キョン「ハルヒに問題だ」


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70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/01(金) 20:51:28.01 ID:ZJcl2YyGO

キョン「なぁ長門」

長門「……なに」

キョン「タマがブラブラしている棒を穴に入れる腰の使い方が重要な遊びってなにかわかるか?」

長門「……またそういう質問?」

長門はいつもと変わらぬ表情で冷たい視線を投げかける

キョン「まぁその…なんだ」

言葉に詰まっていると長門はさらに口を開いた

長門「あなたのそういう行動の真意を私はわかりかねる」

長門「私に卑猥な言葉を言わせようとするその言動を私は軽蔑する」

長門「なぜそのようなことをするのか、納得のできる理由を説明して欲しい」

キョン「…………」

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/01(金) 21:01:13.67 ID:ZJcl2YyGO

俺のたわいのない悪戯は予想外に長門の怒りを買ってしまったようだ
どう答えたものか…

キョン「俺はただ、反応を見て楽しみたかっただけなんだ。悪気はなかった」

長門「……何故それが楽しいのか理解不能」

キョン「男ってのは女の子が恥じらう様子を見るのが楽しいんだ」

長門「…見ての通り私は感情をあまり面に出さない。だから私にその質問をして楽しいとは思えない」

長門「…それに」

キョン「それに?」

長門「……古泉一樹にも同じ質問をしているのを私は知っている」

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/01(金) 21:12:24.96 ID:ZJcl2YyGO

長門「…古泉一樹は女性ではない。さっきの説明では古泉一樹に対してあの質問をした意味が理解できない」

キョン「いや…、それは…」

長門「それともあなたは古泉一樹を女性、もしくはそれと同等と認識しているか。つまり同性愛者の気がある可能性。」

キョン「それはない!断じてないぞ!」

長門「…何故そんなムキになる」

キョン「そりゃあ、誰だってそんな事を言われたらムキになるだろ。本当にそうならともかく俺はノーマルだしな。それに」

長門「…それに?」

キョン「もしホモでもよりによってアイツなんかとなんて、考えただけで寒気がする。二度とそんな事は言わないでくれ」

長門「………」

キョン「長門?」

長門「……仕返し」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/01(金) 21:26:33.49 ID:ZJcl2YyGO

…やられた
あの長門がこういう冗談をいうとは思わなかった
この不意打ちに完全に面食らった俺は少しの間言葉に詰まってしまった
その時の、少し悪戯っぽい表情をした長門は、正直いって少し魅力的だった
まぁ俺以外にはわからないだろうが

長門「…これに懲りたらもうあんな質問は控えて欲しい」

キョン「長門、すまなかった。なんというか、軽率だったな。怒ってるか?」

長門「不愉快になったのは本当」

キョン「スマン」

長門「私だけならともかく、あなたは女性に見境なく同様の質問をしている。それが不愉快」

キョン「なんだって?すまないが聞き取れなかった」

長門「…なんでもない。忘れて欲しい」

そういって長門は俺に背を向け、扉に向かって歩きだした

キョン「長門?どこへ行くんだ?」

長門「…いい」

そういって長門は部室から出て行った。なんだったんだ?
すると今度は長門が出て行ったのと反対側のドアが開く音がした

古泉「んっふ」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/01(金) 21:36:16.55 ID:ZJcl2YyGO

キョン「古泉…」

古泉「どうしたんです?そんな残念そうな顔をして」

キョン「そりゃあお前のにやけたツラを見りゃあこんな顔にもなるさ」

古泉「それは手厳しい。こっちはあなたが涼宮さんに卑猥な質問をしたせいで大変だったんですよ?神人ならぬチン人に襲われたり」

キョン「チン…なんだって?」

古泉「まぁそれは済んだことです。今はさておきましょう。キョンくん、僕は今嬉しいんですよ。何故かわかりますか?」

キョン「さぁな」

古泉「あなたが私を女性と同列にみなしていてくれたということが、です」

キョン「…!?」

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/01(金) 21:44:10.41 ID:ZJcl2YyGO

キョン「聞いてたのか?」

古泉「ええ、ずっと」

すました顔で答える古泉に苛立ちを覚えながら俺は言った

キョン「なら俺はこうもいったはずだ。お前とだけは絶対に無い、と」

古泉「んっふ。なら何故谷口や国木田くんには同じ質問をせず、僕だけにしたんですか」

キョン「たまたまだ。理由なんて無い」

古泉「照れなくても良いですよ。僕はわかっています」

キョン「いやわかってない。ぜんぜんわかってない」

古泉「SOS団は内部恋愛禁止。だからこそ、ああやって長門さんに言ったのでしょう?大丈夫、わかってます」

キョン「いや、だから」

古泉「それにまだ日本では同性愛者に対する理解が進んでいるとは言い難い。学校という狭いコミュニティではさらに肩身は狭いでしょう。隠すのもわかるというものです」

…こいつは何を言ってるんだ

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/01(金) 21:55:52.45 ID:ZJcl2YyGO

古泉はなおも続ける。
いつにも増して、饒舌に。淀みなく。

古泉「大丈夫、僕はそのような事はありません。自分で言うのも何なんですが、同性愛者に対する見識や研究は一般人と比べてかなりのものだと自負しています」

キョン「何を…」

古泉「いや、おそらくその道の者の中でも高みにいると言っても過言ではないでしょう。ここまではわかりますか?」

キョン「わからない」

答えながら、俺の膝は高速で震えていた
ヤバい、危険だ、と本能が警告を発していた

古泉「すぐにわかりますよ。なんせ僕はプロ級ですから。入門にはもってこいです。幸い部室には今二人しかいません。さぁお互い理解し会おうでは…あっ!」
気づいたら俺は駆け出していた
古泉が何か言っているが関係ない
ドアを開け、今まさに部室に入ろうとしていた朝比奈さんの横を全速で走り抜けていった

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/01(金) 22:06:57.91 ID:ZJcl2YyGO

古泉「キョンくん…」

ガラガラガラ

みくる「キョンくん今までに見たことない形相で走り抜けていっちゃいましたけど何かあったんでしゅか?」

古泉「人を愛するのは難しいものですね」

みくる「ふぇ?」

古泉「んっふ、何でもありません」

ーーーーーーーーーーーーー

必死で走って玄関へと向かう俺の前に、見なれた顔が目に入った
我らが団長様だ

ハルヒ「ちょっとキョン!!そんなに慌ててどこに行くのよ!」

冗談じゃない、こっちは貞操の危機だ。今はお前にかまってる場合じゃない
無視して通り過ぎようとしたが、狙いすましたように足をかけられた

ハルヒ「なによ、無視しようったってそうは行かないわよ」
キョン「痛っ…、ハルヒか…」

ハルヒ「ハルヒか、じゃないわよバカキョン。あんたすごい必死だったわよ?何か不思議なことでもあったの?」

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/01(金) 22:17:34.20 ID:ZJcl2YyGO

まずいな…。
ここで正直に、古泉に言い寄られていると言ったら、コイツならそれは面白いとばかりに俺と古泉を引き合わせるかもしれん
ましてやコイツが俺と古泉がくっつく事を願ったりしたら…
ここは黙って逃げるのが得策だろう

キョン「なぁ、ハルヒ」

ハルヒ「何よ、キョン。かしこまっちゃって」

キョン「タマがぶらぶらしている棒を穴に入れるものって何かわかるか?」

ハルヒ「…ちょっ、急に何言って…」

キョン「正解はけん玉だ、じゃあそういう事で」

ハルヒ「ちょっと!!エロキョン!!待ちなさいよ!」

俺はそのまま学校を後にした
あのハルヒの様子ではたぶん閉鎖空間ができたことだろう
はぁ…、閉鎖空間で古泉死なないかな

そして明日の不思議探索ではハルヒは怒ってるだろう、憂鬱だ。


古泉「おっとバイトが入ったようです」

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/01(金) 23:07:00.60 ID:ZJcl2YyGO

今日は不思議探索の日だ
しかし、昨日の事を思い出すと足取りが重かった
食欲もないし、夜もあまり眠れなかったのも原因だろう
家を出るときも妹に、キョンくんどこか悪いの?と心配させてしまった。俺はなんて悪い兄だ
それにしても古泉と会うのが怖い
尻尾をまいて逃げ出したい気分だが、ハルヒがどれほど怒るか考えるとそういう訳にもいかないな

…いや待てよ?ハルヒを怒らせたら閉鎖空間が発生するんだよな?

