古泉「今日もいい天気ですね」 長門「……」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:11:21.12 ID:f5Sn+0hq0

古泉「今日もいい天気ですね」

長門「……」

古泉「これも涼宮さんの所為なんでしょうかね」

長門「……」

古泉「今のところ、閉鎖空間も発生していませんし」

古泉「彼も下手なことはしていないようですね」

古泉「もっとも、別れてからまだ10分程度しか経っていませんが」

長門「……」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:13:51.91 ID:f5Sn+0hq0

古泉「……長門さん」

長門「……なに」

古泉「すみません。僕といてもつまらないでしょう?」

長門「そんなことはない。つまる」ぶんぶんっ

古泉「ふふ。ならいいのですが」

長門「いい」

古泉「そういえば、ここのところ三週連続で長門さんとペアになってますね」

長門「………………」


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:15:14.89 ID:f5Sn+0hq0

長門「…………特別な情報操作はしていない」

古泉「わかっています。1/10で同じ組み合わせになるのですから、ありえないことではありません」

長門「確率は単なる指標に過ぎない。確立では世界を量ることはできない。机上の空論」

古泉「これはこれは。長門さんの口からそんな言葉を聞けるとは」

長門「……そう?」



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:18:45.69 ID:f5Sn+0hq0

古泉「すみません、失言でした。長門さんにとって……いえ、涼宮ハルヒに関わっている者にとって、確率論など後付にしかなりませんね」

長門「……そう」

長門「今起きていること。それこそが大事。だから貴方は今の状況を可能な限り楽しむべき」

古泉「そうですね」クス

長門「わたしは楽しんでいる……」ぼそ

古泉「すみません、よく聞こえなかったのですが」

長門「……なんでもない」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:20:19.85 ID:f5Sn+0hq0

三週間くらい前 部室

長門「……」

ガチャ

みくる「こんにちはぁ。あ、長門さんだけですか」

長門「……」コク

みくる「じゃあ今のうちに着替えちゃいますね」

長門「……」コク

みくる(長門さん、今日も無口だなぁ)


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:23:00.44 ID:f5Sn+0hq0

ガチャ

ハルヒ「やっふー! みんないる……って、まだ二人だけか」

みくる「涼宮さん、こんにちは」

ハルヒ「こんにちは、みくるちゃん。有希も」

長門「……」コク

ハルヒ(有希、今日も無表情ね)


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:26:05.76 ID:f5Sn+0hq0

ガチャ

キョン「うぃーす」

ハルヒ「おっそいわよキョン!」

キョン「悪い。実は空に赤く光る物体を見つけてな」

ハルヒ「ふぇ!?」ピクン

キョン「わけではなく、岡部に捕まってた」

ハルヒ「……」

キョン「笑えよ、べジータ」

ハルヒ「ぶっころがすわよ」

キョン「すまん」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:27:58.36 ID:f5Sn+0hq0

みくる「キョンくん、こんにちは」

キョン「こんにちは、朝比奈さん、長門」

長門「……」

キョン(長門、挨拶を返せとは言わないから、せめて頷くとかなにか反応してくれよ……)ショボン

キョン「古泉の奴はまだか」

長門「…………」

ハルヒ「そうなのよ。いつもならもう来てるんだけど」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:29:12.46 ID:f5Sn+0hq0

キョン「サボりじゃないのか?」

ハルヒ「古泉くんはあんたとは違うわよ」

キョン「言っておくがハルヒよ、俺は皆勤だぞ」

ハルヒ「そんなの当たり前でしょ。そうじゃなくて気持ちの問題よ、気持ちの。あんた不思議探索にはいっつも最後じゃな

い」

キョン「今日は古泉が最後みたいだが――」

長門「彼は少し遅れているだけ。決してサボりなどではない。そもそも彼は無断欠席するような人間ではない。憶測でもの

を言うのはやめ……」

みくる&ハルヒ「……」

キョン「?」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:29:59.24 ID:f5Sn+0hq0

長門「……失言だった。忘れてほしい」





みくる「ねぇねぇキョンくん、もしかして長門さんって古泉君のこと……」ヒソヒソ

キョン「(なんで急に小声で?)古泉がどうかしたんですか?」ヒソヒソ

みくる「(この鈍感っ!)長門さん、古泉君のこと好きなんじゃないかなぁ」ヒソヒソ

キョン「! それはないんじゃないですか、あの長門に限って」ヒソヒソ

みくる「でも急にあんなに喋るなんて、少なくとも何かあるはずですよ?」ヒソヒソ

キョン「んーでも、確かめようにもストレートに訊くには……」ヒソヒソ

ハルヒ「有希って古泉くんのこと好きだったの!?」ガタッ

キョン「ってど真ん中っ!?」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:31:00.95 ID:f5Sn+0hq0

長門「そのような事実はない。そのような事実はない」

みくる(なんか二回言ってる!)

長門「わたしは貴女を観察することだけが目的であり他のことに感けている暇h」

キョン「ち、ちょああああああっ! 長門すまんかった!! 古泉はSOS団をサボるような奴じゃないよなっ!?」

みくる(キョンくんナイス!)

ハルヒ「ちょっとキョン! いきなり大声出さないでよ!」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:32:53.63 ID:f5Sn+0hq0

ハルヒ「で、有希、観察がどうしたの?」

長門「(口が滑った)なんでもない。気にしないほうがいい」

ハルヒ「え、でも今あたしがどうとかって」

長門「…………確かにわたしはそう言った。わたしの知っている貴女は、この部室にいるときかなりの高頻度でHDD(D:)

の32個目の階層にある彼の――」

ハルヒ「あああああああっ! 古泉くんおっそいなぁもう!!!」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:33:52.30 ID:f5Sn+0hq0

キョン「おいハルヒ、お前だって大声出してるじゃないか。てかなんだ、パソコンがどうこうって?」

ハルヒ「ああああああんたには関係ないのよっ!!////////」

キョン「声がでかいぞハルヒ」

ハルヒ「うっさいバカキョン!(後でデータ抜いとかなきゃ/////」

みくる「あ、あの、長門さん」オズオズ

長門「なに」

みくる「古泉くんのこと、よく見てるんですね」

長門「……」

長門「………………………………/」こく

みくる&ハルヒ「!」

キョン「?」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:35:19.76 ID:f5Sn+0hq0

ガチャ

古泉「遅れてすみません」

長門「!!」ピク

長門「こんにちは」

みくる&ハルヒ&キョン(挨拶したッ! しかも自分からッ!?)

古泉「はい、こんにちは、長門さん」ニコ

長門「……/」こくこく

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:38:30.91 ID:f5Sn+0hq0

キョン「な、なあ古泉……?」

古泉「なんでしょうか?」ズイ

キョン「顔が近いんだよ気持ち悪いから離r」

長門「」ギン

キョン(ヒィッッッ!!!)

