鶴屋「おや〜?キョンくんじゃないか!」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/01(日) 17:45:00.41 ID:QnWUq+I20

キョン「あっ鶴屋さん、こんちは…」ペコッ

鶴屋「アハハッ、休日にしかも街中で会うなんて奇遇だねぇ〜」

キョン「ええ、そうですよね」

鶴屋「もしかしてキョンくん…運命感じちゃったかな?」

キョン「ええっ!?運命ですか!?」

鶴屋「いやだな〜ただの冗談だよ〜アハハッもしかして本気にしちゃったかい?」

キョン「いや、そんなわけでは…」

鶴屋「んも〜そこはウソでも本気にしたって言うんだよ。ダメダメだなぁ〜キョンくんは」

キョン「はぁ…気が利かんですみませんです…」



う〜ん…鶴屋さんとか需要あるのだろうか…



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/01(日) 17:50:33.41 ID:QnWUq+I20

鶴屋「ところでキョンくんはお買い物かい?」

キョン「ええ、ちょっと本を買いに。そういう鶴屋さんは…?」

鶴屋「アハハッ、私も買い物だよ。といっても一人でブラインドショッピングだけどね」

キョン「はぁ…一人でですか…」

鶴屋「んんっ?もしかしてキョンくん…私のこと寂しい女だって思ったでしょ?」

キョン「いや…思ってませんよ」

鶴屋「ほんとかな〜?彼氏のいない寂しい先輩だなって思ったんじゃないの?」

キョン「ほんとに思ってませんから!断じてそんなことはありません!」

鶴屋「アハハッ、冗談さ〜キョンくんはからかうと面白いね〜」

キョン「勘弁してくださいよ…」


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/01(日) 17:57:32.75 ID:QnWUq+I20

鶴屋「ごめんよ〜そうだ!お詫びに鶴屋さんがデートしてあげよっか?」

キョン「でっデートですか!?もしかしてこれからですか…?」

鶴屋「あっ嫌ならいいんだよ。ほらっ私はさっき言ったように一人で寂しく
    ブラインドショッピングだったし…もしキョンくんさえよければだけど…」

キョン「まあ…俺も本を買ったら一日中暇ですし…」

キョン「でもつり合いがとれるんですかね…」

鶴屋「どうゆうことだい?」

キョン「いや、鶴屋さんの服装に比べて俺の方はラフなカッコですし…」

キョン「それに…恥かしいんですけど…その…」

鶴屋「いいよ、言ってちょうだい」

キョン「デート資金がほとんどありません…」



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/01(日) 18:10:44.08 ID:QnWUq+I20

鶴屋「なぁ〜んだい、そんなことかい!お金のことなら私に任せなさい」

キョン「いや…さすがにそれは申し訳ないですよ」

鶴屋「気にしなくていいよキョンくん!キョンくんをデートに誘ったのは私の方なんだし」

鶴屋「それに…キョンくんと偶然会えてめがっさうれしかったしさ…」

キョン「へっ?」

鶴屋「うっううん!!今のはなんでもないよ!聞き流してくれて大丈夫さ!」

鶴屋「とにかくお金のことは鶴屋さんに任せてよ!」

キョン「う〜ん…なら一度俺の家に立ち寄るってのはどうですか?」

鶴屋「キョンくんの家に?」

キョン「ええっ、ちょうど本屋で買い物しようと思ったのも妹に参考書を頼まれてたので…」

キョン「それを渡すついでに財布もパンパンにしてきますよ」





29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/01(日) 18:18:12.71 ID:QnWUq+I20

鶴屋「むふふ、キョンくんは律儀なんだね〜。私は全然構わないのに」

キョン「すいません…ところで鶴屋さん、一つ聞きたいことがあるんですけど」

鶴屋「なにかな〜?」

キョン「ずっと気になってたんですけどブラインドショッピングってなんですか?」

鶴屋「???」

キョン「もしかしてウィンドーショッピングって言いたいんじゃ…」

鶴屋「……」カァァ

キョン「え〜と…勘違いは誰にもありますよ…」

鶴屋「ううっ…恥かしいよ…」

キョン「言い間違える鶴屋さんも可愛いです」

鶴屋「キョンくんのイジワル…」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/01(日) 19:21:20.66 ID:Qw5X2Ja+0

それでは勝手ながら続きをば



鶴屋さんと並びながら商店街から自宅へ引き返す。


不思議探索は出発間際になって急遽ハルヒから中止の連絡があった。

せっかく外出の準備をし、今日こそは罰ゲームから逃れるつもりで気合を入れていたというのに。

いつもより早く目覚め、意気揚々と玄関を出るつもりだった俺の休日。


それでも今更、部屋着に着替え引き篭もるのもあれなので適当な理由を付け家を出てきた。


70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/01(日) 19:29:16.46 ID:Qw5X2Ja+0


