キョン「……ういーす」


メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:ハルヒ「古泉君ってチンチン小さいのよ」

ツイート

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 17:10:52.08 ID:y/V1UWWK0

コンコン

みくる「はぁーい」

???「ういーす」

ガチャ

みくる「……?あ、あのぉ…」

古泉「…」

長門「…」

???「ん?な、何だよみんなして。…どうした?」

ハルヒ「誰よあんた」

???「……は?」

古泉「たしか…一組の○○君でしたよね?どういったご用件でしょう?」

○○「……は?は?何言ってんだお前ら。……ハハ!どうせハルヒだろ、こんなくだらんこと考えたの。俺はのらないからな。もうやめていいぞ」

スタンッ

ハルヒ「あんた、何訳分からないこと言ってるの!?初対面で呼び捨てとはどういうつもり!?あとそこはキョンの席よ!勝手に座らないで!」

○○「やれやれ…」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 17:23:34.71 ID:y/V1UWWK0

○○「もういいって。そういうノリの遊びは着いていけん」

みくる「……」オロオロ

○○「お、長門がカードゲームなんて珍しいな。どれ、手札見せてみろ」

長門「触らないで」

○○「え?」

ハルヒ「ちょっとあんたいいかげんにしなさい!何勝手に溶け込もうとしてるのよ!要件を言いなさい要件を!」

古泉「涼宮さんのおっしゃる通りです」

○○「な、なんだよさっきから……もういいって。お遊びも度が過ぎたら俺も起こるぞさすがに」

コンコン

みくる「は、はぁーい!」

キョン「ういーす。ん?お客さんか」

○○「!?!?」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 17:31:22.25 ID:y/V1UWWK0

ハルヒ「キョン、いいところに来たわ!雑用係としての任務を命じるわ。この不審者を今すぐ追い出してちょうだい!」

キョン「不審者?えーと…こちらの方が不審者なのか?」

ハルヒ「そうよ。いきなり入ってきたかと思えば要件も言わずに事もあろうに有希に絡んできたのよ!」

キョン「長門に絡んだだと…?」

○○「………!!!!!!」パクパク

キョン「おい古泉、手伝え」

古泉「喜んで」

ガチャ

キョン・古泉「せーの!!」

ドシーン!

キョン「誰かは知らんが、二度と来るなよ。あと…」

キョン「団員にちょっかいだしたらタダじゃ済まさないからな…」ボソッ

古泉「同感です」

バタン!

○○「………」パクパク

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 17:42:44.66 ID:y/V1UWWK0

○○(落ちつけ!!落ちつくんだ俺!!)

○○「スーハースーハー」

○○(落ちつけるか!!!え?ちょ、ちょっと待て!!俺!?俺がいたぞ今!!!何だ何だ!?ドッペルゲンガー!?クローン!?)

○○(待て……冷静になれ俺。この齢にして何度か修羅場はくぐってきただろ)

○○(とりあえず状況を把握しなければ!)

ガチャ!

○○「お、おいみんなどういうことだ!!教えてくれ!何で俺がもう一人いるん、」

バコーン!

○○「ぐはぁ!」

ハルヒ「出てけー!!」

バタンッ!

○○(駄目だ……取り合ってくれん…。なぜだ……?は!も、も、も、もしかして最初の奴らの反応……か、鏡!!」

ダッダッダッダ!

バッ!

○○「だ、誰だよこいつーーー!!!!!」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 17:55:46.32 ID:y/V1UWWK0

○○「…………意味分かんねーよ!」

○○(そういえば古泉が一組の○○君とか言ってたような…?ふざけて言ってるとしか思ってなかったが、まさか俺は今本当に一組の○○君なのか…?)

○○(……それにしても不細工だなこいつ…)

○○(さて、…どうしたものか。ああ、間違いなくハルヒ関連だろうな、残念ながら)

○○(それは分かってるんだが、一体誰の仕業だ?こんなことして一体何の意味がある)

○○(情報が無さすぎる。それに……あのもう一人の俺は何なんだ!?なにが『団員にちょっかいだしたらタダじゃ済まさないからな』だ。それは俺のセリフだ!この偽物め!)

○○(やっぱりここは長門に頼るしか……でもたしかあいつ俺に『触らないで』って言ったような………)

○○「……だ、大丈夫だろうか…」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 18:14:06.94 ID:y/V1UWWK0

…コンコン
みくる「はーい」

○○「ち、ちーす…や、やめろハルヒ!!違うんだ!聞いてくれ!!今度はちゃんと話すから落ちついて!!話す話す!!だからそんな物騒なもんはしまってくれ!!」

○○「ふぅ…」

ハルヒ「で、要件て何?」

○○「実は俺…そのぉ…後ろの古泉と長門に用事があったんだ」

○○(とりあえずこの二人に相談しとけば大丈夫だろう…)

ハルヒ「古泉君と有希に?なんの用事で?」

○○「ここじゃ話せないから、二人だけ俺に付いてきてくれないか」

古泉「なぜここでは話せないのでしょう。失礼ですがあなたは先ほどの言動からして怪しすぎます。話ならここでしてもらえますか?僕は団員に聞かれてまずいことなど何一つしてるつもりはありませんから」

○○「機関って言えば分かるか?」

古泉「涼宮さん、失礼しました。そういえば彼は僕が呼んだのでした。てっきり忘れてましたよ。すみません。ちょっとした学年の用事なのでパパッと済ませてきます。行きましょう、長門さん」

長門「…」

ハルヒ「そ、そうなの?ならいいんだけど…」

キョン「……」

みくる「…」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 18:28:41.58 ID:y/V1UWWK0

○○「この部屋で話そう」

ガラッ

○○「何から話せばいいんだか…」

古泉「全部です。あなたは何者で、何を知っていて、何が目的なのか全てです」

○○(お、おい古泉そんな顔すんなよ…怖いじゃねーか)

○○「じゃあまず、要点だけ。俺はお前等の知ってるキョンだ。何故だかいつからか分からないが姿が変わっちまってる。助けてくれ…だ」

古泉「本当ですか、長門さん」

長門「すべて嘘」

古泉「おい」

○○「な、なに言ってるんだよ長門!!なぜお前がそんなこと言うんだ!あの部屋にいた俺は偽物で、俺が本物だろ?お前ならすぐ分かるだろ!?」

長門「あなたの話の途中で分析は完了している。教室の彼の生態情報はなんら変化なく、いたって正常。そしてあなたも」

古泉「さぁ、嘘が通じないのは分かってでしょう。本当のことを話して下さい。いや、話せ。なぜてめーが機関の事を知ってるんだ?」

○○「こ、古泉…?」

古泉「慣れ慣れしく呼ぶんじゃねーよ。たった今学校の包囲が完了した。逃げ場はないからな。……機関の存在を知っちゃったからにはもう元の世界には戻れないからな…」

○○「……ハハ」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 18:44:13.75 ID:y/V1UWWK0

○○「違う違う!!信じてくれ俺の言うことを!俺は長門が何と言おうがキョンなんだ!!機関だけじゃないぞ!ハルヒ関連でお前等が話してくれたことならなんだって話せるぞ!」

○○「未来人のことがいいか?お前が連れってくれた閉鎖空間のことがいいか?俺の個人情報だって何でも話せるぞ!」

古泉「では伺いましょうか。あなたの知っていること全てを」


・・
・・・

古泉「どういうことでしょうか、長門さん」

長門「なぜ、彼の情報が共有されているのかは不明。身体的に操作された形跡は今のところなし。さらに詳しい調査を要すると考えられる」

古泉「分かりました。とりあえず身柄を確保しましょう」

○○「何でそうなるんだよ!!」

ガチャン!!バタバタバタ!

○○「な、何だよこいつら…ちょ、やめっ!アッー!!」

古泉「ご苦労様です。僕も後ほど本部へ向かいます。……はい」

バタバタバタ…

古泉「ふぅ…また忙しくなりそうですね…」

長門「……」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 18:50:52.08 ID:y/V1UWWK0

ガチャ…

みくる「あ…」

キョン「遅かったな。ハルヒは『つまらない』って言って帰っちゃったぞ」

古泉「そうですか…」

キョン「……で、何だったんだ奴は。なぜ機関のことを知っていたんだ?」

古泉「分かりません。ただまたあなた絡みだということだけは分かりました」

キョン「…俺が!?」

古泉「ええ…毎度の事ながら、僕を寝かさないおつもりですか?」

キョン「…詳しく教えてくれ…」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 19:01:02.42 ID:y/V1UWWK0

キョン「嘘だろ!?」

古泉「残念ながら本当です。話を聞くかぎり、知っているというよりあなたその物でしたよ彼の頭の中は」

キョン「…気持ち悪い!」

古泉「つかぬことをお聞きしますが、…あなたは自分が本物であるということを証明できますか?」

キョン「おい、俺が偽物だと言いたいのか」

古泉「ただの興味本位です」

キョン「…そいつの話を聞く限り、俺と全く同じ記憶を持っているんだろ?じゃあ無理だ。でも一つだけなら自信を持って言えることがある」

古泉「なんでしょう」

キョン「目ん玉かっぴらいて目の前の俺を見て見ろ。この顔が俺である証だ」

古泉「ですよね…」


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 19:12:21.48 ID:y/V1UWWK0

○○(何で俺がこんな犯罪じゃみたいな扱い受けなきゃならんのだ!クソ!古泉め。覚えてろよ)

○○(どうにかして、逃げ出せないものだろうか。でも無理だよな、こんなところに入れられちゃ…)

○○(……まさかあの長門が頼りにならんとはな。困ったな。今回は本気でヤバそうな気がする…)

○○「ハァ…」


・・
・・・

○○「うん……?……はっ!!」

○○(寝てた?嘘だ、寝た覚えなんかないぞ。てか……)

○○「どこだここ…?」

くしゃ…

○○(紙?)

