長門「死こそ最終進化」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/08(木) 13:45:40.32 ID:JDaaGrzEO

キョン「自殺騒動?」

途中何度も引き返したくなるような山道をやっとこさ登頂し、
教室にゴールした俺を迎えてくれたのは太陽のような笑顔をしたハルヒだった。
つまりそれは録でもないことの始まりを意味する。

ハルヒ「そうよ!これは事件よ、キョン!」

ああ、今朝ニュースで騒がれてたアレか。
言われてみれば、こいつの喜びそうな事件性に富んだものではあるな。
人の死が絡んでくる以上、不謹慎とは言わざるをえないが。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/08(木) 13:55:26.82 ID:JDaaGrzEO

ハルヒ「とにかく調査が必要ね。早く授業終わらないかしら」

調査と言ってもだな、日本だけじゃない世界中を巻き込んでる事件なんだぞ?

ハルヒ「わかってるわよ!それを解決した日には、SOS団の株も急上昇間違いなしだわ!」

人の死に関わる内容だ、自殺に見せかけた他殺かもしれない。となれば危険も隣り合わせだ。

ハルヒ「不思議ってのはハイリスクハイリターンなもんなのよ!」

こりゃあダメだ。解決するまでこの調子だろう。
せめてこの騒動がこいつのとんでもパワーにもたらされたものではないことを祈ろうか。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/08(木) 14:13:32.19 ID:JDaaGrzEO

普段ならば背に団長様の熱意を感じつつも惰眠を貪り……といった具合に話が進むのだが、今回はそう簡単にはいかなかった。
俺は実にためになるのであろう授業を聞き流しつつ、窓の外を眺めていた。

ヒュ

……ん?今何か落ちて来なかったか?というか、見間違えでなければ……

「キャアァアァァァ!!」

学校中に響き渡るような悲鳴と共に俺は弾かれるように立ち上がり、恐る恐る窓の下を見た。
失念しかけていた、今朝のハルヒの言葉。
自殺騒動か。どうやら他人事では済まないらしいな。
目下にはおかしな方向に屈折した人体と、それを取り巻くような血溜まりが広がっていた。
俺はふと後ろを見る。この事件の原因の可能性を持ったそいつは色んな感情が入り交じったような顔をしていた。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/08(木) 14:27:47.22 ID:JDaaGrzEO

教師は全員呼び出され、生徒らは自習を強いられることになった。
ハルヒはいの一番に教室を飛び出して行った。他のクラスメイトたちは事件に対する各々の自説を振りかざしている。
稚拙なものからなかなか興味深いものまで十人十色だが、俺の向かうべき場所は決まっている。
きっとあいつらなら今回の件も把握しているだろうから。
若干の緊張を含みながら、俺は部室のドアをあけた。

キョン「……よう」

みくる「キョンくん……」

古泉「どうも」

長門は……まだか。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/08(木) 14:43:01.13 ID:JDaaGrzEO

数秒の沈黙を挟み、とりあえず切り出してみる。

キョン「お前は今回の件について何かわかっているのか?」

古泉「残念ながら何も」

だろうな。何かわかっているなら嫌というほど回りくどく解説を始めるのがお前だった。頼んでもないのにな。
少し元気がないように見えるのはそのせいか。

みくる「ごめんなさい、わたしも何も……」

でしょうね。それはいつものことです。

キョン「今回もハルヒなのか?」

古泉「わかりませんが、恐らくそうでしょうね」

しまった。コイツに話をふってはいけなかった。
まぁ、長門を待つ暇な間くらい得意気に振りかざされる古泉説を聞き流すのもいいか。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/08(木) 14:43:50.68 ID:JDaaGrzEO

携帯で地の文は無茶だった

誰かあとは頼んだ

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 17:43:30.00 ID:AfbwczGq0

長門「それは、少し違う」

突然現れた長門の声に、得意気に話しだそうとしていた古泉は行き場を失ったかのようにその場で前のめりになった。
お前はどこぞの芸人か。

キョン「どういうことだ長門?」

長門は少し、と言った。半分正解で半分外れといったとこだろうか。
俺は古泉そっちのけで長門に食いついた。
朝比奈さんが長門の分のお茶を甲斐甲斐しく用意し始める中、長門はいつものように自分の席に座り本を開く。

長門「情報思念体が地球外からの干渉を察知した」

地球外から、と長門は言った。
なるほど、ハルヒお得意の宇宙人絡みというわけか。
いや、待て。

キョン「ちょっと待ってくれ、それがなんで自殺騒動になるんだ?」

古泉「少し違う、という点はもしやそこではないでしょうか?
   今回地球外からの干渉を受けたのは涼宮さんの願望実現能力の賜物ですが、
   その干渉の内容は涼宮さんの意思とは関係なく、偶然にも無差別に選ばれてしまった
   危険思想の宇宙人によって決定された、と」

さきほどの行き場がよっぽどなかったのか、古泉は一口に言いたい事を言ってしまった。
それを聞き流しながら長門を見ると、長門の表情は優れないようだった。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 17:44:41.41 ID:AfbwczGq0

長門「…わからない」

キョン「長門、お前でもわからないのか…!?」

言ってしまってから、今回の騒動は日本だけにとどまっていないことを思い出す。
それに、ハルヒ一色の騒動でもなさそうだ。

キョン「すまん…いくら長門でも今回の騒動は把握に少し時間がかかるか」

長門はコクリと静かに肯いた。

古泉「う、うわぁぁぁああああ!!!」

てっきりハルヒが来るまでこのまま嫌な沈黙が漂うものだと思い込んでいると、
いきなりイスを倒しながら立ち上がった古泉が発狂した。

キョン「古泉、うるさいぞ」

古泉「今、今何か落ちて――」

キョン「湯呑はお前が落としたんだろ。あーあ、お前、せっかく朝比奈さんが淹れてくれたお茶を落としてしまいおって…」

古泉「……んでだよ」


25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 17:45:59.31 ID:AfbwczGq0

キョン「…?」

古泉「なんでだよ!!!?」

古泉「なんで…なんで長門長門で俺の話を聞いてくれないんだよ!うわぁぁぁぁああああああ!!!!」

長門「ッ!!!危険!」

刹那、俺は夢の中のような光景に包まれていた。
イス、机、パソコン、物という物。果ては壁や扉までも、大小の「穴」が空いていった。
スローモーションで見えるその光景はどこまでも幻想的で、非現実的で。
発狂した古泉に声をかけようと一歩前に踏み出した俺はその場で足を滑らせていた。

