古泉一樹の憂鬱


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 21:33:02.03 ID:ap3by3A4O

やれやれ 今日もまた


「どこぞの神様が勢い余って消し去ってくれないものか」と願いたくなるほどに長い学校前の坂道の麓で溜め息をつく
「殺人的」などという比喩表現は、こういうものの為に考え出されたのだろう

もし隣に朝比奈さんでも居てくれたら全く苦にもならないのだろうが生憎と、今隣に付き添って歩いてくれるような天使は俺の手の届く範囲にはいないのだった
おーい、寂しいから誰か来てくれ、この際谷口でもいいぞ


2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 21:34:29.32 ID:ap3by3A4O

長門「・・」

お、長門、いたのか?
しかし珍しいな、長門がこんな時間に
もう遅刻寸前だぞ?

長門「あなたを待っていた」

・・またなんか、ハルヒ関連のトンデモ現象が発生したのか?
少しぐらい休みがほしいもんだな

長門「そう、その休みに関して」


パードゥン?


長門「古泉一樹の様子がおかしい、極度の疲労と心労、義務感に耐えられなかったものと思われる」


3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 21:37:48.24 ID:ap3by3A4O

やれやれ 今日もまた


「神様が哀れに思って救ってはくれないものか」と本気で願うほどに報われない日々を思い溜め息をつく
「悲劇的」などという比喩表現では、僕の苦しみは表現仕切れないのだろう

もし隣に誰か居てくれたなら少しは楽だったのだろうが生憎と、今僕の隣を支え合いながら歩んでくれるような友達は僕の知り合った中にはいないのだった

おーい、誰か僕を助けてください、この際知り合いでなくてもいいですよ?



やっぱり


誰も来てはくれない

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 21:41:34.75 ID:ap3by3A4O

僕は最近、いつもそんな夢を見る

そして逆に安心する
まだ夢を見るような余裕があるのだから、大丈夫だと



僕の一日は、他の機関員が涼宮さんを盗聴盗撮追跡して得たデータから、「彼女が団活で言い出すであろう事」を導きだし、それに対応出来るよう予習することから始まる

僕は「不思議な転校生」でなければならない
「不思議な転校生」であり続けるには、「神」のご機嫌を損ねないように努力し続けなければならない


予習する範囲は並大抵のものではない
彼女がふと街で目線を移した先にある物、呟いた一人言、遭遇した事件、それらに纏わる全てが僕の予習範囲

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 21:46:37.17 ID:ap3by3A4O

「予習」が終わった頃、朝日が出てくる時刻となる

風呂に入り、何百着もあるクリーニング済みの衣服を適当に着て、髪型を作り、メイクを施し、ニュースを見て時事を把握する


今日は少しばかり起床が早かった為、カロリーメイトぐらい食べていく時間的余裕がある
普段は何も食べれないのだから幸運な事だ

食べ終われば登校しなければならない

機関の車で送り迎えが出来れば楽なのだろうが、毎日のようにそんなブルジョア登校をすれば間違いなく学生で噂の的となり、それは「神」の耳にも届いてしまい余計な事が起こる確率がある
もっぱら、徒歩での通学となる


さようなら、偽りの我が家よ
そしてこんにちは、苦痛しかない学校生活

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 21:52:33.90 ID:ap3by3A4O

機関の一員である僕には学校なんて何の価値もないし、授業なんて無駄な時間でしかなかった。
けど、最近では、「丸一日をSOS団に費やすよりは遥かにマシだ」と思えてきた。


SOS団は結局、「神」である涼宮ハルヒが、他人の目を気にせずに自分の想い人と一緒にいる為だけに創った「隠れ蓑」なんだから。
宇宙人も未来人も、鶴屋谷口国木田も、そしてもちろん僕も、「隠れ蓑」の藁の一本に過ぎない。


僕がイエスマンでいなければならない場面に出くわす度、彼が「鍵」である事を思い知らされる度、彼女が「神」である事を再認識する度・・僕はこの世界の不条理に憤る。


そして、藁の一本である僕は、この世界を壊したくなる。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 21:57:30.45 ID:ap3by3A4O

学校に着けば、いや、着く前から幾人もの女子生徒から声を掛けられる。
中には、僕と連れ立って登校しようとする輩もいる。


勘弁していただきたいものだ、涼宮さんに見られて不機嫌になられてしまったら、その責任を取るのは専ら僕達であってアナタではない。
SOS団は恋愛禁止、それを副団長である僕が破るワケにはいかないし、そのように勘違いされるかもしれない「火種」は煩わしいだけだ。


内心そう思いながら、丁重に断りをいれる。
逆恨みされて陰で中傷でもされたら、たまらないから。

一学生として迷惑というのではないし、もちろん古泉一樹としてでもなく、機関の一員として、SOS団団長に求められた存在として、それは非常に迷惑だから。


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 22:04:54.48 ID:ap3by3A4O

こんなレベルの学校であっても、特進クラスに入っておいてつくづく良かったと思う。
根暗で社交性のない、所謂ガリ勉も少なからずクラスにいるから、周りに気を使う必要がそれだけ減少する。

これが普通のクラスなら、煩わしい他人との、表向きだけの交友関係に頭を悩ませなければならないのだろう。



昼休みには、他クラスの女子生徒が訪れる事も度々あり、そして今日はそんな日のようだ。
ほら、僕を目当てに、どうせ顔しか見てない癖に、僕の趣味すら知らない癖に、今まで一度も話した事もない癖に。

僕にとっては、アナタの名前は知る価値も記憶する意味もないし、もちろんアナタの好意の向かう先が例え僕だったとしても、別に興味はないというのに。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 22:09:47.51 ID:ap3by3A4O

「気持ちは嬉しいのですが、残念ながら、今はSOS団の活動で手一杯なんです、申し訳ありません」


僕が超能力者で、涼宮ハルヒは神で、神と世界の為に戦う必要があるから。
その為には彼女などつくれない。

そう、本当の事を言えれば楽なのになぁ。


ほら、ヒステリックになって叫ぶ叫ぶ。
あぁ、涼宮さんがふと聞いてしまってストレスを受けなければいいのだけど。


あんな団おかしいよ、
抜ければいいのに、なんで、
恋愛したいと思わないの?


ええ、同感ですよ
僕もそう思っていますよ


「気持ちは嬉しいのですが、残念ながら、今はSOS団の活動で手一杯なんです、申し訳ありません」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 22:16:55.67 ID:ap3by3A4O

授業も終わり、そろそろ部室へ向かう時間となる。

さて、今日は誰がいるだろうか、と想像する。

茶を淹れられる未来人、会話する必要のない宇宙人だったら楽だな。
何の力も責任もないくせに偉ぶる彼、そして無自覚に無感謝に僕を使役する彼女だったら・・嫌だな。


まぁ、未来人も宇宙人も、「今のところ敵対していない」というだけ。
信用も信頼も出来ないし、してはいない。

それなのに、心の底から「SOS団の仲間として」信頼しているフリをしなければならない。



これは、ちょっとした苦痛ですよ。
・・出来るなら、皆消えてしまえばいい。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 22:23:43.28 ID:ap3by3A4O

あの担任はホームルームの時間を度々延長するから煩わしい。
「生徒会長」を経由して苦情を入れておかなければならないだろう。


「僕が一番最後ですか、遅くなりました、すいません」


ハルヒ「遅いわよ古泉君!」
本気では望んでいない癖によく言うよ。


「申し訳ありません、なかなかホームルームが終わらなかったものですから」


キョン「お前が来ないとこっちは退屈なんだ、早くやろうぜ」
また勝手な事を言う。
あなたが「鍵」でないのならば、あなたなど視界に入れる価値すらないというのに。


「褒め言葉と受けとりますよ、僕が先攻でよろしいでしょうか?」


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 22:28:17.18 ID:ap3by3A4O

side KYON

登校中に長門が言っていた「古泉がおかしくなっている」とは・・?
一体何がどうなったのかは知らんが、注視せねばな。



コンコン ガチャ


古泉「僕が一番最後ですか、遅くなりました、すいません」

ハルヒ「遅いわよ古泉君!」
古泉「申し訳ありません、なかなかホームルームが終わらなかったものですから」

ハルヒ「それじゃ仕方ないわね」

キョン「・・お前が来ないとこっちは退屈なんだ、早くやろうぜ」

古泉「褒め言葉と受けとりますよ、僕が先攻でよろしいでしょうか?」


何をどう見てもいつも通りだぞ、長門?
お前の勘違いじゃないのか?

