キョン「今日をもって、SOS団をやめる」


メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:古泉「朝比奈さんの肛門、綺麗ですね」

ツイート

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 21:23:17.75 ID:C86k58Oi0

長門「………」ペラッ

キョン「長門……何読んでるんだ?」

長門「……これ。朝倉涼子から借りた」

キョン「あぁ、やっぱりか……」

古泉「おや、やっぱりと言いますと?」

キョン「いやな、これって今流行りの携帯小説ってやつだろ?クラスの女子が口
々にこの本の名前を出すんだよ」

古泉「あぁ、そういえば僕のクラスでもよく聞きますね。朝比奈さんなんかはこ
ういった事には詳しいのでは?」


2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 21:27:57.81 ID:C86k58Oi0

みくる「はい、実は私もこの本読んでる途中なんですぅ。この本、いま女の子逹
の間ですっごく流行ってるんですよぉ〜」

キョン「まぁ、いかにも女子受けしそうな内容だよな。ハルヒはこういうの読む
のか?」

ハルヒ「はぁ?そんな子供騙しみたいな本読むわけないでしょ!馬鹿馬鹿しい」

みくる「ふぇ〜」

ハルヒ「だいたい、有り得ないのよ。ドラッグとかレイプとかは普通だし…しか
も何で決まって彼氏が死ぬのよ!?」

キョン「ほぅ、詳しいんだな?」

ハルヒ「な…別に…偶然テレビで見ただけよ!とにかく、書いてる奴はきっとろ
くに恋愛もしたことないんじゃない!?」

キョン「ろくに恋愛って、お前が言うなよ」

ハルヒ「残念ね、私はこう見えても色々な恋愛をしてきてるのよ!」

キョン「好きでもない奴と付き合いまくって、あげくつまらないからって振っち
ゃうような奴が恋愛を語るなよ…」


3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 21:31:45.14 ID:C86k58Oi0

ハルヒ「な、なによ!あんたなんか未だに彼女もできたことないくせに!」

キョン「なっ…それは今関係ないだろ!」

ハルヒ「ありよ!大ありよ!だいたい、我がSOS団に恋愛もしたことがない奴がいるなんてとんだ面汚しだわ!」

キョン「待てよ、じゃあ俺以外は全員過去に経験済みってことか?」

古み長「………」

ハルヒ「当たり前でしょ!みんな、言ってやりなさい!」

古泉「ええ…確かに過去に2度程……」

みくる「わ、わたしも……あります……」

長門「……」

キョン「くっ…まあ二人に関しては美男美女だからわかるさ。だが長門、お前はどうなんだ!?」

長門「……ある」

キョン「え」


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 21:36:13.53 ID:C86k58Oi0

ハルヒ「ほ、ほら見なさい!恋愛したことないのなんてアンタだけなのよ!(有希……付き合ったことあるんだ…)」

キョン「……」

ハルヒ「今まで我慢してやってたけど、本来ならそんな奴は即刻クビよ!」

キョン「……大分意味がわからんが、本気で言ってるのか?」

ハルヒ「大マジよ!で…でもまぁ、あんたが土下座すらなら団長である私の慈悲に免じてこのままいさせてあげてもいいわ!」

古泉「凉宮さん、それは少し言い過ぎなのでは…」

キョン「いや、いいんだ古泉」

長門「……」

キョン「ハルヒ、今まで我慢させて済まなかったな」ガタッ

ハルヒ「あら、土下座する気になったのかしら?」

キョン「いや、その必要はない」

ハルヒ「どういう意味よ」

キョン「俺は今日をもってSOS団をやめる」

古長み「!?」



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 21:41:22.19 ID:C86k58Oi0

ハルヒ「な……ちょっと……(え…そんなつもりじゃ…)」

キョン「確かにこんな美形揃いの中に俺なんかがいたら、面汚しと思われても仕方ないな。すまなかった」

ハルヒ「うぅ……キョン…あの…(違うの…キョン!)」

キョン「退部届けは明日持っていくよ。それじゃあ短い間だったけど、世話になったな」

みくる「キ、キョンくぅん…」

古泉「凉宮さん、このまま彼を行かせてしまって本当によろしいのですか?」

ハルヒ「か、勝手にしなさいよバカキョン!!」

キョン「はは、最後までそれか。まあ、お前らしいんだが。じゃあな……みんな…」ガラッ


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 21:45:09.00 ID:C86k58Oi0

ハルヒ「なによ……バカキョン…」ショボーン

古泉(おやおや、落ち込みすぎて閉鎖空間も出ないとは……)

みくる(キョン君が辞めちゃったのはショックだけど……これって逆にキョン君に
アタックするチャンスかな……えへへ//)

長門「……これは逆にチャンス」ボソ

みくる「は?」



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 21:50:06.60 ID:C86k58Oi0

キョン「さて、その場の勢いで辞めてしまった訳だが……正直つらいな」

朝倉「あら、キョン君じゃない。そんな浮かない顔してどうかしたの?」

キョン「ああ、朝倉か。まあ話すのも恥ずかしいんだが………」






朝倉「ふぅん、そんなことがあったのね」

キョン「笑ってくれよ。未だに恋愛未経験の哀れな男の話さ」

朝倉「退部したのはおかしいと思うけど、別に恋愛未経験がおかしいとは思わないわよ」

キョン「いいんだ、慰められても辛いだけだ。どうせ俺なんて…」

朝倉「ちょっと、そんなに卑屈にならないでよ。だいたい、私だって恋愛なんて未経験だし」

キョン「え?」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 21:55:41.48 ID:h+8ewWzXO

朝倉「だから、私も恋人なんて出来たことないわよ?」

キョン「そ、そうだったのか。なんとなく朝倉は経験があるのかと」

朝倉「なんとなくってなによ」

キョン「いや、すまん」

朝倉「まあいいわ。それに、恋愛なんて興味ないし」

キョン「そうなのか?なんかもったいないな」

朝倉「もったいない?」



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:02:25.90 ID:h+8ewWzXO

キョン「いや、正直朝倉は美人で性格もいいし、俺なんかと違って彼氏には困らなそうなのにな」

朝倉「な、変な冗談はやめてよ(そんなことサラッと言われたら照れるじゃない…///)」

キョン「冗談?本心を述べたまでだが…」

朝倉「も、もういいわ///とにかく、男の子なんだからそんなことでくよくよしないの!」

キョン「…そうだな。なんか元気出てきたよ」

朝倉「そう、なら良かったわ」

キョン「ああ。もし彼女が出来るなら…朝倉みたいな子だったら幸せだろうな」

朝倉「…キョンくん///」


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:10:08.53 ID:h+8ewWzXO

キョン「ん…朝倉、やけに顔が赤いが風邪でもひいてるのか?ちょっとスマン」ポフ

朝倉(キ、キョン君の手がおでこに……///)ドキドキ

キョン「うむ、熱は無いみたいだが万が一の心配もあるしな。今から帰りなら家まで送ろうか?」

朝倉「!?だ、だだだ大丈夫です!ピンピンです!(な、何焦ってんのよ私…!)」

キョン「そ、そうか…ならいいが…(なぜ敬語?)」

朝倉「はい!」

キョン「…なんにせよ、無理はするなよ?じゃあ、俺は帰ることにするか」

朝倉「う、うん!また明日ね!」

キョン「おぅ、また明日」スタスタ



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:17:16.04 ID:h+8ewWzXO

朝倉(はぁ…何でこんなにドキドキしてるんだろ…確かに彼にはちょっと興味あったけど…これってまさか………)

キョン「あぁ、朝倉!!」

朝倉「!!?」ビクッ

キョン「良い忘れてたが、さっきは本当にありがとな!お前と話せて良かった。もし何かあった時は相談のるからな!」

朝倉「う…うん…」ドキドキ

キョン「それじゃあ、今度こそ帰る。じゃあな」ニコッ




朝倉(あぁ…この気持ち…きっと間違いない…これが…恋…)ブッパー


(30分後)

長門「……朝倉涼子、何故鼻血を出しながら倒れているの」

朝倉「…キョン……きゅん…ゲヘヘ…」ピクピク

長門「……ユニーク」


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:24:33.06 ID:h+8ewWzXO

キョン「おっといかんいかん、携帯を教室に忘れてきたな…面倒だが取りに行くか」タッタッタ


ドン!!!!

