ハルヒ「新年会をやるわよ、キョン」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 13:39:47.35 ID:gto7VhCJ0

三学期が始まって、一週間たったある寒い日のこと、またハルヒが勝手なことを言い出した


ハルヒ「今日の夜から部室でやるから!」

キョン「教員に見つかったらどうするんだ?前回見つかんなかったのだってたまたまなだけで…」

ハルヒ「なるようになるわ!あ、準備とかしなきゃいけないから放課後すぐに部室に来なさい」

キョン「はい、はい…」

そして、授業が終わり、いつもの部室へ向かった

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 13:44:48.99 ID:gto7VhCJ0

中にはいつもと同じように椅子に座って読書をしている寡黙少女長門と、ニヤケ顔の古泉がいた

古泉「今日は何のイベントをやるんですか?涼宮さんに放課後すぐに来るように言われてきたんですが…」

キョン「新年会をやるんだとさ…何を考えてんのかな」

古泉「いかにも、彼女らしいですね」


そう言っている古泉の顔はどことなくいつもよりも楽しそうな顔だ

なんでもいいが、俺や朝比奈さんに危害が及ぶようなことだけはごめんだぜ?

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 13:48:49.14 ID:gto7VhCJ0

ほどなくして、ノックの音がした

ここにいない団員で、ノックをしそうな人なんてあと一人しかいない

キョン「どうぞ」


現われたのは予想通り朝比奈さんで、今日も変わらず愛らしいお姿だった


朝比奈「あのぅ…涼宮さんは?」


そういえばまだ来てない


キョン「またどっかからいろんなものを集めてきているんでしょう…」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 13:53:06.74 ID:gto7VhCJ0

