ひぐらしの絞り汁


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:16:12.87 ID:n7IxseyF0

ひぐらしの絞り汁 ―プロローグ・柿落し編―
[推理は可能か不可能か]

1―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041914040000.jpg
俺の名は前原圭一。 世界に名だたるクールガイさ。
やんごとなき事情によりこの村に越してきた。

今日は転校初日、これからの学校生活の明暗を分ける最も重要な日だ。
手続きを済ませ、教師と共に教室へと向かう。
一歩一歩、教室へ近付くたびに胸の高鳴りが大きくなる。

全学年が同じ教室で勉強するという驚くほど過疎化の進んだこの学校の事、転校生などは動物園のパンダ並みに珍しいものに違いない。
きっとここ最近は俺の噂で持ちきりの筈だ。
ここでナメられてしまえば俺は卒業するまで「都会のモヤシっ子」のレッテルを貼られる事になるだろう。
それだけは絶対に避けねばならない。

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:17:22.84 ID:n7IxseyF0

2―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

などと考えているうちに、目的の教室はもう目の前にある。
俺は昨晩のうちに立てておいた作戦を決行すべく、隣の女性に声を掛ける。


http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041914040001.jpg
【圭一】
留美子さん、先に行って下さい。 僕に考えがあります。

【留美子】
それは構いませんが、私のことは先生と呼んで下さいね。


水色の爽やかなワンピースにその艶かしい肢体を包んだ、俺の担任となる女教師は快く承諾してくれ、先に教室の扉を潜る。

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:18:11.54 ID:n7IxseyF0

3―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041914040002.jpg
一人残された俺は扉の隙間から漏れる声に耳を傾ける。


【留美子】
…ですから、世の中には色々な人間がいます。偏見を捨て、仲良くしてあげて下さいね。


その何か引っ掛かる言葉に一抹の不安を覚えたが、既に賽、或いは匙は投げられた。
深呼吸をし、心を落ち着けてその時を待つ、そして。

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:18:47.47 ID:n7IxseyF0

4―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【留美子】
では、前原君、入ってきて下…


http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041914040003.jpg
留美子が言葉を終えるのを待たずに、俺は扉をぶち破って教室へ入った。
扉が拉げる音、一瞬遅れて響き渡るガラスの割れる音。
誰も予想だにしなかったであろう轟音をBGMに登場した俺に、室内の全員が目を丸くした。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:19:33.11 ID:n7IxseyF0

5―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

今、この教室内で正しく状況を理解しているのは俺一人のみ、すかさず次の行動へと移る。
予め胸に仕込んでおいた血糊を爆発させる。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041914040004.jpg


【圭一】
ち…くしょう…トラップ…か…。


そして倒れる俺。完璧に決まった。
生徒たちの目線が一点に集まる。だが、それは俺にではない。
俺よりもずっと年下と思われるその女の子は、半泣きで弁明をする。


【女の子】
ち…違いますわ…私じゃ…。


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:19:59.39 ID:n7IxseyF0

6―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

女の子を責める声、泣き叫ぶ生徒たち、十字を切る留美子。
おかしな事になってきた。 俺は作戦の失敗を悟り、立ち上がる。

【圭一】
いやあ、失敗失敗。ちいっす! 俺、前原圭一! 今日からよろしくなっ!
趣味はハンティング、紳士のスポーツさ! もちろん腕前は超A級、君のハートをね・ら・い・う・ち☆(バキュン)


先ほどの女の子の隣、まるで日本人形のような女の子に指で作ったピストルを撃つ。
その子の熱視線が俺に突き刺さる。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041914040005.jpg


【圭一】
おいおい、そんな目で見つめないでくれよ! 照れちまうぜ。


完璧だ、これで俺はクラスの人気者。これからの学校生活は青いバラ色に染まってるぜ。

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:20:31.89 ID:n7IxseyF0

7―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【圭一】
さあ留美子さん! 俺の席はどこなんだ? 何なら君の隣でも構わないんだぜ。


http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041914040006.jpg
留美子は俺を生徒たちの前で抱きしめる。 さすがに恥ずかしい。


【留美子】
前原君…先生が良い施設を知っています。 澄んだ空気と美しい自然に囲まれて療養すればきっと…きっと良くなりますから…。


留美子は涙を浮かべ、真剣な表情で俺を見つめる。 ならば俺も本気で答えねばならない。


【圭一】
君と一緒なら何処だってパラダイスさ。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
昭和XX年 事件はまだ始まってすらいない――
                      ひぐらしの絞り汁 ―柿落し編― END

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:22:59.93 ID:n7IxseyF0

1[K]―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

俺の名は――”K”
CIAの調査員、つまるところのスパイだ。
この村に隠された謎を解き明かす為に日夜奮闘している。

ごめんなさい嘘です。
ホントはかつて罪無き幼女たちを片っ端から襲いまくった夢見る中坊。 ほとぼりが冷めるまでこの雛見沢に潜伏中。
大抵のことは親父が金で何とかしてくれる、七光り万歳。

この雛見沢に来て初めて、空気にも味があることを知った。
大きく口を開け、すう…と空気を飲み込む。
そして胃の内容物ごと盛大に吐き出す。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041921470000.jpg
今日の空気はトンコツショウガ味、いくら好物でも朝からはキツイわぁ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
                      ひぐらしの絞り汁 ―第一話・鬼隠し編―
[正解率1‰、惨劇に挑め]

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:24:40.76 ID:n7IxseyF0

2―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041921470001.jpg
今度の学校はとても楽しい所だ。
転校して間もない俺にも気の置けない仲間ができた。
隠し事なんて必要はない、俺はかつての幼女襲撃事件のことすらも包み隠さず打ち明ける。
信頼は大事よね、俺はみんなを信頼している。 だからそれを裏切るのは許さない。
みんなも俺に隠し事なんてしてないよな、な…?
そう問いかけるとみんなはそれを肯定する。
だが違和感がある、どこかよそよそしい態度で目を合わせようともしない。
俺はもう一度同じ問いかけをする。


【レナ】
し…してないよ…隠し事なんて…

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:25:09.52 ID:n7IxseyF0

3―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

俺の中で彼女たちへの不信感が募ってゆく。
嘘だよな、それ。 俺、知ってるんだぜ。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041921470002.jpg
この村で毎年起こる”オヤシロさまの祟り””鬼隠し”と呼ばれる現象。


【K】
俺のスパイとしての能力を見くびらないで頂きたいものだ。
おかしいよな、なあ魅音。 鬼隠しってさ。

【魅音】
Kちゃん、何が言いたいのさ…?

