ハルヒ「歌舞伎町の女王に、あたしはなるわよ」


メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:キョン「いい加減にしろよ!このクソ女!」ハルヒ「な、なによ!」

ツイート

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/11(月) 12:08:52.25 ID:oiBN4K5mO

キョン「歌舞伎町の女王?なんだそりゃ」

ハルヒ「歌舞伎町で女王といえばNo.1ホステスに決まってるじゃない!」

キョン「決まってると言われてなぁ…、大体ホステスがどういう仕事か分かってんのか?」

ハルヒ「もちろん、お客様に笑顔をもたらす夜の太陽なのよ!」

こいつは先程まで食い入るように読んでいた女性週刊誌を俺に見せつけ、そう豪語する。

キョン「そんなもんに書いてる事鵜呑みにしてんじゃねぇよ。実際はもっと陰鬱な仕事なんだぞ」

古泉「まぁまぁ、落ち着いて。それより何故その様な物に興味を?」

ハルヒ「実はうちの部費が底を着きかけててね、手取り早く稼ぐならこれかと」

部費…?んなもん何に使ってたんだ、それ以前に貰ってたのかよ。

みくる「あのぉ…それってもしかして、わたし達も……?」

ハルヒ「もちろんよ、部費の為なんだもの部員全員強制参加よ!」

みるみる顔が青ざめていく朝比奈さん、心中お察しします。

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 12:52:58.74 ID:oiBN4K5mO

キョン「コイツに接客なんぞ勤まるわけがないと思うが」

古泉「余計な心配をせずとも面接で落とされるでしょう。何しろ彼女らは高校生ですし」

ハルヒ「その辺りは心配ないわよ、知り合いのおじさんが近々新規オープンする店で雇ってくれるって」

古泉「それは……丁度良いタイミングで」

ハルヒ「取り敢えず五人いれば足るって言ってたから、後二人ね。あんたら心当たりない?」

どうやら長門と朝比奈さんは確定らしい…、心当たりねぇ。

ハルヒ「そうだ、あんたの妹ちゃんとかどうかしら」

キョン「アホかオマエは!全力で拒否させてもらう」

ハルヒ「冗談よ、冗談。にしても困ったわね」

古泉「……仕方ありません。僕に一人心当たりが」

長門「わたしもある」

ハルヒ「ほんと!?これで人数の方は大丈夫ね」

みくる「誰なんでしょうか…心当たりって」

朝比奈さんが俺の耳元で呟く、誰だか分からんが嫌な予感がする事は確かだ。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 13:12:49.29 ID:oiBN4K5mO

―放課後―

キョン「すいません森さん、アイツのワガママに付き合わせてしまって」

森「お気になさらないで下さい、これも仕事の内ですから」

キョン「そう言って頂けると助かります。……さて、長門の方は」

朝倉か…。容姿だけなら文句は無いが、ちゃんと仕事内容を理解してるのだろうか。

朝倉「なにキョンくん。心配そうな顔して?有機生命体の事なら大抵は把握してるから大丈夫よ」

キョン「そうか、ならいいんだが…」

長門「よろしく頼む」

朝倉「別にいいわよ、ようはタダ酒飲むだけでしょ」

みくる「間違っては無いけど…心配ですね」

キョン「心配です……」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 13:36:58.68 ID:oiBN4K5mO