キョン「痛てて……すいません、急いでたもんで気付きませんでした……って、鶴屋さん?」

鶴屋「おや、キョン君かい?あはは、いきなり飛び出してくるから驚いたっさ!」

キョン「す、すいません、お怪我はないですか?」

鶴屋「これくらいなんともないっさ!ほらこのとおり……!?」ズキッ

キョン「足……」

鶴屋「あは、ちょっと挫いちゃったかな?でもこの位平気……」

キョン「駄目です!ちゃんと手当てしないと!」


31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:30:47.20 ID:h+8ewWzXO

鶴屋「あはは、キョン君は少し大げさにょろ!」

キョン「大げさなんかじゃありませんよ。俺のせいで…すいません」

鶴屋「気にしすぎだよキョン君!別に大丈夫っさ!」
キョン「いえ、とにかく保健室に行きましょう。そこまで歩け……そうにないですね。じゃあ…」スッ

鶴屋「キョン君?急にしゃがんでどうしたんだい?」

キョン「その足じゃ階段とかキツいでしょうから、俺の背中に乗ってください」

鶴屋「お、おんぶしてくれるってことかい!?」



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:37:44.60 ID:h+8ewWzXO

キョン「ええ、俺なんかので申し訳ないですが」

鶴屋「そ、そんな…悪いっさ!」

キョン「何言ってるんですか。俺のせいで何かあったら大変ですから。さあ、乗ってください」

鶴屋「でも…(うぅ…恥ずかしいっさ…)」

キョン「悪いですけど、俺は無理矢理にでも連れて行く気ですよ」

鶴屋「わかったにょろ……///」ヨジヨジ


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:45:36.52 ID:h+8ewWzXO

キョン「さ、行きますよ。しっかり掴まってて下さいね」

鶴屋「……///」コクッ






鶴屋「ご、ごめんねキョン君…私、重いよね…」

キョン「え?」

鶴屋「ほら、私結構筋肉あるから…」

キョン「はは、こんなんで重いなんていったら罰が当たりますよ。前にハルヒをおぶった時に比べれば、全然軽いです」ニコ

鶴屋「そっか…ありがと(うぅ…この近さでその笑顔は反則っさ///)」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:55:41.43 ID:h+8ewWzXO

鶴屋(それにしてもキョン君の背中…大きくて…暖かくて…気持ちいな…)ウトウト


キョン「さ、保健室に着きましたよ……ってあれ?」
鶴屋「…Zzz……Zzz……」

キョン「なんか静かだと思ったら寝てたのか…」

鶴屋「…んぅ…ムニャムニャ…スモークチーズ…」

キョン「それにしても可愛い寝顔だな。起こすのも躊躇ってしまうが………」

鶴屋「…みくるぅ…それはスモークチーズじゃなくて…ちん…」Zzz

キョン「はぁ、仕方ない。元はと言えば俺のせいだし、取り敢えずベッドに寝かせて……おっと、足だけは冷やしとくか」



48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 23:04:49.09 ID:h+8ewWzXO





鶴屋「…ん…あれ…ここは…ってキョン君!?」

キョン「あ、起きましたか?」

鶴屋「まさか…私寝ちゃってた!?」

キョン「ええ、とても気持ち良さそうに寝てたので起こすのも悪いかなと」

鶴屋「そんな、起こしてくれて良かったのに。迷惑かけちゃったね…(あぁ、キョン君に寝顔見られちゃった…恥ずかしいにょろ…//)

キョン「迷惑なんて。むしろ、鶴屋さんを独り占めできて幸せでしたよ」ニコッ

鶴屋「キョン君……と、年上をからかうもんじゃないっさ///」ドキドキ

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 23:30:20.31 ID:h+8ewWzXO

キョン「はは、すいません。さて、一応手当てもしといたんで、帰りましょうか」

鶴屋(あ、本当だ。手当てしてある……)

キョン「じゃあ、このまま家まで送りますよ」

鶴屋「そ、それはマズイっさ!そこまでされたら鶴屋さん本気になっちゃうっさ!」

キョン「本気?何にです?」
鶴屋「な、なんでもないっさ!帰りは迎えの車を用意してもらうから大丈夫っさ!(あぶない…キョン君が鈍感で良かった…)」

キョン「そうですか?じゃあせめて、迎えが来るまでご一緒しますよ」キ

鶴屋「あ…ありがとにょろ///」


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 23:37:27.53 ID:h+8ewWzXO

(車中)

運転手「おや、何か良いことでもおありでしたか?」

鶴屋「え…なんでだい?」

運転手「いえ、とても幸せそうなお顔をしていらしたので。」

鶴屋「ほ、本当に!?」

運転手「ええ、まるで恋する乙女のような…素敵なお顔でしたよ」ニコ

鶴屋「うぅ…恥ずかしいっさ…」

鶴屋(私やっぱり…キョン君のこと…///)




59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 23:43:38.67 ID:h+8ewWzXO

キョン「さて、結局携帯を忘れたわけだが…」


(帰路)

キョン「すっかり遅くなっちまったな、こりゃまた妹に問い詰められそうだ」

森「これは、キョンさんお久し振りです」

キョン「森さん?どうも、お久し振りです。こんなところで会うなんて、珍しいこともあるもんですね」

森「ええ、実は先程この辺りでごく小規模の閉鎖空間が発生しまして」

キョン「……すいません、確実に俺のせいです…」



61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 23:50:23.29 ID:h+8ewWzXO

森「その件に関しては古泉から聞きました。ですが、そう気に病まないでください」

キョン「いえ、理由が理由なだけに…なんとお詫びしていいものか…」

森「ふふ、確かに今回は少し驚きましたが、これが私達の任務ですから」

キョン「でも…こう頻繁に発生してたら森さん達のプライベートなんてあったもんじゃないでしょう?」

森「プライベートですか…」

キョン「はい。それこそ…彼氏さんにも迷惑をかけてしまっているんじゃないかと…」

森「彼氏?誰のです?」

キョン「え、いや、森さんの……」



64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 23:56:38.09 ID:h+8ewWzXO

森「その心配には及びません。私にはそのような存在はおりませんので」

キョン「あ……」

森「というより、その点に関してはキョンさんと同じです」

キョン「え?」

森「私も生まれてこのかた、恋人ができたことはありませんので」

キョン「そうなんですか…なんかすいません」

森「いえ、出来ればアドバイスの一つや二つして差し上げあげたいのですが…この件に関しては古泉の方がお役に立てるかと」

キョン「古泉ですか…そう言えばあいつ、過去に二回付き合ったことがあるとか言ってたな」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 00:03:01.57 ID:wlUHO1gaO

森「ええ、古泉は顔立ちがいいですから、よく女子の方から言い寄られていたみたいですね」

キョン(畜生、想像したら腹が立ってきたな…)

キョン「ですが、そんなこと言ったら森さんだって相当言い寄られたのでは?」

森「私…がですか?」

キョン「だって森さんもかなりの美人ですし、男共が放っておくとは思えないんですが…」

森「はい……確かにある意味では…」

キョン「ある意味?」



70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 00:09:59.65 ID:wlUHO1gaO

森「あれは…私が高校に入学して間もない頃…」

森「勉学…部活…そして恋愛と、これから始まる生活に淡い期待を寄せていた最中のことでした」

キョン「はぁ……」

森「高校生活にもなれはじめたある日、下駄箱をあけると一枚の手紙が入っていたのです」

キョン(ラブレターってか)

森「何かと思い読んでみると『放課後、屋上にて待つ』と書かれていました」

キョン(まあ、王道だな)


71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 00:15:39.89 ID:wlUHO1gaO

森「期待に胸を寄せて屋上に行ってみると…そこに居たのは柔道部主将、谷君でした…」

キョン「え、強そう」

森「何故か柔道着を身に纏った彼からは、ただならぬオーラを感じ取ったのを覚えています」

森「しかし、彼の真剣な眼差しを見て気付いたのです。ここから生きて還れるのは彼か私、どちらか片方なのだと…」

キョン「あれ、何か壮絶な勘違いしてませんか?多分谷くんは告白……」

森「いえ、こう見えても幼少の頃から武道をたしなんでいる身ですので、わかります。あの血走った目…あれは間違いなく…獲物を見る獣の目でした」

キョン(おい…谷くん緊張しすぎだろ…)



77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 00:24:59.75 ID:wlUHO1gaO

森「どちらかが動いた瞬間、その一瞬で勝負が決まるのは明白でした」

キョン「」

森「緊迫した空気の中、先に動いたのは彼でした。しかし、『突き当て!』という…恐らく技名を口走ったかと思うと、何故か恥じるように俯き始めたのです」

キョン(…わかるよ谷くん、『付き合って』と言おうとして噛んだんだね…)

キョン「それで、そのあと谷くんは…?」

森「ご安心下さい、完膚なきまでに叩きのめしましから!」キリッ

キョン「…おぅふ」

森「それからというもの、果たし状を貰ってはなぎ倒し、貰ってはなぎ倒しの繰り返しで…いつしかついた私のアダ名は『グラップラー森』」

キョン(ぐ、グニャ〜)



81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 00:30:41.26 ID:wlUHO1gaO

森「あ!すいません…私事を長々と…ついうっかりと」

キョン「いえいえ、その位のうっかりなら、谷くんの時に比べれば対したことないですよ、ハハっ!」

森「えっ」

キョン「えっ」


84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 00:37:48.08 ID:wlUHO1gaO

森「……とにかく、そんなこんなで私は色恋沙汰とは一切無縁なのです。それに…」

キョン「それに?」

森「キョンさんも、こんな格闘女は嫌でしょう?ふふ…」

キョン「どうですかね…いや、実を言うと少し古泉を羨ましく思ったことがあるんですよ」

森「古泉を?」

キョン「ええ。前に閉鎖空間が発生した時、古泉が怪我を負って3日程入院したことがあったでしょう?」

森「そんなこともありましたね…」



86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 00:45:00.42 ID:wlUHO1gaO

キョン「団員みんなで見舞いに行くと、森さんはいつも古泉の傍についていて看病してくれてました」

森「あれは…私がもっとしっかりしていれば起きなかったことですから…私が至らないばかりに…」

キョン「古泉にもそう言ったそうですね。でも、それは違いますよ。勿論、古泉もキッパリ否定してました」

森「古泉が…そうですか…」

キョン「それで、そんな森さんを見ていて思ったんですよ。俺に姉がいたら…こんな感じなのかなって。なんか、いいなって」

森「キョンさん…」

キョン「俺にはちょっと甘えん坊の妹がいて…まあなかなか可愛いんですがね。でもそのせいか…ほら、兄としての自覚っていうんですかね?俺自身が甘えるってことをいつしか忘れてたんですよ」

