キョン「ごきげんよう?」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 23:12:59.03 ID:zEc4jjWoO

パイナポゥですが何か?

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 23:18:38.90 ID:zEc4jjWoO

いつものように登校した俺は、いつものように自分の席につく。
だが、いつも通りだったのはそこまでで。

キョン「ごきげんよう?」

ハルヒ「ええ、ごきげんよう、キョンさん」

何故だか、やたらとフリルの付いたお嬢様めいた格好のハルヒがそこにいた。

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 23:23:37.11 ID:zEc4jjWoO

キョン「え、あ……」

考えてもみてほしい。
昨日までは傍若無人、唯我独尊なクラスメイトがいきなり完全無欠なお嬢様になってしまっていたら。

うん。
普通は戸惑う。俺の反応は間違ってない。

しかし。

国木田「おはようございます、涼宮様」

坂中「涼宮様は今日も素敵なのね!」

こいつらの反応はなんなんだ、一体。
まるで以前からハルヒがお嬢様だったような反応だ。

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 23:29:06.83 ID:zEc4jjWoO

谷口「おう、ボケっとしてどうしたんだ? キョン」

キョン「お、谷ぐ……」

いや、誰だこいつ。
声なんかは谷口そっくりだが、確かにどことなくふいんき(なぜか変換出来ない)は谷口なんだが、明らかに違う。
具体的に言うとするなら。

女子「谷口君おはよー!」

谷口「おう、おはよう」

谷口は女子に挨拶してもらえるようなやつじゃあ決してなかった筈だ。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 23:35:19.02 ID:zEc4jjWoO

キョン「谷口……なのか?」

谷口「なんだぁ? おかしな事言うやつだな」

谷口「涼宮様と一緒にいておかしくなったか?」

そんな事を言い、笑いながら谷口は自分の席へと向かう。
いや、本当に谷口かよ、あれ。
下手したら古泉よりもイケメンなんじゃないのか?

そんな感じで、ハルヒと谷口の変化に呆然としていると、何時の間にかHRの時間が近づいていた。
これはまさか、また何かおかしな事に巻き込まれたんじゃないのか?

朝倉「おはよう! ギリギリセーフ?」

…………こりゃ、確定だな。

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 23:44:27.91 ID:zEc4jjWoO

授業中、俺は以前の世界改変の事を思い出していた。
あの時は、蓄積したバグのせいでエラーを起こした長門が原因だった。
なら今回もそうなのだろうか。
それならば、また部室に行って長門からのヒントを探せばいいわけで、ここで焦って行動を起こす事はないな。
ここで前回のように取り乱してしまえば情報収集は困難になってしまう。
さらに。
今回の改変にも朝倉がいる。
二度も殺されかけた相手。
そいつに怪しまれてしまえば、これから先、俺が行動するのが困難になってしまうかもしれない。
十分に気を付けないとな。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 23:52:22.55 ID:zEc4jjWoO

しかし、今回の改変は一体なんなんだ。
ハルヒはお嬢様になっているし、谷口はイケメンな上美声になっている。
長門は何を考えてこんな改変をしたんだ?

ハルヒ「どうしたのですか、キョンさん」

キョン「ふえ? へ、は、その」

ハルヒ「ふふ、おかしなキョンさん」

キョン「あ、少し呆っとしてしまって」

ハルヒ「あらあら、もう昼食の時間ですわよ?」

ハルヒはそう言うと、指を鳴らし人を呼ぶ。
うわ、本当にお嬢様ってそんな事するんだ。

ハルヒに呼び出された黒服の人達はテキパキとハルヒの机の上に何かを並べている。
……まさか、あれが昼食なのか?