いや、いかん。古泉はともかく、森さんにも迷惑がかかるし、さすがに団員が死ぬなんて後味が悪い

ハルヒ「ちょっとバカキョン!遅いわよ!!」
キョン「スマン、ちょっと悩み事をしててな」

ハルヒ「あんたみたいな奴に悩みなんかあるはず無いでしょ!それとも何、昨日みたいなエッチなナゾナゾでも考えてたんじゃないでしょうね!!」

仮にも女子高生がそんな大きな声でそんな事を言うもんじゃない
恥じらいが無いのかお前は

長門「………………」

それを聞いた長門が少し悲しそうな顔をして、非難の眼差を投げかけてくる
スマン長門…、仕方無かったんだ…

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/01(金) 23:21:05.41 ID:ZJcl2YyGO

ハルヒ「それにアンタが帰っちゃったから昨日はあたしとみくるちゃんだけだったんだから!せっかくみくるちゃんの新コスチューム御披露目会だったのに…」

みくる「でも昨日の格好はちょっと大胆すぎですよぅ…、キョンくんと古泉くんがいたらあんなの着れませんよぅ…」

ハルヒ「そうね、アレはちょっとやりすぎだったかしらね?はちきれそうだったものね」

みくる「ふぇぇ〜恥ずかしいですぅ〜///」

一体どんな服だったんだ!?くそっ、見たかったぞ!!
はちきれそうって…アレだよな?いやあの部分か?いやむしろ…

ハルヒ「ちょっとアンタ、今いやらしいこと考えてたでしょ!!このエロキョン!!罰としてアンタ全員分の飲み物おごりだからね!!」

うっ!!ばれてる!!
長門まで冷たい目で俺を見ている
朝比奈さんは顔を真っ赤にしている。さすが可愛いぜ俺のマイエンジェル

しかしやれやれ、全員分の飲み物をおごることになってしまった

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/01(金) 23:29:05.06 ID:ZJcl2YyGO

まぁ、それくらいでハルヒの機嫌が治るなら安いもんだ


ハルヒ「今日は天気が良いから歩きながら外で飲むのがいいわね。だからキョン!あのコンビニで買ってくるのよ!!」
キョン「へいへい」

ハルヒ「あ、わたしコーラね」

みくる「私はなんでもいいでしゅ」

長門「…レッドブル」

後は古泉だが…
今日は意識して古泉のほうを見ないようにしていたのだが、こればかりはそうもいかなそうだ
意を決して古泉のほうを向くと、いつもと変わらないにやけた顔がそこにあった
ほんと、なんなんだこいつ

キョン「お前はなにがいいんだ?」

古泉「そうですねぇ…、僕は一緒に行って決めますよ」

キョン「………!!」

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/01(金) 23:36:27.26 ID:ZJcl2YyGO

なん、だと…

それはマズい、非常にマズい

キョン「…コーラじゃダメか?」

古泉「ダメです!」
ハルヒ「古泉君、どうしたの?そんな大声出して…?」

古泉「すいません涼宮さん。実は僕コーラアレルギーでしてつい…」

みくる「でもこないだコーラ飲んでましたよn
古泉「とにかく!僕は一緒に行きますよ。それにさすがに全員分買うのは重たいでしょうし」

みくる「ふぇぇ」

ハルヒ「どうでもいいから早く行ってちょうだいバカキョン!私喉渇いてるんだから!」

最悪だ。激しく行きたくない。ただでさえ気まずいって言うのに…

これが 心 か ・・・

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/01(金) 23:48:15.55 ID:ZJcl2YyGO

そんなこんなで二人でコンビニに行くことになってしまった
古泉「やっと二人っきりになれましたね」

古泉が何か言った気がするが俺は聞こえない何も聞いてない
しかし、長門よ。何故にレッドブル?そんなに翼が欲しいのか?
そう思っていたが値段を見てわかった。ちょっと高いんだなこれ…
長門なりのお仕置きなんだろう
この控えめさが長門らしいというか…正直にいうとちょっと可愛い

そして俺が朝比奈さん用の飲み物を選んでいる時だった
耳元で声がした

古泉「んっふ。僕はカルピスがいいです。濃いやつをそのままいただきたいですね、キョンくん?」
古泉よ、尻に何か当たってます…

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 00:00:39.96 ID:y9pI46gLO

俺は適当に目の前にあったペットボトルをひっつかんで、急いでレジに向かった

こいつヤバい。マジヤバい

しかしこういう時に限ってレジというのは混んでいるものだ
古泉「キョンくん、カルピスを忘れていますよ」

キョン「ああ、悪いな…」

案の定と言おうか、後ろに並んだ古泉

キョン「じゃあ俺が払っとくから先に出とけよ」

古泉「いやいや、それは悪いですよ。あなたはいつも涼宮さんに振り回されていますし。自分の分は自分で払います。涼宮さんには内緒ですよ?」

キョン「スマンな…」

言ってることはありがたいのだが何故そんなにぴったり後ろに並ぶんだ
息が首筋にかかってるって

やっとレジが俺の番になった
長い時間だった…

そして驚く事にレジにいたのは中学の同級生だった佐々木だったのだが、一目こちらを見るなり目を伏せてしまった

キョン「いや違うんだ…、これは」

佐々木「…704円になります。」

久しぶりの再開だというのに何か勘違いされてしまった。しにたい

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 00:06:39.95 ID:y9pI46gLO

佐々木「ありがとう…ございました…」

佐々木は何故かうっすらと目に涙を浮かべていた
そりゃこんな真っ昼間にこんな男二人がいたら怖いよな…

だが不謹慎ながら涙目の佐々木は可愛いかった

古泉「お待たせしましたね。さて行きましょうか」

キョン「ああ、そうだな」



佐々木「…店長、早退しても…ウッ…いいです…か?グスッ」

店長「何があったの!?」

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 00:28:43.33 ID:y9pI46gLO

改行多いって言われた


ハルヒ「ちょっとキョン!遅いわよ!」

キョン「すまんレジが混んでたんだ」

言いながら俺は佐々木のことを思い出していた。今度会ってちゃんと誤解を解こう
しかし元はと言えばコイツが…

古泉「…ポッ///」

頬赤く染めてんじゃねぇぇぇ!!!
ロシアの大地をお前の血で染めてやろうか!?

長門「…喉渇いた」
ハルヒ「そうよ、早く飲み物出しなさいよ!」

キョン「あ、ああ、そうだったな。はいこれ。朝比奈さんには…これ」

みくる「ふぇぇ、ただのソーダ水なんてヒドいですぅ」

キョン「すいません朝比奈さん…」

147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 00:32:59.52 ID:y9pI46gLO

ハルヒ「ちょっとバカキョン!みくるちゃんをいじめたら許さないんだから!」
キョン「いや、そんなつもりじゃ…」

ハルヒ「それにこのコーラ、カロリーゼロじゃないじゃない!この団長様に太れっていうの?第一これコカコーラじゃない!」

キョン「お前はコーラとしか言わなかったじゃないか」

ハルヒ「コーラって言ったらペプシに決まってるでしょ!バカキョン!」

キョン「しらねぇよ!」

古泉「カルピスおいしいですね。んっふ」

黙れガチホモ野郎

みくる「ふええ、辛いですぅ」

ソーダ水を我慢して飲む涙目の朝比奈さんは可愛かった
これからもちょくちょく飲ませてみようか


長門「……レッドブル、翼を授ける」

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 00:43:15.32 ID:y9pI46gLO

ハルヒ「別れ道ね」
古泉「そのようですね、どうしますか?」

ハルヒ「二手に別れるしか無いわね…」
キョン「ハルヒ!それはやめないか?」

ハルヒ「どうしたのよキョン?そんな大声出して」

キョン「いや、なんとなくだな、二手に別れないほうが良いかと…」

冗談じゃない、二手に別れるともしかしたらアイツと二人きりになるかもしれないじゃないか

ハルヒ「駄目よ!これは団長命令なんだからね!」

古泉「じゃあくじ引きで決めましょうかね。んっふ」

こっち見ながら笑ってんじゃねぇ、てめぇ!
古泉と二人になったら最悪だ
俺は柄にもなく神様に祈った
お願いします神様!スモークチーズをあげますから!

155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 00:52:58.52 ID:y9pI46gLO


・・・


・・・・・



神様!
神様は俺に味方してくれたようだ
スモークチーズのおかげだ!やった!
何故か天からにょろーんという声が聞こえた気がした

キョン「朝比奈さんとですか」

みくる「よろしくでしゅ」

古泉「…チッ、仕方ありませんね」

ハルヒ「みくるちゃんに変なことしたら許さないんだからね」

長門「……古泉一樹は何かがおかしい」

160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 01:03:20.21 ID:y9pI46gLO

なんてすがすがしい気分だ。いつにも増して朝比奈さんが天使に見える
もしかして朝比奈さんは本当に神様が使わした天使なんじゃないだろうか

みくる「キョンくん?」

キョン「え?…いや何でしょう?朝比奈さん」

いかん見とれていた

みくる「古泉くんと何かあったんですか?」

キョン「い、いや、何もないですよ!全然!」

みくる「そうですか?なんか昨日から古泉くんがなんとなくおかしいような」

キョン「いやあいつはもとからおかしいんです」

みくる「ふぇ?」

キョン「いやなんでもありませんよ」

俺は一切合切を話してしまおうかとも思ったのだが、朝比奈さんを心配させるのは良くない
この天使の笑顔を曇らせるなんざ男のする顔じゃねえぜ!

ゴッ

みくる「キャア!!」
すると突然風が吹いた
パンチラ!
神様ありがとうございます!

