レナ「痛いよ…痛いよぉ魅ぃちゃん…」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 00:35:29.87 ID:aeoYzO73P

梨花「圭一、今日も部活はなしなのですか?」

圭一「ああ、さすがにそろそろ本気で勉強しなきゃマズいからよ」

レナ「そうだね〜」

梨花「そうですか…残念なのです」

圭一「ごめんな梨花ちゃん。もしやりたかったら3人でやってってくれよ。じゃあな」

沙都子「3人だけじゃ盛り上がりませんわー!」

羽入「あぅあぅ」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 00:42:28.87 ID:aeoYzO73P

レナ「ふうう〜。風が少しずつ冷たくなってきたね。もう夏も終わりかな。かな」

圭一「そうだな。俺たちもそろそろ山場だな…」

レナ「うん。…二人とも、魅ぃちゃんと同じところに入れたらいいね」

圭一「レナはいけるだろうけど。俺は…どうだろうな」

レナ「ダメだよそんな弱気になってちゃ! 圭一君ならできるよ! 絶対できるよ!」

圭一「……」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 00:46:45.44 ID:aeoYzO73P


圭一「はあ」

魅音「おや〜? そこで一人しょぼくれてるのは圭ちゃんじゃないか」

圭一「あ…魅音。おかえり。今帰りか? 随分早くないか」

魅音「今日は部活休みだからね。それよりどうしたんだいため息なんかついちゃって。圭ちゃんらしくもない」

圭一「いや…」

魅音「んん?」

圭一「…勉強めんどくせえなぁって」

魅音「はぁ? な、何言ってんの圭ちゃん!」

圭一「今のままじゃダメなことはわかってんだけどよ。勉強する気起きねーんだよなぁ」

魅音「ちょ、ちょっとちょっとどうしちゃったの!? おじさんといっしょのとこに来てくれるって言ってたじゃないか!」

圭一「ん〜…そうなんだけど…はぁ」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 00:54:38.42 ID:aeoYzO73P

圭一「去年の夏休み過ぎた後からの、魅音の猛スパートはすごかったよなぁ。おまえは本当にすごいヤツだよ」

魅音「あ、あははは。まぁ、人間やればなんでもできるってことだね」

圭一「俺にはそんな集中力なくなっちまった…遊びすぎたのかな。どうしても手がつかねえんだ」

魅音「……」

圭一「ふぅ」

魅音「…ダメだよ圭ちゃん。そんなのダメだよ。約束したじゃないか。絶対あたしと同じ高校に来てくれるって」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 00:56:52.34 ID:aeoYzO73P

圭一「……」

魅音「おじさんは…待ってるんだからね。圭ちゃんのこと」

圭一「魅音…」


魅音「……」

魅音「…あのさ、圭ちゃん」

圭一「ん?」

魅音「もしよかったら…あたしが勉強見てあげようか?」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 01:00:33.64 ID:aeoYzO73P

圭一「え…」

魅音「い、いや。あはは。圭ちゃんのジャマになるってなら全然いいんだけどさ! でも、もし今のままじゃはかどらないってなら…その…」

圭一「ほ、ホントか!?」

魅音「え」

圭一「マジかよそれスゲー助かるぜ! ぜひ! ぜひ頼む魅音!」

魅音「う、うん…でも、集中できないかもよ? それにあたしの部活ない日しかできないし…」

圭一「全然構わん! いやぁ、なんというか袋小路に入っちゃってたからさ。ありがてぇよ! 頼むぜ魅音大先生!」

魅音「あ、あはは。よぉしおじさんにまかせな! 圭ちゃんの偏差値今から一気に10くらい引き上げてあげるよ!」

圭一「わはは!」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 01:11:52.83 ID:aeoYzO73P

─────

詩音『へえ〜。それで圭ちゃんに勉強教えてあげることになったわけですか』

魅音「うん! だから今あたしも勉強しなおしてんのさ! 人に教えるには3倍理解してないとダメっていうからね!」

詩音『勉強教えるために勉強するってのもなんか変な話ですねぇ』

魅音「いいんだよ!…最近さ、ちょっと疎遠気味だったけど…でも、やっとまた圭ちゃんと接点ができたんだからさ! あはは」

詩音『ふふふ。かわいいですねーお姉ぇは』

魅音「な、なんだよぅ…!」

詩音『ま、せいぜいがんばってください。ふふふ』

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 01:27:57.76 ID:aeoYzO73P

─────

魅音「やっほー圭ちゃん来たよー」

圭一「おーう。あがってくれー」

魅音「おじゃましまーす。…あ、そうだ圭ちゃん。模試、どうだった?」

圭一「おう! バッチリだったぜ!」

魅音「ホント!? やったじゃーーん」

圭一「これも魅音のおかげだよ。ありがとな。ははは」

魅音「え、あ、…あは…は…そ、そうかな」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 01:30:08.31 ID:aeoYzO73P

圭一「でもさ、魅音」

魅音「ん?」

圭一「おまえ最近毎日うちに来てくれるけど、高校の部活の方は出なくていいのか?」

魅音「ああ、部活ね。大丈夫だよもう辞めたから」

圭一「え……え!? ほ、本当かよ!?」

魅音「うん」

圭一「い、いいのか!? おまえあんなに楽しいって言ってたじゃねえかよ! も、もしかして俺に勉強教えるために辞めたのか?」

魅音「あー…あはは。ち、違う違う。飽きちゃったから辞めたんだよ。圭ちゃんは全然関係ないから気にしないでよあはは」

圭一「……」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 01:32:38.44 ID:aeoYzO73P

─────

レナ「わぁすごい圭一君! 89点だって!」

圭一「へへ。まー俺が本気出せばざっとこんなもんよ!」

沙都子「おほほほほ! わたくしなんて95点でしてよー! 圭一さんなんかまだまだですわぁ!」

圭一「ばーか。小学生のテストと受験模試じゃ全然違げーんだよ」

梨花「圭一はよくがんばったのです。パチパチパチ」

羽入「あぅあぅ」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 01:36:59.10 ID:aeoYzO73P

レナ「でもすごいなぁ…やっぱり圭一君ががんばったら勉強なんて楽勝だね! だね!」

圭一「んー…まぁ、正直なところ俺ががんばったというより魅音のおかげだな。はは」

レナ「ああ、そういえば魅ぃちゃんに個人レッスン受けてるんだったもんね。いいなぁ…」

圭一「レナも来るか? あいつの教え方メチャメチャ上手いからな。きっとタメになると思うぜ」

レナ「え? あ、あたしも行ってもいいのかな? かな?」

圭一「ダメな理由がないだろ。きっと喜んで教えてくれるぜ」

レナ「わーいやったぁ! 久しぶりだなぁ魅ぃちゃんと会うの。楽しみ〜!」

圭一「おいおい、遊ぶんじゃなくて勉強するんだからな?」

レナ「わかってるよ〜ふふふ」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 01:43:16.74 ID:aeoYzO73P