朝比奈「じゃぁ、私は着替えるから…」


俺と古泉は部室の外へと出た

冬の廊下は、学校内にいても外とあまり変わらないような気温で寒かったが、すぐに朝比奈さんが入れてくれる温かいお茶の事を思えば苦にはならなかった


古泉「さて、今回は何をやるんでしょうか…すくなくても、彼女の機嫌を損ねるのだけは気をつけねばなりません」

キョン「その理論で行くと、俺や朝比奈さんが被害をこうむるんだがな」


古泉は微笑み顔を崩さず黙り込んだ

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 13:57:28.43 ID:gto7VhCJ0

その後、朝比奈さんが着替え終わり、部室で彼女が入れてくれたお茶をすすっていると、部室のドアが勢い良く開いた


ハルヒ「みんな〜!!おまったせぇ!!」

古泉「ずいぶんと遅かったんですねぇ?何をしていたんですか?」

ハルヒ「内緒」

ハルヒ「さて、みんなも知ってると思うけど、今日はここで新年会をやるわよ!夕飯は私とみくるちゃんでつくるから期待してて頂戴!」

キョン「俺たちは…何をすればいいんだよ」

ハルヒ「部屋の飾りつけよ。で、そのためにこれから皆で買い物に行くわよ!」



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 13:58:56.83 ID:gto7VhCJ0

朝比奈さんの着替えを待って、おれたちは商店街を目指すべく学校を出た

このときはまだ、知る由もなかった…

このあと待ってる悲劇になんか

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 14:04:34.92 ID:gto7VhCJ0

いつもの長い地獄のような坂道を下りながら俺は前を歩く我がSOS団の女生徒三人の後ろを古泉と並んで歩いていた

古泉はニヤケ顔も見飽きたので空を見ながら俺は、黙って歩いていた

坂道を下り終えると俺はハルヒに聞きたいことが浮かんだので、聞いてみた


キョン「なんで、今日新年会なんだ?新年最初にやればいいものを…」

ハルヒ「うるさいわねぇ…いいじゃないそんなことどうでも!思い立ったが吉日なの!」

キョン「あぁそう…」


そこで会話は途切れてしまった

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 14:09:01.16 ID:gto7VhCJ0

商店街の近くに差し掛かり、信号を待ってるとハルヒは


ハルヒ「ここの信号って…遅いのよね……イライラするわ…」

古泉「仕方ないですよ。この信号は大通りを横切るものですから、交通量の多い道のほうが優先されるのでしょう」

ハルヒ「う…あ!今行けそうじゃない!!行くわよ、キョン、みくるちゃん、有希、古泉くん!」

キョン「あ…バカ。急に飛び出し…」


その時、一台のトラックが迫っていることに俺は気づいた

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 14:11:26.67 ID:gto7VhCJ0

キョン「ハルヒ!!危ねぇ!!!」

ハルヒ「え?」


だめだ…このままじゃ間に合わない

俺は頭で考えているよりもはるかに早く体が動いていた

ハルヒを突き飛ばし、トラックから難をのがれさせるまでは良かった

…が俺の記憶はそこで途切れた

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 14:17:25.95 ID:gto7VhCJ0

朝比奈「きゃぁぁぁぁ!」

古泉「朝比奈さん…落ち着いてください。長門さん朝比奈さんを頼みますよ」

長門「…わかった」

運転手「わ…わわわ……な、何急に飛び出してんだ!ヒィーーー!ひ、人を轢いちまった!!」

ハルヒ「キョン!!キョン!!?起きて、キョン!!!」


血まみれになった体をいくらゆすっても返事がない


古泉「涼宮さん。落ち着いてください、まずは救急車を呼びましょう」


古泉は携帯電話で119を掛けようとしていたが、途中でやめた


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 14:18:12.47 ID:gto7VhCJ0

ここで、補足

キョンの意識がないから、語り手は一般人化してます

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 14:20:33.16 ID:gto7VhCJ0

古泉「流石ですね…長門さん」


長門はすでに電話をしていた

5分後ぐらいに救急車が到着し、キョンは搬送されていった

付添には古泉が乗り、ハルヒ達三人は学校に戻ることにした


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 14:22:20.51 ID:gto7VhCJ0

結局、その日一日は古泉から何の連絡もないまま三人は家路についた


次の日


1年5組にキョンの姿はなかった



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 14:25:01.74 ID:gto7VhCJ0

一番最初にいないことに気づいたのは谷口で


谷口「…あれ?あいつ今日は休みなんか??珍しい」

国木田「ほんと、滅多な事じゃ休まないのに…何かあったのかな?」


すでに学校にいたハルヒは机に突っ伏したままその会話を聞いていた


結局放課後になっても、キョンは来ずいつもの部室にハルヒは向かった

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 14:30:17.10 ID:gto7VhCJ0

扉を開けるとキョンを除く全員がいたが、ハルヒは黙って団長の三角錐のある机の椅子に腰かけた


程なくして古泉が


古泉「では、皆さんそろったようなので、話をさせていただきます。結果だけ言うと…かなり危ないです。意識はなく、内蔵の何箇所かが破裂しているとのことでした」

ハルヒ「そんな…じゃぁ…キョンは?……死んじゃうの??」

古泉「まだ何ともいいかねますが…今は祈るしかないですね」

朝比奈「キョンくん…」


…かわいそうと続けそうになったが喉に来たあたりでそれをこらえた

そうなのだ…今回の原因を作ってしまった本人の目の前ではさすがに…言えない

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 14:33:05.18 ID:gto7VhCJ0

ハルヒ「今日はもうお終い…明日からキョンの見舞いのシフトを決めましょ」

そう言ってハルヒは部室から出て行った


古泉「さて、長門さん?」


古泉が長門に話しかけた

今日は読書をしておらずただ窓をじっと見ていた


長門「…なに」

古泉「聞きたいことがあります…それと、朝比奈さんあなたにもね」

朝比奈「私もですか?」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 14:37:07.18 ID:gto7VhCJ0

古泉「えぇ。ですが、まずは長門さんにお聞きします」

古泉「あのトラックの存在には気づいていらっしゃったんですか?」

長門「あのトラックは突如として現われた」

古泉「やはり、そうでしたか…」

朝比奈「何でそんなことを聞くんですかぁ?」

古泉「涼宮さんはあの日、信号を無視したんですが、その前に左右の確認をしてから渡ろうとしていました」

古泉「それなのに、いきなりトラックが突っ込んでくるのを直前まで気づきもしなかったんでしょうか?」

朝比奈「…確かに」

古泉「あのトラックはもしかしたら涼宮さんを殺すべく誰かが送り込んだものなのかもしれません」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 14:41:01.37 ID:gto7VhCJ0

長門「それは少し違う」

古泉「何がですか?」

長門「少なくとも、あの運転手は一般人。我々のような特殊な人材ではない」

古泉「それもそうですね…」

長門「ただ、涼宮ハルヒが横断歩道を渡る直前に違和感のようなものを感じた」

古泉「違和感…ですか?」


長門はこっくりとうなづいた


長門「ただ、原因は不明」

古泉「そうですか…では朝比奈さんあなたに質問です」

朝比奈「はひ!?な…何ですか??」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 14:43:38.10 ID:gto7VhCJ0

古泉「未来の世界で彼はいつ死んだか…失礼、今日のような事故に巻き込まれるとわかっていたんですか?」

朝比奈「…禁則事項……です」

古泉「やはり、しかしもし今日のことがわかっていたのならあなたなら止めに入るでしょうね」

朝比奈「それは…そうかもしれないです……」


古泉は少しだけ微笑しまた、真剣な面持ちに戻った

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 14:48:18.64 ID:gto7VhCJ0

古泉「さて、あなたたちには話しておきたいんですが…彼の容態ですが…はっきり言ってよろしくはありません」

古泉「僕の知り合いの名医とも呼ぶべきスペシャリスト達でも延命が精いっぱい…という状況です」

朝比奈「…そんなぁ…じゃぁキョンくんは……」

古泉「まだ決まったわけではありませんが…その確率はかなり高いですね」


朝比奈は泣き出してしまった


古泉「このことは涼宮さんには言わないようにお願いします…長門さんもお願いします」

長門「…わかった」

古泉「では、僕は彼の様子を見なければなりませんので…これで」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 14:51:23.53 ID:gto7VhCJ0

二人を残し、部室を出た古泉は坂道の途中つぶやいた


古泉「まさか…言えませんよね………すでに死んでしまったなんて…」


古泉の両眼からは涙がこぼれていた

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 14:58:58.57 ID:gto7VhCJ0

次の日、無気力に教室のドアを開けたハルヒの元に一人の人間が詰め寄ってきた


谷口「お前に聞きたいことがある」

ハルヒ「なによ……」

谷口「昨日のことだ…」


谷口は語りだした

谷口「俺のじいちゃんが入院してる病院があって、昨日見舞いに行ったんだよ。何時ぐらいか忘れたが」

谷口「たまたま部屋に入ってきた患者通しの会話で「一人の北校生徒が運ばれたけど処置が間に合わなかったって」てのを聞いたんだ」

谷口「試しに見に行ったんだよ…そしたら…さ」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 15:06:06.02 ID:gto7VhCJ0