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 22:34:08.21 ID:ap3by3A4O

パチッ

ほんの僅かに、普段より強めに歩を将棋盤に叩き付ける。
八つ当たりぐらいは許していただきたい、でないと、こんな毎日やっていけないでしょう。



彼と将棋をしながら、考える。
まぁ、そんな事を考えながらやってるから、全く彼に太刀打ち出来ないんですけどね。


僕は、どうしたらこんな日々から抜け出せるのか。

友達も作れず、趣味もなく、将来もなく、恋愛もなく、苦しいだけの日々から、どうやったら・・。


自殺しても・・「神」が許さないだろう。
すぐにまた、この毎日に引きずり戻される。

僕はどうしたら「自由」になれる?
どうしたら・・。


長門「・・」


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 22:38:46.80 ID:ap3by3A4O

長門「」パタン

ハルヒ「あ、もうこんな時間・・それじゃ、皆バイバイ!」

ガチャ バタン


やれやれ、相変わらず元気なやつだ。
毎日毎日「アタシに元気を分けなさい!」とか願ってるんじゃあるまいな?


古泉「それでは僕も帰るとしましょう、さようなら」
ガチャ バタン


長門、やっぱりいつもどおりにしか見えないぞ?


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 22:47:42.67 ID:ap3by3A4O

長門「」パタン

ハルヒ「あ、もうこんな時間……それじゃ、皆バイバイ!」

ガチャ バタン


やれやれ、相変わらず元気なやつだな。
まさか、毎日毎日「アタシに元気を分けなさい!」とか願ってるんじゃあるまいな?


古泉「それでは僕も帰るとしましょう、さようなら」
ガチャ バタン


長門、やっぱりいつもどおりにしか見えないぞ?

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 22:49:55.16 ID:ap3by3A4O

やっべぇぇぇミスごめん

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 22:50:39.24 ID:ap3by3A4O

長門「それは、彼が機関の一員であるから表面上はまともに見えるだけ」

おいおい、それじゃあ内心は、例えば「ハルヒを殺したい」とか思ってるっていうのか?

長門「内心では、この世界全てを憎んでいる」

・・いつからだ?
あいつは、あのいつもヘラヘラしてるSOS団副団長は、いつからそうなっちまったんだよ!!


長門「……最初から」

嘘だろ、嘘だっていってくれよ。
あいつは、今まで、内心はそんな事を考えながら……。
いつもヘラヘラ笑ってたっていうのかよ。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 22:54:50.34 ID:ap3by3A4O

長門「彼には、組織やSOS団関連、知り合った人間全てにおいて、彼を支えようとしている友人がいない」

長門「それが、彼の内心が荒みきっている原因」

長門「彼の心のケアを、あなたに任せたい」


……俺でいいのか?


長門「彼にとって『友人』に一番近いのがあなた」


俺はあいつを親友だと思ってたんだがなぁ……まぁ、『親友』なんだから当然支えてやるさ。


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 23:07:35.36 ID:ap3by3A4O

帰宅するとすぐ、機関への定期連絡をしなければならない。
本日、部室で起きた事全てを報告……まぁ、盗撮も盗聴もしてますから、ただの確認みたいなものなんですがね。
少し憂鬱になりながら、家路を急ぎ足で歩む。


prrrrr


……この着信音は彼ですか。
もちろん着信音を人それぞれに振り分け、それを暗記してある。


「もしもし、どういたしましたか?」

キョン「あぁ、明日暇か?」
……あなたごときにそのような事を説明する謂れはないのですよ。
僕に一般的な意味での「暇」「休日」などは存在しない。

「まぁ、閉鎖空間さえ出現しなければ大丈夫ですよ」
『鍵』から不興を買ってはいけない、それは機関員の共通認識だ。


キョン「ならちょうどいい、明日遊ばないか?」


……何を考えているのですか、あなたは。

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 23:23:00.68 ID:ap3by3A4O

「一人暮らしの自炊生活ですから、今から帰宅して夕飯を作らねばならないのですよ、後でこちらから掛け直してよろしいですか?」

もちろん、自炊生活などと、そのような事実はない。
一度機関に伺いを立てなければならないだけ。


キョン「おぅ、遊びに行く場所考えながら待ってるよ」
プツッ


……さて、機関に報告しないとな。

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 23:39:03.75 ID:ap3by3A4O

機関に電話する前に、深呼吸をしなければならない。
機関の事務員は電話にワンコールで出てくるから、気持ちを落ち着ける猶予を取っておく必要がある。

pr ガチャ

機関事務員「何かありましたか?」

ほらね

「古泉です、『鍵』から遊びに誘われたのですが、如何しましょう?今は保留してありますが」

機関事務員「……上層部に連絡しておきます、会議で結論が出るまでお待ちください」

「了解しました、それでは」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/09(水) 23:44:42.94 ID:ap3by3A4O

まぁ僕は、上層部の意向通りに動くだけです。
結論が出るまでは、束の間の休息を楽しむとしましょう。


家に帰ると、風呂と夕飯が既に用意してあり、掃除もされている。
最初の頃は気持ち悪く感じたものだが、最近では何も感じなくなった。


完全に栄養価が計算された、健康に良さそうで味気無い夕飯を摂取する。
「食事を楽しむ」などという概念は、とうの昔に消え去った。

prrrr

会議の結論はメールで送られてくる。
ここ最近は機関専用の着信音以外聞いてなかったから、先ほどの彼専用の着信音は少し新鮮だったなぁ。



「『鍵』との友好を深める事は機関の権益に繋がる、許可する」

はいはい、了解しましたよ。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 00:02:42.89 ID:BLT2RXciO

さて、彼に電話しなければ。
何を考えて僕を遊びに誘ったのか知りませんが、いつもどおりに谷口やら国木田なんかと「高校生らしく」遊んでいればいいでしょうに。
それとも、ただの暇潰しなのでしょうかね。

prr ガチャ

おっと、意外と早く出られてしまった。


「どうも、遅れてしまい申し訳ありません」
正しくは『機関上層部が結論を出すのが』遅れてしまい、ですがね。

キョン「あぁ、気にするなよ。それで、遊べるのか?」

「えぇ、たまには遊ぶのもいいでしょう。何時に何処で待ち合わせますか?」

キョン「そうだな……駅前に朝八時に来てくれ」


「了解しました、それでは」

八時ですか、久々に睡眠らしい睡眠が取れそうです。
少しばかり感謝しますよ。

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 00:16:29.00 ID:BLT2RXciO

閉鎖空間も発生しないようで、良い夜だ。
しかし、この不条理な世界を憎んでいる僕に、世界を護る超能力を与えるなんて、『神』も遊び好きだな。
閉鎖空間で神人と戦っていると、時々、そのまま殺されてしまいたくなる。


テレビ、ゲーム、雑誌、書籍、パソコン、様々な物が僕の部屋にはある。
そして、それらの何一つとして、僕が望んだ物ではない。


夏休みにスーパーでバイトした時、バイト代が出たら、何か買おうかと思っていたのですがね。
「自分の欲しいモノ」を。

まぁ、気紛れな『神』に握り潰されてしまいましたがね、僕の労働対価は。
……不条理な世の中です。

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 00:24:28.97 ID:BLT2RXciO

朝。
不思議探索や『神』の下らない思い付きに振り回される事のない、おそらく一年間のうちには数えるほどしかない完全なる休日。

それを『鍵』と機関上層部に消し飛ばされたかと思うと、いささか気分が滅入る。
まぁ……休養に限りなく近い任務、と考えれば少しは楽になりますがね。


時刻は5時半。
集合時間まではまだまだ余裕があるが、僕が遅れるわけにはいかない。
せっかく『鍵』から信頼を得る機会なのだから、粗相は許されない。


風呂に入り、何百着もあるクリーニング済みの衣服を適当に着て、髪型をつくり、メイクを施し、ニュースを見て時事を把握する。


あぁ、なんだ。

いつもと同じじゃないか。

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 00:31:04.53 ID:BLT2RXciO

さようなら、偽りの我が家よ。
そしてこんにちは、苦痛しかない今日よ。


7時半。
駅前に到着し、彼を待つ。
『神』の能力の影響を受けない今日なら、集合時間に大きく遅れる事はあるまい。
まぁ、例え暴風雨の中で何時間待たされようと、僕は笑って出迎えなければならないのですが。


7時半を少々長針が過ぎた頃。
予想外に早く『鍵』が到着した。

やれやれ、あなたの御機嫌取りをする時間が延びたかと思うと憂鬱なのですが。


「おはようございます、今日は良い天気ですね」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 00:37:52.84 ID:BLT2RXciO