沈んでいた足取りも鶴屋さんの陽気な気配とともに弾む。


「いやー。こうしてキョン君と休日に出歩くなんて初めてじゃないかな」


鶴屋さんは小走り気味に駆け出し俺の正面にまわる。

「団活はどうしてんだい?」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/01(日) 19:37:38.65 ID:Qw5X2Ja+0



上目遣いがちに笑みを浮かべる口元から八重歯がちらりと覗く。



その様子に微かな艶かしさを感じ一瞬どきりとする。

「・・・急にドタキャンされまして」


「そっかそっか!だったら今日は私が楽しませてあげるねっ」



73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/01(日) 19:54:43.51 ID:Qw5X2Ja+0


そう言って今度は俺の横を陣取り手を握る。

ぎょっとする俺に構わずぶんぶんと手を振り回す。

「さー!無駄に過ごす時間は無いぞっ!キョン君ちに急ごうかっ」


そう言って気合の入った鶴屋さんは手をぐいぐいと引きながら駆け出す。



「ちょっと。鶴屋さんっ・・・・」

「問答無用!一分一秒も無駄にはできないよっ!!」


言いかけた言葉を遮り一直線に進もうとする。


「違うんです!そこは右です!!」

「なんとっ!!それを早く言わんかー!!」

言わせなかったのは貴女でしょうと内心苦笑する。


それに構わず「おりゃーっ!!」っとハルヒに負けない騒がしさを振りまきながら家に向かった。


76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/01(日) 20:12:48.19 ID:Qw5X2Ja+0


ただいまと誰にとも無く言い玄関をくぐる。


それに対し「おかえりっ!」と鶴屋さんが答える。


「あー、キョン君帰ってきたー」

ばたばたと足音を立てながら妹が迎える。


「わーい。鶴にゃんもいるー。おかえりんこー」

そう言って鶴屋さんにぎゅーっと抱きつく。


「久しぶりだね妹ちゃん!ただいまんこー」

まるで親戚の姉が来たかのうようにきゃっきゃとじゃれている。

それを横目にさっきのは聞かなかったことにした。


79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/01(日) 20:24:48.69 ID:Qw5X2Ja+0


さっと2階に上がり財布を取りズボンのポケットに押し込む。

そこで格好がラフすぎたことに気付く。


あぁそうだ着替えなきゃならなかったんだな。


とりあえず全部脱ぎ捨てクローゼットから数少ない着こなしの選択をする。

年頃の乙女ではないのでそれなりに見えそうなものを適当に選びベットへ放る。

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/01(日) 20:32:50.76 ID:Qw5X2Ja+0


「準備はできたかい!?」


ばーん!!とドアを開け放ち鶴屋さんが飛び込んできた。


「おっつ!?」

驚いたあまり、ジーンズに通し掛けていた体勢からバランスを崩し見事に転倒する。


「わわっ!ごめんね。だいじょうぶかい?」


情けない格好で転がるを鶴屋さんが腕を貸す。


84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/01(日) 20:42:45.49 ID:Qw5X2Ja+0


「すいません。大丈夫です」

中途半端に足を通した状態の制限から上半身だけ起こす。


こういうシュチュエーションも部室での朝日奈さんならばよくある萌え要素(?)ではあるが
着替えていたのが男ではただのハプニングにすらならない。


「急に開けちゃってごめんね?」


そう言って覗き込んでくる鶴屋さんの髪が俺のはだけた上半身にかかる。


すーっ、っとさらさらの長髪がたいして割れていない腹筋をくすぐる。


87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/01(日) 20:51:11.82 ID:Qw5X2Ja+0


「っ!?」

爪を立てた指でなぞられる様な感覚が腹から下腹部にかけて流れる。

こそばゆさに似た快感が背筋を貫き、ぞわり。と鳥肌がたつ。


「・・・どうしたんだい?」

声を掛けながら愛らしく首を小さく傾ける。


ふわりとしたいい匂いと共に鋭い刺激が伝わる。

「――――――っ!?」


鶴屋さんの一挙一動で髪が揺れ本能をくすぐり刺激する。


下腹部がジーンズで覆われていない今の状況ではまずい。

このままではトランクスの裾を持ち上げてしまう。


91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/01(日) 21:05:01.11 ID:Qw5X2Ja+0