古泉「? どうしました?」

キョン「な、なんでもない。それより離れてくれるかっ(なんだよなんで睨むんだよ長門っ!?」

みくる(あの長門さんの目……さながらアライJr.に置いてかれた勇次郎のそれですぅッ!)

ハルヒ(あわわわあぅあぅキョンが食べられちゃうぅ!(殺傷する的な意味で))


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:41:43.41 ID:f5Sn+0hq0

長門「……」パタン

古泉「あれ、もう終わりですか。ちょっと遅く来すぎてしまったようですね」

古泉「すみませんでした、涼宮さん」

ハルヒ「いいいいいのよ古泉くん誰にだって外せない用事っていうのもあるものね!」

キョン(ハルヒにしては普通のフォローだが、正直助かった)

長門「……」コク

古泉「それじゃ、来て早々すみませんが、お先に失礼します」

長門「……また明日」フリフリ

古泉「はい。では」バタン

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:44:54.38 ID:f5Sn+0hq0

長門「……」ジー(閉まった扉を見つめる


みくる(あの憂いた瞳、間違いありません。長門さんは恋をしていまっしゅ!)ヒソヒソ

キョン(朝比奈さんの言う通りかもしれません。でもあの長門が……これが、娘が嫁いでいくときの親父の心境か。嬉しい

やら悲しいやら……)ヒソヒソ

ハルヒ(ていうかあんな露骨に贔屓されて、古泉くんは気付いてないのかしら)ヒソヒソ

長門「全部聞こえているから通常の声量で話してもらって構わない」ギロリ

みくる&ハルヒ&キョン「ひぃッッ!」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:47:34.91 ID:f5Sn+0hq0

長門「…………なぜ怯えているのかわからない。理由を」ギロリン

ハルヒ「べべべ別にここここここ怖くなんて全然なななななななないんだからねっ!」ガクブル

みくる「ふぇぇ、まだ死にたくないですぅ」ブルブル

長門「ならば彼の背後に隠れる必要はないはず」

ハルヒ「そそそそれはっ!」ビク

キョン「だ、だって、理由もなにも睨んでたじゃないかっ!」ガクブル

長門「わたしは睨んだ覚えはない」

長門「それより……今の貴方たちのわたしに対する態度に、わたしは少なからず寂しさを感じている……」ショボーン

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:50:23.85 ID:f5Sn+0hq0

ハルヒ「! ご、ごめんね有希! もうナイショ話なんてしないからねっ!」ギュゥ

長門「うれしい」こく

みくる「そそうですぅ! みんな一緒です!」ギュゥ

長門「いっしょ」こくこく

キョン「お前を仲間外れになんてするつもりはなかったんだ! 許してk」

長門「さわるな」ガッ

キョン「えのっつっ!?」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:53:52.94 ID:f5Sn+0hq0

キョン「……で、長門はどうしたいんだ?(いてぇよ〜」スリスリ

長門「どうとは?」

ハルヒ「古泉くんのことに決まってんでしょ!」

長門「……彼をどうこうしようとは思っていない」

ハルヒ「あーうー、そうじゃなくってー」

みくる「それじゃあ長門さんは、古泉くんと何がしたいですか?」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:56:47.27 ID:f5Sn+0hq0

長門「……」

長門「………………」

長門「…………………………たい」

みくる「?」

長門「よくわからない……ただわたしは、古泉一樹と、もっと話をしたいとは思っている」

みくる「ふふ、そうですかぁ」ニコ

長門「……」こく

みくる(今は、まだそれが限界なんですね)

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:00:15.56 ID:SIivHaeZ0

ハルヒ「そうね! まずはお互いのことをよく知らなくちゃね、有希!」

長門「 」こくこく

みくる「でも古泉くんってプライベートなことをあまり話さないですよね」

キョン「そうかもですねぇ。でもあいつだって人の子なんですから、ある程度信頼していれば話してくるんじゃないですか

?」

ハルヒ「なによそれっ! 古泉くんがあたしたちのこと信用してないって言うのっ!?」

キョン「そうは言ってない。まあ極端に言えば、友達には話せなくても親友になら話せるってこともあるってことさ。それ

があいつにとってはあいつのプライベートってことなのかもしれんだろ」

ハルヒ「だからって有希と古泉くんが親友になんてなれるわけないでしょ! 男女の間に友情は成立しないんだからねっ!



みくる(涼宮さん、さりげなくアピールしてる……まあキョンくんが気付くわけないんだろうけど)


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:00:27.33 ID:SIivHaeZ0

キョン「そうか? 俺は中学のときの同級生と――」

みくる「あのぅ、話が逸れてませんかぁ?(この流れは止めなきゃ大変なことになる気がするし」

ハルヒ「そうね。まったく、キョンのせいよ」

キョン「やかましい」

ハルヒ「それじゃ、脱線しかけたけど路線を戻すわよ」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:03:53.79 ID:SIivHaeZ0

ハルヒ「えっと、有希がどうやって古泉くんに告白するかってとこからだったわね?」

長門「!」

みくる「どういうシチュエーションに持っていくかって話でしたよね(ここは乗っておこう」

長門「!!」

キョン「え、なに言ってんだ二人とも。お互いのことを知るとかなんとk」

ハルヒ「おっと手が滑った」ドゴォ

キョン「にーちぇ!?」ゥァーゥァー

みくる「ジャンプ見てから余裕でしゅ」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:06:35.67 ID:SIivHaeZ0

みくる「でもどうやって告白できる状況に持っていくんですか、涼宮さん?」

ハルヒ「そんなのデートすればいいだけじゃない」

長門(デート!)

みくる「デートはいいんですけど、どうやって古泉くんを誘うんですか?」

ハルヒ「ふっふっふ、みくるちゃん忘れてない?」

みくる「ふぇ?」

ハルヒ「わたしたちには『不思議探索』という大儀名文があるじゃない!」

みくる「ああ!」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:09:45.63 ID:SIivHaeZ0

ハルヒ「本来、不思議探索でデートするなんて許されないんだけど、他ならぬ有希のためだしね!」

長門「……」

長門「ありがとう」ボソ

ハルヒ「わたしが細工して二人きりにしてあげる! その代わり、絶対に古泉くんを落としてみせなさいよ!!」

みくる「がんばってくださいっ」

長門「がんばる」こく

ハルヒ「さて、じゃあ今日はこのくらいで帰りましょ!」

みくる「そうですね」

長門「そう」






キョン「」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:10:51.38 ID:SIivHaeZ0

長門(彼女たちの意思、無駄にはしない)

長門(……これまで二度の不思議探索で、彼と少しも親密にはなれなかった)

長門(でも今日は違う。彼女らから授かった秘策がある)

長門(涼宮ハルヒ、朝比奈みくる、ついでに本名不詳。見ていて、必ずやり遂げてみせる)