キョン「おう、そうだな」

キョン「しかし、まさか古泉が先に着いてるとはなぁ……」

何か不都合でもあるのですか?
もし僕が遅刻してきたら文句を言うか不機嫌になる癖に、早く来ても文句を言うとは素晴らしい方だ。

「それは申し訳ありません、早起きは癖のようなものですから」

もちろん、嘘。
遅刻でもしようものなら、機関から何をされるか分からないから。

キョン「いや、お前と二人っきりで遊ぶのは初めてじゃないか」

キョン「それで、楽しみにしてたら早起きしちまったもんだから、今日は俺が先に着いてるかと思ってたんだがなぁ」

そうですか、こっちはおかげで少々憂鬱ですよ。

「それはそれは、嬉しいですよ、ありがとうございます」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 00:43:42.31 ID:BLT2RXciO

「それで、今日は何をしましょうか?」

キョン「そうだな……カラオケ行って、ボーリング行って、バッティングセンター行って、本やCD見て、服や小物探して、美味いラーメン屋探して……そんなところだな」

すなわち、僕はあなたの暇潰しの相手に御指名された訳ですね。
そんな下らない事の為に、僕の休日は潰されたのですか。
いやはや、この世界は全くもって不条理だ。

「んふっ、僕も高校生です、遊びは大歓迎ですよ」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 00:51:34.94 ID:BLT2RXciO

「それでは、どこから回っていきますか?」

キョン「まだ朝早いから、まずは駅前のデパートでCDやら服やら見てまわって、昼頃には谷口がオススメしてたラーメン屋行ってみて、その後でカラオケボーリング……そんなふうな計画だな」

あぁ羨ましい、忌々しい。
『神』さえいなければ、僕もそんな「高校生らしい休日の過ごし方」を満喫していたのでしょうね。

「んふっ、それは楽しみですね、谷口君はこの辺りのラーメン屋には詳しいのですか?」

僕は詳しくないどころの話ではない。
機関に入ってから、ラーメンなど一度たりとて食べてはいない。

キョン「おぉ、あいつはかなり詳しいな。そういえば--」


機関の一員で居続けなければならない僕に、高校生らしい遊びに付き合え、などと……恨みますよ、あなたを。

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 00:57:00.80 ID:BLT2RXciO

八時半、駅前デパート


side KYON

今のところ、古泉に違和感らしきものは感じられない。
よくよく考えてみれば、機関の一員として、SOS団の仲間としての古泉しか俺は知らないのだから、そもそも何が違うのかが分からない。


……いや、長門の話によれば、古泉は最初から世界を憎んでいたらしい。

それならば、今の、俺がゆく知っているいつもと変わらぬ古泉が、既におかしいと言うことか。

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 01:01:10.01 ID:BLT2RXciO

キョン「……なぁ、古泉」

キョン「俺と二人でいる時は、敬語やめてもいいんじゃないか?」



ふと、彼がそういった。


67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 01:13:22.30 ID:BLT2RXciO

「……どうしたのですか、いきなり」

キョン「いや、お前はその、世界の為に戦う事を義務付けられているじゃないか」

よく憶えてましたね、誉めてさしあげますよ。

キョン「それで、俺はお前と、SOS団の一員としてではなく、同情や哀れみでもなく、友達になりたいと思っている」

何を勝手な事を。

キョン「だから、敬語はやめてほしいんだ、友達同士なのに敬語なんておかしいだろう?」



……僕の知ったこっちゃない、そんな事は。

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 01:31:24.04 ID:BLT2RXciO

キョン「俺と友達になってほしいんだが……無理か?」

彼が手を差し伸べている。
僕を救うつもりなんですか?


ただ、生憎と


「……ありがとう、キョン」
彼の手をとり、敬語をやめながら



そして、内心では、伸ばされた彼の腕を振り払った。
『敬語をやめる』、その程度で『鍵』の信頼を得れるなら楽なものだ。

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 01:36:44.46 ID:BLT2RXciO

ただ、口調を変えるだけ。
『古泉一樹』の口調が変わっただけ。
今から口調を変えるとなると、敬語はもはや癖のような感じだったから、少しだけ面倒だ。


キョン「これからよろしくな、古泉」

「一樹って呼んでほしいな、キョンは高校生活初めての友人だよ」

キョン「それは光栄だな」


また面倒事を持ち込んでくれまして、どうもありがとう。

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 01:48:21.80 ID:BLT2RXciO

デパート、CD売り場


キョン「一樹、なんかオススメのミュージシャンとかないのか?」

『神』のおかげで、ミュージシャンの情報はいくらでも頭の中に入っている。
『予習』で一番多いのは、たいていが音楽関連だからだ。
各ミュージシャンの生年月日、出身地、デビューは何年で何歳、曲名や歌詞・・ありとあらゆるものを暗記してある。


「そうだなぁ、サクラメリーメンなんかどうだろう?」

キョン「ふむ……ちょっくら買ってみるか」

「いいよ、僕の家にCDがあるから貸すよ」

キョン「悪いな」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 01:54:31.97 ID:BLT2RXciO

今まで記憶した、途方もない数の曲の中でも印象に残っていた歌


「飴玉を舐めていました、ゆっくり味わっていたのに
溶かしながら、欲に負けて、唾と共に呑み込んだ
三秒で後悔しました、嗚咽したところで遅く
失ってしまった、君を食べた

それはそれで嬉しくなりました」



僕も、この世界を飴玉のように噛み砕いてやりたい。

きっとそれは、僕にとって、とても嬉しく思える事なんだろうから。

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 02:01:45.78 ID:BLT2RXciO

11時過ぎ、ラーメン屋へ向かう道中


「谷口君がオススメのラーメンか、どれぐらい美味しいだろうね」

キョン「ラーメンに関してだけは信頼出来るぞ、あいつは」

「そうかい、楽しみだよ」



おそらく今夜の夕食は、昼にラーメンなんて食べたせいで、ビタミン剤栄養剤の山もついてくるんだろうな。


86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 02:13:21.13 ID:BLT2RXciO

13時、駅前

キョン「飯も食ったし……そうだな、何処へ行く?」

「食べてすぐだから運動はしたくないね、カラオケでも行こうか」

キョン「よし、そうするか」

カラオケなんて入った事すらない。
音楽自体に興味は持てないし、持ちたくないから。
以前、好きだったミュージシャンの曲を自宅で聞いていたら、翌日にはそのミュージシャンの全CDにライブDVDやパンフレットまで置いてあった。
それ以来、音楽になど興味を持つことは出来ない。


「本当に楽しみだよ、キョン」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 02:22:06.65 ID:BLT2RXciO

本来なら友情ルートにするつもりだったからカラオケだのラーメン屋だのバッティングセンターだの書いたけど、鬱ルートにはそんなもん必要ない事に気付いた。
キンクリさしてもらうわ。



20時、駅前

「今日は楽しかったよ、キョン」

キョン「いやいや、少しは楽しんでもらえたなら何よりだ」

「ありがとう、また誘ってほしいな」

キョン「あぁ、それじゃ、また明日な」

「じゃあ、また明日」



明日は不思議探索があり、つまり『神』のご機嫌取りに奔走しなければならない。
今日は『鍵』、明日は『神』。
冗談じゃない。

おーい、誰か僕を助けてください、この際知り合いじゃなくてもいいですよ?



