みくる「ひ、ひとごろしぃ〜」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 20:33:50.28 ID:SGruR13J0

保守して頂いてたのに消えてしまい
申し訳ないでござる
自己満足で投下するので
良ければ付き合ってくだしあ><


3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 20:41:12.75 ID:SGruR13J0

その日、俺は無性に腹が立っていた
理由は・・いうまでも無くハルヒのせいだ
思い出すとまた腹が立ってくるから
理由は言わないでおくが
とりあえずそうとだけ思っておいてくれ

そんな日に、聞きたくも無い話を聞いてしまった
やれやれ、とことんついてないな

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 20:49:33.14 ID:SGruR13J0

いつものように、部室に入ろうとして時のことだった

「涼屋さんのせいで、不幸になる人の数は、
 すでに機関がカバーできる限界を超えています」

古泉の声・・・?
何の話だ

「残念ながら私達は協力できない」

長門・・・?
二人で何の話だ?

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 20:53:54.51 ID:SGruR13J0

「そうですよね・・・無理言ってしまいすみません」

「こちらこそ、申し訳ないと思う」

ハルヒのせいで不幸・・・?

「おい、何の話だ?」

「お、おや・・・急にどうしたんですか?」

急に話をそらしたな
俺に聞かれたらまずい話なのか?

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 20:58:02.54 ID:SGruR13J0

「ハルヒのせいで不幸になっている人が居る
 見たいな事が聞こえた気がしたが?気のせいか?」

あの長門が気まずそうな顔をしている
・・・といっても俺にしか読み取れないくらいの変化だが
だが、まぁ、これは相当聞かれたくなかった話なんだろう
もしかすると、これは聞かないほうが良いのかもしれん

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 21:07:11.79 ID:SGruR13J0

「そろそろ彼も知るべき」

いや、やっぱり遠慮させてもらう
知らぬが仏っていう昔の偉い人の言葉が有るくらいだ
俺の感は間違いないだろう?
なぁ?長門?

「そうですね・・・いままで黙っていてすみません
 これはショックの大きい話なので、落ち着いて聞いてくださいね」

ならこれからも黙っていて貰いたい物だ

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 21:14:38.72 ID:SGruR13J0

「おい、俺は知りたくない。巻き込まれたくないんだ
 悪いが、お前達で解決してもらいたい。」

お前達には申し訳ないが、これが本心だ

「涼宮ハルヒの存在すら知らない人々が
 彼女による被害を受けている。貴方はそれでも聞かないでいられる?」

やれやれ、流石長門だ
良心に訴えかけてくる。
そして、俺はそれに弱い・・・つくづくそんな性格だよな

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 21:20:53.33 ID:SGruR13J0

「分かった。だが聞くだけで、何もできんからな」

「良い、聞いて」

ははっ、前にもこんなことが有ったな

「先ほど涼宮さんのせいで不幸になっている人が居る
 と言う話をしましたね?」

「あぁ」

「」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 21:27:48.69 ID:SGruR13J0

「この世界はバランスによって保たれています
 涼宮ハルヒは、バランスを崩すイレギュラーな存在
 しかし我々は・・・どうする事もできない」

まぁあいつは、お前らにとって神みたいなものだからな

「そこで、何か他の力が動きこの世のバランスを保っている
 すると・・・何が起こるか想像できますね?」

「まさか・・!!それで不孝になっている人が」

「えぇ、ご名答です」

なんだって・・・

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 21:34:08.72 ID:SGruR13J0

俺達が今こうして、普通ではないものの
十分楽しいスクールライフを送れているのは
ハルヒのおかげ

そしてそれは

他の誰かの不幸の上に成り立っている幸せ

「涼宮ハルヒの不幸を肩代わりする人間は
 彼女から遠い存在が選ばれていました
 これは、彼女の潜在的意識からの事象かとおもいます」


14 名前: ◆Q.T5JJMkYQ [] 投稿日:2009/05/26(火) 21:41:44.10 ID:SGruR13J0

ここからは、携帯で書き込みます
見てくださってる方、ありがてぇです

19 名前: ◆Q.T5JJMkYQ [] 投稿日:2009/05/26(火) 21:53:37.11 ID:WY5Vg2rYO

「そんな・・・」

たしかに、考えられない話ではない
だが・・・もう少しなんとかならんものなのか

「その不幸の肩代わりの対象となる人も、段々増えてきた。
つまり涼宮ハルヒは、以前より多くを望むようになって来ている、という事。
そしてついに、国内にも対象者が現れた。」

