キョン「間違ってたのか?」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 10:30:55.77 ID:qPzHhwQY0

 高校を卒業して俺達はそれぞれの道を歩んでいた
ハルヒはその頭脳を生かして地元の有名な大学に進学して、キャンパスライフというやつを優雅に過ごしているようだ

朝比奈さんは俺達が高校を卒業すると同時に未来へ帰って行ってしまった
それもハルヒの力が無くなってしまったからだろうか
どういう訳か高校卒業と同時にハルヒは力を失ってしまった
古泉の見解では、高校生活で十分に満たされこれ以上望むことが無くなってしまったのだろうということだ
つまりハルヒは俺達と出会えてとんでもない力を失っちまうほど幸せだったってことか
嬉しい限りだな

それの影響というべきか、長門も普通の女の子になっていた
情報統合思念体は全ての人類を監視できる
情報統合思念体は長門が俺達と関わったことにより手に入れることができた感情に自律進化の可能性を見出し、長門を地球に残すことを選んだようだ
そんな長門は超有名大学へ入学していた
宇宙人的能力がなくなったとしてもあいつの頭脳は計り知れんものだったらしい
それと同時にアルバイトもしているようだ
あの容姿だ、さぞかしチヤホヤされているんだろうな・・・・・・
今度朝比奈さんを除くSOS団メンバーで長門のバイト先のファミレスへ飯を食べに行ってみたいもんだ

古泉の野郎は超能力を失くし・・・・・・というか閉鎖空間が一切出現しなくなったのだからおそらく失ったのだろう、今現在地元の大学へ進学している
古泉とは今でも連絡を取り、たまに休日などを一緒に過ごしたりしている
そんな俺はというと、なんでもな〜い普通の小さな会社へ就職した
なんでもないと言っても地元から離れた訳だが

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 10:36:23.16 ID:qPzHhwQY0

高校時代住んでいた場所から車で2時間ほどの場所だ
帰ろうと思えばいつでも帰れる距離なんだがな
いわゆる「1人暮らし」ってやつだ
最初は何が何だかわからなかったが慣れたらどうにかなるもんだ
晩飯はいつも同じ弁当屋で弁当を買って食っている
自炊なんて俺に出来る訳がないだろう
1年で飽きるなどとよく聞くが俺には1カ月しかもたなかった
なんせ食べた後の後片付けがかったるくてしょうがない

まあそんなこんなで俺とハルヒは遠距離恋愛というやつになっちまったわけだ
ん?あぁ、言ってなかったか
俺とハルヒは今付き合っている
もともとそんな気は一切ないつもりだったのだが
高校卒業が近づくにつれて己の気持ちに気がついてしまってな
卒業式の日に告白した
ハルヒは「遅いわよ!!バカキョン!!」なんて怒鳴りながらもOKしてくれた
皆「やっとか」みたいな顔をしていたが俺は見て見ぬふりをしておいた
自分の気持ちに気づかなかったのだから仕方ないだろう

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 10:40:28.99 ID:qPzHhwQY0

そしてそんな卒業式から今や3カ月が経過していた
世間は梅雨に入ろうとしているが俺の気持ちは明るい
仕事や1人暮らしはかったるいものがあるが
毎晩するハルヒとの電話で俺の精神は保たれていると言っても過言ではないだろう
というか実際それしか楽しみがない
俺はたまに仕事で連休が入った時には地元に帰るようにしているのだが
それ以外は毎日同じことの繰り返しだからな
今日もまたあの弁当屋にでも行くか
あそこの弁当は本当にうまい
野菜もたっぷりでそればかり食べていても健康な体を維持できるんじゃないかと思えるほどだ

などと考えながら俺はダラダラと服を着替えた
ここ最近ほとんど同じ服しか着ていない
誰に見られる訳でもないからついつい気が緩んじまう
今度ハルヒと遊ぶ時にはちょっと気合いを入れてみるか
「なにあんた気合い入れてるの?似合わないわよ?」
などと言われそうだが・・・・・・
キィー!
このマンションの扉は鉄でできているせいか扉を開けるときの音がよく響く

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/28(木) 10:45:37.91 ID:qPzHhwQY0

「来たわよ!」
なんだなんだお熱いねぇ
どこの部屋だ?ん?女を連れ込むなどけしからん
俺がその女を見て査定してやろ・・・・・・う・・・・・・?
え・・・・・・?
ハ、ハルヒ!!?
何してんだお前!!
いきなりの衝撃にありったけ驚きの表情を見せた俺に
満面の笑みを浮かべ、ハルヒが見つめ返す

ハルヒ「何してるとは失礼ね」

いや、お前連絡もなしに急になんd

ハルヒ「大学生を甘く見ちゃダメよ!!明日の授業が休みになったから来たのよ」

今日は木曜日・・・・・・ってことは金土日休みになったのか?

ハルヒ「そうよ」

ハルヒ「少しあんたを驚かしてやろうと思ったのよ!」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 10:50:53.96 ID:qPzHhwQY0

そういうとハルヒはズカズカと部屋にあがりこんできた

驚かすっておい・・・・・・急すぎるぞ

というかお前どうやってここの場所を知ったんだ!?
部屋番号までは言っていないはずだが

ハルヒ「古泉くんに聞いたのよ」

あの野郎・・・・・・

ハルヒ「へぇ〜、結構いい部屋住んでるじゃない」

ハルヒ「どれどれ」

ちょ!何やってんだよお前!!

ハルヒ「何って、浮気チェックに決まってるじゃないの!!」

浮気チェックぅ!?

ハルヒ「あんたみたいな男はちょっと誘惑されたらすぐにほいほいとついて行きそうだからね!!」

おいおい勘弁してくれ
俺の仕事場はおっさんだらけだぞ
出会いなど欠片もないし求めてもいない

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 10:56:08.97 ID:qPzHhwQY0

ハルヒ「ん〜・・・・・・ちょ、ちょっとキョン!?これはなんなの!!」

おわっ!やめろ!!
ハルヒの手に握られているそれは男なら持っていて当然のDVDだ

ハルヒ「へぇ〜、あんたもこういうの見るのね」

そういうとハルヒはそれをプレーヤーにセットした
間一髪のところでそれを俺が防ぐ
頼むから勘弁してくれハルヒ!!

ハルヒ「仕方ないわね・・・・・・あんたがどんなのに興味あるのか知るいい機会だったのに」

なんて勝手な女だ・・・・・・
アポ無しで急に人の家にあがりこんで部屋をあさった挙句、見られてはいけないものまで発見しそれを観賞しようとするなんて・・・・・・
まあハルヒのそんな性格はとうに理解している訳なんだが
苦労のかかるやつだ・・・・・・
だが、過程はどうあれ俺はハルヒが家に来たという事実を喜ばしく思っていた
なんせハルヒがここの家に訪れるのは初めてだからな
高校卒業と同時に付き合い、遠距離恋愛となった俺達は恋人らしいことなんて何一つしていなかった
強いていうなら先ほども言った毎晩の電話くらいだろうか
でもここでいう恋人らしいこととはそういうことではなく
キスをしたりだとか、そういうことだ

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 11:01:36.86 ID:qPzHhwQY0

たまに地元に帰る時に何度もチャレンジするのだがどうも成功しない
ここだ!というところでハルヒに振り回されて気がついたら帰る時間になっちまう

まあ今はそんなことよりこの現実にどう対処するかだな
頼むからハルヒ、そろそろその浮気チェックなどというものはやめてくれないか?
これじゃ、せっかく片付いていた部屋が台無しだ

ハルヒ「分かったわよ」

そういうとハルヒはしぶしぶ、という感じでベッドに腰かけた

ハルヒ「ま、見たところ浮気はしていなさそうね!!
でもまだボロをだすかも知れないからここ数日様子を見るわ!!」

おいおいなんだってそんなに俺を疑うんだ?
浮気など断じてしていない
俺を信じられないのか?

