ハルヒ「……ユニーク。」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 14:41:42.30 ID:fvUnkRmd0

キョン「よぉハルヒ、おはよう。」

ハルヒ「……おはよう。」

キョン「どうした? 元気が無いな。」

ハルヒ「問題ない。」

キョン「……?」


なんだ? 今日のハルヒはやけに静かだな。
まぁいいか。団活の時間になればまたいつもどおり騒ぎ出すだろう。


キョン「やっと放課後か……よし部室に行くとするか。」


今日も授業が終わって放課後。
相変わらず気づけば後ろにはハルヒの姿は無い。
俺はいつもどおり一人で部室に行くことにした。

俺はノックして部室の扉を開ける。


朝比奈「ちょっとキョン! 遅いわよ!」

キョン「……え?」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 14:42:55.85 ID:fvUnkRmd0

扉を開けて中へ入ると団長席に座った朝日奈さんが大きな声でそう言った。


キョン「あ……朝日奈さん……?」

朝比奈「なによ。私の顔に何か付いてる?」

キョン「あ。いえ、そういうわけじゃ……」


俺は戸惑いながら長門がいつも座っている方へと目を向ける。


キョン「……ハルヒ?」

ハルヒ「……なに?」


そこにはハルヒが座り静かに本を読んでいた。


キョン「どうしてお前がそこに座って。なぜ朝比奈さんが団長席に座っているんだ。」

朝比奈「なに言ってんのよキョン、いつもどおりじゃない。」

ハルヒ「何も問題は無い。」

キョン「……そ……そうだ、長門はどうしたんだ?」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 14:44:16.66 ID:fvUnkRmd0

そういえば先ほどから長門の姿が見当たらない。
いつもは誰よりも早く部室に来て本を読んでいるのに。今日はその姿が見当たらない。


朝比奈「有希なら用事があるとかで帰ったわよ。」

キョン「そ、そうか……」

ハルヒ「……。」


なんだ。一体何がどうなってるって言うんだ。
ハルヒが長門の席に座って朝日奈さんがハルヒの席に座って……。

……ん? 待てよ……ということは長門は……。


キョン「すまんハルヒ、今日は気分が悪いんでな。先に帰らせてもらう。」

ハルヒ「……そう。」

朝比奈「ちょっとキョン! 団長のわたしの許可なく帰ろうっての!?」

キョン「え。あぁ、すみません朝日奈さん。今日は帰らせていただきます。」

朝比奈「そうよ。きちんと許可を取れば問題ないの。さっさと帰りなさい。」

キョン「そうさせていただきます……。」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 14:45:29.80 ID:fvUnkRmd0

朝比奈さんが団長でハルヒがあの席に座って本を読んでるってことは……やっぱりそういうことだよな……。
とにかく一旦長門のマンションへ行こう、いやな予感がする。


古泉「おや。あなたが部活を休むとは珍しいですね。」

キョン「おぉ古泉か。いや、ちょっとな……。」

古泉「……どうかしましたか?」


昇降口へ向かう途中の階段で古泉と会った。
どうやらこいつはいつもどおりらしい。
いつもはイラつくだけのにやけ顔も今は何故か頼もしく感じる。


キョン「お前はまだなにも気づいてないのか?」

古泉「何も……と言うと?」

キョン「いや、気づいてないならいいさ。部室に行けばいやでもわかるだろう。」

古泉「ふむ……また何かあったようですね……わかりました、ひとまず僕は部室へ行くとしましょう。」

キョン「おぅ。それじゃあまたな。」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 14:48:04.35 ID:fvUnkRmd0

古泉「えぇ。また明日。」


古泉と別れて昇降口へ行き靴を履き替えた。
たとえ古泉だろうがいつもどおりの奴が居たことに安心した。

そして長門のマンションの前に着いた。
マンションの玄関で長門の部屋の番号を押し。インターホンを鳴らす。


長門「だれですかぁ?」

キョン「……長門。俺だ。」

長門「あ。キョンくんですね。今あけます。」


そういうと玄関の扉が開いた。俺は中に入りエレベーターに乗り込む。


キョン「今の話し方……どうやらいやな予感は的中ってところか……。」


そう一人で呟き、やっと開いたエレベーターの扉をくぐり長門の部屋の前まで歩く。


キョン「できれば夢であって欲しいもんだが……。」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 14:50:32.53 ID:fvUnkRmd0

インターホンを押す。

トテトテトテ...ドガッ!

足音がしてひとつ大きな音がして扉が開いた。


長門「キョンくんいらっしゃい。急にどうしたんですかぁ?」

どうやら尻餅をついたらしい、お尻をさすりながら長門が言う。
見たことも無いような笑顔の中に若干目に涙が見える。


キョン「いや。ちょっと確かめたい事があってな……。」

長門「そうですか〜。あ、取りあえず入ってください。お茶淹れますね。」


そういって長門は俺を中に入れた。
どうやらいやな予感は的中したらしい。


長門「それで、確かめたいことってなんですかぁ?」


俺の前にお茶を置いて長門はコタツを挟んで正面に座る。


キョン「いや……それについてはもうわかったからいいさ。」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 14:53:29.36 ID:fvUnkRmd0

長門「あれ? そうなんですかぁ?」

キョン「あぁ、ただもうひとつ確かめたい事が。」

長門「はい、私にわかる範囲でならお答えしますよ?」


長門が微笑みながら首を傾げる。
あぁ、長門の笑顔って可愛かったんだな……ってぇ! 今はそんなこと考えてる場合じゃないだろ! 俺!