キョン「…?」

床と熱い抱擁を交わしながら床についた手のひらを自分の顔の前に持ってきてみると、真っ赤に染まっていた。
血、か。あぁ、道理で生ぬるくて、滑るわけだ。
頭のどこかで冷静におかしなことを思いながら、俺の意識は遠のいて行った。


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 17:47:12.93 ID:AfbwczGq0

bad end...

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 17:55:47.05 ID:AfbwczGq0

とりあえず死こそ最終進化論まで書こうとは思う

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 18:09:41.06 ID:AfbwczGq0

目が覚めるとそこは保健室だった。
心配そう(に見える…ということにしておきたい)長門が俺の顔を覗き込んでいた。

キョン「ゆっ―!!」

言葉を発しようとして、体の痛みに気付く。

長門「残念ながら夢ではない」

さすが以心伝心。俺の言葉を先回りして長門は答えてくれた。
非常に非情な現実をありがとう。

キョン「こいず…みは…?」

長門「あなたの担任が連れて行った。情報操作でただの喧嘩にはしておいた」

さすが長門。不測の事態にも抜かりはない。

キョン「あさ…」

その名を呼ぶ前に手で静止された。しゃべらない方がいいという長門の気遣いだろう。

長門「無事。怪我を治して家に帰した」

そこで俺はわずかな違和感を覚えた。
け…が?

長門「そのままで聞いてほしい」


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 18:22:12.23 ID:AfbwczGq0

俺の微妙な表情の変化を読み取ったのか、長門は話し始めた。

長門「私はあなたの怪我も直そうとした。けれど」

キョン「できなかった…?」

長門は首を横に振った。ますます訳がわからない。

長門「あなたの波長がわずかにぶれていた」

それはどういう…?

長門「あなたの中に、情報思念体が察知した地球外生命体の波長がある」

キョン「!?」

俺の…中に?
言い終わるや否や、長門は俺に手を伸ばしてきた。

長門「正しくは同化しつつある…というべき」

そう言うと長門は俺から布団をはがし、ワイシャツのボタンを上から一個ずつ外していく。

ど、どどど同化!?待て、長門、お前は何を言って何をしているんだ。
待て待て待て。


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 18:23:40.64 ID:AfbwczGq0

以心伝心のはずが俺の心の必死の叫びもむなしく、長門は丸椅子の座ったままじゃやりにくかったのか
あまつさえベッドの上に登って俺にまたがってくる。

ぐっと近づいた長門の吐息が首筋にあたり、確実に俺の理性を摩耗させていく。

いや、待て、待ってください長門様!!!
ここはたしかに保健室だし二人きりだしちょっとばかしも期待してなかったかというと
嘘にはなるが心の準備というものが…!

ボタンを外し終え、長門は手を握ってくる。
ゆっくり力が込められていくままに従い、俺は上半身を起こした。

長門「見た方が早い」

乱れた思考と同時に着実に心の準備の方を推し進めていると、
やけに冷静な長門の声とその視線の先の物が幸せな勘違いに浸っていた俺を呼び戻した。



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 18:25:01.77 ID:AfbwczGq0

キョン「これは…!!!」

さっきのが夢ではないのだとしたら、俺は古泉の野郎に腹に風穴をあけられたはず。
だからこそ俺は滑って、意識が遠のいて気を失った。
いや、確かにそうなのだろう。
俺の痛々しい腹を見ていてもそれはわかるし、現実そうだったのだろうが――。

キョン「長門、参考までに聞くが古泉が発狂したのは…?」

長門「二時間と十四分前」

床を一面を血だまりにするほどの風穴があいていたはずの俺の腹。
俺の中にいるという宇宙人のせいなのだろうか。
俺の傷口はもう、ふさがりかけていた。



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 18:47:32.82 ID:AfbwczGq0

ハルヒ「ちょっとキョン!あんた古泉君に何したのよ!?」

次の日、学校にいくと俺と古泉の喧嘩騒動はすでに噂になっていた。

キョン「いや、まぁちょっとな…」

ハルヒや授業を適当にやり過ごしながら思考の海に沈んでいく。

昨日の長門との会話が思い出される。


長門「そして、あなただけじゃなく恐らく古泉一樹にも似たような波長の変化が見られる」

長門「でも、古泉一樹の波長の変化の幅はあなたを大きく上回る」

長門「古泉一樹は、地球外生命体と完全に同化している可能性がある」

じゃあ、古泉が発狂して閉鎖空間でもないのに超能力を使って
…俺たちを傷つけたのはそいつのせいかもしれないってことだよな?

長門「…わからない。…あなたに何か異常は?」

…傷の治りが異常に早い以外、特に何も。

長門「…そう」


38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 18:48:46.88 ID:AfbwczGq0

古泉…お前一体、どうしちまったんだ…。

…いや、古泉を責めても始まらない。
というより、俺は最近古泉に冷たくし過ぎていたのかもしれない。

そもそも古泉に優しくした覚えなんてない……?

…そこはあまり深く考えないでおこう。

とにかく、古泉が発狂したのには宇宙人がかかわっているにしろ、
きっかけは俺が作ってしまったに違いない。
俺は、古泉の意見を蔑ろにし過ぎた。

キョン「古泉に…謝ろう」

ハルヒ「当たり前よ」

独り言をつぶやいたつもりだったのだが、後から思わぬ返事が届いた。


42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 19:24:58.63 ID:AfbwczGq0

「クズ…」

「クズ…」

「お前もクズ…」

「むぅ、ここはクズばっかにょろ〜」

ダンッ!!