「これは、恐るべき事態です。
涼宮さんの近くで有っても、不幸が起きる可能性が出てきたという事ですから。」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 22:01:56.22 ID:WY5Vg2rYO

「その様な方々、つまり、涼宮さんの望みによる被害者の方々には
 機関が出来る限りサポートをさせて頂いてます。
 勿論、気づかれない範囲での話ですが
 しかし、それにも限界が生じてきました
 さて、どうしたものでしょう・・・というのが、先ほど僕達がしていた話です。
 お分かりいただけましたか?」

「あぁ」

こんな話、出来ることなら知らないでいたかったがな

「そろそろ涼宮ハルヒが来る。
 できるだけ自然にして。彼女の望みが、増えることの無いように」

俺達はどれだけアイツに振り回されなきゃいけないんだ

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 22:12:14.37 ID:WY5Vg2rYO

「おっはよ〜!今日はみくるちゃんの新しい衣装を用意してきたのよ!
 ってみくるちゃんは?居ないの?」

お前のせいで人が頭を悩ませているっていうのに、暢気な奴だな

「えぇ・・・残念ですが。今日は用事があると言って先に帰られましたよ」

「な〜んだ、つまんないわね」





それきりハルヒは不機嫌になってしまい
今日の部活が終わった


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 22:15:32.87 ID:WY5Vg2rYO

「ただいま」








なんだ、静かだな。
妹は遊びに行ってるのか?
古泉達からあんな話を聞かされたせいで
大したこと無いのに、不安になってしまう
大丈夫…だよな?

それにしてもまったく、腹が減って仕方ない
冷蔵庫に何か入っていると良いが

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 22:21:12.34 ID:WY5Vg2rYO

「なんだ、何もないな」

妹が帰って居ないなら、プリンが有ると思ったが…
昨日プリンが残ってる様に見えたたのは、気のせいだったか
やれやれ、お袋が帰ってくるまで待たなきゃならんとは



ん?



なんだ?今一瞬おかしな気がしたが

キッチンを見回しても、スプーンが1つ置いてあるだけだ

あんな話を聞いたばかりで、気が立っているだけだろう。

念のため、部屋に戻る前に玄関を見回したが
いつも通り靴が置いてあるだけだった

25 名前:正直まだ需要あるのか謎だな[] 投稿日:2009/05/26(火) 22:32:07.08 ID:WY5Vg2rYO

それから、レポート課題をしていたら5時30分になっていた

おかしい

何がだ?




妹が帰って居ない

そうだ、いつも、5時迄には帰って来ているじゃないか

・・・まさか

いや、止そう

きっと帰る途中に、お袋に有ったんだな

今日は疲れた

お袋達が帰ってくるまで一眠りしよう

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 22:35:58.07 ID:WY5Vg2rYO

夢を見た

内容は思い出せないが、誰かが叫んでいた

ぼんやりとした意識の中でそんな事を考えていると

叫び声が聞こえてきた

どうやら、現実の声が、夢に取り込まれていたみたいだ

まったく、どうしたんだ?




6:48

寝てから1時間も経ったのか


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 22:43:55.17 ID:WY5Vg2rYO

「どうしたんだ?」



返事がない

何が有ったんだ?

部屋から出て階段を降り、キッチンの前を通りすぎると
最近流行りのエコバックが放り投げられていた
バックからタマネギが転がっている・・・今日の晩飯はカレーか


ってそんな事を考えている場合ではない

「お袋?どうし・・・・・うわぁぁああああ」









横たわる妹



下に広がっている血溜まり

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 22:49:11.99 ID:WY5Vg2rYO

「おい!お袋と一緒じゃなかったのか?」

「・・・キョン?何言ってるの
 妹はずっと家に居たのよ?
 そんなことより、はやく!!救急車を呼ばなきゃ!」


どうして?どうしてお前が居るんだ?
そんなところで倒れてるなよ?
今日はお前の好きなカレーだぞ?!