ハルヒ「冗談に決まってるじゃない!
あんたが浮気なんてできるほど度胸のある男には見えないわよ」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 11:05:42.68 ID:qPzHhwQY0

それもそれでなんだか・・・・・まぁいいか
助かった
ここは俺の度胸のなさに感謝しておくとするか
事実俺はそんな度胸、持ち合わせていないしな
というかハルヒという存在をさしおいて浮気をするなど絶対にあり得ない
って、俺なんか気持ち悪いこと言ったな
取り消してくれ

なあハルヒ、晩飯どうする?既に食ったか?

ハルヒ「あたしはここに来る途中適当な場所で食べたわ!キョンはどうするの?」

あー・・・・・・それなら俺ちょっと買ってくるから待っててくれ
部屋を荒らすなよ

ハルヒ「まっかせなさい!!」

そんな笑顔で言われてもだな・・・・・・
お前には前科ってものがある
まあいい、頼むから大人しくしといてくれよ、それじゃ行ってくる

ハルヒ「早く帰ってきなさいよ!!」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 11:08:43.01 ID:qPzHhwQY0

ギィー!
そうして俺は部屋を出た
時刻はもう夜の8時をまわっている
すでに俺のお腹は悲鳴をあげていた
部屋をでる直前にハルヒの顔を見たのだが
ふんふん♪と鼻歌を歌いながらテレビの電源を点けていた
俺はそんなハルヒの姿を見て、幸せを噛みしめた
この休日は楽しくなるに違いない
そんなことを思っていたのだが、まさかあんなことになるとはな・・・・・・

 俺は普段めんどくさく感じる弁当屋までの道のりをこれまでにないほど軽快に歩いていた
今ならなんだってできそうだ
帰ったら何をしよう
この間買った新しいゲームでもするか
ハルヒのやつにボコボコにされなければいいのだが・・・・・・
そうこうしているうちに弁当屋へと到着した
俺は気分がよかったのでからあげ弁当の大盛りを頼んだ
いつもは大盛りにするだけで250円も値が上がるなんてぼったくりだろうと思っていたのだが今日は違う
そして弁当を受け取り、意気揚々とマンションへと歩き出していた
すると俺の携帯がなった
お、ハルヒか
俺は毎晩恒例のハルヒとの電話かと思い、携帯を手に取った
いや、ちょっと待て
そういえばハルヒは今俺の部屋にいるんだったな
それなら誰だ?

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 11:11:38.27 ID:qPzHhwQY0

「着信アリ:涼宮ハルヒ」

なんだ、やっぱりハルヒか
俺の部屋のものでも壊しちまったのか?

ピッ
もしもし
どうした?ハルヒ、なんか壊したのか?

ハルヒ「はぁ?あんた何言ってんの!?」

え?
ならなんの用だ?
どうかしたのか?

ハルヒ「なんの用だって何よ!毎晩電話してるでしょうが!!」

いやいや、今日はその必要がないだろう?
お前今俺の家に居るじゃないか
話しなら帰ってからいくらでm

ハルヒ「は?あんた頭でも打ったんじゃない?あたしがキョンの家に?
    あ、もしかして浮気してるんじゃないでしょうね!!
    なんだか最近怪しいと思ってたのよ!!」

ちょっと待て?
え?どういうことだ?
ハルヒが俺の家にいない?
待て待て意味がわからんぞ
お前勝手に出かけたのか?

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 11:14:36.96 ID:qPzHhwQY0

ハルヒ「だからあんたの家なんて行ってないわよ!!
    明日だって授業があるし、今あたしは自分の部屋にいるわよ!?
    あんた本当に大丈夫??どっかそのへんのおばあさんに貰ったきのこでも食べたんじゃないの?」

断じて食べていない
というかそんなものを食べるほど俺もバカではない
なんだってんだ
さっぱり訳が分からない
ハルヒは俺の家に来たじゃないか
俺をからかってるのか?
ドッキリってやつか?
そうだ、そうに違いない
この際なんのドッキリかもわからないドッキリに罪をなすりつけた方が気が楽だ
とにかく今は早く家に帰らなければならないな・・・・・・

すまん、ハルヒ!
またかけ直す

ハルヒ「え!?ちょ、ちょっとキョン!?あんたまさか本当に浮気s」

プツ、プー、プー・・・・・・

俺は携帯を切り走っていた
最後にハルヒが何か叫んでいたが何と言っていたのだろう
焦っていたせいかすぐに切っちまった
「ちょっと待ちなさいキョン!ドッキリよ!!」
なんて言葉だったらいいんだがな

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 11:18:09.74 ID:qPzHhwQY0

マンションへと走りながら俺はやっておかなければならないことがあることに気づいた
そして携帯を取り出す
ピッ

「もしもし涼宮です」

あ、あの〜お母さんですか?

「あらキョンくんじゃない!どうしたの?」

あ、その突然すいません
ハルヒは今家に居ますか?

「ええ、いるわよ、どうしたの?電話代わりましょうか?」

あ、いえ!いいんです、それだけ確認したかったんで
そういうと涼宮母はふふっと意地悪そうに笑った

「あんまり疑うと嫌われちゃうわよっ」

俺には何を言っているのかわからなかったがどうにか受け答えし、電話を切った

これでハルヒが二人存在することが確定した訳だ・・・・・・
さすがにハルヒの母親までグルになっていることはありえないだろう

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 11:21:20.78 ID:qPzHhwQY0

そんなことを考えながら走っていると俺はマンションに到着した
それと同時にやはり俺の考えは間違っていなかったことが証明された
部屋の扉を開けるや否やハルヒが
「遅いわよ!!いつまで待たせるつもり!?」
なんて言ってきたのだからな
俺はますます混乱した
なあハルヒ?
お前さっき俺に電話かけたか?

ハルヒ「え?かけてないわよ?なんで?」

本当か?
嘘はついていないよな?

ハルヒ「な、何よ!あたしがあんたに嘘をつくわけない・・・・・・ってちょっと!!」

ハルヒ「あんた人の携帯勝手にみないでよ!!」

俺はベッドに置いてあったハルヒの携帯を手に取り発信履歴を調べた
しかしそこには昨日俺と電話した時間の記録しか残っていなかった
どういうことなのだろう
さっきかかってきた電話はまぎれもなくハルヒの声だった
しかも携帯電話もハルヒのものだったし、ここにある携帯も間違いない、ハルヒの携帯だ

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 11:24:33.53 ID:qPzHhwQY0

ハルヒ「あ!、あんたまさかさっきの仕返しって訳じゃないでしょうねぇ?」

ハルヒ「あたしが浮気してるんじゃないかって不安になったんでしょ?」

ハルヒ「だったら心配しなくてもいいわ!あたしは基本的に男には興味がないから!!」

そういう訳ではないんだが、この場を切り抜けるのには最適な言い訳だろう
そういうことにしておく
「ああ、すまんなハルヒ、弁当屋に行く途中にそんなことを考えていたら不安になっちまったんだ」

ハルヒ「全くあんたって・・・・・・まあ今回はいいわ、許してあげる!!」

ハルヒ「これもあんたの気持ちとして受け取っておくわ!!」

それはありがたいね
・・・・・・なんてことを言いながら、正直俺は気が気でなかった
ハルヒが二人存在している
こいつは力を失っちまったはずだ
どうなっていやがる
人間が二人存在するなどと言うことは現実世界でありえない
二人のハルヒのどちらかが偽物ということになる
一体どっちなんだ?
ちくしょう・・・・・・分からない
もう一人のハルヒに至っては声しか聞いていないから判断要素が少ない
しかしこんなことで電話をかけてきたハルヒが偽物なんて決めつけるのは早すぎる
そして俺の目の前で今機嫌よさそうにテレビを見ているハルヒ・・・・・・
こいつは到底偽物には見えない・・・・・・
なんだってんだ
どうしたらいいんだ?