森「………」



88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 00:54:16.05 ID:wlUHO1gaO

キョン「だから、古泉のことを看病してる森さんの優しい顔を見てたら、何かあいつが羨ましいなぁなんて」

森「そんなこと…」

キョン「とはいえ、もとはやっぱり俺とハルヒのせいで起きたことですから、こんなこと思う自体失礼なことですね、すいません」

森「ですから、自分を責めないで下さい。それに、古泉が入院している間、閉鎖空間が起きなかったのはキョンさんのおかげです」

キョン「はは、せめて古泉が入院してる間くらいは皆さんを楽させてあげたいですから」

森「あの時は、本当に有り難う御座いました」

キョン「いえいえ。…それよりさっき、閉鎖空間を処理するのが仕事って言いましたよね?」

森「?……ええ」



91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 01:01:41.87 ID:wlUHO1gaO

キョン「俺も皆さんの苦労を減らせるよう微力ながら頑張るんで、これからもよろしくお願いします」ニコッ

森「……!」

キョン「森さん?」

森「…い、いえ…そうですね!」

キョン「ええ、きっと大丈夫ですよ。…おっと、そろそろ時間ヤバイんで帰りますね」

森「はい、それではお気をつけて…」

キョン「森さんもお気をつけて」スタスタ





93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 01:07:26.12 ID:wlUHO1gaO




森「……あのっ!」

キョン「…はい?」

森「いいですよ……あの、私を姉だと思って甘えていただいても……あっ、勿論キョンさんが……良ければですが…」

キョン「………」

森(あぁ、私は一体何を言ってるんだ……///)

森「その、今のは…」

キョン「あー、その……おやすみなさい……姉さん」ニコッ

森「はゎ…お…おやすみなさい……キョンくん…」



103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 01:16:06.98 ID:wlUHO1gaO




森(姉さん……姉さん……姉さん…)ポワーン

Prrrr  Prrrr

森「はい」

古泉『森さん…やっと出てくれましたね。』

森「神人?」

古泉『ええ、この短い時間でまたです。先程の闘いの疲れもあるでしょうが…』
森「問題ないわ」

古泉『え?』

森「約束したもの…一緒に頑張るって」

古泉『あの、よく話が…』
森「覚悟しなさい神人、グラップラー森の名は伊達じゃないわよ!」

古泉『ぐ、グニャ〜』

森(キョンさん…私、頑張ります……貴方の為に…)

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 01:30:15.41 ID:wlUHO1gaO

(翌朝)

キョン妹「キョンく〜ん!朝だよぉ〜!」ギュッ

キョン「…ん、あぁ……おはよう」

キョン妹「あれぇ?今日は『飛び付くな!』とか言わないの?」

キョン「ん?まぁ、ちょっとな…」

キョン「………」

キョン妹「キョンくん、具合悪いの?大丈夫?」

キョン「……お前は優しいな」ナデナデ

キョン妹「えへへ〜、だってキョンくん大好きだもん!」

キョン「……あぁ、俺もだぞ……(俺も兄として、しっかりしないとな…)」ナデナデ

キョン妹「///」

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 01:36:30.99 ID:wlUHO1gaO


(学校)

キョン(さて、教室に着いたはいいが…なんとも気まずいな)

谷口「おうキョン!お前SOS団辞めたらしいな!」

キョン「お前、どっからわいて出た」

谷口「見ろよ、あの団長さんの顔。お前、後ろから刺されるんじゃね?」

キョン「やめろ、それは考えないようにしてたんだ」
谷口「……この度はご愁傷さまです……」

キョン「おいやめろ」



112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 01:42:55.57 ID:wlUHO1gaO

国木田「それにしても、本当に辞めちゃってよかったの?」


キョン「…まあ、ハルヒからしても俺みたいなのがいたら迷惑だろうよ」

国木田「キョン…それ本気で思ってるの?」

キョン「あぁ、違いないさ」

国木田「そっか…。ならいいんだ、まあキョンが決めたことだからね。あ、もう授業始まっちゃうや」

キョン「なんだよ国木田の奴…なんか言いたげだったな…」



116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 01:48:16.07 ID:wlUHO1gaO

キョン(さて……)

キョン「よ、ようハルヒ!」

ハルヒ「………」

キョン(…ですよねー)

ハルヒ「……けは?」

キョン「え?」

ハルヒ「退部届けはってきいてんのよ」

キョン「は…!スマン…昨日は帰ってからスグ寝ちまって…その…」

ハルヒ「……ふん、どうせそんなこったろうと思ったわよ」

キョン「……あぁ……」

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 01:56:13.48 ID:wlUHO1gaO


キョン「…すまん」

ハルヒ「………」

キョン(うわぁ、キレてる、すっごいキレてる…)




ハルヒ(よ、良かった!キョンがアホで!まだキョンはSOS団を辞めてない…セーフよセーフ!そうよねキョン!?)

キョン(!…あれ、なんだこの背後に感じる強烈な視線…いや殺気!?)ブルブル

ハルヒ(落ち着きなさいハルヒ、ここからが勝負よ!まずは、昼休みにキョンを呼び出して謝るの!昨日の夜あんな予行演習したんだから、きっと大丈夫!いい?素直になるのよハルヒ!)

ハルヒ「…そうよ…団員の不始末は…私がやらなきゃね…ふふ…ふふふ」ブツブツ

キョン(…OK、ちょっと家族にお別れメール打っとこう…)ブルブル



120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 02:04:46.35 ID:wlUHO1gaO


(昼休み)

キョン(何とか生きてるみたいだが…取り敢えず非難がてら飯に)

ハルヒ「ちょっと…キョン」

キョン「!?えっと……どちらのキョンさんで?」

ハルヒ「はぁ?何言ってんの?アンタ以外に……だれがいんのよ?」ゴゴ

キョン「な、なんだ…?」

ハルヒ「アンタに用があるから…ちょっと体育館裏の焼却炉にきなさいよ…」ゴゴゴ

キョン「えぇ!?何でそんな如何にもな場所に…此処じゃ駄目なのか?用ってなんだ!?」

ハルヒ「此処じゃできないわ…人に見られちゃマズイもの…。ねぇ、わからない?」ゴゴゴゴ

キョン(す、全てはGod knows……)ブルブル



125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 02:11:17.60 ID:wlUHO1gaO


タッタッタッ

朝倉「キョンくん!今日日直でしょ?頼まれてたプリントを…」

キョン「あ、朝倉!(助かった!)」

朝倉「え、どうしたの?」

キョン「そうだった、今日は朝倉と一緒にご飯を食べる予定だったんだよな!」

朝倉「え?え!?」

ハルヒ「………」

キョン「という訳でスマンなハルヒ、その件はまたの機会に!さ、行こうぜ朝倉!」ギュ

朝倉(嘘…私…キョンくんに手握られてる…///)スタスタ

ハルヒ「うぅ……バカ…バカ……バカキョン…」グス



129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 02:17:28.07 ID:wlUHO1gaO





キョン「……さて、ここまでくれば安心か」

朝倉「急にどうしちゃったの?少し驚いちゃったじゃない///」

キョン「いや、命の危機をだな…」

朝倉「え?」

キョン「…なんでもない。しかし、安心したら腹が減ってきたな」

朝倉「お弁当は?」

キョン「あ、購買……(でも下手に動いてハルヒにあったら……)」



133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 02:24:34.63 ID:wlUHO1gaO


キョン「……いや、今日は飯はいらん…」

朝倉「何か知らないけど、訳ありみたいね?」

キョン「…まさか、急に食欲がなくなっただけだ」

ぐぅ〜

キョン「!?」

朝倉「ふふ♪お腹のキョンくんは正直なのね!」

キョン「いや、これはだな…」

208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 18:05:04.58 ID:wlUHO1gaO

朝倉「今日は私と一緒にご飯食べるんでしょ?いいわ、私のお弁当わけてあげる!」

キョン「そんな、気を使わんでいいぞ?」

朝倉「いいの!私がしたくてしてるんだから!」

キョン「ん?どういうことだ?」

朝倉「あ…違うの…いや違わなくて……///」

キョン「朝倉、お前また熱でも…」



209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 18:08:05.67 ID:wlUHO1gaO

朝倉「い、いいから!スグお弁当持ってくるから待っててね!」クルッ

キョン「あ、朝倉そっちは…」

朝倉「え?……ゴフぅ!」バン

キョン「壁……なんだが」

朝倉「………」

キョン「………」

朝倉「……わざとよ」

キョン「…あぁ…知ってるさ…」

朝倉「…………///」タッタッタッ

キョン「なんか忙しい奴だな……」

211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 18:12:02.60 ID:wlUHO1gaO