14 名前:1/2[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:27:15.23 ID:n7IxseyF0

4―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

俺は持論の展開を始める。<読み飛ばし可>


【K】
そもそもその鬼隠しって単語、神隠し的な意味で使われてるよな。
でも有り得ないんだよ、まず隠し神は大まかに「天狗」「狐」「鬼」に分けられる。
だが「鬼」に隠された場合、その対象には不可避の死が与えられる。
鬼と出会ってしまったらその場で殺されて食われちまうからな。
何故、死体が発見されず行方不明の人間ですら鬼隠しに遭った、と断定できる?
それはつまり対象の死亡が絶対である、と理解している人間がその呼称の発生源であることを表す、俺が思うに――

【魅音】
Kちゃんストップ。
みんなこの村の伝承をもじってそう言ってるだけだから。
そんな正確な民俗学的分類は求めてないから。


15 名前:2/2[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:27:47.08 ID:n7IxseyF0

【K】
む、そうなのか…だったらこんなのはどうだ?
元来、鬼隠しというのは酒呑童子の住まう大江山を「鬼隠しの里」と呼んだように
鬼の住む場所、或いは鬼を現世から隔離しておく、といった意味合いになる。
それをこの村のケースに当て嵌めてみるとこうなる。
鬼…まあ人が鬼になる訳が無いから、そうだな…まるで鬼の様に豹変し、凶暴化する風土病がこの土地にあると仮定しよう。
いや、伝承を紐解いてみればそれに類する事例が高い確率で存在したことは想像に難くない。
その風土病は現代においても僅かながら生き残っており数例の発症があったのだろう。
そしてそれが伝染性を持つのであれば須らく隔離すべきである。
その施設としては、この村には不釣合いな規模を持つ入江診療所、又は園崎家が適切であると俺は推測する。
もし、去年鬼隠しに遭った沙都子の兄、悟史が今尚生存しているとすればそのどちらかに監禁されているはずだ。
早速今から入江診療所に行ってみよう、多分地下室とかあるぜあそこ。

【魅音】
おい前原、空気読め。
この話終わっちゃうから。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041921470003.jpg


何故だろう、今とても不名誉なことを言われた気がする。
結局、診療所への突撃は先送り。 先送り大国ニッポン万歳。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:29:33.59 ID:n7IxseyF0

5―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【K】
ずっと俺のターン! 青眼の白竜召還!!
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041921470004.jpg

【レナ】
K一くん、今みんなね、真剣にトランプしてるの。
邪魔しないでくれると嬉しいな。

【K】
ちぇっ、分かったよ、俺の反則負けさ。
さあ罰ゲームを受けようじゃないか、俺は何をすればいい?

【レナ】
(本当に面倒くさい人だなぁ…)

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:30:43.17 ID:n7IxseyF0

6―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【K】
よし、じゃあこうしよう。
俺が女装して村中を練り歩くというのはどうだ?
かなり恥ずかしいが罰ゲームは罰ゲームだ、ペナルティは正しく執行されねばゲームの魅力を損なうからな。


俺は制止する魅音を押しのけて彼女のロッカーを漁る。
そして一着のメイド服を手にする、だがデザインがいまいちだな。
俺は魅音の衣服を剥ぎ取りメイド服と併せて改造する。
お、この気の狂った配色とやたらフリル! ナイスデザイン。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041921470005.jpg

それを着用し、昇降口へ向かおうとするもレナたちに止められる。 俺に恥をかかせない為に…優しい奴等だ。
俺はますます彼女たちのことが好きになってしまった。

そういえば…魅音はどこへ行ったのだろう。
クラスメイトに尋ねてみると、顔を真っ赤にして泣きながら下着姿で帰っていったらしい。
何考えてんだあいつ、痴女なのか…? 今後彼女とは距離を置くことにしよう。

18 名前:1/4[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:32:24.93 ID:n7IxseyF0

7―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

レナたちは俺が罰ゲームを行うくらいならば自分たちが、と主張する。
その頑なさがどこから来るのか疑問ではあるが、俺はその提案を受け入れ彼女たちに村の案内を頼むことにした。

寒村とはいえ、歩いていれば人とすれ違うこともある。
前方から全身黒ずくめの女性がやってくる。


【レナ】
この人は入江診療所の鷹野さん、趣味はバードウォッチングだって。
裏では何をしているのか分からなさそうな笑顔がチャームポイントだよ。

【鷹野】
私鷹野三四! 婚期を逃しに逃して遂には34歳!
でも私負けない! じっちゃんの名に賭けて!

【K】
…えらく元気な人だな。

【梨花】
鷹野のテンションがおかしいのは大概何か良からぬ事を企んでいる時なのです、みー…。

19 名前:2/4[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:32:55.92 ID:n7IxseyF0

【鷹野】
バレてしまっては仕方ないわね…。
そう私の目的はこの雛見沢特有のウィルス性風土病、雛見沢症候群を利用して神になること!
入江診療所はその研究機関、あなた達の友達の悟史君もそこに居るわっ!
入江先生もジロウさんも私の仲間、でもいずれ裏切るつもりよっ!
おっと抵抗しようとしても無駄よ、私のバックには秘密結社「東京」がついているの!
特殊な戦闘訓練を受けた山狗を出動させることもできるし滅菌作戦も実行可能!
祟りや鬼隠しが私たちの仕業だと気付かない村人なんて一網打尽!
ああっ! なんて素晴らしいの、私!
でも科学では説明できないような現象も体験しているのよね!
もしかしたら本当にオヤシロさまって”い”るのかもしれないわねっ!
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041921470006.jpg

【梨花】
み゛ぃい!!?

【K】
梨花ちゃん、どうしたんだ…?
まるで100年来の謎が一瞬にして解けたような顔をして。

【梨花】
何でもねぇよ…頭痛くなってきた。
今夜はとことん呑みたい気分だぜ…。

【沙都子】
梨花、空き瓶は取っておいて下さいませんこと?
少々…診療所に用事ができてしまいましたわ…。

【梨花】
ガソリンと導火線も用意しておくですよ、みぃ。

20 名前:3/4[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:33:13.71 ID:n7IxseyF0

【沙都子】
梨花、助かりまs【魅音】えぇ〜〜〜ッ!!
鷹野さんがそんな事を企んでいたなんて、おじさんちっとも気付かなかったよ!
でも相手が悪かったねぇ!おじさん率いる部活メンバーは至高にして究極!
その野望は阻止させてもらうよ! ねえみんな!


いつの間にやら合流していた魅音が驚きの声を上げる。
人のお話は遮っちゃいけませんと教わらなかったのだろうか、俺は真剣にこの国の未来を憂う。


【鷹野】
この場合、魅音ちゃんがまとも…で合ってるのよね…?
くすくす…あなたたちに何ができると言うのかしら?

【レナ】
あ゛ぁ゛あ゛あ゛うざってぇ!


レナが丁度そこを通りかかった大介くんを蹴り飛ばす。
哀れ大介くんは体をゑの字に曲げて痙攣している。 いかん、キレているな。
目が攻撃色になっているが生憎蟲笛は持っていない。

21 名前:4/4[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:33:26.21 ID:n7IxseyF0

【レナ】
ぐだぐだぐだぐだ煩ェんだよ! やんのかやんねェのか! どうなんだ!
やんならさっさとケリ付けようぜ、1時間後に手下連れて川原に来いや!
ボコボコにしてやんよ!

【鷹野】
くすくす…血の気が多いのね。
良いわ、1時間後…ね?

【レナ】
おう! 道を洗って待ってろよ!

