長門「……季節の変わり目は風邪に注意」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/30(火) 23:25:57.97 ID:+ulEi7QaO

ハルヒ「最近急に寒くなってきたわね。 でも寒さごときにひるむSOS団じゃないわよ!」

みくる「あったかいお茶が入りました〜」

古泉「キョンくん、チェスでもどうですか?」

キョン「いいだろう、寒空を仰ぐよりよっぽどマシだ」

長門「……スッ(雑誌を手に取る)」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/30(火) 23:27:51.19 ID:+ulEi7QaO

長門「……『もうすぐ秋!ちょっと早めに風邪引いて彼をドキ×2させチャオ☆』」

長門「(ペラッ)『病床でハァハァ↓↓するアナタ それを見てハァハァする↑↑カレ!! セクシー(艶)』 (チラッ)」

ハルヒ「ほらっ、キョン!! さっさとしなさい!」

キョン「いまチェスの最中だ。終わるまで待て」

長門「……(ペラッ)『とってもお手軽、お腹出して寝るだけでOK 見せブラ見せパンより見せハラ(笑)』」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/30(火) 23:31:36.05 ID:+ulEi7QaO

長門「……『お見舞いは高級スイーツ? それともブランド品? こんな時くらい贅沢贅沢!!』 (チラッ)」

ハルヒ「団長命令に逆らう気? とりゃー!」
ガターン!

キョン「な――ボードを引っ繰り返すやつがあるか!? おい引っ張るな!」

ハルヒ「さっさとしなさい!」

長門「…………ものは試し (ポイッ)」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/30(火) 23:36:46.39 ID:+ulEi7QaO

〜翌日〜
長門「……クシュッ」

キョン「ん? 風邪か長門、珍しいな。 というか引くんだな」

長門「現時点で体温上昇、悪寒、不快感が確認されている」

ハルヒ「あら、風邪引くなんて有希もバカだったのね」

古泉「それは夏風邪の迷信ですよ。まぁこの時期なら無理もないでしょう」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/30(火) 23:39:27.20 ID:+ulEi7QaO

キョン「(長門が風邪? いや、何かの小説でも宇宙人が風邪引いてたな。じゃあ団員にうつされ――)」

みくる「みなさ〜ん」

キョン「(だが全員元気そうだな。すると長門の不摂生か?)」

みくる「お茶が入りブェェェェックショォォゥイました〜」
キョン・ハルヒ・古泉「・・・・・・・・」


長門「感染源は恐らくあれ」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/30(火) 23:41:09.29 ID:+ulEi7QaO

ハルヒ「…………みくるちゃん、ちょっと来なさい」

みくる「ふぇ!? あ、あたしなにかしましたか??」
――バタン

古泉「……風邪のせい、としておきましょう」

キョン「長門、お前は大丈夫か?」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/30(火) 23:42:57.94 ID:+ulEi7QaO

長門「クシュン クシュン 問題ない コホッ」

キョン「おい、咳まで出てきてるぞ。帰った方が良いんじゃないか」

長門「……問題ケホッない(ドキドキ)」

キョン「そうか、なら良いが」

長門「!?」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/30(火) 23:44:39.04 ID:+ulEi7QaO

みくる「……え!? でも谷口くんが『そうやって出した方が良い』って言ってたので」

ハルヒ「……そう、あいつが諸悪の根源ね」
――バタン!

キョン・古泉「!!」

ハルヒ「キョン!! 今すぐ有希を家まで送って行きなさい」

キョン「何故そうなる」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/30(火) 23:45:49.12 ID:+ulEi7QaO

ハルヒ「あたしは谷口を始末――団員の敵討ちがあるの。ほら、有希もそんなに辛そうに」

長門「クシュンクシュンクシュン ケホケホ(チラッ) コホッコホッ」

キョン「(この短時間で悪化!?) いてっ!いてっ! おい、物を投げるな!! 雑誌だって当たったら痛……」

ハルヒ「このっこのっ! あんたって鬼ね! 罰として付き添いで看病もするの、団長命令よ!!」

長門「グッ(拳を握る)」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/30(火) 23:47:09.70 ID:+ulEi7QaO

キョン「……待て、長門の意志を優先すべきだ。さっきも問題ないと言っていたぞ」

長門「看病は不要」

キョン「ほら見――」

長門「死にはしない(ボソッ)」


古泉「……おやおや」

みくる「……長門さん」


ハルヒ「……キョン、人として痛むものぐらいあるわよね? そこまで冷酷じゃないわよね?」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/30(火) 23:48:43.24 ID:+ulEi7QaO

キョン「だったら谷口なんかに構わず全員で行けば良いだろ」

ハルヒ「みくるちゃんに変なプレイを強要した挙げ句、有希までこんな目に合わせて許しておけないでしょ!?」

キョン「じゃあ俺がそっちを受け持」

ハルヒ「決まったことに四の五の言わない!」

長門「コクコク(うなずく)」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/30(火) 23:50:12.90 ID:+ulEi7QaO