流石お嬢様。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 00:00:01.26 ID:dRtgyzpJO

しかし、何時の間にか昼になっていたとは。
いくらずっと考え事をしていたとは言え、気付かないなんてな。
まあいい。
俺も昼飯を食うとしようか。

キョン「あれ?」

無い。弁当が無いぞ。
忘れたか? くそ、購買でパンでも買うか。
立ち上がった俺の背中に、予想もしていなかった奴から声がかけられた。

朝倉「あら? どこ行くのキョン君」

キョン「朝倉?」

なんだ、これは。
なぜ朝倉から接触してくる。
そして、その手に持った二つの弁当はなんだ。

朝倉「はい、お弁当。今日のは結構自信作なんだよ」

本当に、何なんだよ、この状況は。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 00:11:27.59 ID:dRtgyzpJO

俺の目の前には朝倉が座り、弁当を広げている。
後ろではハルヒが豪華な昼食をとっているので、否が応でも周りからの視線が集まってくる。
正直、居心地が悪いなんてもんじゃないぜ。

谷口「キョンは今日も朝倉の弁当か?」

国木田「うらやましいな、キョン」

ハルヒ「ええ、本当に」

国木田「涼宮様」

ハルヒ「お二人は本当に仲の良い恋人同士で羨ましいですわ」

な、こいつは本当にハルヒか?
いつものハルヒなら、『なにデレデレしてんのよキョン!』とか言って蹴りいれてくるのに。
それで朝倉。
お前はなんで頬を染めているんだ。

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 00:20:15.14 ID:dRtgyzpJO

そんなこんなで放課後。

俺は文芸部部室へと走っていた。
途中、古泉のクラスを見てきたが、以前の改変とは違い無くなっていることはなかった。
だが、何故か古泉がいなかった。
まあ、古泉はいても居なくとも元の世界に帰るのにはあまり重要では無さそうだし後回しだ。

それよりも、急いで長門に会わなくては。

部室のドアをノックする。
頼む、いてくれ長門!

みくる「どうぞ」

中に入ると、そこには朝比奈さんと長門がいた。
良かった、いてくれたか長門。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 00:28:49.62 ID:dRtgyzpJO

みくる「話は長門さんから聞いている」

あの、どなた様でございましょうか?
ワタクシ、あなたのような方とは知り合いではなかった気がするのでございますけれども。
何となく朝比奈さんに似てはいらっしゃいますが、明らかにふいんき(なぜかry)が違いますよ?

みくる「今回の事は長門さんが原因ではない」

長門「そもそも、今回世界は改変されていない」

キョン「長門?」

長門「今回の事件の原因は涼宮ハルヒ」

そりゃそうだろう。長門で無ければそんな事ができる奴はハルヒくらいしかいない。
しかし、世界改変じゃないとはどういう事だ?

みくる「それは」

古泉「僕達が異世界人という事ですよ」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 00:36:50.31 ID:dRtgyzpJO

声に反応して振り向いた先には、何故か男子の制服を着た女子がいた。
なんだかどこかで見たような気がするんだがな。

みくる「古泉君」

古泉「遅れてしまい申し訳ありません」

なん……だと……。
こいつが古泉……? どこからどうみても女子にしか見えないんだが……。

古泉「さらに言えば、朝比奈さん、朝倉さん、僕、そして涼宮さん」

古泉「全員が違う世界からこの世界に来ているのです」

今、こいつは何て言った。

キョン「ハルヒ……も?」

古泉「ええ。あのいかにもなお嬢様も、我々同様に異世界からの客人です」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 00:46:50.42 ID:dRtgyzpJO

キョン「いや、いやいやいや、それはおかしいじゃないか」

キョン「仮にこの世界が改変されたものではなく、お前が異世界人だとしよう」

古泉「仮に、ではなく、本当に異世界人なんですがね」

キョン「それで、この状況はハルヒが起こした、と」

古泉「ええ」

キョン「それはおかしいだろう? 異世界人に会いたがっていたハルヒが、どうしてこんな事を?」

古泉「今回、涼宮さんは異世界人に会いたがったのではありません」

キョン「は?」

みくる「涼宮ハルヒは自ら異世界、パラレルワールドを見に行ったのだ」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 00:57:44.30 ID:dRtgyzpJO

キョン「はい?」

俺は朝比奈さんの言葉を聞いて余計に混乱した。
ハルヒが自分から異世界に行った、だって?
それで、どうして古泉達がこっちの世界に来るって言うんだ。

朝倉「それはね?」

何時の間にか、部室には朝倉まで現れていた。
ドアが開いた気配もしなかったが、やはりこの朝倉も宇宙人なのだろう。

朝倉「涼宮さんの世界移動は無意識の内に行われたの。まあこれは涼宮さんが力を使うときはいつもそうなんだけど」

長門「無意識によって行われた、と言う事が問題。パラレルワールドはよく似たどこか違う世界。涼宮ハルヒが違和感を覚えるのは時間の問題」

長門「だから、それぞれの世界の情報統合思念体が、こちらの世界との違いが大きい人物を移動させた」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 01:06:22.56 ID:dRtgyzpJO