女生徒1「ひぇっ!」

鶴屋「廊下、走っちゃだめだから歩いてんの?」

女生徒1「はい?」

鶴屋「廊下だから歩いてんの?」

女生徒2「え、えぇ…」

鶴屋「はっ、お前らも屑にょろ!」


45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 19:26:49.80 ID:AfbwczGq0

鶴屋「クズ、クズ、クズばっかで汚い学校だわねぇ。お前も――」

ドンッ!

キョン「うをっ!」

鶴屋「?んー、君は…」

キョン「?」

鶴屋「君はクズじゃない!」

キョン「鶴屋さん何を言ってぐへっ!」

鶴屋「同志同志にょろよ〜♪」バシバシ

キョン「ちょ!鶴屋さん落ち着いて」

鶴屋「いいからこっちおいで♪」

キョン「ちょっ!!急いでるんですがっ!!!」

俺の言い分も聞かずに鶴屋さんは手短な教室に連れて入る。
そこの教室はまだホームルームが終わったばかりらしく生徒たちであふれていた。
ついでに俺たちの後をあまり表情の柔らかくないお人たちが付いて入ってきた。


46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 19:27:38.07 ID:AfbwczGq0

教室に入るや否や教卓に登り始めた鶴屋さんに俺も無理やり教卓の上に引っ張り上げられる。

鶴屋「廊下も走れないクズどもー!!!お前らに生きてる資格はないにょろ=!
   そこに座れー!!私たちが説教してやるさぁ!!!」

キョン「…はい!?」

生徒1「こいつらやべぇ……」

生徒2「んだとこらぁ!!!」

キョン「待ってください私たちって何ですか!?」

鶴屋「そう!私たち、私たちの説明から入ろう!」

そういうと鶴屋さんは一番手前にいた生徒の持っていたケータイを器用に足で蹴り上げてキャッチした。
…今更だが教卓の下の奴らは鶴屋さんの下着見放題じゃ…。

鶴屋「ほぅほぅ」

鶴屋さんが強奪したケータイを覗き込むと今話題の集団自殺についてのトピックが移されていた。

鶴屋「自殺ウィルス、か。ある意味的を射てるさぁ」

生徒2「いいから降りてこいやぁ!!!」

生徒3「目障りなんだよ!」


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 19:28:54.26 ID:AfbwczGq0

鶴屋さんがわめく生徒どもに向かってすっと手のひらを突き出した。

鶴屋「最近起こってる集団自殺の謎、知りたくない?」

その鶴屋さんの一言で教室は水を打ったように静まり返った。

鶴屋「おまえらにもわかるように自殺ウィルスって言葉を使って説明してやると
   自殺ウィルスに感染した奴らは自殺する。これはわかるさね?」

鶴屋「そして自殺ウィルスに感染した奴らと私たちは同じにょろ!私もこれもウィルスに感染してるさ。
   でもこのとーり、私たちは生きている」

鶴屋「何故だと思う?」

鶴屋「答えは簡単、私たちがクズどもを正しい道に導いてやるためにょろ〜」

鶴屋「”死”へとな!!!!」

キョン「鶴屋おまっ!!!」

こんな四面楚歌な状況でそんなこというと…


48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 19:31:11.98 ID:AfbwczGq0

生徒2「んだとこらぁ!!!」

生徒3「もうゆるさねぇ!!!」

生徒4「女だからって容赦しねぇ!」

カーニバルだった。
俺たち二人とも教卓から引きずりおろされそうになる。

鶴屋「まぁいいにょろー。ここは二人でこいつら一掃しようさぁ」

キョン「だから意味わかりませんって!」

俺の言葉に鶴屋さんは一瞬きょとんとしたが、すぐに血相を変えて俺に迫ってきた。

鶴屋「わかんない…!?…君にはがっかりだ。なーんだ、失敗作か」

そこで唐突に鶴屋さんに教卓から押して落とされた。

それから、鶴屋さんは教室にいた血気盛んな輩にどこかに連れていかれてった。
あの人のことだ。
あの大人数にあの余裕の表情をしているからには何らかの策があって大丈夫なんだろうが…。

キョン「…いや、今は古泉が先か。…くそぅ、だいぶ遅れてしまった。急がなくては」

俺は考えるのをやめ、古泉のいる第二応接室に走った。


50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 19:54:59.74 ID:AfbwczGq0

古泉「先生…僕、アルバイトに行かなきゃ…機関が……」

岡部「いや、いいんだ。もういいんだよ、古泉君」

古泉「…?」

岡部「言い忘れていたけどね、君は機関から解放されたよ。もう、君は必要ないそうだ」

古泉「そんな馬鹿な!?馬鹿な!?僕が行かなきゃ…行かなきゃいけないんです!」

ガッ!!!

岡部は古泉の頭を掴んだ。

岡部「いい。いいんだよ、古泉君。私の計画には君が必要だ。だからもう、いいんだ」

古泉「あぁ…あぁ……」

岡部が声をかけると、色めき立った古泉の体から力が抜けていく。

古泉「森さん…お疲れ…お疲れ様でした……」

岡部「ふっ、わかってくれたようだね……さて、来客か」

窓の方に向いたまま反応しなくなった古泉を置き去りにして、岡部は第二応接室を出る。
足音の主はすぐ目の前だった。


51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 19:56:49.46 ID:AfbwczGq0

キョン「古泉に…会わせてくれ。そこにいるんだろ?」

俺は息も切れ切れに岡部に告げた。

岡部「いるにはいるが…無理な相談だよ」

キョン「謝りたいんだ!古泉に!俺の親友に!!!」

岡部「停学中の生徒を他の生徒に会わせることはできない。
    増してや…君は問題を起こした張本人でもあるわけだろう?」

キョン「どけよ!!!ちゃんとその目開いてんのかよ!?俺たちは喧嘩なんてしてねぇよ!
    俺はどこにも怪我してないだろ!?どけよ!!!?」

無駄だ。
長門の情報操作は完璧だ。こんなことで覆るはずもない。
なのに、俺は叫ぶのを止められなかった。
なんでかはわからない。
俺は古泉をここまで友として思っていたのは俺としてもものすごく意外だったのだが。