【K】
首な、首。


そして去っていく鷹野。
根は素直な子なのかもしれない。

22 名前:1/3[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:35:59.99 ID:n7IxseyF0

8―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【魅音】
どうするのさレナ!
勝手にあんなヤバそうな組織に喧嘩売っちゃって!
おじさん知らないからね! レナ一人で行きなよ!

【レナ】
フハハハハ! 血が騒ぐ!
茨城時代を思い出すわッ!!

【沙都子】
レナさん、お供しますわ。

【梨花】
みぃ、以下同文なのです。

【K】
ああ! それが仲間ってもんだよな!

【レナ】
おう! その通りだぜ!
俺達4人は最強の部活メンバー! 個にして最強、揃えば誰にも負けない絶対無敵だァ!!
矢でも鉄砲でも持ってきな! そんなものに怯えて命乞いするような腰抜けは一人だって居やしない!
この4人の中では! 少なくともこの4人の中ではなッ!!

【・3・】
アルェー?

23 名前:2/3[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:36:23.08 ID:n7IxseyF0

【レナ】
さあ各自得物を持てぃ! 決戦じゃァ!!
一人残らずDESTROYせよ!
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041921470007.jpg


少しずつ落ち着きを取り戻してきたのか、レナの目が次第に青へと戻っていく。
口調も元に戻り、先ほどまでの姿が幻であったかのようにすら思える。
だが、そのオーラは尚一層凄みを増し、嫌が応にも俺たちの闘争心を掻き立てる。
ほんの半刻前には快晴だった空に暗雲が立ち込め始める。 まるで神がこれからの死闘を啓示しているように。
数瞬の沈黙の後、レナの口が開かれる――

24 名前:3/3[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:36:42.11 ID:n7IxseyF0

【レナ】
雨、降って来そうだね。
やっぱり中止してK一君の家でゲームでもしようよ、4人用の。

【K】
ああ、分かったぜ!

【梨花】
お小遣い争奪麻雀大会、雛見沢杯開催なのです。

【沙都子】
叔父様仕込の嶺上開花で毟り取って差し上げますわ〜!


そうして、俺たちは寝食を忘れ、再び空が白み始めるまで麻雀に明け暮れる事になった。
外は警報が出るほどの土砂降り、レナ、ナイス判断。


25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:37:23.70 ID:n7IxseyF0

9―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【鷹野】
ああもうっ! 折角道がきれいになったと思ったのに…この雨では埒があかないわ。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041921470008.jpg

【小此木】
絶対に来ないと思いますがねぇ…。

【鷹野】
来るって言ったもん! お約束したんだもん!!

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:41:19.96 ID:n7IxseyF0

10―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

時は流れ綿流し祭。
本日の部活はいつの間にか知り合っていた富竹さんを加えての射的大会。
射○大会って言うとちょっといやらしいよね。
みんな果敢に大物を狙うも戦果は芳しくない。
そして俺のターン、当然ぬいぐるみ狙いだ。
俺は昔取った杵柄を生かし正確に対象の目を狙撃する。
…だが、ぬいぐるみは俺の放ったコルク弾を華麗に避ける、やっと当たったかと思えばヤツの腕にはじかれる。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041921470009.jpg


【ぬいぐるみ】
くけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけ

【K】
うぜぇ…オヤジ、鉛弾は無いのか、こいつを撃ち抜きたいのだが。


結局、オヤジを狙撃し沈黙させ、残弾数を無限にするというチート極まりない行為によりぬいぐるみを討ち滅ぼすことに成功した。
ボロボロになったぬいぐるみは綿と一緒に川に流して全て忘れることにする。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:44:09.34 ID:n7IxseyF0

11―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

次の日、アポもなしにやってきた大石という刑事の口から驚くべき事実が明かされた。
祭りの晩、鷹野さんが死んだ――

死因は肺炎、なんでも一晩中雨にうたれていたことが原因らしい。
最近暑くなってきたとはいえそれでは無理もなかろう、医療従事者の端くれでありながらその危機管理の甘さには失笑を禁じえない。
鷹野さんが発見されたのは川原へ向かう道路の上、何故かその周辺は異様なほどに磨き抜かれていた。 うーん、ミステリィ…。

富竹さんは、虫にでも刺されたのか喉が痒くてついつい掻き毟って出血があったとの事。
幸い、入江先生の懸命な治療により一命を取り留めたようだ。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041941530000.jpg

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:47:09.88 ID:n7IxseyF0

12―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

村での生活にも慣れた頃、今までの疲れがどっと来たのか、風邪をひいてしまった。
いかんいかん、これでは鷹野さんを笑えないな。
逢いたいの…もう我慢できない。 という大石さんの誘いを丁寧に断り、今日一日は安静にするとしよう。

空が宵色に染まり始める頃、夕刊を取り忘れていたことに気付く。
ポストに手を突っ込むと奇妙な感触…え、おはぎ…?
一緒に投函され、餡でべとつく手紙には、レナの作ったおはぎを当てろとの指示がある。
…とはいうものの、おはぎだか泥団子だか判別がつかない状態のこれを見分けるのは困難を極めるだろう。

とりあえず食ってみる。

――激痛
なんだよ、これ………針…? なんで……おはぎの中に…針が……?
背筋を冷たいものが流れる。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041941530001.jpg

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:50:24.83 ID:n7IxseyF0

13―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

翌日、彼女たちへの”返答”の為、穴だらけの体に鞭打って登校する。
俺は、あの針入りのおはぎを彼女たちの宣戦布告と解釈した。
そこへ魅音がアホみたいな顔して近づいてくる。


【魅音】
はろろ〜ん、Kちゃん、どうだった? おはぎ、判った?

【K】
ああ、美味いおはぎだったよ、血が出る程にな。 尻から。

【魅音】
あーごめん…Kちゃんって辛いのとか食べると翌日地獄を見る人だった…?

【K】
んでな、俺もお返しにプリン創ってきたのよ、まあ食え。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041941530002.jpg


俺は無理やり魅音の上の口にプリンをねじ込む。
「パック!モグッ!」魅音は死んだ。スイーツ(笑)

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:53:17.60 ID:n7IxseyF0

14―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

その夜だった。 ヤツ…レナは――闇を切り裂くようにして現れた。
魅音が死んで精神的に不安定になっているのだろうか。
その縋るような両のまなこは俺の寵愛を期待している様に見える。
都合よく今晩は両親が帰ってこない。 来いよ…レナ。 可愛がってやるぜ。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041941530003.jpg


【レナ】
レナね…思い出したの。
そういえばキメ台詞取られちゃってたなぁって…。
鬼隠し編における私のレゾンデートルを否定されたままだなぁって…。
せめて…晩ご飯、作ってあげるよ……K一くん”で”…。

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 19:56:47.14 ID:n7IxseyF0

15―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041941530004.jpg
後の歴史はこれを神々の戦いと呼んだ。
七日七晩にも及ぶジハードは熾烈を極め、俺の部屋は焦土へと変貌していく。
そして遂に、禍なる厄災は永遠に封じられた。 世界に平穏が戻ったのだ。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:00:32.45 ID:n7IxseyF0