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:14:07.76 ID:SIivHaeZ0

古泉「? どうしました、長門さん」

長門「嫌?」

古泉「なにがです?」

長門「貴方がわたしとペアになって嫌かどうか訊いている」

古泉「嫌なんてことはありませんよ」

長門「……そう/」

古泉「ええ。僕と長門さんと朝比奈さんの内で二人ペアないしは三人ペアができれば、必然的に涼宮さんが彼と同じ班にな

るわけですからね」

長門「………………………………………………………………………………………………………………………………そう」イラ

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:15:54.00 ID:SIivHaeZ0

古泉「そういえば長門さん、今お腹空いてますか?」

長門「……なぜ?」

古泉「いえ、実は今日寝坊してしまいまして」

長門「? 貴方は誰より早く集合場所にいた」

古泉「まあそうなんですが」

古泉「もし偶然皆が早く来て、僕が最後になるようなことになってしまったら」

古泉「涼宮さんが機嫌を損ね、僕のせいで閉鎖空間が発生し、僕が今日の不思議探索を休むことになってしまうかもしれな

い」

古泉「そうなればさらに涼宮さんの機嫌が悪くなるということにもなる。そして僕は怖い上司から厳しい説教を受けること

になる」

古泉「悪循環なんです。正直、僕はあの閉鎖空間というところが……すみません、なんだか愚痴っぽくなっちゃいましたね



長門「構わない(後で、涼宮ハルヒに集合時間の変更を申請する)」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:18:19.23 ID:SIivHaeZ0

古泉「まあそういうわけで、寝坊して朝食を食いはぐれてしまいまして」

長門「朝食を摂っていないのは良くない。今日一日の活力と明るく楽しい明日のために朝ごはんを欠かしてはいけない、と

高屋敷寛も言っている」

古泉「その人のことは存じあげませんが、確かにその通りですね」

長門「そう」こく

古泉「はい。では話を戻しますが、お昼まで持ちそうにないし、特に行くところもないので、長門さんさえよろしければこ

れから僕の食事に付き合ってもらえませんか?」

長門「実は先程から空腹。すぐ行くべき(彼と二人で食事ktkr」

古泉「あ、もちろん飲食代は僕が持ちますから」

長門「まじで」

古泉「はは、でも長門さんの空腹はちょっと怖いですね(金額的な意味で」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:21:30.24 ID:SIivHaeZ0

長門「ここ」

古泉「やはりというかなんというか、カレーですね」

長門「嫌?」

古泉「僕もカレーは好きなので、大丈夫ですよ。それにチェーンでないお店は気になります」

長門「こくこく」

古泉「じゃあ入りま……ちょっと待ってください」

長門「?」

古泉「……あ、大丈夫です。行きましょう」

長門「どうしたの?」

古泉「いえ、看板に割引のサービスが書かれていたのですが」

長門「?」

古泉「カップル限定みたいなので」

長門「!」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:24:56.22 ID:SIivHaeZ0

古泉「まあそんなに値段は変わらないし、気にせず入りましょう」

長門「…………お金は大事にするべき」

古泉「え?」

長門「会計は貴方任せ。ならばわたしは貴方の負担を少しでも減らすことができるのなら全面的に協力する」

長門「見たところ、店側にはわたしたちがそういった関係であるという意思表示をすればいいだけのよう」

古泉「僕はそちらの方が助かりますが……でもいいんですか、長門さん」

長門「それは私の台詞」

古泉「え」

長門「貴方こそ、わたしとそういった関係であると示すことに嫌悪感を抱かない?」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:26:27.52 ID:SIivHaeZ0

古泉「そ、そんなもの抱くはずないです」

長門「ならば問題はない」

古泉「そうですね……じゃあ、入りましょうか、長門さん」

長門「違う」

古泉「?」

長門「そういった間柄の男女はすべからく名前で呼び合うと聞く。わたしたちもそうすべき。リアリティは追求すべき」

古泉「わかりました。では有希さん、入りましょうか」

長門「わかった」

古泉(あれ、長門さんは呼ばないんだ)

長門(……私には無理//)

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:28:22.87 ID:SIivHaeZ0

古泉「あ」

長門「?」

古泉「リアリティを追及するなら、手とか握った方がいいですね」ギュ

長門「!!!!//」




長門(涼宮ハルヒへの申請の件、あれはなかったことにする//)

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:30:37.26 ID:SIivHaeZ0

長門「ごちそうさま」

古泉「あれだけで足りたんですか?」

長門「満足……」

古泉「そですか」

古泉「長門さんの頼んだ奴、美味しそうでしたね。なんて名前でしたっけ」」

長門「ナスカレー。貴方の頼んだ夏野菜のカレーも美味しそうだった」

古泉「ええ、とても美味しかったですよ」

古泉「……なんなら、お互いに食べ比べてみたらよかったですね」

長門「!」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:30:49.92 ID:SIivHaeZ0

古泉「ナスカレーも気になるし、今度また来ることにします」

長門「そう……いい?」

古泉「なんです?」

長門「わたしも、また一緒に行っても、いい?」

古泉「ええ、そうですね。また来ましょう」

長門「そう」コク

古泉「今度は涼宮さんたちも誘いましょうね」

長門「………………………………………………そう」イライラ

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:32:55.11 ID:SIivHaeZ0

古泉「ふあ……」

長門「?」

古泉「失礼。ところで、集合まで小一時間ほどありますが、どうしましょうか」

長門「としょ……このままで」

古泉「? 図書館はいいんですか?」

長門「いい」

古泉「このまま……と言っても、目的もなく歩いてるだけなんですけどね」

長門「それでいい」

長門「貴方も、たまには涼宮ハルヒのことは忘れてのんびりすべき」

古泉「そう、ですかね」

長門「そう」コクコク

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:36:20.22 ID:SIivHaeZ0

長門「……ベンチを発見」

古泉「ちょっと休憩しますか?」

長門「する」コク

古泉「ふぅ……今日は本当にいい天気ですね」

長門「ぽかぽか」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:38:14.93 ID:SIivHaeZ0

古泉「そうですね。人間も光合成をできたら、もっと気持ちいいのかもしれませんね」

長門「緑色の人間から発せられる大量の酸素……ユニーク」

古泉「あはは。人ごみとかに行ったら酸素酔いしそうですね」

長門「歩きタバコは禁止すべき」

古泉「あはははっ。今日の長門さんは、言葉を借りるなら『ユニーク』ですね」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:39:44.64 ID:SIivHaeZ0

長門「……褒めている?」

古泉「そうですね。貴方がその言葉を使うとき、どういう気持ちを込めてますか?」

長門「……よくわからない」

長門「でも……さっきのは、貴方の発言を面白いと思ったから、言った」

古泉「僕も同じですよ」

長門「同じ……いっしょ?」

古泉「ええ」

長門「…………そう」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:43:23.73 ID:SIivHaeZ0

古泉「ふあ……」

長門「……眠い?」

古泉「すみません。実は昨日寝るのが遅くて……」

長門「夜更かしはだめ」

古泉「僕もそう思ったんですけど、借してもらった本が面白くて、つい」

長門「! 詳細を希望する」

古泉「ファンタジー物なんですが、あんまり言うとネタバレしちゃいますね」

長門「そう……」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:46:27.61 ID:SIivHaeZ0