キョン「森さんはともかく、お前らは何か勘違いしてるようだから一言言っておく」

ハルヒ「なによ、なんでアンタが仕切ってんの!」

ハルヒからの野次は無視して俺は続ける。

キョン「ホステスって言うのは酔っ払ったオッさんから尻を触られてもニコニコしてなきゃならないんだぞ。お前らにそんな忍耐力があるか?」

朝倉「大丈夫よ、そういう時は、こう胸元にナイフをグサッと」

森「お客様にそんな事をしてはいけませんよ朝倉さん、せめて指を逆方向にボキっと」

キョン「駄目に決まってるでしょうが!森さんまで何言ってるんですか!?」

ハルヒ「甘いわね、キョン。あたしたちがそこらのオッチャンに遅れを取ると思ってんの?」

長門「やられれば三倍返し」

古泉「……いやはや、彼女ららしいと言えばらしいですが」

みくる「ど、どうしましょうキョンくん。わたし格闘技なんか」

頭を抱える俺を余所に、ハルヒの掛け声と共に戦意を高揚させる女性陣達。

ハルヒ「やるからには勝つわよ、エイエイおー!!」

キョン「……もう、どうにでもしてくれ」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 14:10:28.65 ID:oiBN4K5mO

―歌舞伎町―

みくる「ここが歌舞伎町ですかぁ、沢山ネオンがキラキラして綺麗ですねぇ」

古泉「ここでは、酒、女、そして薬……ありとあらゆる願望を満たす事が出来ますからね」

キョン「すまん古泉…そこのマツキヨで胃薬買ってきてくれ」

古泉「分かりました、ただいま」

みくる「だ、大丈夫ですか、キョンくん…」

俺の心配も余所に、前方を我が物顔で闊歩するハルヒ達。しばらくすると小綺麗な建物が見えてきた。

ハルヒ「さすが新規オープンするだけあって、外観は文句無いわね。あたし達のデビュー戦にはもってこいだわ」

キョン「なんだ戦って、何と戦う気なんだアイツらは…」


森「勿論、金で女を思い通りに出来るといったチョコパフェよりも甘い幻想を抱いた男ですよ」スタスタ

朝倉「わたしのタダ酒を邪魔するヤツ、全てが敵よ」スタスタ

長門「読書の邪魔をするなら容赦はしない」スタスタ

キョン「ちょっ、お前ら何しにきたのっ!嫌がらせ!?」


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 14:53:47.78 ID:oiBN4K5mO

―店内―

ハルヒ「言われた通り、五人連れてきたわよオッチャン!」

店長「ほんとに集めたんだ、それじゃまあ審査から始めようか」

ハルヒ「審査ぁ?そんなの聞いてないわよ!」

店長「そうはいっても今日は初日だしねぇ。変な評判が立っても困るだろ」

ハルヒ「仕方ないわねぇ、それじゃさっさと始めてよ。最も私達なら合格間違い無しだけど」

古泉「……いけませんねコレは。微量の閉鎖空間反応が機関の方で計測できました」

みくる「ふぇ、なんでですか、まだ何も…?」

古泉「恐らく、一瞬でも中止になる事が頭を過ぎったのでしょう…。もし本当に中止にでもなったら……」

キョン「考えたくも無いが…。どうやらこの茶番を無事に終わらせなきゃならない訳か」

古泉「その通りです、話が早くて助かりますね」

キョン「そんなこと言われても嬉しくもなんとも無いがな」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 15:18:29.11 ID:oiBN4K5mO

こうして店長による審査が始まった。…だが俺の心配は杞憂に終わったようだ、どうやら容姿のチェックのみで、ハルヒ、長門と続けて合格していった。

キョン「黙ってりゃ、アイツら全員美人のカテゴリーに納まるからな。取り敢えず第一関門は突破ってとこか」

古泉「お静かに、声が大きいですよ、彼女達に聞かれでもしたら…」

みくる「えっと…朝比奈みくるですぅ、お願いしまーす」

店長「みくるちゃん…?それ源氏名だよね。前はどこのお店で働いてたの」

みくる「げんじな…って何ですかぁ?それに私こういうの初めてで」

店長「またまた、その男心を揺さぶる仕草。かなりのやり手ホステスだとみた」

キョン「テメェ、なに朝比奈さんのイメージが危うくなりそうな事言ってんだ!」

ガバッ

古泉「お、落ち着いて下さい!いまここで暴れたら元も子も」

みくる「なんだか分からないけど合格でした……」

朝倉「ふふ、その点わたしなら問題ないわよ。クラスの委員長という高潔なイメージが身体中からほとばしって」

店長「あぁ、朝倉くんだっけ?キミ不合格で」

朝倉「……………え?」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 15:39:05.27 ID:oiBN4K5mO