心臓がばくばくと脈打ち下半身へいつも以上の血液が巡り始める。



「つるにゃんもキョン君もまだー?」

「!?」

一階から妹が急かす声が響く。

血液の配分が代わり理性が持ち直す。


名残惜しいが鶴屋さんの髪の感触から逃れ一気にズボンを引き上げる。


「すぐに着替えるので待ってて下さい。」


盛り上がった股間を隠すためにジーンズの裾を整える振りをして前屈みになる。


「あっ。うんわかったにょろ」


鶴屋さんはそう言って部屋を後にした。

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/01(日) 21:24:53.73 ID:Qw5X2Ja+0


このまま息子を叱咤したいが今はそれどころではない。

素早く着替え財布を取る。


鶴屋さんにはばれてないだろうか?という不安と罪悪感が残った。



96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/01(日) 21:26:06.24 ID:Qw5X2Ja+0

玄関では鶴屋さんと妹がきゃっきゃと談笑していた。

一階に行くまでに

俺がいないと思って好き勝手言ってるようだ。


「今日はキョン君とデート?」

「そうだよー。二人っきりでめがっさ楽しんできちゃうよ!」


「じゃあ二人は恋人なの?」

「んー?まだ恋人じゃあないんだよねぇ・・・」


「やっぱり、はるにゃんがいるからー?」



「こら。変なことを聞くんじゃない」

まったくこのませガキめ。



97 名前: ◆pVGWJPoky6 [] 投稿日:2009/03/01(日) 21:29:11.39 ID:Qw5X2Ja+0


「おやっ!準備できたみたいだね!」


「お待たせして申し訳ありません。それでは行きましょうか」


「じゃあ、行って来るにょろー」


「いってらっしゃーい」


125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/01(日) 23:07:29.50 ID:Qw5X2Ja+0

微速再開
今更ですがここから書き方を若干変えます




家を出てとりあえず駅前に向かう。
ショッピングするにも遊ぶにも移動するにも駅前は便利だ。


鶴屋「さて、どこに連れて行ってくれるのかな?」


自分からデートしようと持ち掛けておきながら完全にエスコートさせる気なのだろうか?


131 名前: ◆pVGWJPoky6 [] 投稿日:2009/03/01(日) 23:12:07.72 ID:Qw5X2Ja+0



キョン「それが突然だったもので何も考えていないんですよ」


鶴屋「ははっ!キョン君らしいにょろ」

ばんばんと俺の背中を叩きケラケラと笑う。


鶴屋「ようし!じゃあ今日は私の好きなように付き合ってもらうよっ!」


そう言ってぎゅうと腕に組み付く。


鶴屋「今日一日は恋人でよろしく!」

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/01(日) 23:24:22.72 ID:Qw5X2Ja+0

腕に押し付けられた胸の感触に鼻の下が伸びそうになるのをなんとかこらえる。


鶴屋「少し早いが腹ごしらえとでもいこうか。食べたいものはあるかい?」


食べたいもの。

そう聞かれて真っ先におっぱいと思いついてしまった自分は欲求不満なのだろうか?


キョン「・・・別に無いですね」

とりあえずおっぱいとは答えない。


鶴屋「デート中にそんな返答はよくないなぁ」


子供のように頬を膨らませ抗議する。

キョン「でしたら普段SOS団で集まる喫茶店でよろしいですか?

パンパンにするつもりだった財布も俺の甲斐性ではそんな所が関の山。


鶴屋「キョン君とならどこでもいいさっ」


そうしてSOS団御用達の喫茶店に向かった。

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/01(日) 23:37:53.31 ID:Qw5X2Ja+0


慣れ親しんだ店員が普段と違う組み合わせから「あぁ」と一人合点したように見えた。

懐いたネコのように俺に擦り寄っている鶴屋さんを本当に恋人と思ったのだろう。

テーブルは普段と違う奥に通された。


適当に注文を済まし談笑が始まる。


鶴屋「ここに普段から集まっているのかい?」

興味深げに周囲を見渡しながら鶴屋が問う。


キョン「ええ、普段はあっちのテーブルですけどね。ここで解散して不思議探索をします」


鶴屋「不思議探索ってどういうことをしているんだい?」


キョン「それはですね・・・・・・・・・」

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/01(日) 23:49:19.16 ID:Qw5X2Ja+0


・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


俺が不思議探索での出来事を話す中、時折鶴屋さんの質問が入る。

途中で料理も運ばれ腹を満たしながら一通り団員の不毛な休日を話して聞かせる。


キョン「まぁこんな感じですかね」

長時間ほぼ1人で喋っていた割にはあまり疲れなかった。
意外にも鶴屋さんが聞き上手だったからだろうか。



鶴屋「ようし!じゃあ今日は私たち二人で不思議探索をしようじゃないかっ!」

キョン「今からですか!?」


話終えるまでに結構な時間が掛かってしまいこれから出歩くには微妙な時間になっている。

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/02(月) 00:03:36.58 ID:/5itpDwl0


鶴屋「夜のほうが不思議が見つかりそうな気がしないかい?」


確かに一理あるが本当に不思議を探すつもりなのだろうか?