谷口「で…寝ている人間がな…誰だと思う?」

谷口「あいつが…キョンが……寝てやがったんだぜ?そばには古泉もいて家族もいたが…全員泣いてるんだ」


谷口はそこまで言って

叫ぶ


谷口「なぁ!!おまえ何か知ってるんじゃねかよ!!」

国木田「落ち着きなよ…谷口……」

谷口「落ち着けるわけねぇだろうが!死んだんだぞ…俺の…俺の親友が!もう二度と帰ってこねぇ!」

谷口「今まで通り一緒に飯食って、お前らの活動にけち付けたり、俺のくだらねぇ自慢話をする相手ももう…いねぇ…」


谷口は泣き出した

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 15:09:17.04 ID:gto7VhCJ0

ハルヒは何も言わなかった

しかし、三分ぐらいたって


ハルヒ「キョンが…死んだ……??」

教室から飛び出ていった

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 15:13:42.51 ID:gto7VhCJ0

ハルヒが向かった先は9組の教室で、扉を開けるや否や


ハルヒ「古泉君!!ちょっと来て…!」


古泉はすぐに応じ誰にも聞こえなさそうな階段の踊り場でハルヒに聞いた


古泉「どうかしましたか?」

ハルヒ「キョンは…キョンは……死んだの?」


古泉は驚いた

なぜ知っているのか?

どうやって確認したのか?