163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 01:19:44.04 ID:y9pI46gLO

キョン「」
みくる「キョンくぅん…」

キョン「すいません!つい!」

みくる「?どうしたんですか?」

キョン「い、いえ、何でもないですすいません」

みくる「?実は今の風で目にゴミが入っちゃったんですけどとってくれませんか?」

キョン「おやすいご用ですよ」

とは言ったものの間近でみる朝比奈さんの顔は正直たまらん

みくる「キョンくぅん顔ちかいでしゅ///」

キョン「取れました!」

みくる「ありがとうキョンくん」


そうやって顔を上げると少し遠く、朝比奈さんの向こう側に佐々木が居た

166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 01:21:43.20 ID:y9pI46gLO

改行規制ウザすぎ


ダッ!!

だが佐々木は、俺と目が合うなり走って逃げて行ってしまった
なんで佐々木が?バイトはどうしたんだ?
いや待て、さっきの誤解を解かなければ!待てよ佐々木!
何故走って逃げる?まださっきのことで俺が怖いのか?

キョン「あ、佐々木!待てよ!」

バキッ!
そう言って走って佐々木を追いかけようとした刹那、俺のわき腹に激痛が走った

「みくるに何するっさ!!」

173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 01:38:51.31 ID:y9pI46gLO

キョン「イタタタ…」

鶴屋さんのドロップキックは俺の内蔵系に深刻なダメージを与えたに違いない
間違いなくアバラはイッてるな、これは
なんかもう踏んだり蹴ったりだ。古泉には狙われるし佐々木には誤解されるし鶴屋さんには蹴られるし
もう一つのSSの俺とは扱いが大違いだ、俺も森さんと…って何を言ってるんだ俺は

鶴屋「今みくるに何をしてたんだにょろ!さぁきりきり答えるっさ!」フミ

キョン「鶴屋さん踏まないで下さい。まだそこ痛いんで…」
鶴屋「うるさいにょろ!」

みくる「やめてください、キョンくんは目の中に入ったゴミをとってくれただけなんですぅ…オロオロ」
鶴屋「そうなのかい?キョンくん、どうなのかなっ?」フミフミ

キョン「グハッそうです、俺はただ朝比奈さんに頼まれて」

鶴屋「じゃあ許してあげるにょろ。いいかい、私のみくるに手を出したら許さないにょろ!」


どうしてか俺は鶴屋さんの中に古泉と同じものを感じた

184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 01:58:26.74 ID:y9pI46gLO

よし、じゃあ頑張って続き書くぜ!

鶴屋「まったく…みくるはいつも無防備すぎるっさ!今日も私が後ろからついてこなかったらどうなってたかわからないにょろ」

みくる「キョンくんに限ってそんなことはないですよぅ」

鶴屋「わからないよっ!男はみんな狼なのさっ!」

えらい言われようだな俺

鶴屋「それはそうとキョンくん」

キョン「なんですか?」

鶴屋「さっき走って行った女の子は追わなくていいのかい?」

そうだった!

キョン「すいません朝比奈さん!」ダッ

みくる「ふぇ?キョンくん!?」

鶴屋「………フフ(これで邪魔者は消えた)」

キョン「イタァッ!」ズサァッ

みくる「キョンくん!?」

鶴屋「チッ」

190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 02:08:21.05 ID:y9pI46gLO

くそっ怪我してるの忘れてたぜ…

鶴屋「何してるにょろ!それでも男の子かい!!早く彼女を追いかけるっさ!根性を見せるんだっ!」
キョン「…鶴屋さん、それムリ…」

鶴屋「なにいってるんだいっ!そんな怪我ぐらいでへこたれるなんてっ!」

キョン「…いや、だいたい誰のせいで」

みくる「この怪我じゃ無理ですよ!長門さんに頼んで治してもらわないと!立てますかキョンくん?」

キョン「はい…、なんとか…」

鶴屋「みくるは優しいねぇ…。キョンくんみくるに感謝するにょろ!」

いやだからこれはあなたのせいですって…
スマン佐々木…




佐々木「グスッ…昼間っから男といちゃついたり路上で女の子とキスしたり、僕にはもうキョンのことがわからないよ…」

194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 02:15:08.36 ID:y9pI46gLO

みくる「今、連絡をとりました。3人ともこちらに向かってくるそうです」

キョン「ありがとうございます」

鶴屋「ほんとみくるは優しいにょろ」

良かった、もう少しの辛抱だ…

って待てよ?3人ってことは…

古泉「心配しましたよ、キョンくん」


いかん、今度は胃が痛くなってきた

196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 02:28:52.83 ID:y9pI46gLO

ハルヒ「ちょっとキョン!どうしたのよ怪我したなんて!一体何があったの!」

鶴屋「キョンくんがみくるに無理やり迫っててそれを私が阻止しようとしたんだよ!」

ハルヒ「このエロキョン!あれほどみくるちゃんに手を出さないように言ったじゃないの!」ボスッ

キョン「ぐえぇ!腹はやめろ腹は」

鶴屋「…そしたらそれは私の勘違いだったにょろ!」

みくる「キョンくんはただ私の目に入ったごみをとろうと…」

鶴屋さん、たぶんわざと誤解を招くような説明をしたな…

ハルヒ「ふん!どうだか!本当にみくるちゃんを襲う気だったんじゃないの?エロキョン!」

おいおい、言い過ぎだろ。こっちは怪我人だぞ?
まぁ確かにちょっと考えたけどな…

古泉「とにかく怪我の様子をみましょう。服をめくってください」ハァハァ

キョン「俺の側に近寄るなァッーーーー!!」

長門「……ディアボロ」

200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 02:39:17.14 ID:y9pI46gLO

古泉「…これは肋骨やっちゃってますね」ハァハァ

キョン「触るな気持ち悪い」

長門「……古泉一樹の心拍数が上昇している。危険な状態」
ハルヒ「大怪我じゃない!キョン、大丈夫なの?」

大丈夫じゃねーよ

古泉「彼はこれ以上の不思議探索は無理ですね」ハァハァ

長門「……かなり呼吸が荒い。病気かもしれない。…心の」
ハルヒ「そうね…、今日はこれでお開きね!」

みくる「そうでしゅね…」

古泉「ではひとまず彼は僕が運ぶとしましょう」

キョン「………!」

207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 02:48:54.35 ID:y9pI46gLO

ハルヒ「悪いわね古泉くん」

古泉「いえいえ」

キョン「いや、いらん!歩けないほどじゃないし俺は歩いて病院に…イッ」

古泉「人の親切は素直に受けるものです」

ハルヒ「そうよキョン!古泉くんもこう言ってるんだし!……なんなら私もついていってあげていいわよ」

キョン「…ああそうだな!是非頼むよハルヒ!お前が来てくれたら安心だ」

ハルヒ「///仕方ないわねぇ…ほんとキョンは私がいないと何もできないんだから…」

古泉「いえいえこのようなことに団長さまの手を煩わすわけにはいきませんよ。僕一人で大丈夫です」

キョン「な゛っ」

213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 03:04:58.09 ID:y9pI46gLO

ハルヒ「いや、でも」

キョン「ハルヒ!俺にはお前が必要だ!そばにいてくれ!」

ハルヒ「………」

ハルヒよ、何故目をそらすんだ?頼むからついてきてくれ!
ハルヒは依然として目を伏せたまま答えた

ハルヒ「私だって鬼じゃないわ。そこまで言われたらついていってあg

古泉「ダメです!あなたがそんなことだから彼がいつまでたってもこんな有り様なんですよ!甘やかすと人間ろくな事にはなりませんからね!絶望したっ!甘やかされてつけあがるゆとり世代に絶望したっ!」

ハルヒ「古泉くん、なんかキャラ変わってない?まぁいいわ確かに甘やかすのは良くないわね…、残念だけど」ボソッ

キョン「ハルh
古泉「んっふ。じゃあ行きましょうか」
鶴屋「じゃあみくる、私達も行くっさ!近くに美味しいイタ飯屋さんが出来たっさ」

みくる「そうですね行きましょうか」

ハルヒ「私もそこ行っていいかしら?」
鶴屋「いいとも!ハルにゃんとみくると二人まとめて相手してあげるにょろ!」

長門「………私も帰る」

224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 03:23:10.80 ID:y9pI46gLO

キョン「ちょっと待」ドスッ

古泉「行きましょうか、キョ・ン・く・ん」

キョン「カハッ・・・」

古泉「では皆さん、また学校でお会いしましょう」

ハルヒ「じゃあね古泉くん!キョンのこと頼むわよ!」

待ってくれハルヒ!待ってくれ長門!
俺は精一杯声を出そうとしたが、声はおろか、呼吸すらまともにできない
さっきの古泉のパンチは俺の鳩尾を正確に捉えていた

古泉「んっふ、日頃の神人狩りで鍛えた体は伊達じゃありませんよ。観念したらどうです」

駄目だ、もう俺に抗う術はない。
この怪我では逃げることも出来ないし、戦っても勝てる見込みはない
ーーーチェックメイトだ

229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 03:34:16.06 ID:y9pI46gLO