…不安、だったんだと思う。


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 19:57:40.86 ID:AfbwczGq0

キョン「どけよ岡部!古泉!!!聞こえるんだろ!?古泉!!!」

いろんな思いが頭の中を駆け巡って、無理に通ろうとした俺は気付くと岡部と取っ組み合いになっていた。
こっちも高校生とはいえ、相手は働き盛りの大人。
力は多少俺の方が劣っていた。

キョン「んでだよ!!」

こんなことをしても意味はない。
そうわかっていたのに、俺は止めることができなかった。

そんな不毛な取っ組み合いに終止符を打ったのはズボンの後ろポケットに入れていたケータイだった。

キョン「くそっ!!!」

俺は悪態をつきながら岡部を話すと、岡部はうっすら笑みを浮かべて襟元を正していた。


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 19:58:22.99 ID:AfbwczGq0

電話だった。

ハルヒ「ちゃんと古泉君と仲直りした?
     っていうか今日、誰も部室に来なかったのよ!
     聞くと、みくるちゃんも有希も風邪で休みだって言うじゃない!
     もう、計算外だわ!明日も来ないようだったら部活の時間にお見舞いにいくからね!」

キョン「…おぅ」

電話はそこで切れた。
俺は二文字しかしゃべっていない。

俺が奇跡的にも二文字しゃべれたのは、部室に誰もいなくてハルヒも寂しかったのだろう。
だが正直、ハルヒの声を聞いて少し落ち着いた自分がいた。

落ち着けた俺は、冷静な考えを持つことができてきた。

長門が、風邪…?

キョン「古泉、また来るからな!」

岡部のうっすらした気味の悪い笑みに見送られながら、俺は学校を後にした。


57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 21:00:59.04 ID:AfbwczGq0

あの後長門の家にいくと、長門は本当に熱だった。
長門曰く、

長門「バグが私の中に降ってきた…。
   波長に変化が起きて情報思念体との接続が一時的にこうなっただけ…大丈夫」

らしい。

あれから何度応接室の前にいっても俺は古泉には会えなかった。
古泉自身が俺に会いたくないらしい。
岡部の口から聞いたものだからあまり信用したくはないが。

例の集団自殺の騒動は、ちょうど一週間程度で収まった。
誰かが悪魔の一週間と名付け、その名の通りまさに悪魔のような一週間が過ぎたことに
ほっとしてか誰もが通常の生活に戻りつつあった。

そう。
SOS団を除いた誰もが。


58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 21:11:39.52 ID:AfbwczGq0

あの後長門の家にいくと、長門は本当に熱だった。
長門曰く、

長門「バグが私の中に降ってきた…。
   波長に変化が起きて情報思念体との接続が一時的にこうなっただけ…大丈夫」

らしい。

あれから何度応接室の前にいっても俺は古泉には会えなかった。
古泉自身が俺に会いたくないらしい。
岡部の口から聞いたものだからあまり信用したくはないが。

例の集団自殺の騒動は、ちょうど一週間程度で収まった。
誰かが悪魔の一週間と名付け、その名の通りまさに悪魔のような一週間が過ぎたことに
ほっとしてか誰もが通常の生活に戻りつつあった。

そう。
SOS団を除いた誰もが。


59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 21:13:30.53 ID:AfbwczGq0

長門は2、3日で体調を取り戻したが、今までも十分空気だったマイエンジェル朝比奈さんは完全に姿を消した。
学校は無断欠席しているらしいが、黙って未来に帰ってしまったとも考えずらい。
長門曰く、時間を飛び越えたり操作したような時空の乱れが生じてないから
朝比奈さんは現代にいる可能性は高いらしいが。

本調子が出ないらしい長門にそれ以上頼るわけにもいかず、
朝比奈さん捜索はおざなりになり、
何か事件に巻き込まれてなければいいと祈るしか俺にはできなかった。

朝比奈さんのことを聞こうと鶴屋を訪ねたが、鶴屋さんもあまり学校には来ていないらしかった。

辛うじて朝比奈さんのクラスメイトから紅く髪を染めた朝比奈さんを
町中で見たとの証言を得たが、そもそも髪を染めてグレるような人ではないし、
そんな時代の人でも決してない。
同時に、決して今スレを支配してるやつがあまり好きじゃないからという理由でもない。

そんなこんなで、SOS団も不安定なまま、古泉の停学が解ける日がやってきた。


俺とハルヒはささやかながらその日、
古泉復帰パーティーを開こうと決めていた。


60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 21:14:24.11 ID:AfbwczGq0

俺とハルヒと長門は、古泉の停学が解けた日の部活の時間、
早めに教室に来て今か今かとクラッカーを狙い澄まして古泉を待ちかまえていた。

古泉「」ガラッ

パンパンパンッ!