すべての疑念をねじふせ


古泉「それは…その…」

ハルヒ「はぐらかさなくてもいいわ!真実を言って…キョンは死んだの?」

古泉「………」


58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 15:18:01.42 ID:gto7VhCJ0

古泉はただ黙ってうなずいた


ハルヒの目からはすでに大粒の涙が落ち、止まらなかった


ハルヒ「あたしのせいで…キョンが……キョンが…」

古泉「そう自分を責めないほうが…彼だって、あなたを止められなかったんだし、僕や長門さんにも同じことが言えます」


古泉が慰めの言葉を必死で取り繕う


ハルヒ「でも、もともとの原因はあたし…団長失格ね」


古泉は黙ってしまった

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 15:20:55.22 ID:gto7VhCJ0

ハルヒ「放課後…部室にみんなで来て」

古泉はうなずき、二人はそれぞれの授業に帰った


教室に行くと、担任がキョンの死を知らないらしく、

「ま。そのうち元気に帰ってくるだろ」


とだけ言った


その言葉に真っ先に反応しそうな谷口はすでに教室にいなかった

ハルヒは、今日ほど授業がむなしいと感じる日はなかった

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 15:22:50.65 ID:gto7VhCJ0

放課後、部室に行くとすでに朝比奈は泣いていて、長門は黙っていたどこか悲しそうな顔に見えなくもなかった


それぞれ、古泉から聞いているようだ

キョンの死を

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 15:26:46.55 ID:gto7VhCJ0

ハルヒ「最初にみんなに言っておきたいことがあるわ…SOS団は本日をもって解散することに決めた」

ハルヒ「すべての責任は私にあるといってもいいわね。団員一人の命を……消してしまったんだから」

ハルヒ「最後の活動は、あいつの…告別式…かな」


そこまで言うとハルヒは泣き崩れ、朝比奈はもともと号泣しているのでただ泣き声だけが部屋にこだましていた

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 15:34:40.84 ID:gto7VhCJ0

その後、泣き崩れる二人をよそに古泉は長門にこっそり聞いた


古泉「彼の死は、なんとかならないでしょうか?あなたなら出来なくはないのでは?」


藁にすがるような思いで古泉は聞いた


長門「かれが事故に巻き込まれた日に、処置を施せなかった」

古泉「あなたは、救急車をよんでいましたからね」

長門「彼の肉体に対する情報操作が全面的にブロックされている」

古泉「どういうことです?」

長門「何者かが彼の死を絶対的にしようとしており、私の力ではどうにもならなかった」

古泉「それで、救急車をよんだんですか…」

長門「…そう」

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 15:37:30.36 ID:gto7VhCJ0

告別式の日だけ聞いたハルヒは重い足取りで帰路につき、団員たちもそれぞれ帰って行った

次の日

ハルヒは学校に来なかった

古泉には得体のしれない悪寒がしており、5組の教室をのぞくとおもわず


古泉「…そんなバカな」

声を上げた

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 15:42:12.35 ID:gto7VhCJ0

古泉「ふむ…まずいことになりましたね。この事故はなにか一枚かんでそうな予感がします」


そうつぶやき、古泉は放課後長門のもとへ向かった

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 15:46:55.00 ID:gto7VhCJ0

部室に長門は居て、その姿を見るや否や古泉は尋ねた

古泉「どういうことなんでしょうか…?彼が死んでいなくなったそこの席にどうして彼女がいるんでしょうか?」

長門「原因不明」

古泉「ことはそう単純でもないそうです、さっき機関から連絡が入りまして特大の…それも今までの比にならない大きさの閉鎖空間が出現したそうです」

長門「発信源は涼宮ハルヒではない」

古泉「その通り。これはもう、今日学校に来ていた彼女が何らかのことを知っているとしか…」


そこまで言うと扉が開いた

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 15:48:50.24 ID:gto7VhCJ0

???「あらぁ…放課後の文芸部の部室で何をしているの?あなたたち」


そこには今まさに話題になっていた人物が立っていた


元・長門有希のバックアップ…朝倉涼子である

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 15:52:14.30 ID:gto7VhCJ0

古泉は丁寧に応対をしようと試みたが、朝倉は古泉の発言より早く


朝倉「長門さん…久しぶりね?」


確か、この朝倉は春先に長門によって消されたはずの朝倉なのだ…古泉はキョンからその話を聞いていた


朝倉「なぜここに私がいるかわかる?」

長門「……」

朝倉「分かるはずないわよねぇ?」

長門「あなたはわたしのバックアップ…だったはず」

朝倉「その通り、でもね今は少し違うわ」



86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 15:59:09.51 ID:gto7VhCJ0

朝倉「長い長い観察のすえ、情報統合思念体はついに痺れを切らしたの」

朝倉「穏健派はみんな反対してたけど、そのかいむなしく、つい先日決定事項が下ったわ」

古泉「涼宮ハルヒを…殺せと」

朝倉「その通りよ…でも、まさかそのチャンスがすぐに起きるわけでもないと思ってたから、こんなに早く事故を起こせると思ってなかったわ」

朝倉「でも、やっぱり準備不足がたたって、トラックは不自然に現れたし一般人にも目撃されてしまった」

朝倉「さらにここに大きな誤算が加わった」

古泉「キョンくんが身代わりになった…と」

朝倉「そう。思念体は焦ってた…まさか彼が命を張ってまで助けるとは思わなかったし」

朝倉「仕方がないから別の方法を思いついた」

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 16:03:41.21 ID:gto7VhCJ0

朝倉「彼女の能力を奪い取ることに方針は変わったわ」

朝倉「長門さん…あなたが知らないのも無理ないわ」

朝倉「私が再び学校に来たわけは二つ」

朝倉「あなたと、情報統合思念体の隔離が一つ」

古泉「だから彼の体を治せなかった…そういうことですか?」

朝倉「その通り、誰かが彼の身体の情報操作をロックなんかしてないし」

朝倉「二つ目は…」


そう言う前に古泉は


古泉「逃げましょう!!長門さん!!このままでは僕たちまで犬死です」

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 16:10:07.07 ID:gto7VhCJ0

朝倉「察しがいいわね」

古泉「ここに来たということは、それを僕たちに伝えるためだけじゃなく、消すためですね」

朝倉「あなたたちさえ消えてくれれば後は簡単だもの。涼宮ハルヒに近しい人間は後は朝比奈みくるだけってことになるけど、今の彼女ならどうにもならないわ」

古泉「長門さん…窓から逃げましょう…骨折は覚悟で。で、なければ僕たちは」

長門「この空間はすでに彼女が支配している…できない」

朝倉「そういうことだから、おとなしく死んでね…今回は前回と違ってちゃんと学んであるから」


二人の体はすでに動かなかった


古泉「どうしようもありません…ね」

長門「………」

朝倉「まずは長門さんから…」


朝倉がナイフを振りかざした

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 16:14:26.58 ID:gto7VhCJ0

朝倉のナイフが長門に到達するより早く長門は動いていた


朝倉「どういうこと?」


朝倉は現状が把握できていない

実を言うと長門にも…もちろん古泉も動けるようにはなったが意味がわからない


朝倉が動揺しているすきをついて、古泉は手元にあった碁石をつかんだ


古泉「彼との思い出をこんな事に使いたくはないんですがね…」


古泉は朝倉に碁石を投げつけた

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 16:20:06.09 ID:gto7VhCJ0

無数の碁石が朝倉にダメージを与えることはなかったが、視界は少しだけ遮ることができたようで、このすきをついて二人は部室から逃げ出すことに成功していた


朝倉「チッ」

朝倉は後を追う前に教員に見つかって、部屋の清掃を言われた

その幸あって、二人はかなり遠くまで来ていた


古泉「これからどうしますか?」

長門「もう一度、情報統合思念体との再接続を試す」

古泉「しかし、さっきのあれはなんだったんでしょうか…?」

長門「不明」

古泉「考えても仕方ありません…僕は朝比奈さんを見てきます。ひょっとして、何かとんでもない目に逢ってるかもしれないので」


二人は校門で別れた

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 16:24:16.28 ID:gto7VhCJ0

プルルルル

プツッ

朝比奈「はい…どうしたんですかぁ?」

古泉「詳しくは後です…今はどちらに?」

朝比奈「家です」


古泉は今までの経緯を説明した

古泉「とにかく一人でいては危険なので、今すぐ長門さんの家に行ってください」


電話を切り、今度は別のところへ電話をかけた

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 16:27:16.75 ID:gto7VhCJ0

プルルルルル

古泉「もしもし…僕です。今回の件についてどう処置なさるんでしょうか?」

古泉「やはり…はい。僕もそのつもりでした…それで、お願いがあるのですが…」

古泉「ありがとうございます…はい。」

…プツッ


さて、最後ですね

古泉は再び電話をかけた

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 16:31:39.01 ID:gto7VhCJ0

プル…

ハルヒ「なに?」


コール一回で電話にハルヒは出た


古泉「実は、彼の告別式の日程が決まったんです」

…古泉が苦し紛れに考えた嘘である


古泉「それで、その打ち合せを今からしたいと思いまして…」

ハルヒ「今から…?」

古泉「はい。詳しいことは後で話します。今から長門さんの家に…大丈夫ですか?」

ハルヒ「SOS団最後の活動だもんね。今からすぐに行くから」

古泉「待ってますよ」

古泉は電話を切った

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 16:37:40.87 ID:gto7VhCJ0

部屋に着くと全員揃っていた

古泉が長門に小声で

古泉「どうでした?」


尋ねる


長門「一部の再接続のみ完了した。不完全で、以前の3割程度しか力がない」

古泉「わかりました」


ハルヒ「それで…キョンの告別式は…いつ?」

古泉「それはですね…」


その時奇怪な電子音が聞こえた





118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 16:40:56.29 ID:gto7VhCJ0