キョン「しかし、昨日といい今日といい、朝倉には助けてもらってばっかりだな。今度何かお礼でも…」

鶴屋「お礼ならスモークチーズでいいっさ!」

キョン「そうですね、じゃあ今度スモークチーズでも……スモークチーズ?」

鶴屋「にょろ〜ん」

キョン「つ、鶴屋さん!?」

鶴屋「いや〜、教室に行ってもいないから探したっさ!」

キョン「探したって、俺をですか?」

鶴屋「そうだよ!その……昨日迷惑かけちゃったから…」



212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 18:15:25.96 ID:wlUHO1gaO

キョン「いや、あれは俺が悪いんですから」

鶴屋「それは違うっさ!だからその……お礼にお弁当を作ってきたんだけど…」

キョン「本当ですか?いやぁ、実はもう腹が減って困ってたんですよ」

鶴屋「そうにょろ!?それは良かった、じゃあ……食べてくれる……?」

キョン「えぇ、そりゃモチロン………あ」

朝倉「……………」

キョン(わ す れ て た)


215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 18:19:18.26 ID:wlUHO1gaO

朝倉「……良かったじゃない、解決したみたいで…」

鶴屋「???」

朝倉「それじゃあ私はもう行くから……どうぞごゆっくり!」スタスタ

キョン「待ってくれ朝倉!…すいません鶴屋さん、少しだけ待っててもらえませんか?」

鶴屋「え?あ、わかったにょろ!」

キョン「…本当にすいません!」タッタッタッ

鶴屋(…やれやれ、何となく事情はわかったっさ。キョンくんの女泣かせには困ったものにょろ…)



218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 18:22:47.72 ID:wlUHO1gaO

キョン「待ってくれ朝倉!」

朝倉「……何よ」ポロッ

キョン(泣いてる!?……当たり前か、俺は朝倉の優しさを…裏切ったようなもんだからな…)
朝倉「………」グス

キョン(俺は本当に情けない奴だな…これじゃあ、ハルヒに何言われても仕方ないじゃないか…)

朝倉「……用がないなら呼び止めないでくれる?」

キョン(……変わらなきゃな…俺が)

朝倉「…もう、行くね…」

キョン「食べさせてくれないか、朝倉の弁当」

朝倉「何よ…だって、もうその必要はないじゃない」
キョン「いや、食べたいんだよ朝倉の弁当が」


219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 18:26:17.01 ID:wlUHO1gaO

朝倉「何よそれ……頭おかしいんじゃない?」

キョン「だろ?おかしいよな、俺もそう思う。結局これは、俺のワガママなんだ」

朝倉「……まるで子供みたいね」

キョン「…それにしては可愛げはないがな」

朝倉「!!…そうねぇ、どうしても食べたい?」

キョン「あぁ」

朝倉「じゃあ『僕、涼子ちゃんのお弁当たべたい!』って言って!あ、ちゃんと子供らしく、可愛くね!」

キョン「なんだそれ……絶対か?」

朝倉「絶対よ!あ、ムービーとるからちょっと待って!」

キョン(…どうしてこうなった)


221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 18:30:06.17 ID:wlUHO1gaO

朝倉「はい準備OKよ!」

キョン「……僕…涼子…ちゃんのお弁当…食べたい…」


朝倉「……もう一回///」キュン

キョン「……涼子ちゃんのお弁当が食べたい!」

朝倉「おぅふ…///」

キョン「その…もういいか?恥ずかしくて死にそうなんだ」

朝倉「そ、そうね……じゃあ許してあげる」

キョン「そうか、ありがとう。じゃあ、鶴屋さんに断りを入れてくる」



222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 18:34:12.85 ID:wlUHO1gaO

朝倉「別に、断ることないんじゃない?」

キョン「しかし、それじゃあ…」

朝倉「言っとくけど、私も食べるのよ?こんな小さいお弁当を二人で分けても、男の子には足りないでしょ?」

キョン「う、それはまぁ…」


朝倉「じゃあ早く戻って食べましょ!それと、彼女にもちゃんと謝るのよ?」

キョン「朝倉……本当に優しいんだな」

朝倉「仕方ないでしょ……キョンくんに言われちゃったら…///」

キョン「ん?」

朝倉「あああ!ほら、行くわよ!」ギュ

キョン「おい、わかったから手を引っ張るなって!」

朝倉(さっき急に手をつながれたお返しよ…///)


223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 18:38:07.58 ID:wlUHO1gaO

キョン「すいません鶴屋さん、お待たせしてしまって」

鶴屋「ん?全然構わないっさ!そちらのお嬢さんも一緒に食べるんだね?」チラ

朝倉「え、あぁ…もし良ければ」

鶴屋「勿論っさ!人数多い方がご飯はおいしいっさ!」


鶴屋(ふふ、これで良いかいキョンくん?…まぁ、少し残念だけど……私も負けないよっ!)


朝倉(この人……多分全部わかってるのね……私が彼を好きなことも…。そして、恐らく彼女もキョンくんが……)



キョン(助かった……のか?)

225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 18:47:20.34 ID:wGUnT9fv0

どうも、調子乗ってさるくらった>>1です

鶴屋「さて、それじゃ早速食べるっさ!」カパ

朝倉「そうね、食べましょ!」カパ

キョン「おぉ、どっちも凄い本格的だな!じゃあ、いただきます」パクパク

キョン(!?)モグモグ

キョン「う、うまい…こんな旨いもの食ったことないぞ!とても高校生が作った
とは思えん!」モグモグ

朝倉「うふ、嬉しいわ///」

鶴屋「て、照れるにょろ///」


キョン「いや旨い旨い、二人とも凄いな、良いお嫁さんになるよ」

朝倉(言えない、実は情報操作しましたなんて言えない…)

鶴屋(言えない、実は専属シェフが作りましたなんて言えない……でも)

朝・鶴(もう手段を選んでられない!)



226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 18:53:21.88 ID:wGUnT9fv0

鶴屋「そうだキョンくん、ちょっとこっちを向いてくれるかいっ?」

キョン「ん、何です?」

鶴屋「はい…あ〜ん///」

朝倉(!?)

キョン「いや、鶴屋さんそれは流石に…」

鶴屋「……私じゃ……嫌かい……?」ウル

キョン「!?…いや、そんな訳ないじゃないですか!」


鶴屋「本当かい?じゃあ、あ〜ん♪」

キョン「……あ〜ん///」モグモグ

朝倉「キョ、キョンくん私も………っあ!」

朝倉(しまった、もうお弁当が残ってない…)

鶴屋「おや、どうかしたのかい朝倉さん?」ニヤリ

朝倉「いえ、なんでも…ふふっ…(いま笑った!?まさか、このタイミングを狙っ
て……してやられたわ!)」



232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 18:58:12.04 ID:wGUnT9fv0


キーンコーン カーンコーン♪


キョン「丁度食べ終わった所で呼鈴か。二人とも有難う、マジで旨かった」

鶴屋「そんな、昨日……寝ないで傍にいてくれたお礼さ///」

朝倉「え?」

キョン「いや、違うぞ朝倉。鶴屋さんも誤解を招くような言い方は…」

鶴屋「本当のことを言ったまでっさ!じゃあ、授業始まっちゃうからもう行くね
っ♪」タッタッタッ

キョン「いっちまったか……さてと、じゃあ俺達も行くか朝倉…」

シーン…

キョン「いない…。やれやれ、また一人になっちまったな…」

キョン「………」




234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 19:02:00.86 ID:wGUnT9fv0

キョン「良く考えたら、今日から帰宅部に逆戻りか……家に直帰するなんて久し振りだな」

長門「学校が終わったら、一緒に私の家にきてほしい」

キョン「おいおい、またハルヒが何か……って長門!?いつからいたんだ!?」

長門「朝倉涼子が壁に体当たりしたのは確認した。あの行動は不可解」

キョン「だいぶ前からいたんだな。ちなみに、俺もわからんから気にするな」

長門「とにかく、今夜は私の家へ。凉宮ハルヒは現在非常に不安定な状態にある。早急な処置が必要」

キョン「一緒にって、お前らは団活があるだろう」

長門「その心配はない。先程、凉宮ハルヒから今日の団活中止を伝えるメールがきた」

キョン「…用件は了解したが……今となっちゃ俺はSOS団じゃないんだぜ……」

長門「そこが問題。とにかく来て……一緒に」

キョン「あぁ、わかった。じゃあまた放課後な」

長門「………」コク



236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 19:06:26.86 ID:wGUnT9fv0


(放課後)

キョン「さて、この後長門の家に行くんだったな……」

キョン(それにしても…ハルヒの奴あれから帰ってこなかったみたいだが)

みくる「あのぅ…キョンくん、ちょっといいですかぁ…?」

キョン「朝比奈さん…ええ、構いませんが」

みくる「あのぉ、そのぉ」

キョン「ハルヒ、ですね?」

みくる「はい、そのことでお話が……そのぉ…良ければ今から二人っきりで…」モジモジ

キョン「丁度良かった、今からその事で長門の家に行くんですよ。一緒にどうです?」

みくる「………ふぇ?」


238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 19:11:02.26 ID:wGUnT9fv0

キョン「…あれ、駄目でしたか?」

みくる「ふぇ、そんなことないですよぉ〜…是非…(うぅ、長門さんに先越されちゃいましたぁ〜)」

キョン「そうですか。じゃあ早速長門と合流しましょう」

みくる「……はい」


キョン「というわけで、朝比奈さんも一緒に来てくれることになった」

長門「……そう」

みくる「お邪魔しますぅ」

キョン「さて、行くか」

長門「……貴女は呼んでいない」ボソ

みくる「うふふ、用件は同じみたいですから」ボソ

長門(……彼のケアは私が)