ハルヒ「………」

鶴屋「どうしたっさ、ハルにゃん?めがっさ悩んでる顔してるっさ!」

みくる「そうですよ涼宮さん。どうしたんでしゅか?」

ハルヒ「……ごめん二人とも!用事を思い出したわ!」ダッ

鶴屋「ハルにゃん行っちゃったね〜。青春してるねっ!」

みくる「うふっ、頑張ってください涼宮さん」

鶴屋「…さて」

みくる「?」

鶴屋「やっと二人っきりになれたっさ!今日はみくるを離さないにょろ!」

みくる「どうしたんですか!?そんなに張り切って!」

鶴屋「そうと決まればまずは腹ごしらえだねっ!その後お酒を飲んで酔いつぶれたところを…ウフフフフ」

みくる「ふぇ〜なんか怖いでしゅ」

230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 03:37:46.70 ID:y9pI46gLO

古泉と一緒に歩いてどれほどの時間が経っただろうか
俺はもう半ば投げやりな気持ちで、足を交互に動かすだけの機会と成り果てていた

古泉「仕方ありませんねぇ…こんなにぐったりしちゃって。これは一回休憩しないといけませんね」
古泉「おや、ちょうど良いですね。んっふ」

気づくと俺達はラブホテルの前に立っていた
休憩って、そっちか…
どの道俺にもう打つ手はない、好きにすればいいさ

古泉「さて、あのなぞなぞの答えを、ゆっくり教えて差し上げましょうかね」

ザッ

「………ちょっと待つべき」

233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 03:48:47.58 ID:y9pI46gLO

そこに立っていたのは、頼れる宇宙人長門だった
お前はいつだってそうだ。俺が困った時にはいつだって助けてくれる

長門「……その手を離して」

古泉「おやおや、こっそり後をつけるなんて、汚い真似をしますねぇ」

長門「汚いのは貴方。彼の怪我を良いことに彼を自分のものにしようとしている」

古泉「欲しい物を手に入れるにはどんなチャンスでも活かしませんとね」

長門「……もういい」

古泉「おっと、やる気ですか?ただでは僕も彼を渡しませんよ」

長門「……私は怒っている」

目にも止まらない速さで長門は古泉の懐に入っていた
閉鎖空間ならともかく、こっちの世界で、古泉が宇宙人にかなうわけが無いのだ
古泉「なっ」

長門「………エターナルフォースブリザード」

ドーーーンッ

古泉「ギャアアアア!」

長門「…お前は死ぬ」

237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 04:04:38.92 ID:y9pI46gLO

まともに長門の技を喰らった古泉は、通りをすごい勢いですっ飛んでいった
この通りには見覚えがあるが、よく思い出せない
まぁあいつは吸血鬼でもないし復活は出来ないだろう

キョン「…長門すまん」

長門「…いい。今怪我を治すから動かないで」

キョン「長門、本当にありがとう…ウッ」

長門「…男の子が泣いちゃ駄目。それに諦めるなんて貴方らしくない」

キョン「ああ…スマンな。でも今回はさすがに駄目だと思ったんだ」

長門「…そんな時のために私がついている。安心していい」

キョン「長門…」

俺は思わず長門を抱きしめた

長門「………」



ハルヒ「…あの二人、あんなとこでなんてことしてんのよ!」


古泉「…バイトが…入った…ようで…す」

佐々木「キャア!僕の家の前に人が倒れてる!」

241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 04:23:07.95 ID:y9pI46gLO

僕は今日、運命的な再開を果たした。
中学時代の想い人、キョンが現れたのだ
本当は喜ぶべきなんだろう
しかし彼は変わってしまったのだろうか
男同士でいちゃついたり、路上で一目もはばからず接吻したり…
少なくとも中学時代の彼はそんな人じゃなかったんだがね…
でも何より驚いているのは、僕がこんなに弱い人間だったってことだ

佐々木「くつくつ、まさか失恋して家で泣きはらすなんてね…、僕にも一端の女の子らしいところがあったんだね…」

西向きの窓からは夕日が差し込んで、部屋を真っ赤に染めていた

こんな光景を見ると、楽しかった中学時代を思い出してしまう
佐々木「また彼の自転車の後ろに乗れたらいいのに…」


そんなことを考えていると、家の前で凄い音がした

243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 04:36:22.49 ID:y9pI46gLO

佐々木「何事!?」
見ると家の前に人間の残骸が転がっていた
いや、かろうじて動いているから、残骸みたいな人間だろうか

とりもなおさず僕はその人の所へ走って向かった

佐々木「あの…大丈夫ですか?」

古泉「……うぅ」

ボロボロだが、その顔には見覚えがあった
そうだ、キョンと一緒にいたあの人だ

佐々木「あの、あなたって今日キョンと一緒にいた人ですよね?キョンじゃわからないかな…」

古泉「…キョン?あぁ、もう少しで…、もう少しでキョンくんが僕の物になるところだったのに…」
もう少しで?ということはキョンは彼と付き合っていないということだろうか?

佐々木「突然だけど、キョンっていま付き合ってる人とかいるのかな?」

古泉「………」

返事がない。まぁこれだけの怪我をして喋れるほうが不思議なのだけど


「あらあら、ひどい怪我ね」

246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 04:52:05.75 ID:y9pI46gLO

朝倉「この怪我…、長門さんにやられたのね。可哀想に」

古泉「………」

朝倉「喋らないで。いま修復してあげるから」

朝倉「ところで」

いつの間にか現れたその女の子は、僕に向かって唐突に問いかけてきた

朝倉「あなたキョンくんの知り合いかしら?」

佐々木「え、えぇまぁ…」

答えながら僕は彼女の顔をじっと見つめる
眉毛が凛々しい美人だ
しかしどこか普通の女の子とは違う
一体何者だろうか?

朝倉「ふぅん、あなたキョンくんに気があるのね」

佐々木「い、いやっ僕はその…、恋愛なんて一種の」

朝倉「隠さなくていいわ。わかるもの。だってほら、顔にはっきりかいてある」

248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 05:02:09.63 ID:y9pI46gLO

佐々木「…………」

初対面の相手に悟られるほど顔に出ているのだろうか?
そう思うと恥ずかしくて二の句が継げなかった


朝倉「大丈夫、彼はまだ付き合ってる人はいないわ。彼に好意を寄せてる人はいるみたいだけど…」

そこで彼女は言葉を区切ると、こっちを見、悪戯っぽく微笑んで言った

朝倉「だってほら。彼って鈍感だもの。わかるでしょ?」

佐々木「…………」
成る程。考えてみれば、あんな鈍感な彼にまともな恋愛ができるわけがないじゃないか。僕は一体、何を悩んでいたんだろう

朝倉「頑張りなさい。私はあなたを応援するわ」

佐々木「ありがとう」

朝倉「でも急がないと駄目よ。早くしないと彼を狙うライバルは多いもの」

古泉「彼は僕のもn」ドスッ

朝倉「ほら、早く行きなさい?」

佐々木「…ありがとう」

朝倉「…いいえ」

朝倉「だって長門さんを彼にとられるわけにはいかないもの」

252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 05:11:00.35 ID:y9pI46gLO

ハルヒ「ちょっとエロキョン!!あんたなんてことしてんのよ!」

キョン「!?」

しまった、ハルヒに見られた…
しかし何故ハルヒがここに?
朝比奈さんと鶴屋さんと一緒にいたんじゃないのか?

キョン「いや、これはだな…」

ハルヒ「まずその手を離してからいいなさいバカキョン!アホキョン!」

言われて俺は長門をしっかり抱きしめていたことに気づいた
キョン「あ…、長門すまん」

長門「……いい。気持ちよかった」


長門さん!?ここでその発言はマズいですよ!?

253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 05:25:36.88 ID:y9pI46gLO

ハルヒ「まさかあんた達、出てきた後ってわけ!?このエロキョン!スケベ!!死ね!!!」

ハルヒが初めて見せる表情で、初めて聞くような大声で、いまだかつてない剣幕で怒っている
ああ、修羅場ってこんなことを言うんだな…。さてどうしたものか…

キョン「あのさ、ハルヒ…落ち着けって。まださっきハルヒ達と別れて30分と経ってないじゃないか」

ハルヒ「うるさいわよ!だいたい何よ!怪我したなんて言ってピンピンしてるじゃない!!」

キョン「いやそれは…」

ハルヒ「みんなして私を騙す演技をしてたのね!古泉くんも鶴屋さんもみくるちゃんもぐるなんでしょ!!」

マズい。これは非常にマズい
長門が怪我を治してくれたのは嬉しいがそれが仇になった
どうすればいいんだ?
アイタタタ、また胃が痛くなってきた

258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 05:48:11.94 ID:y9pI46gLO

キョン「いや、それは、お前の誤解でだな…その…」

言い訳を考えてるとますます胃が痛い
まるでハルヒが腹の中でも暴れているようだ
目の前にハルヒ、腹の中にもハルヒ、はは、それって全然笑えねえ

ハルヒ「どこがどう誤解だって言うのよ!どうみたってそうとしか思えないじゃないのよ!!」

キョン「だからだな、イタタタッ」

ハルヒ「なによ、今更演技したって遅いわよ!」

ヤバいますます胃が痛んできた。立っていられない
いや、これは胃が痛いんじゃない
長門に治療してもらう前の痛みと同じだ

長門「……治療前の状態に戻した。これであなたは本当の怪我人」ボソッ

259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 05:58:08.97 ID:y9pI46gLO

長門「…聞いて」

ハルヒ「何よ有希!有希とキョンができてるなんて思わなかったわよ!もっと前に知ってたら…知ってたら私…」

長門「違う。それは大きな誤解。彼はさっきまで無理をしてアナタと喋っていた。おそらくあなたに心配をかけまいとする彼の気遣い」

ハルヒ「嘘よ!!」

長門「本当。彼を見ればわかる」

ハルヒ「…?」

ハルヒ「!!!ちょっとキョン!あんたすごい血が出てるわよ!!」

キョン「え?うわっ!!」

長門「……少し怪我を酷くしておいた。大丈夫、短時間なら問題無い」ボソッ


短時間ならって…結構やばい怪我なんじゃないかそれ?