ピピピピピピピピ

何の音なのか全員わかった

以前、ハルヒがコンピュータ研から半ば強引に奪ったパソコンのメール着信音である

ハルヒが、

「メール来てるのに、万が一気づかなかったら失礼」

という理由で取り付けた設定である。

そのパソコンはいつの間にか、長門が持っていた


長門「昨日からあった」


そう説明し、画面を見た

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 16:43:46.27 ID:gto7VhCJ0

画面が真っ暗で何も見えないが、左上隅に白い一センチ程度の縦線が点滅している

全員が凝視しているといきなり文字が現れ始めた


「みんないるか?」

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 16:47:40.34 ID:gto7VhCJ0

ハルヒ「なによ…これ?どうして勝手に文字が?」

古泉「確かに不思議ですが…これはいったい?」

朝比奈「みんなって、私たちのことでしょうか?」

長門「………」

さらに文字が出てくる


「俺だ…キョン。最後まで本名言えなかったなぁ…はは」

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 16:51:19.33 ID:gto7VhCJ0

朝比奈「うそ…」

古泉「本物…でしょうか?しかしこれは…いったい?」

ハルヒ「ねぇ!キョンなの!?ねぇ?キョン!!」


ハルヒは画面に向かって叫ぶ

長門には以前このようなことをやった過去があり、他のみんなよりは驚きは少ない

文字は続く


「あまり、余計な時間はないし言いたいこともあるから黙って見てくれ」

129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 16:53:35.45 ID:gto7VhCJ0

「結論から言おう…おれは死んだ」


全員言葉を失う


「あの日の事故は…避けられなかったのか?そんなことはどうでもいい…ただ、俺が間抜けだったそれだけさ」


文字は続く


「ハルヒ…すまないが朝比奈さんと席を外してくれないか?古泉と長門に用がある」

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 16:57:07.33 ID:gto7VhCJ0

「これを書き込んでるのはおれではない…未来の朝比奈さんだ」

二人は何も言わず画面を見る

「ハルヒには言わないほうがいいと思って席を外させた…まぁ、俺に走る由もないが」


言われたとおり二人は席を外していた


「お前たち二人が朝倉に殺される直前に、時空に亀裂を入れて助けてくれたのも彼女だ」


「本来禁則事項なんだそうだけど、今回は特例らしく」


「俺がなんで、こんなことを知ってるかというと簡単にいえば死んでるからだそうだ」

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 17:02:53.40 ID:gto7VhCJ0

「死んだ人間には選択肢が与えられるらしく、おれはお前たちに言いたいことがあった」


「だから、こうして言葉を残せている…全部朝比奈さんのおかげだけど」


「ここからが本番だ。お前たちは閉鎖空間の出現を感じたはずだ」


「だが、それは閉鎖空間ではない」


古泉「そんな…そんなはず」


「朝倉が言ってたか?言っていないはずだ」

「あれは、情報統合思念体による一種のバグらしく、今回の騒動の負担から来たらしい」

「お前たちには、朝倉を倒してほしい」

「長門には勝つ術はないはずだ…今は」

「ヒントは…文化祭」

「答えは教えないぜ?お前たち相手に出しぬけるとも思わんが」

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 17:10:34.28 ID:gto7VhCJ0

「じゃ、こっからは遺言みたいなもんになるし…二人を呼んでくれ」

「まずは…古泉に」


古泉は画面の前に座りなおって見ている


「俺のお前に対するイメージは、はっきり言って良くなかったな」


古泉はくすりと笑った


「考えてもみろ?顔良し、勉強良し、何をやっても様になるってんじゃぁ普通同性からの支持は得られないからな」

古泉「そうでしょうか?」


「おまけに、ハルヒからは副団長扱いされるまでの待遇…なんだこいつは?と思ってた」

「お前に優越感を感じられていたのはゲーム中ぐらいなもんさ」

「でも、そんな時間も今になったらただの思い出…最後の勝金もらってない…とかな」

「でも、お前はどうかも知れないが俺にとってお前は…やはり大切だったんだろう」

「こっちに来るようなことがあったら俺に言え…オセロ用意しててやる」

「また会おう…親友よ」

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 17:14:18.74 ID:gto7VhCJ0

「次は朝比奈さん…」


そう書き始めると古泉は立ち上がり


古泉「長門さん…洗面所借りますよ?朝比奈さん…あなた宛てにです」

長門は黙ってうなずき、朝比奈は

古泉の声が少しだけ震えていることに気づき

朝比奈「どこに行くんですか?」

尋ねると、古泉は少しだけ笑って

古泉「フフ…男は涙を見せないものです」


そう言って、洗面所の扉を閉めた

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 17:21:50.22 ID:gto7VhCJ0

朝比奈はマジマジとパソコンを見ていた

「朝比奈さん…いつもおいしいお茶ありがとうございました」

「もう飲めなくなると思うと少し残念ですが、俺の舌を通る水分は朝比奈さんが入れてくださったお茶以外受け付けません」

「朝比奈さんには、今も未来もお世話になりっぱなしで…面目ない」

「ハルヒの愚行に唯一同じ地点にいる方だと思ってたんですが、自分の正体を明かしてくれたあの日…なんだか少し残念な気もしました」

「胸のホクロは冥土の土産には過ぎるくらいです」


朝比奈「…もう、キョンくんのエッチ」

朝比奈は涙をぬぐう


「これからも、SOS団だけのAngelで居続けてくださいね」

「楽しい思い出をありがとう」

147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 17:28:25.50 ID:gto7VhCJ0