キョン「長門……お前は何か知っているのか?」

長門「え? え? 何かってなんのことですかぁ?」

キョン「何のことって、明らかにおかしいだろ? いつものお前はもっと物静かで・・・」

長門「わ、わたしはいつもどおりですよぅ……」


なんてこった……長門まで本当になにも知らないようだ……。
こうなると頼りになるのは古泉だけか……?いや……まてよ……。


キョン「そうだ、長門! お前は宇宙人なんだよな!?」

長門「え……えぇ。そうですよ……?」

キョン「本当か!? 本当に宇宙人なんだな!?」

長門「は……はいぃ……。」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 14:55:17.85 ID:fvUnkRmd0

よかった……長門が宇宙人ってことまでは変わってないみたいだ……。
それならまだ希望はあるかもしれない……。


キョン「そうだ!なら朝倉は?喜緑さんは?」

長門「え?だ……誰ですかそれぇ?」

キョン「……そ…そうか。いや、なんでもない……。」


どうやらあの二人は居ないことになっているらしい。
こうなると不本意だが本当に頼りにできるのは古泉だけか……。


長門「えっと、その〜。よくわかりませんが大変みたいですね……?」

キョン「あぁ……参ったよ……。」

長門「げ、元気出してくださいキョンくん! そうだ、もう遅いし晩御飯食べていきますか?」


そういわれて時計を見ると確かにもう夕飯時だった。
ということは俺は結構長い時間一人で考え込んでいたようだ。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 14:59:15.91 ID:fvUnkRmd0

長門「腕によりをかけてご馳走しますよ?」

キョン「すまないな……ご馳走になるよ。」

長門「はい♪」


そういうと長門は軽い足取りで台所へと向かった。
とにかく明日だ、明日古泉と会って話し合おう。
今は奴だけが頼りだ……どうせまたハルヒ関係のことだろう、奴ならまた組織とやらが何か解決策を考えてくれるさ。


長門「はい、お待ちどうさまです。」

キョン「おぉ、ありがとな長門。」

長門「いえ〜♪」


目の前に料理が運ばれてくる、うまそうだ。
そして長門の前におかれた皿にはいつもと変わらぬ大量の料理。少しだけ安心した。


キョン「うん、うまい。」

長門「よかったです。」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 15:04:30.39 ID:fvUnkRmd0


二人で飯を食う。
取りあえず食べながら考えてみるがどうやら今のとこわかっていることは
ハルヒが長門、朝比奈さんがハルヒ、長門が朝日奈さんといった具合に
SOS団でのポジション、そして性格が入れ替わっていることのみ。
物静かなハルヒに活発でやかましい朝比奈さんにのほほんとした長門。
いつもなら考えられない状況だな。


キョン「ごちそうさま。」

長門「お粗末さまでした。」

キョン「あ、そういえば長門、今日は用事かあったんじゃなかったのか?」


そういえば朝比奈さんがそんなことを言っていたことを思い出した。


長門「あ、それなら大丈夫ですよ。もう終わってましたから〜。」

キョン「そうか。いや、もし邪魔したんなら悪かったと思ったんだが。」

長門「気を使ってくれてありがとうざいます。」


しかしこの長門は笑顔が耐えないな。
自分が日ごろいかに朝比奈さんの笑顔に癒されていたかが実感できるような気がする。


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 15:08:03.19 ID:fvUnkRmd0

キョン「さてと、それじゃあ今日はそろそろ帰るか。」

長門「あ、はい。玄関まで見送りますね。」

キョン「あぁ、ありがとう。」

長門「いえいえ。」


そういって俺は長門の部屋を出た。
これからどうするか考えながらエレベーターに乗りそしてマンションを出ると・・・。


古泉「こんばんわ。」

キョン「……なぜここに居る。」

古泉「朝比奈さんからあなたが長門さんのことを聞いてきたと聞いたものですので。」

キョン「そういうことか。それで、お前もなんの意味も無くわざわざこんなとこで待っていたわけじゃないんだろ?」


意味も無くマンションの前でこんな時間まで待っていたなら。
こいつは相当な危険人物だ。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 15:11:35.77 ID:fvUnkRmd0

古泉「えぇ、今回のSOS団の皆さん。正しくは僕とあなたを除いたお三方の件ですが・・・。」

キョン「どうせまたハルヒだろう、まったく、困った奴だよ。」

古泉「ご名答です、さすがですね。」

キョン「そりゃあこんだけいつもあいつに振り回されてるんだ。いやでもわかるさ。」


やれやれとため息をつく。息が少し白かった。


古泉「今回の件ですが、涼宮さんが関係していることは明らかです。ですが・・・。」

キョン「どうしたんだ?」

古泉「なぜこのような状況になったかまでは組織のほうでもつかめませんでした。
   涼宮さんがどのようなことを望んでこのような事態になったか。それがわからないのです。」

キョン「そいつは面倒なことになったな……。」


つまりはどうすればあいつが満足して元に戻れるかもわからないってことだ。
あいつが満足するように手探りで解決するしかないのか……。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 15:16:08.48 ID:fvUnkRmd0

古泉「それで、今回も僕らの組織が前面的に協力はしますが。なにぶん目的がはっきりしないのでは下手に動けません。」

キョン「それで今回も俺にがんばってください。ってか?」

古泉「恐縮です。」

キョン「ま、かまわんさ。どっちにしろ俺も動かんとどうにもならないだろう。」

古泉「それではよろしくお願いいたします。」

キョン「あぁ、どうすればいいかはわからんががんばらせてもらうさ。」

古泉「はい、それでは僕はこれで。」

キョン「おう、またな。」


そして古泉と別れた後はまっすぐに家に帰った。
取りあえず家に帰ってゆっくりどうするか考えよう。いまここで下手に何かを考えたってどうしようもない。


キョン「ただいまー。」

妹「あー、キョンくんおかえりー。遅いよー。」

キョン「おぅ、ちょっとな。飯は食ってきたからいい。」


そういってひとまずシャワーを浴びに風呂場へ向かう。
一旦頭を冷やせば何かいい考えが浮かぶかもしれん。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 15:19:34.97 ID:fvUnkRmd0

……結論から言おう。何もいい考えなんて浮かばなかった。


妹「キョンくんもう寝ちゃうのー?」

キョン「あぁ、今日はちょっと疲れたんでな。」

妹「おやすみなさーい。」

キョン「おやすみ。」


そういって自分の部屋へと向かう。ベットに横になり考えてみたが一向にいい考えは浮かばない。
古泉は協力すると言ってくれているものの。正直どこまで頼りにできるか不安でもある。


キョン「まいった……本当にまいった……。」


そう呟きながら気づかぬうちに俺は深い眠りのそこへと沈んでいった。
意識が完全に途絶える寸前に古泉のにやけ顔が頭をよぎった。
あぁ、明日は最悪の目覚めになりそうだ……。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 15:24:18.00 ID:fvUnkRmd0