魅音「おじゃましまーす。圭ちゃんきたよー……あれ?」

レナ「わぁ! 魅ぃちゃん久しぶり〜〜! 会いたかったよぅ」

魅音「れ、レナ……どうしてここに…?」

圭一「レナもおまえに教えてもらいたいっていうからさ。俺が呼んだんだ。別に構わないだろ?」

魅音「え、あ…うん…」

レナ「やったぁ魅ぃちゃんと圭一君とお勉強会だよぉ!! お持ち帰りぃ〜!」

圭一「意味がわからんぞーレナー」

魅音「はは…あはは…」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 02:07:22.43 ID:aeoYzO73P


圭一「あはは! そーいやそんなこともあったなぁ」

レナ「あの時の圭一君本当におもしろかったよねー。あ、そういえばあの時…」ゴニョゴニョ

魅音「……」

圭一「…わ、わぁ! 馬鹿! その時の話はするな! やめろ! いややめてください! いやああ!」

レナ「あはははは!」

魅音「あははは」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 02:10:21.84 ID:aeoYzO73P

─────

レナ「おじゃましましたー!」

魅音「おじゃましました」

圭一「おう、また明日なー! 次はもっとちゃんと勉強するからなー!」

レナ「うん! あはは! じゃあね圭一君!」


レナ「ふー。楽しかったねー魅ぃちゃん」

魅音「……」

レナ「魅ぃちゃん?」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 02:13:10.30 ID:aeoYzO73P

魅音「レナ」

レナ「ん?」

魅音「もう来ないで」



レナ「…え? ……あ……え?」

魅音「……」

レナ「え……」

魅音「あはは! ごめんごめん! ちょっといきなりだったね」

レナ「……」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 02:15:19.87 ID:aeoYzO73P

魅音「んー…でもさ。ほら、やっぱり三人揃っちゃうとどうしてもおしゃべりが多くなっちゃうじゃんか」

レナ「あ…うん…」

魅音「そうなるとさ。レナは今のままでも頭いいから大丈夫だろうけど…圭ちゃんがちょっとね、マズいからさ」

レナ「うん…」

魅音「だから…うん。圭ちゃんのためを思ってさ。いっしょに勉強するってのはやめておこう? ね」

レナ「うん…そう…だね。そうだよね。ごめんね魅ぃちゃん…あたし…考えが足りなかったね。ごめんね」

魅音「いや、あたしはいいんだよ!? でも圭ちゃんがさぁ。あはは」

レナ「ごめんね…ごめんね…」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 02:20:27.04 ID:aeoYzO73P

─────

レナ「……」

圭一「……」


圭一「…なぁ。最近レナのやつ、なんか元気ないと思わないか?」

沙都子「そうですわね。言われてみればどことなく…」

梨花「きっとお勉強のしすぎなのですよ。にぱー☆」

羽入「あぅあぅ」

圭一「ふーむ」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 02:25:53.12 ID:aeoYzO73P


圭一「なぁレナ。よかったら今日うちでいっしょに勉強していかないか?」

レナ「え? あ…うん、ありがとう。でも、遠慮しておくよ。ごめんね」

圭一「えーっなんでだよ。魅音もいるんだぜ。みんなでやった方が…はかどらないかもしれないけど楽しいぜ」

レナ「うん。でもやっぱり三人もいると、どうしてもおしゃべりしちゃうでしょ? そうなったら圭一君のためにならないし」

圭一「うーーん…そうかぁ。まぁ、レナが言うんならしょうがないよな」

レナ「ごめんね…」

圭一「いいさ。あーそうだ。うちの母さんがレナにみかんあげたいとか言ってたな。寄っていってくれよ」

レナ「ホント? わーい嬉しいなぁ」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 02:28:58.84 ID:aeoYzO73P


レナ「おじゃまします。こんにちはーおばさま」

母「こんにちはレナちゃん。どう? 勉強の方ははかどってる?」

レナ「えへへへへ…」


魅音「……」

圭一「おわあっ! み、魅音…なんだよもう来てたのか。ビックリさせるなよ」

レナ「えっ、あ。み、魅ぃちゃん」

魅音「……」

魅音「」ブチッ

魅音「やっほー。二人とも」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 02:38:16.11 ID:aeoYzO73P

圭一「おう」

魅音「ごめんレナ、ちょっと話たいことがあるんだけど、いい?」

レナ「え? あ、うん。いいよぉ」

圭一「お、おい、なんだよ二人とも。どっか行くのか?」

魅音「ちょっとレナに話すことがあるだけだよ。すぐ戻ってくるから圭ちゃんは待ってて」

圭一「ん…そうか?」


レナ「魅ぃちゃん…話って何かな、かな?」

魅音「……」

レナ「ん?」

魅音「もう来るなって言ったでしょ」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 02:54:45.07 ID:aeoYzO73P

レナ「え?」

魅音「忘れたの? …言ったよね、あたし」

レナ「あ…」

レナ「あ、ち、違うの。さっきのは…」

 パンッ

レナ「!! いたっ…!」

魅音「言ったよね。…圭ちゃんのジャマになるって。だから来ないでって」

 パンッ

レナ「あっ!」

魅音「なのに…どうして圭ちゃんに付きまとうの?」

魅音「好きなの? 圭ちゃんのこと」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 02:59:00.38 ID:aeoYzO73P

レナ「み、魅ぃちゃん…?」

 バキッッ!

レナ「!! あぐっ!」

魅音「好きなんでしょ? 圭ちゃんのこと。正直に言いなよ。ほら。ねぇ」

 ドゴッッ

レナ「がっ! み、魅ぃちゃん…やめて…!」

魅音「好きなんでしょ!! 圭ちゃんのこと! 好きなんでしょ!? ねえレナ、レナ!!」


レナ「痛いよ…痛いよぉ魅ぃちゃん…」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 03:01:58.78 ID:aeoYzO73P

レナ「…あ…う…」

魅音「…でも残念だったね。レナ。くくく」

魅音「あたしと圭ちゃんね。もうとっくに付き合ってるんだよね、実は」

レナ「え…?」

 ドサッ

魅音「だからあんたがいくらがんばっても無駄」

魅音「いい? だからもう圭ちゃんに付きまとうのはやめること。…約束だよ?」

レナ「み…いちゃん…」

魅音「じゃあね、レナ」

レナ「……」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 03:08:48.32 ID:aeoYzO73P

─────

圭一「お、帰ってきたか。あれ、レナは?」

魅音「あー先に帰ったよ。圭ちゃんによろしくってさ」

圭一「ふーん、そっか。なんだよいっしょに勉強していけばよかったのになぁ」

魅音「……」

魅音「ほら! レナのことよりまず自分のこと考えなきゃ! 勉強勉強! がんばらないとおじさんといっしょの学校に来れないよ!?」

圭一「へーい」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 03:15:47.73 ID:aeoYzO73P


魅音「それでね。このYが-2だから…」

圭一「……」

魅音「…圭ちゃん、聞いてる?」

圭一「え!? あ、わ、悪い…なんだっけ」

魅音「もー、何ぼーっとしてるんだよまったく。ヤル気あんの!?」

圭一「悪い…最近勉強漬けのせいかちょっと疲れちまってさ」ポキポキ

魅音「ふーん…」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 03:21:29.17 ID:aeoYzO73P