キョン「待て待て待て、朝比奈さん、古泉」

みくる「なんだ」

古泉「はい?」

キョン「さっき言ってたよな? 全員違う世界から来てるって」

古泉「ええ」

キョン「長門」

長門「何」

キョン「なんでそんな事を情報統合思念体はしたんだ? ハルヒが行った世界の人物だけ移動させればいいだろう?」

朝倉「仕方無いのよ、キョン君」

朝倉「情報統合思念体とはいえ、涼宮ハルヒが移動する先の世界を特定する事は困難だったの」

長門「そう。ゆえに、可能性が高い世界を選び、それらの世界から人物を移動させた」

そうなのか。
大変なんだな、お前たちも。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 01:19:06.64 ID:dRtgyzpJO

キョン「ん? それなら、なんで世界移動してきたハルヒは一人なんだ?」

そうだ。
可能性が高い世界のそれぞれの人物を移動させた、と言うなら同じ人物が複数いてもおかしくはないんじゃないのか?
ましてやそれがハルヒだ。
まったく同じ自分がいたら……。

長門「一つの世界に同一存在は存在しえない」

キョン「へ?」

朝倉「分かりやすく言うならトコロテンみたいなものなの。世界はそれぞれキャパシティが決まっている。なのに涼宮さんはそれに無理矢理押し入っていったような物なの」

古泉「なるほど。つまり、世界にとって新しい涼宮ハルヒが入って来た時に、以前から存在していた涼宮ハルヒは違う世界に押し出された、と言う訳ですか」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 01:27:35.39 ID:dRtgyzpJO

朝倉「そういう事」

じゃあつまり、この世界にいるハルヒは押し出されてしまったハルヒって訳か。
それにしては不安がる様子もないし、違いに戸惑っていた感じもしなかったな。

長門「その辺りは情報統合思念体が操作した」

朝倉「いきなり知らない世界に放り出されるなんて可哀想でしょ? だからせめて違和感は感じない程度に情報は操作してあるわ」

以前の改変の時は俺がその状況だったんだがな。
まあ確かにあの状況はキツいものがあったな。

キョン「それじゃあ、朝倉が俺の恋人ってのもハルヒに合わせての情報操作なんだな?」

朝倉「違うわよ?」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 01:34:23.94 ID:dRtgyzpJO

キョン「へ?」

長門「情報を操作したのは涼宮ハルヒの周辺のみ」

キョン「つまり?」

みくる「私達の属性などは一切変更されていない。元の世界のままだ」

朝倉「だ・か・ら」

朝倉が近寄って抱きついてくる。
いや、あの、なんだかとても柔らかい、それこそ夢のようなものが当たっているのですが。

朝倉「私の世界じゃ、私とキョン君は恋人同士なの」

今この瞬間、俺の頭の中から、朝倉に二度殺されかけたと言う事実が消え去ったのは言うまでもない。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 01:45:14.50 ID:dRtgyzpJO

そんなこんなで状況を整理していたら、部室のドアがノックされた。

みくる「ひゃーい」

あ、朝比奈さん? 先程までのあの頼りがいのありそうな話し方は一体どこへ?

ハルヒ「皆さんごきげんよう」

古泉「涼宮様」

本当にこのハルヒはお嬢様だな。まさかきちんとノックして部室に入ってくるなんて。
こっちの世界のハルヒにも見習わせたいぜ。

ハルヒ「あら? 朝倉さん、いらしてましたの」

朝倉「ええ、涼宮様。ちょっと長門さんに用事があって。もう行きます」

ハルヒ「あら、そんなにすぐに出ていかれなくとも。お茶でも飲んでいかれてはどう?」

本当にハルヒか、このお方は。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 01:56:13.97 ID:dRtgyzpJO