なぁ

なぁ…

しっかりしてくれよ…

どうして俺は

気づかなかったんだよ



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 22:53:52.95 ID:WY5Vg2rYO

気付いた時には、病院で妹の死体に寄り添っていた

もう冷たくなった妹の手を、ほとんど力の入らない手で握りながら
妹の死をいざ認識すると、とたんに冷静になった頭で考えていた。




何故俺は、妹に気がつかなかったんだ?


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 23:02:38.28 ID:WY5Vg2rYO

そうか

妹が居ないのに、妹がいる痕跡が有る

これを俺は単なる違和感としてしか片付けていなかった

まず台所で気づくべきだった

昨日有ったプリンが無くなり、スプーンが置いてあった

明らかに妹が食べた後じゃないか

それに、玄関はいつも通りだった



つまり、俺と妹の靴が出ていた



どうして、気付けなかったんだよ…



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 23:03:30.34 ID:WY5Vg2rYO

俺が異変に気付いてリビングまで覗いていたら
もっと早く妹を見つけられて、救急車を呼べたはずだ

助かる可能性を、俺が潰した









「その内、涼宮さんの近くで有っても不幸が訪れる」


そうか



そういう事なのか


38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 23:15:17.71 ID:WY5Vg2rYO

「プリン・・・旨かったか?こんな兄貴でごめんな?
 ・・・ごめん・・・ごめん・・・グスッ」

俺がお前の兄だったせいで
それだけの理由で、お前は死んだ

お袋も、親父も、俺の親だからこうして悲しんでいる

「あんたが生きててくれて…よかった…」

お袋…そんな事、言わないでくれよ

「お前が生きていてくれただけでも、ずいぶん楽だ」

俺のせいなのに…


いや


違う






奴のせいだ


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 23:35:49.70 ID:WY5Vg2rYO

その後、妹の葬式や警察の事情聴取など色々あり

俺は10日程学校を休んだ。

そうだ、マスコミも来た
他に事件が有ったみたいで、ずいぶんと落ち着いたが

警察によると、空き巣による殺人だそうだ。

ニュースでよく聞く事件

まさか自分達のに降りかかるとは



45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 23:41:24.23 ID:WY5Vg2rYO

正直気がおかしくなりそうだった

事情聴取では、何回も同じ事を聞かれて
その度に、横たわる妹の姿がちらついた
妹に気づかなかった自分を、責められているような気分にもなった
・・・実際に責められていたのかもな

人の不幸を食い物にしている様なマスコミに、家を囲まれろくなもんじゃなかった

夜になって眠ろうとすると、血まみれの妹の姿がありありと思い出されて寝れない





だが、耐えられた

皮肉なことだが、これは、アイツのせいだと思うことによって

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 23:44:56.98 ID:WY5Vg2rYO

休んでいる間、色々と有ったものの
かくして俺は、学校に復帰する事にした


アイツへの憎しみを持って


それだけが、俺の原動力になっている


教室に入ると、哀れみや好奇心の入り交じった
様々な視線がこちらに向けられた


・・・勘弁してくれ

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 23:50:45.97 ID:WY5Vg2rYO

「キョン・・・もう大丈夫なのかい?」

全然大丈夫じゃない
と言いかけたが、国木田にこれ以上心配をかけるのもしのびない
適当に苦笑いをしておいた

「何かあったら、言ってくれよ。俺達で良ければ力になる」

あの谷口でさえ、今はしおらしいな

「あぁ、ありがとう」

心配してくれるのはありがたいが
正直、今は構わんで欲しい

一人になりたいんだ

それに、アイツの前に座ると考えただけで気が滅入る

「キョン!」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/26(火) 23:58:07.58 ID:WY5Vg2rYO

「……っ」

なんだ?うるさい

頼むから死んでくれよ

お前さえ居なければ、俺は幸せだったんだ

それがなんだ?無神経に話しかけてくるな、クソが
話しかけられただけで、虫酸が走る

いくらお前が何も知らないからってな
限界が有るんだよ

そうだ、何も知らないなら教えてやるよ


お前のせいで人が死んでいることをな

お前はこの大きな罪を知って、背負うべきだ






なぁ、だって、その方が苦しいだろ?

