長門「…寂しい」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 20:54:04.85 ID:0JpBK+610

私は今までずっと一人で生きてきた
誰の助けも借りず誰とも接することなく…

それでもこの3年間、別に寂しくなんかなかった…

長門「…」

ハルヒ「ほら、もっと働きなさいよ。 1589654人を目標に」

キョン「HPの観覧者数を増やせだと? 不可能だ」

ハルヒ「い〜いからしなさい!」

長門「…」

最初は気づかなかった
なにか胸が締め付けられるような痛み…
外部の損傷はみられない…

長門「…」

私は気づいた

私は――――寂しいのだと

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 20:59:30.24 ID:0JpBK+610


長門「…」カタカタ

キョン「あー、やってられるかよ」ガタッ

ハルヒ「ちょっとキョン、どこ行くのよ!」

キョン「トイレくらい行かせてやれよ…」

ハルヒ「今日のあんたは様子がおかしいわ」

キョン「なんでおまえもついてくんだよっ」

ガチャ

バタン

長門「…」

長門「…」

長門(ひとりぼっちになった… )

長門「…」

長門「…」ガタッ

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 21:04:10.89 ID:0JpBK+610

ハルヒ「なにが不満なのよ、最近冷たくなって」

キョン「気のせいだろ…」

ハルヒ「いいや、ぜったいおかいしわ」

キョン「 はぁ…」

ギュッ

キョン「おっと? なんだ… って長門?」

長門「…」

キョン「どうした?」

長門「…」

長門「私もトイレ…」

キョン「そ、そうか…」

ハルヒ「…」

キョン「…」

長門「…」

キョン(何故… 何故袖を掴まれているんだ…?)

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 21:09:36.66 ID:0JpBK+610

キョン「おいおい…」

長門「…?」

キョン「こっちは男子便所だぜ?」

ハルヒ「そ、そうよ有希」

長門「あ」

テクテク

ギュッ

ハルヒ「ちょっと有希? どうしちゃったの?」

キョン「…」

キョン(今度はハルヒの袖を…)

長門「…」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 21:13:56.32 ID:0JpBK+610

ハルヒ「……」

長門「……」

ハルヒ「……」ガチャ

バタン

長門「……」

ハルヒ「……」

ハルヒ「有希?…… 隣に便器あるから…」

長門「知ってる…」

ハルヒ「な、ならそっち使いなさいよ… 私と一緒の便器使うつもり?」

長門「…わかった」

ハルヒ「じゃあまず手を離しなさい」

長門「嫌」

ハルヒ「……」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 21:16:49.23 ID:0JpBK+610



――――――――

ハルヒ「絶対おかしいわ… 有希どうしちゃったの?」

キョン「そんなことがあったのか…」

ハルヒ「嫌がらせかしら…」

キョン「そうかもな…」

ハルヒ「なによそれ!」バン

ガチャ

長門「…」

ハルヒ「あ… 有希おかえり…」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 21:21:13.00 ID:0JpBK+610

長門「……」

キョン「……」

ハルヒ「……」

長門「今日は何時まで?」

キョン「えっ… あ、なにが?」

長門「部活」

キョン「……」

キョン「あ、あぁ… うーん、何時までだ?」

ハルヒ「ろ、6時まで… SOS団は午後6時まで」

長門「……」

長門「…そう」

キョン「……」

キョン(…長門?)

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 21:24:30.75 ID:0JpBK+610



――――――――

ハルヒ「今日は終わり〜!」

キョン「ふぅ… 疲れた…」

キョン「今日は朝比奈さんと古泉来なかったな」

ハルヒ「まったくサボるなんて…」

長門「……」

帰宅……
また一人になる……

キョン「帰るか」

ハルヒ「そうね」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 21:31:17.72 ID:0JpBK+610


――――――――

ハルヒ「じゃ、私はここで」

キョン「またな」

長門「また明日……」

ハルヒ「……」

ハルヒ「……」

ハルヒ(有希にあいさつされたの初めてかも……)

――――――――

キョン「……」

長門「……」

キョン「……」

いつもなら平気なんだが今日の長門はおかしい……
だからか気まずい……
俺だけだろうが……

長門「ねぇ……」

キョン「ん?」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 21:35:39.34 ID:0JpBK+610

長門「図書館……」

キョン「……」

キョン(なんだ……?)

長門「返却日が今日まで……」

キョン「あ、そうだっけか?」

長門「延滞料金が加算される……」

キョン「いやその心配はいらん…… ってかどこでそんなの学んだ……」

長門「……」

キョン「……」

長門「ねぇ……」

キョン「……どうした」 

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 21:40:14.01 ID:0JpBK+610

長門「……」

キョン「……」

長門「……」

長門「キョン…… って呼んでいい?」

キョン「……」

キョン(おいおい…… 長門どうした……)

キョン「いいぞ? 呼んでも」

長門「…」

長門「そう……」

キョン「……」

キョン(長門にもこんな一面があんのか……)

キョン「……」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 21:46:16.12 ID:0JpBK+610

――――――――

キョン「……」

キョン「お? 着いたか」

長門「……」

待って……

キョン「じゃ、俺帰るから」

長門「……」

待って…… 一人にしないで……
一人が怖い…… 寂しい……

一人は嫌……

寂しい……

寂しい……

キョン「……じゃあな」

長門「……」

長門「……」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 21:54:27.03 ID:0JpBK+610

長門「……」

私は涼宮ハルヒを観察する為だけに作られた
だから私は涼宮ハルヒを観察し入手した情報を統合思念体に報告すればいい

ただそれだけ……



そうしてればいい……


三年間、私は一人で生きてきた……
人と接することなく…… だから三年間暮らせたんだと思う……

それが「人」と接したばっかりに私のなにかが揺れ動いた

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 21:59:28.40 ID:0JpBK+610



長門「……」

キョン「……長門?」

ギュッ……

長門「……」

長門「寂しい」

キョン「は?」

長門「寂しい」

キョン「……あ、えっと……」

キョン「わ、わかった……」

長門「……」

キョン「話、聞いてやるから」

長門「……」

――――――――

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 22:06:28.57 ID:0JpBK+610



――――――――

長門「上がって……」

キョン「ああ……」

寂しい…… 寂しいと言ったな……
長門が寂しがっている……

長門「……座って」
キョン「……ああ」

長門「……」

キョン「さっそくだが……」

キョン「寂しいって…… 具体的にどんな意味で言ってるんだ?」
長門「純粋な意味で言ってる」

キョン「……」

長門「私は一人が怖い」

キョン「というと?」

長門「あなた達と出会ったことに後悔している」

キョン「……」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 22:14:43.20 ID:0JpBK+610

長門「私は一人のままでよかった……」

キョン「……」

長門「私はただ涼宮ハルヒを観察することだけに専念すべきだった……」

キョン「……」

長門「……」

キョン「……」

長門「あなた達に会うこと…… それが毎日の楽しみになってしまった……」

キョン「……」

キョン「……長門」

長門「すると私に一つの感情が芽生えた…… 多分そうだと思う…」

長門「それが「寂しい」なんだと思う…」

キョン「……」

長門「でも私にはわからない……」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 22:21:13.72 ID:0JpBK+610


キョン「……」

長門「私は寂しくても…… どうしたらいいかわからない……」

長門「なによりもつらくて苦しい……」

キョン「……」

長門「だから私は近々、逃げようと思う」

キョン「……」

キョン「……?」

キョン「ちょっと待て…… 逃げる……」

長門「そう……」

キョン「それって……」

長門「今の私では任務を果たせそうにない」

長門「どうせ私は「作り物」なのだから……」

キョン「ダメだ」

長門「……」

長門「どうして?」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 22:28:46.98 ID:0JpBK+610

キョン「おまえがどういう意味で言ってるのかしらん」

キョン「だが逃げちゃだめだ」
長門「……」

長門「だから…… どうして?」

キョン「……」

キョン「……それは……」

長門「答えられない…… それが普通」
長門「私も考えた……」

キョン「……」

長門「でも答えはでなかった……」

キョン「……」

長門「私が死んではいけない理由……」

長門「私は誰からも必要とされていない…… だからわからなかった……」

キョン「勝手な判断はよせ」

長門「……」

キョン「誰がそんなこと言ったんだ? おまえを必要としていないなんて」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 22:39:45.24 ID:0JpBK+610

長門「……」

キョン「少なくとも俺はおまえを必要としている」
長門「……」

長門「……えっ」

キョン「どういう意味でかは詮索しないでくれ」
キョン「ただ俺は長門に生きていてほしい……」

長門「……」

キョン「もし、これが嘘だって思われたら俺は人間失格だな」

長門「……」

キョン「一人の友達も救えないような、そんな器の人間だったってことだ」

長門「……」

長門「……」

キョン「まっ、そんなことはいいか」

キョン「とにかく長門」

長門「……」

キョン「生きろ」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 22:44:01.69 ID:0JpBK+610

長門「……」

キョン「わかったか?」

長門「……」

キョン「じゃ、俺は帰るぞ」

長門「……」

キョン「寂しくなったらいつでも俺んとこにこい」

長門「……」

キョン「じゃ…」

長門「……」


キョン「また明日」






長門「……」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 22:50:39.78 ID:0JpBK+610


ガチャ

バタン…

長門「……」

長門「……」

心拍数の上昇…… 震えが……

長門「……はぁ…  はぁ…」

長門「……」

これに似た症状が毎晩起こっていた
一人ぼっちで寂しいからか… よくわからない…
でもその時は決まってなにかが私の中に芽生える…
私が苦しいと言っているのに……

長門「……」ドクンドクン

長門は胸に手を当てた

長門「……」

長門「私はあなたに出会ったことを後悔している…」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 23:19:14.90 ID:0JpBK+610



長門「……ふう」

キュッ

長門「……」

長門「……」ドキッ…ドキッ…

心拍数がいまだ上昇しつづける……
いやこれは風呂上がりだからだろう……

長門「……」

長門「タオルがない……」

ガチャ

長門「……」ペタペタ

長門「……」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 23:23:51.35 ID:0JpBK+610


――――――――

長門「……」

ペラッ

長門「……」

ペラッ

長門「……」

パタン

長門「……」

集中できない…… 頭をよぎる……
何故あの人のことばかり考えているの? 私は……

長門「……」

長門「……」

苦しい…… わからない……
これは「寂しい」じゃない……
わからない……



43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 23:29:18.02 ID:0JpBK+610


私の中にまた感情が芽生えたのは確か
私はソレの理解に苦しむ
寂しい時の症状とはまた違う別のなにか……

長門「……」








「寂しくなったらいつでも俺のところにこい」







長門「……」

彼と関係している
彼に関わるこの感情はなに?……
私はなにを求めているの?

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 23:38:08.93 ID:0JpBK+610

翌日、私は朝比奈みくるを訪ねた――――――――


朝比奈「はい……?」

長門「私の悩みを聞いて」

朝比奈「は、はい……私でよければ……」

長門「先日……」

ガラララ

キョン「うーす」

長門「……」カチン

朝比奈「……あれ? どうしました?」

長門「な… なんでも…」

キョン「おっ」

キョン「長門っ」

長門「……」ビクッ

長門「な… なに」

長門(また心拍数が)

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 23:44:40.62 ID:0JpBK+610

キョン「本、持ってきたか?」

長門「……ここにある」

キョン「じゃあ早めに返しに行くか」
長門「ちょっと待って……」

キョン「ん? なんだ?」

長門「昨日…… 昨日の…」

キョン「…ん?」

長門「き… 昨日… いっ、言った…件の」

キョン「顔赤いぞ? 熱でもあるんじゃないか?」

長門「…えっ」

サッ

キョン「うーん… やっぱり、熱っぽいな。 俺より熱い」

長門「……」

長門「……///」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 23:50:37.11 ID:0JpBK+610

長門「……///」

キョン「保健室いくか?」

長門「い… いい///」

キョン「でも熱あるぞお前」

長門「……いい///」

キョン「いや、行った方がいいな。 よし俺と…」

長門「ト… イ… レ… したいから…」

キョン「あ、そうなのか」

長門「……///」サササッ

ガチャ

バタン!

キョン「お… おお…」

朝比奈「すごい我慢してたみたい……」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/10(水) 00:07:04.31 ID:lEMEZZO50

長門「……」

わからない
私はトイレに用事なんかない
トイレはさっきしたばっかり
なのになんでトイレに行くの?
わからない……

――――――――

キョン「おっ、帰ってきた」

長門「……」

キョン「どうだった? 大丈夫だったか?」

朝比奈「……」ギュッ

キョン「いてて」

朝比奈「そんなこと聞いちゃいけませんっ」ヒソヒソ

キョン「あ、了解です……」

長門「……これ」

キョン「…なにそれ」

長門「……本」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/10(水) 00:27:04.98 ID:lEMEZZO50

終わらせるか

長門「……本」

キョン「え? ああ」

長門「返してきて」

キョン「パシリか…」

長門「……」

キョン「はいはい… わかったよ」

長門「……」

キョン「……いや、長門、やっぱ来い」

長門「……」

長門「なんで…?」

キョン「いいから」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/10(水) 00:33:38.31 ID:lEMEZZO50



――――――――

長門「……」

キョン「…あ、はい返却で」

長門「……」

何故彼は私を連れてきたのか… わからない…
もうわからないことだらけ
楽になりたい……

キョン「よし、長門ついて来い」

長門「……」

彼は私を必要としている
確かにそう言った

それは口実なのか…… 私を死なせない為の……
死なせない為…? なぜ死なせたくないの?

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/10(水) 00:38:58.25 ID:lEMEZZO50



――――――――

キョン「ここでいいか」

長門「……」

キョン「静かなところで話がしたくてね」

長門「……」

長門「私も」

キョン「お、それは都合が良かったな」

長門「……」

キョン「長門、お前は自分自身をなんだと思ってる」

長門「……」

長門「作り物の体に作り物の心、その個体が私」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/10(水) 00:45:46.32 ID:lEMEZZO50


キョン「…うーん」

長門「じゃあ逆に聞くけど」

長門「あなたは私をなんだと思うの?」

キョン「俺の友人だろう」

長門「友人?」

友人? それはどのような存在?
それはただの肩書きにすぎないんではないか……

キョン「友人でも不満か?」

長門「……」

長門「……」

キョン「もしそうならお前は喜ぶべきだ」

長門「喜ぶべき…?」

キョン「青春真っ盛りじゃないか」

長門「……」

なにが言いたいのか…
青春? 真っ盛り?