〜次の日〜


キョン「……朝か……。」


思ったより深いな目覚めにはならなかったのは夢の中に朝比奈さんスマイルな長門が出てきたからだろうか。


キョン「さっさと学校へ行こう。もしかしたらまたいつもどおりのハルヒに戻っているかもしれない。」


そう思いちゃっちゃと身支度をして朝食をとりいつもより少し早めに家を出た。


キョン「……。」


教室の前で少しの間立ち止まる。
この扉を開ければまたいつもどおりのハルヒが居てくれるのを祈り、扉に手をかけた。


キョン「……はぁ。」


扉を開けてハルヒの席へと目をやると、そこには難しそうな本を読みながら
静かに座っているハルヒがいた。いつもの退屈そうな表情はそこにはない。


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 15:26:55.40 ID:fvUnkRmd0

キョン「よぅハルヒ、おはよう。」

ハルヒ「……おはよう。」


声をかけると本から目を離してこちらを見て挨拶をしてきた。
が、すぐにまでその視線は本へと落ちる。


キョン「な、なぁハルヒ。その本面白いか?」

ハルヒ「おもしろい。」

キョン「そ、そうか……。」


会話が続かない……。
いつもならいやっちゅうほどうるさい奴がここまで静かだと、調子が狂ってこっちまで静かになっちまうな……。


ハルヒ「……。」

キョン「ん?」


ハルヒが本を閉じてこっちを見つめてくる。

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 15:30:18.62 ID:fvUnkRmd0

キョン「どうかしたかハルヒ?」

ハルヒ「今日は……部活に来る……?」

キョン「あ、あぁ。今日はきちんと行くよ。」

ハルヒ「そう……。」


岡部「おーい。HR始めるぞー。席に着けー。」


なにやら仕草までもが長門に似ていてるので見ていて面白い。
そう思いハルヒを見ていると岡部教諭が入ってきた。


キョン「お、もうHRの時間か。」


その後は今日も一日静かな授業が進んだ。
ハルヒが静かってだけでこんなに平和な授業風景に変わるもんなんだな……。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 15:33:41.77 ID:fvUnkRmd0

谷口「おーっす。キョン、飯食おうぜ。」

国木田「一緒に食べるよね?」

キョン「あぁ、飯にするか。」


昼休みはいつも通りに谷口と国木田と飯を食べた。
ハルヒはいつもと変わらず昼休みはどこかへと消えた。

ちなみに途中さりげなくハルヒの静けさについて触れてみたが
二人ともいつも通りだと言っていた。


キョン「ふぅ〜。やっと授業も終わりか。」


放課後の教室で呟く。


キョン「ハルヒはまた早いな……終わった次の瞬間には後ろに居なかったぞ。」


あいつはいつもどうやって部室まで移動しているんだろうか。
早すぎて気づけばもう居ないってのがいつものパターンだ。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 15:36:29.08 ID:fvUnkRmd0

キョン「ひとまず部室へ行こう。今日は長門も古泉も居るだろうしな。」


今日はわざと長めに教室に残って一番最後に部室へ行くことにした。
誰かと二人っきりにでもなったらその場の空気に耐え切れない気がしたからだ。


キョン「まぁ二人っきりだろうが皆居ようが気まずいのに変わりは無いがな……。」


部室の前に立った俺はそう呟いて扉を開けた。


朝比奈「キョン! 遅いわよ! 完全に遅刻じゃない!」

キョン「すみません朝比奈さん。」

長門「あ、キョンくんこんにちわ。いまお茶淹れますね。」

キョン「あ、あぁすまんな長門。」

古泉「それじゃあお茶が入るまでオセロでもどうですか?」

キョン「おぉ、古泉。なんだまだ負けたり無いのか?」

古泉「えぇ、勝つまでは負けたりませんね。」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 15:40:44.57 ID:fvUnkRmd0

キョン「なんだそれは。」

古泉「んふ。それじゃあ始めましょうか。」

ハルヒ「……。」


ハルヒが静かなこと意外はSOS団内の空気はそこまで変わりは無かった。
朝比奈さんはなにやら仏頂面でPCの画面とにらめっこしてるし、
長門はメイド服を着てお茶を淹れているが、古泉は相変わらずのにやけ顔だ。


キョン「……ってか長門がメイド服かよッ!」


小声で突っ込みをいれる。


古泉「えぇ、やはり長門さんが朝比奈さんのポジションのようですね。」

キョン「お前や俺はいつもどおりなのか。」

古泉「どうやらそのようです。」


オセロをしならが小声で話す。


長門「お二人とも、お茶がはいりましたよ。」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 15:43:25.98 ID:fvUnkRmd0

そういって笑顔で俺たちの前にお茶を置く長門。
ふむ。メイド服もなかなか似合っているじゃないか。


長門「……? どうかしましたかキョンくん?」

キョン「え、あぁ、なんでもない。」


思わず見つめてしまったようだ。恥ずかしい。
古泉がこちらをみてにやにやしてやがる。


キョン「よほど酷く負けたいんだな。」

古泉「おやおや、怒らせてしまいましたか。」

長門「け、喧嘩はだめですよぅ。」

古泉「お気遣い無く、長門さん。」

キョン「そうだぞ長門、どうせ俺が一方的にこの盤上を白く染め上げるだけだ。」

古泉「んふ、それはそれは楽しみですね。」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 15:44:40.63 ID:fvUnkRmd0

そんなこんな話しながら盤上での戦いは加熱していく。
なんだ、今日のこいつは、なかなか…てごわ……い……?


キョン「……負けた……。」

古泉「おや、勝ってしまいました。」

長門「わぁ、古泉君すごーい。」

キョン「クッ! リベンジだ古泉!」

古泉「えぇ、いいですよ。」


……その後も俺は古泉に惨敗を繰り返した。

なんてこった……盤上でだけ俺と古泉の関係が入れ替わっちまっていたようだ。


古泉「まだやりますか?」

キョン「いや……今日はもういい……。」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 15:47:45.97 ID:fvUnkRmd0

というかもう二度とやりたくなくなってしまった。
いつも負け続ける古泉の気持ちがわかった気がする。
……いや、やっぱりこいつの気持ちはわからない。


朝比奈「ちょっと有希、お茶のおかわりを頂戴。」

長門「あ、はい。ちょっと待ってくださいね。涼宮さんもお茶淹れますか?」

ハルヒ「……。」


ハルヒは小さくうなずいた。
ふむ、どうやら本当に入れ替わってしまっているようだな。


ハルヒ「……。」


パタン...