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 11:27:34.51 ID:qPzHhwQY0

ハルヒ「ところでキョン、電話がかかってきたんでしょ?でたの?」

ああ、でたよ
そう言った瞬間俺はしまったと思った

ハルヒ「へぇ〜、で誰だったのその相手は」

やはりそうくるか・・・・・・
い、いや〜、そのなんだ
仕事場の人というか

ハルヒ「あたしと間違えるってことは、女なの?」

いや、ま、まぁ・・・・・・

ハルヒ「ふ〜ん・・・・・・」

いや、そういうもんではないんだ、決して

ハルヒ「わかってるわよ、ま、キョンのことだし仕事の連絡かなんかでしょ」

ハルヒ「仕事しっかりがんばりなさいよね!!」

ああ、もちろんだ

よかった・・・・・・
まさかもう一人のお前から電話がかかってきたなんて言えるはずもない

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 11:30:23.32 ID:qPzHhwQY0

そんなことを考えているとまた俺の携帯が鳴った
まずい、またここでハルヒから電話がかかってくるとめんどくさいことになっちまう
いや、待てよ、逆にどちらかのハルヒが何か反応を見せてくれるかもしれない
そうして俺は携帯を開いた

「着信アリ:古泉一樹」

なんだ、古泉か・・・・・・
しかしめずらしいな、古泉がこんな時間に電話をかけてくるなんて

もしもし、どうした?

古泉「今、涼宮さんと一緒ですか?」

ああ、そうだがどうして知っている

古泉「やはりそうでしたか、とにかく1人になってください、涼宮さんに会話を聞かれないように」

あ、ああ、分かった
ちょっと待っていてくれ

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 11:33:28.33 ID:qPzHhwQY0

おい、ハルヒ

ハルヒ「何?どうしたの?」

電話がかかってきたから少しでてくる

ハルヒ「何よ、ここじゃダメなわけ?怪しいわね」

ハルヒはさっきの「仕事場の女の人」という名のもう一人のハルヒからの電話だと思い込んでいるらしい
その時電話の中から声が聞こえた

古泉「僕からの電話だ、ということは言ってもかまいませんよ」

それならなんとかなりそうだ

古泉からだよ

ハルヒ「本当でしょうね!?ちょっとかわりなさい!!」

そういうとハルヒは俺の手から携帯をひったくった

ハルヒ「あんたキョンとどういう関係なの!!」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/28(木) 11:36:07.12 ID:qPzHhwQY0

誰も見てないと思うけど飯食ってきます

古泉「そうですね、強いて言うなら親友でしょうか。SOS団の仲間ですね」

ハルヒ「あら、なんだ本当に古泉くんだったのね、申し訳ないことをしたわ」

古泉「いえいえ、彼が羨ましいですよ」

ハルヒ「な!ま、まぁいいわ!キョンにかわるわね!!」

何赤くなってんだハルヒは
もしもし?

古泉「涼宮さんに大切にされて羨ましいですね、僕が代わりたいくらいですよ」

殴るぞ

古泉「ま、今はそんなことより早く外に出てください」

ああ、分かった

キィー!
でたぞ

古泉「できればどこか散歩しながらお願いできますか?」

そんなに外に行く必要があるのか
わかった待っていてくれ
そうして俺はマンションの外へでた

25 名前:カップラーメンうめぇ[] 投稿日:2010/01/28(木) 11:47:55.65 ID:qPzHhwQY0

もしもし

古泉「もう大丈夫ですか?」

ああ

古泉「では、本題に入りますね」

頼む

古泉「率直に言いましょう。涼宮さんに力が戻りました」

なんだと?
な、何故だ!?

古泉「閉鎖空間が発生しました」

何!?閉鎖空間だと!?

古泉「はい、どうやら彼女は力を失った訳ではなく、無意識的に隠していたようです」

隠していた?

26 名前:カップラーメンうめぇ[] 投稿日:2010/01/28(木) 11:50:49.28 ID:qPzHhwQY0

古泉「誰にもばれないように封印していたのですよ」

なんでそんなことを?

古泉「さあ・・・・・・監視がいなくなるように、でしょうか」

監視?それって・・・・・・

古泉「はい、機関のことです。涼宮さんは非常に頭のいい女性です。何かの拍子に監視に気がついたのかもしれませんね」

古泉「あなたと付き合うことになった涼宮さんはそれを激しく嫌がったのでしょう」

それの影響で自らの力を封印し、失ったように見せかけ監視を失くしたってことか?

古泉「僕の推測ですけどね」

なんてことだ・・・・・・
無意識的とはいえさすがはハルヒだな
実に賢い
ところでなんで突然閉鎖空間が発生したんだ?

27 名前:名前欄消すの忘れてた恥ずかしい[] 投稿日:2010/01/28(木) 11:55:16.93 ID:qPzHhwQY0

古泉「今回の閉鎖空間は涼宮さんの中にある不安により発生しています」

古泉「何か思い当たる節はないのか、と思い電話をしたのですが」

不安・・・・・・?
俺が浮気しているとかなんとか、というやつか?

古泉「しているのですか?」

んな訳ないだろう!!

古泉「そうですか安心しました。しかしそれでは何故?」

さあな、なんかあいつは初めから俺が浮気してるんじゃないかと疑っているようだった

古泉「遠距離恋愛をしているものにとって、そのような不安は当然生まれてくるものなので、自然でしょう」

古泉「問題はそれを決定づける何かをあなたはしてしまったのか、ということです」

あ、ちょっと待て古泉!
それよりお前に教えて欲しいことがある

28 名前:名前欄消すの忘れてた恥ずかしい[sage] 投稿日:2010/01/28(木) 11:58:04.98 ID:qPzHhwQY0

古泉「はい、なんでしょう」

ハルヒが二人存在しているのだが、それもハルヒの能力の影響か?