55 名前: ◆Q.T5JJMkYQ [] 投稿日:2009/05/27(水) 00:05:56.36 ID:0WDA7gzrO

「あたしテレビとか下らないし、そもそも、つまんなくて見ないから
 よく分からないんだけど、なんか大変だったみたいね!どうしたの?
 まったく、あんたが居ない間こっちは暇で仕方がなかったんだから!
 何が有ったにせよ、また今日からちゃんと団活にのぞみなさいよね!
 ちゃんと来なかったら、死刑だから!」




この女、どこまで勝手なんだ

「あぁ、すまん」


お望み通り、ちゃんと団活に出ますとも


だが、お前の気に入る様な事は何一つ起きない。

残念だな

まぁ仕方ないさ

俺が楽しまなきゃならんからな

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 00:27:54.41 ID:0WDA7gzrO

さて、ようやく楽しい楽しい部活の時間だ。
アイツの前の席だとストレスが溜まって仕方ない

どれだけ迷惑をかければ気が済む?

いい加減にして欲しいものだ


「…久しぶりだな」


部室には既に、俺以外のメンバーが揃っていた

朝比奈さんが新しい衣装を着ている。
そういえば、新しい衣装がうんたらと言っていたな
朝比奈さんも、玩具扱いされて大変だ

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 00:36:27.17 ID:0WDA7gzrO

「遅い!何してたのよ?!」

やかましい、叫ぶな

「ぼーっとしててな」

「ふーん…ほんと、ダメキョンね。
 あ、そうそう!みくるちゃんの衣装気が付いた?あの日私が持ってきてた衣装よ
 あの日、みくるちゃんが団活に出てなかったから諦めかけたんだけど
 運良く帰り道で、ばったりみくるちゃんに会ったから着てもらったのよ!
 しかも、その時たまたま……」




運良く帰り道で、ばったりみくるちゃんに会って


運良く帰り道で、ばったり

運良く帰り道で


運良く…


俺の妹は…この為
奴が着せ替え遊びをする為だけに死んだのか?

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 00:41:50.05 ID:0WDA7gzrO

「ちょっとキョン?聞いて……キャッ!何するのよ!離しなさいよ!」


ん?

あぁ、気が付いたらハルヒの胸ぐらを締め上げていた

「ねぇ!苦しいんだけど!離して!」


これくらいで苦しいだと?


妹はもっと苦しかったんだ






お前はそれより、更に苦しみ抜いて貰わないとな

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 07:47:32.21 ID:0WDA7gzrO

俺はハルヒを地面に叩きつけて、馬乗りになった
一般男子ならば興奮する状況だろうが、残念な事にまったく、興奮を覚えない
このまま犯してやろうかとも思ったが、こんな奴の中に入るなんて
あぁ気持ち悪い

だから俺は、ただなんとも無しに奴の顔を殴り続けた

「キョン君!止めてあげて下さぃ〜」

すみません、いくら朝比奈さんのお願いでも
こればっかりは止められないですよ


さっきから古泉の携帯がなりっぱなしだ


すまん、古泉

もうすぐお前も楽になるから

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 07:58:42.03 ID:0WDA7gzrO

「痛い…痛いよ……キョン、どうしてこんな事するのよ?
 あたし、なんかした?ねぇ?教えなさいよ!!」


「何かした、だと?お前のせいで俺の妹が死んだんだよ!!」


「えっ・・・なによ、それ?
 意味分からないわ!だいたい、妹が死んだのはあんたの不注意だって聞いたわよ?!」



なんだって?


俺のせい?


良くそんな事が言えるな


「黙れ」


ハルヒの腹を、一発殴ってやった

これで生意気な口を叩かなくなるだろう

「オェッ・・・ゲホッゲホッ…ごめん、言い過ぎたわ
 でもキョン、あんたおかしいわよ!」

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 08:07:03.20 ID:0WDA7gzrO

「黙って俺の話を聞け」

そう言って、ハルヒの頭を掴み床に打ち付けた






あれ、死んだか?