魅音「…ねえ圭ちゃん。おじさんがさ、効率よく勉強するコツ教えてあげようか」

圭一「あん? コツ? そんなもんあるのか?」

魅音「それはね、適度に息抜きすることさ」

圭一「…なんだよそんなことか。わかってるってそれくらい」

魅音「…あともう一つ、溜まった疲れを吐き出すこと」

圭一「吐き出す?」

 スッ…

圭一「…え」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 03:30:03.06 ID:aeoYzO73P

圭一「お、おい魅音! おまえ何やってんだよ!」

魅音「……」

圭一「馬鹿、やめろよ! なんでいきなりそんな…!」

魅音「いいじゃんか。おじさんが圭ちゃんの溜まった疲れ全部吸い出してあげるよ」

圭一「ま、まずいって…」

魅音「いいからいいから。これはさ、圭ちゃんのためなんだから。ね。…ふふ」

圭一「あ…」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 03:41:51.71 ID:aeoYzO73P

─────

圭一「……」

沙都子「……」

梨花「……」

羽入「……」


沙都子「…レナさんに続いて今度は圭一さんまでなんだか元気がありませんわね」

羽入「あぅあぅ。なにかあったんでしょうか…」

沙都子「レナさんはお休みだし。いったいどうしたっていうのかしら」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 03:46:12.90 ID:aeoYzO73P

梨花(…羽入)

羽入(あぅ?)

梨花(何かおかしい気がするわ。もしかしてまたレナか圭一のどちらかが症候群にかかったなんてことはないでしょうね)

羽入(あぅ…ごめんなさい、わからないのです…)

梨花(わからないって。あなたオヤシロ様でしょ? 何言ってるのよ)

羽入(ごめんなさいなのです。でも、僕も実体化してしまったせいで力が薄れてきてしまってるのです。だから本当にわからなのです…あぅ)

梨花(もう…使えないわね)

羽入(あぅあぅ)

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 03:56:47.04 ID:aeoYzO73P

羽入(でも、心配ないのですよ。きっと勉強のしすぎで疲れてしまっただけなのです。少し休めばすぐ元気になるのですよ)

梨花(んー…そうだといいけど)

圭一「……」

 カラーンカラーン

圭一「ん…あ、もう終わりか…」

圭一「…じゃあ、みんな。また明日な」

沙都子「さようならですわぁ」

梨花「また明日なのです」

羽入「……」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 05:14:47.32 ID:aeoYzO73P

圭一「……」

圭一(まさか魅音とあんなことになるなんて…あいつは友達…いや、親友だと思ってたのに…)

圭一(俺は…あいつにとってなんなんだろう…あいつは俺のことどう思ってるんだ…)

圭一(…俺は…魅音のことを…どう思ってるんだ…?)


羽入「…いち…!」

圭一(俺は…)

羽入「待つのです…けいいち…圭一!」

圭一「ん…おわっ! は、羽入…ど、どうしたんだ?」

羽入「はあはあ…」

羽入「いっしょに…はぁ。いっしょに帰ろうなのです。はぁ」

圭一「はぁ?」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 05:21:39.96 ID:aeoYzO73P

羽入「帰ろうなのです。帰ろうなのです」

圭一「別にいいけど…でも、いっしょに帰ろうって言っても全然方向が違うじゃないか」

羽入「あ…あぅあぅあぅ…」

羽入「じゃ、じゃあ。よかったら僕の買い物に付き合ってほしいのです。お願いなのです」

圭一「買い物? いやでも俺勉強しなきゃいけないしなぁ」

羽入「勉強ばかりしてたら疲れてしまいますよ。たまには息抜きも必要なのです。だから僕と遊ぶのです。あぅあぅ」

圭一「んー…」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 05:31:05.63 ID:aeoYzO73P

羽入「圭一とお買いものなのです。お買いものなのです。わーいなのです」

圭一「あんまり長くはいられないからなー」

羽入「あぅ。わかったのです」


圭一「で? 買い物って、羽入は何を買いにきたんだ?」

羽入「えーっと…帽子を買いたいと思ってるのです」

圭一「帽子?」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 05:36:59.51 ID:aeoYzO73P

圭一「なんで帽子なんだ?」

羽入「これから寒くなるからその前に欲しいのです。雛見沢の冬は厳しいのです」

圭一「ああ…まぁそうだな。たしかに去年の豪雪っぷりには驚かされたなぁ」

羽入「そうなのです。…あと、できたら…角を隠せる帽子が欲しいです…」

圭一「え」

羽入「……」

圭一「……」

圭一(…やっぱりまだ気にしてるのか)

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 05:48:55.59 ID:aeoYzO73P

─────

羽入「圭一けいいち。これなんかどうですか?」

圭一「おーーいいじゃんいいじゃん。なかなか似合ってるぜ! じゃ、こっちのはどうだ?」

 ボフッ

羽入「あぅ」

圭一「あははは! 似合ってるぞー羽入!」

羽入「あぅあぅあぅ。こ、こんなちんちくりんな帽子じゃ恥ずかしいのですよ」

圭一「なんでだよーいいと思うけどなぁ。わはは」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 05:53:43.14 ID:aeoYzO73P


圭一「あっはっは。あーーおもしろかった。久しぶりに大笑いしたぜ」

羽入「あぅあぅ。よかったのです。よかったのです」

圭一「ん?」

羽入「あぅ。な、なんでもないのです」

羽入(圭一が元気になったら僕も嬉しいのです)


羽入「あ」

羽入「圭一! き、喫茶店があるのですよ! 僕はク…クリームパフェを食べてみたいのです!」

圭一「なにぃ? ったくしょうがねぇなー。よーしここは一つこの圭一様がおごってやるとするか!」

羽入「あぅあぅあぅあぅ!! あぅあぅ!!」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 06:05:35.37 ID:aeoYzO73P


羽入「…あぅ…美味しかったのです…こんなに美味しいものを食べたのは生まれて初めてかもしれないのですよ」

圭一「大げさだなー羽入は。パフェ一つで」

羽入「お、大げさではないのです。感動して今僕は涙が出そうなのです」

圭一「はは。こんなもんでよかったらまた今度おごってやるさ」

羽入「本当ですか!?」

圭一「ああ」

羽入「あぅあぅ…」

羽入(圭一はやっぱり優しいのです)


圭一「なあ羽入、さっき買った帽子かぶってみてくれよ」

羽入「あぅ? い、今ですか?」

圭一「ああ」

羽入「あぅ…」ポスッ

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 06:12:27.80 ID:aeoYzO73P

圭一「あはは。やっぱり似合ってるなー。よかったないいのが見つかって」

羽入「……」

羽入「圭一」

圭一「ん?」

羽入「その…角はしっかり隠れてるでしょうか…」

圭一「あ…」


圭一「…なあ羽入。おまえは自分でその角のことを気にしてるみたいだけど、本当に気にしなくていいと思うぞ」

羽入「あぅ?」

圭一「むしろ自慢しろ。それはおまえのチャームポイントだぜ」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 06:17:16.40 ID:aeoYzO73P