古泉「気になるのでしたら、今度長門さんも読んでみてはどうですか?」

長門「! (古泉一樹と同じ本!)」

長門「読ませてもらう」

古泉「面白いと思いますよ」

長門「読み終わったら、ぜひ貸してもらいたい」

古泉「ええ、読み終わったらお教えしますよ」

長門「」コクコク

古泉「涼宮さんに言えば、長門さんにも貸してくれるでしょうし」

長門「」

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:47:59.34 ID:SIivHaeZ0

古泉「? どうかしましたか?」

長門「別に」イライライライラ

古泉「そうですか……ふぁ」

長門「眠そう」

古泉「正直、眠いですね」

長門「無理はしない方がいい。少しでも仮眠するといい」

古泉「でも長門さんに失礼ですから」

長門「わ……わたしは、貴方といられるだけでいい」ぼそ

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:51:51.72 ID:SIivHaeZ0

古泉「そう言っていただけると光栄ですが」

長門「! (聞かれた。うかつ)」ぶんぶん

古泉「……じゃあ、ごめんなさい。少し眠らせてもらいますね」

長門「いざ」ぱんぱん

古泉「?」

長門「受け止めてみせる」ぱんぱんぱん

古泉「足が、なにか?」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:53:46.61 ID:SIivHaeZ0

長門「こういう状況下では、膝枕と相場が決まっていると本で読んだ」

古泉「へっ?」

長門「かまん」ぱんぱんぱんぱん

古泉「えと……で、では、お言葉に甘えて……」おずおず

長門「うむ。苦しゅうない」

古泉「どうも……」

長門「気持ちいい?」

古泉「はい。なんだか、何も考えないで横になるのは、久々かもしれません」

長門「そう」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:56:15.32 ID:SIivHaeZ0

古泉「……ちゃんと起こしてくださいよ?」

長門「安心するがよい」

古泉「ふふ」

古泉「……」

古泉「……でも」

長門「?」

古泉「さっきの話ですが。涼宮さんのことを考えるのは、別に苦じゃないんですけど、ね」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:59:58.42 ID:SIivHaeZ0

長門「……どういう意味?」イラッ

古泉「なんていうか……」

古泉「常識をわきまえているのに、いつも非常識な――と言っては語弊がありますか――ことを考え付く」

古泉「考え付いたら迷わず、僕らを引っ張っていく。気付いたら、僕までその非常識の中にいる」

古泉「あの人が次になにを言い出すのか……見ていて飽きないですね」

長門「……………………………………」イライライラ

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:02:23.91 ID:SIivHaeZ0

古泉「くー」

長門「眠ってしまった」

長門「……」

長門「…………」

長門「古泉一樹の顔が、こんなに近くにある」

長門「…………」ドキドキ


古泉『涼宮さんに言えば、長門さんにも貸してくれるでしょうし』


長門「……」イラ

長門「……」ペチン

古泉「あいたっ」


65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:04:31.37 ID:SIivHaeZ0

長門「時間」

古泉「あ、はい」ムクリ

長門「さっさと戻る」テクテク

古泉「? どうかしましたか?」

長門「……」イライラ

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:07:48.26 ID:SIivHaeZ0

ハルヒ「それじゃあ午後はこの組み合わせね!」

キョン「おお」

ハルヒ「ちゃんと探すのよキョン!」

古泉「僕が一緒ですので、ご安心ください」

ハルヒ「うん! じゃ、有希、みくるちゃん、行きましょ」

みくる「はーい♪」

長門「……」



キョン「……うっし、じゃあ俺らも行くか」

古泉「ええ」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:11:35.90 ID:SIivHaeZ0

キョン「で、どうだったんだよ」

古泉「いやぁ、なかなか見つからないものですね、不思議って」

キョン「そうじゃなくて、午前中は長門と二人きりだったろ」

古泉「ええ、まあ」

キョン「で?」

古泉「はい?」

キョン「だーかーらー、長門と何してたんだよ」

古泉「……すみません」

キョン「え、なんで謝ttてめぇ長門に何をしたぁ!?」グイッ

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:11:49.04 ID:SIivHaeZ0

古泉「眠ってしまって、って、えっ? えっ?」

キョン「何をしたっ!? 吐け! ぶちまけろ!!」グイグイ

古泉「ちょ、ホントにカレーだったものが野菜と共に出てきそうだからやめてください……!」

キョン「うるせー! 自分よりイケメンの彼氏を家に連れてこられた親父の気持ちがてめぇにわかるのかぁ!!」

古泉「意味がわかりませんって!」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:14:10.86 ID:SIivHaeZ0

 ミーアゲター ホーシゾラー トーイーヒノユーメー

古泉「携帯! 携帯鳴ってますよ!!」

キョン「ちくしょうちくしょう……もしもし」

長門『斬りおとすぞ』

キョン「な、長門さんっ!」ビクッ

長門『捻り切るぞ』

キョン「ひぃっ」ビクビク

長門『磨り潰すぞ』

キョン「ごめんなさい額を地面に擦り付けるので許してください」ズリズリ

古泉「あ、あの、みなさん見てるので携帯にむけて土下座するのやめてもらえませんか……」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:18:18.27 ID:SIivHaeZ0

ハルヒ「ゆ、有希? 今の電話……」

長門「……気にしなくていい」

ハルヒ「そ、そう?」

みくる「それで、長門さん」

長門「?」

みくる「古泉くんとはどうでしたか?」

長門「……」じっ

ハルヒ「? ん、どしたの有希?」

長門「……涼宮ハルヒ」

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:22:24.95 ID:SIivHaeZ0

ハルヒ「ん?」

長門「あなたは、古泉一樹に本を貸した?」

みくる「!」

ハルヒ「んー……あー、あれね」

長門「……それ」イラ

ハルヒ「わたしが部室で読んでてね、古泉くんが、面白そうだから読み終わったら貸してくれないかって」

長門「他には」

ハルヒ「え?」

長門「他には、何か言ってなかった」

ハルヒ「えー、そんなこと言われても……」

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:25:57.08 ID:SIivHaeZ0

ハルヒ「そういえば」

長門「なに」

ハルヒ「その本の作者の別の作品が映画になってるから、今度行きませんかー、とか言ってたわね」

長門「!!」

みくる(うあー……)


74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:30:45.24 ID:SIivHaeZ0

みくる(なんでみんなこう、自分のことには鈍いんだろう……)

長門「……」プルプル

みくる(涼宮さんには任せてられないな)

