橘「へんしん!」


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4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 00:44:42.77 ID:XBFgPdqP0

橘「仮面ライダー・橘京子は改造人間なのです。彼女を改造した通称『機関』は世界征服を企む悪の秘密結社なのです。
仮面ライダーは人間の自由のために『機関』と戦うのです! 」

古泉「…なにやってるんですかあなたは」

橘「はうっ!?」

古泉「涼宮さんの閉鎖空間で何をやってるのかと聞いているんです」

橘「えっ…えっと…その…れ、練習をば…少々」

古泉「…一体何の練習なんですか。それに言うにことかいて機関を世界征服をたくらむ悪の秘密結社とはあんまりです」

橘「!ひっ!?恐怖メイド女がこっちに!?さ、さらばなのです!!」

古泉「待っ…!くっ…逃げ足だけは速いですね…」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 00:54:52.63 ID:XBFgPdqP0

まさか見つかるとは…このまま落ちると思ったのに

橘「まさか見つかるとは…まだまだ修行が足りないのです…」

キョン「橘か?何をしてるんだ…こんなところで…」

橘「はうぅっ!?」

キョン「…コスプレか?それ。何だっけ…黒い斑点な赤ヘルに怪しい目だし帽?
 それに赤い服とミニスカに黄色い手袋とブーツ…」

橘「え、えっと…こ、これは…」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 01:00:51.36 ID:XBFgPdqP0

橘「そ、それにしても…よくこの扮装でわたしとわかりましたね?」

キョン「まあその…なんだ。いきなり空間からひょいと出てくる栗毛のツインテールとくればお前くらいなものだろう」

橘「ま、まあそうですね。でも閉鎖空間から出るところを見られたのがキョンさんだけで助かったのです」

キョン「いや、まだ明るいし…結構な人が見てたが…その…見てみぬ振りをしてくれてたというか…。
 まあその、着替えた方がいいぞ、それ」

橘「はわっ!?し、失礼するのです!」

キョン「…相変わらず変な奴」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 01:07:53.66 ID:XBFgPdqP0

古泉「んっふ。チェック、です」

キョン「…ふむ」

古泉「ふふふ。どうしましたか。今日はやけに集中力を切らしているようですが。何か気にかかる事でも?」

キョン「ああ。…窓のそとに…ちょっとな。どうもお前に用があるみたいな感じだが」

古泉「おや、あなたもお気付きでしたか」

キョン「あんなにちらちら覗かれたんじゃ嫌でも気付くぞ。ナイトいただきだ。ついでに…チェックメイト、かな?」

古泉「参りました」

長門「パタン」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 01:16:53.79 ID:XBFgPdqP0

古泉「…さてと。橘さん、そろそろお出になられても結構ですよ。さしあたって僕以外に人影は見えないようです」

橘「…」

古泉「今日は普通の制服のようですね。賢明な判断です」

橘「た、担当直輸入に言うのです」

古泉「単刀直入ですね。どうされました?」

橘「あなたがた機関と…あの怪人とはどういう関係なのですか!?」

古泉「…怪人?」

橘「とぼけるのは駄目なのです!証拠は全部上がっているのです!」

古泉「話がさっぱりわかりませんが、証拠とは一体なんでしょうか」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 02:17:42.96 ID:XBFgPdqP0

古泉「…あの、そろそろ話をお聞かせ願えませんか」

橘「すいません店員さん、このパフェもう一ついいですか?」

古泉「橘さん、話を聞いて下さい」

橘「みゃ?え、ええと何でしたっけ」

古泉「…あそこで言えないといってた証拠とか怪人とやらの話ですよ。
 数日前から佐々木さんが寝込まれてしまった。その原因が我々にあるのではないかというあらぬ嫌疑についてです」

橘「そ、そうなのです!…佐々木さんが倒れると同時に、佐々木さんの閉鎖空間に怪しい人影が出没するようになったのです」

古泉「それが件の怪人、というわけですか。しかし怪しいというだけでは…」

橘「ただの怪しさではないのです。なんせ姿形は見えないのに、そこに存在しているという感覚だけは理解できるのです」

古泉「ふむ。たしかに怪しいですが…それではまるで怪人というよりも…幽霊ですね」

橘「足はついていたから怪人なのです」

古泉「やれやれ…どちらでもいいのですが、なぜそれが我々と関連付けられるのでしょうか」

橘「調査の結果その怪人は涼宮さんの閉鎖空間からやって来ていることがわかったのです」

古泉「なんと。しかし妙ですね。我々が閉鎖空間に対応している最中にそのような怪人などを見たという報告はありませんが…」

橘「その点については昨日わたしたちも調査を行っていました。別の人間による報告によると、閉鎖空間発生後しばらくして
 その閉鎖空間から怪人が現れ、佐々木さんの閉鎖空間に向かうところを確認しています」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 02:19:22.81 ID:XBFgPdqP0

古泉「だからといって、我々がその怪人とやらを送り出しているということにはならないのでは?」

橘「そ、その確認を行っていた途中で追い出されてしまったのです」

古泉「…あなたが勝手に逃げ出したんでしょう」

橘「うっ…まあとにかく、わたしたちの分析では、この現象は涼宮さんが何かしらの力を佐々木さんに及ぼそうとしているのでは
 ないかということなのです」

古泉「ふむ。僕からは断言できませんが、我々もおよそそのような推測を行うのではと思います」

橘「問題は、それが確実に佐々木さんの容体を悪化させているということなのです」

古泉「機関では佐々木さんの監視をそれほど詳しく行っている訳ではないのですが(あなたがたの妨害もありましてね)、
 病状はそんなに芳しくないのですか?」

橘「まだ意識はしっかりしていますが…連日原因不明の高熱でうなされています。とても可哀相なのです。
 正直にいうのですが、わたしたちにはもはや手詰まりなのです。機関側で把握している涼宮さんの情報が知りたいのです」