羽入「あぅ…でも…」

圭一「俺は絶対角があった方が可愛いと思うぜ、おまえは」

羽入「あぅ!?」ボッ

圭一「?」

羽入「か…かわいい…ですか…?」

圭一「ああ、可愛い。というか角がなくても羽入は可愛いけどな。まぁとりあえず羽入はかわいい。間違いない」

羽入「あ…あぅあぅあぅ!! あぅあぅあぅあぅ!!!」

圭一(こいつおもしれーなー)

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 16:07:05.44 ID:aeoYzO73P

圭一「俺おまえが転校してきた時から思ってたんだぜーこいつ可愛いなぁって」

羽入「あぅ…僕は可愛くなんかないのです…梨花やレナたちの方がずっと可愛いのです」

圭一「そんなことねえって。羽入が一番かわいい! うん」

羽入「嘘なのです…からかうのはやめてほしいのです…」

圭一「嘘じゃねえしからかってなんかいねえよ」ナデナデ

羽入「あ…」

羽入「あぅ…」

魅音「……」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 16:11:43.91 ID:aeoYzO73P

─────

圭一「じゃあまた明日な、羽入。今日はいい息抜きになったよ。ありがとな」

羽入「あう。また明日なのです」

羽入「あ…圭一」

圭一「ん、なんだ?」

羽入「…もし、何か辛いことや悩み事があったら、いつでも僕たちに相談するのです。僕たちはみんな仲間なのですよ」

圭一「……」

圭一「ああ。わかったよ」

羽入「約束なのですよ」


圭一(…言えるはずねぇよなぁ)

