長門「あそこで泣いているのは彼の妹……」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 18:10:21.66 ID:NNuy4PwE0

キョンの妹「ううっ…グスン…」

長門「どうしたの…?」

妹「あっ有希ちゃん!」

長門「あなたは今泣いていた…なぜ?」

妹「あのね…おつかいを頼まれたんだけどね、お財布をなくしちゃったの…」

妹「だから…だから…うぇ〜〜ん!!」

長門「そう…。でも大丈夫、私も財布を探すのを手伝う」

妹「ほんと!?有希ちゃん手伝ってくれるの?」

長門「コクリ…だからもう涙をふくべき」

妹「うっうん。有希ちゃんありがとう」グシグシ

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 18:12:31.39 ID:NNuy4PwE0

長門「財布をどの辺に落としたか教えてほしい…」

妹「う〜んとね…この辺りなんだけどさっきから全然見つからないの…グスン」

長門「泣かないで…私が必ず見つける」ナデナデ

妹「有希ちゃん…」

長門「(歩道のどこかに落ちてるのは確か。しかし、彼女が見つけれないということは…)」

長門「(発見し難い場所……街路樹の植え込みが怪しい)」

長門「…………あった」

妹「えっ?もう見つけたの!?有希ちゃんすごい〜!」

長門「あなたの財布は花壇に落ちていた」

妹「そっか〜お花さんを見ていた時に落としたんだ〜えへへ」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 18:18:05.79 ID:NNuy4PwE0

長門「好きなの…花?」

妹「うん、お花大好き〜。でもね、このお花なんていう名前か分からないんだ」

長門「この花壇に咲いているのはサクラソウという種類の花」

長門「ちなみに花言葉は―初恋、あるいは子供時代の希望」

妹「へぇ〜有希ちゃん詳しいんだね。そっか〜このお花さんサクラソウって言うんだ」

長門「そう。でもあまり触らない方がいい。サクラソウはかぶれやすい…」

妹「うん、気をつけるね。……有希ちゃん」

長門「なに?」

妹「お財布を探してくれてどうもありがとう!」ペコッ

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 18:25:07.51 ID:NNuy4PwE0


長門「じゃあ私はこれで帰る。もう落とさないよう気をつけて」

妹「うん………」モジモジ

長門「??」

妹「えへへ……」

長門「……私でよければあなたのおつかいに付き合う」

妹「いいの!?」

長門「構わない…」

妹「うわぁ〜い!有希ちゃんと一緒にお買物〜!やった〜!」


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 18:30:14.81 ID:NNuy4PwE0


妹「有希ちゃん!有希ちゃん!手つないでもいい?」

長門「コクリ」

妹「有希ちゃんと手つないじゃった。私たち仲良しだね〜」

長門「あなたと私は仲良し」

妹「〜〜♪」

長門「ところで何を買うのか教えてほしい」

妹「あのね、今日はカレーライスなんだ。だからカレーの材料を買うんだよ」

長門「カレー…ならスーパーに行くのが望ましい」

妹「うん、スーパーにレッツ・ゴー!」

長門「ォー」


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 18:36:52.21 ID:NNuy4PwE0

長門「カレー粉…豚肉…人参、玉ねぎ、ジャガイモ…」

妹「あとお菓子も〜」

長門「おつかいのメモにはお菓子は含まれていない…」

妹「え〜ダメなの〜…」

長門「残念ながら今回は諦めるべき」

妹「はーい…」

長門「………」


店員「ありがとうございました〜」

長門「あなたの財布から2000円を使用した。これがレシート」

妹「うん」

長門「あと…これをあなたに」

妹「あっ!さっきのお菓子だ!有希ちゃんいいの!?」


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 18:43:12.54 ID:NNuy4PwE0


長門「これはおつかいをしたあなたに私からのご褒美…」

妹「有希ちゃん!だ〜いすき!ありがとう!」ギュッ

長門「………うれしい」

妹「有希ちゃん良い匂いする〜」

長門「そろそろお家の人が心配する」

妹「ほんとだ!お外がもう真っ暗だ。帰らなきゃ…んっ重い!」

長門「私があなたの家まで持つ…」

妹「でも…」

長門「気にすることはない」

妹「うん」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 18:50:05.57 ID:NNuy4PwE0