古泉「涼宮さんが二人・・・・・・?」

そこで俺は先ほどあったハルヒからの電話や、今俺の部屋に存在しているハルヒのことを詳しく説明した

古泉「そんなことが・・・・・・そうですね、それも涼宮さんの力の影響によることで間違いないでしょう」

やっぱりか・・・・・・
となると・・・・・・

古泉「何か思い当たる節を見つけましたか?」

もしかすると、ハルヒは自分に対して不安を抱いているのかもしれん

古泉「どういうことでしょう?詳しくお願いします」

俺にはどちらのハルヒが本物のハルヒなのかはわからないが
どちらに対しても、その、なんだ・・・・・・浮気をしているかのような素振りを見せてしまった

29 名前:名前欄消すの忘れてた恥ずかしい[sage] 投稿日:2010/01/28(木) 12:01:05.51 ID:qPzHhwQY0

古泉「その素振りをしてしまった原因がそれぞれ違う涼宮さんであったと?」

そういう訳だ
俺は今涼宮宅にいるハルヒには俺の部屋に人がきているように言ってしまったし
今俺の部屋にいるハルヒはもう一人のハルヒからかかってきた電話を仕事場の女だと思い込んでいる

古泉「それはやっかいですね・・・・・・」

ああ、実にやっかいだ

古泉「それにより抱えていた不安が爆発したと・・・・・・」

古泉「しかしどちらが偽物の・・・・・・いや、涼宮さんが創りだしたもう一人の涼宮ハルヒというべきでしょうか」

さあ、どっちが本体なのかは俺にはさっぱりわからん

古泉「おそらく、涼宮さんはあなたが浮気をしているのかどうかを調べに来たのでしょう」

それは分かっている
俺の部屋に入るや否や浮気チェックなどというものを始めたからな

古泉「あなたも大変ですね」

そういうと古泉は苦笑いをした

30 名前:名前欄消すの忘れてた恥ずかしい[sage] 投稿日:2010/01/28(木) 12:03:52.96 ID:qPzHhwQY0

古泉「家にいる涼宮さんは両親に心配させないため。
ましてや1人娘が彼氏の家に泊まりに行くなどそう簡単に許してはくれないでしょうから、当然家にいる必要がありますね」

古泉「そして浮気を調べにきた涼宮さん」

古泉「普通に考えると遠距離恋愛中です。あなたに会いたいがために本体の涼宮さんが部屋に訪れたと考えるのが妥当でしょう」

ああ

古泉「しかし、もしそこで本当に浮気の証拠を発見してしまったら?」

どういうことだ?

古泉「現実を自分の目で見たくはないがために家に残ったということが考えられる訳です」

つまりハルヒの意識の中で
「キョンの浮気を調べたい、でも親は心配するし真実は目の当たりにしたくない」
というものと
「両親は心配するけどあたしが行って確かめなきゃ」
というもののどちらの意識が大きく存在しているのか、ということか?

古泉「分かりにくく言うとそうですね。とは言っても僕もうまく言葉で表せませんが」

前者だと家にいるのが本体のハルヒで後者だと俺の部屋に居るハルヒが本体って訳か

31 名前:名前欄消すの忘れてた恥ずかしい[] 投稿日:2010/01/28(木) 12:09:10.11 ID:qPzHhwQY0

古泉「あなたが判断するしかないでしょうね」

俺がどっちのハルヒが本体なのか見極めるってことか?

古泉「ええ、そういうことです。今のところあなたはどちらが本体だとお考えですか?」

それを言うのはまだ難しい気がするが、俺はどちらかというと部屋にいるハルヒが本体だと思っている

古泉「何故です?」

あのハルヒのことだ、後先考えず行動するのは得意分野だろう?
急に俺の部屋にやってきたのもうなずける
まあ、実家にいるハルヒは声しか聞いていないから判断しようがないってのもあるんだがな

古泉「なるほど、実は僕も同じ考えです」

そうか

しかし古泉

古泉「なんでしょう?」

どちらが本体か分かった場合俺はどうすればいいんだ?

本体ではないハルヒに消えろとでも言えばいいのか?

古泉「まあ、それに近いことをしなければなりませんね」

おいおいまじかよ・・・・・・

32 名前:さっさと終わらせて部屋の模様替えしたい[] 投稿日:2010/01/28(木) 12:11:56.24 ID:qPzHhwQY0

古泉「あの涼宮さんです、そうでもしないと」

まあ確かにな

古泉「おや、あなたにしては随分とすんなり受け入れますね」

仕方ないだろう
もう一人のハルヒが消えてしまわないとどちらのハルヒも傷つくことになるんだ

古泉「そうですね・・・・・・」

それともう一つ聞きたいことがある

もし俺が本体ではない方のハルヒを選んでしまった場合、どうなるんだ?

偽ハルヒも消えてしまうのか?

古泉「それはどうでしょう・・・・・・存在し続ける可能性もあるかもしれません」

古泉「正直いって、わかりませんね」

そうか・・・・・・

しかし困ったものだな

33 名前:しかし途中投げはプライドが許さない[] 投稿日:2010/01/28(木) 12:14:33.16 ID:qPzHhwQY0

俺にはどちらが本物のハルヒなのか見当もつかん

というか文字通り「二人存在している」んだ

言ってしまえばどちらもハルヒじゃないか

どうやったら本体かそうでないかなんて見分けることができるんだ?

古泉「僕はこれから閉鎖空間の処理で忙しくなると思います。連絡があるときはメッセージを残していただければ手が開いた時にこちらからかけ直します」

ああ、悪いな、古泉

古泉「いえいえ、今回はあなたが謝ることではありませんよ。それより早く帰ってあげてください。涼宮さんが悲しみます」

あ、ああ、そうだな。
分かったよ、じゃあまたな、古泉

古泉「はい、それでは」

そういうと電話が切れた

確かに早く帰らないとまずそうだ・・・・・・
ふと携帯を見ると着信が2件もきていた
1件はハルヒのものなのだが・・・・・・
後の1件は懐かしい名前が表示されていた

34 名前:俺はやるぞ!うおぉぉぉおぉぉ!![] 投稿日:2010/01/28(木) 12:17:48.64 ID:qPzHhwQY0

長門有希

そこで俺は長門に電話をかけてみた
長門はワンコール鳴るか鳴らないかのところで電話に出た

長門「・・・」

長門か?

長門「そう」

長門「涼宮ハルヒに力が戻った。それと同時に私も力を取り戻した」

なんだって?

長門「情報統合思念体の意思」

そうか・・・・・・
長門は普通の女の子じゃなくなっちまったんだな

長門、聞いてくれ

長門「知っている」

さすが長門だ
お前、どっちが本体かわかるか?

長門「どちらも本体」

は?

36 名前:>>35だよね、気づいてるよ、というか今まさに面倒くさくなってやめようとしていたところだよ[sage] 投稿日:2010/01/28(木) 12:20:42.93 ID:qPzHhwQY0

長門「どちらも全く同じ涼宮ハルヒ」

・・・・・・やはりか
それなら、どちらがこの騒動のもととなったハルヒなんだ?

長門「それは私にもわからない」

長門「私の力が戻ったのは涼宮ハルヒが能力を再び手にした後」

長門「その時には既にもうひとつの涼宮ハルヒという個体は存在していた」

そうか・・・・・・
困ったな
長門?

長門「何?」

今俺の家に居るハルヒは俺がどちらかを選ぶまで俺の家にいると思うか?

長門「おそらく、そう」

やっぱりか・・・・・・
ますます困った

42 名前:まじかよ予想外皆ありがとう[sage] 投稿日:2010/01/28(木) 12:33:59.78 ID:qPzHhwQY0

ありがとう


お前はハルヒが能力を封印していることに気づくことはできなかったのか?

長門「封印というより、涼宮ハルヒは実際に完全にその力を失っていたと言った方が正しい」

どういうことだ?

長門「涼宮ハルヒは私に察知されないように無意識的に能力を極限まで抑えていた」

それは封印と言うべきではないのか?

長門「私に察知されないようにするためには、ほぼ無に等しいほど圧縮する必要がある」

どのくらい?