みくる「そうえいば長門さん」

長門「……」

みくる「例の秘策は試してみましたか?」

長門「!」

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:35:57.29 ID:SIivHaeZ0

ハルヒ「そうそう! 今日こそはできたんでしょうね、有希!?」

長門「……し、してない」

ハルヒ「そっかぁ、残念だったわね、有希」

ハルヒ「有希みたいに可愛い娘が膝枕なんてしてあげたら、イチコロなのに」

長門「そんなことはない……」

みくる「どうしてそう思うんですか?」

長門「!」ドキ

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:39:04.29 ID:SIivHaeZ0

ハルヒ「あまつさえ、名前で呼んで、なんて言った日にゃあ男なんて……(あれ? じゃあキョンに足りないのって膝枕だけなんじゃ……むりむりむり//)」

長門「…………」

みくる「……本当は?」

長門「……」ふるふる

みくる「長門さん……」

ハルヒ(いやでも、今度二人きりになったときにでもしてあげたら案外ころっと……)

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:41:34.06 ID:SIivHaeZ0

みくる「わたしは、長門さんのことお友達だと思ってます。もちろん涼宮さんもそうですよね?」

ハルヒ「へ!? もっ、もちろんよっ!!」

みくる「ね、長門さん。大切なお友達に嘘をつかれたりするのって、すっごく悲しいんですよ?」

長門「……」

みくる「力になってみせますから。何があったか、話してもらえませんか?」

長門「朝比奈みくる……」

ハルヒ「有希? わたしも有希のためだったらなんだってしてあげるわよっ!」

長門「涼宮ハルヒ……」

長門「……わかった」

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:45:03.83 ID:SIivHaeZ0

キョン「取り乱してすまん。もう大丈夫だ」

古泉「全然大丈夫じゃないです額が血だらけじゃないですか元々広い額をさらに広くする気ですか」

キョン「さっきの仕返しということなら流してやろう」ゴシゴシ

古泉「どうも」

キョン「んで、眠ってたとか言ってたな。もしかしてずっとか?」

古泉「まさか。長門さんとカレーを食べたりもしましたよ」

キョン「……」

古泉「?」

キョン「……」

古泉「……」

キョン「続けろ」

古泉「はい」

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:47:36.18 ID:SIivHaeZ0

古泉「えと、その後ベンチで寝てしまいまして」

キョン「お前は色々疲れてそうだし、いいんじゃないか」

古泉「ありがとうございます」

キョン「よく眠れたか?」

古泉「はい。長門さんが膝枕してくれたおかげで」

キョン「そうかそうか、そりゃよかった」

古泉「はい。長門さんはお優しいですね」

キョン「そうだろうそうだろうはっはっはっ」

古泉「ふふ」

キョン「……」

キョン「膝枕、だと……」

古泉「え……(泣いてる)」

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:49:53.29 ID:SIivHaeZ0

キョン「ちくしょー、なんで古泉ばっかり」シクシク

古泉「まあまあ、落ち着いてくださいお義父さん」

キョン「誰がお義父さんかぁーーーー!」

キョン「……つーかお前、そこまでされてなんとも思わんかったのか?」

古泉「なんとも、とは?」

キョン「いやいやいや、普通の女はなんとも思ってない男相手に膝を提供したりせんだろ」

古泉「そうなんですか?」

キョン「そうなんだよってちょっと待てまさかお前は日頃から誰かの膝に顔を埋める様なうらやまけしからん奴だと言うのか」

古泉「誤解されそうな言い方しないでください。ただの膝枕じゃないですか」

キョン「! 今否定しなかったなおい」

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:52:53.96 ID:SIivHaeZ0

古泉「ええ、まあ……」

キョン「相手は誰だ!?」グイッ

古泉「く、苦しい……」

キョン「誰だと訊いている」ギリギリ

古泉「(目が怖い……)も、森さんですが」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:56:05.28 ID:SIivHaeZ0

キョン「年上の膝枕、だ……と……」パッ

古泉「けほっ。あなたにだって頼めばしてくれそうな人はいるでしょう」

古泉(僕はあなたのほうが羨ましいですよ……)

キョン「いたらお前につっかかったりしねーよ」

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:58:40.26 ID:SIivHaeZ0

古泉「涼宮さんがいるじゃないですか」

キョン「ハルヒ? そんなこと面と向かって頼んでみろ。どつき倒されるのがオチだ」

古泉「ですよね」


キョン「はぁ……くそっ、うらやましい」

古泉「はぁ……うらやましい」ぼそ



キョン「え?」

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:00:58.43 ID:SIivHaeZ0

長門「……と、いうことがあった」

みくる「…………野郎」ぼそ

ハルヒ「え? なに、いい感じじゃない?」

みくる(こいつはだめだな)

長門「教えて欲しい。次、わたしは何をすればよいか」

みくる「そ、うですね……(すぐには思いつかないなぁ」

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:06:43.73 ID:SIivHaeZ0

ハルヒ「んー、膝枕してあげても動じないなんて、さすが古泉くんよね」

みくる「涼宮さんもね……」ぼそ

ハルヒ「? なんか言った?」

みくる「いいええ」

ハルヒ「あ、そ」

ハルヒ「まあ、あれね。有希」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:07:22.44 ID:SIivHaeZ0

長門「?」

ハルヒ「有希は、もう少し色恋沙汰を勉強したらいいんじゃない?」

みくる「……それはいいかもですねぇ」

長門「……具体的には?」

ハルヒ「んー、そうねぇ……本もいいけど、映画とかドラマとか?」

長門「映像……」

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:13:57.93 ID:SIivHaeZ0

ハルヒ「うん。わたしも前まではこんなもんーって思ってたんだけど、これが結構参考になるのよ」

長門「そう」

みくる「涼宮さんは、何の参考にみてるんですかぁ?」ニコニコ

ハルヒ「やっ// ゆ、有希が見れば参考になるってことよ!!///」

みくる「へー」ニコニコ

ハルヒ「なっ、なによみくるちゃん!! その顔やめなさいよっ!!!/////////」

みくる「でも、キョンくんはありきたりなことしても振り向いてくれないと思いますよぉ」

ハルヒ「ききききっききっききっきキョンがなんで出てくんのよっ!?//////////////////」

長門「涼宮ハルヒ」

ハルヒ「な、なに!?///」

長門「どこに行けばその映像が手に入るのか教えて欲しい」

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:18:01.12 ID:SIivHaeZ0

in T●TAYA


長門「涼宮ハルヒの言っていた映像ソフトは全て貸し出し中だった……」

長門「他には……」

長門「……あにめこーなー?」

長門「…………」

長門「スクールデイズ……内容は?」

長門「学園……ラブコメ……」

長門「興味深い」

長門「マスター、これを全巻もらおうか」

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:23:00.52 ID:SIivHaeZ0

in ながとけ 〜少女鑑賞中〜

長門「……」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:24:41.47 ID:SIivHaeZ0