妹「ねぇ有希ちゃん…私有希ちゃんみたいになりたいな」

長門「なぜ…?」

妹「だって有希ちゃんって親切で優しくて物知りだし…それに」

長門「それに?」

妹「それに可愛いから私も有希ちゃんみたいになりたいんだ」

長門「……そう」

妹「ねぇどうしたら有希ちゃんみたいに素敵なお姉ちゃんになれるの?」

長門「私が素敵な人に値するかどうかは定かではないが…」

長門「しかし、困っている人がいたら助けるよう心がけている…」

妹「そっか〜じゃあ私も困っている人がいたら親切にするね」

長門「そうするべき」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 18:56:30.59 ID:NNuy4PwE0

妹「キョンくんただいま〜!」

キョン「こらっ!どこほっつき歩いてたんだ!心配したぞ!」

妹「ごめんなさい…」

長門「彼女を怒らないでほしい」

キョン「長門?なんでお前が…?」

妹「あのね、お財布落としたのを有希ちゃんが一緒に探してくれたんだよ」

キョン「そうだったのか…どうもありがとうな長門」

長門「構わない…」

妹「あっお母さんただいま!有希ちゃんだよ」

長門「始めまして…長門有希です」

キョン「こいつの落とした財布を探してくれたんだってよ」コンッ

妹「む〜痛いよ、キョンくん〜!」」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 19:02:43.58 ID:NNuy4PwE0

長門「私は褒められたことはしていない」

キョン「謙遜すんなって。サンキューな、長門」

長門「コクリ」

妹「あのね〜お母さん、有希ちゃんってキョンくんの彼女なんだよ」

キョン「こっこらっ!嘘をつくな!嘘を!」

キョン「そうなの?って…おふくろも勘弁してくれよ」

長門「私と彼は世間一般言うところの恋仲ではない」

キョン「そうそう、俺たちは断じて恋仲ではない(ってこのババア、信じてないな)」

妹「な〜んだ〜…つまんないな」

長門「……では私はこれで帰ることにする」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 19:09:07.06 ID:NNuy4PwE0

妹「え〜有希ちゃん帰っちゃうの〜?一緒に遊ぼうよ」

キョン「こらっワガママ言うんじゃありません」

キョン「…えっ?メシ食っていけって?」

妹「そうだよ!有希ちゃんも一緒にカレー食べようよ!」

妹「お母さんの作るカレーは美味しいんだよ」

長門「それでは迷惑になってしまう…」

長門「……でも」

キョン「気にするなって。おふくろの言うとおり親切にしてくれたお礼をしてないしな」

キョン「ウチのまずいカレーでよければ食べていけよ――痛っ!」

キョン「なっ殴ることあるかよ!」

妹「アハハっ〜キョンくんが悪いんだ〜」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 19:15:19.66 ID:NNuy4PwE0

キョン「ったく――まぁ、こんなにぎやかでよければ夕食を食べてってくれ」

長門「ならお言葉に甘えることにする」

妹「やった〜!有希ちゃんと一緒にご飯だぁ〜!」

妹「ねぇ有希ちゃん!さっそく私の部屋で一緒に遊ぼう」

長門「………」

キョン「んっ?どうした?長門?」

長門「あなたの母親のお手伝いをする…」

キョン「お前は客人なんだ、そんな気を回さんでもいいぞ。なぁおふくろ?」

キョン「――だそうだ。だから遠慮するなって、なっ?」

長門「分かった。でも私に何かできることがあれば言ってほしい」

妹「有希ちゃん早く〜!」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 19:21:33.14 ID:NNuy4PwE0