『逃げて』

○○(…やっぱり何か重大な事が起きれるのか…。やれやれ…。俺、おじいちゃんになるまで生きてるのかな?)

ダッダッダッダッダッダッダッ・・・

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 19:30:49.11 ID:y/V1UWWK0

○○(逃げてって言われても、何から逃げればいいんだ?紙に書いて伝言してくれるならもっと詳しく書いてくれてもいいのに)

○○(とりあえず状況を把握したい。……古泉と長門は駄目だったけど、朝比奈さんならもしかしてちゃんと聞いてくれるんじゃ…)

○○(でもその逃げる相手が朝比奈さんだったら…?未来人関係だったら…?ええい、考えたってしょうがない。俺は何があっても団員は信じるし、団員は裏切らないって信じてる!)

○○「……古泉の株は落ちたがな」

○○(携帯取られたから、一旦家に帰って鶴屋さんの実家伝いで鶴屋に朝比奈さんの番号聞こう…)

・・
・・・

○○「あ、鍵もねーか」

ピンポーン

妹「はーい」

キョン「あ、オレオレ。鍵忘れたから開けてくれ」

妹「キョン君?…開けたよー」

ガチャ

○○(鶴屋さんちなら確実にタウンページに載ってるだろうからな)

妹「ひっ……だ、誰ですかぁ?キョン君じゃないじゃん…」

○○(しまった!!)

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 19:38:22.72 ID:y/V1UWWK0

○○(自宅にも入れないなんてなんて不便な顔だちくしょー!)

○○「あー…ごめんね驚かせちゃって…。俺はその、お兄さんの友達なんだ。ほら、制服みてごらん。同じでしょ?」

妹「じゃあ何でキョン君って言ったの…?」

○○「そ、それはー…」

○○(本人だからだよちくしょー!)

妹「……」 ダッ!

○○「あ、こらどこ行く!」

○○(まずい、絶対警察呼ぶ気だあいつっ!)

妹「ハァハァ……」

ピッピッ…

○○「まてこらー!!」

ガチャン!!

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 19:48:47.18 ID:y/V1UWWK0

妹「ヒッ!」

○○「ほんっっっとうに怪しいものじゃないから!ね?信じて。お兄ちゃんの友達だから。ちょっとだけお兄さんに用があって来ただけだから」ニコッ

妹「うぅ…ひっぐ…ううう!!怖いよー!」

○○「おい泣くなって!怖くないから!」

妹「う、う、うわーん!!!!!!誰か助けてよーー!!!!」

○○「や、やめろって、ご近所様に迷惑だろ!!」

妹「きゃーーーーーー!!!!!!!助けてーーーーーーー!!!!!!」

○○「ええい!うるさいっての!!」

妹「うーーーー!!!!」モガモガ

○○「もう帰るから、もう帰るからおとなしくしろって!タウンページ持ったらすぐ出て行くから!!」

妹「うーー!!!!!!!!!!!」ジタバタ

○○(はぁ……これじゃただの犯罪者じゃないか…。なにが悲しくて実の妹にこんなことしてるんだ俺…)

○○(ごめんよ…我が妹よ。トラウマにでもなっちまったら俺が責任取ってやるからな…)

○○「ハァ…」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 20:05:51.69 ID:y/V1UWWK0

○○(タウンページ持ってきたはいいが、金もないんだよな…)

○○(しょうがない…交番で借りるか。たしか緊急時は事情を話せば貸してくれるってどっかで聞いたことがある)

○○「すみませーん。ちょっと携帯なくしちゃたみたいで、緊急の用事なんですがお電話お借りしてもよろしいですか?…あ、はいすみません」

○○(あ…タウンページがある……クソっ!)

prrrrrrrrr・…

○○「−−−−−−−−−、−−−−−−−−さんに繋いでもらえますか?」

鶴屋「ーーーーーもしもし、キョン君かい!?どうしたにょろ?」

○○「あ、鶴屋さん!すみません夜に家電にかけちゃって。実は…」

鶴屋「ん?誰ですか?キョン君では…ないよね?明らかに」

○○「あ、いや俺です!ちょ、ちょっと風邪引いて声がおかしいんです。ごほっごほっ!」

鶴屋「……馬鹿にしないで下さい。いくらなんでもそれは無理がありますよ。キョン君の名前使って何しようとしてるんですか?」

○○「……」(ちくしょーー!駄目か!!)

ガチャン!!

警官「君…ちょっと…」

○○「……」(逃げるが勝ち!!!)
ダッ!!!

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 20:14:40.18 ID:y/V1UWWK0

○○(朝比奈さんが駄目となると…残るは一人しかいないんだが…あいつの家なら知ってるし…)

○○(いや、駄目に決まってるだろ!なんのために今まで裏で苦労してきたと思ってるんだ)

○○(でもどうせあいつがまた原因なんだろうな……今回ばかりはあいつにかかわっちまったことを心の底から後悔しるぜ…)

○○「はぁ…どうしたもんか…」

キョン「…あ」

○○「…あ」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 20:25:51.97 ID:y/V1UWWK0

キョン「お前さっきの…捕まったんじゃなかったのか!?」

○○「て、てめぇ!!!!!!」ガバッ!

キョン「うわ、ちょ…何すんだよ!」

○○「てめーは一体何者なんだよ!人の皮かぶって俺にこんな皮かぶせて!!」

キョン「何言ってるんだ?むしろ聞きたいことがあるのはこっちの方だ!なぜ俺の記憶を持ってる。何者だお前は一体」

○○「しらばっくれてんじゃねー!」

ガンっ!

○○「お前のせいで俺の妹は心に深い傷を負ったかもしれねーんだぞ!!!」

キョン「……おい、ちょっと待て…」

キョン「お前、俺の妹に何かしたのか…?」

○○「お前の妹じゃねー!俺の妹だ!トラウマ抱えたらお前を一生許さないからな!」

バキッ!

○○「うおっ!…何すんだ!」

キョン「妹に…何したんだ?」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 20:34:47.98 ID:y/V1UWWK0

○○「お前には関係ない」

キョン「ねーわけねーだろっ!」

バキッ!ゴスッ!ドカッ!

○○「うぉ…ちょ、まった…いたっ!いたっ!ちょ、ちょっと待ってって!」

キョン「もしもし、古泉か。……だろうと思ったぜ。なんせ今ここにいるからな。……ああ、捕まえてるから至急来てくれ。俺は早く妹のとこへ行きたい……分かった」

○○(何で自分にボコられてんだ俺…)


・・
・・・

○○(また捕まってしまった…)

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 20:44:46.86 ID:y/V1UWWK0

○○(…それにしてもあいつ、本気で妹のことで怒ってたな。演技にしては上手すぎる)

○○(よく考えたら、二人とも本物だって可能性もないこともないんだよな。誰かの仕業で分裂させられたとか…)

○○「いやいや、なら何で俺だけこんな外見になってるんだ?」

○○(まさか……本当に俺が…偽物…?)

○○「そんなわけ!」

○○(そんなわけ、ないよな…?)


・・
・・・

○○「……はっ!!寝てしまった!?いや違うまさかこのパターンは!!!」

くしゃ…

○○「やっぱり…」

『なに捕まってるのよバカキョン!!!しっかりしなさい!!こっちも大変なんだからね!!ヒントをあげるわ。みくるちゃんの番号は***-****-****よ!』

○○「…?」

○○「はっ!!」

○○「……え?」


84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 21:01:03.57 ID:y/V1UWWK0

>>75 まかせてくれ('A`)

○○(これはどっからどう見ても……我が団長様のセリフにしか見えないのだが。しかしなぜだろう、なによりも先に来るこの喜びは)

○○(決まってる。この一文のせいだ。『バカキョン』。確かにそう書いてある。涙が出そうだ。そうか、やっぱり俺は偽物などではなく本物だったか。いやそんなことは最初から分かっていたがな。一応…な)

○○(よし、何か希望が湧いてきたな。頭も冴えてきた。落ちつこう。落ちついて現状を把握するんだ俺)

○○「このメッセージはハルヒからので間違いないよな…?バカキョンなんてあいつくらいしか言わん。しかし罠の可能性もある。でも捕まってるのを助けてくれたり、朝比奈さんの番号を教えてくれてるのは明らかに俺に味方しているようにしか見えん」

○○(罠…はないな。こいつは、おそらくハルヒは味方だ。そしてなにより)

○○「なぜハルヒが絡んでいる?」

○○「まずいんじゃないのかこれは、人類的に…」

○○(ハルヒが大変というのもどういうことだろか。まぁ…今の情報ではここまでが限界だな。進まない事には何もわからん。とりあえず朝比奈さんと接触だ」

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 21:10:41.19 ID:y/V1UWWK0

○○「それにしても、まだほんのり明るいな。今何時だ?おかしいな。捕まった時はもう完全に夜だった気がするのだが」

○○(遠いが、違う交番行くか…)

○○「すみませーん。実はーーーーーーーーーーー」

prrrrrrrr

みくる「は、はい…」

○○「朝比奈さん、いいですか良く聞いて下さい。要点だけ述べます。ハルヒと未来人のことで大事なお話があります。今すぐ必ず一人で××公園に来てください。いいですね?」

ガチャン!