「うぅ・・・・」



良かった生きてる

また死んでもらっちゃ
こっちはつまらんからな



お前は罪をしって
苦しんで死ぬべきなんだよ

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 12:28:31.61 ID:0WDA7gzrO

「なぁ…もう、こいつに全部話すぞ」

一応こいつらにも聞くのが礼儀ってものだろう

「我々は構わない」

「えぇ・・・この際仕方ありませんね」

「ふぇえ〜どうしましょう」

朝比奈さんはまぁ仕方ないとして、言っても良いって事だな

「恩に切る。」





俺は奴に全て話した

長門・古泉・朝比奈さんの事
奴が願うと何でも実現すること
そのせいで不幸になってる人がいる事


108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 12:48:07.09 ID:0WDA7gzrO

「う、ウソ・・・そんな・・・酷い」

なに言ってんだ

「酷い?それはこっちの台詞だ」

「・・・」

いつもつり上がってる眉も下がって
顔も白くなっている




良い気味だ





しかし、反応が無いのもつまらんな
ショックが大きいのか?

「なんとか言ったらどうなんだ?」

奴から立ち上がり、それまで座っていた所を踏みつけた


109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 12:54:33.60 ID:0WDA7gzrO

「オェッ…ゲホッゲホッ…うっ…ごめんなさい」

謝ってすむと思っているのか?
甘い考えだな

「キョン君!そろそろ止めた方が良いですよ!」

「…彼は、強い憎しみに駆り立てられています
 我々が何を言ったって無駄ですよ」



さすが古泉。ものわかりが良いよ



「その程度の謝罪で済むと思ってるのか?」

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 13:01:02.30 ID:0WDA7gzrO

「わかった・・・土下座するわ
 それで許して貰おうなんて貰わないけど…これが私の誠意だから
 認めて欲しいわ」




それっぽっちの事が
お前の誠意か
笑わせるな
まぁ良い、聞くだけ聞いてやるか





勿論、土下座したアイツを踏みつけてやるさ

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 13:12:00.58 ID:0WDA7gzrO

「みくるちゃん、いつも酷い事させてごめんなさい
 あれは…みくるちゃんなら良いと思ってやってたの
 でも、みくるちゃんは逆らえなかっただけなのよね」

「古泉君、あたしのせいで本当に…






ハルヒの謝罪がおわり、顔をあげたときには額に血が滲んでいた

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 16:49:14.60 ID:0WDA7gzrO

「キョン君!涼宮さんこんなに謝ってるから
 もう許してあげて下さい!」

「・・・」

長門も古泉も頷いている

そうか

あいつ








許して欲しいって願ったんだな

どこまで卑怯な女なんだ
浅ましい
狡い奴だ


124 名前:また6時まで消えますすまぬ[] 投稿日:2009/05/27(水) 16:53:39.12 ID:0WDA7gzrO

「キョン・・・お願い」

「あぁ、わかった」

「良かった〜」










「なんて、言うとでも思ったのか?
 残念だが、俺にはお前の願いは効かないんだよ
 お前に対処するために、自立進化したんだとさ、おあいにく様」


「そん・・な・・・・」


その顔、それだよそれ

131 名前:遅れてしまい、申し訳ない[] 投稿日:2009/05/27(水) 18:55:09.27 ID:0WDA7gzrO

学校を休んでいる間のある日
長門が俺の携帯にアクセスしてきた。方法は分からん

長門曰く、あの日俺が長門と古泉の話を聞く、という事は起こらない筈の事だったそうだ

「何らかの原因により、貴方はあの日、あの時間にいる筈では無かった所にいた。
 原因はまだ解明中だけれど、私は
涼宮ハルヒにより世界に少しずつねじれが生じ、この様な影響が現れた
 と考えている」


133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 19:02:58.80 ID:0WDA7gzrO

「ほう…」

長門の言う事はいまいち難しい

「涼宮ハルヒがこの世に与える影響と、それを解消するための事例
 この2つのバランスが取れていないと、ねじれが生じ
 本来なら起こらない筈の事が起きる。私はそう考えている」

「要するに、あいつの力が強大って事だな」

「そう」


まぁ、なんとなくは分かった。



134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 19:13:16.62 ID:0WDA7gzrO

「ここからが、重要な話。
 この一連の騒動によって、大きな情報爆発を観測した。」

「なんだ、またあいつが不機嫌にでもなったのか?」

「彼女の精神は少し不安定だけれど、特別視する程の事ではない。
 爆発の中心は、貴方。」

「なんだと?」

「私達の読みは外れていた。涼宮ハルヒに自立進化の可能性が有ると考えていた
 けれど、実際に自立進化を遂げたのは貴方だった。」

俺が?
観測ミスしゃ…いやいや、それは有り得んな
だが、何も変わっちゃいない

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 19:22:24.16 ID:0WDA7gzrO

「情報爆発が有ったと言っても、俺は何にも変わってないが」

「貴方は自立進化によって、涼宮ハルヒの能力の影響を受けない唯一の存在となった
 つまり、涼宮ハルヒから自己を守る力を身に付けたという事。
 もし貴方にこの力が無ければ、今日は既に登校している。」

「なんだって・・・」

それは、素晴らしいな
でも、何故だ?