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 16:16:54.86 ID:aeoYzO73P

─────

 カラーンカラーン

圭一「おーーっす」

沙都子「あ…け、圭一さん!」

梨花「圭一!!」

圭一「な、なんだどうした?」

梨花「羽入が…羽入がどこにいったかしらないですか!?」

圭一「え…羽入? 羽入がどうしたんだ」

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 18:20:05.73 ID:6v4xw8AN0

梨花「羽入が…昨日学校が終わってから家に帰ってきてないのです…」

圭一「え…か、帰ってきてない!?」

梨花「帰りにたしかに圭一のところに行ったはずなのです。圭一は羽入がどこに行ったか知らないのですか?」

圭一「お、俺は知らないぞ。おい…マジかよそれ?」

梨花「羽入は圭一のところにいかなかったのですか?」

圭一「いや。来たよ。それで興宮までいっしょに買い物に行った」

梨花「その後は!?」

圭一「買い物が終わったらすぐに帰ったぜ。あいつも…普通に家に帰ったと思ったんだけど…」

梨花「そんな…」

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 18:35:07.53 ID:6v4xw8AN0

圭一「心当たりは? 最近様子が変だったとか、あいつがどこかに行っちまうような」

梨花「ないのです。いつもと変わらなかったのです」

圭一「だよな……じゃあ、以前にもこんなことあったりしなかったか?」

梨花「いえ…たまにふらっといなくなることはあったけど…でも、ボクに何も言わないで丸一日姿を見せないなんてそんなことは…」

圭一「警察には?」

梨花「まだ…」

圭一「むぅ…」

 ガラッ

知恵「はーいみなさん朝の会を始めますよー」

梨花「あ…知恵! 羽入を…羽入を見ませんでしたか!?」

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 18:44:54.70 ID:6v4xw8AN0

知恵「え…羽入さん? いえ見てませんけど…どうかしたんですか?」

梨花「羽入がいなくなったのです! 昨日から家にも帰ってきてないのです!」

知恵「えっ…!? ほ、本当に?」

梨花「本当なのです! お願いです…羽入を捜して…あの子に…あの子に何かあったら私は…!」

知恵「お、落ち着いて梨花ちゃん。本当にどこにもいないの? 知り合いの家とかには…」

梨花「あの子には私以外に知り合いなんかいない!!」

知恵「っ!! わ、わかりました…今校長先生に知らせてきますから。みんなは少しだけ待っててください」

梨花「うう…あぅ…」

沙都子「梨花…」

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 18:51:56.50 ID:6v4xw8AN0

─────

圭一「多分もう俺ん家に来てる頃だから、俺は魅音にこのことを知らせてくる。二人はレナに知らせてくれ」

沙都子「わかりましたわ」

梨花「うう…羽入…どこなの…羽入…」

沙都子「梨花、しっかりしてくださいまし! 大丈夫ですわきっと羽入さんはすぐに見つかりますから…」

梨花「ぐすっ…」

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 18:59:23.21 ID:6v4xw8AN0


 ガチャッッ

魅音「お、圭ちゃん。遅かったねー勝手に上がらせてもらったよ。何してたの?」

圭一「ぜえっ、ぜえっ…」

魅音「あーそうだ。それよりさぁ、昨日はいったい何やってたんだよぉ。おじさん圭ちゃんくるの待ってたんだよ? すっぽかしやがって〜」

圭一「魅音、大変なんだ…!」

魅音「? なに、どうしたの」

圭一「羽入が…羽入が行方不明になっちまったらしい」

魅音「え…」

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 19:04:30.68 ID:6v4xw8AN0

魅音「ゆ、行方不明? それホント?」

圭一「ああ、マジみたいだ…」

魅音「ちょ、ちょっとちょっと大丈夫なの?」

圭一「わかんねえよ! あいつがいなくなる前に最後に会ったのが俺らしいんだけど、でも変わった様子なんかなかったから…!」

魅音「け、圭ちゃん落ち着いて。ホントに行方不明なの?」

圭一「だからわかんねえって! でも丸一日家に帰ってきてないなんてどう考えてもおかしいだろ!」

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 22:56:58.01 ID:aeoYzO73P

魅音「そうかな?」

圭一「そうかなって…」

魅音「羽入は結構放浪癖みたいなのがあったし、一人で遊びに行ってるだけじゃない? もう少し様子を見てもいいと思うけど」

圭一「……」

魅音「そんなことよりさ圭ちゃん。今は他人のことより自分のことを…」

圭一「そ、そんなことよりだと…」

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 23:05:04.05 ID:aeoYzO73P

圭一「なんだよそれ…! おい! おまえ心配じゃねえのかよ! 羽入は仲間じゃなかったのか!?」

魅音「ち、違うよ圭ちゃんあたしは心配じゃないなんて…」

圭一「ざけんな! ふざけんなよ魅音! どういうつもりだよ!?」

 ギュウッッ

魅音「い…! い、痛いよ圭ちゃん…!」

圭一「あ…」


圭一「…わ、悪い…つい…興奮しちまって…」

魅音「……」

圭一「…でも俺は…心配なんだよあいつが…もし何かあったら…」

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 23:09:51.32 ID:aeoYzO73P

魅音「…わかったよ。あたしも協力する。園崎の人間も使って捜索させるよ」

圭一「魅音…」

魅音「確かに…何かあってからじゃ遅いしね。町中の人に捜索してもらえるよう言ってみる」

圭一「……」


圭一「すまん…俺一人の力じゃ結局何もできやしないのに…それなのにおまえに八つ当たりなんかして…」

魅音「ううん、いいんだよ。さっきはあたしも無責任だった。あたしも羽入の仲間だもんね」

圭一「ありがとう魅音…」

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 23:24:46.83 ID:aeoYzO73P

─────

梨花「羽入ー! はにゅーーー!!」

沙都子「羽入さーーん! 返事してくださいましーー! いないならいないって言ってくださいませーー!」


レナ「…見つからないね。どこにいっちゃったんだろう羽入ちゃん…」

圭一「これだけ探してもいないってことは興宮の方かなぁ…」

魅音「みんなーーっ」

レナ「!!」

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 23:39:51.00 ID:aeoYzO73P

圭一「魅音! 見つかったのか!?」

レナ「……」

魅音「ううん。まだ…」

圭一「…そうか…くそっ。どこいっちまったんだよあいつ…」

魅音「みんな、今日はもう遅いしさ。いったん解散しよう。それで続きはまた明日にしよう」

梨花「そんな…! 嫌よ! 私はまだ探すわ!」

魅音「こんなに遅くなっちゃ危ないよ梨花。梨花にまでいなくなられたら困るよ!」

梨花「でも…でも!」

魅音「大丈夫。警察にも連絡したからすぐ動きだしてくれる。大丈夫だよ」

梨花「……」

232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/24(日) 00:04:26.84 ID:cTPzekGFP

魅音「では、今日の捜索はここまでにして、解散いたします。みなさん、また明日もよろしくお願いします」

「うーーーっす」

魅音「…じゃあねみんな。気をつけて帰るんだよ」

沙都子「さようならなのですわぁ」

梨花「グスッ、グスッ…」


レナ「……」フルフルフル

圭一「…? ど、どうしたレナ…? おまえ、すげー震えてるぞ。寒いのか…?」

レナ「ううん。なんでもない、なんでもないの…」

236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/24(日) 00:11:30.44 ID:cTPzekGFP

レナ「…ねえ、圭一君」

圭一「ん?」

レナ「羽入ちゃんがいなくなる前に…最後に会ってたのは圭一君なんだよね…?」

圭一「え、あ、ああ…で、でも。俺は何も知らないぜ…!」

レナ「うん、わかってる…二人で何してたの?」

圭一「えっと…興宮まで買い物にいって帽子買って、それで喫茶店入ってパフェ食べてしゃべって…それくらいだ」

レナ「魅ぃちゃんのこと放っておいて?」

圭一「え?」

レナ「昨日も来てたんじゃないの? 魅ぃちゃん…」

圭一「ああ、うん、まぁ…でも、お互いできない時はできないでいいってことになってるからな」

レナ「でも、魅ぃちゃんは怒ってたでしょ…?」

237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/24(日) 00:19:14.77 ID:cTPzekGFP

圭一「いや…というかそれ、何か羽入と関係あるのか?」

レナ「う、ううん。別に。なんでもないよ」

圭一「なんだよ。もしかして何か心当たりあるのか?」

レナ「違うよ。本当になんでもないよ。ちょっと気になっただけだから…」

圭一「…そうか」

レナ「……」

239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/24(日) 00:23:54.89 ID:cTPzekGFP

─────

圭一「結局今日も見つからなかったな…あいつがいなくなってもう一週間も経つってのに…くそっ」

魅音「…ねえ圭ちゃん。羽入のことが心配なのはわかるけど…でも、勉強もしようよ」

圭一「…悪いけど…とても勉強なんか手につかねえよ…」

魅音「ダメだよそんなこと言ってちゃ。圭ちゃんは絶対あたしと同じ学校に来るんだから…」

圭一「……」

魅音「…大丈夫だよ。きっと羽入なら見つかるから…」スッ

圭一「…? お、おい…魅音…むぐっ…!」

242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/24(日) 00:45:34.60 ID:cTPzekGFP

魅音「圭ちゃん、圭ちゃん…好きだよ…」

圭一「んっ…! ば、馬鹿やめろ…むぐっ」

魅音「圭ちゃんはあたしのこと嫌い…?」

圭一「き、嫌いじゃないよ…」

魅音「嫌いじゃないだけ?」

圭一「…好き、だ…けど…でも今は…」

魅音「……」シュルシュル

圭一「!! み、魅音…」

魅音「圭ちゃん…」

243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/24(日) 01:02:41.68 ID:cTPzekGFP


魅音「ん…あっ…あん…!」

魅音「好き…圭ちゃん…好き…!」

魅音「絶対渡さない…圭ちゃんのこと…誰にも渡さないから…!」

圭一「うあっ…」

魅音「きゃうっ!!」

246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/24(日) 01:19:35.34 ID:cTPzekGFP

─────

沙都子「羽入さんがいなくなってからもう2週間にもなりますわね…」

梨花「…羽入…返事して…羽入…」ブツブツ

沙都子「梨花……」


レナ「これだけ探しても見つからないってことは、何か事件に巻き込まれた…のかもしれないよね」

圭一「…かもしれない。でもだったとしたら、絶対助け出すぜ。梨花ちゃんのためにも」

圭一「こんな世界は望んじゃいねえんだ。みんなが笑いあえる世界…それが普通のはずだ」

レナ「……」

313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/24(日) 22:38:42.84 ID:cTPzekGFP

レナ(…そんなはずはない、そんなはずないよ…)

レナ(…だけど、今はそれくらいしか心当たりがない…)

レナ(……)

314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/24(日) 22:43:55.21 ID:cTPzekGFP

─────

魅音「あれー? レナ、どうしたの急に?」

レナ「……」

魅音「あはは。いやーレナがうちに来るなんて久しぶりだねぇ! さ、あがってあがって!」

レナ「あ…うん…」


魅音「今お茶とお菓子持ってくるからちょっと待っててね!」

レナ「……」

315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/24(日) 22:49:01.82 ID:cTPzekGFP


 ズズッ

魅音「…どう、勉強の方は。進んでる?」

レナ「あはは…うん、まぁ…そこそこ、かな、かな」

魅音「はは。レナがそこそこって言うならきっと大丈夫だね。試験もうすぐだけど、がんばってね」

レナ「うん、ありがと…」


魅音「…で、どうかしたの?」

レナ「え?」

魅音「何か話があって来たんじゃないの?」

レナ「…うん」

317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/24(日) 22:52:38.70 ID:cTPzekGFP

レナ「魅ぃちゃん…」

魅音「ん?」

レナ「いきなり変なこと聞くけど…魅ぃちゃんは…もしかして羽入ちゃんがどこにいったか、知ってるんじゃない?」

魅音「え…」

魅音「あ、あたしが? なんで?」

レナ「…なんとなく、そんな気がしただけ…」

魅音「ちょ、ちょっと待ってよ。そりゃないよレナ。当て推量もいいとこだよ。もしあたしが知ってるならどうして誰にも言わないのさ」

レナ「魅ぃちゃんが羽入ちゃんを閉じ込めてる…違う?」

魅音「!!」

319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/24(日) 22:57:14.64 ID:cTPzekGFP