?「助けてあげようか?」

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 02:28:43.81 ID:BLT2RXciO

瞬間、空気が一変する。
これは……閉鎖空間とはまた別の異空間でしょうか、ちょっとしたスペクタクルですね。

目の前には、北高の制服を着た一人の少女。


朝倉「この世界に不満があるんでしょう?」

「不満なんて表現では済まされませんがね、ところであなたはヒューマノイド・インターフェースでしょうか?」

朝倉「あら、よくわかったわね」

「僕の知っている中では、このような空間を作れるのはそれしかいませんでしたから」

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 02:35:02.09 ID:BLT2RXciO

「それで、いったい何用ですか?」

朝倉「よく、やらずに後悔するより、やって後悔した方がいいって言うでしょう?」

朝倉「だからね、私はやってみようとしたのよ、でも結局は邪魔されて出来なかった」

朝倉「それじゃ、結局はやっていないのと同じじゃない?」

朝倉「だから、もう一度やってみようかと思ったの」



朝倉「この世界、壊してみない?」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 02:44:12.35 ID:BLT2RXciO

朝倉「ねぇ」

所詮、僕は『藁の一本』でしかない。
『神』が作った『隠れ蓑』の一本の藁。
でも。

朝倉「この世界を」

もし。

朝倉「壊したいんだけど」

藁の一本でも火種になり、この世界を燃やせるのなら。

朝倉「協力してくれる?」

僕は喜んでこの身を焦がそう。



「もちろん、僕の全身全霊で協力させていただきましょう」

朝倉「そうこなくっちゃ♪」

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 03:01:58.27 ID:BLT2RXciO

不思議探索当日。

不思議と、いや、当然なのだろうか、非常に目覚めが良かった。
これから世界を壊して、この地獄から抜け出せるかと思うと、高笑いしたくなってくる。


この世界を壊すにあたり、一番厄介な存在であった長門さんは、朝倉さんが抑えてくれるらしい。
全く、僕にとっては女神のような方だ。
彼女からすれば僕を利用しているだけなのだろうが、別に何であろうと構わない。


普段持っている、機関から配備された物の一つを、普段とは違った感慨で懐に入れる。
そして、出発する。


101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 03:11:44.74 ID:BLT2RXciO

いつもの喫茶店。
長門さんがいないのも、「今日は私用があると言っていましたよ」との僕の報告により不思議に思われる事はなかった。
副団長として、あるいは友達として、あるいは協力している勢力の人間として、信頼されているから。
まぁ、『私用』は私用ですから嘘ではありませんし。


ハルヒ「それで、今日の不思議探索は--」

「あぁ、涼宮さん、少々よろしいでしょうか」

返事を聞かず、僕は続けて口を開く。



「僕は、皆さんが大嫌いなんですよ、心の底から」

「いや、この世界が大嫌いです」

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 03:17:58.83 ID:BLT2RXciO

キョン「古泉!?」

ハルヒ「い、いきなりどうしたの古泉君!?」

みくる「ど、どうしてそんな事言うんでしゅかぁ!?」



あぁ、僕の味わってきた苦労も知らない癖に、『どうした』などと。
どうもしやしませんよ、これが僕のやりたかった事だ。


106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 03:23:53.48 ID:BLT2RXciO

「それでですね、僕はどうやったらこの地獄から抜け出せるか考えていたんですよ、それが、ようやく、実現しそうなんです」

言いながら、僕が『古泉一樹』でなくなっていくのが分かる。
『癖のような笑顔』ではなく、僕の笑顔が表れていくのが分かる。


「皆さん、僕を今まで苦しめてくださってありがとうございます、それで、プレゼントがあるのですが、受け取ってください」

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 03:28:57.35 ID:BLT2RXciO

僕達機関員には、敵対組織の襲撃に対抗出来るよう、何らかの武器が配備されている。
そして、機関員の中でも、『神』に近い僕はそれだけ狙われる可能性も高い為、上質な武器を配備されている。

その、本来なら自分の身を、場合によっては『神』を守る為に配備された武器を、初めて自宅以外の場所で懐から取り出す。

そして、素早く朝比奈みくるの頭部に押し付け、その引き金を引く。



パァン!

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 03:36:00.57 ID:BLT2RXciO

朝比奈みくるの頭部の右半分が吹き飛び、そのまま崩れ落ちる。
『鍵』と『神』、それ以外の他人の悲鳴を聞きながら、愉悦に浸る。

おっと、まだ愉悦に浸ってはいられない。
まだ終わっていない。



そのまま『鍵』に銃口を向け、迷わず引き金を引く。

パァン!



ハルヒ「嘘でしょ……キョン、キョン!」

ハルヒ「イヤァァァァァァァァァァァァ!!」


110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 03:41:20.02 ID:BLT2RXciO

ああ、閉鎖空間が一気に拡がっていくのが分かる。
今までの僕は閉鎖空間を察知しても憂鬱でしかなかったが、今は嬉しくて仕方がない。


『神』の大事な大事な『鍵』を殺したのだから、次の世界に僕が行けないのは確定した。
消し飛んで、僕がどうなるのかは分からないけど、今までよりはマシだろう。

あとは、残された時間で『神』に今までの報復をするだけ。
報復というには、9996発ぐらい銃弾が足りないけど、まぁ我慢しよう。



さようなら、苦痛ばかりの世界よ。
そしてこんにちは、苦痛のない世界よ。


パァン! パァン! パァン! パァン!


古泉一樹の憂鬱--鬱ルートfin

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 03:45:52.33 ID:BLT2RXciO

くっそー、もっと機関のブラックぶりを書きたかったよぅ
もっと古泉いじめたかったよぅ
ハルヒやキョンのDQNっぷりを書きたかったよぅ


不完全燃焼だ……リアルに。

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 04:10:48.16 ID:BLT2RXciO

今気付いた、俺のIDベーコンレタストマトじゃん
ハンバーガー食いてぇ

>>79途中から派生


キョン「俺と友達になってほしいんだが……無理か?」


彼が僕に手を差し伸べている。

何を、勝手な事を。
友達、など、あなたに言われる筋合いはない。
僕は、高校生活で初めて『古泉一樹』ではいられなくなった。


「……勝手な事を言いやがって」

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 04:21:31.24 ID:BLT2RXciO

「俺だって敬語なんて使いたくないよ!でも仕方がないじゃないか!『神が望んだ古泉一樹』を演じなきゃならないんだよ、俺は!」

「勝手に超能力者にされて、勝手に機関に入れられて、家族とも友人とも離ればなれになってもう顔すら思い出せなくなった!」

「住居も、食事も、部屋にある物も、時間も、何もかもを『機関』に束縛されて生きている俺の気持ちが、苦しみが分かるのか!?」

「世界を守る為にこんな苦しみ負わされてる俺に、『鍵』だからって責任感無しに気ままに生きてるお前なんかが『友達』だって!?ふざけるのもいい加減にしろ!」

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 04:27:06.88 ID:BLT2RXciO

体温が上がるのを、息切れするのを感じながら、不思議と頭は急速に冷めていった。
赤の他人ならともかく、いや、赤の他人相手でも許される事ではないが、よりによって『鍵』に罵声を浴びせてしまった。

……今夜は、徹夜で反省文を書かされる事になるのかな、今から憂鬱だ。



キョン「……敬語無しだと、なかなか新鮮だな」


は?
何を勝手なことを。

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 04:34:31.61 ID:BLT2RXciO

「……申し訳ありません、八つ当たりしてしまいました」

キョン「いや、こちらこそすまん……やっぱり、敬語はやめてくれないのか?」

「……出来ませんよ、笑顔と敬語は癖のような感じですから」

キョン「別にハルヒがいない時なら『古泉一樹』を演じなくてもいいだろう?」

「……『鍵』であるあなたも、涼宮さんに負けず劣らず重要な存在ですから」

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 04:42:43.08 ID:BLT2RXciO

キョン「……まぁ、いきなりすまなかったな」

「いえいえ、悪いのはこちらです、申し訳ありません」

キョン「俺は古泉を友人だと思っている、何だかんだ言って、高校の男共の中じゃ一番一緒にいるからな」

「……それは光栄ですね」

キョン「だから、まぁ、友達になっていってくれるなら、それでいいさ」


あなたは勝手な人だ、本当に。

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 04:52:28.82 ID:BLT2RXciO

キョン「とりあえずは時間潰そうぜ、まだカラオケ屋もボーリング場も開いてないだろうから」

「そうですね、どこから見て回りましょうか?」

キョン「ちょっくらCD探したいから、そっち行ってもいいか?」

「了解しました、それでは行きましょう」

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 04:59:54.78 ID:BLT2RXciO

キョン「さて、CDあったらいいんだがなぁ」

「何かお目当てのものがあるんですか?」

キョン「あぁ、Surfaceっての探してくれないか?」

「えーと……あったあった、これじゃないですか?」

キョン「お、助かった、これの『たまり場』って曲が大好きでな、それでハマった」

「『たまり場』……ですか」

キョン「俺たちSOS団にピッタリじゃないか?」

「なるほど」

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 05:09:49.13 ID:BLT2RXciO

「しかし、あなたがそれほど言う『たまり場』という曲……少々気になりますね」

キョン「まぁ、カラオケで多分歌うし、気になるならCD貸してやるよ」

「助かります」
家に帰ったら山積みのCD……なんてゴメンですからね。


11時 デパート


キョン「もうすぐ昼だな、そろそろラーメン屋行くか」

「そうですね、谷口君のオススメでしたっけ?」

キョン「あいつの味覚と俺らの味覚とが真逆じゃなきゃいいんだけどな」


131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 05:18:26.39 ID:BLT2RXciO