そんなこんなで団活が始まった訳だが。
なんなんだろう、この状況は。

長門はいつものように椅子に座り、本を読む。
ハルヒはいつもよりも優雅に紅茶を飲む。これが本来の姿とでも言うようにしっくりくる。

そして、我らがSOS団のメイドと言えば。

古泉「朝比奈さん、こうですか?」

みくる「しょうでしゅ。上手でしゅよ」

Why、何故。
どうしてメイドが二人になってるんだ。
朝比奈さんがメイドなのはいい。見慣れている光景だ。
さっきの話し方はなんだったのか気にはなるが、今はどうでもいい。
問題は古泉だ。いくら似合っているからといっても、お前……。

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 02:05:06.97 ID:dRtgyzpJO

キョン「古泉、ちょっと」

古泉「はい? なんでしょう」

キョン「なあ、お前男だよな?」

古泉「はあ、そうですが」

キョン「ならなんでメイド服なんか着てるんだ」

そう古泉に聞くと、意外な所から返事が返って来た。

ハルヒ「何を言ってるんですか、キョンさん」

ハルヒ「古泉君に似合うから、とメイド服を持ってきたのはわたくしですし、それが見たいと仰ったのはキョンさんですわよ?」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 02:14:47.13 ID:dRtgyzpJO

な……、俺、が?
こくり、と頷く古泉。

みくる「しょれにしても似合ってましゅね」

長門「同感」

古泉「あの、そんなに見られると恥ずかしいのですが」

ハルヒ「いいじゃありませんか古泉君。本当に似合ってますわ」

なるほど、やっぱりハルヒはハルヒなんだな。
程度の違いこそあれ、やはりどことなく唯我独尊なのは変わらないのか。

朝倉「ふふ」

キョン「ん? どうした、朝倉」

朝倉「恥ずかしがってる古泉君がおかしくて。さっきまでメイド服着てるのが当たり前みたいな感じだったのに」

キョン「そうだな」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 02:28:02.40 ID:dRtgyzpJO

ハルヒ「そうだわ、朝倉さん」

朝倉「はい?」

ハルヒ「朝倉さんも今度の不思議探索にいらしてはどうかしら」

朝倉「いいんですか?」

ハルヒ「ええ。人数が多い方が不思議な物も見つかりやすいかもしれませんわ」

朝倉「あ……」

朝倉は長門の方を見る。
そうか、朝倉は長門のバックアップだったな。

長門「………………」

長門はこくり、と頷く。端から見ればほんの数ミリしか動いていないように見えるけどな。
でも、それで十分だ。

朝倉「うん、是非参加させて下さい!」

ハルヒ「ええ、喜んで」

このメンツで不思議探索か。なんだか楽しみになってきたな。

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 02:52:24.27 ID:dRtgyzpJO

団活も終わり家に帰ろうとすると、古泉に呼び止められた。

古泉「少しお時間宜しいでしょうか」

キョン「ああ、いいぞ。どうした?」

古泉「閉鎖空間の件なのですが」

閉鎖空間。
涼宮ハルヒが不機嫌になると現れる空間で、その中では巨大な化け物が暴れ回っている。
何度か行った事があるが、それがどうかしたのだろうか。

古泉「こちらの世界でも閉鎖空間は発生しているようです」

キョン「そうなのか? でも今日のハルヒは大分機嫌が良さそうだったが」

古泉「いえ、それが……」

古泉「こちらの世界の閉鎖空間を発生させているのは、今こちらの世界にいる涼宮ハルヒではありません」

古泉「世界を移動した涼宮ハルヒの方なのです」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 03:02:10.22 ID:dRtgyzpJO