古泉「…情報、ですか。この現象の原因になりうる、最近の出来事といったものでしょうか」

橘「何でもいいんです。手がかりが必要なのです。…たとえば…キョンさんが涼宮さんの前で佐々木さんの魅力を多いに語ったとか」

古泉「たしかにここのところ小規模な閉鎖空間が多発していますが、彼が原因と思われるものはありませんね。
 となると涼宮さんですが…ここ最近の近況といえば…そうですね、あの高校の学園祭を覗きにいった、くらいでしょうか」

橘「学園祭?」

古泉「ええ。僕は同行していないので伝聞なのですが、桜が丘高校といいましたっけ。知り合いの知り合いがライブをやるから観に行く、と」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 02:25:39.58 ID:XBFgPdqP0

唯「Zzzz」

憂「え?この部屋でいいの?…あ、いた。このお姉ちゃん?起こせばいいのね?」

唯「んー、もう朝か…」

憂「とうっ!」

唯「ぐあっ!?」

憂「えーっと…お姉ちゃん、起きて?」

唯「なっ…お前…い、いつのまにそんなに重くなって…!?大きい…女の子!?だ、誰だ!?」

憂「その顔…やっぱり…キョンくん?」

唯「はぁ?」

憂「キョンくんだぁ!わーい!」

唯「ちょ、ちょっと…何なんだ!?って胸があたって…えぇ!?俺にもある!?」

憂「キョンくんが女の子になってる!わーい!」

唯「何が…どうなってるんだ!?」

ぴんぽーん

憂「あっ、憂ちゃん…かなぁ?」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 02:34:40.21 ID:XBFgPdqP0

梓「…朝なのです…。眠いのです。…佐々木さんの様子を見に行かないと…Zzz」



キョン妹「おはようございます。…やっぱり…わたしだ…」

憂「あなたが…電話の憂ちゃん?」

唯「なんだ?…お、おい、お前なんでこんな所に…というか、こいつと俺は…一体…」

キョン妹「あなたが誰かは知りませんが…俺ってことは…やっぱり、あの男性がお姉ちゃんと入れ替わってるのね。
 なんてタチの悪い夢なのかしら。それと、あなたの妹さんはそっち」

憂「わたし?」

唯「ど、どうなってるんだ?」

キョン妹「まず、顔を洗って来て下さい。遅刻しちゃいます。妹さん、洗面の場所はさっき電話でお伝えしましたよね?」

憂「うん」

キョン妹「じゃあお願いします。わたしは朝食を作りますから。…それにしても旅行に行っててくれて助かったなぁ。
 この都合のよさ…さすが夢ね」

唯「わっ!お、おい、トイレどうやってやるんだよ!?」

キョン妹「…言っておきますけど、お姉ちゃんの身体に変なことをしたら殺しますからね?」

唯「は、はい…」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 02:45:56.52 ID:XBFgPdqP0

キョン妹「朝食はこちらです。制服…リボンが歪んでます。ちょっと…」

唯「す、すまん」

キョン妹「いつものこ…ごほん。とにかく、夢だろうがお姉ちゃんが遅刻するなんて絶対駄目です。学校の場所は
 もう覚えましたよね?食器はシンクに付けておいて下さい。
 妹さんの事はわたしから高校に欠席の連絡をしておきますから、ここでおとなしくしていて下さい。
 じゃあわたしは戻ってお姉ちゃんを起こしてから、あなたの妹さんの小学校がありますから、これで失礼します」

唯「あ、ああ」

憂「わーい!おやすみだ!」

唯「…なんか…できた子だな」

憂「…うん」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 02:54:51.16 ID:XBFgPdqP0

紬「うーん、よく寝たにょろ。…この時間…そろそろ起こしにくるかなっ」

こんこんっ

紬「はーい。起きてるにょろ」

斎藤「失礼致しました。朝食の準備が出来ております(…にょろ?)」



澪「うーん、よく寝ちゃいましたぁ。やけに寝心地がよくって…え?ここ、どこですかぁ!?」



みくる「さっ…寒い!?何ここ?てっテント?意味がわからないぞ!?」



鶴屋「うーん、よく寝たわぁ。…この時間…そろそろ斎藤が起こしにくるころね…」



キョン妹「お姉ちゃ…じゃなかった、キョンくん…だっけ、起きないと遅刻するよ!」

キョン「んー、うーいー、あと5分ー」

キョン妹「やっぱりお姉ちゃんだ!お姉ちゃん!起きないと!」

キョン「んー。あれ?ここ…そっか、夢だ。…寝ちゃおっと」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 03:13:36.81 ID:XBFgPdqP0

唯「はぁ…どういう事なんだ。女になってるなんて。…考えるまでもないが、大方ハルヒの仕業なんじゃないか?
 とりあえず、長門か古泉に電話…だめだ番号がわからねぇ」

prrr

唯「着信か…。知らない番号だが…とっていいもんかどうか…ええい!」

古泉「おはようございます。失礼ですが僕の声に聞き覚えはあるでしょうか?」

唯「…おまえか古泉」

古泉「んっふ。その口調で開口一番に僕の名前が出てくるということは、どうやらあなたが平沢唯さんになっているようですね」

唯「らしいな。ちなみに妹が憂とかいうできた子だ。できればああいう風に成長してほしいものだが…ハルヒの仕業なのか?」

古泉「まだ断定はできませんが、長門さんによると情報統合思念体は関与していないとのことなので、おそらくは」

唯「はぁ。とりあえず、どうすりゃいい?」

古泉「まず現在までにこちらで把握している状況ですが、あなたが平沢唯さんという桜が丘高校2年の女生徒と入れ替わっており、
 その他鶴屋さんが琴吹紬さん、朝比奈さんが秋山澪さん、長門さんが真鍋和さんという女生徒とそれぞれ入れ替わっています」

唯「またえらくごちゃごちゃしてるな」

古泉「事態に気付かれた鶴屋さんが先ほどの琴吹紬さんと連絡を取り合ってくれたことで、なんとか混乱が収まりつつあります。
 これ以上の入れ替えが起こっているかどうかは現時点ではわかりかねますが、折をみて連絡を致します。
 ところで、先ほどの話ですが、平沢憂さんとは既に接触されたのですか?」