みくる(キョンくんのケアは私がしなきゃ…)


242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 19:16:08.41 ID:wGUnT9fv0

(長門の家)

長門「今お茶を」

みくる「あ、お茶なら私が淹れますよぉ……慣れてますから」ニヤ

長門「あなた達は客人、ここは私が…」

キョン「あぁ、まあお茶は後にして取り敢えずハルヒの件を先にしないか」

長門「……貴方がそう言うなら」

キョン「とはいえ、聞くまでも無さそうだがな」

長門「凉宮ハルヒの精神を著しく乱している原因は明白、あなた」

キョン「だが、これだってどうせハルヒが望んだことなんじゃないか?」

長門「それは違うと思われる」

キョン「そうか?現にハルヒが言ってたことじゃないか。やっぱり、あいつは俺
が嫌なんだよ…」

みくる「キョンくん……本気でそう思ってるんですか…?」

キョン「…え?」



247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 19:20:38.61 ID:wGUnT9fv0

長門「あなたは……鈍感」

みくる「何で気付いてくれないんですか…凉宮さんだって…わ、私だって…」

長門「!?朝比奈みくる、それ以上の発言は…」

みくる「キョンくんのことが好」

ガチャン

朝倉「やっほー長門さん!カレー作ってきたわよ!」

キョン「うぉお!朝倉、驚かすなよ!」

朝倉「え!?何でキョンくんがいるの!?」

長門「あなたは優秀。流石私のバックアップ」

朝倉「???」

みくる(ふぇ〜私もう少しでとんでもないことを…)

キョン「で、なんで朝倉が?」

あさくら「おなじまんしょんにすんでるの」

きょん「へー」




250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 19:26:09.54 ID:wGUnT9fv0

朝倉「それより、何でキョンくんが居るのよ?」

キョン「実は、ハルヒのことで少しな」

長門「あなたは今すぐSOS団に戻るべき」

キョン「だから、恋愛もしたことないような面汚しはいらないって、ハッキリと言われたじゃないか」

朝倉「あれ?ちょっと待って、それじゃあ長門さんも駄目じゃない」

キョン「長門が?」

朝倉「そうよ。長門さんだって誰とも付き合ったことないじゃない」

長門「………」

キョン「そうなのか長門?」

長門「……そう」

252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 19:30:10.66 ID:wGUnT9fv0

キョン「おいおい、なんだってまたそんな嘘を……って、ハルヒの前だから使用
がないか」

長門「………違う……書いてあった」

キョン「?」

長門「…この本」

朝倉「あら、これ私が長門さんに貸した本ね」

長門「ここのページ。他の異性に気があるフリをして、相手の嫉妬を煽る」

朝倉(この子…そんなテクニックを…)

みくる(ふぇ〜それバラしちゃ駄目ですよぉ〜)


長門「それを実行した…貴方に」

キョン「……」

長門「………嫉妬……した?」

朝倉(う、上目遣い…)

みくる(ふぇ〜長門さんそれはズルイですぅ!)


258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 19:34:41.44 ID:wGUnT9fv0

キョン「……長門…お前まさか」

長門「………」ドキドキ

キョン「俺をからかったってことか?ははは、まんまと騙されちまったよ。いや
ーまいった、ははっ」

長門「…………そう」ショボーン

朝・み(ざまぁw)



259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 19:38:32.60 ID:wGUnT9fv0

キョン「まぁ、あまり話しに進展はなかったような気もするが、取り敢えず今日
は帰るよ」

長門「復帰に関して強制はしない。でも、よく考えて。それで貴方が出した答え
なら私は従う」


キョン「あぁ、ありがとよ…長門」ナデナデ

長み朝「!?」

長門「……いい///」

みくる「あ、あのぅキョンくん!私も従いますぅ!」ワクワク

朝倉「わ、私も従うわ!」ワクワク

キョン「ん?あ、そうか…ありがとう!じゃあな!」スタスタ

朝・み「………」ズーン

長門「……ユニーク」

261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 19:43:27.68 ID:wGUnT9fv0

(帰路)

キョン「SOS団に戻れってか……どんな顔して戻れってんだよ…」テクテク


ハルヒ(!?…あれ、もしかして前を歩いてる人……キョンじゃない?)

キョン「………」テクテク

ハルヒ(間違いない……キョンだわ!)

キョン「………」テクテク

ハルヒ(まだ私には気付いてないわよね?……これはチャンスだわ!今謝らないと!)

キョン「………」テクテク

ハルヒ(そぉ〜っと近づいて……)ソロリ

キョン「………」ブツブツ



264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 19:48:52.82 ID:wGUnT9fv0

ハルヒ(……何か言ってる?も、もしかして私のことかしら……)ドキドキ

キョン「それにしても、朝倉と鶴屋さんの弁当旨かったなぁ…」テクテク

ハルヒ「…………」

キョン「ああいう優しさをハルヒには見習ってもらいたいもんだ…」テクテク

ハルヒ「………この…」

キョン「………ん?」

ハルヒ「バカキョ〜ン!!」ズコ バコ メキョ

キョン「ゴフゥ!」


ハルヒ「優しくなくて悪かったわね!…グス…もう知らない、バカキョン!!」タッタッタッ



キョン「…………」ピクピク


275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 21:24:21.94 ID:wGUnT9fv0

キョン「ん……ここは?」

???「お気づきになられましたか?」

キョン「あれ……何で森さんが…しかも何故俺はベッドに…」

森「憶えていらっしゃらないのですか?」

キョン「えぇ……サッパリ…」

森「……そうですか」

森(言えない、実はずっと尾行してたなんて…しかも、涼宮ハルヒにブッ飛ばされたなんて…)

森「私も驚きましたよ、道を歩いていたらキョンさんが倒れていらしたので(少し無理矢理過ぎたかしら…)」

キョン「…ああ、そういえば…歩いてたら急に暴漢に襲われて……痛てぇなチクショウ、なんて奴だ!」

森「………」


277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 21:31:31.07 ID:wGUnT9fv0

キョン「……何にせよ、ご迷惑をおかけしてすいません」

森「いえ、こちらこそ私なんかのベッドに寝かせてしまって…」

キョン「……私のベッドってことは…まさかここは」
森「えぇ、私の家です。距離的に、機関よりも近かったもので…」

キョン「いや……道理で少し可愛らしい部屋だなと。…この枕元にあるウサギの
ヌイグルミとか」

森「あ…それは……」

キョン「他にも何体かウサギのヌイグルミが有りますけど……ウサギが好きなん
ですか?」

森「………はい///」

キョン「そうですか……ちょっと待って下さいね、確か鞄の中に…」ゴソゴソ

森「?」

キョン「あったあった。これ、ウサギのキーホルダー」ジャラ

森「あ、可愛いですね!」


279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 21:35:24.49 ID:wGUnT9fv0

キョン「前に谷口…いや、友達とゲーセンに行って取れたやつなんですけど、良
かったらどうぞ」

森「本当ですか!?…あ、でも…私なんかに…」

キョン「良いですよ。どうせこのまま鞄で眠ってるより、素敵なご主人様に貰わ
れる方がコイツも幸せでしょう」ニコッ

森「あ……有難うございます。大切にします///」

キョン「いえいえ、どういたしまし……っ!?」ズキ

森「どうかなさいましたか?」

キョン「いや、なんか意識がハッキリしてきたら、急にどつかれた後頭部の痛み
が…」ズキズキ

森「あ、ここですね。少し腫れてるみたい、かわいそうに…」ナデナデ

キョン「……あ」

森「どうかしましたか?」ナデナデ

キョン「………」

森「キョンさん?」ナデナデ



280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 21:39:27.47 ID:wGUnT9fv0


キョン「いや、やっぱ良いなぁと思いまして」

森「?」ナデナデ

キョン「こうやって頭撫でてもらうの。子供の頃にやってもらって以来、記憶に
ないですよ」

森「あっ!?すいません私としたことがつい勝手に///」

キョン「あの……もし良かったら、もう少しの間だけ続けて貰えませんか?」

森「…………」

キョン「あ、すいません!何言ってんだ俺は、忘れて下さい」

森「いいえ、勿論ですよ。だってこの前言ったじゃないですか……」ナデナデ

キョン「え?」



282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 21:42:50.98 ID:wGUnT9fv0


森「私はあなたの……お姉さんですから…///」ナデナデ

キョン「……有難うございます、森さん」

森「森さん……?」ピタ

キョン「あ…。有難う、姉さん///」

森「良くできたわね、キョンくん………///」ナデナデ



287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 21:47:41.97 ID:wGUnT9fv0


森「………」ナデナデ

キョン「……Zzz…Zzz…」

森(キョンくんの寝顔、可愛いなぁ…)ナデナデ

森(ちょっとイタズラしちゃおうかな……えいっ)プニプニ

キョン「…ん…うぅ……Zzz……」

森(……///)プニプニ

プニプニ

カサ…

プニプニ

カサカサ…

プニ

カサカサカサカサ…

森「……え?」

ゴキブリ(……え?)カサカサ


290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 21:51:17.93 ID:wGUnT9fv0