長門「数値化すると0.00000000・・・・・・・」

わ、わかった!
もういい!
しかしハルヒもよくそんなことができたな・・・・・・

長門「これもまた彼女の能力によるもの」

そうか、そうだったな
ハルヒが監視なんていなくなればいいと願ったからか

長門「そう」


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 12:36:20.60 ID:qPzHhwQY0

それを今回俺が目覚めさせちまったわけか・・・・・・
しかしそこまで俺のことを考えてくれているのか
なんだか複雑な気持ちだ

長門、これからどうするんだ?

長門「私はもとの生活に戻る」

大学もアルバイトも辞めちまうのか?

長門「そう」

長門「涼宮ハルヒを監視する」

長門「そのため同じ大学へ行く」

そうなのか・・・・・・

長門「古泉一樹も同様」

なんか大変なことになっているな・・・・・・
まあ高校の時と同じことか
俺の部屋に居るハルヒに監視はつかないのか?

長門「そちらの涼宮ハルヒは常にあなたと行動を共にすることが予想される」

そこまで厳重な監視は必要ないってか・・・・・・

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 12:38:32.19 ID:qPzHhwQY0

もう一つ聞いておきたいことがある

長門「何?」

もう一人のハルヒを創りだしたハルヒと、そのハルヒに創りだされたハルヒを見分ける方法は何かないか?

長門「どちらも全く同じ」

なにか、容姿や考え方ではなくて他のことでもいい
何かないのか

長門「・・・・・・」

長門「創りだされた涼宮ハルヒは記憶に曖昧な部分がある可能性がある」

記憶に曖昧な部分?過去を覚えていないってことか?

長門「そう」

でもそれは本体のハルヒでも覚えていないことくらいあるんじゃないか?

長門「そう」

結局同じってことか・・・・・・

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 12:41:08.45 ID:qPzHhwQY0

長門「一つの可能性としてより大きな記憶で比べてみることを推奨する」

大きな記憶?

長門「心に残る記憶を本体の涼宮ハルヒが失っている可能性は低い」

なるほどな
わかった、ありがとう、試してみるよ

長門「また何かあったら連絡して」

ああ、わかった
いざという時は頼らせてもらうよ
じゃ、またな

そういうと俺は電話を切った
後はハルヒか・・・・・・
この電話をかけてきたハルヒはどちらのハルヒなのだろう
そんな不安を抱きながら俺は折り返し電話をかけた

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 12:44:17.05 ID:qPzHhwQY0

ハルヒ「あんたいつまでほっつき歩いてんのよ!!」

ああ、俺の部屋にいるハルヒか
すまんな、電話が長引いてな
事実相当長い時間古泉と電話をしていたようだ
長門と電話をしながら帰り道を辿っていたのだが
今ようやくマンションの近くへたどり着いた

ハルヒ「今どこなの!?」

すまん、もうマンションの前だ
今から帰る

ハルヒ「本当でしょうねぇ!?待ってるから早く帰ってきなさいよ!!」

ああ、分かった

そして俺はすぐに自分の部屋へ向かった
キィー!

ハルヒ「遅かったわね!!」

す、すまん

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 12:46:55.33 ID:qPzHhwQY0

ハルヒ「もう寝る準備はできてるわよ!!」

時刻を見ると時計の針はすでに23時半を指していた
俺ももうへとへとだ
今日は色んなことがありすぎた
風呂に入って寝るとするか
って、おいちょっと待て、ハルヒ

ハルヒ「何?」

寝る場所が一つしかない訳だが、これはどういう訳だ?

ハルヒ「ど、どういう訳って・・・・・・そういう訳よ」

途端にハルヒの顔が真っ赤になる

かわいいじゃないか
よしわかったハルヒ
今日は俺が一緒に寝てやろう

ハルヒ「ばっ!あんたあんまり調子に乗ってんじゃないわよ!!」

そういうとハルヒは俺を一通り攻撃し、1人でベッドへ潜り込んでしまった

やれやれ
俺も今日の疲れを癒すために風呂に入るかな・・・・・・

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 12:49:53.50 ID:qPzHhwQY0

ハルヒはもう寝てしまったのだろうか
体が上下に大きく動いている
こんなに疲れていたのに俺を待ってくれていたのか
愛おしさが込み上げてくる
俺は唐突にハルヒを抱きしめた

ハルヒ「ちょっと何すんのよ変態!!!!」

あれ?起きてたのか

ハルヒ「そんなにすぐに眠れる訳がないじゃないの!!」

そういうハルヒの顔は真っ赤だ
俺はふふっと笑うと風呂へと向かった
ハルヒは何やらぶつぶつ言っていたが決して嫌な訳ではなさそうだった

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 12:53:15.26 ID:qPzHhwQY0

風呂ってのは不思議なものである
あったか〜いお湯に浸かりながらのほほんと和んでいるといつの間にか色々考えてしまう
普段お湯なんて溜めることはないのだが、今日はハルヒが溜めておいてくれたらしい
俺は本気で感謝した
こんなに湯船につかることが気持ちいいなんてことを忘れていた
俺の心は今俺の部屋に居るのが本体のハルヒであるというほうに大きく動いていた
古泉もそう思うと言っていたしな

 そして風呂から上がった俺はベッドに潜り込んだ
ハルヒは既に寝ているようであった
色々期待していたのだがそこはハルヒ
やはりキス以上のことをするチャンスは俺にはめぐってこないらしい・・・・・・
ベッドに潜り込み、すぐに強烈な睡魔が俺を襲った
なんせ電話をしながら長時間歩いていたんだからな
疲れないはずがないだろう?
そうして俺はすぐに深い眠りへと落ちていった

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 12:55:54.83 ID:qPzHhwQY0

チュン・・・チュンチュン・・・
トントントントントントン・・・・・・ズーッ・・・
「うん、上出来ね!さっすがはあたし!!」
朝俺が目を覚ますとそこにはエプロン姿で朝ご飯を作っているハルヒがいた
普通の男子なら必ず一度は夢見た光景がそこには広がっていた
正直に言おう、とても幸せだ
ハルヒがいるだけでこんなに生活が変わるなんてな

ハルヒ「できたわよ!!」

ああ

おいしそうなご飯がテーブルへと運ばれてくる
テーブルといっても小さなこたつサイズなんだが
今日の朝ご飯はサバの味噌煮、大根とわかめと油揚げの味噌汁にご飯にひじきの煮物だ
俺はそれらの料理を口に運んだ
ハルヒがなにやら俺をじっと見つめている
そんなに見つめられると食べにくいだろう
しかし・・・・・・うまいな
さすがはハルヒの料理だ
俺は正直な感想を口にした

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 12:58:32.61 ID:qPzHhwQY0

ハルヒ「当ったり前じゃない!!あたしが作ったんだから当然よ!!」

そういうハルヒの顔は明らかにホッとしていた
そんな姿を見ていると実に微笑ましくなる
俺は一つハルヒを驚かせてやろうと思った

好きだぞ、ハルヒ

ハルヒ「ぶっ!!」

ハルヒは飲んでいた味噌汁を吹き出し、むせた

ハルヒ「ゴホッゴホ!!な、何言ってんのよ!?どうしたの!?」

どうしたのと聞かれても困る
思ったことを言ってみただけだ

ハルヒ「あんたついに頭がいかれたわね・・・・・・バカなこと言ってないでさっさと食べて出かけるわよ!!」

え?出かける?

ハルヒ「当たり前じゃない、どこかに出かけないとなんにもすることないでしょ!!
    それに来た意味もないし」

ああ、そうか、そうだな
どこに行くんだ?