262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 06:11:20.36 ID:y9pI46gLO

ハルヒ「ちょっとキョン!これヤバいわよ!救急車呼ばないと!」

キョン「大丈夫だ…」

ハルヒ「大丈夫なわけないじゃない!!」

長門「大丈夫、彼は強い」

大量出血して大丈夫な人間って、俺は化け物か

ハルヒ「もう、キョンを放って古泉くんはどこに行ったのよ!」

長門「…彼なら…」
長門はちょっと考える素振りを見せてこう言った

長門「…バイト」

長門よ、それはいくらなんでも無理があるぞ

ハルヒ「はぁ?こんな怪我人を放ってバイトに行くなんて人間じゃないわ!最低よ!!」

お前も信じるなよ、ハルヒ

長門「…それで息も絶え絶えな彼を通りかかった私が見つけて介抱していた。」
ハルヒ「なるほど…。そっか、そうよね!まさかこのキョンが有希と付き合うはずないものね!」

長門「そう」


悠長に話しているところ悪いんですが、俺が死にかけているのを忘れてませんか?お二人さん

265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 06:22:46.21 ID:y9pI46gLO

キョン「そんなことはいいから早く救急車を…」

ハルヒ「そ、そうね…あれ?」

キョン「?」

ハルヒ「携帯が繋がらないわ!ちょっと待ってて!向こうに公衆電話があるから行ってくる!有希、キョンを頼むわ!」ダッ!

長門「…この付近一帯に電波障害を起こした」

キョン「何から何まですまんな長門…。」

長門「…いい。こうなった責任の一端は私にもある」

キョン「本当、長門には助けられてばっかりだなハハ」

長門「…涼宮ハルヒが戻らないうちに早く行って。彼女には私から話しておく。傷は治しておいた」

キョン「ああ、スマン、また学校で会おう」

長門「…また明日」

タッタッタッ
ハルヒ「あれ?有希、キョンは?」

長門「…彼ならいま救急車で運ばれていった」

ハルヒ「…早すぎない?」

長門「…日本の救急隊員の皆さんは優秀」

267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 06:34:02.49 ID:y9pI46gLO

ハルヒ「キョン大丈夫かしら…」

長門「…彼なら大丈夫。彼は強い」

ハルヒ「さっきも聞いたわよ、それ。しかし古泉くんには幻滅したわ。そんな冷たい人間だったなんて」

長門「…そう」

涼宮「明日会ったらお仕置きしなきゃいけないわね!」

タッタッタッ
古泉「もう少しでキョンくんを僕のものに出来たのに…彼の家に先回りせねば…」

ハルヒ「噂をすれば…」
長門「……あれは古泉一樹」

ハルヒ「ちょっと!古泉くん!」

古泉「あっこれはこれは涼宮さn」
ハルヒ「ナァパームデスッ!!!」

古泉「ぐふぅっ」

デストローイ

ハルヒ「行きましょ有希」

長門「ユニーク」

救急隊員「あなたが怪我人ですか?」

269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 06:42:08.16 ID:y9pI46gLO

なんか今日は色々ありすぎて疲れたな…、やれやれ、やっと家に帰れる、そんなことを思いつつ
くたくたになりながらようやく家の前に着いた時には、夕日はまさに沈もうとする時だった。
そのほとんど沈みかけの夕日に照らされて長い長い影法師が出来ていた。
その夕日に照らされた人物はゆっくりとこっちを見ると、微笑んでこう言った。
「キョンかい?」

「ああ」

俺は佐々木に、こう答えた

272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 06:54:28.42 ID:y9pI46gLO

キョン「…久しぶりだな」

佐々木「くつくつ、今日会ったばかりじゃないか」

キョン「ああ、そうだな…」

キョン「そうだ、俺は佐々木に言いたいことがあるんだ」

佐々木「僕と話したいことがあるなんて、それは喜ばしいことなんだけど」

キョン「だけど?」
佐々木「どこかに座って話をしないか?僕は君を待っていて足が疲れたんだ」

キョン「あ、ああ、そうだな」

佐々木「そういうとこ、変わらないね君は」
そういって佐々木はくつくつと笑った

274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 07:09:38.80 ID:y9pI46gLO

俺たちはとりあえず近くの公園のブランコに並んで座った
ブランコに座るなんて何年ぶりだろうか

佐々木「で、話したいことってなんだい、キョン?」

キョン「いや、今日一緒にいた男いるだろ?お前はどう思ってるか知らんが、あれは断じてそういう関係じゃないぞ」

佐々木「くつくつ、知ってるよ」

キョン「?」

佐々木「だってその男の子なら僕の家の前に倒れてたからね。いやそれはもう酷い怪我でね」

あぁ、あの通り、どうりで見覚えがあると思ったわけだ
佐々木の家の近くだったからだ

キョン「で、その後また佐々木を見かけた時にそれを説明しようとしたんだが、お前が逃げて行ってしまったからな」

佐々木「すまないね。てっきり僕はその時、君が女の子と接吻してるように見えたんだよ」

ああそうか、そう言えば鶴屋さんもそう誤解してたしな
おかげで事態がややこしくなって…まぁいいか、過ぎたことは


佐々木「…で?」

275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 07:17:59.95 ID:y9pI46gLO

キョン「『で?』とは?」

佐々木「君の言いたいことはそれで終わりかい?」

キョン「ああ、まぁそんなとこだ」

佐々木「くつくつくつ」
佐々木は心底おかしそうに、くつくつと笑った

キョン「何がおかしいんだ?」

佐々木「だってさ、君が余りにも変わらないからさ。いや、ごめんよ。気に障ったなら謝る」

キョン「いや別に気に障ってはないが」
佐々木「それでね、僕は安心したんだよ」

キョン「何で変わらないからって安心するんだよ」

佐々木「くつくつ、本当変わらないよ君は。その様子じゃ鈍感も治っていないみたいだね」

キョン「鈍感とは失礼だな。俺はどんな時にも周りに気を配って−」

そこまで言ったところで、急に佐々木がこちらに身を乗り出してきた
その顔からはさっきまでの笑みは消え、じっとこちらを見つめている

佐々木「僕もね、実はキョンに言いたいことがあるんだ」

277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 07:23:16.65 ID:y9pI46gLO

キョン「どうしたんだ急に」

佐々木「急じゃないさ。だってこれはずっと言いたかったことなんだから」

キョン「ずっと?いつからだ?」

佐々木「ずーっとさ。それこそ、君と合った時から」



佐々木「キョン、僕は君のことが好きだ」

280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 07:32:09.59 ID:y9pI46gLO

キョン「…本当か?」

佐々木「本当さ。僕はこんな時に嘘は着かないよ。見なよ、手が震えてるし、自分じゃわからないけれど、たぶん顔も真っ赤なんだろう?」
佐々木「そりゃそうさ。なんせ今までずっと言えなかったんだから」

キョン「しかしお前は恋愛は一種の精神病だって…」

佐々木「ああ、言ったさ。言ったとも。だってそうでも思わないと僕は自分の想いをとめられなかったんだからね」

佐々木「今考えたら愚かなことだよ。だって高校に入ってから、君と会えなくなってから、その想いは募る一方だったんだから」

適当なところで言葉を区切りながら、佐々木は言葉を続ける

佐々木「それでやっと気づいたんだ。ああ、これはあの時勇気を出さなかった自分への罰なんだって。逃げ続けてきた代償なんだって」

282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 07:44:08.00 ID:y9pI46gLO

佐々木「おかしいだろう?あんな事言ってた僕がこんな普通の女の子みたいな悩みを持ってるなんて。笑ってくれてもいいんだよ?」

キョン「おかしくなんかないさ」

佐々木「そうかい?君にそう言ってくれると嬉しいよ」

佐々木「でもね、そういう気持ちに気づいたのは良いんだけど、やっぱり気持ちに踏ん切りがつかなかったんだ」

佐々木「キョンも高校で好きな人が出来ているかもしれないし、もう恋人がいるかもしれない。もしそうだったら、そうなったら、そう思うとね…」

佐々木「傷つくのが怖かったんだね。情けない話さ。だから今日再開した時に、今日しかないって思ったんだ」

佐々木「まぁ最初は面喰らったけどね。なんせ男といちゃついてるんだから」

佐々木はここで少し笑うと、ゆっくりと立ち上がった
そして俺の前まで来るとかがみこんで、上目使いで、言った。

佐々木「だから、キョン。僕と付き合って欲しい」

キョン「ああ、俺なんかで良ければな」
俺は答えた

284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 07:55:36.72 ID:y9pI46gLO

キョン「それに…、なんだ。俺もずっとお前のことが…うおっ」

佐々木が急に飛びついて来たので、俺は態勢を崩して後ろに倒れこんだ
その時に頭をうったが、不思議と痛みは無かった

佐々木「キョン、僕は嬉しいよ!」

泣きながら佐々木は言う

キョン「バカ、嬉しい時は笑うもんだ」

佐々木「僕は今なら死んでもいいよ」

キョン「俺が困る」
そう言うと、彼女は泣きながら笑った



翌日頭にこぶが出来たが、触れると不思議と幸せな気持ちだった



END

286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 07:58:28.82 ID:y9pI46gLO

というわけで佐々木END終了!!