森「いやぁああぁあ!!」ギュ

キョン「ゴフゥ!!……森さん……どうかしましたか?」

森「あ、あそこにゴキブリがぁあぁあ!!あと姉さんって呼んでぇええぇ!!」
ブルブル

キョン「…はぁ。じゃあ姉さん、ゴキブリは俺が退治するんで……その…」

森「?」ブルブル

キョン「いや、嬉しいんだけど……こうガッチリ抱き付かれてると動けないって
いうか……」

森「え!?………///」サッ



シュー シュー

キョン「ふぅ、なんとか退治できたが……」チラ

森「……ごめんなさい」シュン



292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 21:56:22.64 ID:wGUnT9fv0


キョン「いえ、別にいいんですが…ちょっと意外だったもんで」

森「……大抵の事は平気なんです。でも、恥ずかしながらゴキブリだけは……す
いません…」

キョン「まあ、だいたいの人はそうですからね。それに、もり…姉さんの可愛ら
しい一面が見れて逆にラッキーでしたよ」ニコ

森「キョンくん……///」

キョン「じゃあお陰様で痛みも引いてきたんで、そろそろ帰りますね」

森「え、良ければ泊まっていっても…(やだ、私何言ってるのよ!?でも…///)」

キョン「いえ、家族に心配かけるのもあれなんで今日は帰ります」

森「……そうですよね」ズーン
キョン「あ、そうだ。多分もう大丈夫だと思うけど、もしゴキブリが出たら連絡
してください。俺で良ければ退治しに行くんで」

森「で、でも悪いですよ……」

キョン「何言ってるんですか。いつも迷惑かけてしまっているもり…姉さんの為
なんですから、俺に出来ることならなんでもしますよ」ニコ

森(私の為に……///)



296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 21:59:31.49 ID:wGUnT9fv0

森(もう駄目……私、彼を弟としてじゃなく…一人の男として……)

Prrrr Prrrr

森「はい」

古泉『もしもし森さんですか?実はまた神…』

ピッ!

森(私も頑張らなきゃ。世界の……いえ、彼の為に!)



古泉「……何故切られたし…」




297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 22:03:22.08 ID:wGUnT9fv0

(翌日)

キョン「ふぅ、何だかんだ言ってもまだ体中痛いな」

ガラッ

キョン「ん、なんだ?下駄箱に手紙が……『放課後に教室で待つ』だと?」

キョン(ラブレター……にしては少し味気無いな。まさか、果たし状?いやまさか、格闘漫画じゃあるまいし……)

キョン「まあ何にせよ、もう放課後は暇なんだ。行けばわかるだろう」


(教室)

キョン(ハルヒは……まだ来てないか…)



(昼休み)

キョン(ハルヒの奴、今日は休みなのか…)

谷口「おいキョン!飯食おうぜ!」

キョン「ん、ああ…」




299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 22:07:32.11 ID:wGUnT9fv0

国木田「あれキョン、その腕のアザどうしたの?」

キョン「これか?昨日帰ってる途中に暴漢に襲われてな」

谷口「ちょwだっせぇww」

キョン「なんか、女だったような気もするんだが…」

谷口「何処で襲われたの?何時くらい?」

キョン「お前必死か。それにしても…」チラ

国木田「……涼宮さんが気になるんだね?」

キョン「いや、そんなことは」

国木田「ふふ、嘘ってバレバレだよ。さっきからチラチラ涼宮さんの机見てるじゃないか。心配なんでしょ?」

キョン「ち、違うぞ?折角退部届けを持ってきたのに、当のハルヒがいないからだな…」

国木田「はいはい。もしかして涼宮さん、退部届けを貰いたくないから休んでたりしてね」

谷口「案外、昨日の暴漢も涼宮だったりしてなwww」

キョン「ははっ、いくらなんでもそれはあり得ないだろう」




305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 22:18:31.47 ID:wGUnT9fv0

(その頃ハルヒの部屋)

ハルヒ「へっくしょん!……あー。誰か私の噂でもしてるのかしら?」

ハルヒ(私も馬鹿ね、キョンの退部届けを貰うのが怖いからって学校サボるなんて
。)

ハルヒ(それにしても、昨日キョンをブッ飛ばしてそのまま帰ったけど……大丈夫
なのかしら?)

ハルヒ「まあいいわ、今日も日課のあれを……あれ、ない?…まさか学校に…」




306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 22:19:44.67 ID:wGUnT9fv0

(その頃ハルヒの部屋)

ハルヒ「へっくしょん!……あー。誰か私の噂でもしてるのかしら?」

ハルヒ(私も馬鹿ね、キョンの退部届けを貰うのが怖いからって学校サボるなんて
。)

ハルヒ(それにしても、昨日キョンをブッ飛ばしてそのまま帰ったけど……大丈夫
なのかしら?)

ハルヒ「まあいいわ、今日も日課のあれを……あれ、ない?…まさか学校に…」

311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 22:25:30.05 ID:wlUHO1gaO

(その頃ハルヒの部屋)

ハルヒ「へっくしょん!……あー。誰か私の噂でもしてるのかしら?」

ハルヒ(私も馬鹿ね、キョンの退部届けを貰うのが怖いからって学校サボるなんて。)

ハルヒ(それにしても、昨日キョンをブッ飛ばしてそのまま帰ったけど……大丈夫なのかしら?)

ハルヒ「まあいいわ、今日も日課のあれを……あれ、ない?…まさか学校に…」

327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 22:57:53.46 ID:wGUnT9fv0

(放課後)

キョン「さて、今朝の手紙の件だがここで待ってればいいのか?」

古泉「どうも、なんだかお久しぶりですね」

キョン「お前か。まあ、そろそろ来るだろうとは思ってたが、何も手紙にするこ
とはないだろう」

古泉「手紙?僕は存じませんが」

キョン「お前じゃないのか?じゃあ一体…」

古泉「手紙がなにか?」

キョン「いや、こっちの話だから気にすんな。それで、ハルヒの事でなにか?」

古泉「話が早くて助かります。ここではなんですので、場所を変えましょう」

キョン「いいんだが……なるべく早めに済ましてくれ」

古泉「?ええ、構いません。それでは参りましょう」



329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 23:03:59.40 ID:wGUnT9fv0

古泉「いや、話が逸れましたね。しかし、閉鎖空間の発生回数が飛躍的に増えているのも事実です。このままでは、いくら私たちでも手に負えなくなるでしょう


キョン「世界崩壊……」

古泉「ええ。そしてそれを食い止めることができるのが、貴方です」

キョン「俺が、鍵だからか?」

古泉「……鍵…ですか…」

キョン「?」

古泉「とにかく僕が言いたかったのはSOS団復帰、それだけです。勿論、強制はしません」

キョン「……やけに簡単に引き下がるな?」

古泉「んっふ、本当は言う必要もないと思ったのですが、立場上言っておかない
といけませんので」



330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 23:08:49.55 ID:wGUnT9fv0

(教室)

ガラっ

???「あら、遅かったわね」

キョン「あれ、朝倉?」

朝倉「なによその、拍子抜けくらった顔は」

キョン「いや、てっきり谷口あたりのイタズラかと」

朝倉「はぁ。まあいいわ、あなたに話があるの」

キョン「なんだ?」

朝倉「本題に入る前に知っておいて欲しいんだけど……実は私、長門さんと同じ情報統合思念体なのよ」

キョン「え、それマジか?」

朝倉「ええ、本当よ」ウニョン

キョン「手、手が変形した!?」



334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 23:17:22.57 ID:wGUnT9fv0


朝倉「信じてもらえた所で本題に入っていいかしら?」

キョン「な、なんだ?」

朝倉「人間はさぁ、よく『やらなくて後悔するよりも、やって後悔したほうがい
い』ってよく言うよね?これ、どう思う?」

キョン「よく言うかどうかは知らないが、言葉通りの意味だろうよ」

朝倉「じゃあさぁ、例え話なんだけど、現状をいじするままでは、じり貧になることは解ってるんだけど、どうすれば良い方向に向かう事ができるか解らないとき、貴方ならどうする?」

キョン「なんだそりゃ、日本の経済の話か?」

朝倉「とりあえず何でもいいから変えてみようと思うんじゃない?どうせ今のままでは何も変わらないんだし。だから…」


335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 23:24:35.94 ID:wGUnT9fv0

朝倉「あなたと付き合って、凉宮ハルヒの出方をみるわ!」

キョン「・・・は?」

ガラガラ

鶴屋「なら私もキョンくんと付き合うっさ!」

バリーン

森「キョンくんは、私の弟なんですよ!?」


キョン「・・・・・やれやれ」

こうして俺の、セカンドライフが始まる・・・


            完

343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/29(土) 23:30:17.98 ID:wGUnT9fv0

朝倉「あなたと付き合って、凉宮ハルヒの出方をみるわ!」

キョン「・・・は?」

朝倉「いや、あのね・・・お友達からでも良いのよ?何事も焦っちゃ駄目だものね///」モジモジ

キョン「いやいや、そうじゃなくてだな」

朝倉「もう、なにブツブツ言ってるのよ?嫌なの?」

キョン「嫌っていうか、すまん意味がわからん」

朝倉「意味って何よ?」

キョン「お前が聞くなよ!そもそも、俺と朝倉が付き合うこととハルヒと、何の関係があるんだよ?」

朝倉「わからないけど、殺されるよりマシでしょ!?」

キョン「おい、なに物騒なこと言ってんだよ?」

朝倉「だ、だってキョンくん、私みたいな子と付き合えたら幸せだって言ったじゃない!あれは嘘だったの!?」グスッ

384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 04:22:21.77 ID:Sor39gl30

キョン「嘘じゃない、嘘じゃないから落ち着けって!」

朝倉「もう駄目、私の『恋の急進派』が止まらない・・・。もし私と付き合ってくれないなら、キョンくんを殺して私も死ぬわ!」チャキ

キョン「おぉい!お前ナイフとか洒落にならんぞ!」


バリーン!!