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/10(水) 00:53:22.60 ID:lEMEZZO50

キョン「誰がどうのこうのとかそんな話をするつもりはない」

長門「……」

キョン「俺はなにが言いたいかというとだ」

キョン「作り物とか… そんな悲しい例えはやめてくれないか?」

長門「……」

長門「例えではない… 現に私は」

キョン「……」

長門「私という存在は……」


私はいくらでも作り出される
まったく同じ複製だって……
作ることができる…
そんな私の存在価値はきわめて低いもの…

長門「……」

長門「私は…… 私という存在は貴方達人間に比べきわめて低い…」

キョン「……」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/10(水) 01:03:04.05 ID:lEMEZZO50

長門「貴方達のようか感情を備えていない…… 自己表現も乏しい……」

キョン「……」

長門「私は…… 貴方達のように優れた存在ではない…」

キョン「……」


そう、私はこれに気づきたかった
私は人間と私の違いを認めたくなかったのだろう
平等に等しくみていた…… 私という「作り物」が人間に劣れていることに気づきたくなかった
だから苦しいんだ… 自分で自分の首を絞め人のせいにしていた

なんと愚かな物体

なんと醜い物体――――――――

これではっきりした
もう苦しまなくて済む…




キョン「……」

キョン「その言葉が聞けた安心したよ」

長門「――――――――」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/10(水) 01:10:57.57 ID:lEMEZZO50

長門「……」

キョン「お前、自己嫌悪にもほどがあるぞ?」

長門「……」

彼はなにを言っているの?
わからない

キョン「暗い顔して、人間に嫉妬できるじゃないか」

長門「……」

キョン「お前はちゃんと「心」を持ってるじゃないか」

長門「……」

キョン「心を作れたらそりゃもうノーベル賞どころじゃないぞ?」

長門「……」

キョン「もう一度言うが」

キョン「作り物なんて例え使わないでくれよ」

キョン「お前は心を持った人間なんだから」

長門「……」

私が心を持った…… 人間……?

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/10(水) 01:18:49.56 ID:lEMEZZO50

長門「……」

キョン「存在なんて気にするな」

長門「……」

キョン「存在してる時点で存在価値はあるからな」

キョン「それに……」

長門「……」

キョン「お前には俺の友達っていう存在価値がある」

長門「貴方の友達……」

キョン「とりあえずそれだけで十分だろ、それ以上を実現するには難しいからな」

長門「……」

熱い
不思議な感覚…… こんどはなに?
こみあがってくるコレはなに?






長門「……」ポロッ

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/10(水) 01:29:30.41 ID:lEMEZZO50


――――――――
私はまだわからない
あの人の言ってることがまだわからない

長門「……」ペラッ

ただ、心は難しい
自分の心を理解するのも一苦労
一晩中考えても明確な答えがでてこない

長門「……」

パタン

だけどなんとなく理解できた
私はあの人の存在を意識している
無意識の中であの人を意識している

どうやらその症状は「好き」という感情に当てはまるらしい
よって私はあの人が好きなのだろう

長門「……」

長門「……」

知って損をした気分 それは毎晩私を苦しませる

それはあの人のことを―――「好き」だから。らしい

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/10(水) 01:31:36.15 ID:lEMEZZO50

終わり
みてくれてありがとう
おやすみ

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 17:26:57.83 ID:lEMEZZO50



――――――――

私はこのような生き方をしていいのだろうか
人を「好き」になってしまい…… 私は生きていていいのか……


私は夢を見た――――――――



部室にあの人と本を読む夢
静かな部屋にページをめくる音が聞こえる
涼宮ハルヒのいない空間、本来なら涼宮ハルヒの観察の為この部屋にいるのに
私はあの人と一緒にいることを目的として

ただひたすら

二人で本に没頭している

そこへ――――――――

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 17:33:02.88 ID:lEMEZZO50



ガラッ

涼宮ハルヒが入ってきた
あの人に話かけ、あの人も涼宮ハルヒに話かけ

二人の時間を涼宮ハルヒは破壊した

私は取り残され……あの人と涼宮ハルヒは楽しそうに

私は気づいたら本を強く握りしめていた

そう――私はこれが「嫉妬」なんだ。と学んだ
夢の中で私の感情はまた一つ成長した

そして私はその涼宮ハルヒに対して
不快感を覚えた

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 17:45:34.29 ID:lEMEZZO50



――――――――

長門「……」

私は涼宮ハルヒを嫌っているのだろう
顔を見るのも私の体が拒絶する

長門「……」

昨日、休日のスケジュールを伝えられた

長門「……午後1時、いつもの喫茶店にて…… 不思議探索」

長門「……」

行きたくない 私は涼宮ハルヒと顔すら合わせたくないのだから

だからと言って統合思念体への情報提供を怠るわけにはいかない
私は涼宮ハルヒを観察し入手した情報を報告しなければならない

長門「……」

行ったらあの人に会える……
でもどうせ涼宮ハルヒとばかり相手するのだろう
なんとも簡易に脳内再生ができる

長門「……」

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 17:51:56.71 ID:lEMEZZO50


長門「……」


長門「……」


長門「……はぁ」


紅茶をすすりどこか物憂げな表情した長門を
朝日が照らす

長門「……」



長門「……憂鬱」


ただいまの時刻、午前8時53分と32秒
私は午後1時に備え、支度を始めた

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 18:30:27.65 ID:lEMEZZO50


古泉「……」

古泉「なにか胸騒ぎを感じる……」

涼宮ハルヒの仕業…… ではない……
明らかに異質…… しかし似ている……
似て非なるもの……

古泉「……」

古泉「おっと、こんな時間か……」

まぁ保留という形にしておきましょう
この胸騒ぎの原因がなんなのか

それは後々わかることでしょう

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 18:50:37.21 ID:lEMEZZO50



――――――――

ハルヒ「集まった〜?」

キョン「見りゃわかるだろ、集まってるさ」

長門「……」

ハルヒ「そんな言い方しなくてもいいじゃない!」

ハルヒ「…って言うのは後回し、今日も不思議探索を始めます」

古泉「……」

ハルヒ「組に分かれて行動するんだけどー……」

長門「……」

こういう時は公平に決めるべき
しかし涼宮ハルヒのことだ……おそらく

ハルヒ「キョンはサボるかもしれないし、私が監視するから」

長門「……」グッ

やはり……


101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/10(水) 19:03:56.92 ID:lEMEZZO50


やはり涼宮ハルヒは彼を取った
すると私たちはどうなる…… おそらく

ハルヒ「はい、決まり!」

古泉「じゃあ僕たちは」

ハルヒ「あー、古泉君はその三人で組んで」

長門「……」

涼宮ハルヒの思考回路は実にたやすい
こんな見据えた集会に来た私が愚か者だった

古泉「この三人ですか……」

ハルヒ「どうしたの? なにか不満?」

古泉「いえ、不満というわけではありません…… ただ」

ハルヒ「……?」

古泉「長門さんと組んでみたい気もするなぁ」

長門「……」

私と…… 組みたい?

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 19:12:28.41 ID:lEMEZZO50


朝比奈「へ?」

ハルヒ「……え?」

キョン「なん……だと……」

古泉「ダメですか?」

長門「……」

朝比奈「そ、そんなっ……! そしたら私一人になっちゃうヴっん」ガッ

ハルヒ「なーに言ってんのよ、いいに決まってるじゃない!」

ハルヒ「二人で行ってきなさい、ねっ有希」

長門「……」

古泉「いいですか? 長門さん」

長門「……」

長門「了解した…」

ハルヒ「よし、決まりね」

キョン(古泉…… 貴様の恋はわかりやすすぎる……)

朝比奈(…… っ、息、息が…)アタフタ

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 19:19:25.65 ID:lEMEZZO50



――――――――
ハルヒ「健闘を祈るわ、頑張ってきてね!」

古泉「はい」

長門「……」

朝比奈「……」ドヨーン

古泉「では僕達も行ってきます」

長門「ではまた……」

朝比奈「……は〜ぃ…」ドヨヨヨーン

朝比奈「一人…… オヨヨヨ…」

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 19:25:43.87 ID:lEMEZZO50


――――――――
古泉「ほら、見てください。 あの噴水」

長門「……」

古泉「綺麗ですね」

長門「……」
古泉「不思議を発見しないといけませんからね、よく周りをみないと」

長門「……」

長門「違う…」

古泉「……」
長門「貴方の目的はそれじゃない」

古泉「……」

古泉「さすが… どの時点で把握しました?」

長門「喫茶店」

古泉「やはり僕の選択は間違っていなかったようです」

長門「説明して」

長門「貴方が私と二人になろうとした理由」

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 19:34:09.10 ID:lEMEZZO50

古泉「……」

長門「……」

いかなる理由で私と二人になりたかったのか
この人は無意味にそんなことを言う人ではない
この人の情報は私が一番知っている

古泉「……」

古泉「とうの本人の貴方が気づきませんか……」

長門「……」

古泉「大変なお悩みをお持ちのようで」

長門「……」

私はなにかした覚えはない
私のことは私が一番把握している
なのにこの人はなにをいいだすの?
あたかも私がなにかやったかのように……

長門「要点だけを話して」

古泉「まぁ気づかないのも無理はありません」

古泉「私も未だ信じられませんから」

長門「……」

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 19:42:29.95 ID:lEMEZZO50

古泉「貴方から微弱ではありますが反応がありました」

長門「なにの?」

古泉「それがわかればいいんですが…… わからないんですよ」

長門「……」

私がなにか発してる?
まさか… そんなはずはない…
確かに私はこの短期間で様々なことを体験した
寂しさ―― 苦しさ――― 好意―― 憎しみ―― 怒り―
しかしそれらはエネルギーに変換されない
なんらかの形でそれが伝わったとしてもそれは「心」で分かち合うもの

古泉「信号を読みとり解析したところ」

長門「……」

古泉「ソレは’閉鎖空間’に結びつくものだとわかりました」

長門「――――――――!」

そんな

そんなはずはない

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/10(水) 20:28:33.51 ID:lEMEZZO50


長門「なんで嘘つくの?」

古泉「嘘じゃありません」

古泉「あなたの中に、あるいはあなたの部屋」

古泉「それらに閉鎖空間が発生する可能性がある……」

長門「私は涼宮ハルヒのように器用ではない」

古泉「そう、器用ではないこそ発生しかねない」

長門「……」

古泉「涼宮ハルヒが器用? そんなはずありません」

古泉「閉鎖空間とは彼女のストレスを発散する場として存在します」

古泉「それも無意識で。 これのどこが器用なんですか?」

長門「……」

古泉「彼女はストレスを溜こむと自分ではどうしようもできない」

古泉「だから閉鎖空間が生じるのです」

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 20:37:31.71 ID:lEMEZZO50

長門「……」

古泉「先ほどあなたは器用ではないと言った」
古泉「あなた程器用な人いないと思いますが?」

長門「……」

私が器用?
自分の心も理解できないのに

古泉「そんなあなたに閉鎖空間が生じようとしている、これは?」
長門「……」

長門「自分ではどうしようもできない…」

古泉「そう、あなたは自分では解決できない悩みを抱えている」

長門「……」

気づかなかった
私に閉鎖空間が…


古泉「……」

古泉「これ以上問いません」

古泉「ですから危機感を持ってください、まぁいざとなれば僕がなんとかしますが」

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 21:23:45.56 ID:lEMEZZO50


長門「……」

私が閉鎖空間を発生しかねない状況に……
気づかなかった 何故だろう……

それは恐らく私が閉鎖空間を作り出せるわけがないと考えていたのが一つ
あともう一つは……

私があの人のことばかり考えていたからだろう……

長門「……」

私は使命を背負った”アンドロイド”――――――――

あくまでも私は与えられた任務を遂行する為に作られたのだから……

「好き」に夢中になるのは許されない

長門「……」

古泉「……」

古泉「長門さん、やっぱり伝えておきます」

長門「なに」

古泉「これはあなたにも知っておいてほしい……」

長門「……」

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 21:35:16.48 ID:lEMEZZO50

古泉「今から伝えることはあくまでも想定です」

古泉「故に絶望したりしないださい」

長門「……」
なに 今度はなに

古泉「”神人”はご存知ですね?」

長門「……」

古泉「涼宮ハルヒの神人は見たことあるでしょう」
長門「閉鎖空間にアクセスして見たことがある」

古泉「なら話ははやい、貴方は自分の神人を知らない」

長門「……」

古泉「それもそのはず、まだ閉鎖空間は発生してませんから」

長門「……」

古泉「涼宮ハルヒの神人の規模はあの程度」

古泉「神人の元凶は日頃のストレス、これは知ってますね?」

長門「……」

古泉「ストレスの原因は宇宙人、未来人、異世界人、超脳力者との遭遇に関係します」

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 21:47:22.02 ID:lEMEZZO50

古泉「涼宮ハルヒはその夢が実現されないことに不満を感じている」

古泉「その不満の規模があの神人の姿なのです」

古泉「しかし」
長門「……」

古泉「涼宮ハルヒは宇宙人等がいると思ってる反面、心の奥底でこう思っているはず……」

古泉「そんな生き物存在するはずない、と」
長門「……」

古泉「つまるところ涼宮ハルヒはそのような存在を認めてないのです」

古泉「それであの大きさの神人ですよ?」

長門「……」

古泉「神人の規模は想定できません」

古泉「なにが言いたいかと言うと……」

長門「……」

古泉「貴方の神人の規模がわからない…… それが一番の注意点」

長門「……」

古泉「そして今、貴方が抱えているストレス……これもわかりません」

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 21:57:53.54 ID:lEMEZZO50

長門「……」

古泉「……」
古泉「もうお気づきでしょう…… もし」

長門「……」

古泉「仮に貴方の部屋に閉鎖空間が生じ……」

古泉「貴方の神人の規模が規格外だった場合……」

長門「……」

古泉「……」

古泉「これから先は言いません、おわかりでしょう」

長門「……」
古泉「もしそうなれば僕は閉鎖空間に入ることすらできないかもしれない」

古泉「そうなると神人が閉鎖空間を越えてくるでしょう」

長門「……」

古泉「神人が現実世界に…… 予想もつきませんね」

長門「……」

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 22:10:57.14 ID:lEMEZZO50

長門「……」

私の存在が……  破滅へ導く?

