キョン「最近みんなに避けられてるような気がするんだが」


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:朝倉「キョンくんってさ〜、私と付き合っちゃったりしない?」

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85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 01:07:18.54 ID:AT60rREMO


ハルヒ「…っていうのはどう!?」

キョン「ふざけるな。俺はそんな惨めな役は絶対やらんぞ」

ハルヒ「あんたは普段から惨めだから心配ないわよ」

誰かこいつを東京湾に沈めてくれ
おい古泉、こっちをチラチラ見るな
今回ばかりは願い下げだぞ
というかなんで二年連続で学芸会レベルにも達しない映画を撮り続けにゃならんのだ
またあの面倒くさい編集作業をやると思うだけで頭が痛くなる

ハルヒ「あんたも文句ばっかり言ってないでなんか考えなさいよ」

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 01:13:30.99 ID:AT60rREMO


キョン「そうだな…」

んーと、ここは学園祭らしく…
そうだ、ラブコメなんかいいと思わないか

ハルヒ「ダメよ。イジメシーンを撮りたいのよ私は」

こいつはどんだけライフに影響されてるんだ
誰かこいつの席を窓から放り投げろ

長門「おめーの席、ねえから」
古泉「ではイジメシーンありのラブストーリーなんていかがでしょうか」

おいおいどんなラブコメだよそりゃ

古泉「主人公がいじめられているヒロインを助け、そこから恋が始まる。いかがでしょう」

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 01:18:19.24 ID:AT60rREMO


ハルヒ「古泉くん、それ頂きよ!」

おいおい
もちろんいじめっ子役はお前なんだろーな

ハルヒ「なによ、その言い方は。…ま、いいわ。有希やみくるちゃんにその手の役は無理でしょうしね」

お、やけに聞き分けがいいな

ハルヒ「たっぷりいじめてあげるから覚悟しなさい、みくるちゃん?」

みくる「ふぇえ?また私がヒロインなんですかぁ?しかも虐められる役…」

おいおい、これじゃあいつもと変わらんじゃないか
まぁいつも通りにやれば出来上がる分楽そうだな

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 01:22:14.56 ID:AT60rREMO


みくる「じゃあ、キョンくん、主人公やってくれますかぁ?」

何ぃ?!

ハルヒ「ちょ、なんでそうなるのよ。主役は普通に考えて古泉くんでしょ!?絵面的に」

酷い言い草だな、おい

みくる「去年は古泉くんだったんで、今年はキョンくんがいいんですっ!…///」

ハルヒ「いや、それは…」

177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 01:28:34.11 ID:AT60rREMO

長門「異議あり」

急にどうした、長門検事

長門「古泉一樹が去年主役であったという理由で今年交代するなら朝比奈みくるも代わるべき」

長門「ヒロインは私がやる」

おいどうしたんだ長門
やけに積極的じゃないか…

長門「……が主役だから(ボソ」

ハルヒ「ちょっと待ちなさいよ有希。それなら私はどうなるのよ」

長門「あなたは先程いじめっ子役に進み出た。この配役は決定事項」

ハルヒ「ぐ…ッ

192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 01:33:25.12 ID:AT60rREMO


みくる「ちょっとまってくださぁい!」

みくる「はっきり言って、長門さんにはいじめられっこ役は似合わないと思います!」

長門「そんなことはない。私がいじめられるSSはよく書かれている」

みくる「そ、そんなの公式設定じゃありません!」

ハルヒ「あー、もううるさいわねっ。分かったわよ、私がヒロインやればいいんでしょ!?」

長門「何を言ってやがるバカやろう」
みくる「涼宮さんはひっこんでてください!」

206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 01:38:00.06 ID:AT60rREMO


おいおいなんだこりゃ
古泉、なんとかしろ

古泉「このままじゃ埒があきませんね」

古泉「とりあえず主役とヒロインは前回と同じでいいのでは…?」

うん、それがいい
俺は主役なんて面倒くさい役割は引き受けたくないからな

みくる「…じゃあ私ヒロイン降ります。涼宮さんか長門さんがやればいいですよ」

ハルヒ「なによそれ。…別に私はハナからあんまりする気なかったわよ。有希やれば?」

長門「遠慮」

古泉「…うつだしのう」

219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 01:42:27.57 ID:AT60rREMO


なんてこった
まとめ役の古泉すらいじけちまった

キョン「どうしたんだみんな。今日はやけに協調性ないな」

みくる「う…」
長門「…//」
ハルヒ「べ、別に私は…っ」

キョン「ん…?」

なんだ急にみんなしおらしくなっちゃって…

古泉「あなたはほんとに鈍感ですね」

どういうことだ古泉

249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 01:48:36.73 ID:AT60rREMO


古泉「みなさんはあなたとラブコメを演じたいんですよ」

なんですと!?

みくる「…///」コクコク
長門「…そう…//」
ハルヒ「わっ、わたしは別にそんなんじゃ…まぁそれでもいいけど…///」ブツブツ

こりゃどういう風の吹き回しだ?
俺みたいな地味面が出てきてもいまいち盛り上がりに欠けるだろうが

古泉「で、あなたはどうなんです?」

キョン「え?」

古泉「誰と演じたいんですか?愛のボレロを」

俺は…>>280だ!