キョン「(長門って意外と配慮できるんだな…)」

キョン「ん…あっ?…ああ、大人しいけど良い奴だろ?」

キョン「……だから彼女じゃないつーの」


妹「有希ちゃん!有希ちゃん!何して遊ぼっか?」

長門「私はなんでも構わない。あなたの好きな遊びを…」

妹「う〜ん…じゃあババ抜き!」

妹「はい、キョンくん、トランプ切って」

キョン「当たり前のように俺の仕事かよ!」

長門「ユニーク…」

妹「ユニ〜ク…」

キョン「覚えてろよ、マネっ子め」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 19:29:05.37 ID:NNuy4PwE0

妹「キョンくん三連敗〜。はい、負けたのでキョンくん配ってください」

キョン「くそっ…今日は厄日か?」

妹「ねぇねぇ有希ちゃん」

長門「なに…?」

妹「有希ちゃんってキョンくんのこと好き?」

長門「!!」

キョン「おっおい!」

長門「……なぜ?」

妹「うん、あのね…有希ちゃんがキョンくんのこと好きならお付き合いできるでしょ」

妹「だからね、有希ちゃんが私のお姉ちゃんになってくれたらうれしいなぁ〜って」

長門「そう……」



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 19:38:56.53 ID:NNuy4PwE0

キョン「なんだ、姉が欲しくてそんなことを聞いたのか、お前は」

妹「それだけじゃないもん!二人ならお似合いだと思ったから聞いたの!」

キョン「あーはいはい。気にする必要ないからな、長門」

妹「む〜キョンくんのいじわる…」

長門「べつに彼と付き合わなくても私はあなたのお姉さんになることができる」

妹「そうなの?」

長門「あなたと私はすでに親しい間柄…血縁関係がなくても姉妹になれる」

長門「あなたが私で構わないなら…」

妹「ほんと!一緒にいっぱいいっぱい遊んでくれる?」

長門「コクリ」



46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 19:43:41.39 ID:NNuy4PwE0

キョン「良かったな、お前の姉ちゃんになってくれるってよ」

妹「うん!」

長門「おいで……」

妹「有希ちゃんありがとう〜!」

長門「…よしよし」ハグハグ

キョン「すまんな長門、妹が迷惑かけて」

長門「私は全然構わない。人間の姉妹関係を知る良い機会になる…それに」

キョン「んっ?」

長門「彼女はとても可愛い…」

キョン「そっそうか(自分の妹を褒められるってのは照れくさいな…)」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 19:52:17.93 ID:NNuy4PwE0

キョン「どうやらカレーができたみたいぞ」

妹「私お腹すいた〜」

長門「私も…」

妹「有希ちゃんは私の隣だからね〜」

長門「分かった」


妹「いただきま〜す!」

長門「いただきます……モグモグ」

長門「……これは美味しい」

妹「お母さんの作るカレー美味しいでしょ」

キョン「他の料理は食えたもんじゃ――痛てっ!」

長門「ユニーク…」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 20:16:18.19 ID:NNuy4PwE0

長門「それにしてもこのカレーは美味しい…味の秘訣を教えてもらいたい」

長門「…ヨーグルト?…どおりで味がまろやかに感じられた」

長門「私も今度挑戦してみる…」

妹「有希ちゃんってお料理するの〜?」

長門「毎日している」

妹「すご〜い!毎日お母さんのお手伝いをしてるなんて有希ちゃん偉いね!」

キョン「(やばいっ!)」

長門「私に母親はいない……そもそも家族がいない」




60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 20:25:54.33 ID:NNuy4PwE0

妹「家族がいないって…死んじゃったの?」

キョン「(頼むから察してくれよ、我が妹…)」

長門「そういうことでない…私には産まれた時から家族と呼べる存在はいなかった」

長門「だからずっと独りで暮らしている」

妹「有希ちゃん…」

キョン「(なんだか重苦しくなっちまったな…)」

キョン「んっ?なんだよおふくろ?…痛ててっ!引っ張るなよ」


キョン「いきなりこっちへ来いってなんだよ、一体?」

キョン「あっ?長門…?」

キョン「――ああっ長門の言ってることはほんとさ。ご両親はいない」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 20:38:25.24 ID:NNuy4PwE0