朝比奈は涙を流しながら長門と場所を変わる

「長門…お前が一番おれを助けてくれたのを俺は忘れていない」

「クラスの人気者に殺されかけた時お前がいなかったら、俺はこんな文を残せず死んでただろうよ」

「3年前の七夕に行っちまった時も…お前がいてくれて心底安心したのは言うまでもないが、お前の表情にはいつも変化がなかったな」

「俺はお前がたま〜にする表情の変化に気づけるまでお前を見ていたんだから、少し変なのかもしれない」

「おまえは、本が好きで図書館に行ったなぁ…」

「まだ使ってくれてるか?あの図書館」

「もし、そうなら俺はうれしい」

「最後になるが、元気でな」

「今まで本当にありがとう…じゃぁな」

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 17:31:30.10 ID:gto7VhCJ0

長門「私こそ…ありがとう」

そう言って、長門は席を外した


「最後に…ハルヒ……お?しまった…もう書くスペースねぇしじゃーな!」

ハルヒ「は…はぁ??何で団長の私に対して一行しかないのよ!!」


ハルヒは画面に向かい叫ぶ

156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 17:38:39.62 ID:gto7VhCJ0

「冗談だ…mしかして本気にしたか?」


ハルヒ「たちの悪い冗談はやめてよ!」


「もし、これでお前の表情が少しでも晴れる方向に言ってくれればおれの勝ち…だな」


ハルヒ「引っかけてたのね…バカキョンの癖に」


「まぁ、お前の泣き顔が見れないなんて惜しいことをした気もするが俺はもう満足だ」

「なんせ、我らが団長様を文字通り体を張って守れたんだからな」

「俺の死に負い目を感じる必要はない」

「俺たちは口先だけで、お前を止めたことにはならないしな」


古泉にも言われた


「それに、もしお前が死んでいたとしても、同じこと」

「どうせ死ぬなら階級の低いものだろ?」

「それでも俺の死に何か感じるんだったら俺の分も生きてくれ」


160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 17:45:32.95 ID:gto7VhCJ0

「精一杯生きて、生きて俺なんかより数倍いい男でも見つけて幸せになってくれればおれはそれでいい」

「お前の最初の言葉は忘れられそうにないな」

「今思えば俺は一般人…っだんだよな??」

「そのせいで気苦労は増えたが、楽しさも増えたんだ…文句はあるまい」

「思い出は、心の中にしまっておけ」

「俺のことを忘れろ…だとなんかさびしいが、あまり気にする必要もない」

「おまえは黙ってたら結構かわいいんだぜ?恥ずかしくて面と向かって言えないが俺が太鼓判押してやってもいいな」


ハルヒ「…バカキョン///」


「SOS団…楽しかったぜ」

「最後までお前に振り回されっぱなしたけど、これだけは言える…楽しかった」

「じゃぁなハルヒ!俺は寝につく」

「来世でまた会おう!…なんてな」

164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 17:49:53.24 ID:gto7VhCJ0

パソコンの画面は完全に真っ暗になった


四人は各々思いを胸にしまい

ハルヒ「行くわよ!みんな…朝倉ってのをやっつければいいんだっけ?」

古泉「そういうことです」

朝比奈「うん!」

長門「…気を付けて……もう…来てる」


その瞬間部屋の窓は全て壁となった

おそらく、朝倉が来たのであろう

その時ハルヒは

…バタッ


その場に倒れこんだ

168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 17:54:10.82 ID:gto7VhCJ0

朝比奈「どどど…どうしたんですかぁ〜?」


ハルヒは起きない


すると目の前に突然あの、カマドウマを退治した時のような光景が広がり、カマドウマの代わりに朝倉が立っていた


朝倉「彼女には眠ってもらったわ…だって、こんなとこで神人呼んでもらっても困るし」

古泉「いつからここに?」

朝倉「だいぶ前から…見てたわよ?あなたたちのくさぁいお芝居」



170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 17:57:14.51 ID:gto7VhCJ0

朝倉「キョンくんもわざわざ未来人使ってまでこんなことするなんて…可笑しいとしか思えないわねぇ」

朝比奈「ば…ばかにしないで!キョンくんは…キョンくんは…」


朝比奈は半泣き状態である


朝倉「たかが人間一人死んだくらいどうってことは…」


その瞬間朝倉の体が後方に倒れた

172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 17:58:48.98 ID:gto7VhCJ0

何が起きた…?

なぜ朝倉が倒れているのか…??