ヤンデレ『もう誠くんに近づかないでくださいっ!』

ポニテ『こ、後夜祭のフォークダンス、わたしと踊ってくれないかなっ?』

世界『お願いだから自覚持ってよ! わたしのお腹には、誠の子供だっているのよ……?』

刹那『俺がガンダムだ』

世界『誠氏ね』

 カナーシーミノー ムコーヘトー

ヤンデレ『中に、誰もいませんよ?』


長門「……ないすぼーと」

長門「すごく参考になった。さすが涼宮ハルヒのオススメの店」

長門「……」

長門「もう一回見よう」

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:27:58.94 ID:SIivHaeZ0

月曜 部室にて


ハルヒ「有希! 教えてあげた奴は見た?」

長門「……」ふるふる

ハルヒ「え、どうして?」

長門「全て貸し出されていてなかった」

ハルヒ「そっかぁ、残念ね」

長門「でも、他のものを借りた」


99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:32:21.51 ID:SIivHaeZ0

みくる「はい、お茶です」

長門「ありがとう」

みくる「何を借りたんですか?」

長門「あにめ」

ハルヒ「へー、どんなの?」

長門「学園ラブコメもの」

みくる「ぴったしじゃないですかぁ」

長門「そう。大変参考になった」

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:35:57.27 ID:SIivHaeZ0

長門「そのあにめに倣い、明日さっそく古泉一樹にお弁当を作って来ようと思う」

長門「だから今日は料理の本を持ってきている」


ハルヒ「な、なんかすごいアクティブになってない? みくるちゃん」

みくる「きっといいアニメだったんでしょうねぇ」

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:39:39.62 ID:SIivHaeZ0

長門「ところで」

ハルヒ「ん?」

長門「サンドイッチを作る上で、古泉一樹の好物を知りたい」

みくる「古泉くんの好きな食べ物かぁ……ちょっとわからないですね。涼宮さんは?」

ハルヒ「古泉くんはたぶんタマゴサンドが大好きよ! コンビニのサンドイッチをタマゴだけ抜き取って食べる方よきっと



103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:42:58.19 ID:SIivHaeZ0

キョン「そりゃ何の中のどれと比較した上での『方』だよ」

ハルヒ「あら、いたのキョン」

キョン「いたよっ! 一緒に部室まで来ただろうが!!」

ハルヒ「うっさいわねー。じゃあ、あんたは古泉くんの好物知ってんの?」

キョン「そりゃまあ友達だし、それなりには知ってるが」

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:46:29.97 ID:SIivHaeZ0

長門「あなたを見損なっていた」

キョン「うおっ!? いつの間に傍にっ?(ていうか久しぶりに長門に話しかけられたよ!)」

長門「ぜひ教えて欲しい」

キョン「ああ、いいぜ(ああ長門かわいいよ長門ハァハァ)」

長門「では、まず好きなサンドイッチの具は?」

キョン「長門すっげーいい匂いだよ一日中嗅いでたいな(確か、肉系が好きだったと思うぞ)」

ハルヒ「……」

みくる「……」

長門「……」

キョン「……」


105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:51:16.34 ID:SIivHaeZ0

ハルヒ「みくるちゃん、あれ取って」

みくる「はい」

ハルヒ「ありがと」

キョン「なっ、なんのつもりだハルヒ!?」

ハルヒ「はいはい動くな」

キョン「ノコギリなんて物騒なもん首筋にあてられて動けるか!!」

ハルヒ「これから不謹慎な発言につき一回引くからね。全力で」

長門「朝比奈みくる、その位置は血しぶきを被る。移動を」

みくる「はぁい」トテトテ

キョン「やーめーてー!」

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:56:42.39 ID:SIivHaeZ0

長門「早くしないと古泉一樹が来てしまう。回答を」ギロ

キョン「はい古泉はカツとか好きだと言ってました」

長門「ほう。もっと詳しく」

キョン「ああ、具っていうか、BLTサンドが一番好きとかこじゃれたこと言ってたな」

長門「それは確かな情報?」

キョン「あー、たぶnいや絶対そうです」

長門「そう」

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:00:31.74 ID:SIivHaeZ0

みくる「キョンくんに質問してよかったですね、長門さん」

キョン(いやこれは尋問って言うんですよ朝比奈さん)

長門「助かった。感謝する」

キョン「お、おう! 俺はいつでもお前の助けになってやr」

長門「涼宮ハルヒ」

ハルヒ「なに」

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:04:27.99 ID:SIivHaeZ0

長門「もうそいつに用はない」

ハルヒ「おk」ギュ

キョン「ななななななに手に力入れてんだ冗談でもそういうことはやめろ!!」

ハルヒ「あらぁ? キョンには冗談に見えるんだ」クスクス

みくる(ああ、涼宮さんって真性のSだったんですね)

キョン「HA★NA★SE」

長門(既視感……いや、これはスクールデイズのあのシーン)

長門(やはりあのあにめを選んで正解だった)

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:06:54.93 ID:SIivHaeZ0

ガチャ

古泉「遅れてしまいまsうわっ、なんですかこれ」

ハルヒ「邪魔しないでねー古泉くん。今いいとこなんだからぁ」ハァハァ

古泉「お気になさらず。続きをどうぞ」

キョン「古泉!? ぼすけてー!!!」

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:08:47.89 ID:SIivHaeZ0

古泉「涼宮さんが楽しそうだからいいじゃないですか(できれば代わってほしい……)」

長門「古泉一樹、こんにちは」

みくる「こんにちはぁ」

古泉「はい、こんにちは」

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:10:33.47 ID:SIivHaeZ0

長門「……」クイクイ

古泉「? どうしました?」

長門「貴方は、お昼はいつもどうしてる?」

古泉「お昼? ご飯のことですか?」

長門「」コク

古泉「大抵はお弁当を持ってきてますね」

長門「そう。自作?」

古泉「まさか」

長門「貴方は一人暮らしだったはず。では誰が?」


113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:14:26.29 ID:SIivHaeZ0

古泉「もりs」

 ガンッ

古泉「……あの、何かが飛んできたのですが」

みくる「手がすべりましたぁ」

古泉「薄っぺらいプラスチックのお盆が壁に突き刺さっているように見えるんですが……どんな風にすべったらこんなことに」

みくる「禁則事項ですっ♪」

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:19:51.61 ID:SIivHaeZ0

みくる「そうそう。古泉くんは、いつもコンビニのおべんとでしたよね?」

長門「そうなの?」

古泉「いえ、もr」

みくる「で・し・た・よ・ね?」

古泉「はい。いつもコンビニ弁当です(今日の朝比奈さんには逆らってはいけない、僕の直感がそう囁いてる)」

みくる「だそうですよ、長門さん♪」

長門「それはいけない。栄養が偏るという意味で」キラン

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:25:10.75 ID:SIivHaeZ0


古泉「はぁ……」

長門「よ、よければ、明日はわたしが用意するが」

みくる(よく言いいました! 後で飴あげるからね、長門さん)

古泉「え、ど、どうしたんですか、急に」

長門「わたしは単にSOS団として他の団員が病気になるのを見過ごせないだけ」ソワソワ

長門「べ、別に貴方個人の生命健康を心配してるわけではない絶対にない断じてない」ソワソワ

みくる(長門さんが涼宮さんみたいになってる! ……これはこれで)

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:28:58.70 ID:SIivHaeZ0

古泉「よくは分かりませんが、僕はこれでも体調管理はちゃんとしてるので、長門さんのお手を煩わすことはしたくないのですが」

長門「………………そう」シュン

みくる(なんで気付かないの古泉くん! それでも現代人!? これまで何人泣かせてきたの!)