実はキチンと他のヒロインにも分岐できるように書いたんだぜ!

鶴屋さんとみくるには分岐出来ないけどな!

初SSなんで誤字とかいっぱいあると思うけど温かい気持ちでスルーして欲しいぜ!

288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 08:03:19.14 ID:y9pI46gLO

言い忘れたけど読んでくれてありがとう
気がむいたら他のENDも書くけど、とりあえず休憩するわ
親指めがっさ疲れた

311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 12:17:43.69 ID:y9pI46gLO

キョン「口に入れる前は固いのに出すと柔らかくなって、最後は紙で後始末するものって何かわかるか、ハルヒ」

ハルヒ「えっ///」

たちまちハルヒの頬が赤くなった
普段は傍若無人な団長様も、やはり女の子らしい所があるもんだ

ハルヒ「またエッチな答えを言わせようとしてるでしょ!このエロキョン!」

キョン「ほほぅ、ちなみにハルヒは正解はなんだと思うんだ?」

ハルヒ「うっ、うるさい!あのね、私にはそんな問題簡単すぎて答えるまでもないのよ!あんたみたいな赤点男とは違うのよ!わかった?このバカキョン!」

顔を真っ赤にして、精一杯虚勢を張ってみせるハルヒは十二分に魅力的だった

313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 12:25:41.60 ID:y9pI46gLO

しかし、この団長様も口ではなんだかんだと言いながらも、その実結構楽しんでいるような気がしてならない

ハルヒ「今度はこっちの番よ!」バンッ

俺の座っている机に掌を叩きつけながらハルヒは言う

キョン「ほぅ」

ハルヒ「ギャフンと言わしてやるんだからね!」

キョン「ギャフン」

ハルヒ「そうじゃないわよ!いーい?心して聞きなさいよ」
キョン「早く言えよ」

ハルヒ「“いっぱい”のいをおに変えて言ってみなさい!」ビシッ

キョン「おっぱお」

ハルヒ「ムキーー!!!」

ハルヒよ、お前は小学生か

そんなたわいのない会話をしていると、部室のドアが開いた

「あらあら、ここはいつも賑やかね」

316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 12:35:00.68 ID:y9pI46gLO

キョン「…朝倉?」
朝倉「こんにちは、キョンくん」

そういって軽く微笑んでみせる朝倉は美しかった
本当、関わり合いにさえならなかったら最高に美人だと思う
額縁に飾ってたまに眺める、例えばそういう付き合い方が出きれば良いのだが、現実はそうもいかないらしい

ハルヒ「あら、涼子ちゃん」

こと、俺がSOS団にいる限りは。

キョン「今日は何の用だ?」

朝倉「なんだかちょっと険のある言い方だけど、まぁ良いわ」

ハルヒ「そうよ、バカキョン!女の子なは優しくするもんよ!」

ああ、わかったよ、とハルヒに適当な相槌をうっていると朝倉は言葉を続けた

朝倉「長門さんに用があってね。彼女はいるかしら?」

323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 12:53:08.23 ID:y9pI46gLO

長門「………」トテトテトテ

それを聞いていた長門は読書をやめて朝倉と一緒に廊下に出て行った

それを見たハルヒは俺の袖を引っ張りながら耳打ちする

ハルヒ「ねぇ、ちょっとキョン」

キョン「なんだよ」
ハルヒ「あの二人がこっそりと何話してるか気にならない?」

キョン「いや別に」

ハルヒ「何でよ!あからさまに不思議の匂いがするじゃないの!あの無口な有希と涼子ちゃんが話をしてるのよ!なにか重大な話に違いないわ」

キョン「そんなこと言ったって、あの二人は同じマンションにすんでるし、もともと仲が良くてもなんら不思議ではない。それに…」

ハルヒ「それに?」

キョン「プライバシーの問題に首を突っ込むのはどうかと思うぞ!」

ハルヒ「知ったこっちゃ無いわよそんなこと!もしあの二人が宇宙人の話でもしてたらどうするのよ!」

キョン「!!?う、宇宙人!?」

ハルヒ「あんた何驚いてんのよ、例えばの話よ?例・え・ば。このチャンスを逃す手は無いわ!」

古泉「面白そうですね」

キョン「!」

324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 13:06:28.22 ID:y9pI46gLO

古泉「さすが涼宮さんです。なんとも面白そうな話ですね」

ハルヒ「でしょ?やっぱり古泉くんは話がわかるわね!さすが副団長だわ!それに引き換え…」

あからさまな非難の視線を無視して俺は尋ねた

キョン「古泉、いつからそこにいたんだ?」

古泉「涼宮さんがあなたに耳打ちし始めたところらへん、ですかね」

キョン「最初からじゃねーか!」

古泉「それはそうと、あなたはなぜそんなに僕と距離をとろうとするんです?」

キョン「いや、なんとなく最近お前のせいで酷い目に遭ったような気がしてな」

ハルヒ「?」

キョン「いやまぁこっちの話だ」

古泉「あなた、疲れてるんじゃないですか?」

キョン「ああ、確かに昨日は携帯をいじっていて寝不足かもしれん」

ハルヒ「ほんと馬鹿ね…。さすが雑用だわ」

うるさいぞ、ハルヒ

329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 13:29:04.99 ID:y9pI46gLO

ハルヒ「今はあんたの話なんかどうでもいいのよ、アホキョン!」

古泉「そうですね、今は黙るのが得策かと」

この野郎、言わせておけば…

ハルヒ「とにかく!今週はあの二人の動向を監視するわ!団長命令よ!」

キョン「今週はもう明日しか学校がないじゃないか」

ハルヒ「あんたはいちいち口答えしなくてもいいの!」ビシッ
人に指を差しちゃいけませんって習わなかったのか、コイツは

ハルヒ「じゃあそういうことだから!わかった?みくるちゃんも!」

みくる「ふぇ?なんのことでしゅか?」

ハルヒ「ちょっと、しっかりしなきゃ駄目じゃない、みくるちゃん」


キョン「おい古泉」

古泉「なんでしょう」

331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 13:37:58.22 ID:y9pI46gLO

キョン「どうもひっかかるんだ」

古泉「何がでしょう」

キョン「お前、今回やけに乗り気じゃないか?」

古泉「僕は普段から涼宮さんに対してはイエスマンですけどね」

古泉は少し皮肉そうに笑う

キョン「まぁな、だがそれにつけても今回のお前はやけに積極的だ」

古泉「といいますと?」

キョン「何か企んでるだろう」

古泉「叶いませんね、あなたには」

キョン「やっぱりな。何を企んでる」

古泉「企むなんて人聞きの悪い。ただの情報収集ですよ」

キョン「情報収集?」

古泉「そうです。つまり長門さんと朝倉さんが接触する、それも団活中にわざわざ朝倉さんが訪ねてくるほどです」

キョン「つまり?」

古泉「情報統合思念体のほうで、なにか急な動きがあったのかもしれません」

332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 13:50:55.81 ID:y9pI46gLO

キョン「急な動き?どういうことだ?」

古泉「それはまだはっきりとは言えません。しかしその可能性は高い。機関としてはそのような情報をいち早く入手したいわけですよ」

キョン「…なるほどな」

古泉「まぁそのような動きがあれば遅かれ早かれ機関の耳には入ってくるのでしょうけれど、対応が後手に回ってしまうのは芳しくありませんしね」

キョン「ふうむ」

古泉「わかっていただけましたか」

キョン「確かに、あの二人がこのタイミングで話し合っているのは気になるな」

古泉「さすがです。物分かりが良い」

キョン「勘違いするなよ、長門に関係があることだから心配なんだ、断じてお前のためじゃない」

古泉「おやまぁ、随分と冷たいんですね」

ハルヒ「何話してんのよ?」

キョン「い、いや別に、な」

ハルヒ「あ、あんたまたエッチなナゾナゾでも考えてたんでしょ!ほんと、アンタッてムッツリなんだから!」

古泉「今回ばかりはあなたの低俗な趣味に救われましたね」

−−−放っとけ。

353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 19:10:29.89 ID:y9pI46gLO