「理由はわかっているのか?」

「現在調査中。情報統合思念体は
 貴方が進化に至った理由を観察対象へと、移行した。
 それによって、今後の私達の方針が変わってくる」

137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 19:28:19.42 ID:0WDA7gzrO

長門はそれだけ伝えると、接続を切った。

ははっ、相変わらずだな。

しかしまぁ、あいつの影響を受けなくなったとわかった途端
安心感に包まれた。
気付かない内に、あいつからずいぶんとストレスを与えられていたようだ。

自立進化やら情報爆発やら、いまいち実感は無いが

この力のお陰で、俺は今でも奴を憎んでいられるのだろう。

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 20:27:31.53 ID:0WDA7gzrO

「なぁ?簡単に許して貰えると思ってたのか?」


「・・・だって、許して欲しいって願ったから」

「またそれに頼るつもりだったんだな?呆れた」


「ごめんなさい!もうしないから!」

「もう止して下さい!閉鎖空間が…」

「安心しろ、もうお前が行かなくて良いようになるから」

「まさか・・・!いけません!そんな事!」

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 20:35:41.84 ID:0WDA7gzrO

「なぁ、お前はダメのクズだからその力に頼らなきゃ生きていけないんだ」

「そ…そんな事ない!」

どうだか

顔はそう思ってなさそうな表情だが?

「そうなんだよ。さっきだって、お前が許してくれって願ったせいで
 誰かが不幸になったんだ。お前は、人殺しと同じなんだよ」

「違う!私は…悪くない…知らなかった…」


なんて女だ



146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 20:45:40.08 ID:0WDA7gzrO

「・・・ちょっと・・キョン?」

なんだ?

…あぁ、これか
無意識の内に、奴がどこかの骨董屋から手に入れてきた、謎の置物を握り締めていたみたいだ

「これか?良かったな、何に使うかようやく分かる時が来たじゃないか」

「キョン君!!!」









ドスッ

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 20:50:07.41 ID:0WDA7gzrO

なんだ、案外丈夫だな







床に叩きつけても割れなかった
それより、奴の顔の方が滑稽だ

「キョン?!もしかして、本当に許して・・・くれたの?」


どこまでもお気楽な奴だ

「違う、お前には死んで貰いたい。
 だが、俺が前科持ちになるのはまっぴらごめんだからな
 お前には飛び降りて貰う
 今殺されたって、飛び降りたって、死因は同じだろ?」


「そん・・な・・・」


「ざまぁみろ」

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 20:57:05.46 ID:0WDA7gzrO

「嫌よ!」

言っても分からないなら、体で教えるしかないよな?
どうせ、ぐちゃぐちゃになるんだ
鼻の骨や歯がおれるまで殴ってやろうじゃないか
あぁ、素晴らしい



「キヤァァァアアア!!やめて!痛い!いた・・・やめっ・・」



前歯が抜けて

鼻が折れて

目なんか腫れてるじゃないか

うわ…なんて醜いんだろう


「い、いだい・・・ひょん、これれ、ひゅるしてぐれる?」

「お前はな、俺の知っているだけでも」

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 21:04:11.96 ID:0WDA7gzrO

「お前はな、俺の知っているだけでも1人殺してるんだ
 古泉に聞いたらもっと増えるかもなぁ?」

「ぞんナ゛・・・ね゛ぇ、ごいずひくん?」


お前は、罪の重さを知るべきなんだ


「残念ですが・・・他にも数名いらっしゃいます」


「ぞんな・・・うそ!う゛そよ゛ぉおぇぇぇええ」


「ひ、ひぇえ〜」


うわぁ…きたねぇな

152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 21:13:26.25 ID:0WDA7gzrO