○○(変に探りを入れらて怪しまれるよりはこっちの方がいいだろう)

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 21:16:54.51 ID:y/V1UWWK0

○○「ハァハァ…」 (もっと交番に近いとこにすればよかった…)

○○「いた…!」

○○「あ、あさひなさ、」

キキー!!ガチャ!ガチャ!ガチャ!

○○「え?え?え?」

ゾロゾロゾロ!

○○「な、何だよお前ら…え?うわ!!!何すんだよ!!ちょ、ちょっとやめろって!!アッー!!!!」

バタンッ!!


・・
・・・

○○(また捕まってしまった…)

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 21:28:29.52 ID:y/V1UWWK0

○○(これは…もしかして俺はヘマをこいたのか?…クソっ!!せっかくハルヒがチャンスをくれたのに…)

○○(でも、何だろう、一つ引っかかってることがあるんだが…)

○○「とりあえず、寝て見るか…頼んだぞハルヒ」


・・
・・・

○○「はっ!ここは・・・?……変わってない…?なぜだ!!おいハルヒ、また助けてくれるんじゃないのか?やっぱり三回は無理があったか!?クソっ!どうするんだ、捕まったままのことなんか何も考えてなかってぜ…」

○○(まずいな…機関やらハルヒの秘密知ってしまった変質者はどういう末路になるのだろうか…)


・・
・・・

○○「はっ!ここは…?…外だ!!よかった、また何とかしてくれたんだなハルヒ。さすが団長様だ」

くしゃ…

○○「お…」

『真面目にやりなさいバカキョン!逃げたあんたが行きそうな場所なんて張り込まれてるにきまってるでしょ?ちょっとは頭使って!もう次は無理だからね!あたしも今逃』



109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 21:38:51.81 ID:y/V1UWWK0

○○(そっか。そういえば最初の手紙は逃げてだったな。機関から逃げろってことなのか?それより最後の一文、これ明らかに『逃』の書き途中だよな…?あたしも今逃げてるってことか?まずい、大変ってそういうことか。急がないとハルヒにも危険が迫ってるみたいだ…)

○○「あ、そうだ時計……あった」

○○「…一応コンビニで日付も確認してみるか…」


・・

○○「やっぱりそうだ……」

○○「ループしてる……前二回助け出されたあの瞬間に戻ってる…」

○○「どういうことだ?ますます分からん…」

○○「でも、となると妹を傷つけてしまったあの世界はなかったことになってるのか…。よかった、たとえそれだけでも感謝するぜこのループには」

○○(さて、…つってもハルヒの様子だと何度もループできるわけってことではなさそうだな。大体の目的は分かった)

○○「本気出していくか」

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 21:47:22.16 ID:y/V1UWWK0

過去の経験によって煽り耐性50万の俺だが、確かに遅いな。スマン。出来るだけ高速で行くわ

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 21:51:51.35 ID:y/V1UWWK0

キョン(つまり、あの交番はまた使えるってことだな)

キョン「すみませーんーーーーーーーーー」

prrrrr

みくる「は、はい…」

○○「朝比奈さん、いいですか良く聞いて下さい。要点だけ述べます。ハルヒと未来人のことで大事なお話があります。今すぐ必ず一人で××の隣にある廃ビルの屋上にに来てください。いいですね?」

ガチャン!

キョン「よし。あとは見つからないように行かなきゃな」


・・
・・・

キョン「いた…」

キョン「あ、朝比奈さーん!」

みくる「ひっ、あなたはさっきの…」

キョン「怖がらないでください!とても大事なお話があります。絶対に危害は加えませんからどうか逃げずに聞いて下さい!」

129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 22:00:51.01 ID:y/V1UWWK0

みくる「話って…なんですか?」

○○「俺は本当に本物のキョンなんです。誰の仕業か分からないですが、こんな姿にされてしまっています」

みくる「だからそれは長門さんが違うって証明したじゃないですか」

○○「そうなんですが…それが間違ってるんです」

みくる「あたしに言われても…こ、困ります!証拠か何かあるんですか?」

○○(証拠……?)

○○「いや、それは今のところないですけど…」

みくる「…」

○○「…」

みくる「もし、その話を信じたとして、あたしにどうしろというんですか?」

○○「え……?さ、さぁ…?」

みくる「……か、帰りますねあたしっ!」

○○「ちょ、ちょっと待ってくだい!!それは困ります!!」ガシッ!!

みくる「いやーーー!!やめてーー触らないでー!!!」

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 22:07:29.10 ID:y/V1UWWK0

○○「あ、朝比奈さん!そんな大声出さないで下さい!!人が来ちゃいますよっ!」

みくる「いやー!!ケダモノー!!ひーん!!!」

○○「ケダモノって……信じて下さい!!俺が本物のキョンなんですって!!」

みくる「古泉くーん!!早くきてくださーい!!!!」

○○「え…?」

パラパラパラパラパラパラパラ!!!!!!

○○「な、何でヘリがこんなところに!?」

シュ!シュ!シュ!シュ!ゾロゾロゾロ!!!!!

○○「う、うわ何だお前たち!?何もんだ!?SWATか!?アメリカかここは!?ちょ、やめ、え?やめろって!!!!!うわっ!!アッー!!!!」


・・
・・・

○○(また捕まってしまった…)

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 22:13:44.79 ID:y/V1UWWK0

○○(……すまんハルヒ、ホントにすまん!また捕まっちまった…)

○○(もう無理とか書いてあったが、今度こそ絶対成功させるから、頼む!!あと一回だけチャンスをくれ!!ハルヒ!!今生のお願いだ!!)


・・
・・・

むくっ…

○○「……ハルヒ!ありがとう!!絶対今度こそは成功させてやるからな。待ってろハルヒ…」

くしゃ…

『ふざけるな  みくる みらいじんのすぱい ふりきれる かみ みせろ ふざけるな』

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 22:26:40.67 ID:y/V1UWWK0

○○(…ハルヒは一体なにから逃げているのだろうか…?でもかなり切羽詰まっていそうだな…。でも余裕そうにも感じられるのはなぜだろうか…?)

○○「『ふざけるな  みくる みらいじんのすぱい ふりきれる かみ みせろ ふざけるな』…か」

○○「……ふざけるなはおいておいて、かみ みせろは紙見せろってことだよな。この紙見せれば何とかなるのか…?」

○○「わからないのは」これだな。 みくる みらいじんのすぱい ふりきれる」

○○「未来人のスパイ…?朝比奈さんのことか?スパイ?…朝比奈さんは確かに未来から送られてきたスパイみたいなものだが…」

○○(それがなんだっていうんだよ。まさかこのスパイっていうのは敵ってことか!?朝比奈さんが敵?しかしわざわざ敵に合わせようなんてしないよな…?)

○○「わからん。もうちょっとでも詳しく書いてくれればよかったんだがな…」

○○「それにしても機関の奴ら、何でわざわざあの場所にしたのにバレたんだ…?」

○○「はっ!そういえば、最後に朝比奈さん確か『古泉君早く来て』と言ってたよな…?」

163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 22:38:21.77 ID:y/V1UWWK0

○○「……そうだよな、そりゃ俺が逃げれば団員に接触する可能性は大だ。そんなの猿でも分かる」

○○(俺が逃げたら団員に監視は入るのは至極当然のこと……いやもしかしたら元々常日頃から監視が付いていたのかもな、俺達には。古泉がそんなようなこと言ってた気もする)

○○「つまり、あの朝比奈さんのセリフからして朝比奈さんは自分に監視が付いているのを知っていたんだな、きっと。それで助けを呼んだと」

○○(ホント自分の不出来さには嫌気がするぜ…。本気を出すとか言っておきながらこれが本気の有様だ…すまんな、ハルヒ。俺のバカさは筋金入りみたいだ)

○○「となると、ふりきれる っていうのは監視のことか…?もちろん朝比奈さんがってことだよな?いや、無理じゃないかそれはさすがに…あの朝比奈さんにそんなこと出来るようには到底思えんが」

○○「ん?まてよ… みくる みらいじんのすぱい 」

○○「みくる 未来人のスパイ」

○○「朝比奈みくるは未来人のスパイ」

○○(………)

○○(できそうな気がする…)

171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 22:46:27.43 ID:y/V1UWWK0

○○(一応あんなんでも、未来から世界の運命を背負って送り込まれてきた未来人なんだよな?尾行を巻くくらいできそうな気がしてきた。いや、してもらわなくては困るんだ。じゃないと先に進めない)

○○「こういうことでいいんだよな、ハルヒ?」

○○「今度こそ頼むぞ!!俺!!」

prrrrr

みくる「は、はい…」

○○「朝比奈さん、いいですか良く聞いて下さい。要点だけ述べます。ハルヒと未来人のことで大事なお話があります。今すぐ必ず一人で××の隣にある廃ビルの屋上にに来てください。
その時注意点があります。監視は必ず振り切って来てください。これは規定事項です。いいですね?」

○○「ふぅ…よし、行くか」

○○「あ、朝比奈さん!」

みくる「ひっ…あ、あなたはさっきの…」

○○「お願いします。絶対に危害を加えたりしません。この紙だけ何も言わず見てもらえないでしょうか?お願いします!これだけでいいんです」

みくる「…み、見るだけでいいんですね?」

○○「はい」

183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 22:59:18.41 ID:y/V1UWWK0

○○(これは…いけたか!?)