ハルヒ「そうねぇ・・・・・・水族館がいいわ!!」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 13:01:09.42 ID:qPzHhwQY0

ハルヒはサバの味噌煮を口にしながらそう言った

ハルヒ「決まりね!!水族館に行きましょう!!」

そう言うとサバの味噌煮を一気に口へと運んだ
そしてもの凄いスピードであっという間に残りのご飯をたいらげた

ハルヒ「さっ!行くわよ!!」

ちょっと待てまだ俺は全然食べてn

ハルヒ「あんたが遅いから悪いのよ!!そんなことより早く準備しなさい!!」

まじかよ・・・・・・
そして俺はハルヒの手により半強制的に準備をさせられ、気がついた時には既に家を出ていた
っと、その前にやっておかなきゃならんことがあるな
そういうと俺は携帯を開き、仕事場へ連絡した
こんなことが認められるのかはわからんがしておかなければならない

57 名前:レスありがとう、こんなに嬉しいものだとは思わなかった[] 投稿日:2010/01/28(木) 13:03:58.69 ID:qPzHhwQY0

もしもし

上司「なんだ、君か、どうしたんだ?」

あの・・・・・・今日はお休みしたいのですが

上司「なんだ?風邪でも引いたのか?」

ハルヒ「ちょっと何してんのよキョン!早く行くわよ!!」

まずいっ!うまく風邪という流れに持っていきたかったのだが

すると電話口から上司の笑い声が聞こえた

上司「そういうことかね!今日は楽しんできなさいよ!丁度今日は研修生がやってくるんだ。だから君の仕事はその子たちに任せるとするよ!」

無理をしてくれているのはわかる
本当にいい上司だな
本当にすみません、ありがとうございます

上司「気にするな、普段君はすごく真面目に働いてくれているしな。たまには息抜きも必要だ!しかしたっぷり話は聞かせてもらうぞ」

はい
それくらい仕方ないだろうと思った
そんなことより今はこの太った気のいいおじさんへの感謝の気持ちの方が大きい
そして俺は電話を切り、水族館へと向かった
しかしこうもすんなり仕事を休めるなんてうまくできすぎているな・・・・・・
もしかするとこれもハルヒの力なのか?

59 名前:128秒規制にやられて投下が遅くなった[] 投稿日:2010/01/28(木) 13:09:22.55 ID:qPzHhwQY0

 ハルヒ「ここね!!着いたわよ!!」
水族館に着くと、ハルヒは走るように窓口へ行ってしまった

ハルヒ「大人1枚とバカ1枚!!」

ちょっと待てハルヒ
ほらみろ、受付の人が困った顔をしてるだろうが
しかし受付の女性は俺の顔を見るとすんなり大人用の入場券を2枚差し出した
おいおいと突っ込みたいところだが俺を「大人」として判断してくれたのだろうと捉えることにした
そうじゃなかったとしたら泣きたい気持ちになる

ハルヒ「やっぱりあんたは誰から見てもバカなのね」

そういうとハルヒは楽しそうに笑った
俺が現在進行形で気にしていることをズバリと言ってきやがる・・・・・・
へいへいもういいよ俺はバカだ

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 13:12:17.26 ID:qPzHhwQY0

初っ端からそんな感じではあったが水族館は中々楽しいものであった
ここの水族館は有名なところらしく、金曜日の昼だというのに結構な人がいた
そして俺達はこの水族館の目玉であるイルカショーを見に行っていた
しかしハルヒは眉間にしわを寄せている
どうしたんだ?何か不満か?

ハルヒ「有名だから来てみたものの、別に大したことじゃないわね・・・・・・」

ハルヒ「なんかもっとビームとかだしなさいよビームとか!」

何言ってやがる

ハルヒ「そうだキョン!!あんたが参加したらどう!?」

そういうとハルヒの顔はパッと明るくなった
なんだそれは?
俺にイルカになれってのか?
立派な常識人じゃなかったのか?ハルヒさんよ
できる訳がないだろう?
かといって調教師になるのも無理なんだが
そういうとハルヒの顔はまた不満そうな顔に戻った

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 13:14:50.83 ID:qPzHhwQY0

ハルヒ「つまらないわね・・・・・・あんたがイルカになれば面白いと思ったんだけど」

本気で言っていたのか・・・・・・
恐ろしい奴だ
そうこうしている内に時間はあっという間に過ぎて行った
俺は実に満足していた
俺は隙を見てこっそりハルヒにお土産を買っていた
皮肉なことに俺が選んだお土産はイルカのストラップだ
しかもお揃いである
まあいい、俺にイルカになってくれと頼んでくる奴だ
イルカをあげれば喜んでくれるだろう
というか水族館のお土産屋なんてものは正直そんなに大したものではない
これくらいしか気に入るものが置いてなかったのだ

ハルヒとは高校生時代のころ一度だけ水族館に行ったことがあるのだがその時は俺が遅刻したせいでハルヒを怒らせてしまったからな
俺から誘っておいて遅刻だなんて怒るに決まっている
だが今回はなんの問題もなくすんなり楽しめたからよかった
さて、そろそろ帰るか?ハルヒ

気がつくと辺りは夕焼けが広がっていた
そんなに長い時間水族館にいたんだな
俺はもうヘトヘトだ

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 13:17:27.46 ID:qPzHhwQY0

ハルヒ「そうね、今日はもう歩き疲れたし、帰りましょう!!」

そうして俺達は帰路に着いた
いやしかし、1人暮らしの部屋にハルヒがやってくるってのもいいもんだな
俺は一息つこうとキッチンでコーヒーを淹れていた
もちろんハルヒの分もだ
ハルヒ、コーヒーできたぞ

ハルヒ「あら、キョンにしては気がきくじゃない」

まあな
そうだ、ハルヒ
ハルヒ「あ、キョン」

俺達は同時に互いの名前を呼んでいた
な、なんだ?
ハルヒ「なによ?」

これまた同時

俺は無言でハルヒの方に「どうぞ」とでも言わんばかりに手を向けた

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 13:20:02.62 ID:qPzHhwQY0

ハルヒ「じゃあ言わせてもらうわ!!」

ハルヒ「これ、あの水族館のお土産屋にあったんだけど、あんたにお似合いかと思ってね!!」

そういうとハルヒの手には一つの袋が握られていた
こいつも俺の知らないところでお土産を?
開けていいか?
ハルヒの承諾を得ると俺は袋についているテープをはがした
なんてこったい・・・・・・
そんな言葉使う機会なんてないだろうと思っていたが
俺は現実にそっくりそのまま「なんてこったい」と発声してしまった

ハルヒ「な、何よ!!人があげたものに不満があるわけ!?」

俺はハルヒの目をじっと見つめると
鞄から全く同じ袋を取り出しハルヒに手渡した
開けてみろ

ハルヒはまさか・・・・・・というような顔で袋を開けた
チャラ・・・・・・
ハルヒと俺の手には全く同じイルカのストラップが握られていた
しかもお互い2つずつ・・・・・・

俺はこんなに笑ったことは今までにないんじゃないか、と思うほど笑った
ハルヒもとてもおもしろそうに笑っていた
結局ストラップはお互いが2つずつ貰うことになり、一つは携帯につけてもう一つは鞄につけることにした