その後しばらく古泉と長門と話しているとハルヒが本を閉じた。
どうやら入れ替わってもこれが部活終了の合図だというのは変わらないらしい。


朝比奈「それじゃあ今日はここまで! 明日は不思議探しをするわよ! いつも通り駅北口前集合!」


そういうと朝比奈さんはさっさと帰ってしまった。

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 15:51:14.98 ID:fvUnkRmd0

ハルヒ「私も帰る。」

キョン「おぉ、それじゃあまたなハルヒ。」

長門「あ、それじゃあ私もそろそろお暇しますぅ。」

古泉「それでは解散としますか。」

キョン「おぅ、それじゃあ皆また明日。」


解散した後は昇降口で古泉と明日まで様子を見て
その後どう行動するかを決めるということを話してからまっすぐ家に帰って早めに寝た。
明日の不思議探し……いろいろと不安が残るがまぁ何とかなるだろう……。


〜次の日〜


朝比奈「ちょっとキョン! 遅いわよ! 罰として皆のお茶代払いなさい!」

キョン「……はい。」


いつもかばってくれる朝比奈さんにこう言われると
ハルヒのせいだとわかっていても傷つくな……。


朝比奈「さてと、それじゃあ今日もくじ引きして二手にわかれて不思議探しをするわよ!」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 15:55:30.53 ID:fvUnkRmd0

そういうと朝比奈さんはいつもハルヒがやっているように爪楊枝を5本取り出しそのうち2本にペンで印をつけた。


キョン「お、まずはハルヒとか。」

ハルヒ「……。」

朝比奈「ちゃんと二手に別れたわね、それじゃあまた昼頃に駅北口前集合よ!」

古泉「それではまたあとで。」

長門「キョンくんがんばってくださいね。」

キョン「あぁ、また後でな。」

ハルヒ「……。」


さてと、不思議探しに出発したはいいがどうしたもんだかな……。
このハルヒはやっぱり本が好きみたいだし……。


キョン「ハルヒ、図書館にでも行くか?」

ハルヒ「……いく。」

キョン「そうか、それじゃあ図書館に行くとするか。」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 16:00:39.01 ID:fvUnkRmd0

やっぱり本が好きなんだな。


キョン「それじゃあ俺はここのソファーで座って待ってるぞ。」

ハルヒ「わかった……。」


そういうとハルヒは本棚の迷路の中へと消えていった。
俺はやれやれとため息をつく。


キョン「しかし、確かに静かなら普通に美人なんだがなぁ……。」


そういってハルヒが消えていったほうを見る。
先ほどとは逆のほうへ歩いていくハルヒが見えた。


キョン「こうやって座ってるだけって言うのも暇だな……。」


そんなことを言いながらあくびをしているとハルヒが戻ってきた。


ハルヒ「待たせた……。」

キョン「あぁ、気にするな。その本借りるのか?」

ハルヒ「……借りる。」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 16:04:12.05 ID:fvUnkRmd0

小さくうなずくハルヒの両手には大量の本があった。


キョン「それじゃあ借りたら外に出るか。まだ集合まで時間もあるし少しくらいは不思議探しとやらもしないとな。」

ハルヒ「……そう。」


大量の本を借りて図書館を出た。
本の入った袋を大事そうに抱えたハルヒの顔はどこか満足気だった。


キョン「そういえばハルヒ、どんな本を借りたんだ?」

ハルヒ「色々……。」

キョン「そうか、色々か。」

ハルヒ「……あ。」

キョン「ん? どうかしたかハルヒ?」

ハルヒ「間違えた……。」


そういうハルヒの手にはなにやらいろんな髪型の写真が載っている本。
おそらく美容師の人が使ったりする本なのだろう。図書館って言うのはいろんな本があるんだな。

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 16:07:56.50 ID:fvUnkRmd0

ハルヒ「……。」

キョン「まぁいいんじゃないか? いつも同じ髪型だしどの本を参考にたまには変えてみたらどうだ?」

ハルヒ「……髪型……。」

キョン「どうした? うつむいたりして?」

ハルヒ「あなたは……どんな髪型が好き……?」

キョン「俺か? そうだな……俺はポニーテールとか好きだぞ。」

ハルヒ「……ユニーク。」

キョン「はは……。」


うつむいてハルヒは何かを考えているような仕草を見せる。
無表情だから何を考えているのかいまいちわからないな。


キョン「お、そろそろ集合する時間だな、そろそろ戻るか。」

ハルヒ「わかった。」

キョン「遅れたらまた何かおごらされるやもしれんからな、急ごう。」

ハルヒ「……。」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 16:10:11.00 ID:fvUnkRmd0

少々急ぎ気味で歩く俺の後ろをハルヒが無言でトテトテと付いてくる。
少しペースが早いか、その表情にほんのり赤みがかかっている。


キョン「……もう少しゆっくり行くか。」

ハルヒ「……ありがとう。」


二人でゆっくり歩いて戻ることにした。
まぁいいさ、ハルヒとこんなにのんびり歩くなんて貴重な体験はそうそうできるもんじゃないだろう。


古泉「おや、戻ってきたようですよ。」

長門「キョンくーん、こっちですよー。」

朝比奈「二人とも遅いわよ!」

キョン「すみません朝比奈さん、不思議が無いか必死に探してたら遅くなってしまいました。」

ハルヒ「……。」


もちろん不思議探しなんて歩きながら裏路地をチラっと見る程度にしかやってない。
まぁいまのこの状況自体が俺にとっては十分不思議だらけだ。ある意味間違えちゃいないだろう。

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 16:16:00.39 ID:fvUnkRmd0

朝比奈「そう、それで不思議は見つかったんでしょうね!」

キョン「それは……すみません、やっぱり不思議はそう簡単には見つかってくれませんでした。」

古泉「おやおや、それは残念でしたね。」

長門「ま、まぁそんな日もありますよ。ね? 朝比奈さん。」

朝比奈「……まったく、しょうがないわね! 次はちゃんと見つけてきなさいよ!」


二人が微妙にかばってくれたおかげだろう。
朝比奈さんは少々不機嫌そうにしながらも許してくれた。


朝比奈「それじゃあ午後も二手に分かれて不思議探しをするわよ!」

古泉「次は不思議が見つかるといいですね。」


俺にとってはお前のその笑顔も不思議のひとつだがな。


朝比奈「さぁ、とりなさい。」


そうやって突き出された手からそれぞれ爪楊枝を取る。

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 16:21:38.75 ID:fvUnkRmd0

古泉「僕は印無しですね。」

ハルヒ「……なし。」

長門「あ、今回はわたしとキョンくんがペア見たいですね。」

キョン「そうみたいだな。」


次は長門とか、正直この笑顔を向けられると直視できないんだが……。


朝比奈「それじゃあまた夕方頃に集合するのよ!」

古泉「ではまた。」

ハルヒ「……また。」

長門「それじゃあ行きましょうかキョンくん。」

キョン「あぁ、そうだな。」


むぅ、長門の笑顔がまぶしい。


長門「……? どうかしたんですかキョンくん? そっぽ向いたりして。」

キョン「え、あぁ何でもないさ。」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 16:24:07.04 ID:fvUnkRmd0