魅音「…あは…あっはっは! ちょっとちょっと、どうしちゃったのレナぁ? なんでおじさんがそんなことしなきゃいけないわけぇ?」

レナ「……」

魅音「おもしろい推理だけど、残念ながら的はずれだねぇ。あたしは羽入がどこに行ったかなんて全然知らないよ。ごめんね」

レナ「……本当?」

魅音「ホントほんと! あっはっは。ビックリしたなぁもう。まさかおじさんが疑われてるとはなぁ」

レナ「…そっか。ごめんね、変なこと言って」


レナ「…あと、魅ぃちゃんにもう一つ謝らなきゃいけないことがあるの」

魅音「ん、なに?」

320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/24(日) 23:01:55.93 ID:cTPzekGFP

レナ「圭一君のこと」

魅音「……」ピクッ

レナ「この前魅ぃちゃん、圭一君と付き合ってるって言ったけどさ…あれ、嘘だよね?」

魅音「…!」

魅音「…な、どうして…」

レナ「だって、私と圭一君、付き合ってるんだもん…魅ぃちゃんが卒業しちゃう前から…」

魅音「っ!?」

324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/24(日) 23:05:56.94 ID:cTPzekGFP

魅音「…う、嘘…」

レナ「ごめんね魅ぃちゃん…黙っててごめんね…魅ぃちゃんの気持ち知ってたのに…」

魅音「嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ…」

レナ「嘘じゃないよ。去年の冬休み前に圭一君がレナに言ってくれたんだよ。好きだって」

魅音「嘘だッッ!!」

 ガバッッ

レナ「っ!? あぐっ…!!」

魅音「嘘つけっ!! だって圭ちゃんはあたしとした!! あたしを受け入れてくれた!! 圭ちゃんはあたしのもんだ!!」

レナ「ふふ…どうせ無理やりせまったんでしょ…? 圭一君優しいから…」

332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/24(日) 23:11:10.60 ID:cTPzekGFP

魅音「こ、このっ…!!」

 ドカッッ

魅音「!! うぐっ…」


レナ「はぁ…はぁ…魅ぃちゃん。魅ぃちゃんなんでしょ? …羽入ちゃんをどこにやったの」

魅音「はぁ…はは、ははは! あのガキならバラバラにしてやったよ…! 乳臭いガキのくせにあたしの圭ちゃんにちょっかい出しやがって…!」

レナ「!! やっぱり…!」

魅音「おまえもすぐにそうなるんだ!!」ダッ

レナ「!!」バシュッ

335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/24(日) 23:14:15.13 ID:cTPzekGFP

魅音「うわっ!! な、なんだ…これっ…!」

レナ「痴漢撃退用のスプレーだよ。ごめんね魅ぃちゃん、おとなしくしてて…!」

魅音「う、うああああ…! こ…このっ!!」

 バチバチバチッ

レナ「あっ!!!」ガクッ


魅音「げほっげほっ!!」

魅音「…はあー、はあー、はあー…」

魅音「はあ…くく、助かったよ詩音。いいもの忘れていってくれて…」

魅音「…はは、あはは…あははははははははは!!」

339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/24(日) 23:17:29.52 ID:cTPzekGFP


 ギイッ

レナ「…ん…うう…」

レナ「…あ…ここ…は」


魅音「あははは。ようやくお目覚めかい? レナ」

レナ「!! み、魅ぃちゃん…!」

魅音「さっきはよくもやってくれたね…たっぷりお返ししてあげるからね。楽しみにしてなよ」

レナ「……!!」

魅音「あーそうだその前に」

レナ「え…あ…!!」

343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/24(日) 23:20:54.74 ID:cTPzekGFP

羽入「…あ…ぅ…」

レナ「羽入ちゃん…!! 羽入ちゃん! 羽入ちゃん!!」

魅音「あはは。手足ぶった切ってやったってのにしぶといねぇ! やっぱりあんた人間じゃないんだろ?」

羽入「…り…か…りか…」

魅音「レナにも見せてやりたかったなーこいつが悲鳴あげてもがくところをさぁ。おもしろかったよぉ」

レナ「ひ、ひどい…」

魅音「でも次の玩具が手に入ったからね。あんたはもういいや。じゃあね」ヒュッ

 グチャッ

レナ「!!!! あ…あああああ…!!」


魅音「ふふ、ここにはいろんな種類の拷問器具があるからねぇ。どんなのがいい? ねえ、レナ…」

349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/24(日) 23:32:20.04 ID:cTPzekGFP

─────

圭一「レナが…家に帰ってきてない…?」

知恵「…はい。昨日竜宮さんのお父さんからそういう連絡が…」

圭一「…冗談だろ…」

沙都子「羽入さんの次はレナさんだなんて…どうなってますの…」

梨花「もういや…いや…」

367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 00:27:58.89 ID:y7vx93a7P

圭一「なんだってんだよ…もうオヤシロ様の祟りは終わったんじゃねえのかよ…違うのかよ…!」

沙都子「どうしましょう…どうしたらいいんですの圭一さん…ねえ圭一さん!」

圭一「そんなこと俺だってわかんねえよ!」

沙都子「ひっ」

圭一「あ…わ、悪りぃ…」

沙都子「うっ…ぐすっ…うう…ああああああん」

圭一「……」

369 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 00:43:41.27 ID:y7vx93a7P

圭一「…ん?」カサッ

圭一「なんだコレ…机の中にメモみたいな物が…」

圭一「…!!!」


圭一「さ、沙都子…梨花ちゃん…! コレ…!」

沙都子「ひっぐ…うう…?」

梨花「…?」

372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 00:49:03.25 ID:y7vx93a7P

─────

魅音「はーーい…あれぇ? どうしたの、みんな揃って…」

圭一「……」

沙都子「…魅音さん…」


梨花「魅音。羽入もレナもこの中にいるんでしょ…?」

魅音「え、ええっ? い、いきなり何の話…」

梨花「しらばっくれないで!!!」

376 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 01:09:44.90 ID:y7vx93a7P

魅音「!! ど、どうしたの梨花ちゃん…」

圭一「魅音…コレに書いてあるんだ…俺の机の中にあった。レナの書置きだ」

魅音「…え」

『私はこれから魅ぃちゃんの家にいってみようと思います。
 私の勘だけれど…魅ぃちゃんが羽入ちゃんの居場所を知っているような…そんな気がするからです。
 多分…ううん絶対そんなことはないと思うけど…
 もし、明日私が学校に来なかったら、その時は圭一君が魅ぃちゃんを止めてあげてください レナ』


魅音「……」

圭一「…魅音…二人をどうしたんだ…?」

圭一「どうしてこんなことをするんだ…? 魅音…」

377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 01:15:38.86 ID:y7vx93a7P

魅音「…くっ…あっはっはっは!」

魅音「あはは…いやーまいったなぁ…まさかもうバレちゃうとは…さすがレナだねぇ。抜け目ないっていうか…あっはっは」

圭一「魅音…」

梨花「羽入は…羽入は無事なの!? どこにいるの!?」

魅音「大丈夫だよ梨花ちゃん。羽入もレナも無事…地下に二人とも閉じ込めてあるだけ」

魅音「ついてきて…今二人に会わせてあげるよ」

圭一「……」

380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 01:18:00.79 ID:y7vx93a7P