唯「ああ、まったく出来た子だったぜ。弁当まで作ってくれてるとはな。今彼女に学校の場所を教えてもらって向かっているところだ」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 03:27:53.19 ID:XBFgPdqP0

古泉「それはなによりです。ではそのまま登校を行って下さい。学校では琴吹紬…鶴屋さんと同じクラスということです。
 朝比奈さんや長門さんからも接触があるかもしれません。僕のほうは…何分女子高ということですので…急な話で
 機関員の浸透もままならなりませんから、御容赦ください」

唯「ああ、それは構わんが…向こうは俺の顔をしってるのか?俺は全然わからんのだが」

古泉「彼女たちは把握していますからご心配なく。それでは、また後ほど」

唯「はぁ…どうすりゃいいんだか…ん?」

梓「だから!さっきから言ってるのです!」

唯「やれやれ…どこの世界のちんちくりんツインテールも似たようなもんなのかね」

梓「!む!そこの女!だれがちんちくりんツインテールなのです!」

唯「う…聞こえてたのかよ。なんつー地獄耳だ」

澪「あら?そのツインテール…えっと…梓…さん…ですかぁ?」

梓「?なんなのです?このぱっつん長髪乳でか女は?梓さんだなんて馴れ馴れしいにも程があるのです。
 梓、いまこういう女に話しかけられたのですが、知り合いですか?」

紬「やあ、その顔は唯ちゃんだから…キョンくんだねっ!おはようにょろ!」

唯「?お、おはようございます。にょろって…もしかしてあなたが鶴屋さん…じゃなかった、琴吹紬さん?」

紬「よかった、古泉くんと連絡がとれたんだねっ!こっちの背の高いのがみくるだよっ!」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 03:38:59.16 ID:XBFgPdqP0

澪「おはようございますぅ、キョンくん…じゃなかった、唯さん」

唯「おはようございます。えーっと、秋山澪さん?」

梓「?え?この3人が…先輩?わ、わかったのです」

紬「!梓さん…だっけ、中身は…橘…京子さん、といったかなっ?」

梓「!な、ななななぜそれを!?」

紬「あははっ。鶴屋さんにはまるっとお見通しにょろっ!」

澪「つ、紬さん、名前名前」

紬「おっとしまったっ。…ややこしいなっ」

唯「…やはり橘か」

梓「その口調…もしかしてキョンさんですか?」

唯「ああ」

梓「ふははっ!わたしにはぐるっとお見通しなのです!」

唯「はいはい。…ところで、おまえたちの方ではこの事態について何か掴んでるのか?」

梓「うっ…」

唯「その顔…もういい。わかった」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 03:48:33.57 ID:XBFgPdqP0

澪「橘…梓さん、その電話…まだ向こうで何か喋ってるみたいだけど…いいの?」

梓「いいのです!電話の向こうの梓はわたしの体の癖にてんで使えないやつなので困ってるのです。
 とりあえず梓の希望通り学校へは無事辿りつけそうなのでもう切ってやるのです」



みくる「夢だ夢…こんなのは夢に違いない…」

鶴屋「そう。澪ちゃん、これは夢なのよ。ここではあなたの名前は朝比奈みくるなの(とりあえず学校の場所はわかったけど…困ったなあ)」



キョン「う、うーいー!?これ、どうすればいいの?おトイレ…もれちゃうよぉ!?」

キョン妹「お、お姉ちゃん落ち着いて…いまわたしが一緒に入るから…
 もう、うちもこの家もなんで家族がちょうど旅行でいないの?都合悪いったら!」

ぴんぽーん

キョン妹「は、はぁい!…古泉さんの言ってたお迎えの人かなぁ?ちょ、ちょっと待っててくださぁい!」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 03:58:16.92 ID:XBFgPdqP0

谷口「うおーす朝倉。…なんだ?朝からえらく疲れてるみたいだが」

朝倉「うん、ちょっとね。常識にとらわれた堅物って本当にやっかいだわ。ようやく夢だと丸め込んだところなの」

谷口「はぁ?」

朝倉「ごめんね、聞かなかった事にして。やっぱり疲れてるみたい」

谷口「まぁ、よくわからんが転校が多いといろいろ大変なんだな…」

朝倉「あははは…。はぁ。ややこしいのがもう一人…」

ハルヒ「…」

キョン「え、えへへ」

ハルヒ「…キョン?」

キョン「?きょ、キョンくんだよ?」

ハルヒ「…あんた絶対熱あるでしょ」

朝倉「す、涼宮さん、あたしがキョンくんを保健室に連れて行くわ」

ハルヒ「そう。お願いね。あたしもう少し寝るわ」

キョン「…ふぅ、助かったぁ。ありがとう涼子ちゃん!」

朝倉「どういたしまして…先が思いやられるわね」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 04:15:24.25 ID:XBFgPdqP0

女生徒1「唯ー、おっはよー!」

唯「…」

紬「…キョンくん」

唯「!お、おはようございます」

女生徒1「?どうしたの?ぼーっと…いつもか。熱でもあるの?」

唯「な、ないない。大丈夫大丈夫」

女生徒1「ん?ま、いっか。ところで律まだ来てないんだけどさ、休み?」

唯「り、律?さ、さあ。わからないなぁ」

女生徒1「やっぱり何か変…。まあ、あの律が遅刻でもなさそうだし、いっつも一緒のあんたらがいるんじゃ休みかな」

紬「きっとそうにょ…でしょう」

唯「…」

紬「…ふう。あぶないにょろ」

唯「律って子、友達みたいでしたね。アドレス帳にありますが…連絡しますか?」

紬「やめておくにょろ。律さんが入れ替わってなかった場合はいらない混乱をまねくにょ…招くわ」

唯「そ、そうですね」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 04:23:24.35 ID:XBFgPdqP0