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 13:22:51.01 ID:qPzHhwQY0

ハルヒ「でもよく考えてみるとあんたと趣味がかぶるなんて・・・・・・」

おいおい失礼だぞ

ハルヒ「まあいいわ!!おもしろかったから」

そうか、それはよかった
するとハルヒはお腹がすいたわね!と言い、冷蔵庫を開けた
何もないはずだが・・・・・・

ハルヒ「あんたが昨日古泉くんと長々と電話をしていた時に買っておいたのよ!!」

実にできる彼女を持ったもんだ
そしてハルヒの手により、あっという間に夜ご飯が完成した
今日はハンバーグにシチューに見事な盛り付けのサラダだ
うむ、これもとてもおいしい
腹が減っていた二人はあっという間に完食し、片付けを始めた
もちろん俺も手伝っている
しかし普段全く料理をしない俺は足を引っ張ってしまったらしい
ハルヒに「キョンはそこに座ってテレビでも見ててちょうだい!!」と言われてしまった
なんで俺は大人しくテレビを見ることにした

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 13:25:35.53 ID:qPzHhwQY0

テレビを点けるといつものようにくだらないバラエティー番組をやっていた
どれもこれも同じ番組に見えてしまう
しかし番組ももう終盤のようだった
綺麗な女性タレントが次回もよろしく的なことを遠回しにながながとしゃべっていた
時刻はもうすぐ8時か・・・・・・
俺は夕食の後片付けをしているハルヒの姿を眺めていた
すると突然俺の携帯が鳴った
バイブ機能にしていたせいか、水が流れる音に紛れてハルヒは気づいていないようだ
明日もこんな調子で時間が過ぎればいいな、なんて考えながら俺は携帯のディスプレイを見た

「着信アリ:涼宮ハルヒ」

ここで俺は本当の現実に一気に引き戻された
そうだ・・・・・・
俺はこっちのハルヒとの楽しい時間のせいですっかり忘れていた
大体目の前にハルヒがいるというのにそんなこと考えられないに決まっている
ハルヒと遊んでいるのにハルヒのことを「思い出す」なんておかしな話だろう?
俺は電話に出ないことにした
今ここで電話にでると確実にややこしいことになる
こっちのハルヒはまた仕事場の人だと思うだろう
それに今の俺の中ではこっちのハルヒが本体だという気持ちが強い
今日一日一緒に過ごしたことによってその考えはより一層強まった
イルカに「ビームをだせ!」なんていうのはこいつくらいだろう
古泉は本体ではないと思うハルヒに対して「消えろ」という言い方に近いことをしろと言っていたしな

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 13:30:14.30 ID:qPzHhwQY0

罪悪感はないといえば嘘になる
俺もそこまで非情な人間ではない
というか正直やっとの思いで電話に出るのを堪えている
なんせ相手はハルヒだ
しばらく俺が唇を噛みしめているとようやく電話が切れた

それと同時にハルヒも片付けが終了したようだ

ハルヒ「ふぅ〜やっと終わったわ!!」

ああ、すまんなハルヒ

ハルヒ「別にいいわよ、これくらい」

しかし今日は楽しかったな、ハルヒ

ハルヒ「あたしがいるのよ!?楽しくて当然だわ!!」

そういうと俺達はゲームをすることにした
やはりと言うべきかハルヒは恐ろしく手強かった
こいつは本当に何でもできるんだな
結果は言うまでもなく、俺の完敗だ
しかし少し熱中しすぎたようだな
もうすでに深い夜がやってきていた
今日は風呂に入ってそろそろ寝るか?

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 13:33:00.09 ID:qPzHhwQY0

ハルヒ「そうね、あたしもいい加減目が疲れてきたわ」

そういうとごにょごにょとハルヒは目をこすった
それじゃ、風呂に入ってこい

ハルヒ「ええ、そうさせてもらうわ」

そしてハルヒは風呂へと向かった
俺はハルヒが風呂に入っている間、ずっと携帯を眺めていた
実家にいるハルヒから電話がくるかもしれないと思っていたからだ
しかしその日、ハルヒから再び電話がかかってくることはなかった
しかしどうやってどちらが本体のハルヒと見抜けばいいのだろうか
それができなければこの改変された世界は元に戻らないんだ
なんせハルヒが俺の浮気相手だと疑っているのはハルヒ自身なんだからな
そのハルヒの存在が消えればこの世界も元に戻るだろう
しかしあまりに規模が小さいな
なんせ皆改変されたことを理解しているんだからな
まあこれは俺とハルヒ、二人の問題だから当然っちゃ当然か
そうこう考えている内に俺は風呂にも入らず眠ってしまったようだ

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 13:35:39.83 ID:qPzHhwQY0

次の日
目が覚めると既にハルヒが朝ご飯の準備を始めていた

ハルヒ「あら、起きたのね。キョン!!あんたさっさとお風呂に入らないと臭いわよ!!」

ハルヒ「今朝ご飯の準備中だから今のうちに入っちゃいなさい!!」

ハルヒは立派な母親になれそうだな・・・・・・
そうして俺は自分の臭いを気にしながら風呂へ入ることにした

 ふぅ〜さっぱりした
風呂から上がるとテーブルの上にはすでに朝ご飯が並んでいた
今日も素晴らしいメニューが俺を迎えてくれる
いやしかしあったかいご飯を食べることができるのは本当に幸せだな
1人暮らしともなると朝ご飯なんて食べない日の方が圧倒的に多い
俺は昨日と同じようにハルヒに感想を述べ、無事に朝ご飯を食べ終えた
ああこんな幸せが永遠に続けばいいのに・・・・・・
しかしもう10時か・・・・・・
結構寝ちまったようだな
ハルヒ、今日はどこに行くんだ?
なんてことを聞こうとした矢先
俺の部屋にチャイムが鳴り響いた

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 13:37:59.43 ID:qPzHhwQY0

それと同時に俺は何やらとんでもない悪寒を感じた
なにかとても嫌な予感がする・・・・・・
こういうときの俺の感覚は見事なまでに研ぎ澄まされており
その予感が的中するであろうということを既に俺は理解していた

ハルヒ「あら、誰かしら」

ハルヒが俺をチラッと見る
俺は呼びとめようとしたが理由が見つからない
どうにか理由を・・・・・・と考えている内にハルヒは玄関に到達していた
それと比例して俺の心拍数がどんどん上がっていく
こんなに激しい鼓動の音は今まで聞いたことがないぞ?
ハルヒは玄関の前に立つと、一旦こちらを振り返った

ハルヒ「仕事場の女だったら承知しないわよ」

・・・・・・その方がどれだけいいか
というかこの際そうであってくれ、頼む
キィー!

ハルヒ「・・・・・・・え?」

71 名前:>>70初SSです ありがとうございます[] 投稿日:2010/01/28(木) 13:41:33.97 ID:qPzHhwQY0

やはり俺の予感は見事に的中していた
そこには涼宮ハルヒが立っていた
もちろん室内にではない
室外に、だ
なんてことだ
こんなこと考えもしてみなかった
しかし絶対に考えておかなければならないことだ
俺はこの幸せな時間に浮かれ過ぎていたようだ
昨日電話を無視したからだろう
より一層不安を募らせたハルヒは俺の家へやってきてしまった
行動力のあるハルヒだ
別に片道2時間程度の場所に休日にやってくるなんて全くおかしいことではない
でも一番驚いたのはハルヒ自身だろう
なんせ扉を開けたら(扉が開いたら)自分が立っているんだからな
俺はこの展開を全く予想していなかったため、この後どうなるのか皆目見当もつかなかった

ハルヒ「どういうこと・・・・・・なの・・・・・・?」

ハルヒ「なんであたしがここに・・・・・・?」

それぞれのハルヒがそう呟くと同時に俺の方を振り返った

2人のハルヒ「どういうことなのか説明してちょうだい!!」

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 13:45:35.11 ID:qPzHhwQY0

果たして説明してもいいのだろうか
というかこの場合なんて言えばいいんだ!?
俺はどうすればいい!?
ハルヒに自分の力のことを言う訳にはいかないだろう!?
いや、ちょっと待て・・・・・・
これはどちらが本体のハルヒなのかという真実を知る絶好のチャンスじゃないのか!?
というか今しかないだろう!!
そこで俺は長門の言葉を思い出した


(長門「より大きな記憶で比べてみることを推奨する」)

なあハルヒ、お前夏休み皆でお祭りに行ったこと覚えてるか?