簡単にいえば…倒されていた

ほほに痛みを伴う


朝倉「あなた…そんなことするなんてね」

175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 18:01:19.38 ID:gto7VhCJ0

古泉だった…朝倉を殴ったのは


朝倉「女性に手荒なまねしなそうだったけど、人は見かけによらないわね」

古泉「…」


朝倉はダメージよりみ、驚きのほうが大きそうで朝比奈も驚いている


朝比奈「古泉君…?」

178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 18:09:16.80 ID:gto7VhCJ0

古泉「そうですねぇ…あなたの言う通りいつもの私ならこんなことは決してしないでしょう。肉弾戦は得意ではありませんし」

古泉「ただ…あなたは我々の領域を侵し、挙句嘲笑した…許せるわけが…ない」


古泉今までしたことがないんじゃないかというほどの形相で朝倉を睨みつけている


古泉「彼が、最後に我々に残した…くさいですが”魂”のメッセージをあなたに見られてしまった…」

古泉「退けないんです…ここで引いたら彼の親友になれなくなる…彼ならそう言うでしょう」

古泉「転校が多く、友達の少なかった僕の唯一の親友ですからね」


ここまで熱い古泉に朝倉は少し面喰っている

長門にはなぜか古泉の気持ちが理解できたし、彼がしなければ自分がしていたかもしれない


古泉は長門のほうを向き朝倉が何やら考えているうちに耳打ちした

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 18:16:02.49 ID:gto7VhCJ0

古泉「ここの空間を脱出していただけますか?」

長門「時間がかかる」

古泉「では、ここから、あなたと、朝比奈さん、涼宮さんでここから出て彼のヒント通り動いてください」

長門「わかった」

朝比奈「古泉君は…?」

古泉「朝倉さんを…食い止めます」

朝比奈「え…でも、それじゃぁ…」

古泉「簡単にはやられませんよ…ここでは僕の力も有効化されます。今回は相手が相手なのでいつも通りの力が出せそうです」

古泉「向こうに行ったら、涼宮さんを起こしてこう言ってください」

古泉「”映画の戦闘シーンを撮ってくれ”」

183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 18:20:23.42 ID:gto7VhCJ0

古泉「詳しいことは長門さんに聞いてください」

長門「中和終了」

朝倉「逃げるつつもり?」


朝倉が猛スピードで、長門たちに襲いかかろうとしている


古泉「ふん!」

古泉がいつぞやのカマドウマ退治に使った火の玉を朝倉に投げ足止めに成功する

その隙を見計らって

長門たちは消えた


朝倉「くそっ!またしても…まぁいいわ。あなたを殺して追いかければいいんだし」



185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 18:28:11.06 ID:gto7VhCJ0

古泉「どうやって…戻るというのでしょうか?」

朝倉「あなたをころして、追いかければいいだけの話よ」

古泉「その戻る術を知っている…と?」

朝倉「この空間を作ったのは私よ…できないわけ…??」


古泉は何やら笑っている


古泉「申し訳ございませんが、先ほどの空間ではありませんよ」

朝倉「そんなバカな…??」

古泉「長門さんに頼んで、空間を変化させていただきました」

朝倉「なぜ情報統合思念体にアクセスできない!」

古泉「遮断させていただきました」

朝倉「あなたにそんなことが…」

古泉「我々ではありませんよ」

朝倉「……朝比奈みくる…ね」

古泉「その通りです…未来のですが、今回は彼女にたよりきりでしたね」


187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 18:31:33.14 ID:gto7VhCJ0

朝倉「あなたはどうするの…?こんな何もない世界で死ぬまで私と戦う?」

古泉「…」

古泉(機関の命令に背いた私は向こうに戻ってもロクな未来がないですしね…)

古泉(キョンくん…いえ、親友なんだしキョン。オセロを用意して待っててください)

古泉(もうすぐ…そちらに伺います)

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 18:44:19.26 ID:gto7VhCJ0

あれから何日たっただろうか…?

朝倉涼子は

「私に何の価値もなくなった」

そう言い残し自ら刃をつきたて死んだ

死体は塵のように空気上に消えていった


古泉は…生きていた

自ら命を絶とうと思ったが彼の遺志に反すると思い、餓死を選んだ

この空間には何もない…

ただ…死を

ひたすら待っていた

204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 18:51:08.57 ID:gto7VhCJ0

一方長門たちは無事に現実世界に戻ってきた

朝比奈はハルヒを起こし言われたままに

朝比奈「あ…あのっぅ…映画の戦闘シーンを撮ってください!!」

ハルヒ「ほぇ?みくる…ちゃん??」


寝ぼけ眼でハルヒは起きた


ハルヒ「映画?…文化祭みたいなのかしら?」

朝比奈「わからないですけど…」

長門「その必要はない」


長門の声がその場を支配した

208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 18:54:31.22 ID:gto7VhCJ0

朝比奈「なぜですか…?だって、そうしないと古泉君が…」

ハルヒ「ちょ…ちょっと、どういうことか説明しなさいよ!」

長門「あれは、私たちだけをここへ戻すためにあなたについた古泉一樹の嘘」

朝比奈「それじゃぁ…古泉くんは……」

長門「ここには…もう」


長門がそこまで言いかけて止まった

ハルヒはようやくすべてを理解した

209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 18:56:36.11 ID:gto7VhCJ0

ハルヒ「…嘘よ……キョンが死んでんのも、古泉君がいないのも全部…嘘…」


二人は何も言わない


ハルヒ「嘘って言って…有希!みくるちゃん!!」

ハルヒ「いや…いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


ハルヒが絶叫した

211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 18:58:30.86 ID:gto7VhCJ0

一瞬の閃光

その光に目を奪われた三人は知らず知らず気絶していた



212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 19:00:49.52 ID:gto7VhCJ0



……・

………

…………?