キョン「本当に不思議を探す気ですか?」


鶴屋「いやー。夜遊びというのもしてみたいなぁと・・・・・・」

珍しく歯切れが悪い返答が返ってくる。


怪訝に思いながらもやはり今日は終わらせたほうがいいだろう。
遅くまで付き合わせてしまうのも悪いしな。

キョン「暗いと行動しにくいですよ。次の機会じゃだめですか?」


鶴屋「じゃあやっぱりしょうがないか!」

先ほどの歯切れの悪さを微塵も感じさせないいつもの調子で答えた。


キョン「ではすいませんが次回に必ず」

そう言って伝票を取り店を出る。


152 名前: ◆pVGWJPoky6 [] 投稿日:2009/03/02(月) 00:06:30.17 ID:/5itpDwl0


鶴屋「ごちそうさま。今日は楽しかったにょろ」

キョン「送りますよ」

鶴屋「大丈夫!あんがとっ!」

そう言って駆け出し離れたところで「また今度!!」と人目も憚らず大声で別れを告げた。

今日はこれで別れた。


つづく


眠いんでもうだめです
明日仕事から帰ったら必ず
えろもいれるんでかならず
すいませんがこれで勘弁を
よろしければ保守をおねがいします
もうしわけない

298 名前: ◆pVGWJPoky6 [] 投稿日:2009/03/02(月) 20:48:15.90 ID:FirPo0lg0


再開です。
あまり書き溜められませんでしたが



翌日の休日はSOS団の不思議探索が敢行された。

しかもどこから伝わったのか昨日の鶴屋さんとの一件がハルヒの耳に入っており終始不機嫌であり、いつにも増して横暴であった。


ハルヒ「キョンが払うんだから何でも注文しなさい!」

そう切り出し上から順に注文をはじめる。


反抗しようものなら、「団員には振舞えないっていうの!?」と無茶苦茶な理論を展開する。

さすがに限度というものがあるだろ。


299 名前: ◆pVGWJPoky6 [遅れた上に遅筆で申し訳ないです] 投稿日:2009/03/02(月) 20:51:35.65 ID:FirPo0lg0


黙々とメニューをたいらげる長門とハルヒに怯える朝日奈さん。

古泉は途中で携帯が鳴り「バイトが入りました」と去っていった。

食いきれなかった分も長門が処理し店を後にした。


流石に支払えるはずもなく長門が「これを」と差し出してくれたクレジットカードで精算する。


偽造じゃあないだろうな?


その後の探索は俺がひたすらにハルヒにこき使われるだけの不毛な休日に終わった。


303 名前: ◆pVGWJPoky6 [思ったより長くなりそう] 投稿日:2009/03/02(月) 21:02:41.27 ID:FirPo0lg0


解散し帰路につく。


今日一日で相当のストレスがたまった気がする。


帰ったら風呂に入って寝よう。

そう思いながら帰路についていると携帯が鳴る。古泉からだ。


イライラしながらもすっぽかすわけにも行かず来た道を引き返しいつもの公園に向かう。



305 名前: ◆pVGWJPoky6 [] 投稿日:2009/03/02(月) 21:11:50.75 ID:FirPo0lg0

呼び出していながら古泉はまだ来ていないのか?


長門「古泉一樹は閉鎖空間への対応に追われている」

抱いた疑問に長門が先回りして答えを述べる。


キョン「まったく何だったんだよ今日のは」


みくる「・・・たぶん・・・嫉妬ですね」


わかっていたことだがこれには呆れる。

子供かあいつは。


307 名前: ◆pVGWJPoky6 [] 投稿日:2009/03/02(月) 21:21:11.54 ID:FirPo0lg0


長門「同情する」

まさか長門からそのような事を言われるとは思わなかった。


みくる「それでもキョン君には未来がかかっているんです」

古泉「今我々のいる世界もです」


ぎょっとして振り向くといつものニヤケ面があった。

おい古泉いつからそこにいる。


古泉「たった今来たばかりです。ようやく落ち着いたみたいです」


311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[ちょっと朝食の米買ってきます] 投稿日:2009/03/02(月) 21:32:01.23 ID:FirPo0lg0