「ね゛、ね゛ぇ、ひゅき、はんたなら、はんとう゛のかと、おしへてひゅれるはよね?」


口からだらだら血が出てるせいで何を言っているんだか分からんな

かしゲロ臭い

流石の古泉もこの臭いのせいか、笑っていない

「貴方のせいで亡くなった人の数は13人、怪我した人の数は……」

長門、お前はどれだけ耳が良いんだ
よくリスニングできたな

「も゛う゛ひひ!ひゃめ゛でぇえ゛」


「うわっ」

押すなよ

ん?部室から出ていったか…

あいつが居なくなると静かだ
朝比奈さんの鳴き声しか聞こえん

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 21:20:07.71 ID:0WDA7gzrO

「やれやれ・・・」

「今の、貴方と涼宮ハルヒとのやり取りでかなりのデータが得られた。」

ずっと黙っていると思ったら…データを取っていたのか
まぁ長門の場合黙っているのがデフォルトだがな

「こちらは、地球が危うい規模での閉鎖空間が起こりそうですよ…まったく」

「それは・・・すまん」

「良いんですよ。これで彼女が居なくなって下されば、我々は安泰ですから
 それより、案ずるべきは朝比奈さんでは?涼宮さんが居なければ
 時間平行なんたらとやらが開発されないのでは…?」

155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 21:25:48.39 ID:0WDA7gzrO

「ふぇぇえ〜酷いですぅ〜」

朝比奈さん…どこまでも優しい人だ


ん?

臭くない

「少し、情報操作をしただけ」

ははっ、流石長門だな

すっかり元通りだ
あいつが居ない以外は

それにしても、朝比奈さんはこれから大丈夫なのだろうか?




「朝比奈さ・・・うわぁぁぁぁあ!ハルヒ!」

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 21:30:50.09 ID:0WDA7gzrO

窓の外を、ハルヒが落ちていった




なぜか、とてもゆっくりと落ちて行くように見える

映画のワンシーンみたいだな






「ご め ん ね」





ハルヒの口がそう動いたように見えた

161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 21:39:28.03 ID:0WDA7gzrO

「いやぁぁぁああああ!」

朝比奈さんの悲鳴で急にスローモーションの世界から元に戻された


おい…嘘だろ…



慌てて窓の外を覗く









散らばった脳ミソ
変に折れ曲がった手足
血溜まり


慣れ親しんだ中庭に
あり得ないものが散らばっていた


165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 21:47:46.21 ID:0WDA7gzrO

俺はしばらく窓辺で固まっていた

現実…なのか

本当に、アイツは居ないのか?









嬉しい筈なのにどうして涙が出てるんだ

「うぁぁぁぁぁあ!」

俺はしばらく咆哮を上げていた
何事かと人が集まって来た頃、ようやく落ち着きを取り戻した

167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 21:53:14.78 ID:0WDA7gzrO

外は、奴に群がる人で騒がしい

それを眺めたら、何故か落ち着いた

窓辺から離れ、部室を見回すと
古泉は、安堵に満ちた、人間らしい表情をして
長門は、いつもと殆ど変わらないがどこか安心したような

朝比奈さんは、不安、悲しみ、軽蔑の入り交じった表情で俺を見ている

「ひ、ひとごろしぃ〜」



169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 21:58:32.21 ID:0WDA7gzrO

残念だが、言い返す言葉が見つからない

罪には問われないが、俺は立派な人殺しだ


だが、これで良かったんだ
「彼は、僕達を救ってくれました。彼だけを悪く言わないで下さい
 もし彼に責任を問うのなら、止めなかった僕達も同罪ですよ?」

こい…ずみ…?

171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 22:07:04.34 ID:0WDA7gzrO

「貴女は泣いていただけ、本気で止めたかったのなら
 涼宮ハルヒを追いかけていた筈。でも貴女は追いかけなかった」

長門まで




「…そうですね。キョン君、ごめんね?
 あたし、さっきキョン君が怒ってる時、涼宮さんが居なくなったらとか
 本当は考えていたんです。そんな事考えてちゃってる自分が嫌で
 それで、キョン君に罪を擦り付けようと…浅ましいですよね
 本当に、ごめんなしゃい〜ふぇ〜〜ん」

朝比奈さん…


みんな、ハルヒに悩まされてたんだな

176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 22:15:42.29 ID:0WDA7gzrO