古泉「でもこれは仮定ですので」ニコッ

古泉「貴方に閉鎖空間が生じるとも限りませんし、まだ神人の規模もわからない」

長門「……」
私は…

私は生きていては駄目な存在……

長門「……わ」

長門「私は…… どうすれば……」
古泉「……」

古泉「そうならない為にも、貴方は誰かにその悩みを打ち明けるべきでしょう」

長門「うち… あける?」

古泉「貴方のストレスを消しましょう」

長門「……」

私のストレス? 私のストレスは……

長門「……」

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/10(水) 22:20:52.77 ID:lEMEZZO50

古泉「僕でなくとも他の人に打ち明けてみてはどうですか?」

長門「……」

私のストレスは……
あの人への嫉妬…? あの人へ嫉妬する理由は……?



涼宮ハルヒ……?


私は涼宮ハルヒをストレスに感じている……
涼宮ハルヒと接しなければ私にストレスは溜まらない

しかし――――――――

私の本当の存在理由は涼宮ハルヒを観察し、入手した情報を統合思念体に報告すること

涼宮ハルヒは避けられない

ストレスは溜まり続ける……

閉鎖空間が生じる…… どうしようもできない… 私はどうしようもできない

長門「……」ブルブル

古泉「ん、長門さん…… 大丈夫ですか?」

長門「……問題ない…」ブルブル

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 00:37:44.39 ID:RSRqTSIP0

長門「……」

古泉「ひとまずあのベンチに腰掛けて……」

長門「だい… じょうぶ…」

古泉「そうですか…」

長門「……」

私はどうしたらいい
涼宮ハルヒの観察を中断する……

いやそれは統合思念体が黙ってくれない
恐らく、いや絶対それは許してはくれない
ソレらは私を消してしまうこともたやすい

私は……

私は死ぬしかないのだろうか……

長門「……」

長門「……」ヘナヘナ

ペタン

古泉「な、長門さんっ、休みましょう無理は……」

長門「……はぁ ……はぁ」

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 00:44:18.41 ID:RSRqTSIP0

私はなぜ座りこんだしまったのか
何故足に力が入らないのか
何故立ちあがることすらできないのか

長門「……」

古泉「あったかいものはいかが?」ヒョイ

長門「……」

長門(きなこぜんざい……)

長門「ありがとう……」

古泉「いえいえ」

長門「……」

今、私のおかれてる状況におびえているのか

長門「……」

私はまた弱くなった

アノ時と比べ…… また弱くなった……

長門「…私は」

古泉「……?」

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 00:54:32.23 ID:RSRqTSIP0


長門「……」

古泉「……」

長門「私は… 死にたくない……」

古泉「……」

古泉「長門さん、貴方の悩みを僕に打ち明けてくれませんか?」

長門「……」

古泉「貴方は今、死にたくないと言いました……」

古泉「貴方はあきらめている… 閉鎖空間の拡大を止められないと」

長門「……」

古泉「止められないのなら…… 貴方は世界を守る為死を選ばざるを得ない」

長門「……」

古泉「いいですか、長門さん。 それはあくまで僕の仮説です」

長門「……」

長門「閉鎖空間が発生してからでは遅い……」

長門「……」

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 01:06:44.98 ID:RSRqTSIP0

長門「もしその仮説が正しかったら……」

古泉「……」

長門「万全を期して……」

古泉「……」

長門「私が…… 死ぬのが得策……」

古泉「……」

長門「……」

古泉「貴方をそこまで追いつめる悩みとはなんですか……」

長門「……」

私は幼い
覚え立ての感情を抑えきれない
だから嫉妬を我慢する…… そんなことはできない……

長門「……」

長門「誰に打ち明けても同じ…… 私はなにも変わらない……」

ならば…… 私の助かる方法は…?
周りに被害を与えることなく私が救われる…… その方法は?

長門「……」

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 01:17:47.74 ID:RSRqTSIP0

古泉「……」

長門さん、貴方には謎が多すぎる
貴方がそこまで悩む、その原因はなんですか

長門「……」

古泉「……」

貴方が死ぬほど悩むそれはなんですか……?

長門「私は彼に一度救われた……」

古泉「彼… ああ、把握しました」

長門「死ぬことを選んだ私を止めてくれた」

長門「私は泣いてしまった……」

古泉「……」

長門「その涙の理由が… まだわからない…」

古泉「……」

古泉「…長門さん…?」

これは……
彼女は本当に…… アンドロイドなのか?

147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 01:28:32.69 ID:RSRqTSIP0


古泉「長門さん、貴方……」

長門「……」

古泉「泣いてますよ?」

長門「…えっ」

古泉「……」

彼女をアンドロイドとして見ていた僕にはわからなかった
悩みを持つアンドロイドなんて普通思い浮かばない
だから僕は彼女の体になんらかの異変が起きた… そう予測し事を進めていた

場合によっては彼女を消すことも…… そう考えていた

古泉「……」

この予想だにしない出来事に動揺を隠せない
彼女に異変などない
人間でいう純粋な意味で悩んでいた

信じられない
アンドロイドに「心」が存在する? あるわけない
心を作れるわけがない

彼女は……

”アンドロイド”ではない――――――――!

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 01:39:13.78 ID:RSRqTSIP0



古泉「長門さん、貴方は人間だ!」

長門「……」ポロポロ

古泉「私は貴方を…… アンドロイドとして見ていた」

古泉「だから貴方の死にたくないという言葉を口実として受け取った」

古泉「長門さん、貴方を救いたい」

長門「救う…」ポロポロ

古泉「そうです、悩みがあるんでしょう?」

長門「……」ポロポロ

長門「……」

話したところで私は救われるのか
この涙の理由もわからない私を救えるのか






――――――――

152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 01:50:53.43 ID:RSRqTSIP0


――――――――

古泉「……」

ただいまの時刻、午後8時半
僕は長門さんの悩みを聞いた後
SOS団のみなさんと集まり、解散した

古泉「……」

正直、僕は頭が痛い

古泉「……」

長門さんの話を聞くところ彼女は恐らく
彼に恋をしてしまった

そして彼に嫉妬してしまうようになった

その一因が涼宮ハルヒ

古泉「……」

困ったことに長門さんは涼宮ハルヒの存在自体を否定するまでに嫌ってしまった
それもいたしかたない、今の長門さんは赤ん坊みたいなものだから

物心がついたばかりの甘えん坊

古泉「……ふふっ、彼女が甘えん坊か……」コポコポ

156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 02:00:58.02 ID:RSRqTSIP0


今だからこうして笑っていられる

古泉「……」

本題はここからだ
深刻な問題になってきた

古泉「……」ズズッ

長門さんは涼宮ハルヒを拒絶している
一緒の空間にいるだけでストレスが溜まってしまう

すると必然的に閉鎖空間が拡大、神人の脅威を免れない

しかしあくまでそれは仮定……

だった…… 先ほどまでは

彼女抱えているストレスは計り知れない
今はまだ、落ち着いているが
いつ閉鎖空間が生じてもおかしくない

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 02:16:16.54 ID:RSRqTSIP0

そんな時限爆弾のようなストレスが神人の規模に影響を及すのは当たり前

こう考えてしまえばはやい……


閉鎖空間が生じてしまったら最後
現実世界は終わりをつげる…


ならば彼女を涼宮ハルヒに近づけなければいい……

しかしそれもできない

彼女には使命がある

涼宮ハルヒを観察し手に入れた情報を情報統合思念体に報告。
自律進化の可能性に役立てなければならない

今の彼女にその役割を果たせるか……
恐らく無理だろう、いや接触させてはならない

となると使えないアンドロイドは即削除…… 思念体はきっとそうするだろう

160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 02:26:35.56 ID:RSRqTSIP0

どちらをとっても彼女は救われない……

古泉「……」

古泉「……」

果たしてそうなのか
彼女が救われる道はないのか
古泉「……」

僕が考える単純な方法でいけば彼女は救われる

そう、それは実に単純で確実な方法……


涼宮ハルヒの殺害――――――――



古泉「……」

長門さんが殺害しては意味がない、彼女も消されてしまう

そう――――――――

彼女以外の誰かが涼宮ハルヒを殺害することで長門さんは救われる

古泉「……」

古泉「……ふぅ」

162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 02:36:07.66 ID:RSRqTSIP0


古泉「……」

どちらを生かすか

涼宮ハルヒ か 長門有希



あとこれは僕の考えた極めて可能性の低い方法

長門さんはアンドロイドではない場合はどうだろう

情報統合思念体が彼女を消すこと… それは可能なのか……


古泉「……」


いや、これは考えないことにしよう
条件が厳しすぎる

現に彼女は思念体と連絡をとっているのだから……


古泉「……困りましたね」

212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 20:11:40.68 ID:RSRqTSIP0




古泉「善しも悪しも犠牲が出るということか……」

古泉「……」

いや、まだ選択肢はあるはず

犠牲のでない選択肢が……

古泉「……」

彼女は彼を好んでしまい涼宮ハルヒに嫉妬している

ならば嫉妬させないように彼らを動かせばいい

長門さんがストレスの溜まらない関係を作らせる

それは?

古泉「……」

古泉「しかし、長門さんは涼宮ハルヒと接触するのも嫌がっている」

どうにもなりませんね……

215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 20:52:03.17 ID:RSRqTSIP0


古泉「……」

でも試してみる価値はある

そのような関係をつくり長門さんの心情が安定したら
それに越したことはありませんから

古泉「……」

古泉「彼も大変ですね」ズズ

やはり彼はなにか持っているのでしょうか
不幸体質……といいますか

涼宮ハルヒが彼に注目するのも彼になんらかの魅力を感じたから

三年前の地上絵にも関係するでしょうが
実際のところわかりません

古泉「……」

217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 21:04:43.24 ID:RSRqTSIP0

古泉「……」

彼が一番の謎ですね……

彼は何者なのか……

彼女は願望を実現する能力を持っている……

それがあっての私達…… 一同に会することができた

宇宙人・未来人・超能力者・異世界人……

宇宙人は長門有希

未来人は朝比奈みくる

そして超能力者は僕……

おや…… ならば異世界人は?

古泉「……」

彼は”異世界人”なのかもしれません――――――――

218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 21:13:30.46 ID:RSRqTSIP0



前から府に落ちない点がありました

宇宙人など安易に想像できるものに対して異世界人は……?
異世界人に対する印象はあまり定着していません

字の通りに考察すると

異世界人→異なる世界の住民 と想像できるでしょう

住んでいる世界が違う?

大富豪に対してもよく言われますね

「あの人は住んでいる世界が違う」

そういう意味ではないでしょうか

219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 21:18:55.20 ID:RSRqTSIP0


彼には一般大衆にない何かを持っているのではないでしょうか

古泉「……」

古泉「考えすぎですかね……」

まぁ、それはいいとして
まずは目の前の事片づけましょう

それが終わってからゆっくり考えましょう

古泉「ふふ、興味が尽きません」ズズ

――――――――

221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 21:29:06.20 ID:RSRqTSIP0



――――――――

私が生み出されてからもう三年の月日が流れた

長門「……」

生まれて間もない私の頭に浮かんだモノ……

「対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェース」

それが私なのだと…… 私自身が私に確認を求める

長門「……」ゴロン

わかっている 私は人間ではないことくらい
作り物であることくらい

長門「……」

今日、彼は私に人間であると言ってくれた
あの人も言ってくれた

長門「……」

私は何故だろう、すごくうれしかった

私は人間になりたかったのか

223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 21:35:09.82 ID:RSRqTSIP0


長門「……」

他人が私を人間だと言うのは簡単
それに私は相づちをうつ

それも簡単

長門「……」

しかし私自身がそれを認めてはくれない

私のことは私が一番把握しているのだから

長門「……」

でもこれでいい
私には「心」がある
それだけで人間扱いをされる
人間とはこういうもの それを私は把握できた

長門「……」

長門「それで十分……」

――――――――

224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 21:43:40.36 ID:RSRqTSIP0



――――――――

キョン「はぁ? 来てすらないだと?」

ハルヒ「どうしたのかしら……」

朝比奈「発熱とか…?」

ハルヒ「有希が発熱ねぇ……」

古泉「……」

多少、観察をサボっても問題はない
そう判断しましたか、長門さん

その対処で正解です
なるべく涼宮ハルヒと接触しないようにお願いします

古泉「……」

古泉(問題は思念体がいつ動き出すか……)

ハルヒ「ちょっとキョン」

キョン「ん?」

226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 21:53:10.85 ID:RSRqTSIP0

ハルヒ「有希のお見舞いに行くわよ」

古泉「……」

あら…… これはまた面倒に……

キョン「ん、まぁ別に構わんぞ?」

キョン「なぁ、古泉」
古泉「そうですね、私もいいと思いますよ」

ハルヒ「じゃあ決定ね、いつ頃がいいかしら……」

キョン「いつ頃って… 今、5時半だぞ?」

ハルヒ「あー、そうよね〜……」

古泉「……」
古泉「明日にしませんか? もう遅いですし」

ハルヒ「う〜ん」

キョン「ハルヒ、古泉の言うとおりだ」

ハルヒ「……」

ハルヒ「……わかったわよ、じゃあ明日ね」

古泉(助かります、さすが涼宮ハルヒに選ばれし人材)

229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 22:04:57.10 ID:RSRqTSIP0



――――――――
ハルヒ「終わり〜! お疲れさんっ」

キョン「ふぅ…… 疲れたな」

朝比奈(やっと着替えれる……)

古泉「……」トントン

キョン「ん、どうした古泉」

古泉「いえ、あまりにも退屈そうだったので」

キョン「……くたばれ古泉」

古泉「冗談ですよ、ちょっとお付き合いを」

キョン「……」

キョン「ファンタスティックフラグが……」

古泉「ご察しの通り、では」ニコ

キョン「……」

キョン(はあぁぁぁ…… 今度はなんだよ……)

――――――――

230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 22:14:07.37 ID:RSRqTSIP0



――――――――
古泉「すいませんね」

キョン「気にするな…… はやく用件を」

古泉「長門さんについてなんですが……」

キョン「長門?」

古泉「発熱の時点で気づきませんでした?」

キョン「……」

キョン「なるほど、確かあいつは自身の体調を構成できるんだったな」

古泉「その通り、彼女が休むなんてことはあり得ません」

キョン「……」

古泉「彼女が休むのにはなにか理由があります……」

キョン「おい、じらすな」

古泉「いえ…… このことを僕が伝えるのはあまりにも酷なもので……」

キョン「……」

キョン「なんだ……?」

231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 22:21:19.25 ID:RSRqTSIP0