16―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

帰る家を失った俺はあても無く彷徨う。
心地いい夜風に包まれ、野宿か、梨花ちゃんたちの家へ行くか迷っていると、後方から足音。
振り向くもそこには誰もいない。 気を取り直して再び歩き始める。

ひた… ひた… ひた…

俺の勘違いではない、ナニカがそこにいる。
歩調を速めればそれに呼応するかのようにそれも徐々に近づいてくる。

ひた… ひた… ぴた…ぴた…ぴたぴたぴたぴたぴたぴたぴたぴたぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴ

そして、その足音は彼方へと消えていった。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041941530005.jpg

38 名前:1/2[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:03:07.21 ID:n7IxseyF0

17―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

気味が悪くなったので、近くの電話ボックスから大石さんに連絡をする。
この際男でもいい、今は兎角ぬくもりが欲しい。
もう30ほどのコール音が響いただろうか、ようやく繋がった。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041941530006.jpg


【クラウド】
んっふっふっ…興味ないですねぇ…。
一度でいいから見てみたい、署が経費で落とすとこ。 どうも、大石蔵人です。
なによ急に、散々冷たくしておいて…アタシそんなに都合の良いオヤジじゃないのよ。

【K】
あーゴメンゴメン、もしかして寝てた?
なんかさー、俺ストーカーに狙われてるっぽいのよ。
とりあえずレナと魅音は始末したんだけど…。

【大石】
それについては追々詳しく聞かせて頂くとして。
大丈夫ですよ、前原さん、あなたそんなにモテませんから、きっと全て妄想です。 赤字で宣言しちゃいます。

39 名前:2/2[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:03:21.23 ID:n7IxseyF0

蔵人との甘いトークを満喫していると、再びヤツの気配。
妄想ではない、少なくとも足音の件に限っては。


【大石】
ドゥーユーノー? オヤシロサマ  イエス・ヒナミザワ……ポゥ!
…ちょっと前原さんー、ダメですよちゃんとハモってくれないとー。
もしもーし、前原さーん!?


もはや蔵人の戯言に付き合ってる暇などない。
後ろに”い”るのだ。
俺はモザイクを見る要領で目を細めながら振り向く。
…見えた!

41 名前:1/2[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:06:36.44 ID:n7IxseyF0

18―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【大石】
もしもーし、前原さーん? どうしたんですかー!?
ちっ……ああ熊ちゃん、大至急パトカー回して下さい! そうです、雛見沢中の公衆電話を当たって下さい!
5分…300秒? 遅すぎる! 40秒で探し当てな!

【K】
あ…ああ…これが……オヤシロサマ…。

【大石】
イエス・ヒナミザワ!

【K】
大石さん…俺、なんかもう本格的に人としてダメっぽいです…。
オヤシロさまの幻影が見えるんです…。

【大石】
今更何を言ってるんです前原さん! あなたの後ろに一体何がいるんですか!?
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041941530007.jpg

43 名前:2/2[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:06:48.85 ID:n7IxseyF0

【K】
年は梨花ちゃんくらい、なんか妙にエロい巫女装束を纏った角女です。
畜生っ! あぅあぅ五月蝿ぇっ!!
でも結構可愛いな…なあ、相談なんだけどさぁ…流れ的に俺死ぬっぽいじゃん、だからさ…。
ぶっちゃけ男にして欲しい。 触れられないことは我慢する、視覚的な刺激だけでいいから…。
………
……

イヤッホォォオォォウッッッ!!!

【大石】
(もう、急ぐ必要は無いかな…)

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:09:44.92 ID:n7IxseyF0

19―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

事を終え、彼女は何処かへ行ってしまった。
いや、まだ居るのかもしれないが、もはや俺にはどうでも良いことだ。
俺は、喉を掻き毟りながら、考える。
どうしてこんな事になってしまったのだろう…。
ひぐらしだけが知っている…そんな気がした…。


【ひぐらし】
残念だがK一くん! 私は何も知らないのだよ!
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041941530008.jpg

【K】
うわぁあぅごヴぅェえっっ! ゴボッ!!!

【ひぐらし】
ああもうそんな状態で騒ぐから…。
すまないね、どうやらもう君の力にはなれそうもない…。
助けられなくて申し訳ない…。


薄れゆく意識の中、俺は最後の力を振り絞って大石さんへのメッセージを遺す。

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:13:23.51 ID:n7IxseyF0

20[蔵人]―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

電話ボックスで発見したとき、彼は既に事切れていました。
ガラス面には血文字で「我が人生に一片の悔い無し」の一文。 意味不明。
私は、鑑識が入る前に彼の部屋を調べ、時計に気付きました。 裏面には殴り書きのメモ。 「針がなかった?」 理解不能。
壁には磔にされた竜宮礼奈。 慎重に硬化処理、封印。
机の引き出しの中の青眼の白竜とブラックロータスはこっそりポケットに。
事件の手がかりは発見されず。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909041941530009.jpg


【マミィK】
あら、あの子ったらそそっかしい。

【ダディK】
肝心なところで詰めを誤るとは我が子らしいな、ハハッ。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
昭和58年 真相は未だ闇の中である――
                      ひぐらしの絞り汁 ―鬼隠し編― END

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:22:35.10 ID:n7IxseyF0

1[K]―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
深夜、村人たちは突然のサイレン音に目を覚ます。
何事かと外へ飛び出た者たちは皆一様に目を丸くし、言葉を失う。
御三家の最大勢力、支配の象徴である園崎家が――燃えている。

俺、”K”が現場にたどり着いた時には既に沈火しつつあったが、建物の崩れゆく轟音に混じり老人たちのすすり泣く声。
人ごみの中にレナを見つける。 梨花ちゃんも沙都子も一緒だ。


【K】
レナ、俺だ! 結婚してくれ!
一体何があったんだ…? 魅音は…いないのか?

【レナ】
あ…K一くん…。
魅ぃちゃん、まだ見つからないみたい。 心配だね…。
昨日ね、別れ際に魅ぃちゃん、とても嬉しそうな顔してたの。
花火たくさん買ってきたから、今晩全部やるんだって…そう言ってたの。

50 名前:2/2[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:23:07.16 ID:n7IxseyF0

【K】
そうか…無事だといいな、魅音のやつ。


俺たちは、崩壊する園崎家を見ていることしかできなかった。
唯々自分たちの無力を噛み締めながら――
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042021560000.jpg

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
                      ひぐらしの絞り汁 ―第二話・島流し編―
[難易度は鬼隠し編に劣りますが、非常に空気が読めません]

51 名前:1/3[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:27:06.97 ID:n7IxseyF0

2[TIPS 時空のゆがみ、雛見沢の正月]―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042021560001.jpg
【魅音】
みんな、あけましておめでとーっ!

【K】
なんだ魅音、やたらテンション高いな…頭沸いてんのか?

【魅音】
年に一度の稼ぎ時だからね、気合入れてかないと!

【沙都子】
現金なお人ですこと。

【梨花】
みー、魅ぃは金の亡者なのです。

【魅音】
Kちゃんはどうよ、お年玉どのくらい貰えたの?

