フリーザ「…さっきの自己紹介、何の冗談ですか」ハルヒ「え?」


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:キョン 「ん?…これ、長門のブログじゃねえか…」

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8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 20:58:57.77 ID:ebDL/dfCO

フリーザ「宇宙最強には興味がないとでも言うのですか」

ハルヒ「どれだけ大昔の話をしてるのよ。そんなことより私はもっと未知の事が知りたいの! 誰もが知ってる元宇宙最強なんて今更どうでもいいの」

フリーザ「あ、あなたに私の何がわかるって言うんですか!」

ハルヒ「ドラゴンボールなんてもう何十回読み返したかわからないわよ!」

フリーザ「私をここまでコケにしたのは貴方で二人目ですよ!」

ハルヒ「何よ! トランクスやパイクーハンにだって瞬殺されてたくせに!」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 21:02:19.19 ID:ebDL/dfCO

フリーザ「ふんっ、その気になれば貴様など……!」

ハルヒ「やれるもんならやってみなさいよ!」

キョン「そこら辺にしとけ二人共……」

ハルヒ「キョンは黙っててよ!」
フリーザ「キョンさんは黙ってて下さい!」

キョン「…………はぁ」

古泉「んっふ、またですか」

キョン「全くこいつらときたらいつもいつも……」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 21:06:35.12 ID:ebDL/dfCO

長門「そういうことは、良くない」

フリーザ「! 長門さん……」

長門「わかってるはず。貴方なら」

フリーザ「ふんっ、いいでしょう。今日のところはここで勘弁してあげます」

ハルヒ「なんなのよもう、いつもいつも突っ掛かってきて!」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 21:11:48.55 ID:ebDL/dfCO

キョン「いい加減認めてやったらどうだ」

ハルヒ「何をよ」

キョン「宇宙最強」

ハルヒ「なんでよ。孫悟空の方がよっぽど最強じゃない」

キョン「孫悟空は居ないだろ。ましてやトランクスもパイクーハンも、ベジータも悟飯もこの世界には居ない」

ハルヒ「でも……でもアイツは負けたわ! 負けて、負けっぱなしじゃない!」

キョン「おいっ、ハルヒ!」


キョン「……ったく」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 21:18:33.65 ID:ebDL/dfCO

さて、どこから説明したものか。
俺達SOS団にフリーザが加わってからしばらくが経った。なんでフリーザか、などと問われても俺にだってさっぱりわかりゃしない。気付いた時にはあの元宇宙最強がハルヒと口喧嘩をする日常が、俺達には当たり前になっていた。
周囲の人間に至ってはフリーザがこの学校に居ることになんの疑問も持っちゃいない。SOS団団員だけが、その異常性に気付いているのが現状だ。気付いてはいるんだが……

谷口「フリーザ様ー。一緒に昼食べようぜー」

フリーザ「いいですね。どうですか、キョンさんも一緒に」

キョン「………………はぁ。ああ、いいよ」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 21:28:18.02 ID:ebDL/dfCO

みくる「はい、どうぞ」

フリーザ「これはこれは、みくるさんが入れたお茶はやはり中々に美味しいですね」

みくる「そんな……ありがとうございます」

フリーザ「さて、では本日の活動ですが」

ハルヒ「なんでアンタが仕切ってるのよ!」

フリーザ「当然でしょう。私が頂上に立たずに誰が立つと言うんですか」

ハルヒ「SOS団の団長は私よ! というかその腕章を返しなさーい!」

フリーザ「今日から私が団長でいいでしょう。それ以上文句を垂れるようなら殺しますよ?」

ハルヒ「グダグダ言ってないで返しなさいよ! いちいち生意気ね。宇宙凡人の癖に!」

フリーザ「宇宙ぼっ……怒りますよ!?」

キョン「はーいはい落ち着け。いいからお前らお茶飲め、なっ。朝比奈さんのお茶を」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 21:39:02.85 ID:ebDL/dfCO

古泉「あの二人にも困ったものですね」

キョン「ああまったく、毎日毎日うるさくて敵わん」

古泉「それで、長門さんの方では何かわかりましたか?」

長門「彼は、情報統合思念体とは無関係……」

古泉「組織の答えもNoです。朝比奈さんの方も同じく……やはり涼宮さんの力でしょうねぇ」

キョン「まったく、ウチの神様は困ったもんだな。神様より強い奴まで呼んじまうんだから」

古泉「ふふ、まぁ今のところは害もなさそうなので、じっくりと対処していきましょう」

キョン「じっくりねぇ……」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 21:52:33.94 ID:ebDL/dfCO