古泉「!?」

ハルキョン長「古泉一樹、おかえりなさい!!!」

古泉は豆鉄砲を食らったような顔、と言っても妙に整った顔なのであまり間抜けな顔に
見えないのがなぜか悔しいという思いを俺に抱かせたりするのだが、
とにかく驚いた顔で俺たちの顔を順々に見て行った。

古泉「これはこれは…ありがとうございます」

にこりと微笑む、いつもの古泉がそこにいた。
やけに安心している俺がいたのは言うまでもない。

ハルヒ「古泉君おかえりなさい!見てみて、私たち三人で作ったのよ!」

ハルヒは先ほどテーブルの上に所せましと並べた、俺たちが家庭科室を占拠して
作った料理をはちきれんばかりの笑顔で古泉に見せつけた。

古泉「ほほぅ、これは美味しそうですね」


61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 21:15:12.19 ID:AfbwczGq0

長門「食べるといい」

今にもささやかなパーティーが始まろうとする中で、俺はしなければならないことに気付いていた。
が―――。

キョン「おっほん、その前に古泉、お前にひとこ―――」
古泉「長門さん、少しよろしいでしょうか?」

長門「…いい」

意気込んで発したはずの俺の言葉はどこにも届かなかった。
古泉がうっすら笑みを浮かべて、長門を連れて部室を出て行ってしまった。

何やら気まずい空気だけが俺とハルヒを包む。

ハルヒ「んー、これやっぱりうまくできてるわね♪」

…気まずい空気に包まれていたのは俺だけだったようだ。
しかし、主役がたった今料理に手をつけずに出て行ったのに早速自分は食べ始めているという
空気を読まないハルヒの行動に肩の力が抜けたような気がして、
少し救われた気分にもなっていたのは否めない。

キョン「ありがとよ…」

そうだ、俺は古泉にこっちも言わないといけない。


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 21:17:53.10 ID:AfbwczGq0

ハルヒ「ん?何か言った?」

キョン「なんでもねぇよ」

ハルヒ「……それより」

キョン「?」

ハルヒ「古泉君、どこか変わった?」

キョン「!!!」

ハルヒのその一言で、俺は今までの空気全てを吹き飛ばしていた。

ハルヒ「なんとなく、雰囲気違わない?」

ハルヒが何を言っているか理解できなかった。
待て、お前は今何語をしゃべっている?
なぁ、何をいっているんだハルヒ?
古泉は、あんなにいつもどおりに優男の笑みを浮かべていたじゃないか!

ハルヒ「なんか…自信にあふれてるっていうか…そう、目!目がギラギラしてたような…」

キョン「そんなわけあるか!!!」


63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 21:19:00.80 ID:AfbwczGq0

思わず、大声を出してしまっていた。
ハルヒが驚いた表情でこっちを見る。

キョン「…いや、すまない」

ハルヒ「…何よ、びっくりするじゃない……」

キョン「は、ハルヒ、俺はトイレにいってくるぞ!」

ハルヒ「ばっ、ばか!そんなの一々言わなくてもいいわよっ!」

俺は、逃げるように部室を後にする。

俺は少し、疲れているのか…?

頭を冷やすために少し歩いていると、屋上へ続く階段に、上履きが片方落ちていた。

キョン「…クンクン。これは長門の…?」

階段を見上げると、少しだけ風を感じた。
俺は上履きを握りしめ、階段を一歩一歩上がっていく。

屋上への扉は、鍵が壊されていた。
それも、通常のやり方ではどうやってもできない壊され方で。
扉のドアノブと鍵があっただろう部分には、まるで何かにえぐり取られたように丸い”穴”があいていた。

嫌な予感が背筋を走る。


64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 21:20:38.60 ID:AfbwczGq0

これじゃ、まるであのときの…古泉の能力じゃないか!!!


勢いよく屋上の扉を開けると、額にうっすら汗をかいている長門と、
それに微笑を浮かべている古泉の姿がそこにあった。

古泉「僕は、今まであなたにかなわなかった。何一つ」

長門「…」

古泉「情報収集能力、戦闘力、そして信頼」

古泉「あなたは僕の欲しいものをすべて持っていた」

古泉「僕と同じ、末端のくせに」

古泉「情報収集能力は仕方がありません。
    宇宙規模の視界を持つあなたの”組織”に勝とうなんて思いませんから」

古泉「それでも、僕は全力を尽くしてきたつもりです。
    涼宮さんがやれ合宿だのやれなんだの言えば組織をあげてサポートし、
    やれ閉鎖空間だと言えば命をかけて向かいました」

古泉「それでも、閉鎖空間以外では戦闘力は並、
    加えて僕の活躍なんて誰も見ることはできません。
    どんなにサポートしても所詮サポート、
    話の途中でどんなに素晴らしい合いの手をいれても信頼はあなた以下」


65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 21:22:00.00 ID:AfbwczGq0

長門「……わからない。あなたは信頼もされているし、十分―」

古泉「黙れ!!!…もういい。見せてあげましょう。
    もう二番目はうんざりです。僕は、力を手に入れたんですから」

古泉が薄気味悪い笑みをちらりとこちらに向けた気がした――刹那、
古泉が手を振った直後、長門から血しぶきが舞った。

キョン「!?」

古泉「あはは、まだうまく力を扱えませんね」

キョン「古泉、やめろ!!!」

古泉「あはは、僕はもう長門さんには負けません。見ててください」

キョン「古泉、やめてくれっ!!!」

古泉「……そうですね」

古泉「力尽くで勝ったところで僕の気持ちがどうなるわけでもない」

キョン「……」


66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 21:23:02.22 ID:AfbwczGq0


古泉「少し、昔話をしましょうか」

キョン「…?」

古泉「長門さんでもわからなかった昔話です」


古泉「昔、あるところに高度な知能をもつ生命体がいました。
    今の地球よりも遥かに高度な文明をもった生命体です。
    ですが、進化し過ぎた文明は星を蝕み、滅ぼします」

古泉「どんなに発達した文明でも、危機は訪れた。絶滅の危機。
    絶滅しかけ、息耐えようとしていた中、しかしその生命体たちは完成させるのです」

古泉「肉体を捨て、星を捨て、それでも生きていける術を」

古泉「そんな夢のような術。すなわち、精神体だけになる術を、その生命体は手に入れたのです。
    星が絶命する寸前、その術を使い、生命体たちは宇宙空間に飛び出し生き延びました」

古泉「食べず、飲まず、寝ず、しかし決して死なず、そして老いず。
    これこそ生命の最終進化!思念体となった生命体は決して疑わなかった」


67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/08(木) 21:23:48.94 ID:AfbwczGq0