【K】
いろいろあってな、断ってるんだ。 親戚に合わせる顔もないし。
レナはいくら貰ったんだ?

【レナ】
うちは…お父さんが失業中の上怪しい女の人に貢いでるから…。

【K】
あ…ごめん…。

52 名前:2/3[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:27:21.67 ID:n7IxseyF0

【レナ】
ううん、気にしなくていいよ。

【K】
梨花ちゃんなんかはけっこう貰ってそうだよな、道行くお年寄りとかにみぃみぃ愛嬌振りまいて。

【梨花】
秘密なのですよ、みー。

【魅音】
ほら素直におじさんに白状してごらん? いくら貰ったの〜?

【梨花】
皆ボクだけで沙都子にはくれないのです…だからお断りしているのですよ。

【沙都子】
梨花…気を使わないでくださいまし。 わたくしはもう立派なレディですからくれると言っても頂きませんことよ…。

53 名前:3/3[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:27:36.03 ID:n7IxseyF0

【魅音】
ふっふっふ…こりゃ新年早々おじさんの一人勝ちかな〜?

【レナ】
………。

【魅音】
50万も貰っちゃって何に使おうか迷っちゃってね〜。

【梨花】
………。

【魅音】
どうしたの? 黙っちゃって〜(゚3゚)

【沙都子】
………。

【魅音】
あー、さてはおじさんのリッチっぷりに恐れをなしたね?

【K】
空気読めよ…。

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:30:44.37 ID:n7IxseyF0

3―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

本日の部活はオモチャ屋での不良在庫一掃ゲーム大会。
スポンサーはもちろん未音(先日の失態により勘当され鬼の字を抜かれる)。


【K】
なっ? 金持ってんだし。

【未音】
それ…おじさんのなけなしの生活費…。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042021560002.jpg


俺たちは、未音の訴えのすべてを丁寧に却下し、湯水のように金を使う。
金は目的ではなく手段である。 本日の部活は地域経済の活性化に貢献できたと自負している。

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:33:36.28 ID:n7IxseyF0

4―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

勝者、俺。
ゲームそのものに予算の大半を費やしてしまい、賞品の人形のグレードを落とさざるを得なくなった。
追加予算を未音に請求するも泣くばかりで会話にならない。 結局、彼女は頑として要求を突っぱね続けた。
俺、コミュニケーションって大切だと思うんだ。


【K】
まあいいか、さてこの人形を…。


俺の言葉にレナと未音が反応する。
他人の所有物が欲しいだなんてとんだ悪女だ。 この雌豚め!
ビッチどもを無視し、勝利と栄光の象徴である人形を持ち帰る。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042021560003.jpg

そういえば未音は何処に行ったのだろう。 さっきまではいたと思ったのに。


57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:37:15.54 ID:n7IxseyF0

5―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

次の日、学校へ向かう俺の足取りはとても軽かった。
今日はカレー大会、さぁ食うぞぉ。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042021560004.jpg

俺はレナとコンビを組み、俺とレナ、愛の特製カレーの製作を始める。
なんで男の人ってみんな俺の特製カレーとかいうんだろうね。
材料を炒めていて異物に気付く。 レナの持ってきた肉、肉、肉、あと肉、モツ、そして肉。
質の悪い肉とはいえ毛の束が混じっているのはいかがなものか。

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:40:12.10 ID:n7IxseyF0

6―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

しまった、見つかった!
肉ばかりでバランスが悪いと考え、知恵先生のカレー帝国から野菜をちょろまかそうとしたのがいけなかった。
俺は愛の体罰により、数ヶ月の休学を余儀なくされた。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042021560005.jpg

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:45:00.44 ID:n7IxseyF0

7―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

自宅で療養していてもある程度のうわさは耳に入ってくる。
あの日のカレー大会の残りを近所中におすそ分けし、数万の小遣いへの錬金を成功させた梨花ちゃんは奇跡の魔女と称されるようになった。
それに味をしめた彼女はカレーの量産化に乗り出した。 これが後に全国規模でチェーン展開する企業に成長するのはまた別のお話。

まだ怪我は癒えぬもののなんとか動けるようになった俺はそこで手伝いをすることになった。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042021560006.jpg

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:47:01.16 ID:n7IxseyF0

8―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ある夜、レナから電話があった。
梨花社長と沙都子が行方不明になったらしい。
彼女の資産もついに八桁を超えたところだというのに、何が起こったのだろうか。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042021560007.jpg

社へ車を走らせながら俺は思い出す。
知恵先生が梨花社長の方針に対して批判的であったことを…。

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:50:36.59 ID:n7IxseyF0

9―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

社に着くと、既にレナが扉を破った後だった。 先に突入したであろう彼女を追う。

レナは…いた。 あちこちひっくり返して梨花ちゃんたちを探している。
遂にはコンロに乗った鍋の中すら覗き込んでいる。
頭どうかしてるのかこの女。 そんなところにいる筈ないだろう。
こういうやつが魚は切り身で泳いでるとか勘違いしたまま大人になっていくのだろう。
俺は彼女に哀れみと侮蔑を孕んだ嘲笑を浴びせる。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042021560008.jpg

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:53:09.49 ID:n7IxseyF0

10―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

結局、梨花ちゃんたちは見つからなかった。
何故かレナが鍋を火にかけ続けていたのが印象的だった。
常識ってものがないのだろうか。 いくら腹が減ったからといって人の家のご飯に手をつけるなんて。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042021560009.jpg

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:55:49.80 ID:n7IxseyF0

11―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

事件の混乱は、更に加速する。
園崎家跡で野宿していた園崎家当首・お魎が死体で発見された。 そして…村長が失踪した。
だが梨花ちゃんたちの失踪と今回の件が繋がらない。
人為的なものであることは明白なのだ。 なのに、黒幕の意図がつかめない。
レナは、未音が犯人であると主張する。 馬鹿か、あいつはお前が食ったんだろうが。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042051380000.jpg

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 20:57:52.15 ID:n7IxseyF0

12―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ならば今俺に電話してきたのは誰なのだ。 間違いなく未音の声。
俺は真相を探るべく、すかさず逆探知。 相手の居所を突き止める。 園崎家跡だ。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042051380001.jpg

未音は…いた。
村長の死体と一緒に。


【K】
未音…やっぱり生きていたんだな…地獄へ落ちたと思っていたのに。

【未音】
うん、もうちょっと遊びたいから戻ってきちゃった。


さらりと宇宙の法則を乱しやがって。

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:00:13.25 ID:n7IxseyF0

13―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

なぁ、未音…お前がやったのか…?
村長も、実の祖母も、梨花ちゃんと沙都子も…ッ!


【未音】
最後のは心当たりないんだけどまあいいや…。
そう、私がやった。 全部!
うっく… …っく …っく…

【K】
嘘だろ…?
レナならともかくお前にそんな度胸が…。

【未音】
くけk【K】へあ゛っぶしっ!!
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042051380002.jpg

連日の心労で風邪を引いてしまったのか、くしゃみで未音が何か言ったのを遮ってしまった。
復唱要求!