 ギイッ…

魅音「こっちだよ」

梨花「羽入…羽入!!」

 タッタッタ


圭一「…魅音。どうして…どうしておまえこんなことしたんだよ? あの二人と何かあったのか…?」

魅音「…ふ…ふふ。圭ちゃん…」

圭一「ん…?」

魅音「あたしはね…圭ちゃんのことが好きなんだ…ずっと前から…ずっと…」

382 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 01:20:57.05 ID:y7vx93a7P

魅音「高校に入って離れ離れになっちゃったけど…でも、毎日圭ちゃんのこと考えてた」

魅音「いっしょに二人で勉強できるようになって…本当に嬉しかったよ」

魅音「同じ学校で…また圭ちゃんとおしゃべりしたかった」

魅音「圭ちゃんのことが好き…それだけなのに…どこでおかしくなっちゃったのかねぇ…」

圭一「み、魅音…?」


梨花「ひっ…いやああああああ!!」

圭一「!!?」

梨花「羽入!! 羽入!!!」

沙都子「梨花!? どうしましたの!? り…!」

 グチャッッ

386 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 01:33:59.55 ID:y7vx93a7P

圭一「え」

沙都子「あっ、がっ…」ブシュウッ

圭一「さ…沙都子…沙都子!!」

魅音「くく…」

圭一「魅音!!! おまえいったい何して……うっ」

魅音「あはっ、あはは。あはははは!!」

圭一「……」ゾクッ

魅音「圭ちゃん…圭ちゃんも言ってくれたよね。あたしのこと好きだって」

魅音「だからここで暮らすんだ…いっしょにずっと…二人きりで暮らすんだよ」

圭一「おまえ…何言ってんだ…」

388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 01:38:21.31 ID:y7vx93a7P

梨花「圭一!! レナも羽入も…二人とも…二人とも死んで…!?」

梨花「沙都子…沙都子!!!」

魅音「あははははは!!!」

梨花「魅音!! あんた…あんたまさかL5に…」


魅音「ねえ圭ちゃん…一つだけ聞かせて」

魅音「圭ちゃん…レナと付き合ってたって本当なの…?」

圭一「何言ってんだ…何言ってんだよおまえ…!?」

魅音「答えて」

圭一「レナとは付き合ってなんかいない!」

魅音「…!!」

391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 01:46:16.51 ID:y7vx93a7P

魅音「そっか…そっか。ふふ…くくく。やっぱり嘘だったんだねレナ…」

魅音「よかった…よかったよ。これで安心して二人で暮らせる…」

魅音「あとは…あとはあんただけ…!!」ヒュッ

梨花「!? ひっ…」

圭一「馬鹿、やめろ魅音!!」

 グシャッ


魅音「あ…」

圭一「がっ…」

魅音「け…圭ちゃん…」

392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 01:50:09.74 ID:y7vx93a7P


 ドサッ

梨花「け…圭一、圭一!!」

魅音「圭ちゃん…圭ちゃん!! いや、いやああ!!」

圭一「あ…」

魅音「やめて…いや…圭ちゃんが死んだら…あたし今までなんのために…!!」

魅音「ごめんなさい…ごめんなさい…圭ちゃんお願い…死んじゃいやだよぉ…圭ちゃん…!」

圭一「魅音…」

394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 01:52:37.86 ID:y7vx93a7P

魅音「圭ちゃん…!」

圭一「魅音…? はは…ははは」

圭一「はは…そうかわかった。心配するなよ魅音…こいつは全部夢だ…俺が見てる悪い夢…」

圭一「だから俺の目が覚めれば全部元に戻ってる…それでみんなで部活やってるんだ…だから…大丈夫だよ魅音…」

魅音「け…」

圭一「夢なら…いいよな。言ってもいいよな…」

圭一「わかったんだ…俺も…ずっと前から…魅音…」

 ガクッ

魅音「あ…」

397 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 01:54:58.82 ID:y7vx93a7P

魅音「あ…ああ。いや…いや…圭ちゃん…」

魅音「どうして…圭ちゃんが死んじゃったら…あたし…あたし…あた…」

魅音「…?」

魅音「沙都子…? 羽入…レナ…! どうして…どうしてみんな死んでるの…誰がこんなこと…!!」

魅音「誰が…誰が…!? 誰がこんなことしたの…ねえ…誰が…!」


梨花「…あんたがやったんだよ」

魅音「え」

梨花「この人殺し!!!」

 グチャッッ

398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 02:00:28.39 ID:y7vx93a7P

魅音「あ…」

 グチャッ

梨花「返せ!! せっかく…せっかくつかみ取った…!!」

 グチャッ グチャッ

梨花「100年かけてつかみとった幸せを!! 返せ!! 返せええええ!!」

 ゴキッッ


魅音「…ごふっ」

梨花「はあっ! はあっ!!」

魅音「……」


魅音「…ごめん…」

魅音「ごめん…梨花ちゃん…ごめん…みんな…」

魅音「ごめんね…圭ちゃん…ごめんね…」

411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 03:50:07.76 ID:y7vx93a7P

─────




魅音「…あれ」

魅音「あたし…何してたんだっけ。あれ?」

魅音「そうだ…たしか今日の学校に来て圭ちゃんに勉強教えてもらってたんだっけ。それでその後…」

羽入「目が覚めたですか?」

魅音「わっ! は、羽入? ど、どこから出てきたのあんた」

羽入「あぅあぅ」

413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 03:54:27.01 ID:y7vx93a7P

羽入「…魅音。何も覚えていないのですか?」

魅音「え…覚えてないって、何を?」

羽入「…なんでもないのです。覚えてなくてよかったのですよ。あぅあぅ」

魅音「なんのこと?」

羽入「いいのです…元々魅音がああなってしまったのも全て僕の責任なのです…ごめんなさいなのです」

魅音「?」

415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 03:57:58.56 ID:y7vx93a7P

羽入「魅音。僕は今から最後の力で時を戻そうと思いますのです…でも、もしかしたら…成功しないかもしれないのです」

魅音「は…時を、戻すぅ?」

羽入「でも…もし成功したら。魅音は…もっと自分に正直になってくださいなのです。圭一のことが好きなら、そう素直に言うのです。約束なのですよ」

魅音「え…ちょ、ちょっといきなり何言ってんのよあんた!?」

羽入「圭一も魅音のことが好きなのです。だから魅音は嫉妬しないで。圭一のことを信じてあげてくださいなのです。あぅ」

魅音「ちょ、ちょっとぉ…!」

羽入「ではいくのですよ。んっ…」

魅音「え? …あ、あれ…? あ…」

417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 04:00:09.95 ID:y7vx93a7P