目が覚める

確か、自分は…

そうだ、死の淵にいた

親友に会うべく仇敵と同じ空間に閉じ込まれ果てた

そのはずだが、確かに聞こえた

二つの声

214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 19:04:22.22 ID:gto7VhCJ0

ひとつはどこか懐かしい声

「こら、古泉ここに来るのはまだ70年早いぞ」

…あれはおそらく


考える間もなく、もう一つの声が思考を遮断する

218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 19:06:42.66 ID:gto7VhCJ0

「…ん」

「ずみくん」

「古泉くん!!」

徐々に大きくなる声

目を開けた


ハルヒ「やった!目覚めた!!有希!みくるちゃん!!古泉くんが起きたわよ!」

朝比奈「ほ…ほほほんとぅですかぁ?よ…よかったぁ…」


朝比奈の両眼からは真珠のような涙の粒がこぼれている

219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 19:12:02.79 ID:gto7VhCJ0

古泉「おや…?ここは」

長門「現実世界。あなたは涼宮ハルヒに助けられたと思われる」

古泉「…何ででしょうか?」

長門「朝倉涼子の消滅により、わたしの情報統合思念体としての能力も戻った」

古泉「相変わらずとんでもない方ですね…涼宮さんは」

長門「朝倉涼子の消滅に伴い、情報統合思念体で穏健派が再び大勢を占めている」

古泉「触らぬ神に…なんとやらですか」

長門「そう」

古泉「今回はその神に感謝しなければいけない…(彼にも…ね)」

222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 19:16:14.00 ID:gto7VhCJ0

次の日

放課後いつものように集まった四人はいそいそと準備をしていた


ハルヒ「キョンの分まで、トコトン新年を祝ってやるわ!!」

朝比奈「みなさ〜ん…お茶が入りましたよ」

長門「…」

古泉「僕もここに戻ってきたので、ひょっとしたら彼も…とは思ってたんですけどねぇ」

長門「涼宮ハルヒは常識を重んじている」

古泉「分かっていますよ」

古泉の考える理論はこうである

223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 19:19:10.70 ID:gto7VhCJ0

ハルヒは、キョンの死にかかわり、死の原因は自分であると自覚している

が、自分の死(厳密にいえば死ではないが)には、元から得られうる情報がなくただ死んだと言われただけである

それを信じなかった…ただそれだけである

しかし、その論理には一つの悲しい常識がまとわりついている

224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 19:21:23.60 ID:gto7VhCJ0

人間は…いや、人間に限らず全ての生命はやがて死ぬ

ハルヒはそれをしっかり理解しているし、受け止めている

だからこそ彼はいない

死んだ人間は二度と帰ってこない

それも…悲しいが道理だ


227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 19:26:11.15 ID:gto7VhCJ0

もしかして、彼女はそれを知っているからこそ退屈が嫌いなのではないのだろうか?

いつ死ぬか分からないのなら、生きている今、精一杯なにかを取り組みたいのでは?

延々と次に伸ばす人間に警鐘を鳴らすために存在しているのなら…

…考えすぎか


古泉は考えるのをやめた


古泉「涼宮さん。僕は何を手伝えばよろしいでしょうか?」

ハルヒ「じゃぁ、これを部屋に飾って」

古泉「かしこまりました」

230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 19:32:30.00 ID:gto7VhCJ0

部室に門松や鏡餅が飾られている

いつもの彼が座っている席には三角錐で「永久雑用」が乗っていた

ハルヒと朝比奈特製の鍋が煮立ってきたところで

ハルヒは


ハルヒ「じゃ、そろそろ始めるわよいい?みんな」

三人ともうなずく

ハルヒは窓を開け、空に向かってつぶやいた

ハルヒ「新年会を始めるわよ、キョン」


遠いどこかで返事が聞こえたような気がした


          ―完―



240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 19:37:12.60 ID:gto7VhCJ0

はい、みなさんこんな駄文に最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました
みなさんより人生経験がないであろう俺の文に吐き気を催した方はきっと正常ですwww

一応言うとこれが、処女作だったりします


書きためをしていなかったんで、全部書ききるまでめちゃくちゃ時間がかかりましたが最後まで書けてよかったです!
支援していただいた皆さん!アドバイスをくださった皆さん!…ていうか、見てくださった皆さん!

本当にありがとうございました!!!

では、もう書かないかもしれませんがさようなら

248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 19:54:36.62 ID:gto7VhCJ0

おまけ

桜舞う季節、北高に春が訪れた

ハルヒ「我がSOS団にふさわしい変人を探しに行きましょ」


ハルヒは団員を連れて校内散策を始めた

この三か月ハルヒは実に5人の生徒に告白されていた


以前のハルヒなら適当に付き合って振っていたが、今回は付き合いもしなかった


ハルヒ「あんた、命張ってあたし守れるの?出来ないんならたとえ異世界人でもお断り!」


こう言ってくる男全員振っていた

この日北高の新入生は奇妙な体験をしただろう


校門に二人のバニーガールが立っているのだから

『SOS団員募集!』

この二人が職員室に連れて行かれるのは言うまでもないことだろう

ハルヒの眼には、今を精一杯楽しんでいるようにみえるが、ほんの少しどこか、さみしい

250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 19:56:57.92 ID:gto7VhCJ0

…まるで、戻らぬ恋人待つように


    ―おまけ完―


突発的に書いてみました
すいません(汗)

次回作なんて考えてもいませんが、できればハルヒ×ローゼン書きたいなぁとか考えてます

もし見かけたら声掛けてくださいねwww

今度こそ  さようなら


259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/11(日) 20:56:29.07 ID:gto7VhCJ0

別作もよろしくお願いします



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