【未音】
かんべんしてよ…。 Kちゃんマジ空気読んで…。

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:03:11.38 ID:n7IxseyF0

14―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

いつの間にやらレナもやってきた。
未音は、この村の血塗られた歴史を明かし、自らの体に刻まれた鬼の証をさらけ出そうとする。
折角だからじっくりと観賞させていただく。

…と思ったら急に怖気づきやがった。
今更そんなこと言われてももう撮影スタッフも準備できちゃったしさぁ、脱いでもらわないと困るんだよね。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042051380003.jpg

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:05:37.38 ID:n7IxseyF0

15―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

未音はあからさまに話題を逸らそうと必死でもう見てらんない。


【未音】
ねぇレナ…。 どうして私が殺ったって思ったの…?

【レナ】
うん、なんとなく。

【未音】
そっか…なんとなく、か。
あっはははははははははははははははははははははははははははははははははは
くけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけ
ぷっくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくく
をーっほっほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほ
くすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくす
きひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ
も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛
とんだ名探偵がいたもんだよ!
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042051380004.jpg

【K】
おい最後のは誰のだ。

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:07:58.68 ID:n7IxseyF0

16―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【未音】
ねぇレナ…。 最後にKちゃんと、30分…1800秒だけ、いいkn


レナの一撃が未音の我侭を遮り沈黙させる。

こうして、事件は終焉を迎えた。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042051380005.jpg

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:11:08.92 ID:n7IxseyF0

17―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

全てが終わり、俺は喪失感と安堵に包まれ眠りにつく。

深夜、何かの這いずる音に目を覚ます。
ああ…そうだよな…俺だけ生き残るなんて…許されないよな。

なぁ、そうだろ…レナ…。

あの時、俺はどうすべきだったのだろう。
人形をレナにあげればよかったのか? それとも未音に…?
わからない…俺は……
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042051380006.jpg


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
昭和58年 答えはまだ見つからない――
                      ひぐらしの絞り汁 ―島流し編― END

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:31:26.95 ID:n7IxseyF0

1[K]―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【魅音】
Kちゃん、先どーぞ。


今、俺の目の前に教室の扉。
挟まれた黒板消しに気を取られ取っ手の部分の画鋲でブスリ、といった算段だろうか。
ああ、駄目だぜ、全然駄目だ、沙都子。
俺は沙都子を小馬鹿にするため、あえて画鋲ギリギリのところに手をかけ、勢いよく扉を開ける。

一閃、二閃。
俺は己の迂闊さを悔いる。
しまった、トラップそのものがミスリード。 真の狙いは直接撃破か…。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042130140000.jpg

視界の隅に、俺の体と、ほくそ笑む沙都子。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
                      ひぐらしの絞り汁 ―第三話・半殺し編―
[難易度は最悪、何を信ずるかはあなた次第]

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:32:53.70 ID:n7IxseyF0

2―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

まったく、沙都子の悪ふざけには手を焼かされる。
俺じゃなきゃ死んでたぞ。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042130140001.jpg


【沙都子】
K一さんはどうやったら死ぬんですの…?


沙都子が、俺の家にいる。 今晩は両親の帰らないこの家に。
今日、俺を輪切りにしてしまった贖罪の為。


【沙都子】
K一さん、何ですの…? その気持ち悪い笑みは…。


頭の中でピンク色の妄想を膨らませているとフライパンから火柱。
はっはっはっ、ドジなやつめ。

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:35:25.52 ID:n7IxseyF0

3―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042130140002.jpg
沙都子の召んだ魔界の炎は、俺の家を焦がしてしまった。
俺、ホームレス中学生。

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:36:16.15 ID:n7IxseyF0

4―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

とりあえずは衣食住の確保が最優先。
特に提案があったわけでは無いが、俺は沙都子と梨花ちゃんの家でご厄介になることに決めた。
川の字で寝るのって素晴らしいことだね。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042130140003.jpg

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:37:28.33 ID:n7IxseyF0

5―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

雀の鳴き声に目を覚ます。
できればもう少しエロティックなシチュエーションで聞きたいものだ。
突然の地震、いや…違う! 世界そのものが震えているのだ。 何かに脅えているように。
それは、曙光を背負い姿を現した。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042130140004.jpg

北条鉄平。 俺はヤツをそう名付けた。

82 名前:1/2[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:39:55.17 ID:n7IxseyF0

6[TIPS 北条悟史]―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042130140005.jpg
【大石】
それじゃあ、見つかったんですか? 北条悟史君が。

【*】
ええ、大石さんの推理通りでした。
彼は妹へのプレゼントの為のバイト代を全て持って東京へ行った。 間違いないです。

【大石】
今、彼は? まだ東京に…?

【*】
ええ、ええ、いますとも。 ですが、戻るつもりは無いそうです。
彼ね、東京に出てきたのはちゃんと目的があったんですよ。
ええと…なんて言えばいいかな…大石さん、エロゲーって知ってます?

【大石】
…はい?

83 名前:2/2[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:40:06.83 ID:n7IxseyF0

【*】
悟史君、なんでも「沙都子〜妹〜」というエロゲーにとても感銘を受けたらしくて…。
自分もそんな作品を作りたい、いや、彼に言わせれば新たな神話の創造をしたいと言うんですよ。
まあ一応説得はしてみたんですが…あの年頃の子は一度突っ走ると止まらなくて…。
「僕はハイパーメディアクリエイターになる」と叫んでからは取り付く島もないですよ。
…で、どうしましょうか。

【大石】
分かりました、もういいですよ。 ご協力感謝します。 謝礼は後ほど…ええ、はい、それでは…。


大石は、受話器を置くと大きくため息を吐いた。
先ほどからこちらの様子を伺っていた熊谷に声をかけられる。


【熊谷】
発見されたんですね、悟史くん。
早速妹さんに伝えないと…きっと喜ぶでしょうね。

【大石】
ええ、伝えてきてください。
悟史君は死んでしまいました、とね。 社会的に…。

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:41:31.80 ID:n7IxseyF0

7―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

北条鉄平の存在は、沙都子の生活を一変させた。
鉄平は沙都子を北条家へと連れ戻し厳しく律し、家事や生活態度にまで口を出す。


【鉄平】
沙都子ォ!! こんダラズがぁッ!! カンしたまま出よったんな!!
4カンで流局と、何べん言わせりゃ気が済むんじゃぁッ!! いっちょ前にリンシャン狙いかぁッ!!
いい女になる為には遊びもできなきゃいかんでよ!! 勉強や家事だけじゃ駄目だんね!!
ああもうこんな時間かいな、ホレ沙都子、髪整えて、元気に学校行って来んかいッ!!
暗くなる前には帰って来んと…わかっとるやろな!! 俺、心配して泣いてまうでよ!!
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042130140006.jpg


次の麻雀対決の時には…沙都子は強力なライバルとなりそうだな。
口は悪いが鉄平も必死なのだろう、兄弟の忘れ形見を立派に育てる為に。
鉄平の愛を一身に受け、素敵なレディへと成長するのだぞ、沙都子よ。