118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:31:25.65 ID:SIivHaeZ0

長門「……」

古泉「……」

ハルヒ「ほぉらキョン、もっといい声で鳴かないと首の皮がどんどんなくっていくわよぉ」ハァハァ

キョン「らめぇぇ!」ガタガタガタ





みくる(わたしがしっかりしないと、ここは駄目になる)

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:33:24.35 ID:SIivHaeZ0

みくる「あ、あのね古泉k」

 スベテーハー アイノターメリック ハラハーラーハラペーニョー

古泉「あ、すみません、先に電話に出ても?」

みくる「どぞ」

古泉「ちょっと失礼します」スタスタ

 グイ

古泉「うわっと。何するんですか長門さん」

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:37:31.22 ID:SIivHaeZ0

長門「ここで電話をしても問題はないはず」

古泉「い、いえ、バイト先からの電話なのでちょっと……」チラ

長門「涼宮ハルヒなら心配はない。どうせ聞こえていない」


ハルヒ「キョンは血糖値高そうだからきっとあんまぁ〜い血が噴出すんでしょうねぇ」ハァハァ

キョン「いやあああああああぁあっぁぁあああ」ガッタンガッタ

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:39:16.75 ID:SIivHaeZ0

古泉「……」

 ピ

古泉「はい、古泉です」

みくる「長門さん、わたしたちにだけ電話の内容が聞こえるようにできますか?」ヒソヒソ

長門「それは……プライバシーが」ヒソヒソ

みくる「相手はどんな女性でしょうかね〜」ヒソヒソ

長門「情報操作は得意」

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:42:33.14 ID:SIivHaeZ0

古泉「何か問題でも? 今閉鎖空間が出ていることはまずないと思うのですが」

女『そんなんじゃなくて、あんた今日夕飯何がいい?』

長門&みくる「!」

古泉「そんなこと訊くために緊急暗号回線を使ったんですか。職権乱用ですよ」

女『だって緊急だもん。早くしないと八百屋のタイムセール始まるし』

古泉「僕はなんでもいいですよ」

女『あのねぇ、何でもいいが一番こまるのよー?』

古泉「えーと、じゃあ、今八百屋でしたっけ? だったらカレーが食べたいです」

長門「!!!!」

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:50:12.07 ID:SIivHaeZ0

女『おk。把握したわ』

 ピ

古泉「ふぅ。すみません、お話の途中で」

長門「気にしてない」イライライライライライライライライライライラ

みくる「だ、大丈夫ですよぅ」

みくる「ちょっと聞こえちゃったんですけど、今の電話のお相手って……」

古泉「ええ、まあバイト先の上司みたいなものです」

みくる「そうですかぁ……」

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:00:06.34 ID:SIivHaeZ0

長門「貴方は一人暮らしだったはずでは?」

古泉「ああ、知人がよく作りに来てくれるんですよ」

長門「どういう知り合いか詳しく」

古泉「上司ですよ。僕は中学生の頃から一人暮らしなんですが、お恥ずかしながら料理がまったく駄目でして」

長門「そう……」

古泉「あの人の作るカレーは美味しいですよ。隠し味がどうとかで」

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:04:42.60 ID:SIivHaeZ0

長門「……先程も言っていたが、今晩はカレー?」

古泉「ええ」

長門「そう……」

古泉「……よかったら、食べに来られますか?」

みくる「!」

長門「! まじで」


128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:09:30.78 ID:SIivHaeZ0

古泉「ええ。長門さん、カレーお好きでしょう?」

長門「……」コク

古泉「よかったら、朝比奈さんもどうです?」

みくる「えっ!? で、でもぉ……」チラ

長門「できれば一緒に来て欲しい」

129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:13:37.07 ID:SIivHaeZ0

みくる「いいんですか?」ヒソヒソ

長門「問題ない。カレーの製作者も同席するはずだからどうせ二人きりにはなれない」

長門「それに、いざというとき、朝比奈みくるには……」

みくる「?」

長門「……そばにいてほしい……」ぼそ

みくる「!!!」

長門「……だめ?」

みくる(かっ、かわいいいいいいいいいいいいい! なにこの生き物!? どこで売ってるの!?)