古泉「……」

これは伝えていいものか……
彼女にもし羞恥心があるのならば
僕は人間として最悪だ

いや、羞恥心がないにせよ
長門さんの気持ちを勝手に伝えるのは非道です

しかしこれを伝え、協力を得ないことには……

致し方ありません……

古泉「長門さんは……」

キョン「……」

世界を救うには 彼女を救うには
これしかないのですから

古泉「あなたを好きになってしまった」

キョン「」

キョン「」

キョン「なに?……」

238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 23:53:59.96 ID:RSRqTSIP0

キョン「俺を好きになった? 長門が? あの長門が?」

古泉「はい、ただいま彼女は病んでいます」

キョン「……」

古泉「絶句…… ですね」

キョン「あたりまえだろ……」

古泉「どうなされますか?」
キョン「どうって……」

古泉「長門さんがあなたに告白したらあなたはどうなされますか?」

キョン「……」
キョン「……ニヤニヤが止まらん…」

古泉「ということは?」

キョン「いや、そういう意味でいたんではない!」

古泉「ではどうされますか?」

キョン「ど、どうって言われてもだな…… いきなりすぎて……」

古泉「申し訳ありませんが貴方の選択を私が決めさせて頂きます」

キョン「は?」

239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 23:59:29.91 ID:RSRqTSIP0

古泉「貴方は長門さんに告白してください」

キョン「……」

キョン「なんと……?」

古泉「好きです、こう告白してくれればいいです」

キョン「……ち、ちょっと待てw……なぜ貴様がw」

古泉「貴方に世界の運命が委ねられているのですよ」ニコッ

キョン「……」

キョン「やれやれ……」

キョン「やっぱりそっち関係の話か」

――――――――

241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 00:11:02.75 ID:qziGeLXw0



――――――――
キョン「要約して話せ、もう一時間も立ち話だ」

古泉「すいません、大まかな内容は伝わりましたか?」

キョン「ああ、伝わった伝わった」

キョン「要するに俺が長門に告ればいいんだろ?」

古泉「それをはじめに言ったんだけどなぁ」

キョン「なんで長門が閉鎖空間を発生できるんだよ」

古泉「できるのではありません、発生したのです」

キョン「あー、なるほど」

キョン「でもおまえら超能力者なんだろ? 事前に対処はできないのか?」

古泉「僕もそれを考えましたが上層部の者ですら解読できなかった」

古泉「長門さんの体から発せられるものはまた異質なのです」

キョン「ってことは異例の事態か」

古泉「はい、今僕の機関は混乱しています」

キョン「……そんなにか」

242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 00:19:21.13 ID:qziGeLXw0

古泉「あとおそれるべき事がもう一つ」

キョン「なんだ?」

古泉「私達は閉鎖空間をつくれますか?」
キョン「無理だろ」

古泉「そうですよね」

古泉「でも彼女はそれを成した……」

キョン「……」
キョン「なにが言いたい……」

古泉「学習能力……生き物に与えられた力」

古泉「これを駆使して彼女は自ら……」

キョン「……」

古泉「無意識で閉鎖空間を作り上げた……」

キョン「半端じゃないな」

古泉「そう、半端じゃないのです」

古泉「彼女の学習能力は」

キョン「……」

244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 00:31:15.18 ID:qziGeLXw0

古泉「そしてこれは先ほど我が機関から報告された情報なんですが」

キョン「……」

古泉「心って作れませんよね? ましてや学習して身につくものでもない」

キョン「それがどうした……」

古泉「彼女は「心」を学習したと考えられます」

キョン「……心を? そんなバカな話あるわけ」

古泉「いや、彼女はもう僕たちの予想をくつがえす存在に達しました」

古泉「一種の人間ですね、彼女は」

キョン「てことは……すべて学習した?」

古泉「はい、彼女は下手すれば涼宮ハルヒを超越する……」

古泉「願望を実現する能力を身につけかねない……」

キョン「……」

古泉「でもそれは彼女が涼宮ハルヒを知り尽くさなければ成し得ません」

古泉「知り尽くす為に情報統合思念体は存在しますから現時点でそれはあり得ませんね」

キョン「そんな奴とつき合えと……?」

246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 00:44:56.57 ID:qziGeLXw0

古泉「はい」

キョン「……」

古泉「否定する権限は残念ながらありません」

古泉「我が機関がそれを許しませんから」
キョン「……」

キョン「長門の恐ろしさを実感したよ……」

古泉「思念体は気づいてるのでしょうか、彼女の驚異に」

古泉「あるいは彼女はまったく嘘の情報を吹き込まれたのかもしれませんね」

対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェース
コンタクト用?
思念体の冗談は笑えない


このような生き物が観察する為だけに作られたなんて考え難い

なにかある……

情報統合思念体はなにか別のことも企んでいる……

キョン「わかったよ……」

古泉「…おっ、助かります」

248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 00:51:06.91 ID:qziGeLXw0

キョン「はぁ……」

古泉「いやですか?」

キョン「断じて嫌ではない、しかし……」

古泉「……」

キョン「長門が可愛そうだ……」

古泉「……」

キョン「人間モドキじゃないか…… これじゃ……」

古泉「……」

キョン「……長門を人間に生まれさてやりたかったな」

古泉「……そうですね」





同感です――――――――

249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 01:00:16.48 ID:qziGeLXw0


――――――――
キョン「で、いつ告ればいいんだ」

古泉「今からですよ?」ニコッ

キョン「……」ズコー

古泉「おっと、大丈夫ですか?」

キョン「すまん、今のはベタすぎたな……」

キョン「てか今からじゃないとダメなのか! 明日は! 明日にさせてくれ!」

古泉「一刻の猶予も許さない、直ちに実行せよ」

キョン「うおっ、な、なんだよ……」

古泉「上層部の指令を引用しました」

古泉「貴方が長門さんを想うのなら…… そうしてください」

キョン「……心の準備が……」

古泉「彼女はいつ、自ら命を絶つかわかりません……」

キョン「……」

キョン「……   わかったよ…… ったく……」

292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 20:41:18.65 ID:qziGeLXw0


――――――――
長門「……」

長門「……」

長門「……」

長門「……8時」

長門「お風呂へ……」

長門「……」スタスタ

長門「……」ガチャ

ボテッ

カサカサ……

長門「害虫…… 害虫は排除……」

長門「……」

長門「……」

長門「……」

長門「生命……」

294 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 20:47:54.85 ID:qziGeLXw0



――――――――
キョン「……」

古泉「ここですね」

キョン「はぁ…… 心の準備を……」

古泉「小心者だったんですね」

キョン「これが小心者ならお前は全人類を敵にまわすぞ」

古泉「はやくインターホンを押して楽になりましょう」

キョン「あードキドキする……」

キョン「……」ドクン……

キョン「……っし」

キョン「い、いくぞ……」――――――――

298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 20:56:12.04 ID:qziGeLXw0


――――――――
長門「……」

長門「……」
長門「水は苦手……?」

プカーン……

長門「……」

動かなくなった
なにが原因? 水が苦手だったのか
生命を感じない……

私は一つの命を絶やした……

命を粗末に扱ってしまった……

長門「……」

長門「……」ジワッ

長門「また…… 涙?」ポロッ

長門「涙は生きていくうえで欠かせない……」
長門「恐らく私は悲しんでいるのではない」

長門「涙こそ生きている証」

300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 21:05:01.83 ID:qziGeLXw0

ピンポーン

長門「……」

長門「誰……」バシャ

ガチャ

ビタビタ……

長門「……」

ガチャ

長門「……」
キョン「お…… おお、長門元気か?」

長門「……」

キョン「ちょっと話があるんだ…… 真剣な」

長門「……」

キョン「あ、ほら…… その……」
キョン「顔だけ出してないでさ…… ちょっと出てこいよ」

長門「それは絶対に無理」

キョン「え、あ…… あぁ外寒いもんな」

301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 21:10:39.19 ID:qziGeLXw0

長門「違う、そんな意味ではな」

キョン「じゃあ中に入れてくれないか?」ガッ

バタンッ

キョン「……」

キョン「……えー……と」ポリポリ

キョン「なんで閉めたんだー?」

長門「……」

長門「ドア越しでも問題ない、用件を言って」

キョン「……」

キョン(俺、嫌われてないか……?)

キョン「そんな軽い話じゃないんだよ」

長門「問題ない」

キョン「……」

キョン「……」

302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 21:14:53.64 ID:qziGeLXw0

キョン「……」

キョン「……」

キョン「……ふぅ…… ったく……」

キョン「じゃあ言うぞー」

長門「……」

キョン「俺、長門のことが好きになったわ」

長門「……」

長門「……」

長門「……」

長門「……」

長門「……」

キョン「……」

キョン(聞こえなかったか……?)

304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 21:24:47.68 ID:qziGeLXw0

キョン「……」

長門「……」

キョン「……」
長門「……」

ガ…チャ…

キョン「……お、ながt…」

長門「入って……」
キョン「なっ///」

長門「……」

キョン「なぜ、ぜん……ら……///」

長門「……」

長門「……」

長門「……///」

バタンッ!

キョン「……ちょ、まて!」

――――――――

340 名前:すまん、再開[] 投稿日:2010/03/13(土) 12:14:29.81 ID:nN67uz040



――――――――
古泉「……」

古泉「彼はうまくやりましたかね」

古泉「……」スタスタ

古泉「……」ヒョイ

古泉「……」

古泉「玄関に居ない……ということは……」

古泉「やりましたね、彼は」

古泉「……頼みますよ」スタスタ

古泉(貴方に賭けます……)

――――――――

342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 12:40:43.28 ID:nN67uz040



――――――――
キョン「……」

キョン「むぅ……落ち着かん……」

部屋に入れてくれたものの……
長門自身があけてくれたのではなく……
なんか、念力みたいなのでピャーって開いたから長門に会ってすらいない

キョン「……」

恐らくバスタイムだろう……でなければぜ☆ん☆らのはずがない

殺風景なリビングに俺だけが座ってる……

キョン「……」

キョン「これは絡みづらいぞ……」

344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 12:48:02.34 ID:nN67uz040



――――――――
長門「……」

長門「……」

長門「……ない」

ガサ…

長門「……」

長門「……ない」

長門「……」

長門「……忘れた」

長門「……」

長門「……」

――――――――

345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 12:53:43.56 ID:nN67uz040

30分経過〜

長門「どうする……」

長門「……」

長門「彼に……」

長門「彼に取ってきてもらう……」

長門「……」

長門「……」

長門「それは無理」

長門「……」

長門「彼に……もう一度部屋から出てもらう……」

長門「……」

長門「これしか方法はない……」

長門「……」

346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 13:03:23.24 ID:nN67uz040

キョン「……」

キョン「……」

キョン「……」

長門「……ねぇ」

キョン「うおあ! な、ながと!」

長門「表へ……」

キョン「……」
キョン(表へ……出ろ?…と… 狩られるのか、俺は?)

キョン「あー……」

キョン「なんで?」

長門「下……着を」

長門「……忘れた」

キョン「……あ…」
長門「……///」

キョン「な、なんだ!そ、そんなことかよ///」

長門「……  だからはやく///」

347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 13:14:59.34 ID:nN67uz040

キョン「伏せといてやるから!」

長門「……」

キョン「いいだろっ?」ガバッ

長門「……」
長門「それなら…… 問題ない……」

ガチャ

ペタペタ……

キョン「……」

うおお……
今俺の隣を全裸の美少女、あるいはバスタオルの美少女が……!
アンドロイドとはいえ……ん?
アンドロイドだっけか?
まぁ、よくわからんがやばい……

長門「……」スッ

キョン「……」ビクッ
俺の真隣が下着BOXなのか?
長門との距離、30cm弱……

キョン「も、もういいか」

長門「ま、まだ」

348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 13:25:53.29 ID:nN67uz040

長門「……」

キョン「……」

それにしてもこいつはこんな奴だったか?
もっと希薄な奴だったはずだ
以前のこいつなら躊躇もなしに裸体をさらけ出している……イメージがある

なのに今のこいつときたら
顔を赤らめて恥じるかのようの態度を……

キョン「……」

これも学習能力か
どこで身につけたか知らんが

349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 13:35:19.60 ID:nN67uz040


――――――――
長門「着替えた」

キョン「……ああ」

長門「お茶……」

キョン「いいよ、それより話がある」
長門「……」

キョン「ちょっと座ってくれ」

長門「……」

キョン「……」
キョン「さっきはなした通り……俺はお前が好きだ」

長門「……」

長門「……そう」

キョン「……」

長門「その話はお茶いれてからでもいい」スタスタ

キョン「ちょ……」

キョン「……」

351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 13:41:13.00 ID:nN67uz040

キョン「……」

絶対怒ってる……
怒ってるな……

キョン「……」

好きな奴に好きと言われてあの態度
俺には到底できっこない
それかまだ感情の発達に遅れがあるか…… いやそれは考えにくい

長門「……はい」コトッ

キョン「あ、あぁすまん」

長門「……」ズズ

キョン「……」

キョン「答えを聞かせてくれないか?」

長門「私の?……」

キョン「そ、そうだ」

長門「……」

長門「聞く必要はある?」

キョン「……え?」

353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 13:48:19.23 ID:nN67uz040

キョン「……そ」

キョン「そりゃあるだろ」

長門「……」

キョン「そりゃお前の気持ち知りたいから」

長門「うそつき」

キョン「……な」

長門「私の気持ちを知りたい? 知ってるくせに」

キョン「……」

待て……
どういう展開だ、これ

キョン「ど、どういうことだよ……」

長門「……」

長門「全部見えてる」

キョン「……なに?」

長門「私には貴方の本当の気持ちが見えてる」

355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 13:56:35.74 ID:nN67uz040

キョン「……」

長門「貴方が私に対してどう思っているか」

長門「裏で糸を引いているのは誰か」

キョン「……」

長門「貴方の顔にすべて答えが書いてある」ズズ

キョン「……」

少なくともこれは簡単なミッションじゃないな
長門を見くびっていた結果がこれだよ

俺は本当に長門を愛さなければ話が進まない

……と

今、俺がこう思っているのもお見通しなわけだ

長門「その通り」

キョン「……」

キョン「ふっ、透視って便利だな」

357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 14:16:43.75 ID:nN67uz040