みくる「『ふざけるな  みくる みらいじんのすぱい ふりきれる かみ みせろ ふざけるな』……」

みくる「な、何ですかこれ…?」

○○「へ?いや、それはむしろ俺が聞きたい事であって…」

みくる「あ、あなたは何者何ですか?なぜキョン君の記憶を持っているんですか?」

○○(まずい…この展開は…死亡フラグだっ…)

みくる「もう、か、帰っていいですか?」

○○「ちょ、ちょっと、待って下さい!!もうちょっとだけ!もうちょっとだけでもその紙を見てください!もう希望はそれしかないんです!」

みくる「ひっ、そ、それ以上近づかないで下さい!古泉君に電話しますよ!?」

○○(ハルヒ…助けてくれ…どうすればいいんだ!紙見せたんだぞ!?)

○○(はっ!なにまた俺はハルヒ頼みにしてんだ。さんざん助けられといてまた助けてもらおうとしてるのか!?クソっ!何とかしろ俺!!頭をフル回転させて!じゃないとこのまま終わってしまうぞ!)

○○「す、隅々までちゃんと見てくれました!?なにか見落としたあったのかも!ほら、裏にだって何か書いてあるかもしれないし!」

みくる「裏?」

ペラッ

みくる「!?」

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 23:09:56.93 ID:y/V1UWWK0

○○「…?本当に何か書いてあったんですか…?」

みくる「……はい、書いてあるというより、情報が貼り付けてありました…」

○○「ん…?俺には真っ白にしか見えませんが…」

みくる「肉眼では見えませんよ、キョン君!」

○○「え?今なんと…?」

みくる「キョン君本当にごめんなさい…あ、あたし酷い事言っちゃって…長門さんの言ってることが本当だと思ったから…」

○○「今、キョン君て…」

みくる「……え?だってキョン君なんですよね…?」

ガバッ!

みくる「わっ、ちょ、ちょっとキョン君なにしてるんですかぁ〜!」

○○「……はっ!すみません嬉しくてつい…。ここまで来れたことが嬉しくて…」

みくる「そんなことより大変ですよキョン君!!」

○○「へ…?何がですか?」

みくる「涼宮さんがもうこの世界にはいませんっ!」

385 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 16:56:53.78 ID:OuYFE9JK0

○○「どういうことですか!?」

みくる「ちょ、ちょっと待って下さいっ!通信が入りました…」

みくる「………………………………」

○○「……」

みくる「……………」

○○「ど、どうしたんすか朝比奈さん!?何か分かったんですか?」

みくる「………………」

みくる「…………。す、すみません終わりました…」

○○「一体どういうことですか!?ハルヒがこの世界にいないって…?」

みくる「え、えーと…とりあえずここを離れましょう。監視は振り切って来ましたが、いつここがバレるか分かりませんっ」

○○「それより先に説明して下さい!その紙には何と書いてあったんですか!?」

みくる「きょ、キョン君そんな怒らないで下さい…。説明は後で必ずします。今はここを離れて長門さんのところへ向かうのが先決!……らしいのです…」

○○「長門のところへ…?大丈夫なんですか?俺が話しても信じてもらえなかったんですが…」

みくる「……おそらく…」

○○「……」

387 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 17:00:40.64 ID:OuYFE9JK0

○○「長門の家にも監視はいるのでは…?」

みくる「いますけど…長門さんの力なら監視の目を誤魔化すなんて造作もないことだと思います」

みくる「電話で今からお伺いすることも伝えますね」

○○「あ、電話もジャックされてるんじゃ…?!」

みくる「大丈夫です。元々団員の電話はすべてどのような方法を用いても傍受出来ないようになっています……もちろん長門さんの力ですけど…」

○○「………」


・・
・・・

ピンポーン…

長門「…」

みくる「あっ、長門さん…あたしです、朝比奈みくるですぅ…」

ガー



ガチャ

390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 17:04:04.17 ID:OuYFE9JK0

長門「…」

みくる「な、長門さんすみません手間を取らせてしまって……し、知ってると思いますが涼宮さんの事でお話が…。これは一体どういうことなんでし、」

長門「電話では、彼を連れてこないと言ったはず…」

みくる「すみません!嘘を言ってしまって…。これには訳があるんですぅ。あの…中へ入れてもらってもいいですか…?」

長門「あなたはいい…でも…」

○○「……」

長門「彼は駄目」

みくる「お願いします。きょ…この人は今回の事にとても関係してるんです!……たぶんですけど…」

長門「関係してない。駄目。入らせない…」

○○(やっぱり…)

みくる「じゃ、じゃこれを見てくださいっ!」

スッ…

長門「…………」クシャ…

みくる「……?」

長門「……入って…」

391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 17:07:02.70 ID:OuYFE9JK0

○○「!!…長門!」

みくる「よかったですね!キョン君!」


・・

みくる「な、長門さん!一体何が起きているのですか?」

長門「分からない」

みくる「え…?」

○○「ちょ、ちょっと待ってくれ二人とも。俺を置いていかないでくれ。話が見えてこない。まず長門は俺を…キョンと認めてくれたのか…?」

長門「…」コクッ

○○「ハハ…よかったぜ全く。お前に触らないでだの入らないでだの言われてかなり絶望してたんだがな、実は」

○○「……で、その紙には何と書いてあったんですか?朝比奈さん」

みくる「え、えーと書いてあるというより添付されていると言った方が正しいんですけど、あたしが読み込めた物はこれだけでした…」

みくる「……『不細工 キョン 本物』」

○○「……え?本当にそ、そう書いてあったんですか…?」

みくる「いいえ。そう添付されていたんです」

○○「……そう。……そ、それだけ?」

394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 17:10:28.99 ID:OuYFE9JK0

みくる「あと最後に一文だけ読み込めました……『有希を助けに来て。私はここにいる ****-****-****-****』……と」

○○「長門を助けにこい…?」

みくる「はい……」

○○「どういうことだ?」

みくる「わ、分かりません…」

○○「だ、だって長門は…ここにいるじゃないか!長門、どういうことだ!?」

長門「分からない」

○○「これはハルヒが書い……貼り付けたのか?」

長門「おそらく」

○○「なぜハルヒがそんなことできるんだ?」

長門「分からない」

○○「今ハルヒはどこにいるんだ!?」

長門「分からない」

○○「一体何が起きているんだ!?」

長門「分からない」

396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 17:14:51.98 ID:OuYFE9JK0

○○「……その最後の英数字の羅列は何だ?」

みくる「あ、これはおそらく【禁則事項】だと思うんですが…。でもこの並びはどうもおかしんです…明らかに現在の時間軸のものではありません…涼宮さんはいま恐らく【禁則事項】にいるのかもしれません…」

○○(……言えてないですよ、朝比奈さん…)

○○「長門、正直に答えてくれ。本当は今困ってるんじゃないのか?またエラー蓄積したり、情報なんちゃらのことで問題抱えてるんじゃないのか?」

長門「全く…」

○○「……じゃあなぜ俺をキョン本人だと認めてくれたんだ?お前の分析では異常なしだったんだろ?この手紙からどう判断したんだ…?」

長門「…」

みくる「あ、あたしは読み込み専用の情報しか入って来ませんが、長門さんならこのソースコードもすべて読み込めますよね……?一体何が分かったんですか…?」

長門「……二人だけにして欲しい…」

みくる「え…?」

長門「彼と二人だけにして欲しい」

みくる「それは!………わ、分かりました…。あたしは玄関の外にいるのでお話が終わったら呼んでください…」

○○「お、おい長門、何で朝比奈さんがいちゃ駄目なのせめて理由くらい…」

長門「……」

バタンッ…

397 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 17:17:48.04 ID:OuYFE9JK0

○○「……で、何が分かったっていうんだ一体…」

長門「朝比奈みくるは危険…」

○○「……え?」

長門「信じないで」

○○「……は?」

長門「それと、涼宮ハルヒは今ごく普通に自宅にいる…」

○○「んな!?」


・・
・・・

バタン

みくる「あ、キョン君……もうお話は終わったんですか…?あ、ちょ、ちょっと待って下さいっ!帰るんですか?」

パタパタパタ…


399 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 17:20:43.58 ID:OuYFE9JK0