長門「そうならいいんですが……。顔が赤いですよキョンくん?」

キョン「……えっと、その……だな……。」


笑顔が可愛くて直視できないなんて言えないな……。


長門「熱でもあるんですか……?」

キョン「ッ!?」


長門が俺の額に触れる。か、顔が近い!


キョン「だ、大丈夫だ! 大丈夫だから!」

長門「ぴゃぁ〜!」


ドテン!


恥ずかしさのあまりつい長門を突き飛ばしてしまった。
長門はよくわからない発音の悲鳴を上げ尻餅をつく。

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 16:28:05.23 ID:fvUnkRmd0

キョン「あ、すまない長門! 大丈夫か!?」

長門「ひ、ひぇぇ〜……だ、大丈夫……ですぅ……。」

キョン「ほら、立てるか長門?」

長門「……ふ、ふにゃあ……足に力が入りません〜。」

キョン「な、大丈夫か!? ほらおぶってやるから来い。さっきの喫茶店に戻って休憩しよう。」

長門「え、えっと、あのその……は、はいぃ……。」


そういうと長門は顔を赤くして俺の背中に乗った。
くぅ……顔を赤くされるとこっちまで恥ずかしくなってきるじゃないか!


キョン「よいしょ……っと、大丈夫か長門?」

長門「あ、はい。大丈夫です……。」

キョン「よかった……そうだ、お詫びといっちゃ何だが何か奢るぞ。」

長門「そ、そんな。本当に大丈夫ですからぁ……。」

キョン「だがなぁ、無理をするのはよくないし、今日はハルヒ達が帰ってくるまでここで待とうじゃないか。」

長門「……ありがとうございます。」

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 16:34:27.69 ID:fvUnkRmd0

キョン「だから俺が悪いんだから気にするなって。ほら、パフェでも食うか?」

長門「えっと、そのぅ……じゃあイチゴパフェを……。」

キョン「おう、まかせろ。すみませーん。」

店員「はい、ご注文はお決まりでしょうか?」

キョン「イチゴパフェひとつと、後コーヒーを……長門も飲むか?」

長門「え?あ、はひぃ。」

キョン「それじゃあコーヒーを二つ。」

店員「かしこまりました。少々お待ちください。」

長門「舌噛んじゃいましたぁ……。」


そういって涙目で舌を出す長門。
あれ?もしかしてこの状況ってはたから見たら……


キョン「……デート……?」

長門「へ? え? えぇぇ!?」


しまった、思わず口に出してしまった。
長門が顔を真っ赤にして驚いた顔をしている。

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 16:39:05.74 ID:fvUnkRmd0

長門「デデデデ! デートってその私とキョンくんが! え!ひぇぇぇ!?」

キョン「ちょ、まて、落ち着け長門! 周りのお客さんがこっち見てる!」

長門「で、でもそんな、デートだなんて……。」

キョン「いや、それはだな……その、なんというか言葉のあやというか……つい口を出てしまったというか……。」


あわてて弁解する。
長門は顔を真っ赤にして伏せたまま声にならない声を上げている。
おそらく俺の顔も真っ赤なんだろう……。


長門「……つい、で私とデートって……。」

キョン「え〜……あの……それはだな……。」

長門「……わたしは……その……いやじゃ……ゴニョゴニョ。」

キョン「……長門……?」

長門「あ! えっとその! なんでもないです! なんでも!」


真っ赤な顔のまま長門が首を大きく振る。
こんな長門の仕草は見たことが無い。正直可愛くて仕方ありません大佐。

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 16:42:02.66 ID:fvUnkRmd0

店員「お待たせしましたー。イチゴパフェとコーヒーになります。ご注文は以上でよろしかったでしょうかー?」

キョン「あ、はい。大丈夫です。」

店員「それではごゆっくりどうぞー。」


なんだか気まずい空気になったが店員のおかげで助かった。
店員よ、いい仕事してるじゃないか。


キョン「さ、さぁ長門。遠慮せずに食ってくれ。」

長門「は……はいぃ。」


長門は顔を赤くしたままパフェを黙々と食べる。
その姿を眺めながらコーヒーをすする。ブラックなのに甘く感じるな。


キョン「ん、長門。ほっぺたにクリームが付いてるぞ。」

長門「ひぇ? あ、ほんとだ……。」

キョン「ほら、吹いてやる。」

長門「そ、そんな。自分でふけまふゅ。」

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 16:44:09.14 ID:fvUnkRmd0

有無を言わさず持っていたハンカチで長門のほっぺたを拭く。


長門「だ、大丈夫れしゅぅぅ……。」

キョン「よし。きれいになったぞ。」

長門「は、はひぃ……あ、ありがとうございます……。」

キョン「あぁ。」


そういってまたもくもくとパフェを食べ始める。
相変わらず顔は赤い。


キョン「うまいか?」

長門「は、はい。おいしいです。」

キョン「そうか、よかったな。」

長門「……はい。」


その後も静かに食べる長門を見ながらコーヒーをすすってしばらく時間が過ぎた。


長門「……ご、ご馳走様でした。」

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 16:47:37.30 ID:fvUnkRmd0

キョン「おぅ、集合の時間まであと1時間位か。」

長門「ですね。」

キョン「今から外に出たってしょうがないしあと30分くらいここでのんびりしてから集合場所に向かうか。」

長門「そうしましょうか……。」


そういって二人で静かにコーヒーを飲む。
うん。平和な時間っていいもんだなぁ……。


店員「コーヒーのおかわりはいかがですかぁ?」

キョン「あ、それじゃあ二つお願いします。」

店員「かしこまりました。」


ふぅ、コーヒーってのはいいもんだ。心が安らぐ……。
心なしか長門の表情も大分落ち着いてきたようだ。


長門「ここのコーヒー、おいしいですねぇ。」

キョン「だな、今度また来るか。」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 16:52:27.53 ID:fvUnkRmd0