古泉「まさか貴方が異性と食事をしただけで大規模な閉鎖空間が発生するとは思いませんでしたよ」

キョン「まったくもってその通りだ」

これではうっかり異性と食事に行くこともできない。
自分で言うのも悲しいがそんな機会はあまり有るまい。

318 名前: ◆pVGWJPoky6 [再開です] 投稿日:2009/03/02(月) 22:03:31.09 ID:gCyUy6b/0


みくる「私とキョン君が仲良くして閉鎖空間が発生することはあるんですか?」



古泉「・・・実をいうと過去に何度か彼が朝日奈さんに味方した際に閉鎖空間が発生したことはありましたがもっと小規模なものでした」


キョン「何の違いがあるっていうんだ?」


俺の質問にハルヒに関しての専門家である古泉が即答する。

古泉「恐らく涼宮さんは貴方がSOS団の活動から遠のいていくのを危惧しているのでしょう」


320 名前: ◆pVGWJPoky6 [] 投稿日:2009/03/02(月) 22:12:38.25 ID:gCyUy6b/0



古泉「朝日奈さんが相手であれば団長という立場を利用し、どうにかできる自身があるのでしょう」

あまり楽しくないハルヒの側面を古泉が暴く。


みくる「・・・・・・まぁなんとなくわかる気はしますね」


否定できる要素は無い。


323 名前: ◆pVGWJPoky6 [] 投稿日:2009/03/02(月) 22:22:18.46 ID:gCyUy6b/0



キョン「長門はどうなんだ?」


長門「私は敵性対象から外れているので問題無い。もちろん古泉一樹も」

いつも通りの平坦な声で言い切る。


古泉「残念ですがその通りですね」

そういう対象で長門を歯牙にかけていないのはなんだか残念な気がしたが、古泉は残念な結果のままでいい。


326 名前: ◆pVGWJPoky6 [] 投稿日:2009/03/02(月) 22:32:26.02 ID:gCyUy6b/0

よく見るとすこしやつれた表情をしていたことに気付く。

そんな中で涼宮ハルヒに関しての講義が続く。

古泉「しかしSOS団に直接属していない彼女は別格です。その上、涼宮さんは彼女に一目置いていました」


みくる「たしかに鶴屋さんは同性にとっても魅力的な人ですからね」


古泉「つまり涼宮さんにとって最大の天敵といえます」


331 名前: ◆pVGWJPoky6 [] 投稿日:2009/03/02(月) 22:42:52.73 ID:gCyUy6b/0


世界を改変できる能力を持ちながらそれに気付かないハルヒにとって唯一好き勝手に力を揮えるSOS団。

力が及ばないと思っている相手の脅威に苛立ち閉鎖空間を発生させる少女。


今になってふと冷静に思う。


俺は本当に涼宮ハルヒに惚れていたのだろうか?


335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/02(月) 22:53:22.83 ID:gCyUy6b/0


疲労のせいだろうか。
地面の感触が遠退き視界が暗転しそうになる。



「申し訳ないですが注意して行動して下さい」と付け加え古泉の講義は終わった。


何に対して注意しろというんだ?



「未来も掛かっているんです」朝日奈さんが続けた。


誰の未来が掛かっているんだ?



「・・・・・・・・・・・・」沈黙のまま長門は俺を見つめていた。


338 名前: ◆pVGWJPoky6 [] 投稿日:2009/03/02(月) 23:04:08.26 ID:gCyUy6b/0



古泉「それではまた明日の部活で」

解散を告げる古泉の声で急に身体に現実味が戻る。


みくる「それじゃあおやすみなさい」

長門「おやすみ」


キョン「あ、あぁ・・・おやすみ」

342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/02(月) 23:08:15.27 ID:gCyUy6b/0


再度の帰路につく。

妙な疲労がたまった気がする。


妹に迎えられ玄関をくぐり母親の愚痴を聞きながら一人遅れた夕食を取る。

さっと入浴を済まし床に就く。

目を閉じると今までSOS団での出来事が思い起こされた。

無茶や無謀をやらされ、何度も危険な目に遭遇したが過ぎてしまえば間違いなく楽しいものだった。


それなのに今になって記憶の端々に微かな違和感を感じる。


ハルヒと二人で閉鎖空間を脱出したあの時。



あの時のキスは本当に自分の意思だったのだろうか?

朝日奈さん(大)と閉鎖空間で与えられたPC越しの長門のヒントがなかったらどうだったのだろう?



閉じた瞼の中で涼宮ハルヒではなく表裏無い陽気な笑いの先輩が映っていた。



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