キョン「ちょっと待ってくれ、中身はともかく外っ面だけならかなり」

店長「眉毛が…ねぇ」

キョン「…は?」

店長「なにその太眉。ここジュリアナ東京じゃかいんだよ、分かってんのお嬢ちゃん」


朝倉「誰がジュリアナ東京よ!太眉なめてんじゃないわよ、この眉には男の夢とロマンが詰まってんのよっ!」

キョン「落ち着け朝倉!分かった、分かってたからナイフ仕舞え!シャレになんねぇから!!」

森「やはりお子様は困ったものですねぇ。まぁ、私は結果などどうでも良いんですが」

朝倉「なっ何その余裕は。…あ、あの顔、絶対の自信に満ちているわ、あれが大人の女だとでも言うの」


店長「森くん?キミも不合格だかんね」

森「………………はい?」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 16:00:18.07 ID:oiBN4K5mO

古泉「ちょっと待ってください、中身はともか……ではなく。性格、容姿とも森さんは素晴らしい方ですよ」

店長「歳が…ねぇ」

古泉「…は?」

店長「履歴書に十八って書いてあるけど、実際もっといってるでしょ。嘘はいけないなぁ、嘘は」


森「何言い掛かりつけてるんですか!私は十八歳です、永遠の十八歳です!妖精は歳をとらないんですよ!!」

ガバッ

キョン「落ち着いて下さい森さん、関節技は不味いですよ!つかこの人が一番大人気なくないか!?」


「すいませーん、ココもうやってますかー?」

ハルヒ「ヤバイわ、お客が来たみたいよ!取り敢えず有希、みくるちゃん行くわよ。お水の花道はもう始まってるんだから!」

長門「了解した」

みくる「ちょっと待っ……ふぇぇ!」

ダッダッダッダッ

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 16:38:17.12 ID:oiBN4K5mO

森「分かりました……分かりましたよ。帰ればいいんでしょ、帰れば」

店長「え?あ…うん、物分かりが良くて助かるよ」

朝倉「ただその前に……」

キョン「店長、危ないっ伏せて!」

俺が叫んだと同時に朝倉と森さんの手から高速のストレートが放たれる。
その軌道は伏せた店長を通過し、互いの顔面に………


古泉「って、あなたは何をしてるんですか!二人共気絶してしまいましたよ」

店長「全くこの子ら何しにきたの…?」


「あれ、何か人少なくない?もしかして店選ぶの失敗したかな」

ハルヒ「心配ないわよ、ウチは量より質がウリなんだから!」


キョン「不味い、客が来ちまったぞ」

古泉「どうするんですか、これでは涼宮さんの機嫌が」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 16:53:15.65 ID:oiBN4K5mO

キョン「えぇい、こうなったら店長、店の化粧品持ってきてくれ!古泉はそこのズラ被れ」

古泉「こうですか……?って、あなたもカツラをポニーテールにして…まさか」

キョン「そのまさかだよ…、世界が崩壊するか、一時の恥か、どっちを選ぶ?」

古泉「わっ……わかりました」


―ホール―

ハルヒ「ほら、これが当店自慢の朝く……」

キョン「キョン子でぇーす。ヨロシクね社長さん」

古泉「一姫です……、宜しくお願いします」



ハルヒ(って、何やってんのアンタ達は…!?)

キョン・古泉(代わりを見つける時間が無かったんだよ(ですよ)!)