「みんな…すまん。ありがとう」


「この際だから言いますが、涼宮さんは…いずれ
 機関に消される運命でした
 これ以上被害者を増やすわけには行きませんからね
 涼宮さんの事です、何も知らないまま死ぬよりも今日、こうして死ぬ方が幸せだったのではないでしょうか」


179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 22:23:19.64 ID:0WDA7gzrO

そう…だったのか……

「機関から見た涼宮さんは、何も分からず、ただ食料を求めて
 人里に降りてきてしまい、人や家畜を殺めてしまった熊の様なものでした
 よく考えれば、可哀想なお方ですね。」

アイツも被害者といったら、被害者…なのか

すまん

自分勝手だった

「自分を、責めないで」

長門…

「彼女は、貴方のたまに見せる笑顔が好きだった」

そうなのか
ハルヒ

せめて最後は、笑って送り出してやらんとな

183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 22:34:19.65 ID:0WDA7gzrO

あれから、一ヶ月経った

ずいぶんとバタバタしていた学校も、ようやく、従来の姿を取り戻しつつある

ハルヒが居なくなった今でも、朝比奈さん・長門・古泉はここに居る


朝比奈さんは、禁則事項ですと言いながらも
ハルヒが居なくても、大丈夫だと教えてくれた。

未来は、決まっているもので
それに、行き着く可能性はいくつか有るものの、結果は揺るがないので
ハルヒが発見しなくても最終的には時間平行うんたらは発見されるそうだ


184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 22:40:19.56 ID:0WDA7gzrO

長門と古泉は、ハルヒが消えた後の
周囲への影響やらなんやらを観察する為に、しばらくはここに残るそうだ


俺は…よくわからない


ありきたりな言い方だが、心にぽっかりと穴の空いたような、という表現がまさに当てはまる様な感じだ

葬式の日俺は、泣きっぱなしだった
なんとか作り出した、汚ならしい笑顔で手を合わせた時以外は。


ようやく泣き止んだとき、全て無くしたような気がした

187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 22:48:08.36 ID:0WDA7gzrO

これで、良かったのだろうか?

最近はそればかり考えている。



なぁ?ハルヒ?





そんな俺の疑問に答えるかのように、風が駆け抜けた。
それはハルヒがいつも巻き起こしていた、ドタバタの様で
だが、どこか気持ちの良いもので
ハルヒそのものみたいな風だった





「ハル…ヒ?」

189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 22:54:32.56 ID:0WDA7gzrO

風で、いつも以上に細められた視界の先に、一瞬
ハルヒが見えた様な気がした。

二、三度めをしばしばさせ、目を凝らしたが
そこにはもう何も見えなかった。

気のせい…

いや、違う

根拠の無い自信だが、何故か確実が持てる

ハルヒがあたしはここに居る

と主張したのではないか?

違うのか?

193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 23:03:03.84 ID:0WDA7gzrO

驚くべき事に、俺の呼び掛けに答えるように
風がさっきより優しくそよいだ。


やっぱりそうなのか…


ハルヒ、すまなかった。
自分勝手だったな。
だが最後に、一つ聞かせてくれ
お前は死ぬ前、俺の事嫌いになっていたのか?






「うわっ!」

首筋に、ふわっとしたくすぐったい風が当たっている
なんだハルヒ、からかっているのか

嫌いじゃ…無いんだな?
ありがとう

197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 23:09:55.83 ID:0WDA7gzrO

自分勝手な話だが、あの日々がいかに大事なものか、失ってから初めて気付かされた

こうしていま、ハルヒと話すことができて本当に胸が満たされている。


ハルヒ、最後に一つ、頼んで良いか?

なんだよと言わんばかりに、風が髪を跳ねさせてくる

もし妹が居たら、仲良くやってくれないか?
あ、あと…って一つじゃ無くなったな
俺達の事、忘れないでな




何馬鹿なこと言ってるのよ!当たり前じゃない、バカキョン!



俺の背中を風が押すと共にそう聞こえた様な気がした。
どこへ行くとでも無いが、追い風に乗って、全速力で走り出した。


ありがとう、ハルヒ

198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/27(水) 23:12:21.32 ID:0WDA7gzrO

終わりでつ



保守してくれた方々本当にありがてぇです。
なんだかんだいって保守してくれたツンデレな人達、本当にありがとう



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