274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 01:54:37.28 ID:AT60rREMO

谷口「>>280は遠かったな…」

国木田「そもそも携帯でSSとかしんどいよ…」

谷口「だな」

297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 02:00:48.13 ID:AT60rREMO


キョン「ハルヒ…かな」

ハルヒ「!?」

ハルヒ「あ、あんた変なこと考えてないでしょうね!?」

キョン「ば、ばかいうな。俺は団長のお前を立てただけだ」

ハルヒ「なによそれ…バカ」

キョン「なんかいったか?」

ハルヒ「なんでもないわよ!そうと決まれば練習よ!練習」

キョン「おい、ちょっとまて。台本もないのにどこへつれてい」

バタン

古泉「あらあら…。まぁ、僕としては助かったんですが…。んっふ」

305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 02:04:03.82 ID:AT60rREMO



みくる「…ふぇぐ…ふぇぐっ」

長門「……」ポタ

古泉「こちらの方々はそうでもないようですね…」

古泉「ほんと…モテモテなんだからっ」

古泉「…もうっ」

314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 02:07:50.39 ID:AT60rREMO


――公園

ハルヒ「…で、なによ」

キョン「なによじゃねえよ!なんでこんなとこまできてんだよ。カバンも部室に置きっぱなしだってのに」

ハルヒ「あ、あんたが私を選んだからでしょ…!」

キョン「意味が分からん。あそこで朝比奈さんや長門を選んだらお前がまた五月蝿いだろ」

ハルヒ「あんた…ほんとにそれだけで私を選んだわけ?」

キョン「だったらどうした」


谷口「ねみぃ…」

331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 02:12:25.88 ID:AT60rREMO


ハルヒ「もういいわよっ!あんたなんて虐められて自殺する役でもすればいいわ!」


そう言うとハルヒはむくれてブランコの方へ歩いて行った
ブランコにちょこんと座り、俯いて黙るハルヒには夕陽が差していて
その姿を見ていると先程の顔を赤く染めたハルヒが頭に浮かび…少し、ほんの少しだけ愛おしく思えた

やれやれ、今日のハルヒは拗ねてもすぐに帰るわけではないらしい

まったく…どうしようもなく不器用に作られてるな、俺達は

359 名前:眠い…[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 02:18:02.10 ID:AT60rREMO

キョン「なぁ」

ハルヒ「…」

キョン「ハルヒ」

ハルヒ「…なによ」

キョン「始めようぜ。映画の練習」

ハルヒ「練習って…台本もなにもないじゃない」

キョン「そんなもんはアドリブでどうとでもなる。なぁに、その方がSOS団らしい」

ハルヒ「ふん。あんたがSOS団を語るなんて百年早いわよ」

キョン「確かにな…でも俺だってこの一年半、伊達に団員やってないぜ」

379 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 02:26:12.37 ID:AT60rREMO


キョン「俺はこの一年半、SOS団の一員として、色々してきた」

キョン「そしてその傍らにはいつも団長涼宮ハルヒがいた」

キョン「最初は変な奴だと思った。実際頭の湧いた人間だったしな」

ハルヒ「な、なんですって!?」

キョン「でもそんな涼宮ハルヒと同じ時を過ごすことで、彼女の色んな表情が見えてきた」

キョン「わがままで自分勝手。まさに天上天下唯我独尊ここに極めたり」

ハルヒ「ぐ…」

キョン「でも誰よりも団員のことを思いやり、実は優しく傷つきやすい女の子なんだ」

キョン「そして常に俺の心をその100Wの笑顔で照らしてくれた」

ハルヒ「…」

396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 02:33:11.95 ID:AT60rREMO

キョン「いつしか俺は、その100Wの笑顔を、この手で守り続けたいと思っていた。…ずっと、ずっと」

キョン「お互い天の邪鬼な性格してるせいで、喧嘩ばっかりだけどな…(笑」

ハルヒ「…///」

――……

キョン「ハルヒ!」

ハルヒ「はいっ?!」ビク

キョン「俺はSOS団に入って良かったと思ってる」

キョン「毎日の活動はなんだかんだで楽しいし、長門や朝比奈さん、古泉にも出会えた」

キョン「でもなにより嬉しいのは…ハルヒ、お前のあの笑顔が毎日見られることだ」


キョン「ハルヒ…好きだ」

420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 02:42:10.19 ID:AT60rREMO


ハルヒ「…///」カァ


ザッ

ハルヒは俯いたまま、ブランコから降りて
こちらに背を向けて歩き始めた
その頬がほんのり朱色に染まって見えたのは、きっと夕陽のせいだろう


ハルヒ「…な、なかなか良い演技だったわっ。あんたにしては上出来よっ」

そりゃどうも


で、どこにいくんだ?
俺はお前の演技をまだ一目も見てないんだが?

ハルヒ「……し、仕方ないわねっ!///」

―――ハルヒの唇は、優しく、甘かった


ハルヒ「ほ、ほら!帰るわよ!みんなまだ待ってるだろうし!//」

ああ、そうだな
帰ろう、俺達の、―俺とハルヒの―SOS団に

fin

425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 02:42:59.43 ID:AT60rREMO

後半眠くてやっつけになった
スマソ



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