「いやぁかなりレベル高いねぇ、特に長髪の子」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 17:17:30.75 ID:oiBN4K5mO

長門「後で沢山奉仕してくれるらしい、早く座るべき」

スタスタ

古泉「ふぅ…幸い、まだ僕たちの正体に気付いていませんね」

キョン「…………………」ガタガタ

古泉「どうかしましたか?顔が青いですよ、まさかこの土壇場で緊張でも」

キョン「いや…、なんかこの客の顔みたことあんだよなぁ。気のせいか……」


ハルヒ「へぇ、あんたも岡部って言うんだ。なにやってるの?」

岡部「しがない高校教師だ。ちなみにハンドボールの顧問もやっとるぞ」

キョン(岡部ぇ、お前教員のくせにこんなトコで何やってんだよ!?)

古泉(ちょっと、もっと笑顔で!怪しまれますよ)

キョン(帰るぞ古泉、こんないかがわしい店で働いてるなんてコイツにバレたら俺達一発で退学だぞ!)

古泉(しかし、それでは閉鎖空間が…)

キョン(世界崩壊と高校中退とどっかが良いんだよオマエは!)

古泉(す、少し落ち着いてください、ほんとにバレますから!)

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 18:26:19.61 ID:oiBN4K5mO

キョン「幸いあいつらも岡部の事がウチの担任だとは気付いていない、ジャージ姿で無かった事が幸いしたか…」

古泉「しかし、いつまでもココに居座られれば、それも時間の問題…どうにかして追い出さなければ」


岡部「いやぁ、俺の生徒もキミ達みたいだったら良んだけどなぁ」

ハルヒ「ほんと、その黄色のカチューシャの子ってほんと世の中舐めてるわね!聞いてるあたしも腹がたってきたわ」

岡部「……ん、なんかキミどっかで見た事ないか、他の店で働いてた事ある?あの店か……それともあっちの店か」

キョン(コイツどんだけキャバクラ通ってんだよ!なんにしてもヤバイぞ)

古泉(これを使って下さい!)バッ

キョン(こ、こいつはハルヒのカチューシャ!)
ハルヒ「何、人の顔ジロジロ見て。追加料金とるわよ」

岡部「お前…もしかして、すず」

グイッ

キョン「岡部さぁん、このカチューシャをよーく見てねぇ。目に穴が空くまで見てねぇ」

岡部「いだだだ、何をするんだキミは!」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 18:37:46.08 ID:oiBN4K5mO

キョン「……はい、もう一度あの子を見る」

岡部「ん……?どこかで見たと思ったが気のせいか」

キョン「ふぅ…アイツがカチューシャを外してるお陰で助かったぜ」

古泉「あなた達はどれだけ記号でしか人を見て無いんですか…」


その時、店の外からだろうか、けたたましいサイレンの音が聞こえてきた。

みくる「…なんでしょう、火事か何かでしょうか?」

古泉「なんだか段々音が大きくなっている様な気がしますね」

長門「入口に二人、裏口に一人……完全に包囲されている」

キョン「包囲?一体なんの話だ」

長門が応える間も無く、勢いよく扉を開けて数名が店内に侵入してきた。
ハルヒ「なによアイツら、いま仕事中なんだから邪魔しないで欲しいわね」

キョン「どうやら客ってわけじゃ無い事は確かだな…」


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 19:04:28.07 ID:oiBN4K5mO

彼らの服装を見る限り、掴まれば退学どころか家族にもバレれることは明白。

キョン「う、裏口だ、裏口から逃げるぞ!このままじゃ妹から一生白い眼で見られちまうっ!!」

みくる「だ…駄目ですぅ、裏口からも人が」

「未成年を働かせている店はここか。全員大人しくしなさい」

キョン「しまった!囲まれたぞッ!」

朝倉「どうやら、そのようね…」ブォン

ドギャッシャン!!

いつの間にか侵入者の背後に回り込んでいた朝倉が、その頭部に回転回し蹴りを放った。

キョン「ってオマエ何してんだよ!マジでヤバイって」

「こいつら、公務執行妨害でたい」

森「公務だかドンペリだか知らないですけど……私達、いま非常に奉仕したい気分でして」

ゴキャ!