古泉「しかし、考えてみてください。その先に、何があるというのでしょうか?」

古泉「行けども行けども、あるのは宇宙の闇だけでした」

古泉「行けども行けども、どこにも辿りつきませんでした」

古泉「しかし死ねない思念体は、どうしようもありませんでした」

古泉「そこで気付くのです」

古泉「こんなに虚しいものが最終進化なわけがない」

古泉「そう。…ここまで言えばあなたにもわかりますね、長門さん」

長門「……」


長門「死こそ最終進化」


70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 21:55:56.46 ID:AfbwczGq0

古泉「あはは、素晴らしい合いの手だ。いいですね」

キョン「古泉…」

古泉「おっと、話が反れました。昔話でしたね」

古泉「そこで、さらに進んで進んで、途方に暮れるような時間と距離を行って、
    ついに思念体は地球を見つけるのです」

古泉「そう、自分たちだけでは死ねない。
    最終進化するには、誰かの体を借りればいい。
    思念体はその可能性にとっくに気付いていたのです」

古泉「思念体は地球を見つけて歓喜しました。
    そこから後は知っているでしょう?」

キョン「悪魔の一週間…」

古泉「えぇ、そんな言い方がありましたね。そう、集団自殺へとつながったのです」

長門「能力は……?」


71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 21:57:54.65 ID:AfbwczGq0

古泉「あっはっはっは、長門さん、あなたに質問をされる日が来るとは思いもしませんでしたよ。
    そうですね、僕もうっかりしていました。
    そうです。その生命体と同化し、それでも尚死を免れたものたちがいます」

古泉「その者たちは”死”よりも先の進化を遂げました。
    それが、僕のような能力者です」

古泉は言い終わると目に言い知れない光を宿らせ、腕を振り上げた。

キョン「っ長門ッッ!!!」

気付けば、俺は長門と古泉の間に飛び出していた。

古泉「なっ!?」

目を見開いた古泉が俺たちの方向に振り下ろしかけていた手の軌道を無理やり変える。

古泉の反れた能力が、屋上のフェンス、コンクリートの床に複数の大きな穴を開けた!!!

古泉「くっ…!!コントロール…しきれない!!!」

衝撃が脇腹を突き抜ける。
構わず後ろを振り向くと、長門が額から血を流していた。


73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 22:02:34.20 ID:AfbwczGq0

長門「大丈夫…かすった…だけ……」

弱弱しく言葉を吐き出す長門は足もとをふらつかせ、古泉が開けた床の穴に躓き―――

地面をたゆたい、フェンスの外へ落下した。

キョン「長門ぉぉっ!!!!!」

考えている暇もなかった。
躊躇している時間も余裕もなかった。

俺は、気付けば地面に向かって目を閉じて落ちていきそうな長門に向かっていた。

古泉「なんてことを!!!」

空中で長門を捕まえた。が。

この後のことはノープラン。


………

キョン「うをををを!!!!!」


74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 22:05:31.09 ID:AfbwczGq0


俺、死ぬのかな?



この高さだもん、多分死ぬよな。


やばいよな。なんでダイブしたんだろうな。



いや、後悔は……どうだろ。







うん、それより。



キョン「うををを!!!!死んで、死なせてたまるかぁぁぁぁぁぁ!!!!!」




75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 22:06:14.74 ID:AfbwczGq0

気がつけば、叫んでいた。

どうしようもなく、近づいてくる地面を睨みつけた。
ただ、腕の中にいる長門。
長門だけは、決して離さなかったことを覚えている。

長門のにおいを覚えている。
長門のやわらかさを腕の中に感じながら、
朝倉といい長門といい、こんな風にハイクオリティーに女の子を作ってしまう情報思念体は
きっとすけべぇな親父で職人に違いないと、どこか自嘲じみたことを俺はしみじみ考えていた気がする。

キョン「うをを!!!!」

足に全ての力を注ぎ込んで、手に、腕に、それ以上の力を込めて、俺は無我夢中で地面に着地した。
全身を駆け巡ったのは痛みよりも先に衝撃。
瞬間、とまとがつぶれたかのように脇腹の穴から血が噴き出す。
そのあとから意識が遠くなるような痛みが足元から脳天に突き抜けた。

キョン「っっっ…!!!!」

声をあげることすらできなかった。

だが、生きていた。



76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 22:07:07.45 ID:AfbwczGq0

生きている。

長門も無事だ。

それだけを確認して、俺はその場に倒れこんだ。

目の前が暗くなりつつある中、古泉の声が聞こえた気がした。

古泉「なんだ、あなたも”仲間”だったんですね…とにかく、無事でよかった」

古泉「ですが、僕は行かなくてはなりません」

古泉「長門さんは…またの機会にしましょう」

古泉「…さようなら」

待て、古泉。待て…!!!

そう、叫ぼうとしながら

心の中で何度も叫びながら


俺は意識を失った。



第一部、完

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 22:18:10.62 ID:AfbwczGq0

原作通りに行っても終結しようがないし
メグを省いてしまったwwww
ただアライブ好きだから勢いで書いた
後悔はしてない

ただ、誰得w

二部あるなら並は長門か朝倉?

誰かが続き書いてもいいし
このあと完結させるかもしれない

スレ落ちたらそのまま終わるきがs

原作終わってないし着地地点は難しいし
すでにキャラ崩壊しまくりんぐなのはすまん

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 22:29:10.65 ID:AfbwczGq0

とりあえず風呂ー
このままdt長門路線になりそうだけど
朝倉エンド古泉エンドもあるかもしれない

個人的にゆら好きです


91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 23:54:01.86 ID:AfbwczGq0

キョン「ん…んん…」

ん?今何時だ?
目ざましなってなくないか?
…遅刻!?

ガバっ!!