みくる「一応お伺いしたいのですけど……そ、そのー長門さんは何て…?」

○○「……ハルヒは今普通に家にいるそうです…」

みくる「そんなっ!?」

○○「だから今から確かめに行きます…」

みくる「あたしも行きますっ!」

○○「………」

みくる「キョン君、そのー…あんまりこういうことは言いたくないんですが…」

○○「何ですか?」

みくる「何か、あの長門さんおかしくありませんでしたか!?いつもの長門さんの様で長門さんじゃないというか…」

みくる「キョン君は何か感じませんでしたか…!?」

○○「……」

○○(さて、…事は大方の予想通り深刻そうだな……)

407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 17:49:25.33 ID:OuYFE9JK0

みくる「……」ドキドキ

ピーンポーン

○○「……」

みくる「……」ドキドキ

・・・・・

ハルヒ「はーい」

ガチャ

○○「…ハルヒ!!」

ハルヒ「なっ…あんたは昼間の!!家まで来るなんてどういうつもり!?警察呼ぶわよ警察!!……え?みくるちゃん?なんでみくるちゃんがこいつと一緒にいるの!?」

○○「ハルヒ!!大丈夫か!?無事か!?」

ハルヒ「何訳分からないこと言ってんのよ…ほんっっっっとに…もー!!!!!なんなのあんた!?次あたしの前に現れたら速攻警察呼ぶからね!!いい!?返事はしなくていいから今すぐあたしの目の前から消えて!!」

ハルヒ「みくるちゃん!!こっちにきて!!早く!」グイッ

みくる「うわっ、わっわ…」

バタンッ!!

○○(……良かった…今のところは無事らしいな…あの憎たらしい態度はまさにいつものハルヒだ…)

415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 18:06:27.50 ID:OuYFE9JK0

○○(一安心だが、さらに訳が分からなくなってしまったな…)

○○(ハルヒがここにこうしてごく普通にいるってことは、あの手紙の主はハルヒじゃないのか・・・?)

○○(しかし、文脈や内容からしてハルヒ以外に考えられん…やっぱり罠だったのか?長門の言う通り朝比奈さんも…?いやそれだけは駄目だ!!)

○○「俺は団員は決して疑わないと決めたんだ。団員同士で牽制し合うなんて絶対に嫌だ。長門も朝比奈さんも後できつく叱っておかなきゃな…」

○○(……もう一度長門の家へ行ってみるか)

古泉「何しておられるんですか?こんな所で…」

○○「……」ゾクッ

○○「…古泉…」

古泉「突如消えたかと思えば、当たり前のように涼宮さん宅を訪れるとは………ハハ、知能は低いように御見受けいたします………お前、一体目的はなんだ」ギロッ

○○(しまったー!!)

○○「………古泉、あんまり人を舐めるのもいいかげんにしろよ……お前、誰にそんな口聞いてると思ってるんだ?」

古泉「はは!やる気満々といったところでしょうか?いいでしょう、僕がお相手致しましょう」

○○「俺はもう本物だって分かったんだ!!!てめーになんかゲームだって喧嘩だって負ける気なんてさらさらしねーよ!!!うをぉーー!!」


・・
・・・
○○(また捕まってしまった……)

423 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 18:26:11.12 ID:OuYFE9JK0

○○「クソっ!うかつだったぜ……すっかり気が緩んでハルヒんちそのまま行っちまうとは…」

○○(せっかく先に進めったってのに…全部おじゃんだ…)

○○(すまんねぇ…ハルヒ…かどうか分からないが、紙の人……!)

○○「もう、今度こそ本当に駄目だろうな…そんな気がする…」

○○「一体全体なんだってんだよ!!!もう!クソっ!古泉の野郎覚えてやがれ!!!!!隙あらばぶん殴ってやる!!!!」

バタン…

○○「紙の人…いや、ハルヒは大丈夫だろうか…?」

○○「心配だ……一体どうすれば……」


・・
・・・

○○「……ハッ!まさか!?」キョロキョロ!?

○○「…助かった…!!何だ、やっぱりまだ余裕があったのか…?ハハ…」

くしゃ

○○「お、」

『涼宮さんはもうこの世界には来れないようだから、ここからは僕が君を助けることにした。でもいつバレるかは分からない。成功は君次第だ。僕が今知ってるすべての情報は全部書いておくよ。
敵は恐らく広域帯宇宙存在。敵の目的は涼宮さんの力、およびその存在。団員は涼宮さんと君以外にも偽物がいるらしい。解決策は不明。時間がない。急いで。幸運を祈る』

432 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 18:43:00.94 ID:OuYFE9JK0

○○(……誰だよ僕って、名前くらい書けよな…)

○○「それより、やっぱり今までの手紙はハルヒからだったのか。『敵は恐らく広域帯宇宙存在。敵の目的は涼宮さんの力、およびその存在。団員は涼宮さんと君以外にも偽物がいるらしい』」

○○「……マジかよ!?またあいつらの仕業だったのか…!クソっ!何で内輪の事ばかりで、外の敵の事まで考えなかったんだ!?俺!アホ!!」

○○「最近何もしてこないと思ったら、とんだビッグな仕掛けをプレゼントしてくれたもんだぜ…」

○○(それに一番やっかいそうなのがこれだ……『団員は涼宮さんと君以外にも偽物がいるらしい』……)

○○「古泉だな、うん、そうだ絶対古泉だ」

○○(…誰か今喋ったような…?気のせいか。この情報が本当だとしたら……あのハルヒは偽物ってことか?全くそうは見えんかったが…。しかも他にもいるって……誰なんだ!?偽物は!?)

○○(ちくしょう!団員は信じるってさっき誓ったばっかだってのによっ!!偽物を探さなくちゃいけないってことなのかやっぱり…?)

○○「待てよ、他にも偽物がいるってことは、ハルヒは今恐らく逃げてるんだろ?俺はここにいる。じゃあ他の本物は…?」

○○(……確かに急いだ方が良さそうだな…)

○○「全員偽物だったなんてオチはやめてくれよホントに…」



450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 19:05:29.02 ID:OuYFE9JK0

○○(で、やっぱり初めからな訳ね…)

○○「だが、今回の俺は一味違う。すでに何度かのコンティニューを経てかなりの情報を得た。待ってろよみんな。今回ばかりは俺が一肌脱いで助けてやるからな…」

○○(さて、まず何をしようか…俺とハルヒは偽物確実なんだよな。しかし偽物と分かっても何をどうしろってんだ。『解決策は不明』…誰かは知らんがそこが一番大事だろ)

○○「過去…(といってももう存在しない過去だが)の三人の言動は……古泉は機関の一員として未確認変質者の俺を捕えようとし、俺をボコボコにした…。そういえば古泉の言葉使い豹変してたな…。敵に対してはいつもああなのだろうか…?)

○○(朝比奈さんは、いつも通りこの緊急事態にオロオロしてたな…。怪しい言動といえば………あ、そういえば紙を見せた後通信してたな…何を話していたのだろうか…?それに長門の『信じないで』…)

○○(そしてその長門は、俺の正体に気付いていなかった。気付けなかったのか?それとも…気付いてないふりを…?朝比奈さんも『おかしい』と言ってたな…)

○○「……すまんみんな!!疑いたくはないんだが…偽物がいるって言われてしまった以上、疑わないわけにはいかないんだ…!!!それにしてもみんな怪しくもあるし怪しくないようにも感じる…」

○○(わからんっ!!どこから手を付ければいいんだ!?ハルヒ!!大丈夫なのかお前は…!!!)

○○(ん…?ハルヒ…?そういえばあいつは俺に何をさせたかったんだろうか…。機関から解放してまで俺に何を…?『有希を助けて』とは言っていたが……。ん!?!?『有希を助けて』!?有 希 を 助 け て … ?)

○○「……ほんっとうにバカだな俺は!!!見つけたぞ偽物!!」

483 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 19:48:26.02 ID:OuYFE9JK0

○○(あの長門は偽物だったのか…確かに様子が少しは変かな?くらいには今となっては思えるが、どっからどう見ても長門だったがなあいつは…)

○○(いや、騙されちゃいけん。俺やハルヒだって瓜二つじゃなか)

○○「他の二人はどうなんだろうか…」

○○「……駄目だ、もう考えたって何も出てこん。当面あの三人に絞っていくか…」

○○「せめて、古泉はいてくれれば頼もしんだがな……許してはないが」

………

○○(今までの流れからして、まともに接触できるのはやっぱ長門だけだな。いままでと同じ手順で行ってみるか…。まずは何をするんだっけ…?あ、そうか交番だ。交番で朝比奈さんに電話だ。朝比奈さんとの接触は怖いがこれしかないからしかたないな…)

………

みくる「『涼宮さんはもうこの世界には来れないようだから、ここからは僕が君を助けることにした。でもいつバレるかは分からない。成功は君次第だ。僕が今知ってるすべての情報は全部書いておくよ。
敵は恐らく広域帯宇宙存在。敵の目的は涼宮さんの力、およびその存在。団員は涼宮さんと君以外にも偽物がいるらしい。解決策は不明。時間がない。急いで。幸運を祈る』…なんですかこれ…?」

キョン「裏も見てください」

みくる「裏?」

キョン(いけるか?)