11時半、ラーメン屋


古泉「……谷口君には感謝しなければなりませんね」

キョン「これは美味い……あぁ、あんな奴でも役に立つものだな」

谷口「んな事言ってると、もう教えてやんねーぞ」

キョン「ブッ……谷口、国木田、なんでお前らが!?」

谷口「俺が発見したラーメン屋なんだから当然だろうが」

国木田「それにしても、このメンバーは珍しいね」

古泉「そういえばそうですねぇ」

キョン「あー、ちょうど良かった、これから古泉と二人で遊ぶつもりだったんだが、お前らも来るか?」

谷口「もちろんだ、遊びなんて大人数の方が楽しいからな!」

国木田「調子に乗ってナンパしないでよ」

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 05:28:43.11 ID:BLT2RXciO

しかしまた、サプライズもあったものです。
男だけ四人グループなど、高校に入ってから、いや、機関に入ってからは初めての体験だ。


キョン「とりあえずは、カラオケ屋でいいか?」

国木田「昼間の安い時間に行っておきたいしね」

谷口「そういや、古泉はどういう音楽好きなんだよ?」

国木田「あぁ、それ僕も気になるよ」

キョン「俺もだな、普段はどんなの聞いているんだ?」

古泉「普段は……まぁ、色々、としか言えませんね」

谷口「なんだよそりゃ」

キョン「まぁ、実際はそんなにすらすらと答えられる質問じゃないからな」

国木田「こっちから質問しといてアレだけどね」

古泉「まぁ、そんなところです」


困ったな、カラオケなんて行ったことないのだけれど。

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 05:46:47.40 ID:BLT2RXciO

14時、カラオケ屋

キョン「よーし、トップバッター誰だ」

国木田「やっぱりジャンケンじゃない、こういう時は」

古泉「それが一番妥当でしょうね」

谷口「よし、そんじゃ、ジャンケン、ホイ!」



谷口 グー
国木田 グー
キョン グー
古泉 チョキ


136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 05:47:35.91 ID:BLT2RXciO

谷口「よっしゃあ!頑張れよ古泉!」

古泉「まさか、四人ジャンケンで一瞬で負けるとは……」

国木田「不運だね」

キョン「いやいや、俺らからしたらラッキーだぞ」

谷口「古泉が何を歌うのか、気になってたからなぁ」

古泉「それでは……このあたりですかね」



キョン「村下幸蔵!?」

国木田「し……渋い」

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 05:55:44.31 ID:BLT2RXciO

キョン「しかし、村下幸蔵を歌う高校生とはな」

古泉「知っている時点であなたも似たようなものでしょうに」

国木田「そんじゃ、順番は古泉君から時計回りで」

谷口「そうすると古泉、キョン、国木田、俺の順か」

キョン「よーし……俺の歌を聞けぇぇぇぇぇ!」

国木田「カラオケ来るたびにソレやるのやめなよキョン」



古泉「TOKIOの宙船ですか」

谷口「TOKIO忘れてるやつ、けっこう多いんだよなぁ」

国木田「いい曲多いんだけどね」

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 06:00:10.33 ID:BLT2RXciO

キョン「長瀬さん、俺、長瀬さんみたいな渋い男になるよ!!」

国木田「あー、スイッチ入っちゃった」

古泉「スイッチ、と言いますと?」

谷口「カラオケ来るとスイッチ入っちゃって、テンション上がりまくるんだよキョンは」

キョン「オー、ラスティネェェェェイル!」

国木田「早くマイク渡してよキョン」


140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 06:06:19.28 ID:BLT2RXciO

古泉「しかし、彼があんなキャラだとは……あ、今度は国木田君の横でエアギターやってますよ」

谷口「ん、お前、キョンとカラオケ行ったことないのか?」

古泉「えぇ、今回が初めてですが?」

谷口「へー……いや、お前キョンと仲良いから行ったことあると思ってたんだがな」

古泉「……なかなか機会がなかったんですよ」




キョン「T.M.Revolutionサイコォォォ!!」

国木田「まだ採点中なんだから雑音入れないでよキョン!」

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 06:15:32.65 ID:BLT2RXciO

古泉「お疲れ様です」

国木田「あ、ありがとう」

国木田「古泉声高くて羨ましいよ」

古泉「そうなんでしょうか、自分ではなかなか実感がわきませんが」

国木田「勿体無いなぁ」



キョン「真っ赤なぁぁぁぁあ誓いぃぃぃぃ!!」

谷口「デュエットしたがる癖に音外すなキョン!」

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 06:23:58.19 ID:BLT2RXciO

谷口「しかし、キョンのやつの悪ノリはどうにかならんのかね」

国木田「見てるぶんには、ホントに楽しいんだけどね」



キョン「超能力者です、そう呼んだ方がいいでしょう!」

古泉「ちょっと、僕のセリフとらないでくださいよ!」

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 06:33:30.95 ID:BLT2RXciO

17時、バッティングセンター

国木田「さーてキョン、悪ノリし過ぎた罰ゲームだよ」

谷口「140`素手キャッチな」

古泉「んっふ、頑張ってください」

キョン「いやいや140は無理、ぶべらっ!」

谷口「顔面でキャッチする必要はないぞーキョン」

国木田「面白い倒れ方してるねキョン、写メに残しといてあげるから」ピロリーン

古泉「いやいや、顔面直撃のわりに冷静過ぎますよあなた達」

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 06:42:19.78 ID:BLT2RXciO

18時、ボーリング場

キョン「悪ノリし過ぎてごめんなさい」

古泉「それでよろしい」

谷口「そいじゃ、チーム分けるぞー」

国木田「グーとパーで、別れましょっと!」



谷口 グー
国木田 グー
キョン パー
古泉 パー


谷口「……古泉、お荷物の処理は任せた、頑張れよ」

キョン「そりゃどういう意味だ谷口!」

古泉「下手なんですか、彼?」

国木田「下手なんてもんじゃないよ、ボールが逆回転してるから」

キョン「逆回転じゃない、バックスピンと言え国木田!」

古泉「同じじゃないですか」

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 06:48:06.54 ID:BLT2RXciO

キョン「……っよし、ガーター!」

国木田「相変わらず、どこからツッコミ入れたらいいのかわからないフォームしてるね」

谷口「だからキョン、バックスピンかける意味がわからねぇよ」

キョン「人の投げ方に文句をつけないでもらいたいな」

古泉「どんだけスコアに差が出てると思ってるんですか、文句も言いたくなりますよ」

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 06:56:33.23 ID:BLT2RXciO

谷口「よーし、夕飯はキョンの奢りな」

国木田「本来なら負けたチームで割り勘だけど、さすがに古泉君が可哀想だからね」

キョン「……すまんな、古泉」

古泉「いえいえ、割り勘を免れたなら文句は言えませんよ」

キョン「……くそぅ」



谷口「よーし、そんじゃどこで飯食う?」

国木田「焼肉でも行こうか」

古泉「この際、寿司でも食べましょうか」

キョン「おい、マック以外拒否するぞ」

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 07:00:41.63 ID:BLT2RXciO

19時 ドムドムハンバーガー

谷口「ったく、せっかくの奢りなのにファストフードとはな」

キョン「文句があるなら一人で外で待ってろ」

国木田「それじゃ、この後はどうしよっか?」

古泉「ふむ……どうしましょうか」

谷口「甘いぞお前ら、高校生の男四人集ったら」

キョン「あぁ、やる事は一つだな」

古泉「……嫌な予感しかしないのですが」

156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 07:07:27.59 ID:BLT2RXciO

キョン「そんじゃ、ジャンケン負けたやつは酒買ってこい」

谷口「よし、それで行こうぜ」

古泉「い、飲酒は無しでしょう、未成年ですよ僕達は」

谷口「……あー、フラグ立てちまったな」

国木田「ドンマイ、古泉君」

古泉「フ、フラグとは?」

キョン「だいたいこういう時は、一番ノリ気じゃないやつが負けるもんなんだよ、ソースは筆者だ」



古泉 グー
国木田 パー
谷口 パー
キョン パー


古泉「これはひどい」

157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 07:13:33.59 ID:BLT2RXciO