フリーザ「一樹さん、その内また誘って下さい」

古泉「はい?(ドキッ)」

フリーザ「閉鎖空間ですよ。神人程度でもたまには相手しないと、身体がなまりますからね」

古泉「ああ……んっふ、それは心強いです。よろしければまたお願いしますよ」


キョン「神人程度……程度か」

古泉「我々は結構命懸けなんですけどねぇ。まぁそこは流石といったところですか」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 22:01:54.46 ID:ebDL/dfCO

長門「涼宮ハルヒに刺激を与えるような言動は看過できない」

フリーザ「わかってますよ、そんなことは。私の存在にも関わってくるのでしょう。私とて自分の身はかわいいですよ」

長門「なら、いつものようなことは……」

フリーザ「わかっているんですよ! しかし、彼女は……!」

長門「……………」

フリーザ「……今日は失礼します。皆さんにもお伝えください」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 22:08:39.99 ID:ebDL/dfCO

フリーザ「一体なんだというのでしょうね」

みくる「ふぇっ!?」

フリーザ「すみません、驚かせてしまいましたか。……彼女の力ですよ」

みくる「あ……こちらこそごめんなさい。涼宮さんに関することはほとんど禁則事項で、私からは……」

フリーザ「構いませんよ。別にみくるさんを攻めているわけではありませんから。ああ、本当に……忌ま忌ましい能力です」

みくる「フリーザさん……」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 22:15:16.67 ID:ebDL/dfCO

ハルヒ「さーて、今日も張り切って行くわよ!」

フリーザ「では今日は近い所から、火星でも破壊してみましょうか」

ハルヒ「だーかーらっ! 指揮権は私にあるの! だいたい火星を壊したってなんの得にもならないわよ! もし未知の宇宙生物や超古代文明が眠ってたらどう責任取るっていうの!」

フリーザ「アレは綺麗なんですよ! 空想妄想よりよっぽど価値があると思いますがね!」

ハルヒ「〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

キョン「やれやれ……」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 22:33:16.29 ID:ebDL/dfCO

フリーザ「この星は、平和ですね」

キョン「まぁ少なくともこの国は平和かな。戦争もないし、ましてや宇宙最強の怪物が攻めてくるわけでもない」

フリーザ「今すぐ滅ぼしてあげてもいいですよ?」

キョン「お前が言うとシャレになっとらん」

フリーザ「ふふ……なんででしょうね。気付いた時にはここにいて、私にとって有り得ない生活を送っていました。本当に、有り得ませんよ。特に彼女……涼宮ハルヒなど、昔の私だったら……」

キョン「だったら?」

フリーザ「……どうだったでしょうね。もうわかりません」

キョン「……そっか」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 22:41:36.88 ID:ebDL/dfCO

フリーザ「キエェェェェェイッ!!」



古泉「ハハ、商売上がったりですねぇ。神人6体を1分とは」

フリーザ「……最近、少しばかり手強くなってきてますね」

古泉「そうなんですか?」

フリーザ「あの程度、何体束になろうとその気になれば一瞬で全滅させられると思ったんですがね……」

古泉「……涼宮さんのフラストレーションが増大しているということです」

フリーザ「そうですか。……そうですか」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 22:47:13.06 ID:ebDL/dfCO

古泉「といった感じで、まぁ我々としては助かるんですけどね」

キョン「ほう。そんなに無双なのか」

古泉「それこそまさに世界が違いますよ。こちらではよく大人しくしてくれていますが、もしその気になられたらと思うと……ゾッとします」

キョン「……なんか、久しぶりに読みたくなっちまったじゃねぇか。ドラゴンボール」

ハルヒ「ねぇアンタ達、なんの話してるのよ?」

古泉「んっふ、少しばかり男の話です」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 22:54:53.81 ID:ebDL/dfCO

キョン「そうだハルヒ、ドラゴンボール貸してくれ」

ハルヒ「えっ……な、何よ急に!」

キョン「こないだフリーザと言い合ってた時に、何度読んだかわからないって言ってたろ? 俺はアニメ派でコミックは古本屋の虫食い読みだから、持ってるなら借りたいと思ったんだが」

ハルヒ「……いいわよ」

キョン「おお、ありがたい」

ハルヒ「わかってるとは思うけど、タダじゃないからね!」

キョン「はいはい」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 23:02:16.91 ID:ebDL/dfCO

フリーザ「本当に平和ですねぇ……」

長門「………………」ペラッ

フリーザ「その本、面白いですか、長門さん」

長門「…………ストイック」

フリーザ「そうですか」

長門「………………」ペラッ

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 23:06:47.96 ID:ebDL/dfCO

ハルヒ「………………」

古泉「涼宮さん?」

ハルヒ「! こ、古泉くんじゃない」

古泉「入らないんですか、部室」

ハルヒ「入るわよ。私も調度今来たところなの」ガラガラッ

古泉「…………ふむ」

ハルヒ「さーて由希、フリーザ! 今日はね────」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 23:11:54.05 ID:ebDL/dfCO