きーんこーんかーんこーん

唯「やっと放課後か…。幸い授業の内容は大体わかるけど…このノートの中身…俺がいうのもなんだが…ちょっとなあ」

和「…」

唯「わっ!?」

和「長門、有希」

唯「な、長門か?…えっと…真鍋…和さんだっけ?」

和「今はそう。あなたはわたしを和ちゃんと呼ぶべき」

唯「あ、ああ」

和「『うん』または『わかったよ、和ちゃん』」

紬「わたしも和ちゃん、でいいかなっ?」

和「いい」

唯「わ、わかったよ、和ちゃん」

和「…音楽準備室に活動拠点がある。来て。…あなたも」

紬「わたしもだねっ。じゃあ早速いこうかっ」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 04:35:02.20 ID:XBFgPdqP0

朝倉「やっと放課後…授業、聞いた気がしないわね。…涼宮さん」

ハルヒ「?なに?」

朝倉「生徒会からの依頼でSOS団の活動内容の視察を今日行いたいんだけど、いいかしら?」

ハルヒ「視察?いいわよ。SOS団の活動を全校に知らしめるいい機会だわ。じゃんじゃん見学して頂戴。
 あたしは掃除当番があるから少し遅れて行くわ。頼りないけど雑用係のキョンに案内させるから、どんどんこき使って良いわよ」

朝倉「ありがとう。じゃ、キョンくん、いこっか」

キョン「うん。それじゃすず…ハルヒ、あとでね!」

ハルヒ「う、うん(…なんだろう今日のキョン…妙に可愛いと言うか…気のせいね)」

朝倉「言葉遣い、直してっていったでしょう?」

キョン「ご、ごめん。つい」

朝倉「まぁいいわ。慣れないと難しいのよね。もう一度説明するわ。歩きながら聞いて。
 あなたは現在SOS団というやや特殊な部に所属していて、活動内容はあの涼宮ハルヒのご機嫌を損ねないこと。ここまではいい?」

キョン「うん。大丈夫だよ涼子ちゃん」

朝倉「SOS団には他に団員として…部員のことね。真鍋和さんと入れ替わった長門有希、
 秋山澪さんと入れ替わった朝比奈みくる、古泉一樹の3人がいる。
 他にもう一人、鶴屋さんという正体不明の女性がいるけど、この人は琴吹紬さんと入れ替わっているわ」

キョン「ねぇねぇ、あずにゃんは?」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 10:44:51.26 ID:XBFgPdqP0

朝倉「あずにゃん?」

キョン「中野梓っていうんだけどさ、知らない?」

朝倉「…ちょっとまってね。…ぴぴっ」



和『…ぴっ。なに』

朝倉『パーソナルネーム中野梓に関する新しいネタってある?こちらは彼女の平沢唯側の呼称が「あずにゃん」と判明したくらいだけど』

和『現在その該当対象に偶発的な接触をされ情報収集を行っている。回線を保つのでそちらでモニタリングしてほしい』

梓「なにをぼーっとしてるのです!人にぶつかっておいてその態度は最低なのです!」

唯「お、おい、たち…梓、こいつも悪気があったわけじゃないんだから、許してやってくれ。
 長t…和ちゃんもいい加減に眼鏡をかけろ。ほとんど見えないんだろ?格好つけてる場合じゃないぞ」

和「この個体に対する情報操作は許可されていないため視力回復はできない…あなたが手をひいてくれればいい」

唯「だめだ。その胸ポケットの眼鏡、かけるんだ。ほら」

和「わ」

梓「まったく。キョンさんといるということは機関の関係者ですか?…ひょっとしてわたしをハブって何か企んでたのではないですか?」

唯「…今迎えに行こうとしてたんだよ、あず」

和「あずにゃん」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 10:46:30.18 ID:XBFgPdqP0

唯「?」

和「あなたが彼女によびかけるときはあずにゃんというべき」

唯「…あずにゃん」

梓「な、なんだか照れ臭いのです」

和「言動および知性からパーソナルネーム橘京子と推測する」

梓「だ、だからなんなのです!」

和『該当対象はパーソナルネーム橘京子と入れ替わっている。オーバー。…ぴっ』

朝倉『…ぴぴっ。了解。あいつか…はぁ』

キョン「涼子ちゃん?どうしたの?」

朝倉「どうやら彼女、橘京子っていうぎゃあぎゃあ五月蝿いツインテールのちんちくりんになってるみたいね」

キョン「え?わかったの?すごいね!…そっかぁ。でもあずにゃん、あんまり変わってないみたいだね。…ありがとう涼子ちゃん!」

朝倉「わっ!?きょ、キョンくん!?抱きつくなんて!?ひ、人目が!?」

キョン「んー、涼子ちゃん…あったかくていい匂い…」

朝倉「きょ、キョンくんったら…もう。…しかたないなぁ。ちょっとくらいなら…あたしからも…。…ぴぴっ。…なによ」

和『あなたに仕込んでおいた警報を受信した。いますぐ彼と離れるべき。オーバー』

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 11:01:32.46 ID:XBFgPdqP0

朝倉「…あーあ、怖い怖い。…キョンくん、ごめんね、離れてくれる?」

キョン「ぶー」

朝倉(か、可愛い…)

古泉「これはこれは。明るいうちからずいぶんと…うらやましい限りです」

朝倉「…覗き見?趣味、悪いわよ」

古泉「衆人環視の下での抱擁に覗きもないでしょう。…このような行動は涼宮さんに非常に影響を与えかねないので、
 厳に謹んで頂きたいのですが」

朝倉「あたしだってわかってるわよ。怖い顔しないで。…キョンくんから抱き付いてきたの。不可抗力よ」

唯「そ、そうだよ。わたしが悪いんだよ。…ごめんね」

古泉「いえ、であればいいのです。ただ、気軽に抱き付くのは…できれば涼宮さんと僕だけにしていただけませんかね」

朝倉「なんでちゃっかりあんたも入ってるのよ」

古泉「んっふ。ほんのジョークです」

朝倉「冗談には聞こえなかったわね」

キョン「ハルヒには抱き付いてもいいんだね?わかったよ」

朝倉「ちょっ…キョンくん、少しは人目を憚らなきゃ駄目よ?」

古泉(…ふむ。考えようによっては、これは涼宮さんと彼の関係を進めるチャンスですかね)