ハルヒ「じゃあそういうことだから、あんたたち今日は帰って鋭気を養いなさい!解散!」

古泉「わかりました」

みくる「はいでしゅ」

キョン「はいよ」

ハルヒ「あんたは駄目よ、有希が帰るまで残りなさい!」

キョン「なんでだよ」

ハルヒ「有希の荷物はまだあるんだから帰ってくる筈でしょ、それとも何?一人じゃ寂しくて留守番もできない?」

キョン「んなわけねーだろ」

ハルヒ「なんならあたしも居てあげてもいいのよ?」

キョン「いいや、遠慮するよ。うるさくてかなわん」

ハルヒ「…!!!人が親切に言ってあげてるのに、何よその態度は!!頭に来たわ私は帰る!!」

キョン「おう、また明日な」

バンッと勢いよくドアを閉めてハルヒは出て行った

354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 19:17:07.88 ID:y9pI46gLO

続いて古泉が軽くこちらを睨んで出て行った

………おそらく今のでバイトが入ったに違いない
やれやれ、今のやりとりのどこが俺のせいなんだ

そして朝比奈さんが着替えて帰ってしまうと、部室には俺一人になった

なんとは無しに長門の読みかけの小説をパラパラと捲りながら、30分ぐらい経った頃だろうか、扉が開く音がしてようやく長門が帰ってきた
キョン「おかえり」

長話「……ただいま」

キョン「随分と長話だったじゃないか」

長門「……そう」

355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 19:31:59.78 ID:y9pI46gLO

長門はいつもと変わらない無表情だったが、どことなく悩みのあるような、悲しいような、浮かない顔だった

キョン「なぁ長門、朝倉と何話してたんだ?」

長門「………」

キョン「……?」

長門「……あなたは、もし私が…」

キョン「長門が、なんだ?」

長門「……いえ、何でもない。忘れるべき」

キョン「あ、おい!長門!」

長門「……一人で帰りたい」

そういって長門はさっさと帰ってしまった
なんなんだ、一体?
これは古泉の言ってたことがかなり真実味を帯びてきたな

360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 21:02:08.73 ID:y9pI46gLO

ハルヒ「う〜ん、全然動きがないわね」

朝からずっと朝倉を見ていたハルヒは気だるそうにそうもらした

ハルヒ「見当違いだったかしら」

キョン「まだ3限目じゃないか」

ハルヒ「そうだけどさ」

朝倉はいつも通り平然と授業を聞いている
別段変わったところは無さそうだ

しかし…

ハルヒ「ところで昨日有希の様子はどうだったの?」

そうだ、あの長門の様子はかなりおかしかった
何かあるには違いがないんだ

ハルヒ「渋い顔してどうしたの、キョン?」

キョン「え?ああ、普通だった。いつもどおりさ」

ハルヒ「ふぅん」

362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 21:20:35.94 ID:y9pI46gLO

その日の昼休み、俺たち二人は教室で互いの机をくっつけて昼飯を食った
もちろん朝倉を監視するためである

その様子を見ていた谷口と国木田、その他クラスの大勢がこっちを見て何事かひそひそと話をしていた
まあだいたい何を言っていたか想像は着くがな
しかしハルヒと行動を共するようになって、注目を浴びることに慣れてきたのは嬉しいやら悲しいやら
いや、嬉しくはないか

そんな感じで結局何事もなく昼休みも終わるかと思った時に、朝倉が席を立って一人で教室を出て行った

それを見たハルヒはすかさず
「追いかけるわよ!キョン!」
と叫んで駆け出していった
やれやれ、暴走特急みたいなやつだ

そして朝倉を追って階段まで来たのだが、見事に見失ってしまった

ハルヒ「どっちいったのかわからないわ、キョン」

キョン「上か下か、だな」

ハルヒ「じゃあ私が上ね!」

キョン「じゃあ俺が下だな」

365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 21:53:27.18 ID:y9pI46gLO

そう言ってハルヒはずんずんと上の階へと登っていった
そして俺は下の階へ
階段を降り少し歩いたところで、急に俺の足が動かなくなった

朝倉「尾行はもっと上手くやるものよ」
うふふ、と笑顔を浮かべる朝倉に、思わず背筋がぞくりとした

キョン「なんだ?また俺を殺してハルヒの出方を見る、とかいうのか?」

朝倉「まさか。もう長門さんに消されるのはごめんだしね」
キョン「じゃあなんの用だ」

朝倉「そんなに警戒しなくても良いじゃない。私はただ、あなたと話がしたいだけ」

キョン「俺と話が?」

367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:08:36.57 ID:y9pI46gLO

朝倉「そう。ただそれだけよ。安心した?」

キョン「信じられるか。つうか何で俺の体が動かないんだよ」

朝倉「あらやだ。からかっただけよ」

そういって朝倉が髪をかきあげると同時に俺の体は自由になった

朝倉「気づいてると思うけどこの空間は私の制御下にある」
キョン「ああ」

そりゃあ前にも体験してるからな

朝倉「つまり、ここでなら長門さんに気づかれずに話が出きるわけ。…少しの間ならね」

朝倉「で、聞きたいんだけど」

キョン「何をだ?」
朝倉「あなたはどこまで知ってるの?」

368 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:18:10.58 ID:y9pI46gLO

どこまで?どこまでってどういうことだ?
長門は宇宙人で、お前も宇宙人
言われてみればそのぐらいしかしらないが、そういう意味だとも思えなかった

キョン「質問の意味がわからないな」

朝倉「あらわかりにくかったかしらね?じゃあ質問を変えるわ。あなたは昨日長門さんから何を聞いたの?」

キョン「いいや、何も」

長門は、何も教えてくれなかった

キョン「…何一つ聞いてない」

朝倉「なるほどね。やっぱり悩んでるのね、あの娘ったら」

少し悲しそうな顔をして、控えめに嘆息すると朝倉は続けた

朝倉「あなたにとって長門さんはどういう存在なのかしら?教えてくれない?」

369 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:34:28.32 ID:y9pI46gLO

俺にとっての長門か…

キョン「一言で表すなら、頼れる宇宙人ってところかな。あいつはいつだって俺たちを助けてくれるしな」

朝倉「…そう、成る程ね。長門さんが悩むわけだわ」

キョン「何を言ってるんだ?」

朝倉「いい?よく聞いて。情報統合思念体は、彼女との連結を解除しようとしている」

キョン「!?」

373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:52:48.70 ID:y9pI46gLO

キョン「それはつまり、長門がいなくなるってことか?」

朝倉「それは大丈夫よ。情報連結を解除と言っても特殊なやつでね、長門さんが消えてなくなるわけじゃないの」

キョン「じゃあ、何も問題ないじゃないか」

朝倉「ただし、長門さんは一切の権限を失うことになる」

キョン「それってつまり…」

朝倉「普通の女の子になるってこと」

なんだ?それってむしろ良いことじゃないか?何を悩むことがあるのか俺にはわからない

キョン「何が悪いことがある?喜ばしいことじゃないか」

朝倉「あなたわかって無いわね。そもそも長門さんがなぜSOS団に入ったのか?どうしてあなたと、他の団員たちと仲良くなれたのか、考えてみたら?」

376 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:00:54.91 ID:y9pI46gLO

キョン「それは…」

朝倉「わかった?そもそもあの子はその能力のおかげで、居場所を手に入れた。そもそも涼宮さんに近づいたのも思念体の意志があってこそ」

朝倉はそこで一呼吸置いてはっきりと告げた

朝倉「ただの女の子になったら、あの子には何も残らないのよ」

キョン「そんなこと!」

朝倉「でもあなたはさっき、長門さんのことを“頼れる宇宙人”って言ったじゃない?」

冷たい目をして朝倉は続ける

朝倉「それはあなたが、彼女を彼女の持つ能力にしか価値を見いだしていないということの証明じゃなくて?」

ふふっと朝倉は笑った

俺は言い返す言葉が見つからなかった

377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:16:50.99 ID:y9pI46gLO

キョン「…しかし」

朝倉「しかし?」

キョン「しかし何で急にこんなことになったんだ!?そしてなんであいつなんだ?お前じゃなくて!?」

朝倉「…最近のあの子」

朝倉「最近のあの子って随分と表情が豊かになったわ。あなたたちと居る時なんてほんっと楽しそうに…まぁ一部の人しかわからない程度だけど」

朝倉「それがかえって今回の事態を招くとはね、皮肉なものだわ」

キョン「どういうことだ?」

朝倉「ただのインターフェースでしかなかった彼女が感情を徐々に獲得しつつある。それが進化の可能性として思念体が認識し始めたの」

朝倉「よって今回、試験的に一切の接続を絶ってインターフェース単体で、つまり個人の長門さんだけでどのような変化が起きるか観測しようってわけ」

朝倉「そしてその動きは主流派で起こった。だから長門さん。本来、私には関係がないことなの」

378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:27:45.11 ID:y9pI46gLO

キョン「…………」

朝倉「むしろ私にとっては喜ばしいことだわ、急進派が涼宮さんの近くで実権を握ることになるんだからね」

キョン「…なら、どうしてそれを俺に教える?」

朝倉「どうしてかしらね?」

朝倉「ただこれは言えるわ、長門さんはあなたに真実を言わなかった」

朝倉「そしてすでに彼女の権限はかなり制限されている」

朝倉「わたしが口頭で直接思念体の動向を伝えなければいけないくらいに…」

ああ、だから昨日は朝倉が直接部室に来たのか…

朝倉「そして、私が昨日長門さんに伝えたこと。それは、今日をもって完全に接続を解除するってことよ」

キョン「……え?」

382 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:40:56.11 ID:y9pI46gLO

朝倉「長門さんは自分の価値が自分の能力という点で評価されているということを知っている」

朝倉「つまり、みんなと今まで通り接せられるのは今日までなの」

朝倉「そして彼女は今日学校に来ていない。これがどういうことかわかる?」

朝倉「長門さんはみんなに疎まれるくらいなら、自分の存在を消そうとしてるのよ、きっと」

朝倉「いまならまだ力が残ってるからね。みんなの記憶から自分の存在を消して、最後に自らも消してしまおうとしている」

キョン「!!」

俺は走って長門の教室に向かおうとした
しかし、朝倉が俺の肩を掴んで引き止める
そして背中から抱きつく形で、俺の耳元まで口を寄せるとこういった

朝倉「慌てないで」

キョン「離せ!!」

朝倉「いまさら行っても遅いかもしれないわ?それにもう彼女はただの無口な女の子でしかないのよ?助けるが価値あって?」

キョン「離せって言ってるだろ!!」ドンッ

朝倉を跳ね飛ばして俺は一心不乱に長門の教室を目指した

朝倉「ふふっ」

385 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 00:00:44.77 ID:hLEMum0cO