キョン「ん?」

キョン「…………んんん?」

キョン「なんだハルヒの奴、このDB、途中の巻が抜けてるじゃないか」

キョン「ったくいいとこなのに……あれ?」

キョン「これは……」

キョン妹「キョンくんでんわー」

キョン「む……はいはい、っとー」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 23:22:56.74 ID:ebDL/dfCO

ハルヒ「こんなところで何やってるの」

フリーザ「……貴方ですか。見てわかりませんか? 屋上でひなたぼっこですよ」

ハルヒ「授業中よ」

フリーザ「私には不必要なんですよ。貴方こそ……」

ハルヒ「私にも不必要よ、あの程度」

フリーザ「それでまた不思議捜しですか。貴方も飽きないですね。だいたいここに恰好の宇宙人が居ると言うのに、ある意味失礼ですよ」

ハルヒ「…………宇宙人、か」

フリーザ「……?」

ハルヒ「何が宇宙人よ。何が宇宙最強よ。何がフリーザよ! がっかりなのよ! 腑抜けてるんじゃないわよ!」

フリーザ「どうしたんですか急に。少し落ち着きなさい」

ハルヒ「うるさい! なんで……なんでそんな優しい顔で、私に話しかけるのよ!」

フリーザ「え……?」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 23:28:58.65 ID:ebDL/dfCO

キョン「古泉!」

古泉「ああ、どうも、わざわざすいません」

キョン「いい。それで、電話で言ってた……」

古泉「はい、先程言った通りです。今は我々の方で抑えていますが……時間の問題です」

みくる「史上最大級の閉鎖空間だなんて……」

キョン「朝比奈さん……」

長門「涼宮ハルヒは閉鎖空間の中と思われる」

キョン「長門……」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 23:32:24.67 ID:ebDL/dfCO

ハルヒ「アンタなんて一人で勝手に星でもなんでも壊して満足してればいいのよ!」

フリーザ「何をそんなに……っ!」

ハルヒ「もういいっ!」

フリーザ「っ、待ちなさい!」


フリーザ「どうして……泣くんですか」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 23:37:07.55 ID:ebDL/dfCO

古泉「規模自体は、それほどでもないのです。問題は中身でして……」

キョン「中身?」

古泉「今回の閉鎖空間の、圧倒的な異常点。神人です」

キョン「いつものアレ……真っ白なあの巨人とは違うのか?」

古泉「実際に見て頂くのが手っ取り早いかと」

キョン「またあそこに行くのか……」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 23:41:44.67 ID:ebDL/dfCO

フリーザ「皆さん!」

キョン「フリーザ!」

古泉「ようやく捕まりましたか! フリーザさん、早くこちらへ!」

フリーザ「彼女は!?」

古泉「この閉鎖空間の中です。さ、行きましょう!」

キョン「神人がどんなにおかしいったって。フリーザがいればどうにでもなるんじゃないのか、世界が違うんだろ?」

古泉「それが今回ばかりはそうでもないのですよ」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 23:48:25.97 ID:ebDL/dfCO

キョン「これは……確かに普通の閉鎖空間に見えるが」

フリーザ「神人が見当たりませんね……」

古泉「一目見たら、キョンくんは長門さん達と一緒に外で待っていて下さい。正直、守りきる自信がありません」

キョン「何を言って……」

カッ、ドゴオオオオオオォォォォォンッッ!!!!!!

キョン「…………は?」

フリーザ「……っ!」

古泉「今回確認された神人は、あれ一体です」

キョン「はは……なるほどこいつは……」

フリーザ「孫、悟空……っ!!!」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 23:56:04.15 ID:ebDL/dfCO

閉鎖空間に入ったつもりが、どうも俺はナメック星に迷い込んでしまったらしい。いや、あまりの光景にトチ狂ったわけじゃなく、そこはまさにあの決戦場を彷彿とさせる状況となっていた。
見る限り街の半分以上はすでに荒野となって、空では白い化け物が二体、凄まじいスピードでぶつかり合っている。
夢か、俺は夢を見ているんじゃないのか。とはいえここは荒れても閉鎖空間。夢のような出来事も現実としてありうるわけで、つまりこれは現実なわけで……

キョン「参った。ああまったく、漫画の読み過ぎはよくないな」

古泉「何ぼやいてるんですか、巻き込まれない内に逃げますよ!」

キョン「フリーザは勝てるだろうか」

古泉「……そう、信じるほかありません」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/23(月) 00:03:18.47 ID:2wmisAMTO