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 11:30:06.12 ID:XBFgPdqP0

澪「お茶、入りましたぁ」

紬「クッキーもここに置くよっ。…それにしてもこのティーセット…いい趣味してるにょろ…」

唯「ありがとうございます」

梓「このクッキー…おいしいのです。お茶も…良いモノを使っているのです」

澪「かなり高そうだから淹れる時に緊張しちゃいましたぁ」

紬「古泉くんからの連絡…ないにょろね」

唯「ですね…憂って子からは頻繁に確認というか監視メールがくるんですが…ああ、まただ。 『お茶とお菓子を頂いてます』、と。
 …長門じゃなかった和ちゃん、そんなに一度にクッキーを頬張るんじゃない。いっぱいあるから」

和「ふぉふ」

澪「…梓ちゃんの方は、何か進展あった?」

梓「佐々木さんは相変わらず寝込んでいるみたいなのです。わたしの体が看病しているとはいえ、中身は梓…心配なのです」

がちゃ「ドア」

律「くつくつくつ、美味しそうなお菓子だね。この香り…ダージリンかな。僕にも頂けると嬉しいのだけど」

唯「ひょっとして…佐々木…か?」

澪「今、淹れちゃいますね」

梓「もくもく…ふぇ?佐々木さん?」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 12:30:00.85 ID:XBFgPdqP0

律「…美味しい」

梓「さ、佐々木さん、体のほうはもう大丈夫なのですか?」

律「ありがとう。…この体…田井中律さんのほうは大丈夫だと思う。熱が出てたけど、もう下がってるし。
 橘さんには連絡を取ろうと思っていたのだけど、僕のを含めて電話番号を失念していてね。
 あまりに便利な機能に頼りきりだと、いざというときに痛い目を見ると身に沁みたよ」

唯「それで休んでたのか」

律「くつくつくつ。日ごろどう接しているのかはわからないけど、弟くんに鬼の霍乱と言われてしまったよ。
 ところで、君たちには僕のような…拒否反応は起こっていないようだね」

紬「拒否反応?」

律「実は数日前から僕ではない何かが僕の中に入ってくるという悪夢にうなされて寝込んでいたんだ。
 ずっと抵抗していたつもりだったんだけど、ついに根負けしてしまってね。
 何かの姿形はわからなかったけど、今日鏡を見て確信したよ。入ってこようとしてたのはこの…律さんだ」

キョン「えっ?じゃあ、こっちが澪ちゃんで、こっちがムギちゃん?可愛いー!」

みくる「ああ。そ、そうらしい(…なんか…照れるな)っておい、唯?だだだ抱きつくなよ!」

キョン「澪ちゃん…あったかくてやわらかいよー!」

みくる「ひゃ、ひゃぁぁぁぁ!?や、やっぱり夢なんだよな…」

鶴屋「む!ゆ、唯ちゃん、その姿で女の人にみだりに抱きつくのはどうかと思うわ!」

キョン「夢かぁ…。りっちゃんは…どうなったのかなぁ。最近変な夢ばかり見るっていってたけど…」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 13:16:25.60 ID:XBFgPdqP0

がちゃ「ドア」

朝倉「和さん、つれてきたわよ…って、キョンくん、抱きついちゃだめっていったでしょ?」

みくる「ふにゅぅ…」

鶴屋「み、澪ちゃん!?」

キョン「あははは。ごめんごめん、つい」

長門「…この感じ…この男の人が…唯…なの!?」

キョン「?和ちゃん?こんなにちっちゃくなって…かわい…ぐぇっ」

朝倉「そこまでよ。抱きつき禁止(ふふっ。長門さんにはいい思いさせる必要はないもんね)」



和(…小さな悪意を感じた気がする)

澪「はい和さん、お茶のお代りですぅ。…?どうしたんですかぁ?」

和「ふぉふもひはい…ごくごく…どうもしない」

紬「…つまり、この軽音楽部の演奏を見たハルにゃんが、バンドでもやろうとか思い付いて
 みんなを入れ換えたってことにょろ?」

律「あくまでも僕の拙い推理では」

唯「佐々木、お前に拒否反応ってやつがでたのは、何故なんだ?」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 13:27:44.81 ID:XBFgPdqP0

律「まず、これをみてくれないかな。これをどう思う?」

唯「すごく…黄色いです。ってこれ…カチューシャじゃないか」

律「これを付けてみる…と、SOS団で言えば誰に似ていると思う?」

紬「…ハルにゃん?でも、強いて言えば…くらいにょろ」

律「それでも彼女の潜在意識に影響するには十分だと思う。おそらく涼宮さんはとっさにこの軽音学部の
 メンバーとSOS団を重ねてしまったんだろう。それが今回の事態を引き起こした。
 でも、涼宮さん自身を入れ換えることは恐らく不可能だったんじゃないかな。
 そこで、…」

唯「…なるほどな。言わんとしていることは」

梓「鉾先が分身の佐々木さんに向かったということなのですね!」

唯「…」

律「…くつくつくつ。僕としても軽々しくスペアのように扱われるのは正直にいってあまり良い気はしないんだけどね」

梓「でもそのカチューシャとても似合っているのです」

律「そ、そうかな?」

梓「というか付けないとそこのキョンさんと見分けが付かないのです」

律「…」

澪「そ、それは梓さんだけだと思うけどなぁ」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 13:56:33.75 ID:XBFgPdqP0

律「と、ところで。弟の聡くんに聞いたんだが、どうも数日後にこの軽音楽部で演奏を行うらしいんだ」

唯「演奏?」

律「他校の軽音楽部との交流会らしいね。この事態がいつまで続くかはわからないんだけど、
 万が一の事を考えて…練習をしていたほうがいいと思うんだけどね」

紬「たしかに…元に戻った時に彼女たちに迷惑をかけるわけにはいかないにょろね。
 こいつは下手な演奏はできないねっ」

澪「練習って…演奏の、ですかぁ?」

唯「長門はともかく、俺は楽器なんてひけませんよ。せいぜいゲーセンくらいだし」

律「僕もそう思ったんだけど、ためしに軽くリズムを取ってみたら、なんだか体が覚えているような感じなんだ。
 練習次第では案外行けるのかも知れないよ。…これは律さんの部屋に準備してあった楽譜。いくつかあるみたいだね」