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:17:21.89 ID:SIivHaeZ0

みくる「古泉くん!」

古泉「は、はい?」

みくる「わたしもご一緒します!」

古泉「ええ、ぜひ」

古泉「そうと決まれば、行きましょうか」チラ


キョン「やだーやだー! もうお家帰るー!!」

ハルヒ「ハァハァ もっと、もっとよ! もっとキャンキャン泣き喚くのよ!!」


古泉「この状態じゃあ、部活どころではないでしょうし」

みくる「ですよねー」

長門「今行こうすぐ行こう早く行こう」グイグイ

古泉「わ。袖が伸びちゃいますよ、長門さん」

137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:56:12.14 ID:SIivHaeZ0

古泉「ただいま」

森「おかえりー」

みくる「おじゃましまーす」

長門「します」

古泉「さっきメールでお伝えしたとおり、お二人をお連れしました」

森「ええ。いらっしゃい、お二人さん」

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:59:08.57 ID:SIivHaeZ0

長門「! この匂いは」トテトテ

みくる「あ、長門さんっ。ちゃんと挨拶してから……って、行っちゃった」

古泉「いいんですよ。僕が付いて行きますから」

みくる「うん、お願いね、古泉くん」

森「ほらほら、そんなとこに立ってないで、朝比奈さんも上がっちゃって」

みくる「あ、はぁい」

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 05:02:49.38 ID:SIivHaeZ0

みくる「あーもう長門さんったら、靴脱ぎ散らかして」

森「ふふっ」

みくる「?」

森「あ、ごめんなさい。なんだかあなたたちが姉妹みたいに見えたから」

みくる「そ、そうですかぁ?」

森「ええ」

みくる「あのぉ」

森「ん?」

みくる「あの、今更なんですが、わたしたちが機関の寮に上がっちゃってもいいんでしょうか」

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 05:06:50.47 ID:SIivHaeZ0

森「ああ、いいのいいの。どうせ今はオフだし。それに……」

みくる「?」

森「一樹が、お友達を連れてくるなんて言うの初めてだったから。わたしもなんだか嬉しくて」

みくる「……あの」

森「ん?」

みくる「森さんと古泉くんのご関係、訊いちゃっても?」

森「んー、まあ機関での関係は上司と部下だけど」

森「あの子とも付き合い長いしね。今じゃ、手のかかる弟みたいなもんかな」

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 05:09:27.74 ID:SIivHaeZ0

森「あなたも、手のかかる妹がいるみたいね」

みくる「そうなんですよぉ」

森「ふふ」

森「んじゃあ、わたしからも一つ訊いていい?」

みくる「はい?」

森「実のところ、あなたと長門さん、どっちが一樹の彼女なの?」

みくる「ふふふ、それは見ていればわかると思いますよ」

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 05:33:35.75 ID:SIivHaeZ0

長門「」ガツガツガツ

古泉「」モクモク

森「……ねぇ、なんか片方は黙々と食べてて、もう片方はマジ食いしてるんだけど」ヒソヒソ

みくる「長門さんのお腹が落ち着くまで待たないと」ヒソヒソ

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 05:40:57.99 ID:SIivHaeZ0

森「そうね……む」

古泉「……」ヨセヨセ

森「こら一樹、ニンジンもちゃんと食べなさい」

古泉「ちょっ、お客さんの前でやめてくださいよっ//」

みくる「古泉くん、ニンジン嫌いなんですか?」

古泉「嫌いというか、色の濃い野菜は苦手でして……」

森「これでもマシになったほうなのよー」

みくる「というと?」

森「昔は肉とジャンクフードしか食べようとしなくてねぇ」

古泉「森さんっ」

森「わたしが用意した料理、全然食べてくれなかったな」

みくる「昔って、どのくらい前なんですか?」

森「昔っていっても、ほんの2、3年前なんだけどね。ほらあれよ、思春期と反抗期ってやつ?」

古泉「やーめーてー」

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 05:49:06.60 ID:SIivHaeZ0

森「最初の頃はほっとけなくて、しばらく一緒の部屋で暮らしてたっけ」

みくる「そうなんですかぁ」

古泉「余計なことは言わんといてくださいね」

森「この子こう見えて結構むっつりでね」

古泉「あーあーあー!!」

森「わたしがお風呂入ってるの知ってて偶然を装っt」

古泉「ああああアイスでも買ってきます!」ドタドタ

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 05:55:20.52 ID:SIivHaeZ0

長門「」ガツガツガツ

長門「……おかわり、いい?」

森「はいはい、ちょっと待っててね」


森「どーぞ」

長門「」コク

長門「」ガツガツガツ

みくる「ほら長門さん、ほっぺについてますよ」フキフキ

長門「ん」

長門「」ガツガツガツ

みくる「んもぅ」

森「ふふ。それにしてもいい食べっぷりね。美味しい?」

長門「大変美味。できれば隠し味とやらを教えてほしい」

147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 06:00:16.33 ID:SIivHaeZ0


森「んー、月並みなものしか入れてないわよ」

長門「詳しく」

森「そーね……愛情、ってやつかな」

長門「……」

みくる「……」

森「……なんか言ってよ、恥ずかしいじゃない/」

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 06:04:46.28 ID:SIivHaeZ0

古泉「はぁ……森さんには帰ってもらえばよかった」トボトボ

古泉「あんなこと暴露されたら、明日からどんな顔して部室に行けばいいんだか」

古泉「……」

古泉「……涼宮さん、まだ部室にいるのかな」ぽそ

ハルヒ「わたしがどうかした?」

古泉「!!!」ビク

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 06:11:51.02 ID:SIivHaeZ0

古泉「えっ? なんで? えっ?」

ハルヒ「どしたの?」

古泉「い、いえ、ちょっと驚いてしまって」

ハルヒ「じゃなくて、なんか元気なさそうだから」

古泉「え」

ハルヒ「たまたま古泉くんを見かけてさ。気になって追いかけてきちゃったわ」

古泉「それは……ありがとうございます」

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 06:17:30.37 ID:SIivHaeZ0

古泉(なんだろう、この状況)

古泉(涼宮さんが僕を追いかけて来てくれた? 心配して?)

古泉(……)

古泉(今なら、二人きり、か……)

古泉(もう、言ってしまおうか。機関とか、そういうのを考えずに)

古泉(普通の高校生らしく、振舞ってしまっていいんだろうか)

古泉(僕はどうしたらいいんだろう)

古泉(……わかんないよ、森さん)


151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 06:25:07.49 ID:SIivHaeZ0

ハルヒ「で、なんかあったの? 相談なら乗ってあげるわよ」

古泉「あの、涼宮さん……」

ハルヒ「ん?」

古泉「僕は……」








古泉「さっき、何も言わずに部室を出て行ってしまったことが気になってまして」


152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 06:32:58.51 ID:SIivHaeZ0

ハルヒ「なによ、そんなことで悩んでたの?」

古泉「ええ」

ハルヒ「まったく、古泉くんって結構小心者なのね」

古泉「はは……」

ハルヒ「まあ確かに、気付いたら誰もいないんだもん、声くらいはかけてほしかったわね」

古泉「すみません。以後気をつけます」

ハルヒ「今日のことは団長であるこのわたしが許してあげるから。もう悩まなくていいわよっ」

古泉「はい」


153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 06:39:06.19 ID:SIivHaeZ0

ハルヒ「それじゃ、わたしは帰るわね」

古泉「はい、それでは」

ハルヒ「じゃね、また明日」クルッ




古泉「涼宮さんっ」

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 06:40:31.28 ID:SIivHaeZ0

ハルヒ「ん?」

古泉「あの、よかったら、お送りしましょうか」

ハルヒ「ほえ?」

古泉「その、最近は何かと物騒なので」

ハルヒ「んー、いいわ。そんな遠いってわけでもないし」

古泉「そ、うですか」

ハルヒ「うん。やっぱり古泉くんはやさしいわね!」

古泉「いえ……」

古泉(貴女だから、ですよ)

ハルヒ「それじゃ、ばいばい」

古泉「はい。また明日」





ハルヒ「ごめんね」ぽそ

古泉「……」

155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 06:43:16.59 ID:SIivHaeZ0

古泉「ただいま」

長門「おかえりなさい」トテトテ

長門「……」じっ

古泉「? なにか?」

長門「目が赤い」

古泉「あ、これですか。花粉症ですかね、急に目がかゆくて」

長門「かいてはだめ。目薬を用意すべき」

古泉「そうですね」

157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 06:44:26.01 ID:SIivHaeZ0

長門「……古泉一樹」

古泉「はい」

長門「先程、あなたの姉から隠し味と言うものを教わった」

古泉「……もしかして、カレーのことですか?(姉って、森さんのこと?)」

長門「そう」

長門「今度、貴方に作ってあげたい、とわたしは思っている」

長門「おそらく、隠し味に関してはあなたの姉に負けないと自負する」

長門「だから、食べて欲しい」

古泉「……」



古泉「はい」

159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 06:45:55.14 ID:SIivHaeZ0

以上で終わりです
ぶっちゃけ最後はやっつけです
用意してた伏線すら全て投げ捨てました
まあ、もう誰も残ってないだろうしいっか

163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 07:00:32.30 ID:SIivHaeZ0

こんなんで乙言われると申し訳なさすぎる
最後のハルヒと古泉のところでなんか満足してしまい、そのまま終わってしまった
反省はしてるけど後悔はしてません



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