フリーザ「くっ、なんでこんな……っ!」

白悟空「…………っ…………っ」

フリーザ「だいたい……っ……神人まで涼宮ハルヒの影響下にあるなんて話……」

フリーザ「聞いてませんよっ!!!」

白悟空「…………っ!?」

フリーザ「はぁっ…はぁっ……クソッ…クソッ……! まるで本物のように、強いじゃないですか!」

白悟空「………………」

フリーザ「本当に憎らしい強さですよ……スーパーサイヤ人!」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/23(月) 00:10:11.92 ID:2wmisAMTO

古泉「ちょっ……キョンくん!」

キョン「フリーザァッ!!」

フリーザ「!?」

キョン「ハルヒのドラゴンボールはなぁ! ニ冊抜けてるんだよ!」

フリーザ「こんな時に何を……くっ!」

白悟空「っ……っ……」

キョン「ナメック星編のクライマックス! セル編の序盤!」

フリーザ「っ!」

キョン「お前が負けるところだ! フリーザ!」

古泉「本当に、これ以上はっ……!」

キョン「くっ!」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/23(月) 00:19:08.14 ID:2wmisAMTO

フリーザ「キエェェェェェェェッッ!!!」

白悟空「っっ!!?」

フリーザ「どうしてあの時負けたのでしょうね、私は……」

白悟空「………………」

フリーザ「宇宙最強の力を持っていたはずだったんですよ。絶対的な力を」

フリーザ「……そんな私が、怖れを抱いた。スーパーサイヤ人という存在に」

フリーザ「宇宙は自分のものであると疑っていなかった私の心に、そいつは刃を突き立てたのです」

フリーザ「なるほど……彼女もまた同じく……」

白悟空「!?」

フリーザ「消えろスーパーサイヤ人。お前は俺に殺されるべきだ」

カッ!

白悟空「──────!」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/23(月) 00:27:39.90 ID:2wmisAMTO

ハルヒ「私ね、大好きだったの。ドラゴンボール」

フリーザ「…………」

ハルヒ「だって、なんでも願いが叶う不思議な球よ? ワクワクしない方がおかしいじゃない」

ハルヒ「超能力を身につける? 未来へ行く? 宇宙人とお話する? 夢は広がるばかりだったわ」

ハルヒ「でもね、貴方は現れたのよ」

ハルヒ「私が夢見てやまなかった宇宙人は、残虐非道で慢心家で、救いようもなく最凶な奴だったわ。本当に……怖かった」

フリーザ「………………」

ハルヒ「そして同時に恨めしかった」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/23(月) 00:37:58.67 ID:2wmisAMTO

ハルヒ「恨めしくて、羨ましくて……憧れたのよ。なんでも思い通りにできる、絶対的な力を持っていた貴方に」

フリーザ「でも私は負けた」

ハルヒ「呆気なく、惨めに、救いようなく負けたわ。まぁ、それで学んだんだけどね。悪は滅びるって」

フリーザ「……私も、羨ましかったんですよ、貴方が」

ハルヒ「えっ?」

フリーザ「まるでドラゴンボールのように、なんでも思い通りに出来る力を持った貴方が……」

ハルヒ「……なんのこと?」

フリーザ「いえ、なんでもありませんよ」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/23(月) 00:47:08.32 ID:2wmisAMTO

ハルヒ「あーあ、本当にショックだったわ。特にトランクスに一瞬で殺されちゃった時とか、コミックそのまま破り捨てちゃったわよ」

フリーザ「それはなんとも、すいませんね。修業でもしましょうか……」

ハルヒ「幻滅よ幻滅。なーにが宇宙最強よ、って」

ハルヒ「でも……さっきのは少し、ほんのすこーしだけ、格好良かったかな」

フリーザ「見てたんですか」

ハルヒ「本当にちょっと、最強みたいだった」

フリーザ「……だから言ってるでしょう。みたいではなく、私は宇宙最強なんですよ。そうですね……少なくとも貴方の宇宙では、私が最強です」

ハルヒ「……ぷぷっ」

フリーザ「ふふふ」

ハルヒ・フリーザ「あっはっはっはっ!」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/23(月) 01:01:41.89 ID:2wmisAMTO

キョン「行っちまったなぁアイツ」

古泉「私より強い奴に会いに行く……ですっけ」

みくる「大丈夫でしょうか。またどこかの星を制圧したりとか……」

長門「彼ならもう大丈夫」

キョン「だな」

ハルヒ「さっ、アンタ達ボーっと空眺めてる場合じゃないわよ! 今回のはテーマは"最強"! さ、ランニングに行くから準備しなさい!」

キョン「俺の最大走行距離は53メートルです」

ハルヒ「いいから行くわよ! さっさとしなさい!」

キョン「やれやれ……」


おわり

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 01:16:51.18 ID:2wmisAMTO

しまった貴方の宇宙では最強ですのくだりで「ハルヒさん」ってフリーザ様に初めてハルヒの名前呼んでもらうつもりだったのに忘れてたちくしょう
まぁいいや支援&読んでくれた奴らサンクスでした



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