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:42:39.34 ID:n7IxseyF0

8―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042130140007.jpg
そんな鉄平の思いを嘲笑うかのように、悲劇は起きる。
何者かに襲われ、鉄平は――

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:43:28.74 ID:n7IxseyF0

9―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――増えた
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042130140008.jpg

注射された薬品は鉄平の遺伝子に変異を起こし、タバコの先からばら撒かれた胞子によって際限なく増え続ける。
幼生から飼育すれば愛着も沸くもので、俺は鉄平たちと心を通わせることができた。

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:44:15.01 ID:n7IxseyF0

10―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042130140009.jpg
そしてすくすくと成長した鉄平・ザ・スタンピードたちは、沙都子を心配するあまり大挙して学校へ押し寄せる。

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:44:46.56 ID:n7IxseyF0

11―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

いかなる思いからの行動であろうと、このまま村を破壊してしまえば鉄平は迫害されるだろう。
それだけはなんとしても止めねばならない。
村の幹部は、綿流しの祭を前倒しして巫女の演舞により鉄平を鎮めようと目論む。
だが、梨花は演舞を拒否。 為す術を失ったかと思われたその時だった。
舞台に上がったのは沙都子。 彼女は見事な演舞を披露して見せた。
それは、鉄平のみならず村の老人たちの心を動かしたのだ。
沙都子の罪は雪がれ、オヤシロさまの化身として崇め奉られる事となった。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042130140010.jpg

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:46:04.66 ID:n7IxseyF0

12―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

今までは数々の我侭を信仰心で抑えられていたのだろう。
神性を失った梨花は、見せしめとして処刑された。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042130140011.jpg

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:46:25.53 ID:n7IxseyF0

13―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042130140012.jpg
沙都子率いる鉄平の大群は、古き信仰の象徴である古手神社を更地に変えるべく進行する。
その圧倒的さは、僅かに残る梨花派の心を打つには十分すぎた。

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:46:52.60 ID:n7IxseyF0

14―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

古手神社跡、ここにはいずれ新たな北条家が建立されるだろう。
その素晴らしい光景をなるべく早く見たいので、俺は好意から草刈りを行う。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042130140013.jpg

あ、この死骸まだあったのか…。
邪魔だなぁ、早く誰か片付けないかなぁ…保健所に連絡すればいいのかな。

94 名前:1/2[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:47:32.42 ID:n7IxseyF0

15―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

沙都子は梨花の死を知らなかったのだ。 生ゴミを見、発狂した彼女は俺から逃げようとする。
いかん、今や沙都子は権力と武力を併せ持つ神だ。
彼女が望めば白も黒になる。 魅音だって空気を読む。
この勘違いを誰かに告げられれば俺の命など簡単にひねり潰されるだろう。
俺は衣服を脱ぎ去り、沙都子の説得を試みる。


【K】
沙都子! 俺じゃない! ほら、俺は何も持ってないだろ? 俺はお前に危害を加えない!
よく見てくれ! ほら、もっとよく!! 股間の辺りは重点的に!!! さあ見ろッ!!

【沙都子】
ひっ…! 来るなあっ!!

95 名前:2/2[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:48:13.37 ID:n7IxseyF0

俺の体は強く強く興奮しているが、頭の芯の部分は実にクールだ。
今の俺、まさに青い炎!!
冷静に沙都子を追い詰める。
よし、つり橋の方へ逃げたな。 これならば足の速い俺の方が有利、捕まえられるっ!!

俺は、甘く見ていたのだ。 追い詰められた人間の底力を。
沙都子は、妙に慣れた手つきで俺を谷底へ突き落とす。

落下しながら沙都子の方を見つめる。 OK、パンチラゲット。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042130140014.jpg

ああ、俺、死んじゃうのかなぁ…なんか癪だなぁ…
もし…許されるのなら、この世界にも死を。 この狂った雛見沢に終わりを…!

最後の瞬間、俺は確かに聞いたのだ…俺たちのもがき苦しむ様を哂う声を。
畜生…上等かましやがって…いつか必ず…*えぐってやる…。

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 21:48:57.63 ID:n7IxseyF0

16―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042130140015.jpg
あれから、どれ程の時間が流れただろうか。
この雛見沢に、人間の気配は無い。
雛見沢大災害と呼ばれた火山性ガスの噴出によって、とうの昔にヒトの住まう世界ではなくなったのだ。
今この村は、その体長が幸いし、難を逃れた鉄平たちの棲み処となっている。
鉄平たちは友を…K一を、待ち続けているだろう、いつまでも、ずっと。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
昭和580年 全ては、てっぺいだけが知っている――
                      ひぐらしの絞り汁 ―半殺し編― END

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 22:22:54.33 ID:XpX9A8km0

1―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「おにぃちゃん、起きてほしいにょん♪ おにぃちゃん、起きてほしいにょん♪」

一体なんなんだよこれ…
キ○チガイじみた目覚ましのアラームに、俺の意識は持ってかれそうになる。

「おにぃちゃん、起きてほしいにょん♪ おにぃちゃぁん…起きれくれないと…わたし…んっ…おかしくなっちゃうよぉ…」

ああうざってぇ…。
俺は目覚ましを破壊すべく渾身の一撃を放つ。

ふにょん

…何だこの感触…まさか…おっぱい!
そして俺は目を覚ます。

俺の目に映ったものは――地獄絵図だった。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042221170000.jpg

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
                      ひぐらしの絞り汁 ―第四話・澪w尽し編―
[理解不能、あなたはこの物語を拒否する権利があります]

102 名前:1/2[] 投稿日:2009/09/04(金) 22:23:23.93 ID:XpX9A8km0

2―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

その生物は村の至る所で蠢いている。
しかし妙なことに、俺の両親を含めてそれを気にする者はいない。
腑に落ちないまま登校する途中、レナと合流する。
それを避けて歩いているところを見ると俺の幻覚という訳でも無さそうだ。
意を決し、尋ねてみる。


【K】
な、なぁレナ…これ、なんなんだ…?