長門「……えっと、その……。」

キョン「ん?」

長門「えっとそのあのぉ〜……それは……一緒にってことでしょうか……?」

キョン「いやか?」

長門「ひぇ? あ、そのぜんぜん! そんな、いやじゃないです。」

キョン「そうか、よかった。」

長門「ひぇぇ〜……。」


また長門の顔が赤くなってきた。
いつも見れない表情が見えるし、この長門はこの長門でいいかもしれない。


キョン「おっと、そろそろ時間だな。この一杯を飲んだら出るか。」

長門「へ? あ、そうですね、もうそんな時間ですか。」

キョン「まぁゆっくり最後の一杯を楽しむか。」

長門「……はい。」


二人で最後の一杯をゆっくりと楽しむ。
最後の一滴まで飲み干して店を出た。

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 16:55:55.42 ID:fvUnkRmd0

キョン「さぁ、集合場所に行こう。」

長門「ですね。また朝比奈さんを待たせちゃいけませんし。」


二人でならんで集合場所へ向かう。
さっきは本気ではなかったが、これは本当にデートみたいだな。


キョン「ん? なんだ、三人はまだ戻ってないのか。」

長門「めずらしいですねぇ。集合時間に遅れるだなんて……。」

キョン「何か変なもんでも見つけたんじゃないか?」

長門「こ、怖いものはいやですぅ……。」

キョン「どうだかなぁ……(朝比奈さんの中身が)あいつなら何でもかんでもつれてきそうだ……。」


そんなことを話していると遠くのほうに朝比奈さん達の姿が見えた。


朝比奈「キョーン!」

キョン「朝比奈さーん。どうかしたんですかー?」

朝比奈「ちょっとこっちに来てよ! みてコレー!」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 17:01:05.46 ID:fvUnkRmd0

書き溜めしておいた分がなくなったのでここからは書きながら投下です。
よって、だんだんカオスになっていくかも知れませんがご了承ください。




二人で朝比奈さんたちが居るほうへ行くとそこには……。


キョン「……鶴屋さん……?」

ちゅるやさん「やぁやぁキョンくん! スモークチーズはあるかい?」


そこにはおそらく鶴屋さんであろう生物がいた。


古泉「いえ、彼女は鶴屋さんではなくちゅるやさんだそうです。」

ハルヒ「……ユニーク。」

長門「ちゅ……ちゅるやさんですかぁ?」

朝比奈「どうよキョン! これを不思議といわずして何というの!」

キョン「……は……はは。」


なにがどうなっているかわからんが
どうやら彼女はちゅるやさんと言い。鶴屋さんとは関係は無いそうだ。

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 17:06:32.88 ID:fvUnkRmd0

キョン「えっと、その。ちゅるやさんでしたっけ?

ちゅるやさん「なんだいキョンくん!」

キョン「その、あなたは何者なんでしょうか……?」

ちゅるやさん「わたしはわたしにょろ!それ以上でもそれ以下でもないよ!」

キョン「……そうですか。あ、ちなみにスモークチーズは無いです。」

ちゅるやさん「にょろ〜ん……。」

朝比奈「かわいいでしょ!? 彼女も明日からはSOS団の団員として迎えるわよ!」

キョン「……もう好きにしてくれ。」

古泉「おやおや。」

ハルヒ「……ユニーク。」

長門「……か、かわいいです……。」


断ったところでおそらく明日からは鶴屋さんの代わりにちゅるやさんが登校してくるんだろう。
はぁ、まったくなんてご都合主義な力なんだ……。

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 17:12:39.55 ID:fvUnkRmd0

朝比奈「それじゃあ今日はここで解散よ! 新しい団員も見つかったことだし今日は大収穫ね!」

キョン「そうですね……。」

古泉「喜ばしい限りです。」

ハルヒ「……。」

長門「えっと、ちゅるやさんはどこに住んでるんでしょうか?」

ちゅるやさん「それは教えられないにょろ!」

長門「そ、そうですか。」

キョン「長門、おそらく何を聞いても無駄だ。」

ちゅるやさん「にょろ〜ん。」


今日はそのまま解散した。
家に帰ってから今日あったことをまとめようとしたがどうしても最後のちゅるやさんが浮かんできて考えがまとまらない。
一体なにものなんだ彼女は……あれもハルヒの力なんだろうか……。