俺は機関の車に乗り、古泉と共に移動していた。

古泉「何故かは分かりませんが、涼宮さんは元々自分がいる世界にのみ閉鎖空間を発生させるようです」

キョン「迷惑なやつだな、本当に」

キョン「それで、俺に何をしろって言うんだ?」

その質問に古泉が答えるよりも早く、朝比奈さんが口を開く。
そう。何故かこの車には朝比奈さんも乗り込んでいたのだ。

みくる「我々の違いを君に見せようと思ってな」

古泉「長門さんにお聞きしましたら、この世界の僕や朝比奈さんは外見にあまり違いはないとか。なら、能力に違いがあるのではないか、と言う訳でして」

なるほどね。
確かにそこらは気になる所だ。

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 03:12:42.70 ID:dRtgyzpJO

辺り一面灰色な空間、閉鎖空間。
実際にここに来たのはそう多くはないはずなんだが、何度も来ている気がするのはなんでなんだろうな。

古泉「出て来ましたね」

古泉が見ている先には、青白く光る巨人がいた。

新川「さあ古泉、行きますぞ」

いきなり聞こえてきた声に振り向くと、そこにはなんとも形容しがたいクリーチャーがいた。
いや、なんだよコレ。無理無理。うっ……。

キョン「うぉえええええ」

新川「大丈夫ですか?」

古泉「あの、ここは僕に任せて、新川さんはあちらをお願いします」

新川「ふむ、分かりました」

そう言うとクリーチャーはなんだかよく分からないものに乗って神人へと向かって行った。
……あれなら見た目だけで神人倒せるんじゃないのか?

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 03:19:03.51 ID:dRtgyzpJO

キョン「な、あ、古泉」

キョン「アレはなんだ」

古泉「アレが僕達が神人を倒す時の姿、魔法少女です」

いや、無理が在りすぎだろう。
一体何を考えているんだ、こいつらの世界のハルヒは。

古泉「では僕も向かいます」

古泉がなんだかよくわからない発光現象を起こす。光が収まると、そこにはピンクを基調とした衣装に身を包んだ古泉がいた。
…………ハルヒ、GJ。
そうだよな、超能力者は別に新川さんだけじゃない。森さんとかもいたはずじゃないか!

キョン「なあ、古泉!」

古泉「はい?」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 03:29:45.96 ID:dRtgyzpJO

キョン「お前や新川さんの他にも、機関の人はいるんだよな?」

古泉「ええ。今回世界を移動してきたのは僕だけですが、何故か情報統合思念体は僕の能力を基本として情報操作したみたいで」

つまり、機関はみな魔法少女姿で戦っているって訳だ。
……見たい。
是非とも森さんの魔法少女姿が見たい。

キョン「なあ、古泉。森さんは」

古泉「ああ、森さんなら『こんな歳で魔法少女なんてやってられる訳ないでしょ!』と仰って待機中です」

キョン「そんな」

古泉「僕らの世界ではあんなにノリノリなのに、やはり世界が違うと人も違うと実感しましたよ」

みくる「二人とも、話している場合ではない。神人がこちらに向かっているぞ」

古泉「流石に新川さんだけでは押さえ切れませんか」

ふんもっふ、とかけ声をかけ、古泉も杖のような物で飛んで行った。
……クリーチャー役に立たねえな。

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 03:39:09.51 ID:dRtgyzpJO

そういえば朝比奈さんはどう違うんだろうか。
こちらの世界の朝比奈さんなら、こんな状況なら『ひぇー』とか可愛らしい声でパニクってらっしゃるハズだが。
さっきの様子だとやたらと落ち着いて……。

キョン「って、なんですか、それは!?」

みくる「うん?」

朝比奈さんは背中になんだかよく分からない物を背負っていた。
直方体の箱みたいな物に四枚程翼が付いている。
さらには朝比奈さんの体の各所に放熱用のフィンと思われる物が付いていた。

みくる「ああ、これは高機動用ユニットだ。重武装用ユニットでは神人のスピードに適わないかもしれないからな」

朝比奈さん、あなたは何者なのですか。

みくる「私はターミネーターだ」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 03:55:39.37 ID:dRtgyzpJO

古泉や朝比奈さんの属性の違いはあったが、実際閉鎖空間でする事は変わらなかった。
それはそうだよな。
いくら世界が違うと言えど、閉鎖空間を作り出しているのはハルヒなんだ。
そのハルヒという神に選ばれた、神人を倒す者たち。いくら格好が違えど、する事が一緒なのは道理だな。

……それが、たんなる赤玉か、魔法少女の違いはあるが。

途中、神人にやられそうになる古泉を颯爽と助ける朝比奈さん、といったイベントがあったが、何故か違和感が無かった。
普通はポジションが逆な気もするけどな。

古泉「すいません、お待たせしました」

キョン「ああ、構わんよ。お疲れさん」

みくる「ふむ……こちらの神人は爆発しないんだな」

爆発って……なんですか、それは。

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 04:10:21.68 ID:dRtgyzpJO

不思議探索の日。
集合時間の15分前に付いたハズなのだが、やはり俺が最後だった。
なんなんだかな、世界が違っててもこうなのか。
異世界の俺の苦労が分かるようだぜ。

ハルヒ「それでは、皆さん揃いましたし取り敢えず喫茶店にでも参りましょうか」

あれ? あの決まり文句はどうしたんだ?