紬「これは…歌詞かいっ?『ふわふわ時間(タイム)』『キミを見てるといつもハートDOKI☆DOKI』…」

唯「『揺れる思いはマシュマロみたいにふわ☆ほし』…む、むずむずしてくる…な、なんだこれは…これを…歌うってのか?」

律「くつくつくつ。君もそう思うよね…これはちょっと」

澪「ふぇぇ。素敵な歌詞…」

梓「はぁぁ…うっとりするのです…」

紬「…感動したにょろっ…」

律「う、うん。凄く良いよね」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 14:14:52.97 ID:XBFgPdqP0

どっばぁん「ドア」

みくる「ひぃっ!?」

ハルヒ「やっほー!めんごめんご!遅れちゃったけど、みくるちゃんと有希に素敵なプレゼント持ってきてあげたわよ!」

鶴屋「この方が…涼宮さん…ハルにゃんさんね」

朝倉「涼宮さん、それ…衣装?」

ハルヒ「もちろん涼子の分もあるわよ。鶴屋さんも来てたの?ちょうどよかった。一つ余ってたのよ。さあ、みんなで着替えましょう!
 キョンと古泉くん、軽音楽部に行って荷物を受け取ってきてくれない?話は通してあるから」

古泉「了解しました。行きましょうか」

キョン「う、うん」

みくる「こ、こここここの衣装って…ばばばばバニーガールじゃないか!?」

鶴屋「まあ。色違いのお揃いで…とっても可愛いわ」

長門「…え?ひょっとしてこれ…わたしも着るの?」

朝倉「あ、あたしも!?」

ハルヒ「ほらほら、とっとと脱ぐ!」

みくる「ひゃ、ひゃぁぁぁぁ!?」

鶴屋「あらあら。澪ちゃんったらあんなに大きいなんて…うふふ」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 14:27:57.57 ID:XBFgPdqP0

キョン「お、おーもーいーっ」

古泉「おや、だらしないですね。いつものあなたなら…まあ慣れない体で大変でしょう。一つ持ちますよ」

キョン「うん、ありがとう古泉くん!優しいんだねー」

古泉「んっふ。どういたしまして。なんならもう一つ持ちますよ(…か、可愛い…はっ!?ぼ、僕は今何を考えて…)」

榎本「あの二人、あんなに仲良かったっけ?」

岡島「仲良いというよりさ…うひひ」

中西「…良いものを見た…」

財前「はいはい練習練習。長門さんはともかく、涼宮さんに負けるわけにはいかないわよ?」


ドア「きゃいきゃい」

古泉「賑やかですね。…機材をもってきました」

ハルヒ『お疲れさま!入っていいわよ!』

古泉「失礼します。おや、これは」

ハルヒ「ふふーん、どう?キョンに古泉くん。これだけバニーちゃんが並ぶと壮観でしょう?」

キョン「やぁーん、可愛いー!」

ハルヒ「わぁっ!?ちょっ…こ、このバカキョ…エロキョン!抱き付くなっ!?は、離しな…離しなさい…よっ」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 14:48:21.55 ID:XBFgPdqP0

ハルヒ「そ、そりゃあいくらあたしのバニー姿が可愛いからって…だ、抱き付くのは…気持ちはわかるけど…ぶつぶつ」

キョン「ご、ごめんねハルヒ。つい、ふらっと」

鶴屋「うふふ。真っ赤になったハルにゃんも可愛いわ」

古泉(…もうちょっとスマートにして頂けると助かるのですがね…)

みくる「へぇ。ちょっと古いけど結構いいベースだな」

長門「…この機材って…もしかして…バンド?」

朝倉「涼宮さん、これって…まさか今度の軽音楽部同士の交流会に飛び入り参加でもするつもりなの?」

ハルヒ「そのまさかよ!あたし、この間ENOZのみんなと桜高に軽音部の演奏見にいったときに、ぴーんと来るものがあったのよ。
 文化祭は終わっちゃったけど、聞けば今度その交流会ってのがあるらしいじゃない。
 みんなでバンドを組んで、音楽界にも我がSOS団の存在を知らしめるのよ!」

キョン「わぁ!ムギちゃん、バンドだって!あっ澪ちゃんもうベース触ってるの?ギターある?」

みくる「あ、ああ。このギターだったらギー太と似てるから、多分そんなに勝手は違わないと思う」

鶴屋「あらあら。キーボードもあるわ。嬉しい」

ハルヒ「(な、なによキョンのやつ…あっさりというか…なんか、拍子抜けしちゃうわね)み、みんな喜んでくれるだなんて、
 団員としての自覚が出てきた証拠ね。あたしも嬉しいわ。ところで、担当なんだけど、有希はベースであたしがギター、
 今回はボーカルがみくるちゃんで…鶴屋さん、もし参加して頂けるならキーボードをお願いします。古泉くん、ドラムできるかしら?」

古泉「心得程度はありますが…相当練習が必要でしょうね。努力致します」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 14:58:28.28 ID:XBFgPdqP0

長門「有希って…わたしのことか…。ベースだなんて…いくら夢といっても無理だわ」

ハルヒ「へ?だって有希、去年…」

古泉「涼宮さん、長門さんは少々指というか腕の筋を痛めているようでして、しばらくはあまり器用なことが難しいということです」

ハルヒ「そ、そうなの。残念ね…。有希、何かできそうなことはない?」

長門「わたしにできる楽器といえば…カスタネットくらいかな」

ハルヒ「(有希がカスタネットで…うんたん…か…アリね)い、いいかもね!じゃあ有希はうんたん担当ね!」

長門「う、うんたん?まあ、カスタネットでいいんなら」

ハルヒ「涼子もうんたんお願いね」

朝倉「あ、あたしも?」

ハルヒ「団活の視察料」

朝倉「わ、わかったわよ。もう」

みくる「あ、あの…ベースがいなくなるんなら…わたしが…やってもいいかな。ほら」

ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅんっ

ハルヒ「!みくるちゃん、いつのまにベースがひけるようになったの?じゃあお願いするわ」

キョン「ハルヒ!わたしもギターひけるよ、ほらっ、ぎゅいーんっ!」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 15:12:22.56 ID:XBFgPdqP0