結局、ハルヒが何を考えているのか余計にわからなくなっただけで、
今日の収穫は長門の笑顔ぐらいで終わってしまった。


明日、また古泉と相談しよう。
今後どうするか決めておいてくれるだろう……。

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 17:18:54.28 ID:fvUnkRmd0

〜次の月曜日〜


教室に入るとまたハルヒは本を読んでいた。
だが昨日とは違うところがひとつ……。


キョン「よぅハルヒ、おはよう。」

ハルヒ「おはよう……。」

キョン「髪型、変えたんだな。」

ハルヒ「……!」

キョン「はは、ポニーテールか、似合ってるぞ。」

ハルヒ「……ありがとう。」


そういうと若干頬を赤くしてまた本を読み始めた。
まぁ似合ってるってのは正直な気持ちだ、なにも悪くは無いだろう。


キョン「そういえばハルヒ。」

ハルヒ「……?」

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 17:26:19.20 ID:fvUnkRmd0

ハルヒ「……?」

キョン「ちゅるやさんって……夢じゃないよな……?」

ハルヒ「……ユニーク。」


それはどういう意味なんだろうか……。
それだけいうとハルヒは完全に本を読む作業に戻ってしまった。
……放課後になればわかるか……。


岡部「おーい、HR始めるぞー。」


その声を合図にその後は静かに授業が進んだ。
昼飯はやはり谷口と国木田と食べた。

ちゅるやさんについて何か聞こうかと思ったがやめておいた。
おそらく何も知らないか、もしくはまた普通のことのように言われるだけだろう。

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 17:31:44.89 ID:fvUnkRmd0

古泉「こんにちは。」

長門「キョンくんこんにちわ。」

朝比奈「あらキョン、今日は遅れずに来たようね。」

ハルヒ「……。」

ちゅるやさん「やぁやぁキョンくん! スモークチーズはあるかい?」


放課後はいつも通りに部室へ向かった。
今日は長机に座ってちゅるやさんと古泉がオセロをしていた。


キョン「こんにちわ朝比奈さん。それとスモークチーズは無いです。」

ちゅるやさん「にょろ〜ん……。」

古泉「ふふ、油断していると負けますよ? ちゅるやさん。」

ちゅるやさん「むむ! なかなかやるね古泉君!」

キョン「ほう、良い勝負だな。」

古泉「えぇ、これは負けられませんよ。」

ちゅるやさん「こっちだって負けないにょろ。」

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 17:36:58.87 ID:fvUnkRmd0

二人の戦いはなかなか白熱していた。
どちらが先にこの押しつ押されるの均衡を破るか見ものだな……。


長門「キョンくん、お茶が入りましたよ。」

キョン「あぁ、ありがとう長門。」


長門から受け取った茶を飲みながらその戦いを見守る。
できる限りちゅるやさんのことは視界に入れないようにした。


朝比奈「むぅ〜……。」

キョン「ん?どうかしたんですか朝比奈さん。」

朝比奈「なんか物足りないのよねぇ……。」


こんな不思議人物をつれてきておいてまだ物足りませんか。
俺はもうおなか一杯一杯で今すぐこの現実から逃げ出したいくらいですよ。


朝比奈「そうねぇ……なにが物足りないのかしら……。」


朝比奈さんはそういうとだんまりを決め込んでしまった。
なにが足りないのか考えているのだろう。

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 17:43:01.52 ID:fvUnkRmd0

古泉「……おや、これはこれは……。」

ちゅるやさん「勝ったにょろ!」

キョン「なんだって!?」


しまった。朝比奈さんのほうに気を取られてオセロの勝負を見てなかった。
くそぅ。惜しいことをした。


古泉「いやはや、完敗といったところでしょうか。まいりました。」

ちゅるやさん「えっへん! どうにょろキョンくん。見直したかい?」

キョン「え、えぇ。すごいですねちゅるやさん。」

長門「すごいです〜。」


古泉と俺のオセロの強さは入れ替わってるんだから古泉が負けたってことは俺が負けたってことなんだろうか。
うぅ、微妙な気分だ……。







ところでまだ見ている人は居るんだろうか。

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 17:48:47.92 ID:fvUnkRmd0

古泉「んふ、難しい顔をしてどうかしましたか?」

キョン「うるさい、わかっているんだろうが。」

古泉「おやおや。申し訳ございません。」

ちゅるやさん「どうだいキョンくん! 君も勝負するにょろか?」

キョン「いえ、遠慮しておきます。」

ちゅるやさん「にょろ〜ん。」


すみませんねちゅるやさん。いまはそんな気分にはなれません。
なんて考えながら長門にお茶のおかわりを貰いそれを飲みながら古泉とちゅるやさんの第二戦目を見ていると。


バンッ!


朝比奈さんが大きな音を立てて机を叩き立ち上がった。


朝比奈「あぁ、もう! なんかスッキリしないわ! 何かが足りないのよ何かが!」

長門「ふ、ふぇぇ〜。どうかしたんですかぁ?」

古泉「おやおや。」

ちゅるやさん「みくるっちこわいにょろ〜……。」

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 17:51:31.08 ID:fvUnkRmd0

キョン「ま、まぁまぁ、落ち着いてくださいよ朝比奈さん。」

ハルヒ「……。」

朝比奈「むぅ……今日は気分が悪いから帰るわ! キョン、戸締りお願いね!」


そういうと朝比奈さんは足早に帰ってしまった。
やれやれ、これ以上なにが物足りないんだろうか……。


古泉「困ったものです。」

ちゅるやさん「にょろ〜ん……。」

長門「ど、どうかしたんでしょうかぁ?」

ハルヒ「……はぁ。」

キョン「ん?」







おもった以上に多くの人が見てくれていて安心しましたw
それではここからもがんばっていきます。

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 17:54:23.67 ID:fvUnkRmd0

ハルヒが珍しくため息をついた。


ハルヒ「……かえる。」

キョン「へ?」


そういうとハルヒは無言で帰ってしまった。


古泉「……仕方がありませんね。今日は解散としますか。」

ちゅるやさん「勝負はおあずけにょろね!」

長門「ふ、ふぇぇ〜……。」

キョン「はぁ……そうだな、今日は帰るか。」


そのまま今日は解散した。
温厚な朝比奈さんがああも荒れている姿を見るとギャップでいつもハルヒがどれだけ我侭だったかがわかる気がした。
まぁそんなハルヒに自分からよって言ったのは俺だ、文句は言うまい……。


キョン「はぁ……結局流れで古泉とちゃんと話すこともできなかったな……。」


自室のベットの上で一人呟く。そして静かに眠りの中へと落ちていった。
意識が途絶える寸前にいつものハルヒの元気な声が聞こえた気がした。あぁ、耳元で叫ぶな。耳が痛い……。

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 18:00:14.27 ID:fvUnkRmd0

〜次の日〜


キョン「……朝か……?」


今日はやけにぱっちりと目が覚めた。
時計を見るといつも起きる時間より10分ほど早い。


キョン「……まぁいい、顔洗ってくるか……。」


階段を下りて洗面所へ行き顔を洗う。
鏡を見ると寝癖が酷かったのでそれもきちんと直す。


キョン妹「ふぁ〜……キョンくんおひゃよぅ〜……」

キョン「寝癖酷いぞ。」

キョン妹「ふぇ〜?」


妹が起きてきた。
俺と同じく寝癖が酷かったので教えてやると鏡を見てしばらくボーっとした後。

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 18:02:30.95 ID:fvUnkRmd0

キョン妹「ふゃ〜!?」


急いで寝癖を直し始めた。


キョン「なにやってんだか……。」

キョン妹「むぅ〜……。」


寝癖を直し終えた妹と朝食を食べる。


キョン「さてと、行ってまーす。」


そして家を出る。
いつもより早く起きたので今日は時間がある。のんびりと通学路を進む。


そして学校に着いた。
よし、今日も遅刻せずに通学できた。


ガラガラ


普通のことに満足しながら教室の扉を開ける。

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 18:10:01.90 ID:fvUnkRmd0

キョン「……ハルヒ?」

ハルヒ「……なによ。」


そこにはいつも通りに頬杖をして退屈そうに窓の外を眺めるハルヒが居た。
どうなっているんだ? なぜ戻った? 何かあったのか?