─────




魅音「……」

圭一「おい…おいこら魅音」

魅音「ん…あ…え?」

圭一「こらっ! 人が勉強教えてやってるってのに居眠りするとは随分じゃねえかおい!」

魅音「あっ…え…け、圭ちゃん?」

圭一「何寝ぼけてんだよまったく」

羽入「あぅあぅ。魅音は寝ぼすけなのです」

レナ「はぅ…魅ぃちゃんの寝顔…可愛かったよぅ!」

沙都子「おっほっほ! 魅音さまともあろう方が居眠りするとは。たるんでますわぁ!」

418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 04:02:36.43 ID:y7vx93a7P

魅音「あ…」

魅音「け…圭ちゃん…圭ちゃん!!」

 ぎゅうっ

圭一「おわっ!?」

レナ「きゃっ!?」

圭一「なんだ? ど、どうしたんだよ魅音?」

魅音「ぐすっ…あうう…うう」

圭一「み、魅音…?」

魅音「怖い…怖い夢見てた…あたしが…あたしが圭ちゃんのこと…ううう…」

圭一「ゆ、夢って…あのなぁ…子供かおまえは!」

羽入「圭一。いいから優しく抱きとめてあげるのですよ。あぅあぅ」

圭一「え、ええ? わ、わかったよ…よしよし。もう大丈夫だぞ」ナデナデ

魅音「あううう…」

419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 04:04:50.92 ID:y7vx93a7P

羽入「梨花も。起きるのですよ。あぅあぅ」

梨花「ん……え、あ……」

梨花「え…? 羽入…? は、羽入! あ、あんた…」

羽入「おはようなのです」

梨花「お…!」

梨花(おはようじゃないわよ…! まさか…戻したの?)

羽入(はい。正真正銘…これが最後の力なのです。でも…成功してよかったのです。あぅ)

梨花「羽入…」

422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 04:07:54.10 ID:y7vx93a7P

梨花「う、うう…」

梨花「…ぐすっ…ぐすっ…よかった…本当によかった…ありがとう羽入…今までで一番怖かった…」

羽入「もう大丈夫なのですよ。今は去年の夏休みが終わった頃なのです。みんななんともないのです。もう心配いらないのです」

梨花「ぐすっ…」


梨花「…ああもう! ほっとしたら腹たってきた…! 魅音に一言言わなきゃ気が済まないわ」

羽入「だ、ダメなのです! 魅音は全て夢だったと思ってるのですから! そっとしておいてあげてくださいなのです!」

梨花「……」

梨花「…わかったわよ…」

423 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 04:10:15.86 ID:y7vx93a7P


梨花「…それにしても、まさか魅音まで発病しちゃうとわね。詩音にそっくりだったけど、やっぱり双子ってことかしらね…」

梨花「結局今回はどうしてあんなことになっちゃったわけ?」

羽入「どうにも魅音の嫉妬が原因みたいなのです。だから僕も殺されちゃったのですよ」

梨花「嫉妬って…圭一?」

羽入「はい。どうやら魅音は僕たちが思ってるよりもずっと圭一のことが好きなようなのです」

羽入「卒業して離れ離れになった後も、魅音はずっと圭一のことが好きだったのです。会えない時間が長かったせいでL5にかかってしまったようなのですよ」

梨花「え、ちょ、ちょっと待って。つまりもしかしてこのまま放っておいたらまたあんなことになっちゃうんじゃないの?」

羽入「…かもしれないです」

梨花「ちょ、ちょっとぉ…! じゃあどうすればいいのよ…!」

425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 04:12:39.17 ID:y7vx93a7P

羽入「解決策はあるのです。魅音と圭一をくっつければいいのです。もう離れることのないように」

梨花「え、くっつけるって…付き合わせるってこと? そんなことでいいの?」

羽入「そんなことと言っても難しいですよ? 魅音は筋がね入りの照れ屋なのです」

羽入「でも、圭一も魅音のことが好きなのです。だからきっと上手くいくのですよ」

梨花「そ、そうだったの? ふーん…ならそんなに難しい話じゃないわね」

羽入「でももう時間は戻せないのです。ミスは許されないのですよ」

梨花「わかってるわよ…あ」

427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 04:15:26.48 ID:y7vx93a7P

梨花「羽入。あれ…圭一と魅音じゃない…?」

羽入「あぅ?」

梨花「あんなところで何してるのかしら…ちょっと何話してるか聞いてきて! もしかしたら…」

羽入「あぅ。了解なのです」


圭一「…なんだよ魅音いきなり。話があるって…」

魅音「……」

428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 04:18:05.17 ID:y7vx93a7P

魅音「…あのね、圭ちゃん…」

圭一「ん?」

魅音「あたし…さっき見た怖い夢が…どうしても頭から離れなくて…それで…」

圭一「夢? なんだよそんなもん…大丈夫だって。すぐに忘れるからさ」

魅音「……」


魅音「あたし…あたし圭ちゃんのことが好き…」

羽入「!!」

圭一「は…」

429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 04:20:38.78 ID:y7vx93a7P

圭一「はぁ!? ちょ、ちょっと待てなんで怖い夢からいきなりそんな話になるんだ!?」

魅音「べ、別にいいでしょそんなこと! …その…圭ちゃん…は…あたしのこと…」ブルブル

圭一「……」


圭一「えーーっと…その…いきなりすぎて…混乱しちまってるけど…」

圭一「…俺も…魅音のこと…その…好きだ」

魅音「…!! ほ、本当に…!?」

圭一「ああ。ずっと前から…いや、多分。転校して来た時からかもしれない」

圭一「おまえがいたから…今の俺はあるんだと思ってる。ありがとな、魅音」

魅音「うっ…うええええええん…!」

圭一「お、おい。なんで泣くんだよ…!?」

魅音「だって…だって嬉しくて…」

羽入「……」

430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 04:23:02.92 ID:y7vx93a7P

羽入「…梨花! やったのです! もう問題が解決したのですよ!」

梨花「えっ!? 本当に!?」

羽入「はい! 魅音が告白したのです! 圭一も好きだと言いました!」

梨花「……」

梨花「はぁ〜よかった……っていうか馬鹿らしいわね。こんなことのせいで一年も戻されるなんて…」

羽入「別にいいじゃないですか! これで魅音も圭一も幸せなのです! ハッピーエンドなのですよ! あぅあぅあぅ!」

梨花「…ま、そういうことにしておくか。ふふ」

梨花「…絶対仲良くやりなさいよ二人共。もうあんなのはコリゴリだからね」

491 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 04:35:48.17 ID:y7vx93a7P

魅音「えぇぇん…本当に…本当に付き合ってくれるの…? あたしなんかと…?」

圭一「本当だって…! だからいい加減に泣きやめよぉ…」

魅音「うあああああん…」




レナ「……」

レナ「……くっ」

レナ「くっ、くっ、くっ…あはっ…あははははは!!」

レナ「ふぅん…そう…よかったね魅ぃちゃん…よかったねぇ…あは…あははははは!!!!!」

494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 04:38:09.29 ID:y7vx93a7P



500 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 04:41:04.33 ID:y7vx93a7P

結局こんなクソみたいな終わり方になってしまった…
保守してくれた人ごめんなさい

504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/25(月) 04:43:35.06 ID:y7vx93a7P

最後何があったのかわからんけど猿さんくらってたから正直助かった
魅音最高!!



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