キョン「あの、今日も俺が最後でしたよね?」

ハルヒ「え? ええ」

キョン「やっぱり、罰金、ですよね……?」

ハルヒ「何故ですの? きちんと集合時間前にいらしたではありませんか」

……天使か、このお方は。
両目から溢れ出る涙を拭いながら、俺は思う。
元のハルヒ、帰って来なくてもいいな、と。
むしろ、このSOS団ならどんな困難でも乗り越えられる気がする。
そう思わないか?

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 08:18:30.00 ID:dRtgyzpJO

すいません、意識飛んでました
保守ありがとうございます

再開します

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 08:29:33.71 ID:dRtgyzpJO

喫茶店の中でも、お嬢様は騒いだりしなかったし、頼んだ紅茶を一気飲みするなんて事も無かった。
いつもなら若干引きながら接客してくる店員が、我先にと来るくらいだ。
これがお嬢様と一般人の違いなのか?

ハルヒ「それでは皆さん、そろそろ出発しましょうか」

キョン「え? あの、班分けはしないんですか?」

ハルヒ「班分け、ですか?」

キョン「あ、はい」

ハルヒ「そうですわね、確かにこのように大勢いる訳ですし……午前中は班を分けましょうか」

キョン「午前中、ですか」

ハルヒ「ええ。せっかく皆さんいらっしゃるのだから、みんなで行動するのも大切だと思いますわ」

流石お嬢様。

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 08:47:24.68 ID:dRtgyzpJO

くじ引きの結果、午前中は長門、朝倉と同じ班になった。
いや、まあいいんだけどさ。
なんで俺は古泉と一緒でなくて、少しがっかりしているんだろうか。

ハルヒ「それでは、お昼に集合と言う事で」

ふむ、じゃあどこに行くかな。

朝倉「へえ、不思議探索ってこんな感じなんだ」

キョン「ん? ああ。いつもはハルヒがもうちょい騒がしいし、何故か俺が罰金として奢らされたりしてるけどな」

朝倉「あら、そうなの?」

キョン「ああ。いつも集合時間の少し前に着くんだが、何故かみんな居てな、遅刻してないのに『遅い! 罰金!』ときたもんだ」

朝倉「ふぅん……私も今度キョン君とのデートでやってみようかしら」

キョン「……やめてやってくれ。団活の他にも同じ事されたら凹むぞ、きっと。いくら異世界の俺とは言え」

朝倉「ふふ、冗談よ。冗談」

と、朝倉と話していると、長門が服の裾を引っ張ってきた。

長門「…………図書館」

そうだな。そろそろ移動するとしようか。

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 08:58:00.54 ID:dRtgyzpJO

図書館に着くと長門はいつものごとくふらふらとどこかへ行ってしまった。
いつもと違うのは隣に朝倉がいるって事だが……まあいいか。
俺もいつものように適当な本でも取ってこよう。

朝倉「ねえ、いいの?」

キョン「なにがだ?」

朝倉「これ、不思議探索なんでしょ? 図書館で本を読むだけって」

キョン「いいか、朝倉。世の中にはそりゃあもう不思議な事が沢山あるさ。でもな」

キョン「それを自分からガツガツと探して行くだけが探索じゃあないんだ。こうやって文献を調べるのも大切な」

朝倉「長門さんSF小説読んでるわよ?」

キョン「……察しろよ……」

朝倉「あ……うん。ごめん」

さあ、文献探しを再開しようか!

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 09:08:49.23 ID:dRtgyzpJO

文献を調べていたら、何時の間にか意識を失っていたらしい。
何時の間にか集合時間がせまっている。

キョン「またか……。まさかこの本が黒の書だとでもいうのか?」

朝倉「何言ってるのよ……。本を持ってきたと思ったらいきなり眠りだしたくせに」

キョン「え? 今の聞いてた?」

朝倉「そりゃあ、ねえ」

うわぁぁぁ、なんだよもう!
聞かれてたとか死ねる! 恥ずかし過ぎて死ねる!
プチ厨二病とかやるんじゃなかったぁぁぁぁぁ!