いや、今はそんなことはどうでもいい。
戻ったんだ。ハルヒが、日常が、ひとつを除いていつも通りに……。


キョン「……なぁハルヒ?」

ハルヒ「……だからなによ。」

キョン「……なんで今日はポニーテールなんだ?」


いつも通りのハルヒ、だがその髪型は昨日と同じポニーテールのままだった。


ハルヒ「なんとなくよ、朝気が向いたからこうしただけ! なんか文句でもあるわけ?」

キョン「いや、文句なんてないさ、よく似合ってる。」

ハルヒ「……あんたそんなこと言って恥ずかしくないの?」

キョン「……そういわれると恥ずかしいな。」

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 18:15:32.91 ID:fvUnkRmd0

ハルヒ「馬鹿みたい。」


ため息をつきながら悪態をつくハルヒ。
なんだ、本当にいつも通りに戻っている。

それじゃあ昨日までのは何だったんだろうか?
一体ハルヒはナニに満足したんだろうか……。


キョン「なぁハルヒ、お前はSOS団には何かが足りないと思うか?」

ハルヒ「……どういう意味よ。」

キョン「そのまんまの意味さ。」

ハルヒ「そうね、確かに足りないものだらけね。足りなさ過ぎてイライラするくらいだわ。」

キョン「はぁ、そんなに足りないかね。」

ハルヒ「当然よ! まだまだ世界中にはきっと多くの不思議があるんだから。」

キョン「……だろうな。」


どうやらハルヒは足りないものが見つかったわけでも
何かが足りない今のSOS団に満足したわけでも無いらしい。

じゃあなぜもとに戻ったんだろうか……。

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 18:18:44.43 ID:fvUnkRmd0

ハルヒ「ただね、昨日面白い夢を見たのよ。」

キョン「夢?」

ハルヒ「えぇ、なんか変な夢。あたしが有希で有希がみくるちゃんでみくるちゃんがあたしで。」

キョン「……ほぅ。」

ハルヒ「それでね、みくるちゃんが色々と面白いものを探して見つけてくるんだけど。結局なにを見つけても満足しないのよ。」

キョン「まるでお前みたいだな。」

ハルヒ「うるさいわよ! まぁいいわ、それでね、私気づいたの。結局ナニをどれだけ集めたところで完璧なんて無いのよ。」


ハルヒは何かすっきりしたような顔で続ける。


ハルヒ「だから今のままの、なにもかも足りない穴ぼこだらけのSOS団のこの穴こそが、きっと私が追い求めている不思議なの。」

キョン「なるほど……。」

ハルヒ「だからなにもかも揃っているSOS団なんてつまんない。そしたら不思議なんてなくなっちゃうもの。」

キョン「だから今のままのSOS団でいいってか……?」

ハルヒ「もちろん! いつかは全部の不思議を埋めて見せるわよ! でも、今はこのままで良いかしらね。」

キョン「そうかい、そりゃあよかった。」

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 18:22:48.93 ID:fvUnkRmd0

そういうことか。なるほど、ハルヒは確かに今の現状に満足したわけじゃない。
だからその穴を埋めようと思ったがうまくいかない。
ただそのSOS団の穴とやらを埋めるっていう役目を昨日の朝比奈さんみたいに
他の誰にやらせても結果は同じ。昨日の最後のため息はそれに気づいたからか。

ならその穴を埋める途方も無い作業をとことん自分で楽しんでやろうってわけか。
なるほど、ハルヒらしい考えだな。付き合わされるほうは身がいくつあっても足りないがな……。


ハルヒ「というわけでキョン!」

キョン「なんだ?」

ハルヒ「今日も明日もみっちり不思議を探すわよ!」

キョン「……へぃへぃ、せいぜいがんばってくださいな。」

ハルヒ「何よその態度は! 団長の言うことに文句でもあるっての?」

キョン「ないよ、文句なんてないさ。まぁお前がSOS団の穴を埋めきってしまった後ポイなんてしないと良いんだがなと思っただけさ。」

ハルヒ「そんなことするわけ無いじゃない! SOS団は私の団よ! 一生私のために働いてもらうんだから!」

キョン「やれやれ……先が思いやられるな……。」





〜fin〜

161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 18:29:19.00 ID:fvUnkRmd0

〜後日談〜


部室にて(ちゅるやさんのその後)


キョン「そういえばちゅるやさんって結局なんだったんだ……?」

古泉「さぁ、それはわかりかねます。」

キョン「……わかりかねますってお前……。」

古泉「僕には彼女も涼宮さんの力によって生み出されたものでは無いでしょうか。としか言えませんね。」

キョン「まぁそうだろうな……あんな人が普通に居たんじゃこまる。」

古泉「んふ、案外すぐそばに居るかもしれませんよ?」

キョン「冗談でもそういうことはやめろ。」


バターン!!!


鶴屋「やぁやぁキョンくん!! スモークチーズはあるかい!? 昨日から無償に食べたくなってきてね!!!」

古泉「おやおや。」

キョン「……はぁ、頭が痛い……。」

163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 18:33:05.12 ID:fvUnkRmd0

〜後日談その2〜

不思議探しにて(長門)


キョン「今回は長門とか。」

長門「……。」

キョン「図書館にでもいくか?」

長門「……。」フルフル

キョン「ん? じゃあどこか行きたいところはあるのか?」

長門「……あそこ。」

キョン「あそこは……(この間長門とパフェを食べたところか)」

長門「……ダメ?」

キョン「いや、いいぞ。何か食うか?」

長門「……イチゴパフェ」

キョン「そうか、それじゃあコーヒーでも飲みながら食うか。ここのコーヒーはうまいぞ。」

長門「……楽しみ。」

168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/02/22(日) 18:37:04.88 ID:fvUnkRmd0

>>1です。
みなさんおつかれさまでした。
後日談も踏まえてこれでこのSSは一応終わりです。
にこやかな長門についてはもうなんというか、あなたの想像力を総動員してくださいとしか言えません。


>>155
一昨日に長門「パパママ……?」と
昨日の夜に長門「私のイスが無い……」というスレで12時過ぎ頃に長門とキョンの絡みを書かせていただきました。



それでは保守支援してくださった皆さんありがとうございました!
これからも>>1をよろしくお願いします!




そして最後に一言言わせていただきます。


「長門は愛する皆の嫁」



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