【レナ】
ああK一君はまだ越して来たばっかりだから知らなかったんだね。
これは、みおんw。 雛見沢の夏の風物詩だよ。
あ、踏んじゃ駄目だよ。 衝撃を与えると増えちゃうから。

【K】
そうかそうか、で、俺はそんな生物がいたことを初めて知ったのだが。
何で雛見沢だけに? どうして増える? つーかみおんて…。

103 名前:2/2[] 投稿日:2009/09/04(金) 22:24:07.77 ID:XpX9A8km0

【レナ】
語り得ぬことには沈黙せねばならない。

【K】
よくは分からんってことか…。

【レナ】
然り。


俺はその辺にいたみおんwを一匹拾い上げてちょっとつねってみる。
この程度ではまだ増えないのか…しかし…ふわっふわで気持ちいいなぁ…。
それを見ていたレナは顔を真っ赤にしている。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042221170001.jpg


【レナ】
け…K一くん…いやらしい…。


いやらしかったのか…。
またひとつおりこうさんになってしまった。

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 22:24:28.39 ID:XpX9A8km0

3―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

俺は、あの感触が忘れられず、教室にも当然のごとく存在するみおんwを揉んだり捻ったりして遊んでいた。
すると、小気味良い音と共にみおんwが分裂した。
やった、増えた。 こうすればよかったのか。

そうやって次々にみおんwを増やし続け、気付けば床はみおんwで埋め尽くされていた。
これには知恵先生もおかんむりで、みおんw増殖禁止令が発令されてしまった。 反省。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042221170002.jpg

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 22:24:47.40 ID:XpX9A8km0

4―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

誰もあの驚愕の手触りに抗う事などできないのだろう。
数日のうちに、村のどこに居ようと視界にみおんwが入るまでになってしまった。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042221170003.jpg


【K】
なあレナ、こいつら…そのうちちゃんと死ぬんだよな…?
まさかこのままって事は…。

【レナ】
知らない。


即答ですよ。 あのひぐらし目で。

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 22:25:13.51 ID:XpX9A8km0

5―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

これを好機と、ついに奴は動き出した。
この村を雛見沢共和国として独立。 みおんwのみおんwによる魅音のための国づくり。
ヒトを排除し、すべてがみおんwになればもう誰も傷つかない。 疑い脅える必要はない。
惨劇は起こらない。 もう空気を読む必要すらない。 全てが平等。 一は全、全は一。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042221170004.jpg

そんなダメ人類補完計画の発動は阻止せねばならない。
俺たちは魅音の話を聞くふりをし、暗殺の機をうかがう。
奴の計画に賛同する人間などいやしない。 ふわふわぷにぷにしてるだけのみおんwを、いくら集めたところで戦力にはならない。
そう思っていた時期が俺にもありました。

一匹でアルェー? 二匹であれれー? 三匹そろえば牙をむく!
魅音が指を鳴らすと、雛見沢中のみおんwがそこに集結する。
その中心部に近い個体ほど、おしくらまんじゅうの要領で高い圧力を受け、瞬く間に分裂してゆく。
それらが更に分裂し続け、みおんwは加速度的にその数を増やす。

しまった、やつらは初めから戦う気など無かったのだ。
ただ、増える。 それだけで十分なのだ。 そうやって雛見沢を埋め尽くすつもりか。

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 22:25:34.11 ID:XpX9A8km0

6―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

雛見沢の危機に立ち上がったのは鷹野率いる山狗部隊だった。
増え続けるみおんwを、毒ガスにより、衝撃を与えず一斉駆除する事に成功。
かろうじて難を逃れたわずかなみおんwも捕らえられ、東京の生体実験場に送られる。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042221170005.jpg

しかし意外だったなぁ、鷹野(故)さんがそんな怪しい組織と繋がっていただなんて。

109 名前:1/2[] 投稿日:2009/09/04(金) 22:26:00.13 ID:XpX9A8km0

7―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

魅音が駆け出す。
いかん、見せしめとしてやつを腸流しにすることは決定済みなのだ。 逃げられては困る。
だが…らしくないぞ、部長。 もうお前には味方が居ないんだ。
そんな風に、何も考えずに逃げればすぐに追い詰められることくらい分かるはずだろう?

崖っぷちに立った魅音は、服の中に隠し持っていた最後のみおんwを抱えている。
振り向いた彼女の表情には諦めの色が宿る。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042221170006.jpg


【魅音】
あーあ…おっさんもヤキが回ったね…。

【K】
魅音…さあ、こっちへ来い。 今ならまだ戻ってこられるんだ。
お前は許されるんだよ…(嘘だけど)。

110 名前:2/2[] 投稿日:2009/09/04(金) 22:26:12.81 ID:XpX9A8km0

【魅音】
ずるいなぁ…。
そんな風に言われたらもう諦めるしかないよ…。


それっぽいこと言ってみただけなのに何感動してんだこいつ。
俺は待機させた狙撃班に合図を送る。


【魅音】
でも…ごめんね、おじさん…空気読めないからさ…。


銃声。 それは、魅音の持つ銃から発せられたものだ。
エアガンじゃないのかよそれ空気読めよ。
本来ならば俺の前でゴミ蟲のように這いつくばっている筈の魅音と、哀れな標的に十字を切る狙撃手の立場が逆転している。

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 22:26:40.49 ID:XpX9A8km0

8―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【魅音】
くけけ…おじさんはまだこの世界を諦めないよ。 最後の瞬間まで足掻いてみせる。
私は園崎魅音、繰り返すこの惨劇に終焉をもたらす者。
梨花ちゃん、復唱要求! この昭和58年の雛見沢は繰り返しているッ!!

【梨花】
チッ…気付いたか……復唱を拒否する、理由を答える必要は無い。
どうせ次の世界では忘れちまうですよ。


再びその目に強い意志を宿らせた魅音と、苦虫を噛み潰したような顔の梨花ちゃん。
そして魅音は、みおんwを空高く放り、
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042221170007.jpg

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 22:26:59.97 ID:XpX9A8km0

9―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

撃ち抜いた。
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042221170008.jpg

空中で大分裂したみおんwは四散し、雛見沢中に飛び散る。
落下の衝撃で更に数を増し、再びこの村を侵食し始めた。

それらに気を取られているうちに、魅音は消えていた。

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 22:27:19.07 ID:XpX9A8km0

10―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

もう鷹野はいない。 再びみおんwを駆除しきることは不可能だ。
村の幹部連中は近づく終末に絶望し、混乱する。
そして、オヤシロ様の化身である古手梨花、オヤシロ様の使いの大石蔵人の両名を生贄に捧げる事でみおんwの鎮静を試みる。
オヤシロ様が、みおんwに屈服したのだ。
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114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 22:27:52.54 ID:XpX9A8km0

11―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

この村の結束はオヤシロ様信仰を地盤としたもので、それが失われれば嘘のように容易く崩壊する。
村ごとみおんwを封じる為のダム計画再始動に異論を唱える者はなかった。

http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042221170010.jpg
当日はテレビの取材も来てみんなお祭り気分だった。
気がかりなのは魅音…結局、彼女は見つからなかった。
まあ抜け目無いあいつのことだ、きっと空気読まずに生き延びているに違いない。
雛見沢を離れ…どこかの秘境でまたみおんwの国を造っている違いない…いいよね、そういうことにしても。

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 22:28:12.24 ID:XpX9A8km0

12―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042221170011.jpg
短い間だったが俺たちは決して切れることの無い絆を持った仲間だ。
その思いを胸に秘め、みんなと別れ新天地を目指す。
梨花ちゃん以外にさよならは言わないぜ、きっとまた会えるはずだから。

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 22:28:43.42 ID:XpX9A8km0

13―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

俺は、木々の隙間からまだ僅かに姿を覗かせるダムに別れを告げる。
さようなら、雛見沢――
http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/200909042221170012.jpg


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
昭和58年 だれもこの世界を救えない――
                      ひぐらしの絞り汁 ―澪w尽し編― END

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/04(金) 22:30:01.09 ID:XpX9A8km0

出題編終了
そのうち回答編やるかもしれません



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