朝倉「っ!?何かが窓を突き破って・・・」

???「ご無事ですか、キョンさん」

キョン「も、森さん!!」


385 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 04:24:04.89 ID:Sor39gl30

森「遅れて申し訳ありません。只今より貴方を命に代えてもお守り致します」

朝倉「森さん?・・・貴女どうやら普通の人間じゃなさそうね。大方、機関の人間ってトコかしら?」

森「その通りです。流石ですね」

朝倉「でも、守るなんて大層なこと言って私に勝てるのかしら?」

森「そちらこそ、たいした自信ですね。それとも・・・ふふ、単なる強がりでしたか?」ニヤ

朝倉「!? 貴女、おもしろいわ。散々いたぶって殺してあげる」

森「神人以外と戦うのなんて久しぶりですね。お互い、楽しみましょう」




キョン「俺は・・・夢でも見てるのか?こんな戦い、格闘漫画でしか見た事ないぞ・・・うわ、もう教室がめちゃくちゃじゃないか・・・」



386 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 04:26:55.81 ID:Sor39gl30

(数分後)


朝倉「・・・へぇ、なかなかやるじゃない。でも・・・」

森「・・・・ぐっ・・!!」ズキ

朝倉「あら?急に黙り込んじゃったけど、お腹の傷は大丈夫?ふふ・・・」

森「・・・はぁ・・・はぁ・・・」

朝倉「そんなに息切らしちゃって。あーあ、そろそろ飽きてきたわね・・・」


森「ぐっ・・・すいませんキョンさん、どうやら私はここまでのようです・・・」

キョン「え?」

森「私には、もう動ける体力がほとんど残っていません。次に彼女が動いた時・・・私は死ぬでしょう・・・」

キョン「なっ!?」

森「良いのです・・・生涯・・・最初で最後に好きになれた・・・。そんな貴方の為に死ねるのなら・・・本望ですよ」ニコ

キョン「!?」



387 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 04:29:30.98 ID:Sor39gl30

朝倉「いいムードの中悪いけど、そろそろ良いかしら?」イラ

森「!!・・・キョンさん、私が最後に彼女を食い止めます。貴方はその間に逃げてください」

キョン「森さんをおいて逃げろって言うんですか?そんなこと出来るわけないでしょう!待っててください、もう一度朝倉を説得してみますから!」

森「ふふ、そのお気持ちだけで十分です。・・・ただ、出来れば・・」

キョン「なんです?」

森「最後にもう一回だけ・・・私のことを『姉さん』と・・・呼んでいただけませんか・・・?」

キョン「そんな・・・最後だなんて何言ってるんですか!!おい、朝倉!頼むからもうやめてくれ!!」

朝倉「うん、それ無理」スっ

森「さあ、走る準備をして下さい、チャンスは一瞬ですよ!」




388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 04:31:44.00 ID:Sor39gl30

キョン「嫌です!俺も一緒にいます!大体、逃げられるわけが・・・」

森「いいかげんにしなさい!」

キョン「!!?」ビクっ

森「貴方は、そんなに弱い子じゃないはずよ?大丈夫、きっと上手く行くわ。だって、私の弟だもの・・・」

朝倉「さっきからごちゃごちゃうるさいのよ!いい加減死になさい!」シュ

森「さあ!!」

キョン「わかったよ・・・姉さん!」

森「・・・・・・・」ニコ

朝倉「死ねぇええぇえぇ!!!」ブン


389 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 04:34:17.21 ID:Sor39gl30



スッ・・・・


朝倉「えっ!?」ピタっ



???「いやぁ〜、二人ともすごいね!驚いたよっ!」


朝倉(私の一撃を・・・)

森(止めた・・・?)


キョン「つ、鶴屋さん!?なんでここに!?いつから!?」

鶴屋「いやぁ〜キョンくん、神出鬼没の鶴屋さんとは私のことだよっ!」

朝倉「・・・あなた、一体何者なのよ?」



390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 04:36:36.47 ID:Sor39gl30


鶴屋「ん?私は鶴屋さんだよ!それより朝倉さん、ちょっといいかなっ?」スタスタ

朝倉「?」


パン!


朝倉「・・・痛ったぃ!何すんのよ!いきなりぶつなんて最低!!」

鶴屋「最低なのは君だよ!!」

朝倉「!?」ビク

鶴屋「君は、自分が何をしたかわかってるのかい?もう少しで人の命を奪うところだったんだよ!」

朝倉「それは・・・キョンくんの為に・・」

鶴屋「キョンくんの為?それ本気で言ってるのかい?キョン君の必死な姿を見て・・・本当にそんなこと、キョンくんが望むと思ってるのかい!?」

朝倉「・・・・・」

鶴屋「・・・君も本当はわかってたんだよね?」

朝倉「・・・・・」


391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 04:40:04.53 ID:Sor39gl30


朝倉「・・・・・」

鶴屋「ただ、キョン君が・・・自分じゃない、他の人を見るのが怖かったんだよね?」

朝倉「・・・グス・・・」コク

鶴屋「わかるよ?その気持ち。 だって・・・私もそうだから・・・」

キョン「・・・・・」

鶴屋「でも、これだけは覚えといてね。力だけじゃ、人の心は奪えないんだよ・・・」

朝倉「鶴屋さん・・・グス・・・私」

鶴屋「わかってもらえたかい?」ナデナデ

朝倉「・・・ひぐっ・・・私・・・ひくっ・・・ごめん・・・なさい・・・ごめんなさい・・・うえぇぇえん!」ポロポロ

鶴屋「謝る相手は、あたしかい?」

朝倉「・・・グス・・」フルフル

朝倉「キョンぐん・・・グス・・・ごめんなさい・・・森さん・・・ごめんなさい・・・ひっく・・・」ポロポロ


392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 04:42:12.33 ID:Sor39gl30

キョン「ああ、俺は構わないが・・・」チラっ

森「間違いは誰にでもあります。それに、私も年上のくせに少し大人げない所がありましたから、お互い様ってことにしましょう」ニコ

朝倉「・・・グス・・・ありがとう」

森「・・・ふふ、ちゃんと謝れるなんて、素直でいい子じゃないですか。ねぇ、キョンくん?」

キョン「ええ。・・・自分が情けなくなるほどに」


鶴屋「さて、次はキョン君にけじめをつけてもらおうかなっ!」

キョン「そうですね。・・・って、俺ですか!?」

森「もう、お気付きでしょう?」

朝倉「・・・・・ふぇ?」

鶴屋「どうやら私たちは・・・キョンくんの事が好きみたいっさ!」



394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 04:45:26.57 ID:Sor39gl30

キョン「・・・・・」

森「どうぞ、正直に答えて下さい。結果がどうあろうと、素直に受け止めますから」

朝倉「・・・うん」



キョン「じゃあ、正直に言います・・・」

朝・鶴・森(・・・・・・・ゴクっ・・)ドキドキ



キョン「その・・・・・出来れば保留ってことには・・・・」

朝倉「出来るわけないでしょ!バカ!」ブンっ

ビシっ!

キョン「痛ぇ!コラ朝倉、落ちてる物を投げちゃいけません!!」


キョン「まったく、もし危険なものだったらどうする・・・ん?なんだこれ、ノート?」

396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 04:54:42.50 ID:Lp4uN9raO

鶴屋「はははっ、見たら殺すなんてハルにゃんらしいねっ!じゃあ早速見よっ!」

キ・森・朝(・・・・駄目だこの人)


////////////////

◯月×日

今日はみくるちゃんに新しい衣装を着せた。

私の想像通り、とっても可愛かった。

でも、キョンのバカがイヤラシい目で見ててムカついた。



でも、帰りにジュースを買ってくれたから許してあげる!