古泉「では僕は男手のない涼宮さん側にお供しましょう」

ハルヒ「本当は全員で行きたいけど団員は平等に扱わなきゃね。行くわよ、みくるちゃん!古泉くん!」

キョン「待てっ! おい、ハルヒ!」

長門「(バイバイ)」ノシ

キョン「――仕方ない。 長門、帰るぞ」

長門「クシュン (コクッ)」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/30(火) 23:51:30.17 ID:+ulEi7QaO

キョン「(とりあえず家までは送っていくか……) 長門、荷物をまとめろ」


長門「支度が出来た」

キョン「じゃあ行くか」

長門「…………」

キョン「どうした?」

長門「平衡感覚への悪影響が著しく増加している」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/30(火) 23:52:29.12 ID:+ulEi7QaO

キョン「で、それはなにを意味している」

長門「歩行が非常に困難」

キョン「俺に何をしろと」

長門「……別に」

キョン「家まで歩けないか?」

長門「……わからない」

キョン「    ハァ」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/30(火) 23:57:16.38 ID:+ulEi7QaO

長門「(予測通りの効果。あの記事は信頼に足る)」

キョン「こら、動くと落ちるぞ。 しっかり掴まれ」

長門「わかった ギュッ」

キョン「よし、それで良い」


キョン「(……俺はなぜ素直に長門をおぶっているんだ?)」

長門「(……『最愛のカノジョの一大事!! カレはアナタに付きっきりだネッ♪』)」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/30(火) 23:58:14.49 ID:+ulEi7QaO

〜長門宅〜
キョン「ほら 着いたぞ。じゃあ俺は帰るな、おだいじに」

長門「……そう ゴホッゴホッ ヨロッ」
カチャ


長門「(予測通りの結果。ここまでで十分目標は達成。  悲観すべきことはない)」


カチャ
長門「!」

キョン「――やっぱり少しだけ上がらせてもらうぞ」

長門「………そう  (予測以上の効果   ?)」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/30(火) 23:59:25.06 ID:+ulEi7QaO

長門「……お茶を スッ(立ち上がる)」

キョン「もてなさんでいい。おとなしくしてろ グイッ(座らせる)」

長門「 ! (チャンス)」

キョン「おっと 大丈夫か」

長門「大丈夫 でもこのまま寄り掛かることで負担が減る」

キョン「そうか、無理するなよ だが俺に倒れこむなんてそんなに弱ってるのか?」

長門「問題ない (温かい 心地よい)」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:00:59.53 ID:NSELThAeO

キョン「……そろそろ病院行くか (スッ)」

長門「(まだ寄り掛かっていたい……) んっ(グイッ)  いい。緊急は要しない」

キョン「じゃあ解熱剤でも 戸棚か? (スッ)」

長門「ない(グイッ) 必要ない。本来の治癒能力が低下する」

キョン「そうか。 ちょっとすまん (スッ)」

長門「(グイッ) 必要ない」


キョン「……トイレに行くだけだ」

長門「…………あなたの尿意は排泄を促すほどでは」
キョン「行ってくる」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:02:20.62 ID:NSELThAeO

キョン「さて、このままダラダラしてても風邪は治らん」

キョン「何よりも睡眠が大切だ。そのためにも色々と済ませなきゃならん」

長門「クシュン クシュン」

キョン「着替えと汗拭きは悪いが自力でやってくれ、いいな?」

長門「……コクッ (チッ)」

キョン「メシは――」

長門「大丈夫。無理をすれば可能。無理をすれば、無理を」

キョン「三度も言うな。わかった、待ってろ。お粥くらいなら用意できる」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:03:40.07 ID:NSELThAeO

キョン「じゃあ用意するからその間に着替えといてくれ」

長門「(コクッ)」

長門「(……『ここでワンポイント☆ 何でもやらせちゃブブー <弱ってながらもケナゲなアタシ>を演じよう』)」

長門「その次の項は……」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:05:20.42 ID:NSELThAeO

長門「<現状に対し特に適応する記事なし――記事あり> ?? 記憶の混濁……」

長門「とりあえず衣類の交換を優先」

長門「んっ……? (おかしい……予想よりも…不自由?)」

長門「上着が……脱…げ……!! コロン ゴロゴロ」

キョン「おーい長……(布団に転がって遊んでる? いったい何を?)」

ジーッ

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:06:37.53 ID:NSELThAeO

長門「(起き…上が……れ…ない……) バタバタ」

キョン「(駄々っ子……)」

長門「ジタバタ ジタバタ あっ」

キョン「あっ」

キョン・長門「・・・・・・」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:07:52.91 ID:NSELThAeO

キョン「「……遊んでないで早くしろ、さっさと着替えないとこじらせるぞ」」

長門「!? ……二人」

キョン「二人? 何を言ってんだ、ほら早く着替えろ」

長門「腕が動かない。空間に変化はないけど違和感が感じられる。 それに動きたくない」

キョン「お前……?」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:09:01.63 ID:NSELThAeO