長門「……」クスッ

長門「便利」
キョン「……」

初めて笑ってくれた……
こんなカタチで……

キョン「……」
長門「でも私はうれしい」

キョン「……」
長門「私に時間を費やしてくれるのだから」

長門「その意気込みだけでもうれしい」

キョン「――――――――」

キョン「……」
キョン「……」ガタッ

長門「……」

キョン「……」スタスタ

ガチャ

バタン

長門「……」

358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 14:24:19.77 ID:nN67uz040


――――――――
キョン「……」

キョン「……」

最低
今の俺にピッタリの言葉だ
気持ちを踏みにじったあげく手の内がバレたら逃げる

キョン「……」
キョン「ほんと屑だな」グッ

逃げた理由はそれだけじゃない
悟られたくなかった
俺の長門に対しての悲愴感を

「可愛そう」

キョン「……」

キョン「……っくそ」

ジャッ…

古泉「やあ、お帰り」

キョン「……古泉」

古泉「……」

360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 14:32:39.89 ID:nN67uz040


――――――――
古泉「そうですか」

キョン「……」

古泉「……」

古泉「すいませんでした……」ペコッ

キョン「……」

キョン「今時、90度敬礼なんかやめろ……」

キョン「それに古泉のせいじゃない……」

古泉「……」

キョン「俺のせいだ……」

人間やめてぇ……
こんな人間……

古泉「……」

古泉「状況を詳しく説明して頂ければ幸いです」

キョン「……」

――――――――

361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 14:41:29.19 ID:nN67uz040


――――――――
古泉「ほぅ……」

キョン「そこで長門が初めて笑ったんだ」
キョン「誰がみてもあれは悲しんでいる微笑みではなかった……」

古泉「……」

キョン「そして俺に打ちをかけたのが長門の「うれしかった」という言葉」

古泉「うれしかった……と?」

キョン「ああ……」

キョン「うれしいはずねぇだろ…… でも長門は」

古泉「……」

キョン「すごく嬉しそうだった……」

古泉「……」

キョン「……」

キョン「……」

キョン「ダメだ! 古泉! 我慢できん! 俺をおもいっきり殴れ!」

古泉「……」

362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 14:47:53.74 ID:nN67uz040

古泉「……」

キョン「頼む! 古泉!」

キョン「グーで頼む! パーはダメだ」

キョン「殴ってくれっ! 頼むっ」

古泉「……」ポン

古泉は目を食いしばるキョンの肩に手をのせた

キョン「……こいっ!」

古泉「……」

古泉「お疲れ様でした、グッジョブです」

キョン「……」

キョン「そんなことはどうでもいい! はやく!」

古泉「まぁ、座ってください」

キョン「はぁ?……」

キョン「……」

365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 14:55:14.29 ID:nN67uz040

古泉「貴方はいい仕事をしましたよ?」

キョン「……」

キョン「すまん古泉、気休めにならん気休めは余計俺を……」

古泉「確かに、いい結果ではありませんね」

古泉「しかしこれで確信した……」

キョン「……」

キョン「……」

キョン「古泉、おまえ…… なにか企んでたのか?」

古泉「だから言いましたよ、謝るのは僕の方なんです」

キョン「……」

キョン「はぁぁ…… ぶん殴ってやりたいが…… 後回しだ」

キョン「わかりやすく説明しろよ」

古泉「ええ」ニコッ

366 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 15:04:30.37 ID:nN67uz040

古泉「私共は長門さんのすばらしい学習能力に目をつけました」

キョン「……」

古泉「心を短期間で学習するその力はすばらしい」

キョン「……」

古泉「貴方の話を聞くところ長門さんの精神年齢に著しい変化がみられます」

キョン「というと?」

古泉「簡単に予想すると……まぁ……」

古泉「6才児程度から成人女性程度まで……くらいですかね」

キョン「なに……」

古泉「あの場面で見せた笑顔……」

古泉「そして、あの状況での長門さんの態度……」

古泉「大人の品格ですね」

キョン「……」

古泉「そしてこれからが喜ぶべき所」

キョン「……?」

367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 15:18:13.75 ID:nN67uz040

キョン「なんだよ」

古泉「閉鎖空間…… これが生じる原因をご存知で?」

キョン「それは…… あれだろ?」
キョン「どうしようもできないストレスを発散する為に………あっ!」

古泉「お、気づきましたか」

キョン「そうか、今の長門なら……」
古泉「そう、今の長門さんならばその悩みも自分で消すことができる」

古泉「以前はどうしようもできず、閉鎖空間が発生しかけていましたが」

古泉「精神年齢が発達した今、長門さんは自己解決できますね」

人間は失恋した際、プラス思考へ考える性質がある
立ち直る為の力が働く
それは小学生高学年程度から身につくわけだ

しかし生理的欲求を持つ幼い子供は
その力を持っていない為、抑制しきれない

例えるならば、おもちゃを買ってもらえず泣き出したり
母親に構ってもらえず嫉妬したり

キョン「そうか……」

キョン「それがあの「寂しさ」につながったわけか……」

372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 15:28:14.00 ID:nN67uz040

古泉「はい?」
キョン「いや、前そういうことがあってな」

古泉「なるほど」

キョン「は?」

古泉「だからあなたを好きになってしまったわけだ」
キョン「あー」

古泉「初恋の相手が幼稚園の先生だったりとかの経験はあるでしょう」

キョン「……」

古泉「あれ、僕だけですか?」

古泉「それは置いといて、長門さんにはそういった力が働いた、ということです」

キョン「てことはあいつは俺のこと……」

古泉「さあ、それはわかりません」

キョン「……」

古泉「それにしても助かりました、予想が的中したわけですから」

キョン「長門の透視も知ってたのか」

古泉「それを知ってての作戦です、あなたに作戦を教えちゃうと透視されますから」

373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 15:38:47.61 ID:nN67uz040

古泉「だから涼宮ハルヒに嫉妬したりする心配もないですね」

キョン「……」

古泉「閉鎖空間の心配もない、世界は救われました」
キョン「……」

古泉「お疲れ様でした」ニコッ

キョン「なにがお疲れだよ」

キョン「俺が長門を人形扱いしていたことに変わりない」
古泉「……」

古泉「……」

キョン「はぁ…… っくそ」

キョン「……」

『でもうれしかった……』

キョン「……」

キョン「……///」

キョン「俺、帰るわ……」

古泉「そうですか、お疲れさまっ」

374 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 15:44:09.04 ID:nN67uz040



――――――――
キョン「……」

キョン「はぁ……」

キョン「……」

なに長門のことばっか考えてんだ俺……
なに火照ってんだ、俺……

キョン「……」

キョン「……」

あの笑顔…… 輝いてたな……
ちくしょー可愛かった……

キョン「……///」

キョン「……はっ」

キョン「なに考えてんだ俺はあああ……」ゴロンゴロン

キョン「……」

キョン「……ふぅ」

――――――――

375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 15:51:16.34 ID:nN67uz040



――――――――

好きになったみたいだ
長門のことが好きになったみたいだ

閉鎖空間の件も解決し
俺は長門を純粋に好きなってしまい

……

でもそれは俺の勝手だろ
だから俺の好きなようにスクールライフを送らせてもらう


と考えていた俺がバカだった――――――――



忘れてたよ


一番の厄介者を……

396 名前:再開、保守ありがとう[] 投稿日:2010/03/13(土) 23:28:05.43 ID:nN67uz040


――――――――
長門を好きになってしまい俺の頭は長門色に染まってしまった
長門も俺を好きだから、っていうわけではないが多少期待している
つき合うとなるとこれは好調の滑り出し……! ではない
今の俺は最低すぎて自分でも反吐がでる
決して俺は長門を見下していたわけじゃない
付き合ってやろうとかそんなことは思っていない

でもそう誤解されてもしかたないな……

キョン「……」


まっ、慎重に距離を詰めていくか
それで付き合えれば越したことはない

キョン「……」

キョン「……」

キョン「……」zzz







397 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 23:34:50.90 ID:nN67uz040


――――――――






キョン「う゛ぅぁッ…っ」

妹「おーきてー」

キョン「わ…かっ!…たから…おっ!りろ…っ」

妹「あはは、早く降りてきてね〜」

キョン「……」

兄の上で飛び跳ねる妹。
ここから始まる俺の日常
なんつー日常だよ

キョン「いてて……」

日常っても一般からしたら非日常だ
俺の場合、非日常が日常化している、どうしたものか……

キョン「……」ジョロジョロ

そして今日から俺の驚天動地な挑戦が始まることは言うまでもない

402 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 23:40:55.48 ID:nN67uz040


――――――――
キョン「……」

登校風景から違って見える
それだけ俺の意気込みがすごいってことか
そりゃ俺は人に恋をしてしまったのだから気合いが入る

キョン「……」
キョン「……っし」

長門に話しかけるとしたら部活の時間しかない
然して俺はそこで覚醒すべきなのだが……
あの”神”がそれを許すか……

キョン「……」

いや、あの神を気にしちゃ始まらん
今日の俺は違う
気合いから運勢からなにもかも!

ピー

ベチャ

キョン「ん…? ゲッ、糞が手に…! 汚ねぇ……!くそっ鳥公めっ!」

……なにもかも違うのだ

406 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 23:47:13.06 ID:nN67uz040


――――――――
キョン「……」

ハルヒ「キョン、ちょっと来て」

キョン「はいはい」

来ないな長門……
古泉は…… まぁ、あいつはいいとして
長門は学校にすら来てないのでは?

残念だな…… やっぱ俺のせいかもしれん
笑顔の裏で長門は……

ハルヒ「聞いてる!?」

キョン「はいはい」

ハルヒ「HPのロゴの劣化を見てなにも思わないの?」
キョン「ん?」

ハルヒ「いくら補正しても直らないんだけど」

キョン「こりゃひでぇ」

「SOS団」には見えないな
真ん中を中心に渦巻いてる
これは新しいアート……

408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/13(土) 23:58:50.66 ID:nN67uz040

キョン「……」

ハルヒ「なんとかしなさいよ」

キョン「PCオンチの俺に無理難題を押しつけるな」

ハルヒ「もう、使えないわね〜」

キョン「……」
そういうのは長門に頼め
あいつに閉鎖空間の心配はないからな

キョン「……」

キョン「……」

ガラッ

長門「……」スタスタ

キョン「あっ」

411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 00:09:24.31 ID:/G+jpwWM0

キョン「……」

長門、来てたのか
よかった……

キョン「な、長門」

長門「なに?」

キョン「い、いや昨日の件で…… 話が」

長門「……」

キョン(わからん…… 怒ってんのか? 無表情すぎて)

長門「気にしてない」

キョン「……お、そうか……」

気にしてない、か……
俺の中では寂しく響いたよ、その言葉

ハルヒ「有希、ちょっと来て」

長門「……」ガタッ

ハルヒ「これ直せる?」

412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 00:17:46.55 ID:/G+jpwWM0

長門「……」

ハルヒ「おかしいでしょ? 困ったわね」

長門「……」

長門「……解析…… 現時点…… 涼… を…」

キョン「……?」

キョン(ボソボソなに言ってんだ? 呪文か?)

長門「現状把握……」

長門「……」グイ

キョン「おっ、と」

長門「……来て」

キョン「は、はぁ…」

ハルヒ「ち、ちょっと! どこいくの!」

バタン

ハルヒ「……」

ハルヒ「なによ……あの二人……」

415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 00:29:39.46 ID:/G+jpwWM0

ハルヒ「……」

ハルヒ「仲良くしちゃって……」

ハルヒ「あたしだってやればできるんだからっ」フンッ

――――――――
キョン「お、おい…… どこまで俺を」
長門「……」ピタッ

長門「涼宮ハルヒがロゴを編集した」
キョン「は? そうなのか?」

長門「情報集積体が形成された」
キョン「じょ…… え?なんだって?」

長門「以前、涼宮ハルヒの作ったロゴ……」

キョン「あぁ、あれか」

長門「その時とまったく同じ、涼宮ハルヒに確率論は通じない」

キョン「……」

はぁ……
またかよ、なぜお前は事件を起こしたがる……

キョン「で、俺になにか用があるんだろ?」

長門「私が用意したところへ行って」

416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 00:35:29.50 ID:/G+jpwWM0



――――――――
古泉「ふぅ……」

やっと片づけました……

古泉「長門さんの件が一段落ついたと思いきや次はあなたですか」



涼宮ハルヒ――――――――


まったくお騒がせな方だ
彼女の閉鎖空間を忘れていた僕の責任でもありますが……

おそらく彼女はこの世の中に嫌気が指している……

僕を含め10人がかりであの神人を倒せたのですから

古泉「休憩してる暇などありませんね、ふふっ」

419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 00:40:16.12 ID:/G+jpwWM0



時をかける少女――――――――


朝比奈みくるさんにあって来い、だとよ……

キョン「はぁ……」

長門…… 可愛かった……

キョン「……」

『ロゴの件は任せて、会ってきて』

キョン「……」

キョン「張り切っちまうじゃねーかよ……」

420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 00:42:20.91 ID:/G+jpwWM0


――――――――

『○×公園、手前右端の公衆トイレ……』

キョン「……ここだよな」

キョン「……」

本当に現れるのか?
人っこ一人居ないんだが……

もしや長門に遊ばされてる…… いや構わん、もっとやれ

朝比奈「……あ、キョンくんっ」

キョン「ん? 朝比奈さん」

キョン「どうしたんですか? メイド姿で」

朝比奈「あ、これは、その…… 大至急ってことなので」

キョン「そうですか……誰が言ったんですか?」

朝比奈「古泉くんです」

キョン「……」

キョン(またお前か古泉……)

421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 00:45:28.41 ID:/G+jpwWM0

キョン「……」

キョン「あのー、長門がなにか用意してるらしいんですけど……」

朝比奈「用意してる? あっ、はい」

キョン「どこなんですか?」

朝比奈「それはこの公園ですよ?」

キョン「は?」

朝比奈「この公園と同じ次元にまた別の公園を創ってもらいました」

キョン「……」

キョン(流石だな……)

キョン「てことはもう?」

朝比奈「はい、ここは異相空間です」

キョン「なるほど……人ひとり居ないわけだ」

424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 00:54:19.06 ID:/G+jpwWM0

キョン「それで用件はなんですか?」

朝比奈「あ、はい。 未来に行ってこいとのことなんですが……」

キョン「……またですか」

朝比奈「そんな嫌そうな顔しないでくださぃ……」

キョン「いえっ、そんなことはありません!」

キョン(が…… もう僕には本命が出来ました)

キョン「朝比奈さんと行けるなら俺はもう」

朝比奈「いえ、貴方ひとりです」

キョン「……」

キョン(待て待てーーい!……と叫びたいところだが)