長門の教室、部室、図書室、長門のいそうなところはすべてまわった。

ーーーーいない。どこにもいない。

長門、本当に朝倉の言った通りなのか?本当にお前は消えてしまうのか?
そんなことを考えていると後ろで声がした

ハルヒ「あっ!キョン!」

キョン「ハルヒ!」

ハルヒ「涼子ちゃん見なかった?学校中探し回ったんだけど見つからn…ってひゃっ!」

俺はハルヒの肩を揺さぶって問い詰める

キョン「おい、ハルヒ!長門を見なかったか!?」

ハルヒ「何よ急に?長門…長門…、って誰よそれ?知らないわよそんな人?」

キョン「くそっ」

俺はハルヒを置いて駆け出した
後ろではハルヒが叫んでいる

ハルヒ「ちょっとどうしたのよ!その人宇宙人か何かなの!?」

そうだよ、と俺は呟いた

387 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 00:07:40.05 ID:hLEMum0cO

そこからはどこをどう走ったのか覚えていない

気づいたら俺は長門のマンションの前にいた

長門の部屋の番号を押しインターホンを鳴らす

出てくれ、頼む、頼む、頼むよ!

ーーーー反応は無い。

俺はがっくりとその場で膝をついた


万事休す、か。


もう、どうにでもなってしまえ

389 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 00:20:31.18 ID:hLEMum0cO

壁に背をもたれかけて、俺は力無く座った

もう長門に会えない
そう思うと、もう動く気にもならなかった

ぼんやりと長門の顔を思い出す
思い出そうとする

しかしはっきりと思い出せない
ははっ、もうだいぶ情報操作が進んでるみたいだ
最後には長門のことも、なんで今自分がここにいるかも思い出せなくなってしまうのだろうか
そう思うと、少し涙が出た
ハンカチで涙を拭おうとブレザーのポケットに手を入れたとき、指先が何か堅い物に触れた


「ーーー慌てないで」

ああ、あの時に−−…

ポケットには、長門の部屋の合い鍵と、『朝倉涼子』と名の入ったハンカチが入っていた。

390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 00:29:01.57 ID:hLEMum0cO

………


……………


…………………


……………………もうお別れ。








バンッ


「長門!!!」

392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 00:39:51.02 ID:hLEMum0cO

殺風景な部屋の真ん中に長門はちょこんと座っていた


キョン「長門…」


そうだ、間違いなく長門だ
やっとはっきり思い出せた…

長門「………」

こっちの顔を寂しげに見つめ返す長門の手には、SOS団のみんなが写った写真が握られていた

キョン「長門、どうして何も言ってくれなかったんだ!」

長門「………会ったら…辛くなる」

キョン「会わないで消えられたほうがもっと辛いんだよ!」

俺は長門を抱きしめて泣いた
ただひたすらに泣いた

395 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 00:53:00.57 ID:hLEMum0cO

長門は表情を変えずに、ポツリ、ポツリと口を開く

長門「…私にはもう何の力もない。もう…なんの役にも立てない」

長門「……不要な存在」

キョン「そんなわけがあ゛るか!!」

長門「」

キョン「お前がいなくなったら明日から俺はどうすればいいんだ!お前が居ない学校が楽しいわけがあるか!!お前の本を読む姿が好きだったんだぞ俺は!!」

キョン「お前の都合だけで勝手に居なくなるなんて言ってんじゃねぇこの馬鹿!!」


長門「……ごめんなさい。」

長門「………本当にごめんなさい。」

長門はポロポロと涙を零していた

俺の顔はもう涙でグシャグシャだった



その時、扉の開く音がした

朝倉「あら、名シーンね」

397 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 01:00:45.21 ID:hLEMum0cO

キョン「…朝倉?」

朝倉「合い鍵は役に立ったみたいね。それは重畳」
朝倉は笑顔でこちらにゆっくりと近づいてくる

キョン「あ、ああ、助かったよ…」

朝倉「うふ、あなた何か勘違いしてない?元はと言えば私は急進派なのよ?」

キョン「…!?」

朝倉「…つまり、長門さんに力がほとんど無くなった今、あなたを殺して情報爆発を観測するのに邪魔者はいないの」

キョン「……!!」
朝倉がゆっくり近づいてくる前に、長門が両手を開いて立ちはだかった

長門「させない」

朝倉「あら、健気ね。勝ち目は無いのに…」

399 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 01:10:39.74 ID:hLEMum0cO

朝倉は不敵な笑みを浮かべて、一歩、また一歩と近づいてくる

キョン「やめろ!長門!」

朝倉「………」

長門「………」

キョン「朝倉!長門だけでも見逃すわけにはいかないのか!狙いは俺なんだろう?」

朝倉「うん、それ無理」

キョン「………!」
朝倉「だって長門さんったら通してくれそうにないもの」

長門「…………」

朝倉「でもね。私にだって意思があるわ」

キョン「…!?」

朝倉「長門さんに感情が芽生えたように、私にも意思が育ったの。長門さんに、幸せになって欲しいって」

朝倉「でもね、所詮私はインターフェース。思念体の意思には逆らえないわ。」
朝倉はそう言って少し悲しげな顔をして、首をすくめてみせた

朝倉「だからね、こうするのが一番良いと私は判断したのよ」

朝倉「私が消えればいいの」

403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 01:22:50.52 ID:hLEMum0cO

気づけば、朝倉の体は、足元から徐々に消えつつあった

キョン「……」
長門「……」

朝倉「なんて顔してるのよ、二人とも。命を狙う敵がいなくなるのよ?もっと嬉しそうな顔したら?」

キョン「………」

朝倉「長門さん、最後に頼みがあるの。まだ力が残ってるうちに私のこと、みんなの記憶から消してほしいんだけど」

長門「…わかった」

朝倉「ただし、キョンくん以外の、ね」

キョン「…!?」

朝倉「だってみんなから忘れられるなんて嫌じゃない?せめて誰かには覚えていて欲しいっていうか…」

朝倉「それにキョンくんのコト、ちょっぴり気に入ってたしね!」

キョン「朝倉…」

すでに朝倉の体は胸のあたりまで消えかかっていた

朝倉「最後に、なんで長門さんがあなたの記憶を最後まで残してたのか、その意味をよく考えなさいよ」

朝倉「ずっと、長門さんとお幸せに。じゃあね」

それが朝倉涼子の、最後の言葉だった

405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 01:43:26.66 ID:hLEMum0cO

ハルヒ「ちょっとキョン!聞きなさいよ!」

キョン「なんだよ」

ハルヒ「Hになるほど硬くなるものって何かわかるかしら!」

キョン「鉛筆だろ」

ハルヒ「あんたちょっとは遠慮しなさいよ!空気読めバカ!」

みくる「まぁまぁ涼宮さん」

あれからというもの、別段俺たちは変わりなく、活動を続けている

変わったことと言えばそう、宇宙人がただの地球人になって、少し表情が豊かになったことだ

たまに長門と二人になった時に、別に変わり無かっただろ?と俺が問いかけると、彼女は少し笑って応えてくれる

朝倉のことは、俺以外、長門でさえも覚えていないみたいだ
せめてお礼を言いたかったなと思うけれど、今ではもう叶うことはない

ハルヒ「あんたなんでこんな女っぽいハンカチ持ってるのよ!なんか書いてあるわ、…朝…倉」

キョン「それは俺の宝物だ、返せ!」

ハルヒ「もしかして誰か女子生徒のハンカチを盗んだんじゃないでしょうね!このエロキョン!」

古泉「おやまぁ」

いつも通りの大騒ぎの中、読書をする彼女の顔が、一瞬微笑んだような気がした

408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 01:48:07.83 ID:hLEMum0cO

というわけで、2作目終了です
エロ展開とか皆無でそういうの期待されたかたはすんません
前のレスに違う方のキョン×森のやつがあるんでエロはそっちで我慢してください
最初は朝倉メインにしようと思ったら結局長門に…なんでだろう
最後に読んでくれた方々ありがとうございました

質問とかあればどうぞ



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