朝倉「ほら、悶えてないで戻りましょ? 長門さんを動かすのも一苦労そうだし」

あああああああああ! 無理無理無理無理無理無理無理! いっそ殺せぇぇぇぇぇ!

朝倉「せいっ!」

キョン「ふぐおっ!」

朝倉「さ、行きましょうか」

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 09:28:43.42 ID:dRtgyzpJO

おかしな事は、ハルヒ達と合流してからの午後の探索で起きた。

古泉「これは……」

キョン「どうした、古泉」

古泉「いえ、閉鎖空間がいきなり広がって」

その瞬間、辺り一面が灰色の空間に置き換わった。
なんなんだ、これは。
一体何があった。

ハルヒ「これはどういう事なのでしょう」

みくる「みんな、気を付けろ」

朝比奈さん、素が出てます。それ程の緊急事態と言うわけか?

キョン「古泉! どういう事だ!」

古泉「分かりません。しかし、ここは閉鎖空間なのは間違いないないと思われます。そして、なぜか我々SOS団全員が巻き込まれた、と言う事も」

どすん、という音に振り向くと、そこには追加武装を装備した朝比奈さんがいた。
いやいやいや、ハルヒの目の前でそんな。

長門「涼宮ハルヒは眠らせた」

朝倉「そりゃあ、こんな状況見せる訳にはいかないもの」

そりゃそうですよねー。

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 09:50:53.75 ID:dRtgyzpJO

みくる「とにかく、異常事態だ。何があってもいいようにしておこう」

古泉「ですね」

古泉はそう言うと、魔法少女に変身した。
今回はここにあのクリーチャーがいないだけましか。

長門「来る」

キョン「古泉?」

古泉「ええ、どうも僕です」

そこにはいかにも見慣れた、ただのイケメンの古泉がいた。

キョン「なんでここに? どうしたんだよ、いきなり!」

古泉「そうですね、神がそう望まれたから。それではダメでしょうか」

キョン「な……」

古泉「それでは皆さん、ここでリタイアして頂きましょうか」

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 10:05:59.31 ID:dRtgyzpJO

古泉の後ろからは朝比奈さんとハルヒが出て来た。

ハルヒ「さっさとやっちゃってよ」

古泉「了解しました、団長閣下」

みくる「ひゃ、ひゃーい」

古泉が赤玉を出し、朝比奈さんが銃を構える。

キョン「なっ!?」

とっさに動こうとしたのだが。

古泉(魔法少女)「動けない?」

みくる(ターミネーター)「何故」

キョン「長門? 朝倉?」

長門「………………」

朝倉「ごめんね、キョン君」

古泉「ふんもっふ!」

みくる「お、陰陽弾をくらえー」

俺の意識はそこで途切れた。

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 10:15:13.52 ID:dRtgyzpJO

目が覚めた俺は長門から説明を受けた。

曰わく、あの閉鎖空間で出て来たハルヒ達は元々こっちの世界にいたハルヒ達だそうだ。
それで、異世界の連中を送り返す為に気絶させる必要があったんだと。
紛らわしい事しやがって。

てな訳で俺の周りにはいつものメンバーが揃ってる訳だ。
傍若無人な団長様に、舌っ足らずな未来人。無口な宇宙人にスマイル零円の超能力者。

いつも通り、なんだがなあ……。

ハルヒ「キョン! 何ぼけっとしてんの!」

お嬢様カムバッーク!



終わり

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 10:17:50.13 ID:dRtgyzpJO

ぷん太さん、セクハラして申し訳ございませんでした

お前ら、夢喰いメリー読め
癒されるから
サナ可愛いよサナ
メリーも可愛いよ

朝倉は俺の嫁
パイナポゥでした

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 10:23:34.74 ID:dRtgyzpJO

言い忘れてた

今回は
ハルヒ「ごきげんよう・・・」
キョンと朝倉涼子付き合い始めたようです
みくる「全武装安全装置解除」
ハルヒ「転校生連れて来たわよ」
の最後の話な積もり


まあそんなことよりも、最近のvipハルヒ系の釣りスレ少ないよな

乗っ取ろうにも乗っ取れん



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