  21時 コンビニ前

谷口「しかしまぁ、古泉でちょうどよかったな」

国木田「僕じゃ、別の意味で罰ゲームになるからね」

キョン「さぁ行ってこい古泉、未成年だとバレたら俺達は逃げるがな」

古泉「……逃げたら恨みますよ、ホントに」



キョン「……さすが古泉、普通に買ってくるとはな」

国木田「さすが古泉君」

谷口「お前がナンバーワンだ」

古泉「もう少し褒め称えてほしいのですが……まぁ、いいでしょう」

162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 07:20:54.50 ID:BLT2RXciO

キョン「古泉ぃぃぃぃ!なんでツマミが柿の種オンリーなんだよ!?」

古泉「ツマミなんて知らないですよ、適当に買ってきただけだから仕方ないでしょう!?」

国木田「それより、せめてチューハイぐらい欲しかったね」

谷口「日本酒に柿の種だけって、親父臭すぎるわ!」



キョン「よし、もう一回行ってこい古泉、また別のコンビニにな」

古泉「そもそも、ツマミやら酒やら分かりませんから僕は……誰か一緒に行って、選んでくれませんか?」

谷口「しょーがねーな、俺が一緒に行こう」

キョン「よーし、逃走準備運動しとけよ古泉」

古泉「了解しました」

谷口「屈伸してんじゃねぇ、一緒に行ってやらんぞコラァ!」

165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 07:27:20.69 ID:BLT2RXciO

谷口「よーし、買ってきたぞ」

国木田「ビール、チューハイ各種、堅揚げポテトのブラックペッパーにサッポロポテトバーベキュー味、ホタテ貝柱にカラムーチョetc」

キョン「パーフェクトだ、ウォルター」

古泉「感謝の極み」

谷口「選んだの俺だけどな」



谷口「よっしゃ、そんじゃ……カンプァァァァイ!」

国木田「イェー♪」

キョン「オー、ラスティネェェェェイル!!」

古泉「また変なスイッチ入りましたか、あなたは」

166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 07:34:37.80 ID:BLT2RXciO

谷口「あー、食った、飲んだ、騒いだ」

国木田「騒ぎ過ぎて警察来たけどね」

キョン「誰のせいだ!」

古泉「間違いなくあなたのせいですよ」

キョン「しっかし、もう深夜かぁ」

谷口「早ぇもんだな」

国木田「どうせだから、このままオールで遊ぼうよ」

古泉「中学校の校庭で、ですか?」

谷口「甘いな古泉、中学校だからこそ出来る遊び……肝試しだ!」

国木田「中には入れないから、校舎の回りをぐるーっと歩くだけだけどね」

キョン「けっこうテンション上がるよな!」

古泉「あなたはもう少しテンション下げてください」

170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 07:43:58.34 ID:BLT2RXciO

古泉「……なるほど、中に入らないからこそ、携帯のライトの明かりなんかでは校舎の中は見えない」

谷口「それが、妄想掻き立てるから怖ぇーんだよな」

国木田「時々、犬の散歩してるお爺さんと出くわす場合があるけどね」

キョン「深夜に学校で肝試ししてる最中にジジイと遭遇してみろ、失禁したぞ筆者は」



国木田「あ、中庭かな、ちょうどいいスペースあったよー」

谷口「よーし、そんじゃ缶蹴りやんぞ缶蹴り!」

古泉「空き缶は大量にありますから、ちょうどいいですね」

キョン「そんじゃジャンケンやるぞー」



国木田 パー
谷口 チョキ
キョン チョキ
古泉 チョキ


171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 07:50:24.34 ID:BLT2RXciO

谷口「頑張れよ国木田、さらば!」

キョン「さーて、暗闇の中庭で1分カウントダウンするのは恐怖だぞ国木田、さらば!」

古泉「あ、二人とも待ってくださ……さ、さらば!」



国木田「」ポツーン

国木田「いーち、にーい……」


172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 07:54:14.62 ID:BLT2RXciO

キョン「あーもう離れろお前ら、缶蹴りで蹴る側が一ヶ所に固まってどうすんだよ、散れ!」

古泉「ちょ、中学校の中庭に単独でいられるわけないでしょうが!側にいてください一人にしないでください!」

谷口「国木田は一人で頑張ってるぞ、お前も頑張れ古泉!」

古泉「そう言うあなたが頑張ればいいでしょうが!」

キョン「うるせー!黙れよお前ら!」


174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 08:00:04.82 ID:BLT2RXciO

谷口「よし、古泉と俺は裏手に回って奇襲を仕掛ける、キョンはここで囮になれ!」

キョン「いやいやふざけんな、古泉は渡さん!」

谷口「ビビってんじゃねーよキョン!」

キョン「はぁ!?ビビってんのはお前だろ谷口!」

古泉「ちょっと、争ってる場合じゃ」





国木田「キョン、谷口、古泉君みっけ」

国木田「缶踏んだ、っと」

キョン「」

谷口「」

古泉「」

175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 08:08:38.05 ID:BLT2RXciO

谷口「……よーしキョン、御指名入りました、頑張れよ」ニヤニヤ

キョン「この恨み晴らさでおくべきか」

古泉「ちょっと、呪わないでくださいよ!」



キョン「」ポツーン

キョン「いーち、にーい……」



国木田「さーて、キョン引っ掛かるかなー」ワクワク

谷口「なんかやったのか?」

国木田「空き缶を、シェイクしまくった缶コーラとすり替えといた」

古泉「www」

谷口「地味にウザいんだよな、それw」

国木田「引っ掛かった時のキョンの反応が見物だね」

177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 08:11:52.36 ID:BLT2RXciO

キョン「あいつらはさっきの場所にはいないだろうし……くそ、もう少し地形を把握しておくべきだったな」

キョン「どこから探すか……ん?」

キョン「あの柱の陰……」



国木田「」コソコソ



キョン「!よっしゃ、国木田みーっけ缶ふn」

ブッシャァァァァァ


179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 08:18:26.82 ID:BLT2RXciO

キョン「」

キョン「おい、お前ら」

キョン「おい、すごい濡れたんだけどコレ」


タッタッタッ

古泉「ドラゴンシュートォォォォ!!」

カキーン!

谷口「よくやった古泉!」

古泉「見てください、勝利のカズダンス!」クネクネ

谷口「www」

国木田「www」

谷口「よしキョン、また頑張れよー!」



キョン「」

キョン「……許さんぞお前らァァァァ!!」

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 08:23:53.81 ID:BLT2RXciO

キョン「待てェェェコラァァァ!!」ダダダダダッ

谷口「いやいや、キョン、これ鬼ごっこ違う!缶蹴りよ缶蹴り!」

国木田「……」

古泉「……」

国木田&古泉「「目標を谷口に入れて……スイッチ!」」ドンッ

谷口「イテッ、お前ら何を……!」

キョン「お前もコーラまみれになれ谷口オラァァァ!!」ブッシャァァァァァ

谷口「ちょ、つめた、甘、イヤァァァァ!!」


182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 08:27:02.19 ID:BLT2RXciO

古泉「……谷口君、あなたの犠牲は無駄にはしません」

国木田「僕らは無事に逃げ切り成功、と」

古泉「いや、まだ成功ではないようですね」

国木田「……二人が物凄い形相で、余った日本酒の瓶抱えながら向かって来てるね」

古泉「……それでは、無事を祈りますよ、さらば!」タッ

国木田「僕もだよ、さらば!」タッ



谷口「お前らも濡れろイケメン共ォォォ!!」ダダダダダッ

キョン「祭りじゃ祭りじゃぁぁぁぁ!!」ダダダダダッ

183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 08:31:45.17 ID:BLT2RXciO

早朝5時、中学校

キョン「結局、ただの酒ぶっかけ祭りになったな……」

谷口「どうすんだよ服、すんげー酒くせぇぞ」

国木田「親に見付からないように帰るしかないね」

古泉「あー……疲れた」

谷口「疲れたどころの話じゃねぇな、このまま寝たいぐらいだ」

国木田「起きた頃には警察行きだけどね」

キョン「どうすっかなぁ、これからぶっ続けで不思議探索だぞ俺達は」

谷口「マジかよwww」

国木田「頑張って二人ともwww」

古泉「頑張れるかどうか微妙だな、ホントに……」

キョン「あぁ、そうだな」




キョン「あれ?」

184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 08:37:02.33 ID:BLT2RXciO

キョン「古泉、お前……敬語……」

古泉「なんだよ、キョン」

谷口「そうだぜキョン、一緒にオールした『親友』だろ?」

国木田「なにか変なところがあるのかな?」



キョン「……そうだな、『親友』なんだから当然だよな、変な事いって悪かった」

谷口「これだから赤点常連は」

国木田「谷口もそうだろw」

古泉「俺には縁のない話だがなwww」

キョン「ちくしょう、お前も赤点取りやがれ特進野郎!」

古泉「やかましい、一般人が!」

186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 08:45:50.11 ID:BLT2RXciO