みくる「!!」

キョン(よし、大丈夫そうだ)

488 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 19:56:13.05 ID:OuYFE9JK0

・・・・・・・・・・・・・

長門「彼は駄目。入らせない…」

みくる「これ見てくださいっ!」

スッ…

長門「…」クシャ

長門「…入って」

みくる「ほっ…」

○○「朝比奈さん、ここは俺一人に任せてもらえますか?ここまでで結構ですので」

みくる「…え?そ、そんな訳にはいきませんよ!困りますぅ!」

○○「本当にすみません。事情は後で話します。ここは俺に任せてください」

みくる「で、でもぉ…」

バタン!

みくる「あ…」

498 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 20:11:33.92 ID:OuYFE9JK0

長門「…なぜ、一人で?」

○○「……いつまでも小芝居続けてるんじゃねーぞ!もうネタはあがってるんだよ!この偽物野郎が!!」ガンッ!

長門「……壊さないで」

○○「こっちはな、度重なるコンティニューでもうすべて分かってるんだ!お前やハルヒや俺の顔してる奴が偽物だってことがな!」

○○「さぁ、吐いてもらおうか、お前等の親玉……いやどうすればこれは直る?全部吐け。でないと止む終えないが実力行使に徹する」

長門「…あなたは先ほどの紙に書かれていた団員内の偽物を私だと思っているようだが、それは全くの的外れ。少なくとも私ではない」

○○「はっ!…お前じゃなきゃ一体誰だっていうんだ!?」

長門「朝比奈みくるの近頃の生態反応がおかしい。解読不能なジャンク情報が混じっている。一番確率的に怪しいのは彼女」

○○「……じゃあお前が怪しい確率はどれくらいなんだよ」

長門「0」

○○「ふざけるな!!!」ガシッ!

長門「…やめて」

○○「さぁ、言え!知っていることを全部話せ!!ハルヒ達はどこにいる!?」

長門「…分からない」

バキッ!!

505 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 20:22:05.75 ID:OuYFE9JK0

○○(つぅ……!!!)

長門「やめて…それ以上私に危害を加えると防御反応が抑えきれない…」

○○(…てめー!!!いつまでも長門の皮かぶってるんじゃねー!!うをおおおーーー!!!!!)

長門「---------」

○○「うっ!……体が…うご、か……何でてめーがこんなこと…出来るんだっ…!!!」

長門「……原因は私が付きとめる。あなたは……古泉樹の所属する機関で安全に保護されている方が良い…」

○○「え…?いや、それはマジで…勘弁し……!!アッー!!」


・・
・・・

○○(………………また捕まってしまった…)

522 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 20:40:32.13 ID:OuYFE9JK0

○○「………」

○○(そういえば、監視の目を背かせてる時点で長門の能力を使ってるじゃないか…。俺はてっきり偽物だから力を使えないものばかりと思っていたから力で何とかなるかと…)

○○(しかし、なぜ偽物が長門と同じように力を使えてるんだ?……)

○○「俺が、長門の能力に勝てるわけねーじゃん」

○○「はぁ…」

○○(……「僕」君、まだ…まだ、大丈夫だよな…?)

○○「ぐぅー」


・・
・・・

○○「…ハッ!?…よし、やるじゃないか「僕」君!!お前は一体何者何だ!?」

くしゃ…

『キョン、君はつくづく間抜けだね。敵に丸腰で挑んでどうするつもりだい?もうちょっと作戦でも立ててから行こうよ。僕だって今身を潜めなきゃいけない身だから大変なんだ。でも、長門さんが偽物だって気付いたことはお手柄だったよ。
君の助けになれるかもしれない。今××町の××橋まできてくれ。待っている』

○○(なんだこの人をおちょくったような文章は…しかし、どこかで聞いたことあるような口調だな…)

532 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 20:54:10.41 ID:OuYFE9JK0

○○(見付からないように行かんとな…)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

○○「××橋…あれか…」

タッ!

○○(誰もいないじゃないか……待ってろってことか…?)

○○「……」(見付からないだろうな…?)

??「キョン!」

○○「うをぉ!?!な、な、生首!!!」

??「何らしくない反応してるんだい?早く見付かる前に入って!」

○○「さ、佐々木!?え!?え!?」

佐々木「ほら、早く」グイッ

○○「うわっ!」ズテン!

○○「つっ……え?ここは……?」

佐々木「僕特製の…あれ?何だっけ…?あ、そうそう閉鎖空間だ。ここは僕特製の閉鎖空間の中だよ」

543 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 21:08:57.91 ID:OuYFE9JK0

○○「閉鎖空間…?手紙の主はお前だったのか、佐々木」

佐々木「あれ?分かってなかったのかい?君の事だから名乗らずとも分かってくれると思っていたんだが」

○○「文章だけで、特定できるか」

佐々木「少々君のこと買い被り過ぎていたようだね……くつくつ……それにしてもキョン、何だい、その容姿は。とてもじゃないがかっこいいとは言えないよ……くつくつ…」

○○「俺だって好きでこんな顔になってるわけじゃねーっつーの」

佐々木「…くつくつ」

○○「笑いすぎだ」

佐々木「……失礼…くつくつ」

○○「…で、どういうことだこれは?何でお前が閉鎖空間の中にいる」

佐々木「逃げてるからさ」

○○「何から?」

佐々木「僕を必要としてる人達から」

○○「…あの、紙に書いてあった広域帯宇宙存在とかいう長門の親玉とはまた別の宇宙の生命体ってやつか?」

佐々木「そう。僕も君に話したことしかしらないが、どうやらとうとう全力で動き出したらしい。……君の団長様の力を奪うためにね…」

○○「……で、お前が逃げている理由は…?」

564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 21:56:10.21 ID:OuYFE9JK0

佐々木「そんなの決まっているじゃないか。僕は神になど全くもってなる気はないんだ。それに…」
○○「それに…?」

佐々木「……涼宮さんを消してまで、神になろうなどと思うはずがない!」

○○「奴らは……奪うだけじゃなくハルヒそのものを消し去ろうとしてるってことか…?」

佐々木「…うん…残念ながらね」

○○「……ハルヒとお前、両方揃って奴らの目的は達成ってことか…で、その肝心のハルヒは今どこにいるんだ!?この世界にもうこれなくなっちゃったとか言っていたが、どういうことだ!?あと偽物のことも!なぜあの長門が偽物なら長門の力を使えたんだ!?」

佐々木「時間がないから、作業しながら説明するよ。いいかい?」

○○「…?あ、ああ。続けてくれ」

佐々木「とりあえず、君たちの偽物のことについては良く分らないから、説明はできない。けど涼宮さん達のことに関してなら知っている。……彼女たちは今、時空・次元を股にかけて壮絶な鬼ごっこをしているんだ」

○○「鬼ごっこ!?達って…ハルヒだけじゃないのか?!」

佐々木「天蓋領域によって送り込まれたインターフェース、僕を取り囲んでいた未来人の一派、怪しげな機関の構成員達……君ももちろん知っているよね?彼らが総出で彼女たちを追っている。
そりゃもう酷いものだよ。時間の流れなんて全く無視、生じた時間断層の歪みなど全く無視。彼らはこの世界の崩壊などお構いなしに、血眼になって彼女達を追っている。もう彼らも引けない所まで来てしまっているのだよ」

○○「…よく分からんが…世界が崩壊したらそいつらだって困るんじゃないのか!?」

佐々木「彼らはもう一つのことしか考えていないのだよ、キョン。『神の力さえ手に入れれば後の事は何とかなる』ってね…」

○○「……達っていうのは、誰が一緒に逃げてるんだ…?」

佐々木「……長門さんだよ…。彼女がいち早く危険を察知し、どのようにしたかはわからないが、別の次元に涼宮さんを連れて逃げたようだね…。僕は、彼女を尊敬するよ。
涼宮さんを庇いながらずっと追っ手と抗戦し続けていた…。僕が最後に見た時には片手で涼宮さんを担ぎながら、もう片方で応戦していた…ボロボロだったよ、彼女は…」

582 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 22:20:58.95 ID:OuYFE9JK0

○○「長門が……?」

佐々木「……キョン、気持ちは分かるが今は落ち着こう。彼女達を助けられるのは僕達しかいないんだ」

○○「……クソっ!なぁ、佐々木!じゃあ、」

佐々木「おっと、今は時間がない。お喋りはここまでにしよう。今は何よりも先に彼女達を助けることが最優先だろ?準備は整ったよ」

○○「…さっきから何していたんだ?」

佐々木「時間がないとは言ったものの、キョン…その容姿じゃ彼女達に合わせる顔がないね……しょうがない……はい!」

キョン「え?な、何だよいきなり…はい!って何だ?」

佐々木「←見てごらん」

キョン「え?←……」

キョン「……キョンに…なってる……」

佐々木「うん、やっぱりそっちの方が断然男前だね…くつくつ…」

キョン「キョンになってる…きょ、きょ、きょ、キョンになってる…」

佐々木「そんなに嬉しいのかい?」

キョン「俺の顔ばんざーい!!!!!」

595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 22:35:01.36 ID:OuYFE9JK0