キョン「あはは……まさか冗談でしょ?」

朝比奈「大マジですっ」キリッ

キョン「……」

今日は運勢もなにもかも違う…… そう張り切って家を飛び出した自分が憎いよ
糞の時点で気づくべきだったな……

最悪だ

425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 01:02:35.76 ID:/G+jpwWM0

キョン「……」

キョン「それで俺はどの時代にタイムトラベルするんですか?……」

朝比奈「それは……」
キョン「……」

朝比奈「一年後です」

キョン「は?」

一年後……?
俺はなにすりゃいいんだよ、そこで
前回みたく長門からのヒントもないし……
しかも一人だし……!
朝比奈(大)もまだ(中)だろ……

キョン「目的はなんですか?」

朝比奈「わかりません、とにかく一年後へ行け……と」

朝比奈「確かめろ……とか」

キョン「……」
なんといい加減な
人をなんだと思っていやがる
俺も人のことをいえないが……

キョン「……」

426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 01:07:35.55 ID:/G+jpwWM0

キョン「……」

キョン「うーん……」

朝比奈「お願いしますっ!」

キョン「……」

キョン「でもなぁ……」

キョン「人命が関わりますし……」

朝比奈「私、困りますぅ……」ウルウル

キョン「……」

キョン(ちくしょう……)

キョン「わかりましたよ……」

キョン「行けばいいんでしょ……」

朝比奈「助かりますっ!」

キョン「……」

427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 01:14:39.82 ID:/G+jpwWM0


――――――――
キョン「……」

朝比奈「じゃあ目をつぶってください」
キョン「あ、その前に」

朝比奈「はい?」

キョン「用件は 確かめろ でいいんですよね?」
朝比奈「はい、そうです」

キョン「わかりました……」

念入りに聞いとかないと
後でグチグチ言われたらたまらん

朝比奈「いきますよ……」

キョン「……はい」

確かめろ……か

なにを確かめればいいんだ

これはあやふやな用件を押しつける側に責任があるぞ

まっ、長門でも確かめてくるか……

429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 01:19:37.24 ID:/G+jpwWM0

キョン「……」
朝比奈「……」

キョン「……」
朝比奈「……」

キョン「……」
朝比奈「……」

キョン「……」
朝比奈「……」

朝比奈「あれ……」

キョン「どうしました?」

朝比奈「おかしいな……」

キョン「……」

朝比奈「……できません」

キョン「え……」

キョン「原因は……?」

朝比奈「わかりません…… いつもこんな感じかなーって感覚なので……」

キョン(こんな感じかなーってあなた……)

431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 01:25:31.01 ID:/G+jpwWM0

キョン「それは困りましたね……」

キョン(ラッキーだ)

朝比奈「も、もう一度やってますっ」

キョン「……」




何度も試した
十回くらい試したんじゃないか?
それでも結果はダメ……

これ以上は無意味に気づいた俺たちはあきらめた

――――――――
キョン「あきらめましょう」

朝比奈「…ぅぅ…すいません… 非力で……」

キョン「いえいえ、こちらこそ」

キョン(GJ朝比奈さん)

432 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 01:31:08.90 ID:/G+jpwWM0



――――――――
キョン「どう報告しましょう」

朝比奈「そうですね……」

朝比奈「怒られちゃいます……」

キョン「いや、俺が古泉に伝えますよ」

朝比奈「ほ、本当ですか?」

キョン「はい」

ぶん殴り損ねたからな
いやーそれにしても

何事もなくてよかった……


俺は朝比奈さんと別れた後、古泉に
暴行目的であることもふまえ報告をしに行った

――――――――

433 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 01:38:58.99 ID:/G+jpwWM0


――――――――
キョン「……」

キョン「……」

キョン「お、見つけた」

キョン「おい、古泉!」
古泉「ん?」

古泉「ああ、また会いましたね」

キョン「ああ、じゃない! どういうことだ!」

古泉「僕の台詞ですよ」

キョン「おまっ、なんだと……」
古泉「正直、貴方と会いたくありませんでした」

キョン「ほぅ……喧嘩を売って」

古泉「でも私は会うつもりでしたよ」

古泉「一年後に行けなかったんでしょう?」

キョン「……」

キョン「なんかよくわからんが行けなかった……」

434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 01:45:02.78 ID:/G+jpwWM0

古泉「ああ……」

古泉「なんと言う事態……」

キョン「……」

キョン「どうした……なんだよ」

古泉「単純に考えればわかります」

古泉「彼女は一年後に貴方を連れていけなかった」

古泉「橋と同じです、向こう岸がなければ向こう岸に行けないでしょう?」

キョン「……っ」

キョン「う、嘘だろ……」

古泉「今、貴方と僕が再会しているということは真実です……」

キョン「い……」





一年後が存在していないッ――――――――!

482 名前:保守ありがとう、再開[] 投稿日:2010/03/14(日) 21:18:46.07 ID:/G+jpwWM0

キョン「……」

古泉「ふぅ……」

キョン「じゃあ一年後…… 俺達は……」

古泉「もちろん」

キョン「……」


嗚呼……

これは誰がやらかしたんだ……

長門は違う…… となると



キョン「ハルヒか……?」

古泉「しか考えられないでしょう」

キョン「……」

はは、洒落にならん

483 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 21:28:20.95 ID:/G+jpwWM0

キョン「ま、待てよ」

古泉「なんでしょう」
キョン「勿論、これからその原因を突き止めれば大丈夫なんだろ?」

古泉「そうですよ、まだ遅くはありません」

キョン「……」
キョン「よかった……」ホッ

古泉「突き止めれれば、の話ですが」

キョン「……あっ? まだ調べてないのかよ!」

古泉「ええ」

キョン「なっ…!」

キョン「なにがええ、だ! どんだけ悠長に構えてんだよ!」

古泉「調べるにもその予兆となる出来事すら起きてませんから」

古泉「現時点で把握しているのは神人の規模拡大……のみ」

古泉「考えられませんね、それで一年後の世界が破滅するなんて」

キョン「……」

キョン「でも矛盾してるぞ、おまえ」

486 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 21:39:12.37 ID:/G+jpwWM0

キョン「十分考えられるだろ」

キョン「長門の件でも、閉鎖空間で世界が危ういと警告したのはおまえじゃないか」
キョン「神人の脅威が増したのならば十分破滅の危機はある」

古泉「……」
古泉「朝比奈さんの能力から考えるとあり得ないのです」

キョン「……」

古泉「朝比奈さんは未来へアクセスすらできなかった……」

古泉「貴方の言っている破滅とはまた別の破滅です」

古泉「消失と言ったらわかりますか?」

キョン「は? わからん」

古泉「一年後…… 地球…… いや太陽系……いや、宇宙そのものの空間が消失する」

古泉「すなわち”無”ですね」

キョン「無……?」

なに言ってんだこいつ
さっぱり意味がわからん

古泉「神人だけで宇宙全土を消すなんてことは無理…… わかりますか? そういうことです」

キョン「……」

487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 21:41:09.65 ID:/G+jpwWM0

古泉「だから困っているのですよ」

古泉「如何なる予兆がこのような結果を生み出すのかすらわからない」
古泉「そしてこれが可能なのは涼宮ハルヒ以外考えられない」

古泉「……」

古泉「警戒しなければなりません」

キョン「……」
古泉「これからは涼宮ハルヒの言動を一言一句聞き逃してはなりません」

古泉「彼女の行動にはすべて意味があります」

古泉「例えそれが限りなく児戯に等しくとも……」

キョン「どういう意味だ?」

古泉「涼宮ハルヒがロゴを編集しただけでなんらかの事件が起きるのですから」

古泉「これは大変な一年になりそうですね」ニコッ

キョン「……」

488 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 21:46:06.78 ID:/G+jpwWM0



涼宮ハルヒはこの世界に退屈している

心でこう思っているのでしょう

「なにか事件が起きないだろうか」

その結果がこれです

ロゴを編集しただけで事件が起きる……


やがて涼宮ハルヒはこの世の中に嫌気がさし……
宇宙もろとも消滅させた……

現時点ではこうとしか考えられません


もしそうならば私達は涼宮ハルヒにサプライズを用意し
楽しませなければならない

彼女を退屈だと感じさせてはならない

490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 21:48:55.75 ID:/G+jpwWM0

古泉「頼みますよ」

キョン「何故、俺が……」

古泉「私も協力します……がやはり貴方が動かないことには……」

キョン「……」

キョン「なんで俺はこんなに不幸なんだ……」

キョン「はぁ……」

なんで俺はいつも巻き込まれるんだ
今まで俺に関わらなかった事件なんてない

どうしたもんか……

古泉「それは、体質かなにかでしょう」

キョン「体質?」

古泉「貴方にもなにか「能力」があるんじゃないでしょうか」

古泉「貴方も能力者だったりするかもしれませんよ?」

キョン「……」

んなもんねーよ、この凡人にゃ大層な呼び名だ

491 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 21:51:41.89 ID:/G+jpwWM0


――――――――
キョン「……」

キョン「これから先…… 俺はどうすりゃいいんだ……」

もう沢山だ
巻き込まれるなんてのはごめんだ

キョン「……」

キョン「しかもその発端は全てハルヒ……」
キョン「……」


極力あいつと関わらないよう過ごせば
あいつも俺に絡んでこなくなるのでは?
そうすれば俺のスクールライフはハッピー
しかも長門中心の生活を送れる
ハッピーセットじゃないか


キョン「……」
キョン「……」

と言っても……
世界は一年後に崩壊予定……
それを片づけんことにはな……

キョン「……もうヤダ、疲れた」

494 名前:>>493 ほんとすまん[] 投稿日:2010/03/14(日) 22:03:15.43 ID:/G+jpwWM0


――――――――
キョン「……」ガチャ

朝比奈さんには黙っておこう
失神されたら困る

キョン「……」

長門「……」

ハルヒ「ちょっとっ、大至急って言ったはず……!」

キョン「長門、昨日どうだった?」

長門「解決した」

キョン「そうか、そりゃよかった」

ハルヒ「……」

ハルヒ「……ち」

ハルヒ「ちょっと聞いてんの!?シカトしないでくれるっ!」バンッ

キョン「はいはい、すいませんでした」

キョン「で、長門。 ちょっとこれについて……」

ハルヒ「……」

498 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 22:17:51.66 ID:/G+jpwWM0

ハルヒ「キョンっ!!」

キョン「……なんだよ」
ハルヒ「な…… なによっ、その目は! 寝ぼけてんのっ?」

キョン「疲れてんだよ」

ハルヒ「どうでもいいわっ! それより今の態度なに!?」

キョン「……」

ハルヒ「あたしに呆れてるみたいな受け答えして許されると思ってんの!」バンッ

キョン(あーその通りだよ)
ハルヒ「罰が必要ね! キョン、あんたは今からグランドを……」

キョン「すまん、ハルヒ。 後で走ってやるから」

ハルヒ「……」

長門「用件はなに?」

キョン「あぁ、それがな……」

ハルヒ「……」

ハルヒ「…あっそ!…フンっ!」スタスタ

キョン「……」

499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 22:25:14.75 ID:/G+jpwWM0



あいつは決して悪気があるわけじゃない
なんせ自分の力に気づいてないんだから……

俺はハルヒとあまり関わらないことにした
完全にシカトってわけじゃない
会話に支障を及ぼさん程度に流す

もう疲れた

あいつにゃ悪いが、ハルヒと居るとろくなことがないんだ
閉鎖空間? 知ったことか

世界がなくなるのならなくなってしまえ

そのかわりせめてその間だけでも好きな人の
そばに居させろ!



こんなこと考えちゃってる俺がいる

いや、こっちの方がかえって楽だ

500 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 22:35:16.73 ID:/G+jpwWM0


――――――――
キョン「は? ハルヒを退屈させんなだと?」

古泉「あれじゃ誰が見ても不機嫌でしょう」

古泉「足を組んで、眉間にしわをよせ、窓の外を眺めている。 これは誰が見ても不機嫌」

キョン「……」
キョン「古泉、俺疲れたんだよ」

古泉「はい?」

キョン「もう嫌なんだよ、ハルヒと関わるの」

古泉「……うーん」

古泉「……それは困りますよ」

キョン「もう俺を好きに生かしてくれないか?」

古泉「……」

古泉「どうしたんですか…… いきなり……」

キョン「いま始まったことじゃない」


俺が部室に来る理由は長門に会う為だ
ほかに用事なんてない

507 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 22:59:48.11 ID:/G+jpwWM0

古泉「……」

古泉「そうですか……」

キョン「……」

古泉「もう一度、考え直してはくれませんか?」

キョン「……」

いや、もうそんなつもりはない
関わりたくないんだよ、本当に
だから後はあんたらががんばってくれ

と言いたいが

キョン「あぁ、わかったよ」

古泉「助かります」

偽善者だな俺は

508 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 23:09:36.49 ID:/G+jpwWM0


――――――――
午後5時40分

複雑な気分だ
やっと解放される喜び、長門とのお別れに対する悲しみ

そんな感情が入り交じりつつも俺は平常心を装う
キャラクターは大事だからな

キョン「……」

ハルヒ「……」

よくもまぁあの体勢で何時間もいられること
自我が相当強いんだろうな
すまんが俺はお前を気にしてないよ

キョン「……」

ハルヒ「……」

キョン「……」チラッ

ハルヒ「……」

キョン「……」←実は気にしている

509 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 23:19:46.60 ID:/G+jpwWM0



――――――――
三年前
そこから俺とこいつの出会いは始まっていた

ハルヒ「それ、北高の制服よね…… あんたの名前は?」

キョン「サンダー・ライガー」

ハルヒ「バカじゃないの?」

キョン「そうかもな」

そう……
こいつの地上絵を手伝ってやった張本人が俺なのだ

この頃のハルヒは中学一年生

人使いの荒さはご健在……
過去だから当たり前か

キョン「で、なんなんだ? この絵は」

ハルヒ「見ればわかるでしょ、メッセージよ!」

510 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 23:29:31.67 ID:/G+jpwWM0

キョン「……」

メッセージか
俺はそれがなんなのか、すぐわかった
なんたって俺は三年後のお前に会っているのだから

キョン「織姫と彦星宛てのか?」

ハルヒ「えっ……」
ハルヒ「どうしてわかったの?」

キョン「そりゃ、七夕だしな」

ハルヒ「……」
キョン「……それに、似たようなことをしてる奴に覚えがあっただけさ」

ハルヒ「……」

ハルヒ「……へぇ」

キョン「……」

ハルヒ「そんなやつが北高にいるのね……」

キョン「……」

この頃のこいつはなにか勘違いしてたようだ
後々その勘違いがまた面倒くさい事につながるわけだが……

ハルヒ「じゃ、あたし用事あるから」

513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 23:39:26.85 ID:/G+jpwWM0


――――――――
そして現在

   ・ ・ ・
俺は三年前に居るわけだ


それは何故か?