谷口「そいじゃ、俺達はそろそろ帰るとするか!」

国木田「親が寝てる間に、この日本酒が染み付いた服を何とかしないと……」

古泉「……あー、それなら俺の家に来いよ、一人暮らしで洗濯機乾燥機あるから」

キョン「ちょ、特進の上にブルジョアとか喧嘩売ってんのか」

古泉「ひがむなよ貧乏人」

キョン「コラァァァ!」


187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 08:47:02.01 ID:BLT2RXciO

谷口「そりゃ助かるわ、お邪魔させてもらうぜ古泉」

国木田「そうだね、僕も頼むよ」

キョン「」

古泉「んふっ、なにか言うことは?」

キョン「ごめんなさい古泉様、哀れな貧乏人めの服を洗濯させてください」

古泉「それでよし」

国木田「その土下座ポーズ面白いねキョン、写メに残しておくよ」ピロリーン

キョン「やめてぇぇぇ!」

189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 08:52:15.07 ID:BLT2RXciO

六時半 古泉宅

古泉「(さて、機関が余計な事をしてなければいいんですが)」ガチャ

国木田「お邪魔しまーす」

谷口「おーす」

キョン「うぃーす」

古泉「ヤンキーかよお前ら」

国木田「リビングどっち?」

古泉「あぁ、ここ、な……」



山積みにされた酒とツマミ「……」



古泉「(マジ余計な事やってくれたな機関コラ)」

191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 09:01:13.80 ID:BLT2RXciO

……全くもって、余計な事をしてくれたものだ。
昨夜、というか今まで飲酒しまくったからといって、イコール自宅でも飲酒したい、というわけではないに決まっているでしょうが。
その程度も理解出来ないのか上層部は。


古泉「」

キョン「うわ……」

国木田「なにこの数……」

谷口「古泉、お前……」


192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 09:09:27.18 ID:BLT2RXciO

古泉「あー、これは、その」



谷口「古泉、お前昨日は僕たち高校生だから飲酒はダメ〜とか言ってたくせに、自宅にゃ買い込んでるじゃねーかwww」

国木田「コンビニなんかじゃ売ってないような高そうなのまであるよ!」

キョン「うっわ、お前自宅じゃ飲みまくってるんじゃねーだろーなwww」



古泉「……んなわけねーだろ!たまたまだ、たまたま!」

谷口「嘘つけコラァw」

国木田「羨ましいなぁ、一人暮らし」

キョン「いやー、ホントに羨ましいなコレは」

193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 09:12:17.89 ID:BLT2RXciO

キョン「あー、てか、もういっそハルヒ達も呼ぶかここに?」

古泉「え、いや、それは……」

谷口「……それはつまり、朝比奈さん、おっぱい、おっぱい、ふおぉぉぉ!!」

国木田「煩悩ダダ漏れだよ谷口」

キョン「まぁ、男だけでも面白いには面白いが、女子が加わったらまた別の面白さになると思うぞ、古泉」



古泉「……しゃーねーな、呼びたきゃ呼べコラァ!」

キョン「いいんだな!?後悔すんなよ!?」

古泉「後悔しなきゃいいんだろーが、とっとと呼べ」

谷口「朝比奈さん、朝比奈さん!!」

国木田「ちょっとは落ち着きなよ谷口」


195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 09:17:49.81 ID:BLT2RXciO

キョン「よーっし、ハルヒ達にはメール送っといたぞ」

国木田「とりあえず、お風呂借りてもいいかな?」

谷口「あー、俺も入りてぇ」

古泉「突き当たりを右な、服は洗濯機ン中に放り込んどけ」

キョン「そんで、服乾くまではどうすんだ?全員で腰にタオル巻いて過ごすのか?」

古泉「あー……確か、使ってない未開封の下着あったからそれやるわ」

谷口「助かるわ、サンキュー」

国木田「切実に助かるよ」

198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 09:23:25.65 ID:BLT2RXciO

国木田 風呂in


谷口「あーっ、暇だ、なんかねーの?」

キョン「あーそうだわ、昨日買ってきたCD聞かせてくれないか?」

古泉「貸せ、パソコン再生だけどいいか?」

谷口「……一人暮らしでパソコンもあるとか、氏ねブルジョア!」

キョン「贅沢は敵だ!」

古泉「うるせーなパンツ貸さねーぞ貧乏人が」

谷口「逆らってしまい申し訳ありません古泉様」

キョン「意見覆すの早いな谷口!」

200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 09:29:59.15 ID:BLT2RXciO

国木田 風呂out
谷口 風呂in


国木田「ありがとう、いいお湯だったよ」

古泉「……俺に礼を言われても困るんだけどな」

キョン「なにが?」

古泉「あー、いや、何でもない」

国木田「あ、この曲誰だっけ、思い出せない」

キョン「The Last Goodnight」

古泉「洋楽ロック(笑)消えろ中二病が」

キョン「うっせブルジョアが」

古泉「お前、よくよく考えたらソレ悪口になってねーよw」

国木田「w」

201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 09:34:54.80 ID:BLT2RXciO

谷口 風呂out
キョン in

古泉「今気付いたんだけど、家主である俺が最後までズブ濡れのままってどういう事よ」

国木田「まぁいいじゃない、こっちは凄く助かったし」ニコッ

古泉「……パンツ一丁で満面の笑みを浮かべないでくれ、俺の中で別の人格が目覚めそうだ」

谷口「あー、もう少し付き合い長くなれば、そういう感情は消えるから安心しろ古泉」

国木田「そういう事言わないでよ谷口」

谷口「うっせ黒木田」

古泉「?」

203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 09:39:11.50 ID:BLT2RXciO

キョン 風呂out
古泉 風呂in

キョン「あ、さて」
国木田「さて」
谷口「それでは」


キョン「家宅捜索開始、標的はエロ本を始めとする古泉が隠したがりそうなモンな!」

国木田「イェッサー!サー!」

谷口「残された時間は僅かだ、慎重かつ大胆に攻めろ!」

国木田「……」

谷口「スルーすんなよ!」


204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 09:43:54.94 ID:BLT2RXciO

キョン「家宅捜索、しゅーりょーーー!!」

国木田「さて、押収品をざっと並べてみたけど」

谷口「正直、アイツの嗜好が理解出来ない」



キョン「えーとこれは……2次元幼女」

谷口「……三次元ガチムチ」

国木田「……擬人化BL」

キョン「守備範囲広すぎだろ古泉」

206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 09:51:40.89 ID:BLT2RXciO

古泉「……ちょっとお前ら、正座しようか」


キョン「」
国木田「」
谷口「」


古泉「ねぇ、風呂上がったら部屋中にエロ本を展開されてた俺の気持ちわかる?」

古泉「すっごく今心が痛いんだよ、いっちゃんは」


キョン「……ブルジョアはエロ本の数もブルジョアですねw」
国木田「クッw」
谷口「キョンw」


古泉「……よーし、お前ら……ちょっくらパンツ脱いでケツ出せコラァァァ!!」

キョン「こっち来んなゲ泉!」

古泉「安心しろ!三人仲良くウェルカムトゥマイライフ!」

209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 10:04:27.77 ID:BLT2RXciO

キョン「パンツ一丁の高校生四人がくんずほぐれつ、何をどうみても『アッー!』にしか見えないだろうな」

谷口「実際、そのうち一人はそっちの方だしな」

国木田「なんとか全員、純潔はキープ出来たね」

古泉「……ちくしょう」



古泉「あー、そろそろ乾燥機終わるから、服着てこい」

国木田「わかった」

谷口「うぇーす」

キョン「さーす」

古泉「だからヤンキーかよお前ら」

211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 10:10:35.29 ID:BLT2RXciO

国木田「さて、服も着たことだし」

キョン「お前ら、今日はこのまま楽しんで行くんだろ?」

谷口「まぁ、楽しけりゃ眠気も疲れも吹っ飛ぶからな」

古泉「そんじゃ、せっかくこんな山積みの酒あるし、軽く飲みながら女子待つか」

谷口「よっしゃ、古泉様サイコー!」




キョン「イッキ、イッキ!」

谷口「イッキ、イッキ!」

国木田「イッキ、イッキ!」

古泉「(軽く飲むはずだったのに、なんで一気飲み会場に変化してるんだよ)」

212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 10:13:53.63 ID:BLT2RXciO