キョン「お前、なぜこんなことできるんだ!?」

佐々木「一応…少なからずも力は持っているようだからね。力を多少なりとも操れるようにしてみたんだ。この閉鎖空間だって自分の意思で造ったんだよ?
どうやらこの力は深層心理に深く関わっていることが分かった。これは憶測だけど、おそらく涼宮さんも自分の力を自覚し、多少操れるようになっているんじゃないのかな?そう考えると辻褄が合うんだ」

キョン「俺の顔…戻ってきた…」

佐々木「…質問したなら、最後まで聞こうよ、キョン」

キョン「で、何の準備が整ったっていうんだ?」

佐々木「……」

佐々木「涼宮さんからの手紙に書いてあった英数字の羅列思い出せるかい、キョン」

キョン「……すまん、思い出せん」

佐々木「そうか……」

キョン「ま、まさかあれを思い出さないとまずいのか?!」

佐々木「…」

キョン「ちょ、ちょっと待て、今思い出すから!えーと…」

佐々木「……くつくつくつ」

キョン「何笑ってるんだ」



604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 22:49:49.13 ID:OuYFE9JK0

佐々木「仕返しさ。大丈夫、僕がちゃんと覚えているよ。君達のやり取りは見ていたからね」

キョン「…こんな時にふざけてる場合か?」

佐々木「お互い様さ」

キョン「…で、その文字列が何だって言うんだ?」

佐々木「あれは、次元座標を表しているんだ」

キョン「次元座標…?」

佐々木「おそらくそこに閉鎖空間があるのだろう。涼宮さんが自ら造ったのか、長門さんが造らせたのかは分からないが、そのを最後の砦として彼女達は身を潜めているはず」

キョン「そこに、ハルヒ達がいるんだな…?」

佐々木「確証はないが確信はある」

キョン「…そうか。で、どうやって救出するんだ」

佐々木「この閉鎖空間の位置を伝える」

キョン「…?よく分からないが、それで追っ手に見付からずに救出できるんだな!?」

佐々木「いや、それは分からないよ、キョン。今はこちらの閉鎖空間もあちらの閉鎖空間も位相を捻じ曲げて、普通にしてたら発見されないような状態になっているんだ」

キョン「?」

佐々木「でも、こちらから情報を送るにあたって、どうしても隠し通すには無理が生じてくる。つまりいつ見付かってもおかしくない状態になってしまうんだよ」

616 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 23:05:00.94 ID:OuYFE9JK0

キョン「…つまり、見付かるか見付からないかはやってみないと分からないってことか?」

佐々木「そういうことだね」

キョン「最初からこうしなかったのは、危険が伴うからだったのか?」

佐々木「違うよ。そこは君のお手柄さ。長門さんが偽物と見抜いてくれたからね。万が一にでも涼宮さんと一緒にいる長門さんが偽物だとしたら、僕も涼宮さんも同時に
捕まってしまうからね…その可能性はないと思ってはいたけど、万が一のことを考えて実行できなかったんだ」

キョン「そうか」

佐々木「こちらの信号を感知するのも、おそらくまだ涼宮さんにはできないんだろから。どちらにしろ、本物の長門さんにいてもらわなくてはこの作戦は実行できないんだ」

佐々木「…心の準備はいいかい?キョン。もしかしたら敵も付いてくるかもしれないからね…」

キョン「ああ、いつでもこい」(とは言っても、敵が来たら勝てないだろ…俺…頼む!成功してくれ!!)

佐々木「いい?送るよ…?長門さん……お願い!!」

629 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 23:18:30.80 ID:OuYFE9JK0

佐々木「ーーーーーーーーーーーー」

キョン(………頼む、無事でいてくれよ二人とも…!!)

佐々木「−−−−−−−−−−−−」

キョン(…・…まだか!?)

佐々木「−−−−−−−−−−−−」

キョン「……お、おい佐々木まだこな、」

佐々木「…………きた…!!長門さんだ!!それに…涼宮さんも!!!」

佐々木「……くるっ!!!」

ヒュッ!……ドサッドサッ!!

佐々木「っつ……長門さん!!分析を!!!」

長門「追ってはいない。感知された形跡なし。安全圏内までの収縮を確認…」

佐々木「ふぅ…どうやらうまくいったみたいですね…」

ハルヒ「…いったー……な、何が起こったのよ一体…」

キョン「……!!!は、ハルヒ!!!!!!」

650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 23:42:31.98 ID:OuYFE9JK0

ハルヒ「ん…キョン!?え…?何でキョンがいるの…?え…?ここどこ?!」

キョン「ハルヒ…ハルヒー!!!!」

ハルヒ「キョン…キョン!!キョーーン!!!バカーーーーーー!!!!!!」

バキッ!

キョン「うべしっ!!」

ハルヒ「あんた何であたしが助けてあげてるのに何度も何度も捕まってるのよこのアホー!!!」

キョン「…すみません…」

ハルヒ「有希を見てみなさい!…あたしなんかの為に、こんなにボロボロになるまで戦ってくれて…うぅ…本当にごめんね、有希…」

長門「…問題ない…」

ハルヒ「もしかしてあたし達助かったの…?」

長門「そう…彼のおかげ。褒めるべき…」

ハルヒ「キョン…ま、あたしは信じてたけどね…。キョンなら何だかんだいって助けてくれるって…。い、一応お礼言っておくわね……ありがとう…」

キョン「…ああ。無事でなによりだよ。ハルヒ…。良かった…。それに長門も…ありがとな。ハルヒを守ってくれて」

ハルヒ「キョン……」

775 名前: ◆O02l7pjP7w [] 投稿日:2009/06/30(火) 10:28:25.45 ID:JrkTCSAOO

古泉「なぜ、僕が殴られたのでしょうか…?」

キョン「今はそんなことどうでもいい。どうやってここが分かったんだ?」

古泉「…いえ、それが自分でも良く分からないのですが、たしか逃げたあなたの偽物を追っていたら
いつの間にか閉鎖空間の中に入っていたとしか…」

長門「おそらく涼宮ハルヒの力…」

ハルヒ「あ、あたし!?うーん…やっぱりうまくコントロールできないわねー…出来ないと思ってたらいつの間にか成功してるなんて」
古泉「……何でしょう、この状況は。やはり僕は夢を見てるのでしょうか」

キョン「俺だって夢であって欲しいさ。ハルヒ、古泉、聞いてくれ。知っていることをすべて話す…」

785 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 11:01:37.27 ID:JrkTCSAOO

キョン(とりあえず、追われていることと偽物の話をしておくか…)

・・・・・・・

古泉「……そうですか、そのようなことが起きていたとは…しかし、それより待って下さい、…す、涼宮さんが当たり前の様に聞いておられるのですが……?僕の今一番の問題はそこです」

ハルヒ「何よ古泉君。あたしが聞いちゃいけないってわけ?」

キョン「……俺もそのことについて聞きたい。ハルヒ、お前はもう……全てを知っているのか…?」

ハルヒ「もちろんよ、有希から全部聞いたわ!謎の黒い組織が世界制服を目論んでとうとう動き出したんでしょ?!」

キョン「……へ?」

ハルヒ「しかしそれと同時に我が団員達も謎の力に目覚めた……いまだに信じられないけど、これだけのことを目の当たりにしてきたらもう信じるしかないわ」

ハルヒ「しかし我がSOS団を世界救出のために選ぶなんて……誰だか知らないけどそいつも分かってるわ!」

ハルヒ「やられてばっかじゃ腹の虫が収まらない!有希の仇も取らないとね。みんなで世界を救いましょ!…で、何でキョンのお友達がいるわけ?」

キョン「ハハ…」(どうやら長門がうまく誤魔化したようだな…それでいいのかは気になるところだが)

古泉「……ふむ」

797 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 11:34:56.65 ID:JrkTCSAOO

キョン(古泉なら…もう状況理解したよな?とにかくだまし通せってことでいいんだな?長門…)

長門「……」

キョン「あー佐々木はな……なぜだか分からんがこいつもその謎の力ってやつに目覚めちまったらしい。だからこいつも俺達の仲間だ」

ハルヒ「団員でもないのになんでよ」

キョン「知らん」

佐々木「そういう訳だから、よろしくね涼宮さん」ニコッ

ハルヒ「……うん…しょうがないわね……分かったわ」

佐々木「よかった。じゃああたしからも教えてもらいたいことが長門さんに二つあります。まずあの偽物は何ですか?」

キョン「俺も知りたい」

長門「……」

キョン(ん……?何だその何かを訴えかけるような目は…。……そうか、団長様に聞かれちゃマズいってことなのか…?)