キョン「……ったく」

ハルヒのなんでもない一言が大事になりかねない

そのなんとなしに言ったであろう一言のせいでまた俺は……

キョン「……」

キョン「古泉の言うとおりにすりゃよかったぜ……」

『涼宮ハルヒの言動を一言一句聞き逃してはなりません』

キョン「……」

キョン「糞ったれが……」

514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 23:51:04.15 ID:/G+jpwWM0


――――――――
午後6時

古泉「終わりましたね、部活」

キョン「やっと終わったか」

長門「……」

ハルヒ「……」

ハルヒ「……」ガタッ

ハルヒ「ああ、つまんなかった〜!」

キョン「……」

古泉「……」
ハルヒ「ほんっと北高っておもしろくないわね〜!」

キョン「……」
ハルヒ「おもしろい人がいるっていうから来てあげたのに」スタスタ

ハルヒ「誰よ、私に北高を勧めた輩は……!」スタスタ

キョン「……」

勧めたわけではないがそれは俺だ
俺の発言にこいつは北高へ興味を持ってしまった

524 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 00:52:00.06 ID:Wx1/CVWd0

キョン「……」

ハルヒ「あ〜あ…… 無駄な時間を過ごしたわ」

俺が反省すべきは次の点だ

キョン「……」

まず一つは、俺のせいでハルヒの機嫌が悪くなったこと

そして

ハルヒ「ほんっと……」

俺はこれをすっかり忘れていた

ハルヒ「こんな学校、隕石落ちて粉々になっちゃえばいいのよ」

バタン

キョン「……」

キョン「……」

キョン「……今の発言……」

古泉「そうですね」

古泉「やっちゃいました」

525 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 01:00:11.04 ID:Wx1/CVWd0

キョン「……」

古泉「だから言ったでしょう、大変な年になりますよ、ってね」

キョン「……」

涼宮ハルヒに確率論は存在しない
それは願望を実現する能力が原因となっているわけだが……
今、ハルヒはあくまで発言しただけだ
本当に隕石が落ちてほしいと願っていない限りそれは成し得ない

しかしどうだろう
人間、本当に苛立った際思いもよらぬ発言をしたりする
自分でそれが冗談だとわかっていても……
心のどこかでそれを本気にしてしまう自分がいる

今までのハルヒを振り返るとほとんどがそのケースなのだ

宇宙人等がいるはずないと思っていても心の奥底で
それを望んでしまう自分がいた

だから今こうしてSOS団が結成している

ハルヒのかすかな願望さえも実現された

――――――――

526 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 01:09:28.85 ID:Wx1/CVWd0



――――――――
それのどこがこの状況に結びつく?
俺が再び三年前に行く目的はなんなのか

キョン「……ここだっけか」

念には念を、ってやつだ

俺はあのハルヒの発言自体を無くすために過去にやってきた
ハルヒを不機嫌にさせた俺の責任だからな

ハルヒを不機嫌にさせたせいであの発言が生まれたんだ

ならば一日前でよくないか?

一日前に戻り、今度はハルヒと仲良く接する

これで万事解決ではなかろうか


しかし古泉曰く念には念を……

そもそもあの発言の魂胆は北高への不満
その後に続いたのが北高を勧めた輩(俺)への不満

528 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 01:15:16.55 ID:Wx1/CVWd0

そう
今後、これが原因であの発言がでてくるかもしれない

そんな事態を避けるべくついでに三年前に行って訂正してこい、と命令が下った

「北高にはパシリに最適な人材が沢山いる」とな……
恐らくハルヒは食いつくだろう
長門がハルヒの判断を予測演算してくれたから間違いない


……ってか一日前に行くついでに三年前にいけ、だとよ
もう「時」の価値観がズタズタだ

しかしなにか府に落ちないな

過去に戻ってあの日の朝に帰ってくるとしたら……
今、現在の古泉達はどうなる
まったく連鎖性がないではないか

キョン「……」

キョン「まぁいいか、長門がなんとかしてくれるだろう」

朝比奈「……ここでしたっけ」

キョン「えっ? あっ…… すいません、ここはお隣の中学でした」

573 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 20:26:35.18 ID:Wx1/CVWd0


――――――――
キョン「……」

朝比奈「……ここは」

キョン「あ、すいません。 また間違えました」

朝比奈「しっかりしてくださいぃ……」

キョン「はは、すいません……」

そんなに間違えるわけがないでしょ
朝比奈さんとハルヒを会わせちゃったら今後の未来が変わっちゃうんですよ

キョン「……」

朝比奈「はやくしないと……」

気絶させれば問題ないか?

キョン「朝比奈さん、さっきから気になってたんですが……」

朝比奈「はい?」

キョン「貴方の後ろの方は誰ですか?」

朝比奈「……へ?」

キョン「なんかすごく青白くて……」

574 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 20:28:53.30 ID:Wx1/CVWd0

朝比奈「……あわわ  やめてくださ…いよ」

キョン「いやホントに、誰なんですか?」

これは強引でベタすぎるw
こんな脅しで気絶するわけないか

朝比奈「そ……そんな… ゆ ゆうれ……」ブルブル

朝比奈「……ぁひぃ……」クラクラ

キョン「おっと」ガシッ

朝比奈「……」

キョン「……」

キョン「ま」

キョン「気絶してくりゃなんでもいいんだけどね……」

朝比奈「……」ポロッ

ゴトッ……

――――――――

575 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 20:33:04.92 ID:Wx1/CVWd0



――――――――
キョン「……」

ここだ
ここが谷口とハルヒの母校

キョン「……」

キョン「ハルヒはどこだ…?」

ハルヒが見あたらない
どういうことだ……

キョン「ん?」

キョン「あれは…… ハルヒ?」

なんであいつはもう線を引き始めてんだ?
予定じゃあいつが不法侵入するところを俺が……

576 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 20:36:40.15 ID:Wx1/CVWd0



キョン「あ」

そうか……
俺が朝比奈さんを連れ回したことでタイムロスしてんだ

キョン「てことは……」

キョン「30分遅刻だな」

とにかく朝比奈さんをどっかに放置して
ハルヒに話しかけよう

キョン「……」

キョン「あー」

キョン「背負ったまま校門をよじ登るってのは不可能か」

キョン「……」

キョン「しかたない……」

578 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 20:42:52.52 ID:Wx1/CVWd0



キョン「おーい! そこの少女!」

少女ってのはなんか違和感あったな

ハルヒ「ん?」

ハルヒ「ええっ! なに!? 聞こえないんだけど!!」

ハルヒ「それよりあんた誰!? 邪魔しないでくれる!?」ドスドス

キョン「あ……ああ」

ほんとかわんねーな
死んでもこの性格は直りそうにない

キョン「いや、この校門をあけてほしくてな」

ハルヒ「なにそれ! 不法侵入じゃない!?」

キョン「お前もじゃないか」

キョン「そんな漫才はどうでもいい、あけてくれ」

ハルヒ「だからなんで!? あんた変態!? 変質者!?」

ハルヒ「まぁいいわ、開けたげる」

キョン「すまんね」

579 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 20:48:41.29 ID:Wx1/CVWd0



キョン「……」

ハルヒ「ほら、入りなさい!」ガラガラ

ハルヒ「開けてあげた代わりにあんたは私の手伝いよ!」

キョン「わかってるよ」スタスタ

ハルヒ「えっ?」

ハルヒ「なにそれ……」

キョン「だからわかってるって言ってんだよ」

ハルヒ「……」

ハルヒ「ふぅーん」

ハルヒ「じゃ、お願いね。 まず……」

キョン「ちょっと俺のねーちゃんをどっかに置かせてくれ」

ハルヒ「寝てんの?」

キョン「あー 眠り病だ」

あん時とほんと話す内容ってのは酷似している
そうでなきゃ困るがね

580 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 20:54:02.84 ID:Wx1/CVWd0



――――――――
キョン「さて、なにをすればいい?」

ハルヒ「私の指示通りに動けばそれで結構」

キョン「……」

お前の態度が気に食わない

ハルヒ「はい、これ持って」

キョン「ああ」ガシッ

ハルヒ「そのまま100m直進して線を引く」

キョン「……」

ハルヒ「なにやってんのボサッとしない!!」

キョン「あーはいはい」スタッ

ハルヒ「返事は一回!」

キョン「はい」

ここまでこき使われるとは……
でもこれでいいんだ

581 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 21:01:05.39 ID:Wx1/CVWd0

用は訂正すりゃいいんだよ

北高にはパシリがたくさんいる、と

それをしくじっては話にならん

キョン「あ、ずれた」

ハルヒ「はい、引き直し!!」

キョン「……」

だからこうして俺のパシリクオリティーを魅せつける
そうすれば納得するだろ
俺は北高のパシリ代表だ

ハルヒ「そこを右折!」

キョン「はいよ」クルッ

ハルヒ「なに左折してんのよ!! 右左もわからないのっ!?」

キョン「……」

ハルヒ「引き直し!!」

キョン「……」

肉体労働万歳
マゾになるんだ俺 刃向かってはだめだ

582 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 21:07:15.03 ID:Wx1/CVWd0


――――――――
キョン「ふー」

ハルヒ「うん、もうちょっとね」

キョン「疲れた」

ハルヒ「いいわよ、休んで。 後はあたしが仕上げるから」
キョン「おっ、まじか」

ハルヒ「最後はあたしが仕上げたいの」

キョン「……」

想いやりの気持ち0か

ま、休めるしいいか

キョン「よっ、と」

ハルヒ「……」ジー

キョン「……ん?」

ハルヒ「……」ジー

キョン「なんだよ」

ハルヒ「別に」ガラガラ

584 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 21:13:37.40 ID:Wx1/CVWd0

キョン「……」

ハルヒ「……」ガラガラ

キョン「成功か」

あの目は俺のパシリ度に関心している目だった
俺の頑張りが評価されたってことはこの任務の
成功につながるはずだ

キョン「ふ、ちょろいな」

ハルヒ「……」ジー

キョン「……」

ハルヒ「……」ジー

キョン「……」

キョン「キツイのなら手伝ってやろうか?」

ハルヒ「……」

ハルヒ「べ、べつにきつくないから」ガラガラ

キョン「……」

俺は相当好評だな
SOS団のパシリは鍛えぬかれてるから当たり前か

585 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 21:19:18.60 ID:Wx1/CVWd0


――――――――
キョン「お、できたみたいだな」

ハルヒ「……」

キョン「お疲れさん」
ハルヒ「……」

キョン「……」

ハルヒ「……」

キョン「なんだよ、どうした」

ハルヒ「……」
おいおい冗談はよしてくれ
会話が続かないことには……
作戦通りにいかないじゃないか

キョン「……」

ここはなんとしても……

ハルヒ「あんたさぁ……」

キョン「ん?」

お、ハルヒから話かけてきた……

586 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 21:24:40.18 ID:Wx1/CVWd0

ハルヒ「なんであんな事言ったの?」

キョン「なにを」

ハルヒ「私が手伝えって言ったらあんた」

ハルヒ「わかってる、っていったじゃない」

キョン「……」

ハルヒ「どういうこと?」

キョン「……」

あちゃー
やっちまった

キョン「……」

ハルヒ「答えなさいよ、なにか企んでるんじゃない?」

キョン「いや…… そんなことはない」

ハルヒ「じゃあなんで」

キョン「……」

なんて言えばいい
なんて言ったらいいんだ
考えろッ! 俺、考えろッ!

590 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 21:33:17.22 ID:Wx1/CVWd0

ハルヒ「それにあんた、この学校に用あるんでしょ?」

キョン「ま、まぁな」
ハルヒ「なにしに来たのっ?」

キョン「……」
ハルヒ「怪しいわね〜あんた」

キョン「…い、いや……決して怪しいものでもなんでも……」

くあ〜 どうする……
このハルヒも強敵だった……
痛いとこを突くのがうまい……

ハルヒ「いいなさいよ〜!」グイグイ

キョン「……っく」

ハルヒ「なにやってんのよ、ほら早く!」

キョン「……」

あーしょうがない
これだけは言いたくなかったがもはやこれしかない

キョン「いや〜ほら」

キョン「あまりにも貴方が輝いていたもんで」

ハルヒ「は? なによそれ」

591 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 21:41:51.00 ID:Wx1/CVWd0

キョン「ほら、あれだよ」

ハルヒ「なにもう、男のくせにグジグシしてんの!」

ハルヒ「はっきり言いなさいよ!!」
キョン「……」

はっきり言え、と?
益々うざい野郎だな

キョン「……」
言うしかないな

ハルヒ「もうムカつくわね〜! はやく言いな――――」

キョン「君がとてもかわいいからだよ」

ハルヒ「……」
キョン「もう君を見たとき思ったね、これは話しかけるしかないって」

ハルヒ「……」

キョン「ってことです、すいませんでした」

ハルヒ「……」

吉とでるか凶とでるか
言うまでもなく凶だよ、ったく……
まさかハルヒにこんな肩持ちをするとは思わなかったな

592 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 21:49:03.27 ID:Wx1/CVWd0

キョン「……」

ハルヒ「……」

ハルヒ「やっぱり変態じゃない」

キョン「んー…… まあそうだな、変態の部類だ」

ハルヒ「気持ちワルっ……」

キョン「……」

いま俺の中でプライドが倒壊した
こんな奴に告白的なこととさっきの捨て台詞

ハルヒ「あんた自分のキモさ意識してんの!?」

キョン「あーだから今すごく不愉快だ」

ハルヒ「初対面なのにこんなこと言う奴ってサイッテー!」

キョン「ああ、その通りだ」

ハルヒ「そもそもあんたね〜……」

――――――――

あーどれくらい説教を受け続けただろうか
実質30分がすごく長く感じた

593 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 22:06:17.30 ID:Wx1/CVWd0



――――――――
ハルヒ「もうっ」

キョン「まことに申し訳ありませんでした」

ハルヒ「もういいわ、それよりあんたの名前教えなさいよ」

キョン「俺か? 俺はサンダー・ライガーだが?」

ハルヒ「真剣に答えなさいよ!」

キョン「すまんすまん、ジョン・スミスだ」

ハルヒ「私をバカにしてんの!?」

キョン「い、いや」

ん? なにか違和感が
なんでこんなに追求されてるんだ?
前は軽く流され、それで済んだのに
もしかして またもや またしてもこれは
ピンチ……?