キョン「――痛てっ!――」

キョン「ったく!人の頭をポカポカ殴んじゃねーよ!なんなんだよ一体!」

キョン「はっ?…優しくしてるのかって?」

キョン「……おふくろに言われんでも優しくしてるよ」

キョン「それに俺だって長門のこと放っておけんし……」

キョン「いやっ!違うって!好きとかそういう意味で言ったんじゃ!」

キョン「わっ笑うなよ!ううっ……」

キョン「(あー誰かうちの母ちゃんをなんとかしてくれ…)」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 20:47:13.52 ID:NNuy4PwE0

キョン「はぁ…なんか疲れる……ってまだ話があるのか?」

キョン「…………ああっ、そうするよ」


妹「キョンくんとお母さん何話してるのかな〜?」

長門「さぁ…」

妹「ねぇ有希ちゃん…いつも独りで寂しくない?

長門「私は生まれた時から一人だったからよく分からない」

妹「そっか…あのね、私はひとりぼっちでいるのは嫌なんだ」

長門「なぜ?」

妹「だって一人だとつまんないんだもん。誰ともおしゃべりできないし…」

妹「遊ぶのだってず〜と一人…だからひとりぼっちは嫌なんだ」

長門「そう…」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 20:52:20.05 ID:NNuy4PwE0

妹「だからね、有希ちゃんも一人が嫌だったらウチにおいでよ」

妹「そしたら有希ちゃんは一人じゃないよ。あたしもキョンくんもいるから安心だよ」

長門「……そう」

妹「それにね、私と有希ちゃんは家族なんだよ。私のお姉ちゃんだから」

妹「だから有希ちゃんは一人じゃないよ」

長門「あなたはとても優しい子…」

長門「私は今とてもうれしい気持ちでいっぱい」

妹「えへへ〜」

長門「あなたに感謝する…どうもありがとう」ギュッ



74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 21:03:22.81 ID:NNuy4PwE0

キョン「おっ相変わらず仲いいな、おまえら」

妹「キョンくん、お母さんと何話してたの〜?」

キョン「まぁちょっとな…」

妹「ふ〜ん…変なの〜」

長門「もう遅い時間…そろそろ帰ることにする」

妹「もう…帰っちゃうの?」

長門「大丈夫、また遊びに来る」

妹「ほんと!?絶対だよ!約束だよ」

長門「約束する…」

キョン「長門、送ってくよ」

キョン「あっ?へっ変なことするかよ!おふくろは黙っててくれ!」

長門「……ユニーク」

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 21:13:52.45 ID:NNuy4PwE0

キョン「ふう…今日はウチの妹が色々と迷惑かけてごめんな、長門…」

長門「迷惑ではない…」

キョン「そう言ってくれるとありがたいんだがな。ウチのおふくろもおせっかいだよな?」

キョン「良かったら毎日ウチで飯を食っていけって…おまけにタッパーまで持たされてさ」

長門「フルフル…あなたの母親からもらった惣菜は明日美味しくいただく」

長門「それに…有希ちゃんって呼んでもらえてうれしかった」

キョン「まったくなれなれしいにも程があるよな。お前のこと俺の彼女だってずっと思ってんだぜ」

長門「……私はそれでもかまわない」

キョン「へっ?」

長門「……私はあなたのことが好き」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 21:23:07.55 ID:NNuy4PwE0