ハルヒ「…やるわね。あたしより上手いくらいじゃない。ゲームがどうとかしか聞いてなかったけど、馬鹿にできたもんじゃないのね…」

キョン「えへへっ」

ハルヒ「でもみくるちゃんはメインボーカルもお願いよ。これだけは外せないわ。はい、これ」

鶴屋「これは…楽譜と…歌詞ね…『恋のミクル伝説』『素直に好きと言えないキミも勇気を出して(Hey Attack!)』…」

長門「『恋のまじないミクルビーム かけてあげるわ』…こ、これ、う…歌うの…!?」

みくる「ふぅん。ちょっと不思議な感覚だと思うけど、ありなんじゃないかな。わりと好きだよ、こういうの」

キョン「へえー。変わってて面白そうな歌だねー。和ちゃんもそう思うよね?」

長門「う、うん」

ハルヒ「でしょ?っていうかみくるちゃん、今年こそはちゃんと歌いきってよね」

みくる「へ?あ、ああ、そうかこれ…わたしの歌なのか…やってみるよ」

ハルヒ「じゃあそれぞれ軽く練習してから合わせてみましょう。夕方に顔合わせと軽いリハーサルやるらしいから、
 それまでに出来るだけ上手くなるのよっ!」

「おーっ!」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 15:32:34.35 ID:XBFgPdqP0

唯「ゆ、指が吊るぅ…」

澪「ふぇぇ…キョンくん、わたしもですぅ…」

和「ギターとベースのミスがそれぞれ4箇所と3箇所あった」

梓「ふふん。みなさん情けないのです。わたしはもう慣れてしまったのです」

和「あなたはタイミングが合っていない箇所が5箇所」

紬「にゃははっ、有希っこは厳しいねっ」

律「ふぅ…。思ったより汗をかくね…やっぱりカチューシャは必要なようだ。でも、この分だととりあえず何とか…」

がちゃ「ドア」

さわ子「おー、さすがにリハ当日だけあって、しっかりやってるみたいね。それはともかく、今日のお茶とお菓子は何かなぁ?」

唯「えっ!?と、当日?今日演奏するってことですか!?」

さわ子「そ。って、今頃何を言い出すのよ…さすがは唯ちゃんね」

紬「お、お茶にょろ。…今日がリハーサルって…あとどのくらいあるのかなっ?」

さわ子「そうね…2時間あるかないか…くらいかな…。ふぅ。このお茶美味しいわ」

澪「お、お菓子ですぅ!…ひゃぁぁぁ…時間が…も、もっとしっかりやらなくちゃぁ…」

和「もくもく…美味ひい」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 15:53:55.07 ID:XBFgPdqP0

榎本「涼宮さん。…みんなお揃いのバニーって…似合ってるわよ。練習、もういいの?」

ハルヒ「ええ。みんなすっごく上手くなってて、このまま本番でもいいくらいなのよ。…ドラムはもうちょっと…かな」

古泉「申し訳ありません。ですが、本番までにはもう少し練度を上げて御覧に入れます」

中西「桜高の軽音部がついたみたい。合わせてみたいから時間が開いたら教えてくれって」

財前「じゃあSOS団の次に入れておくわね」

唯「ふぅ。機材って結構重いんだな」

澪「ふぇぇぇぇ」

キョン「あれっ?わたしがいる。!りっちゃんだ!」

朝倉「えっ!?あっ、きょ、キョンくんっ!?」

律「やれやれ…やっと着い…わっぷ!?」

キョン「りっちゃーん!会いたかったよー!むにむに」

律「!!!???きょ、キョン!??な、何を…!??」

ハルヒ「!!!?!?」

古泉「」

澪「きょ、キョンくん!?本物がこっちで中身は…ええっと!!?」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 16:10:07.54 ID:XBFgPdqP0

律「ふわぁぁぁぁ…きょ、キョン…」

紬「きょ…キョンくん…いや、唯ちゃんか…だ、大胆にょろね…」

鶴屋「ああ…中身は唯律でウフフなんだけど…男の人だなんて…」

みくる「はぁ…共学って…刺激が…」

ハルヒ「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

prrr

古泉「…はっ!…はい、古泉です。…ええ。…やはり。…了解です」

和『…ぴっ。情報統合思念体から緊急警告。大規模閉鎖空間の発生を確認したとのこと』

朝倉「…ぴぴっ。わ、わかってるわよ!きょ、キョンくん、離れなさいっ!」

キョン「あうぅぅ」

財前「長門さん、SOS団、次だけど行ける?」

長門「えっ!?あ、はい。準備は一応出来てますけど…えっと、涼宮さん?」

ハルヒ「…こんのエロキョン…。!?有希?もう出番なの?えっ…古泉くん?」

古泉「涼宮さん…非常に申し訳ありませんが、火急のバイトが入ってしまいました。ドラムの代わりですが…彼女に…」

朝倉「へ?あ、あたしが?…ま、まあ…できないことはないけど…」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 16:22:28.78 ID:XBFgPdqP0

古泉「では朝倉さん、申し訳ありませんが、よろしくおねがい致します。さ、いきましょうか、梓さん」

梓「へ?わたしもですか?」

古泉「今回はこのような事態ですので、組織の方ともある程度話は付いていて協力してあたってくれとの事です」

prrr

梓「は、はい橘…。えぇぇ?りょ、了解なのです…」

唯「おい、あずにゃんが抜けたら練習の意味が…」

和「心配ない。わたしがいる。ギターは得意」

唯「そ、そうだな。長…和ちゃんなら安心だ」

澪「そうですねぇ」

紬「そうにょろね」

律「ふぅ…。くつくつくつ。そうだね」

梓「ひっ、酷いのです!」

キョン「あれ?あずにゃん行っちゃうの?」

梓「!そ、そうなのです。キョンさん、京子は世界を…人間の自由のために戦わなければならないのです!」

キョン「すごい!夢だからなんだかよくわからないんだけど…すごいよあずにゃん!スーパーヒーローみたいだよ!」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 16:40:58.70 ID:XBFgPdqP0