キョン「佐々木、もう一つの質問ってのは何だ?」

佐々木「…?……もう一つは、どうすれば悪の組織を倒せるか教えもらいたい…」

802 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 12:14:16.63 ID:JrkTCSAOO

長門「…考えうる事案はあるが、成功確率およびそれによる影響は共に未知数…」

佐々木「考えられるのがそれしかないのなら、構いません。話してください」

長門「…あなたもしくは涼宮ハルヒの力をどちらか一方にすべて集約する。これによって力は完全なものになり、広域たい、……悪の組織の親玉の力を上回るのではないかと予想される」

古泉「なるほど、しかしどちらにどちらの力を集めるのでしょう…?場合によっては僕も口を挟まずにはいられません」

ハルヒ「……?ね、ねぇどういうこ、」

佐々木「何だ……そんなことでいいんだ……。だったらもちろん私の力を涼宮さんに渡すよ。
私の力は元々涼宮さんのものより小さいらしいから、涼宮さんの大きな力がいきなり入ってきたら抑えられるかわからない……それに」

長門「…」

佐々木「長門さんも、そうしろって顔してるしねっ」ニコッ

長門「…その方が望ましい……力を移動するにあたっても、コントロールできているあなたの方が良い…」

佐々木「…で、どのように行えばいいんですか?」

長門「いつもと同じ…」

長門「『そう』、願うだけでいい…」

809 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 12:43:56.89 ID:JrkTCSAOO

・・・・・・・・

キョン(それからの事を話そうと思う……。かくして、我らが団長様こと涼宮ハルヒはそれはもう殺人的なパワーを手に入れ、襲い掛かる脅威をバッタバッタと端から薙ぎ倒していった…)

キョン「つまり、作戦は見事大成功だったと言うわけだ………それに関しては」

キョン(………だが、俺は成功だったとは、とても思えない…)

キョン(すべての事が終わった後、長門は俺と古泉に教えてくれた…どうでもよかったんだがな、そんなこと…)

・・・・・


823 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 13:04:10.31 ID:JrkTCSAOO

長門「敵が今まで手出ししてこなかったのは、この私達の偽物の完成を待っていたためと思われる…」

キョン「……?分からないことがいくつかあるんだが、…あいつらまるで本物みたいだったぞ?それに偽長門はお前みたいな力まで使っていた」

長門「…ある意味では本物と言える…。彼等は細胞レベルまで私達と同じ。日々の生活で少しずつパーソナルデータを解析・複製されていたと思われる」

キョン「お前なら、気付けたんじゃないのか?」

長門「方法は未だに不明だが、結果としては不可能だった…。敵はおそらくこのことに全勢力を集中させていたと予想される…」

キョン「…もう一人の俺達を作って、どうしようとするつもりだったんだ?奴等はハルヒの力が目的なんだろ…?」

827 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 13:37:58.15 ID:JrkTCSAOO

キョン(聞きながら俺は、別にどうでもいいと思っていた……今となっては特に知りたくもない……)

キョン(そう思いながら、あの時のことを思い出していた………ハルヒは確かに、泣きながら、笑っていた…ように見えた……)

キョン「………」

長門「もちろん、そう。彼等は涼宮ハルヒと姿や中身までも全く同じ人間を作り、本物とすり替え、涼宮ハルヒを拉致しようとした」

キョン「そんな子供だまし……例え俺達が騙されたとしても、お前やお前の親玉はすぐ気付くだろう…?」

長門「おそらく…だから私の偽物も作られたのだと思う…」

キョン「……?ま、待てよく分からん。長門が偽物になったらなおさらお前の親玉気付くんじゃないのか?」

長門「……結果として不可能だった…。相手も同様に思念体。全く同じ様にインターフェースが造られたと思われる…」

キョン「さっきから同じ同じいってるが…じゃあもしかして奴等は…」

長門「私達そのもの。彼らは自分が偽物だとは微塵も思ってない。思考、行動もすべて同じ。敵の息がかかってる点は除いて…」

832 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 13:54:54.33 ID:JrkTCSAOO

キョン「何か、怖いなそれ……」

長門「もう済んだこと…」

キョン「……ん?じゃあ何で敵は俺の偽物まで作ったんだ…?」

長門「……決まっている。あなたが最重要人物だから」

キョン(っつわれてもな…)「ハルヒを拉致しようとしてるのは分かったが、じゃあ俺やお前はどうなるハズだったんだ?まさか敵がわざわざ不細工にして野放しにしたとは思えん」

長門「…もちろん、完全抹殺」

キョン「……だろうな…」

キョン「誰なんだ?わざわざ不細工にして助けてくれたとても親切なお方は。……もしかして長門か?」

長門「違う。それは私達が逃げる事ができたことに関係してくる…」

839 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 14:15:52.19 ID:JrkTCSAOO

・・・・・・・

キョン「佐々木、佐々木!!しっかりしろ!おい!」
古泉「……」

キョン「古泉!病院まで運ぶぞ!手伝え!」

古泉「……」

長門「もう、彼女は手遅れ……」

キョン「……何言ってんだよ!長門!」

長門「……こうなってしまうのは仕方ないこと…」

キョン「お前……!分かってて佐々木にあんなこと言ったのか!?」

長門「…」

キョン「おい…長門!」

長門「彼少し違う…。彼女も分かっていた…」

・・・・・・・・

長門「涼宮ハルヒが敵の接近に気付いた……そしてそれと同時に本人の自意識的な力の制御が行えるようになった……」

845 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 14:47:15.59 ID:JrkTCSAOO

キョン「どういうことだ?」

長門「何が直接的な起因となったかは分からないが、敵の侵攻により涼宮ハルヒの力が反応し、私に伝えてきた」

長門「…よって私は間一髪のところで、彼女を連れて別次元へ逃げ出せた…」

長門「その逃げる刹那、あなたにも危険が及ぶと分かった彼女はあなたを全くの別人に変えた………」

・・・・・・・・

キョン「佐々木は、分かってたのか……?」

長門「…そう。分かってて名乗り出た」

キョン「……クソッ!こんなことになるって分かってたら絶対こんなことさせなかったのに……」

ハルヒ「キョン…」

キョン「ハルヒ……?」

ハルヒ「古泉君と有希も…」

849 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 15:02:13.81 ID:JrkTCSAOO

長門「…」

古泉「……?」

キョン「…ハルヒ、お前は大丈夫なのか…?」

ハルヒ「みくるちゃんもいなきゃね……ここによびましょ…」

スッ…

みくる「!?……へ?え!?……ど、どこですかここ!?え?!何でみなさんいるんですか!?」

ハルヒ「これで全員ねっ…!…はぁー…まさか、あたし一人だけ抜け者にされてたんて思いもしなかったわ。ね、
宇宙人ちゃんに未来人ちゃんに、超能力者君に………ただのしがない一般人君」

キョン「へ!?」

古泉「なっ…!」

みくる「ひっ!?」

長門「…」

853 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 15:27:16.74 ID:JrkTCSAOO

キョン(確かにあの時は度肝を抜いた…。本当に『完全』になっちまったんだな…)

キョン(ハルヒは俺達の驚く顔を見て満足したのか、「フフ…」と微笑し、「佐々木さんの意思はあたしが受け継ぐ…後のことは全部あたしにまかせて…」と、言ってヒラヒラとどこかへ飛んでいってしまった…)

キョン(……その目からは、確かに涙がこぼれているように見えた…)

・・・・・・・

キョン「それでか…じゃあ何度もループさせて俺を助けてくれたのは…?」

長門「私の指示で涼宮ハルヒにそうさせた…。この世界に戻るのはとても危険が伴ったが、私達を助けられるのはあなたしかいなかったから…」

キョン「……ハルヒは今、どこにいるんだ……?」

長門「…分からない」

862 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 16:05:48.27 ID:JrkTCSAOO

キョン(その後はさっき言った通りだ……ハルヒは完全なる神となり、すべての脅威を消し去り、すべて元通りにしてしまった…)

キョン(人を一人も殺さなかったのはあいつらしいな。人成らぬ者はどうなったかは知らない。長門にも分からないそうだ…)

キョン(そして、それ以降ハルヒの姿は誰も見ていない。何も言わずに俺達の前から消えてしまった。そう、本当に『何もなかった』ように…)

キョン(他の団員がいなくなるのにも、そう時間は掛からなかった。一人、また一人といつの間にか消えていた。俺に何も言わずに…)

キョン「せめて一言くらい声かけていきやがれ…ちくしょう…」

キョン(ハルヒよ……。本当にこれでよかったのか…?これがお前が望んだ結末なのか…?)

キョン(もしそうならお前は本当に酷い奴だな)

キョン「俺一人だけにさせやがって…」

キョン「こんな未来は、俺は望んでないぞ…!」

863 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 16:10:13.05 ID:JrkTCSAOO


・・
・・・

キョン「……はっ!?ここは……?」

くしゃ…

キョン「……」

『逃げて』

キョン「……分かってるじゃないか、ハルヒ。ああ、いいだろう。俺が見付けてやるよ!誰もいなくならない未来をな!」

ループは終わらない…







おわり


903 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 16:51:16.04 ID:JrkTCSAOO

やっと終わった…なんと無駄な時間を過ごしてしまったのだろうか…



ツイート

メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:ハルヒがクリスマスに不満のようです