W1bvYP

まて
かがみの体験もお前ってどういうことだ

455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 01:49:52.96 ID:d5A29lRZ0

>>451
実際には働いて無かったんだけど
初めのそれぞれの進路考えた時、税理士業界のことも知ってもらおうと思ってかがみん使ったw

まさか、ここまで書き続けるとは思わなかったから



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