2人のハルヒ「な、なんなのよ急に!!そんなことよr」

いいから答えてくれ!!
俺は今どうしても出さなきゃならん答えがあるんだ
俺はいつもより相当険しい顔をしていたに違いない
あのハルヒが少したじろいだ
お前ら二人の内どちらかが偽物なんだ
俺にはどちらが本物のハルヒなのか見分ける必要がある
実際はどちらもハルヒなんだが二人の手前、そのように言うことはできない

76 名前:これが噂のさるさんか・・・・・・してやられた[] 投稿日:2010/01/28(木) 14:04:56.10 ID:qPzHhwQY0

2人のハルヒ「そんなことする必要はないわよ!!あたしが本物に決まってるじゃない!!」

同時にそう言うと二人はお互いをこれまた同時に睨んだ
ここまで一緒だと本当に混乱する
今から俺が質問をするからその質問に答えてくれ
その質問の答えによって俺はどちらが本物のハルヒなのか判断することにする
いいか?

2人のハルヒ「わかったわ!!それであたしが本物だって分かってくれるならね!!」

それならもう一度質問させてもらう
お前は夏休み皆でお祭りに行ったことを覚えてるか?


ハルヒ1(昨日からキョンの家に来ていたハルヒ)「お、覚えてるに決まってるじゃない!!」
ハルヒ2「あたしも覚えてるわよ!!SOS団で花火をしたあの日でしょ!!」

どちらも覚えているようだ・・・・・・
それなら、お前がSOS団を作ったキッカケはなんだ!?

2人のハルヒ「キョンの話を聞いて自分で作ればいいって思ったからよ」

うむ・・・・・・
じゃ、じゃあ俺とキスをしたことは!?
あの閉鎖空間でのことだ
ハルヒなら覚えておいてくれるだろう

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 14:08:10.21 ID:qPzHhwQY0

すると二人はほぼ同時にこの質問に答えた
ハルヒ1「覚えてるに決まってるじゃない!!」
ハルヒ2「あ、あんたとキスなんてしたことないわよ・・・・・・」

なんだと?
その時点で俺の中で答えはハッキリと決まった
まさかこうも簡単に分かるとはな

ハルヒ1「そろそろいい加減にして欲しいわね!!それで?答えは分かったの!?」

ああ、分かったよ

ハルヒ2「それで!?あんたはどっちが本物のあたしだって判断した訳!?答えによっては許さないわよ!!」

すると俺は昨日から一緒に過ごしてきたハルヒの手を掴んだ
お前が本物だ、ハルヒ

ハルヒ1「さすがキョンね!!」

ハルヒ2「そんな・・・・・・」

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 14:10:46.70 ID:qPzHhwQY0

ハルヒ1「キョンが判断したことだからしょうがないわ!!あんた一体何者なの!?
     それにしてもよく似てるわね」

そういうとハルヒはもう一人のハルヒの顔を覗き込んだ

ハルヒ2「な、何言ってんのよ!あたしが・・・・・あたしが本物よ・・・・・・」

ハルヒ1「まだ言ってるわ・・・・・あなたはずいぶん変装が上手いけど偽物なのよ!!
     早くこの部屋から出てってちょうだい!!」

そういう訳だ
すまんな、悪いがこの部屋をでていってくれないか?

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 14:13:33.99 ID:qPzHhwQY0

俺は・・・・・・この俺、ジョージ・スミスは今から涼宮ハルヒと一生楽しい時間を過ごすんでな

ハルヒ1「そうよ!!だから早く出て行ってちょうだい!!」

ハルヒ2「・・・・・・え?」

やっぱりか・・・・・・
そう呟くと俺はもう一人のハルヒの腕を掴むとこちらに引き寄せた

ハルヒ1「ちょ!なにしてんのよあんた!!どういうことなの!?」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 14:16:08.83 ID:qPzHhwQY0

お前が偽物だ
すまんが出て行ってくれ

ハルヒ2「キョン・・・・・・!?」

ハルヒ1「意味がわからないわ!!さっきはあたしを本物だっt」

俺は「ジョン・スミス」だ

ハルヒ1「・・・・・・え?」

ハルヒ2「ってことはあんたやっぱり・・・・・・!!」

あぁ、今まで黙っていてすまんな

ハルヒ1「よ、よく聞こえなかったのよ!!ジョン・スミスでしょ!!知ってるに決まってるじゃない!!」

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 14:18:55.20 ID:qPzHhwQY0

もう遅い
お前は俺のジョージ・スミスという罠に上手くひっかかった訳だ

ハルヒ1「じゃ、じゃあなんであたしが本物だなんて言ったのよ!!」

お前を油断させるためだ
お前とキスをしたのは夢の中
つまりこっちのハルヒが答えた「あんたとキスはしていない」という答えの方が正解だ
それにあの夢はとても現実に近かった
こっちのハルヒが曖昧な感じで答えたのもより俺に確信を持たせた
お前はハッキリと「覚えている」と言ったな?

ハルヒ1「でもあたしが本物なの!!お願い信じて!キョン!!」

すまんな、ハルヒ
この部屋からでていってくれ

ハルヒ1「そんな・・・・・・」

ハルヒ2「ありがとう、キョン」

いやいや、気にすんな
俺がお前を見分けられなくてどうする

87 名前:>>85俺も何か違和感を感じていた何かは分からないが・・・・・・教えてくれ[] 投稿日:2010/01/28(木) 14:22:33.77 ID:qPzHhwQY0

ハルヒ2「今なら許せる気がするわ!!」

え?何をだ?
そういうとハルヒは突然俺にキスをした
ちょ、い、いきなり何すんだ!!

そんな俺達を見てもう一人のハルヒは勢いよく部屋を出て行ってしまった
これで改変された世界は元通りになるはずだ
俺はこっちのハルヒが本体だという確信を持っている
ハルヒ・・・・・・

ハルヒ「何?」

もう解決したんだし、気分転換にどこかにでかけるのもいいだろう
俺はこれからハルヒと出かけることにした
こちらのハルヒとはまだ遊んでないんでな

今からどこに行きたい?

ハルヒ「そうね・・・・・・一度キョンと水族館に行ってみたかったのよ!!行きましょう!!」

やれやれ・・・・・・やっぱりどっちも同じハルヒなんだな
選ぶのも同じ水族館って訳か
・・・・・・って・・・・・・え?

〜終わり〜

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/28(木) 15:03:53.94 ID:qPzHhwQY0

朝比奈さんは帰ってきたんだけど物語的に必要なかったし動かしにくかったんで
バッサリ切っちゃいましたがやっぱり必要でしたか
長門に電話するフラグたてましたけど
キョン×ハルヒ1があまりにすることがなくて早めにハルヒ2が家に来ちゃったんで
諦めました



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