起き上がると、そこは知らない光景でした。

キョン「妹よ」

仕方がないので、知らない光景の中の唯一知っている者の名を呼んでみる。
が、返事はなかった。

妹「ば…」

キョン「?」

妹「ば、、、」

妹よ、俺のすでに古ぼけた感じの記憶を鑑みるに
お前が今から言わんとしていることはなんとなく予想できるが、
いい年した女の子が鼻水だらっだらなのはどうかと思うぞ。


92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 23:55:34.97 ID:AfbwczGq0

妹「ばかぎょんーー!!!」

そして予想通りに妹は俺の名を呼びながら鼻水出血大サービスで俺に飛びついてきた。

キョン「あー、よしよし、悪かったな」

妹「三日も寝てたからもう起きないがど思っだー!!!」

泣きながらで言っていることが何となくしかわからなかったが
ここは妹の愛情だと思って俺は甘んじて妹を鼻水ごと受け止めるのだった。

しかし、三日…か。

徐々に頭が覚めてくると同時に、ここが病院で、自分に何が起きたかを思い出してくる。

キョン「っ!!!」

古泉、あいつはどうなった!?
さよならとかぬかしやがった、あいつは!!!

妹「キョン君、まだ大人しく寝てなきゃだめだからね!
  ちょっとおかーさんに電話してジュース買ってきてあげるから待ってて!」

最愛の妹の言うことも耳を抜ける。
俺は…俺は…!


93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 23:56:15.68 ID:AfbwczGq0

妹が俺の病室を出て間もなく、俺は病院の外へと走り出していた。
寝巻がわりのジャージで町内を疾走する。

俺の足は自然と古泉の家へ向かっていた。

キョン「何が…いったい何がどうなってるんだよ!?」

古泉の家についた。
インターホンを押そうとして…躊躇する。

キョン「古泉…いるのか?いや、いなかったら…俺は古泉の両親に何て言えば……?」

鶴屋「やぁやぁ、ごきげんよう」

インターホンを押せないでいると後から声がかかった。

キョン「鶴屋さん!?」

鶴屋「なんて顔してるんだい、クズでもあるまいし」

鶴屋「こりゃおかっつんの言ったとおりにょろー。まだ自覚がないにょろね〜。
   いい?人類はもう化石だよ?世代交代だよー」

鶴屋「この前の自殺ウィルスの話覚えてるかい?感染した人の大半は自殺しちゃったけど、
   私たちは生き残ったんさ。それで、生き残った私たちは進化したにょろよ?」


94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 23:56:55.11 ID:AfbwczGq0

鶴屋「キョン君さぁ…いい加減自覚しなよ。そのまま進歩しないなら…ころしちゃうよ?」

キョン「っ!!鶴屋さん…あなたはそんなことを言う人では!!!」

パァン!!!

俺の隣にあった電柱がはじけた。

鶴屋「どーよ、すごいにょろ〜?これ、シャボン玉に見えるけどこいつは空気を高密度に圧縮したものさぁ
   割れたらドカン、ミニ爆弾さね。こいつは私の意のままに動く。いつでも割れるし割らないこともできる」

鶴屋「どんなクズでも華々しく散らしてあげられるんさぁ。
   ま、骨も残らないから化石にもなれないけどね」

キョン「……っ」

鶴屋「私たちは北に行くよ。おかっつんや古泉君だけじゃあつまらないからさ、君もおいでよ」

キョン「古泉だと!?」

鶴屋「うん、仲間だからね。おかっつんはキョン君を連れていくことを渋ってたけど」

バッ!

キョン「どこだ!?古泉はどこだ!?」



95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 23:58:12.97 ID:AfbwczGq0

俺はあろうことか、咄嗟に鶴屋さんの胸倉を両手でつかんでいた。
そして、最悪のタイミングで最愛の人が現れる。

妹「キョン…君?」

鶴屋さんが、まるでゴミでも見るような目で俺の妹に目をやる。
俺の最愛の妹の周りに、いくつかシャボン玉が浮かぶ。

キョン「だめだ!!!逃げろ!!!!」

鶴屋「めがっさはやっ!」

妹の周りに爆弾が。
妹の周りに爆弾が。

何も考えている暇はなかった。
ただ必死に、俺は走って、ただ必死に、今にも妹の髪に触れそうなシャボン玉を手で払いのけた。


96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 23:59:03.77 ID:AfbwczGq0

鶴屋「(割れない!?…!!!こっちにくる!?)」

パシュゥ!!!

鶴屋「いったぁい!」

鶴屋さんの声を背中に受けながら、俺は妹の手を引っ張って走った。
逃げなければ。
妹を安全なところに。

その思いだけが俺を突き動かしていた。

鶴屋「キョン君…君は相変わらず、興味深いよ

何一つ解決はしないまま。

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 01:04:44.31 ID:oHK+i4d70

旅に出ます。

これでよし、と。
俺は陳腐な書き起きだけを残して、朝早く家を出た。

家にいると、家族を巻き込んでしまいかねないから。

キョン「だけど、最大の関門は…学校にあり」

言うまでもなく、ハルヒだ。
さて、どう言ったものか…。

部室にも同じ書置きを…いや、しかし。

考え込んでいるうちに学校に着く。
…というか家にケータイ忘れた。
いや、いいか。下手に連絡付くと面倒かもしれない。

さすがに朝早いだけあって、学校に人の気配はしなかった。
開いてない校門を飛び越え、気の向くままに歩を進める。

キョン「で、俺は律儀にここにたどりついてしまうわけか…」

数分とたたずに俺は部室の前にいた。
たどり着いてしまったものは仕方なく、俺は何度となく手をかけてきた扉に何のためらいもなく手をかける。
そして開ける。


104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 01:05:24.98 ID:oHK+i4d70