古泉「も、森さん!あなたも止めてくださいよ、完全に関節技決まってるじゃないですか」


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 19:16:20.75 ID:oiBN4K5mO

キョン「えぇい、こうなったら道は一つしかねぇ!お前ら全力で走るぞ!!」

ハルヒ「なんだか良く分からないけど……歌舞伎町の女王はこうでなくっちゃね!!」ブォン

バギィィィ!

満面の笑みと共に、裏拳を炸裂させるハルヒ。こうなったらコイツらだけが頼りだ。

ダッダッダッダッ

みくる「ハァ…ハァ…な、何なんですかぁ一体!?」

古泉「説明は後です、とにかく今は走って下さい!」

キョン「捕まったら学校生活どころか人生終了だぞ!……くそっ、スカートじゃ走りにくいぜ」

長門「分かった。わたしに任せて……」

長門は、そう呟くと例の高速詠唱を唱える。瞬時に俺の股間から【禁則事項】が無くなるのを感覚的に理解できた。

キョン「おぉ、これで走り易く………って何してんだよお前は!?戻せ、いいから今すぐ戻せ!!」

古泉「そうですか……」

キョン「なんで残念そうなんだよテメェは!?」


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 19:50:19.14 ID:oiBN4K5mO

必死に歌舞伎町を駆ける俺達を余所に、後方からはあいも変わらずサイレン音が響いていた。

キョン「お、おい、長門いまで何台だ……?」

長門「わたし達を後方から追跡中なのは三台、前方に回り込んでいるのが一台…。無線で救援を求めている様子」

古泉「万事休す……ですかね」

ハルヒ「全く仕方ないわね、あたし達が殿を務めるわ」

そう言うと駆ける足を止め、身体を反転させるハルヒ達。

キョン「なにするつもりだよ!?いいから走れ」

ハルヒ「歌舞伎町の女王がこんな所でやられるわけないでしょ、いくわよあんた達!」

朝倉・森「へい、姐御!」

その刹那、三人は獲物を狩る肉食獣の如く夜の闇を駆けて行った……その姿はまさに、歌舞伎町の女王…その物であった。


みくる「キョンくん…ところで歌舞伎町の女王って一体何なんですかぁ」

…………さぁ。

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 20:24:13.60 ID:oiBN4K5mO

暫くして、俺達はいつもの駅前の公園のベンチに腰を掛けていた。

キョン「さすがに、ここまで来れば安全だろう」

古泉「お疲れ様です。機関の方で燻っていた閉鎖空間の反応も先程、消滅したとのことです」

古泉が安堵の笑みと共に差し出した缶ジュースを、ゆっくりと受け取る。

みくる「ということは涼宮さんはもう満足したという事でしょうか」

長門「そう捉えてかまわない」

キョン「ほんと……あいつは何がしたかったんだろうな」

古泉「それは彼女にしか分かりませんが…一つ分かる事は世界はまた救われた……ということです」

キョン「やれやれ、そんな格好で言っても間抜けなだけだぞ」

俺はそう呟くと、芝居に寝そべった、夜風が火照った身体に心地よい。
他愛のない話を交わす朝比奈さん達の会話に耳を傾けながら、俺はこのいつもの日常を噛み締めるのだった。

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 20:32:41.84 ID:oiBN4K5mO

―キョン宅―

キョン「ただいまー、すっかり遅くなっちまったぜ」

妹「キョンくんおかえりーお母さん怒って…」

キョン「…ん?どうした、その汚物を見る様な目は。……ってしまった着替えるの忘れてた!」

ダッダッダッ

妹「お母さんーキョンくんが目覚めたー!」

キョン「待て!違う、俺はキョンじゃなくてキョン子だ!ほら顎がシャクれてるだろ」

その後一週間は妹は口を聞いてくれなかったのであった。

=おしまい=

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/11(月) 20:56:26.99 ID:oiBN4K5mO

先週のケーブルテレビでやってた銀魂見て勢いだけでやってみました。せめてオチくらい考えとけば良かったか。
それでは



ツイート

メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:アナゴ「磯野家を乗っ取る」