400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 04:59:44.81 ID:Lp4uN9raO

///////////////////////


◯月×日

今日は部室で小泉君の誕生日パーティーをやった。

私がプレゼントした女装セットを着てもらおうと思ったけど断られた。

絶対に似合うと思うのに。

あと、有希の鼻メガネがツボにハマって死にそうだった。

でも、そのあとのキョンの一発ギャグが死ぬほどつまらなかった。

やっぱり、SOS団のみんなで騒ぐのは楽しい。

いつまでも、このメンバーで楽しくはしゃいでたいな。


////////////////////


朝倉「一発芸・・・?」

キョン「いや・・・俺は知らん。もう、適当にページめくるぞ」ペラ

鶴屋「あ、この日は・・・・」


403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 05:05:15.23 ID:Lp4uN9raO

/////////////////////////


◯月×日

今日は最悪な1日だった。

私のせいでキョンがSOS団を辞めてしまった。

何であんなひどいことを言ってしまったんだろう。

何でキョンの前では素直になれないんだろう。

つまらない日常から救ってくれたのはキョンなのに。

いつだって、私のわがままを聞いてくれたのはキョンなのに。



とにかく明日、キョンに謝らなくちゃ。


//////////////////////



408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 05:11:30.60 ID:Lp4uN9raO

キョン「まさか・・・昨日の昼休みのは、俺に謝るために・・・」

ガラガラ

ハルヒ「あれ、なんで教室がこんなぐちゃぐちゃなのかしら?それに・・・・アンタ達何やってんのよ?」

キョン「いや、ハルヒこれはだな・・・」

ハルヒ「!?しかもアンタが持ってるのって・・・私のノートじゃない!!」

鶴屋「ち、違うんだよハルにゃん!これは私が無理矢理・・・」

ハルヒ「そんなのどうでも良いわよ!どうせ私のこと笑ってたんでしょ!?」

キョン「それは違うぞハルヒ!」

ハルヒ「うっさいわね!あんたはもうSOS団じゃないんだから、気安く話かけなでよ!最低!」タッタッタッ



409 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 05:17:27.14 ID:Lp4uN9raO

キョン「待て!ハルヒ・・・・クソ、行っちまった!」

キョン(追いかけるか?でも・・・・)チラっ

鶴屋「・・・何してるんだい?」

キョン「え?」

森「はやく行ってあげてください」ニコ

キョン「でも、さっきの答えをまだ・・・」

朝倉「はぁ。どうせ、それどころじゃないんでしょ?」

キョン「・・・・・すいません、俺、行ってきます!」タッタッタッ


410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 05:20:41.17 ID:Sor39gl30



朝倉「まったく、凉宮さんには敵わないわ」

森「ふふ、結局保留にされちゃいましたね」

鶴屋「う〜ん、でもまぁ、ある意味ラッキーだと思おうよっ!」

森「そうですね。これで親密になれるチャンスが増えるわけですから」

朝倉「・・・・・それもそうね。だって・・・」

朝・森・鶴(まだ、キョンくんのことは諦めたくないもの!)






412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 05:23:47.85 ID:Sor39gl30

(廊下)

キョン「それにしても、ハルヒの奴は何処にいっちまったんだ?」

長門「凉宮ハルヒは部室に向かった」

キョン「長門!?お前もまた突然現れる奴だな」

長門「先ほどの一件に、一般人がいた。記憶の操作が必要」

キョン「鶴屋さんか・・・。それなら悪いが、教室の復元も頼む。めちゃくちゃだからな」

長門「了解した。それより、はやく凉宮ハルヒを」

キョン「あぁ、探す手間が省けた!じゃあ、行ってくる!」タッタッタッ


長門(・・・・・貴方を、信じている)




413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 05:29:35.43 ID:Sor39gl30

(部室前)

キョン「・・・ハァ・・・ハァ・・・・」

キョン「・・・それで、何でお前がいるんだ」

古泉「んっふ、やはり来てくれたんですね」

キョン「・・・まぁ・・・な」

古泉「ご存知かとは思いますが、この中に凉宮さんがいらっしゃいます」

キョン「・・・なあ古泉、お前も来てくれないか?」

古泉「いえ、遠慮させていただきますよ。王子様役は貴方一人で充分ですからね」

キョン「おい、こんな時に変な冗談はよせよ」

古泉「おや、あながち冗談ではないのですが。凉宮さんを救えるのは貴方ただ一人なのですからね」

414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 05:32:15.95 ID:Sor39gl30

キョン「はぁ、誰かさんのせいでやけに緊張してきたぜ」

古泉「そう気負うことはありません。あなたは、いつも通りでいいんですよ」

キョン「なるほど、いいアドバイスだ」

古泉「・・・では、そろそろ」

キョン「あぁ、せいぜい成功を祈っててくれ」スタスタ



古泉「将棋」

キョン「?」

古泉「次は負けませんよ?」

キョン「・・・それは有り得んさ。俺がSOS団員である以上はな」



415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 05:35:10.25 ID:Sor39gl30

(部室)

キョン「入るぞ・・・」

ハルヒ「・・・グス・・なにしに来たのよ」

キョン「お前を心配してきたんじゃないか」

キョン「・・・・泣いてんのか?」

ハルヒ「ほっといてよ、アンタはもうSOS団員じゃないんだから」

キョン「おいおい、そんなこと俺に言っていいのか?」

ハルヒ「はぁ?どういう意味よ」

キョン「お前、自己紹介の時のこと覚えてるか?」

ハルヒ「・・・・・・」

キョン「普通の人間には興味ありませんって言ったよな。宇宙人、未来人、異世界人、超能力者、がいたらあたしのところに来なさいとかって」

ハルヒ「・・・・・それがなによ」


416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 05:39:37.41 ID:Sor39gl30


キョン「いいか、良く聞けよハルヒ」

ハルヒ「・・・・?」

キョン「実は俺な、世界を救うヒーローなんだ」

ハルヒ「・・・・・・・・・・」

キョン「・・・・・・・」

ハルヒ「・・・・ぷっ!あっはっは!何よそれ、アンタ頭おかしいんじゃない!?アンタの馬鹿っぷりは期待を裏切らないわね!」

キョン「おい、そんなに言う事ないだろ・・・流石にへこむぞ」

ハルヒ「あははっ、だって、そんなこと真顔で言うんだもん」

キョン「・・・やっと笑ったな」

ハルヒ「な!?・・・・わ、笑ってないわよ!馬鹿キョン!」

キョン「それは無理があるだろうに」


417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 05:42:35.35 ID:Sor39gl30

ハルヒ「うっさいわね!笑ってないったら笑ってないの!」

キョン「・・・まったく、素直じゃないな」

ハルヒ「・・・・」

キョン「まぁ、それは俺も同じなんだがな」

ハルヒ「・・・・え?」

キョン「その・・・すまんかったな。昨日の昼休みは」

ハルヒ「!?・・・やっぱり読んだのね・・・」

キョン「それに関しても謝る、すまん」

ハルヒ「どうせ、馬鹿にしてたんでしょ・・・」

キョン「馬鹿になんか出来るかよ。俺だって同じ事思ってたんだから」

ハルヒ「?」

キョン「お前と出会ってからというもの、正直ロクなことはないがな、以前に感じていたような退屈がないのも事実だ」




418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 05:45:21.98 ID:Sor39gl30

ハルヒ「それって褒めてるのかしら?それとも喧嘩売ってるのかしら?」

キョン「まあ聞けよ。お前、つまらない日常から救ってくれたのが俺だとか書いてたろ?」

ハルヒ「な!?何処読んでんのよ///」

キョン「俺からすれば、つまらない日常から俺を救ってくれたのはお前だよ、ハルヒ」

ハルヒ「べ、別に団長として当然のことをしたまでよ///」

キョン「で、だ。正直な所、やっぱり俺はSOS団に戻りたいんだよ。またみんなと一緒に、馬鹿なことをやりたい」

ハルヒ「!?」

キョン「そこで、今度はお前の正直な気持ちを聞きたい。俺が必要か、不必要か」

ハルヒ「・・・必要よ・・・だって、アンタがいないと、部として人数足りないじゃない・・」

キョン「つまり、俺は単なる人数合わせってことか・・・?」

ハルヒ「・・・・・」

キョン「わかった。結局、ハルヒにとって俺はその程度の存在だったんだな。すまん、やっぱり今の話は忘れてくれ。それとこれ・・・退部届け」スッ

ハルヒ「あ・・・」





422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 05:51:29.44 ID:Sor39gl30

キョン「じゃあ、これで本当に退部だな・・・。まぁ、残念だが、今まで本当に楽しかったよ。ありがとな!」

ハルヒ「・・・って・・・」

キョン「じゃあ、俺もう行く・・・」

ハルヒ「待って!いや!行っちゃイヤよキョン!!」ギュ

キョン「お、おいハルヒ・・・どうしたんだ?」

ハルヒ「お願い、行かないでキョン!キョンは人数合わせなんかじゃない、大切なSOS団のメンバーよ!?キョンがいないと駄目なの!」

キョン「・・・・」

ハルヒ「・・・本当はね?ずっと謝りたくって・・・でも、いつも上手くいかなくて・・・ごめんねキョン・・・」

キョン「ハルヒ・・・・。あぁ、それが聞けただけで満足さ、ありがとよ」ナデナデ

ハルヒ「・・・・キョン///」

キョン「しかし、こんな素直なハルヒは初めてみる気がするな。是非これからもそんくらい優しく接して欲しいもんだ」

ハルヒ「・・・・・」



423 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 05:59:48.89 ID:Sor39gl30

キョン「どうした?」

ハルヒ「・・・悪かったわね、優しくなくて」

キョン「え?」

ハルヒ「どうせ、私は朝倉さんや鶴屋さんみたいに優しくないわよ!」

キョン「な、なんだよ急に」

ハルヒ「・・・・まぁいいわ。ねぇキョン?」

キョン「ん?」

ハルヒ「こ、これからも・・・ずっと一緒に居てくれなきゃ駄目だからね///」

キョン「・・・・・・・・」

キョン「・・・あぁ、当たり前だろ」ニコ

          完




428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/30(日) 07:26:39.28 ID:Sor39gl30

遅れましたが>>1です

今回、沢山の人の方々に保守や支援をしていただきながら

結果、その皆様の期待を裏切ってしまったことをお詫びします

本当にすいませんでした



ツイート

メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:のび太「アオダヌキ星人・・・・・・?」