長門「ようこそ」

キョン「なんでいるんだ」

長門「待ってた」

キョン「俺を?」

長門「コクリ」

長門「旅…」

キョン「待て。何故お前がその書置きを持っている」

長門「旅…」

説明しろということか。

キョン「誰も…巻き込みたくないんだ」

長門「シュン」

…この罪悪感をどうしたらいいんでしょう、神様。
…ハルヒじゃん。


105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 01:06:30.89 ID:oHK+i4d70

キョン「あー、あ、そういえばもう調子はいいのか?
    バグだっけ?あれで風邪ひいて以来本調子出ないんだろ?」

言い終わって後悔する。
古泉に攻撃されながらもろくに反撃すらできなかったあのときの光景が思い浮かんでしまったからだ。

長門「…大丈夫、とは言い難い」

長門「バグは依然、私の中に存在する」

キョン「どうにもならないのか?」

長門「情報思念体との接続は切れたまま。
    この状態で大本のプログラムを書き換えるのは危険と判断した」

キョン「そうか…」

しかし、見たところそこまで支障があるわけでもなさそうだ。
ともかく、チートばりの強さを誇る長門ならいざ知らず、今の長門をあの鶴屋さんや古泉のいる元へ
向う度に連れていけるわけがない。

キョン「でも、ちょうどよかった」

長門「…?」

キョン「ハルヒによろしく言っといてもらえるか?うまくごまかして、さ」


106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 01:07:12.57 ID:oHK+i4d70

長門「私は今、情報操作も行えない。うまくできるか不安」

キョン「長門ならできるさ。それでさ、あいつの…そばにいてやってくれ」

長門「どうしても…いくの?」

キョン「元はといえば古泉があんなになったのは俺に責任がある気がするんだ。
    行かせてくれ…」

長門「そう…」

長門「いって…らっしゃい…」

長門は小さくそう言ってくれた。
俺は不思議と、それだけで力が湧いてきた気がした。

キョン「あぁ、必ず、古泉を連れ戻してくる。…それまで元気でな」

俺はそう告げて部室を後に……あれ。
部室を後に…………?

キョン「!?(…出られん?……いや)」

キョン「(俺今、さいっっっっっっこうにかっこわるくないですか!?)」


108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 01:09:00.60 ID:oHK+i4d70

長門「…どうかした?」

言うべきか…言うべきか…。

キョン「いや…」

気のせいじゃね?
いや、もっかい言ってみれば意外に行けるんじゃ……いや、出られないぞ!?
何でだ!?
見えない…壁があるみたいだ!!!!

キョン「なんていうか…」

長門「名残惜しい?」

キョン「いや、それもあるが、あるんだが…」

長門「…?」

あぁ、やめてくれ長門、そんな純真な目で俺を見つめて小首をかしげないでくれ!!!
俺は今最高にかっこ悪い場面に直面した最高にかっこ悪い男なんだっ!!!

キョン「…出られないん、だ。見えない壁、みたいなのがあって、扉にも触れない」


109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 01:09:51.75 ID:oHK+i4d70

長門「…そう」

…今、長門の表情がわずかに動いたような気がしたが。

キョン「待てよ…これは…誰かの能力、だったりするのか?」

長門「…かもしれない」

キョン「長門、ケータイ…はないか。パソコンをつけてみてくれないか?」

長門「…つかない。電源が入っていないよう」

これは外界から隔離されているということか…?

部室の中には俺と長門しかいない。
誰かが隠れられそうなスペースもなくはないがすでに調べてあるから、これは確実だ。

もしこの隔離が誰かの能力だとしたら、能力者は外から俺たちを隔離していることになる。
だとすれば、手の出しようがない。
だが、何のために?

俺たちを、ここに閉じ込めておくだけの能力で外の奴は何がしたいんだ?

キョン「考えてもわからんな。長門、何か策は?」

長門「壁を壊す…?」

キョン「それしかないよな」


110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 01:10:31.71 ID:oHK+i4d70

俺たちはいろいろ試すことにした。
まず壁を思い切り殴った。
痛くないどころか、殴った感触さえなかった。
次に、イスで窓ガラスを思い切り叩きつけた。机を投げつけた。もうこの際出られれば何でもいい。
だが、見えない壁が壊れるどころかイスも机も傷一つつかなかった。
窓ガラスの数センチ前でぴたりと止まり、床に落ちる。

思いつく限りの破壊行動を尽くした後、俺は軽く汗ばんでいた。

キョン「少し…熱くないか?」

長門「室温が上昇している」

…まさか。

キョン「まさか、俺たちを隔離したやつの狙いって…」

長門「…!」

キョン「窒息死…とか?」

長門「……」

111 名前:乗っ取り犯[] 投稿日:2009/10/09(金) 01:14:13.18 ID:inAZ7ZXPO

さるさんくらいますた
再開は明日の昼予定
せめてゆーた編は終わらせたかった
スレ落ちたらそこで終了します

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 01:20:24.05 ID:inAZ7ZXPO

長門「…耳が」
キョン「…すまん」
長門「……」
キョン「……」
完璧に詰んだ。
俺の能力…はないのかもしれない。
こうしているうちにもどんどんこの部屋の酸素は消費されていく。
心なしか喉が渇いてきた。


114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 01:23:31.14 ID:inAZ7ZXPO

長門は大丈夫だろうかと目を向けると、ちょうどが目があった。
かと思うと、長門はぷいと目をそらしてしまった。
…甲斐性なしですまん、長門。
そして俺から目をそらした長門は、気のせいか、ほんの少しそわそわしているように思えた。
…もしかして長門、トイレ……?


115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 01:24:20.78 ID:inAZ7ZXPO

緊急事態だ!!!
キョン「かくなる上は長門だけでも外に!!!!長門だけでも!!!うををを!!!!」
俺は全力で見えない壁に挑んだ。
キョン「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ…」
が、無駄に終わった。
キョン「…すまん……長門…俺は……」

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 01:25:27.93 ID:inAZ7ZXPO

携帯だとなんか悲惨なことになるね!
まぁおとなしくねるk
落としてくれてかまいません

おやすノ



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