中西「…音、出ます…」

ハルヒ「いくわよ、恋のミクル伝説!」

みくる「素直に『好き』と言えないキミも勇気をだして♪」

財前「…長門さんは弾かないのか。!…へぇ」

唯「こ、これ…ほんとに朝比奈さんなのか?」

澪「ふぇぇ…自分で聴いてて自分の声じゃないみたいですぅ…」

紬「…歌だけじゃないさっ。…演奏だって…凄い…にょろ…」

唯「しかし…俺があんなにギターを弾けるとは。なんか…単純に上手いというよりこっちも楽しくなって来る感じだな」

ハルヒ(…いい、いいわ。凄くいいわ。…でも…なんだか…これはこれって感じ…凄くいいんだけど…)

長門(うん、たん、うん、たん…な、なんか楽しくなってきたかも…)

キョン(♪♭♪〜♯)

鶴屋(♯♪♯♭〜)

朝倉(くぁwせdrfgyふじこlp;…情報操作しながらも楽じゃないわね…)

榎本「…ぱちぱちぱち…。す、涼宮さん、凄くよかったわよ…」

岡島「次は…桜高軽音部、行けますか?」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 16:59:50.09 ID:XBFgPdqP0

澪「き、きみをみてるとぉ、いつもハートどきどきぃ。
 ゆれるぉもぃはまひゅまろみたぃにふーわぁふわっ、いぃつもがんばぁるぅ♪」

唯「いーつもがんばーるっ♪」

中西「…桜高…いつもと調子違うのかな…あの眼鏡の子は別の意味で凄いけど…」

財前「うーん…いや、これはこれで…なんか…いいかも」

ハルヒ(…あたしたちに比べたら下手だけど…なんか、こっちのほうがあたしたちらしいって…変な感じね…でも…)

紬(〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜)

律(!!!!!!!!!!!)

和(くぁwせdrfgyふじこlp;)

ハルヒ(…ステージにキョンやみくるちゃんや有希がいるみたい。あとはあたしと古泉くん、鶴屋さんがいれば…まるで…!!)

榎本「…ぱちぱちぱちぱち…。お疲れさま。良かったわ。あなたたちで最後よ。
 流れも掴めたし、あとは当日ね。頑張りましょう」

唯「や、やれやれ…なんとか終わったか…」

澪「ふ、ふぇぇぇ…つ、つかれましたぁ…」

律「くつくつくつ。精神的にくるものがあるけど、この達成感は格別だね」

紬「いやーっ、楽しかったねっ!」

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 17:13:35.57 ID:XBFgPdqP0

キョン「Zzz」

キョン妹「キョンくーん、起ーきーてっ!とうっ!」

キョン「げふっ!?」

キョン妹「遅刻しちゃうよ?」

キョン「あ、ああ…」

キョン妹「お弁当、できてるよ。わたしも手伝ったんだよ!」

キョン「ええっ!?そ、そうか。ありがとうな」

キョン妹「えへへ♪」



みくる「ふぅ…テント暮らしがわびしく感じちゃうなぁ…。ふかふかのお布団…」



唯「昨日は何か変な夢みちゃってさぁ」

澪「あ、ああ、そうだな(…あれが夢だとすると丸一日記憶が無い事に…でも現実とは…いや夢…現実…ぶつぶつ)」

紬「り、りっちゃんはもう体調は良いの?」

律「ん?一日寝てたらスッキリしたよ。快調快調ー」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 17:22:11.52 ID:XBFgPdqP0

古泉「どうやら元に戻れたようですね。おめでとうございます。あなたがたの演奏のおかげですよ」

キョン「ありがとな。…大変だったぜ」

古泉「んっふ。本当に大変なのはこれからですよ。なんせあなたは…」

ハルヒ『もう入ってもいいわよ』

キョン「ん?なにかいったか古泉?…入るぞ…なっ!?」

ハルヒ「…」

キョン「朝比奈さんも鶴屋さんも長門も…みんなバニーガールか…ふぅ」

ハルヒ「ね、ねぇキョン」

キョン「しかし…特盛りに大盛りが並ぶと…小盛りはいいとして、並盛がなんだか…」

ハルヒ「きょ、キョンったら!」

キョン「ん?なんだハルヒ」

ハルヒ「な、なんでもないわよ!(なによ!昨日はあんなことしたくせに…今日はみくるちゃんや鶴屋さんの方ばっかり…)」

古泉「おや…申し訳ありません、バイトが入ったようです」

ハルヒ「えぇ?またなの?…しかたないわねぇ。キョン、あんたあのスーパーテクニック、あたしに教えなさいよ」

キョン「す、スーパーテクニック?なんの事だ?」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/10(木) 17:40:08.61 ID:XBFgPdqP0

ハルヒ「な…ふ、ふざけてるのキョン!?なんなのこの演奏は!?こんなんじゃ参加も危ないわよ…真面目にやらなきゃ死刑よ死刑!
 みくるちゃんはしょうがないにしても…古泉くんが万一の場合はあたしがドラムなんだから、しっかりしなきゃ駄目じゃない!」

キョン「む、無理だってハルヒ…ぼそぼそ…な、長門、情報操作でなんとかしてくれないか?」

長門「それ無理(…小盛り…)」

鶴屋「キョンくん、努力と根性だよっ!」



律「み、ミクルビームぅ?澪ぉ、この変な歌詞はさすがに…」

澪「そ、そうか?夢でのインスピレーションを元にしたんだが…」

紬「とっても素敵だと思うわ」

唯「うん、変わってて面白いと思うよ。…どっかで聴いたような…」

さわ子(…うーん、これ昨日のバンドの曲だったような気がするわね…まあ面白そうだから様子をみてみようかしら)

梓「ううぅ…全身筋肉痛でギターが持てない…なんでわたしだけこんな目に…」



橘「さ、佐々木さんの家の台所がむちゃくちゃになってるです…掃除が…片付けが…」

なんだか落ちが上手く思い付かなかった

fin.



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