こいつに俺の正体を明かしてしまってはまずい

594 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 22:11:27.67 ID:Wx1/CVWd0


ハルヒ「ほら!」

キョン「ケネディ……」

ハルヒ「ほぅ、そこまでして私を怒らせたいのね……」

キョン「……」

あーもう 厄介な奴だな

キョン「じ、じゃあハルヒ! お前はなぜ俺の名を知りたがる!」

ハルヒ「へ?」

キョン「へ? じゃない! 人を責める道ばかり覚えては…」

ハルヒ「いま私の名前……」

キョン「……」

キョン「……」

ハルヒ「……呼んだわね?」

キョン「……」

キョン「……」

595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 22:16:30.53 ID:Wx1/CVWd0

キョン「……」

ハルヒ「……」

ハルヒ「やっぱりおかしいと思ったのよ」

ハルヒ「あんたなんかあるわね……」

キョン「……」

もうこれ終わったんじゃないか?
死亡フラグがビンビンすぎて

ハルヒ「……」

ハルヒ「あんたはズバリ未来人……」

キョン「……」


そう来たか
ストーカーの疑いをかけられると思っていたが

こりゃ厄介なことに

もっかいリセットせざるを得ないな

はぁ

596 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 22:22:55.55 ID:Wx1/CVWd0

ハルヒ「あんたの制服、それ北高ね」

キョン「……」

ま、いいか どうせまたリセットすりゃいいし

キョン「そうだが?」

ハルヒ「あんた未来人ね」

キョン「……」

キョン「ああ、その通りだ」

ハルヒ「……」

ハルヒ「……」ニマァ

ハルヒ「あんたは今日からあたしの部下よっ!」

キョン「はいはい」

ハルヒ「あはっ、決まりっ! やっぱり居たんだわ!」

キョン「……」

なにうれしそうな顔してんだい
俺は一般学生だよ

599 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 22:27:54.72 ID:Wx1/CVWd0



ハルヒ「名前教えなさい! 連絡先も!」

キョン「キョンだ」

ハルヒ「キョンね!」

キョン(キョンには納得かよ)

ハルヒ「じゃ、私用事あるから!」

キョン「じゃあな」

ハルヒ「北高で会いましょ、未来人さん♪」

キョン「……」

あんな顔するんだな、ハルヒも
すげぇうれしそうだった

キョン「……」

キョン「さて、もっかい地上絵を書きにいくか……」

キョン「朝比奈さんには悪いけどもう一度つき合ってもらうか」

――――――――

600 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 22:36:13.85 ID:Wx1/CVWd0

多少キョンの日本語に違和感が出てきてるが
気にしないで

――――――――
キョン「朝比奈さん」ユサユサ

朝比奈「……むぅ」

朝比奈「ふぇ、ここは……ここはどこですか」
朝比奈「あれ、あれっ! ここどこですかぁ」アタフタ

キョン「終わりました」

キョン「が、諸事情によりもう一度です」

朝比奈「ま、またですか……」
キョン「もうホントにすいません……」

朝比奈「わかりました……」ガサガサ

朝比奈「あれっ? ない?」

キョン「……」

確か朝比奈さんは前回も落としたな
そりゃ繰り返しなわけだからあたりまえか

キョン「……」

いや待て…… ちょっと待ってくれ

603 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 22:45:18.56 ID:Wx1/CVWd0

朝比奈「あ、ありません」

キョン「……」

朝比奈「また落としちゃった……」エヘヘ

キョン「……」

キョン「エ、エヘヘって朝比奈さん!? やばいですって!」

朝比奈「そ、そんなに言われても」

キョン「探しましょう!! ほんとにやばいです! ここままじゃ!」

朝比奈「……?」

キョン「三年後のすべてが変わってしまいます!! 探しましょう!! はやくっ!」グイッ

朝比奈「あわわ…… なにをしたんですか?」

キョン「もう、バカ野郎です、俺は! 急ぎましょうッッ!」

ああああやばいッッ!
俺の[ピーーー]野郎がああああ!!

610 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/15(月) 22:59:34.49 ID:Wx1/CVWd0



キョン「はぁ… はぁ…」

朝比奈「落とすはずないのになぁ……」

キョン「じゃあなんで落とすんすか!」

朝比奈「……ごめんなさい」

朝比奈「…… なんでそんなに慌てているんでしょうか」

キョン「なんでって… そりゃ慌てますよ!」

朝比奈「でも長門さんに頼めば……」

キョン「あ」

キョン「そうか…… 長門なら可能かもしれない」

朝比奈「そうですよ」

キョン「でもあの時の長門は……」

バーコードみたいなのを読みとって
状況をダウンロードしたんだろ?
なんも持ってないぞ、今回

611 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 23:05:35.57 ID:Wx1/CVWd0



キョン「……」

朝比奈「とにかく聞いてみましょう、長門さんに」

キョン「……」

朝比奈「聞いてみるだけでも……」

キョン「そうですね」

キョン「行きましょう、おそらく長門なら」

朝比奈「はい」

頼むぞ、長門
おまえがなんとかしてくれること期待するしかない

613 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 23:08:50.88 ID:Wx1/CVWd0



――――――――
長門「……」

キョン「……涼宮ハルヒの知り合いだ」

長門「……」ブッ

ウィーン

キョン「よし、開きました」

朝比奈「なんだかドキドキする……」

614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 23:16:19.26 ID:Wx1/CVWd0



――――――――
キョン「……」

朝比奈「……」ドキドキ

長門「……」ガチ…ャ

長門「……」

キョン「……」

キョン「お……長門」

長門「入って……」クルッ

キョン「……」

眼鏡verの長門……
やばい、眼鏡属性になりそうだ

615 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 23:21:28.60 ID:Wx1/CVWd0



キョン「……」

長門「……」

キョン「あの……」

長門「……」

キョン「……」

なにから説明していいかわからん
俺自身、テンパってしまってる

キョン「あの……さ…」

長門「……」

キョン「……」

ちくしょー なに緊張してんだよ、俺っ

長門「……」

617 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 23:30:58.96 ID:Wx1/CVWd0



――――――――
俺は長門に下手なりに説明した
長門が相づちもうたないから心が折れかけた

長門「……」

キョン「で、俺達を三年後に戻してほしいんだ」

長門「それは無理」

キョン「えっ」

長門「あなたの言葉に信用性がない」

キョン「……」

長門「三年後の私がなにか証拠となるものをあなたに渡しているのなら見せて」

キョン「……」

なにもねーよ
どうする 諦めるか?

長門「……」

キョン「……」

619 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 23:36:05.87 ID:Wx1/CVWd0

キョン「……」

これを試してみるか?
でも今の長門にそれが伝わるか
心がないに等しいからな

長門「ないのなら出て」

キョン「……」

朝比奈「……ぁわわ」

キョン「……」

……っ
よし―――ッ!!

キョン「長門! 俺の目を見てくれ!」

長門「……」

キョン「…俺の目に嘘が見えるか?」

長門「……」

キョン「……」

長門「……」

キョン「……」

620 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 23:42:57.90 ID:Wx1/CVWd0

長門「……」

キョン「……」
表情ひとつ変えないな
やっぱ無理か

”この長門”には伝わらなかった……

キョン「……」

キョン「すまん…… 出るよ」

朝比奈「えぇっ…」

長門「……」

キョン「邪魔して悪かったな」スクッ

長門「……」

長門「待って」
キョン「……」ピタッ

長門「……」

長門「あなたの目から嘘は該当なし、信じる」

キョン「……」

キョン「………」

622 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 23:49:33.73 ID:Wx1/CVWd0

キョン「……」

長門…… お前…

長門「でもあなたの言葉だけで完全に信じることは無理」

長門「これ」

キョン「…ん、携帯?」

長門「今からあなたの言葉が本当か嘘か確かめる」

キョン「……」

長門「この番号にかけて」

キョン「…うわ、なんだこの数字の桁は」

朝比奈「うわぁ……すごいです」

長門「かけて」

長門「つながったらあなたの言葉は真実」

キョン「……」

キョン「……」ピポパ

623 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 23:54:07.34 ID:Wx1/CVWd0

キョン「……」

従うしかねぇよ
長門は信じてくれたんだ

キョン「……」

トゥルルルルル

キョン「……」

長門「……」

キョン「つながれ……」

トゥルルルルル

キョン「……」

長門「……」

キョン「……頼む」

頼むからつながってくれ

頼む――――――――ッ!!

キョン「……」

トゥルルルルル……

625 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 23:59:17.85 ID:Wx1/CVWd0

トゥルルルルル

ガチャ…

「はい……」

キョン「……!」

長門「……」

キョン「おい、つながったぞ!!」

「あの〜 なんでしょうか?」

キョン「嘘じゃない! そうだろ?」

長門「……」コクッ

キョン「あ、電話無視してた。 もしもし?」

「イタズラ電話か……」

ガチャ

キョン「あら、きれた……」

長門「あなたのことを信じる」

キョン「だろ? 俺はお前に嘘つかねぇよ」

627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/16(火) 00:07:02.93 ID:nHlV013T0

長門「信じる、隣の部屋に行って」

キョン「……あ」

キョン「待ってくれ、長門」

キョン「今日の7時頃に戻してくれないか?」

長門「なぜ?」

キョン「このままじゃ三年後が激変する」

長門「……」

キョン「やらかしちまったんだ、俺」

長門「……」

長門「私がなんとかする、だからはやく」

キョン「…お、おぉ じゃあ頼んだ…」

カッケェ……
長門って頼もしい存在だな

ガラッ

長門「寝て、時空凍結の作業に入る」

キョン「わかった」

628 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/16(火) 00:15:53.06 ID:nHlV013T0



――――――――

俺らが寝た後なんともすばらしいことに
長門は三年後の自分の記憶を同期し事を進めたという
それで長門はまた三年間過ごしたのだ
だから俺の本来の目的、「訂正」をあいつはいい具合片づけてくれた
三年間も一人で…… まぁ隣には俺と朝比奈さんが居たけど
長門には感謝しきれない

そしてあの日の朝――――――――

長門「起きて」

キョン「ん……」

朝比奈「……」ガバッ


戻ってこれた――――――――

629 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/16(火) 00:26:02.27 ID:nHlV013T0



――――――――
あの日の朝だ

あの日のまんまってわけじゃないが……

キョン「行くか」

三人で登校した
長門はずっと本を読んでいたが……
なにもかもこいつのおかげだ


ただ後味の悪い話は聞かされた
あの発言が生まれた日のすべての生き物、物質は取り残されたそうだ
だから俺と朝比奈さんと長門はあの日とは違う世界にいる
では取り残された人間はどうなるか……
それはどうにもならないらしい
そのまま一年後は破滅するかもしれないらしい

キョン「まぁ いいか… あっちの人間はこっちの世界にもいるし」

でも後味が悪い

630 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/16(火) 00:32:56.72 ID:nHlV013T0



――――――――
ガラララッ!

キョン「さぁて部活だ!」

ハルヒ「大至急って言ったでしょ!」

キョン「ん? おぉ、ハルヒ! すまんすまん」

ハルヒ「な、なにそのテンション」

キョン「ふつうだが? いつもの俺じゃないか! はははっ」

ハルヒ「…ち、ちょっと来ないで、怖い」

キョン「なにが怖いって? さぁ雑用がんばるぞっ」

ハルヒ「……」

ハルヒ「なにこのキョン… 気持ちワル…」

無理矢理引き上げたテンションだよバカ
じゃないとまたお前アレになるだろ?

もうごめんだ、忙しいのは


――――――――

632 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/16(火) 00:37:59.31 ID:nHlV013T0


――――――――

午後5時40分

キョン「やっとできたよ」

ハルヒ「だめ、線がズレてる。 やり直し〜」

キョン「……」

ほんっとこいつは変わってねーな
俺は長門で精一杯なのに

ハルヒ「なんか言った?」

キョン「いえ、なにも」

キョン「はぁ〜」

運命なのか?
これは運命なのか?

こんな運命糞くらえだ

プルルルルル

ハルヒ「キョン〜 電話〜」

キョン「お前がでろよ」

633 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/16(火) 00:45:59.21 ID:nHlV013T0

ハルヒ「なによそれ」

キョン「お前が出ろ」
ハルヒ「なに?やんの?」

キョン「いえ、僕がでます」

また不機嫌にでもなったりしたら…… うぅ鳥肌が

キョン「はい」ガチャ

「…お、おい! つながったぞ!」

キョン「あの〜… なんでしょうか」

「嘘じゃない! そうだろ?」

キョン(なんだこれ……)

「あ、電話無視してた。 もしもし?」

キョン「イタズラ電話か」ガチャ

ハルヒ「イタズラ電話? ほーいい度胸ね、SOS団に喧嘩を…」

キョン「…んなわけねーよ、さて作業作業」

長門「……」

長門「……」クスッ

635 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/16(火) 00:54:34.97 ID:nHlV013T0

私は彼の目から信号を掴んだ
その信号を数字化すると

「6092473258965145」

そう、これが証拠の手がかりなのだ
これにかけることにより彼の真実見極めようとした

結果、つながった
未来へつながった

よって彼の未来の話は本当だった

長門「……」

彼は気づいていない
彼にとって昨日の話なのに……
私にとっては三年前の話。
ではなぜ、そのことを私は覚えていたのか

長門「……」

長門「……」

私は読書以外に楽しむことを覚えたのかもしれない

636 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/16(火) 00:58:49.43 ID:nHlV013T0



――――――――
解決した矢先に今度はあの問題がのしかかる




長門が三年間研究したにも関わらずあの問題は解決できなかったそうだ

それはなにか?







宇宙空間消滅まで後、3日

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637 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/16(火) 00:59:50.19 ID:nHlV013T0

寝ますね、おやすみ
落としてもらっても構わん

639 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/16(火) 01:20:45.05 ID:nHlV013T0

あー忘れてた
本来このSSは>>70で完結してる
そこで止めておくべきだった

だからこのSSの完結は>>70なんだよ
ということでみてくださった皆さん、保守の方
本当にありがとうございました
また会いましょう おやすみ



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