キョン「長門さん…?」

長門「あなたの母親も妹も、そしてあなた自身も…みんないい人」

長門「私は今までずっと一人で生きてきたことを寂しいとは思わなかった…」

長門「けどあなたの家族を見てこれから誰もいない家に帰るのが少し恐い」

長門「部屋は真っ暗。それにまた独りでご飯を食べる日々が続く…」

キョン「長門…」

長門「だからあなたの彼女になることで、家族を得ることができるなら私はそうしたい」


89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 21:31:11.27 ID:NNuy4PwE0

キョン「(宇宙人とはいえ長門も寂しいってわけか…)」

長門「――星空」

キョン「んっ?」

長門「今日は満天の星空になっている」

キョン「おぉ…そうだな、こいつは綺麗だ」

長門「………」

キョン「………」

長門「夜空を見ていると不思議と落ち着くときがある」

キョン「それは宇宙人だからか?」

長門「分からない…なぜかいつも夜空を見上げてた」

長門「でも今ならそうしていた理由が分かる…」

キョン「……それは?」

長門「それはたぶん、一人でいるのが寂しかったから――」



92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 21:38:58.70 ID:NNuy4PwE0

長門「だから私はいつも夜空を見上げていたのだと思う…」

キョン「長門……」

キョン「(今も悲しそうな顔をして夜空を見上げてるな…)」

キョン「(きっと今までずっとそんな顔をして空を見ていたのか…)」


 ―あんた、有希ちゃんを守ってあげなさいよ―


キョン「(まったく、おふくろに言われるまでもないっつーの…)」

キョン「長門……」ギュッ

長門「!!」







99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 21:48:47.79 ID:NNuy4PwE0

長門「なっなぜ…?」

キョン「まぁ…あれだ。少なくともこれで寂しくはないだろ」

長門「………あなたの手、温かい」

キョン「なぁ長門…俺なんかでいいのか?」

長門「??」

キョン「いや、だからその…俺の彼女になりたいって話だよ」

長門「……!!」

キョン「正直あれだぞ。俺と付き合っても全然つまらんぞ」

キョン「それにお節介なおふくろと駄々っ子の妹の相手もせにゃならんだろうし…」

長門「構わない…全然構わない」

長門「私はあなたの家族が大好き…」

長門「あなたたちともっと一緒にいたい」

キョン「そうか…そう言ってもらえると俺もちょっとうれしいかな」

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 21:58:44.32 ID:NNuy4PwE0

キョン「今の長門の言葉を聞いたらおふくろも泣いて喜ぶだろうな」

長門「そう…」

キョン「長門、改めてお前に聞きたい。俺の彼女になってくれるか?」

長門「……いいとも」

キョン「………」

長門「………」

キョン「うりゃっ」ピンッ!

長門「っ!――なぜデコピンを?」

キョン「さぁな」

長門「??」

キョン「まぁとにかくあれだ。これからよろしくな、長門」

長門「私の方こそよろしくお願いする」

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 22:08:19.47 ID:NNuy4PwE0

キョン「ただいま〜」

キョン「――痛でっ!!――」

キョン「帰ってくるなりいきなりすぎんだろ!」

キョン「何回、人の頭を叩けば気が済むんだよ、おふくろは!」

キョン「はぁ?戻ってくるのが遅いから変なことをしてると思った?」

キョン「頼むからもう少し自分の息子を信用してくれ…」

妹「キョンくんユニ〜ク」

キョン「こいつはこいつで長門の真似をするし…」

キョン「長門の奴、こんなクレイジーな家族のどこがいいんだ?」

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/27(月) 22:21:22.17 ID:NNuy4PwE0

キョン「何がって…ああ、じつは俺、長門と付き合うことにしたんだ」

妹「えっ!そうなの!キョンくん有希ちゃんと付き合うの」

キョン「まぁな…」

キョン「そこ、頼むからニヤニヤ笑わないでもらえますか…」

妹「そっか〜じゃあこれで毎日有希ちゃんに会えるね」

キョン「そうだな…長門の奴、ウチの家族がうらやましいだってさ」

キョン「おふくろもお前も、みんな大好きなんだと」

妹「有希ちゃん…」

キョン「(あ〜おふくろの奴、泣いちゃったよ…)」

キョン「また明日、長門を我が家に招待するかな…」


                                  〜終〜



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