ピンポンピンポンピンポンピンポ-ン


キョン「ハルヒだろコレ絶対w」

古泉「あー、今さらだけど緊張するわ」

谷口「朝比奈さん、朝比奈さん!!」

国木田「『朝比奈さん』と書いて『おっぱい』と読むのやめなよ失礼だよ」



古泉「ハイ、どう……ぞ……」


森「」

古泉「」

古泉「(\(^o^)/)」

215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 10:21:50.62 ID:BLT2RXciO

森「お楽しみのところ悪いんだけど、ちょっといいかしら、古泉?」ニコッ

古泉「……」

古泉「(……グッバイマイライフ)」

森「どうしたの古泉、そんなに固まって」

古泉「ヤダナァ、カタマッテナンカナイデスヨ」

森「そう、ならいいんだけど」



森「それで、これから涼宮ハルヒ達も集まるんでしょう?」

古泉「ハィ」

森「えーとね」



森「この階と上下の階、住民全員引き摺り出しといたから、好きなだけ騒ぎなさい」

古泉「ハィ?」

217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 10:28:40.55 ID:BLT2RXciO

古泉「エ、オトガメナシデスカ?」

森「機関からしても別に、今までと同じように接するより遥かに『鍵』との親睦を深めたようだし、結果オーライと言うか」

森「一上司としても、そうやって休日ぐらい遊んでくれた方が健全で助かるし」

森「叱責する箇所は特にないわよ」

古泉「……一つ聞きたいのですが」

森「なに?」

古泉「僕の部屋に大量の酒とツマミを搬入したのは、もしや森さんの指示ですか?」

森「そうよ、助かったでしょう?」

古泉「(やっぱお前かよ)」

219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 10:32:07.93 ID:BLT2RXciO

古泉「そうですね、ヒジョーニタスカリマシタ」

森「別にいいのよ、お礼なんて」

森「今日1日楽しみなさい、それじゃ」




国木田「ねぇ、今の女の人誰?」

キョン「古泉のバイト先の上司の森さんだな」

谷口「森さん、森さん、ふおぉぉぉ!!」

国木田「『森さん』と書いて『メイド服』と読むのやめなよ谷口」

221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 10:36:56.45 ID:BLT2RXciO

キョン「よっしゃ、メールきたぁぁぁぁ!!」

古泉「キョン見せろコラ」

谷口「で、誰からよ?」

キョン「えーと、ハルヒが」


ハルヒ「有希とみくるちゃんと一緒にそっち向かってるから、待ってなさいキョン!」


キョン「だってさ」

古泉「よし、とりあえずお前ら、バラマキっぱなしのエロ本を片付ける作業を再開するんだ」

国木田「把握した」

谷口「了解」

222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 10:43:47.00 ID:BLT2RXciO

国木田「ねぇ、このショタ本はここに飾っていいかな?」

古泉「飾るなよ、隠せ!」

谷口「よーし、このガチムチ本はここでいいのか?」

古泉「トイレの本棚に混ぜるんじゃねぇ!」

キョン「この洋ロリ本は、持って帰っていいか?」

古泉「あー、有効活用してくれ」

キョン「忍びねぇな」

古泉「かまわんよ」




古泉「よーっし、だいたい片付けも終了」

キョン「あとはハルヒ達が来るだけだな」

谷口「朝比奈さん、朝比奈さん!!」

国木田「もうツッコミ入れてあげないよ、谷口」

223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 10:52:41.38 ID:BLT2RXciO

ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン


キョン「うるせーよ!」

古泉「なにこの騒音女子高生」

谷口「引っ越さないとしばくってさ」

国木田「それもう古くない?」

224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 10:54:22.12 ID:BLT2RXciO

ピンポンピンポンピンポ-ン ガンガンガンガンガンガン


古泉「いやいや、ドア蹴るなよ!」

キョン「あーもう、とっとと開けてこい古泉!」

古泉「いきゃいいんだろチクショウ、はいどーぞォ!」

ガチャ


ハルヒ「開けるの遅いわよ古泉君!」

長門「ユニーク(笑)」

みくる「こんにちわぁ」


古泉「しょうがねぇーだろ、リビングから玄関まで遠い間取りなんだから!」



古泉「(あ、やべ)」

227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 11:01:43.01 ID:BLT2RXciO

古泉君「(ヤバイよ、どうする俺!?ライフカードは……『森さんに始末される』『森さんに消される』『森さんに折檻される』って、大差ねぇよ!)」



ハルヒ「……敬語じゃない古泉君って初めて見たから、ビックリしちゃったわ」

古泉「……へ?」

ハルヒ「うん、なかなか面白そうね!これからは古泉君は敬語禁止!」

長門「ユニーク」

みくる「ちょっと怖いでしゅう」



古泉「……そりゃどうも」


230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 11:17:21.11 ID:BLT2RXciO

ハルヒ「お邪魔しま、て何なのコレ酒くさっ!」

長門「かなりの長時間、飲酒していたものと思われる」

みくる「未成年飲酒は駄目でしゅよう!」

キョン「おー、来たかハルヒ」

谷口「朝比奈さん、朝比奈さん!!」

国木田「本人の前で言っちゃったら、さすがにフォロー出来ないや」

古泉「そんじゃ涼宮さん、乾杯の音頭でもやってくんない?」

ハルヒ「もう、男共は既に飲んじゃってるじゃない……やるけどね!」



ハルヒ「皆、耳の穴ドリルでほじくってよっく聞きなさい!」

ハルヒ「私たちSOS団には、世界を大いに盛り上げなければならないの!」

ハルヒ「チマチマしたのは許されないわ、オーストラリアあたりにまで聞こえるぐらい騒いで!SOS団らしくユカイに楽しみなさい!それじゃ、カンパーイ!!」


キョン国木田谷口古泉長門みくる「カンパーイ!!」

233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 11:20:59.13 ID:BLT2RXciO

それからの時間は、基本的には前日の繰り返しのようなものだった。
飲んで、食って、歌って、遊んで、騒いで。

ただし、その全てが涼宮ハルヒのプロデュースの元、スケールアップされてはいたが。


森さん、マンションの住民全員ぐらいは引き摺り出しとかないと、足りなかったんじゃないですか?



いつ以来だろうか、こんなにも楽しいのは。
こんなにも嬉しいのは、いつ以来だろうか。

いや、元々、SOS団はこんなにも楽しい集まりだったのかもしれない。

僕が、自分で、それを認識しようとしてこなかっただけで。

235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 11:27:35.13 ID:BLT2RXciO

キョン「なーに……黄昏てやがる古泉、終幕にはまだはえーぞ!」ヒューン

古泉「ゴファッ!」ズドォッ

長門「見事な低空ドロップキック、称賛に値する」パチパチ



みくる「さっきから胸ばっか見てんじゃねぇよ、デコ助野郎!」

谷口「あ、朝比奈さん!?」

国木田「あーあ、中の人召喚しちゃった、頑張ってね谷口」

ハルヒ「そういうみくるちゃんも面白いわね、明日っからそのキャラで行きなさい!」

237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 11:40:21.96 ID:BLT2RXciO

やれやれ 今日もまた。


「神様が哀れに思って救ってくれたのだろう」と心から理解できるほどに楽しい日々を思い溜め息をつく。
「感動的」などという比喩表現では、僕の嬉しさは表現しきれないのだろう。


もし隣に誰も居なければかなりの苦だったのだろうが生憎と、今の僕の隣を笑い合いながら歩んでくれるような友達は、僕の知り合った中にも居たのだった。

おーい、誰か僕と遊んでください、この際誰でもいいですよ?

239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 11:45:18.92 ID:BLT2RXciO

やれやれ、親友だろう、水くさい事を言うなよ。

当たり前じゃない、いくらでも遊んであげるわよ!

……ユニーク。

ふえぇ、私もいますよぅ!

朝比奈さん、朝比奈さん、ふおぉぉぉ!!

最後までそれで通すのかい?

友情出演にょろ!



やっぱり。


あなたたちは最高の友達だ。


古泉一樹の憂鬱--ハッピーエンドルートfin

243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 11:50:41.76 ID:BLT2RXciO

ハッピーエンドルートでは、徐々に古泉がデレていく様子を描写したかったけど、そんな技量は俺にはなかったっていうね
酒とオールナイトハイテンションのおかげでデレた、という最悪のオチ


携帯厨のくせにダラダラやっててごめんな
早くパソコンほしいよぅ



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