キョン「ちょっとおでこ出せ(ピトッ)  熱っ!」

長門「咽喉部・上腕部・頭部に痛み。全身に寒気や脱力感etc」

キョン「大分悪化してきたな……ってお前、服も汗かいたままでいたのか?」

長門「意識に対し上手く体が動かせない。ユニーク」

キョン「感心してる場合じゃないぞ」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:10:26.86 ID:NSELThAeO

キョン「「お隣さん――と親しくしてるわけないか。ハルヒ――は時間がかかりすぎる」」

長門「クシュンクシュン ゴホゴホ また増殖した」

キョン「俺は細菌じゃない。 ……仕方ない」

長門「ケホケホ ハァハァ  ??」

キョン「…すまんが…………脱がすぞ?」


長門「? ! !! !?」

キョン「無論、嫌ならやめるが」

長門「(フルフル) 嫌では……ない…」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:11:50.65 ID:NSELThAeO

キョン「そうか、じゃあじっとしてろよ」


キョン「(フキフキ) 腕…痛く……ないか?」

長門「……目をあけても構わない (むしろ推奨)」

キョン「出来るか 俺がみるわけにはいかんからお前の反応が頼りなんだぞ」

長門「んっ……大…丈夫 ただ体温が……急激に上昇を」

キョン「余計なことは言わなくていい」


キョン「(病気とはいえ……長門が変だ)」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:13:11.69 ID:NSELThAeO

キョン「腕、背中、は終わったから――ちょっと我慢してくれ」

長門「……問題ない」

キョン「一応断っておくが変な意図は皆無だからな」

長門「あっても構わない」

キョン「そうか」

長門「そう」
フキフキ


キョン・長門「!?」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:14:33.83 ID:NSELThAeO

キョン「今なんて言った!? 熱に浮かされてるのか?」

長門「問題ない。先程の言葉が特に示唆するものはない。雑音と判断してもらって構わない」

キョン「やはり病院に行った方が」

長門「そこまで深刻ではない。休養をとれば完治する」

長門「(思考がそのまま発声につながった。やはり異常)」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:15:32.47 ID:NSELThAeO

キョン「おい、大丈夫か? ふらふらしてるぞ」

長門「(これほど接近してるのに……集中できない…)」

キョン「早く着替えなきゃな、さっさと終わらすぞ」

長門「(コクッ)」


キョン「……結局誰も得をしないだろ(ボソッ)」

長門「……なに?」

キョン「いや、気にするな。雑音だ」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:16:50.53 ID:NSELThAeO

キョン「よし、これで着替えは終わったな。多少はすっきりしたか?」

長門「不快感はない。ありがとう」

キョン「あとはメシ食ってゆっくり寝ることだな」

長門「…………」


キョン「……心配するな、ここまできたら最後まで面倒みてやる」

長門「!!」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:18:04.84 ID:NSELThAeO

キョン「ほれ口開けろ」

長門「アーン (モグモグ)」

キョン「どうだ美味いか――って何の変哲もないお粥だが」

長門「……味覚があまり機能しない」

キョン「だろうな。そもそもお粥は美味い不味い自体はっきりしないだろうしな」

長門「(フルフル) 味はわからない。でも残したくない ケホケホ」

キョン「飲み込んでから喋れ、むせるぞ」

長門「呼吸中に食物を嚥下しなければ大ケホッケホッじょケホッうぶ ゴホゴホ」

キョン「あぁ言ってる傍から……(ヒョイ ヒョイ)」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:18:43.49 ID:NSELThAeO

長門「ごちそうさま」

キョン「よし、ちゃんと残さず食ったな。食器置いてくるから待ってろ」


長門「(ここまで誤差はあれどあの記事通りの成果)」

ジャー ゴシゴシ ゴシゴシ

長門「(けれどわたしの中に達成感はない。満たされるよりも減っている)」

キュッ キュッ カチャカチャ

長門「(増えたのは喜びより悲しみに近い感覚。大半を占拠するこの重さは何)」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:19:50.03 ID:NSELThAeO

キョン「すまん、慣れないことで手間取った。時間かかったな」

長門「……」

キョン「どうした、そんな顔して  また具合が悪くなったか?」

長門「……違う」

キョン「なら良いが」


長門「 ごめんなさい」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:21:19.40 ID:NSELThAeO

キョン「看病のことか? だったら気にするな、乗り掛かった船だ」

長門「(フルフル)それとは別の事象。風邪を引いたこと」

キョン「……好んでなったわけじゃないんだからお前が謝ることはないだろ?」

長門「(……関節・頭部に加え新たな胸の痛みを確認)」

キョン「まあ皆があんなに心配してくれてたし早く治すに越したことはないだろうな」

長門「…………」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:22:32.69 ID:NSELThAeO

キョン「さぁ、もう寝ろ。何かあったら俺を呼ぶんだぞ」

長門「……(コクッ)」

キョン「電気消すぞ」
パチッ

長門「……クイッ クイッ(キョンを引っ張る)」

キョン「ん? 何だ?」

長門「…本当は……………おやすみなさい」

キョン「おやすみ」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:24:33.27 ID:NSELThAeO

長門「(思い返せば)」

『……待て、長門の意志を――』
『じゃあ俺がそっち――』
『ほら、着いたぞ。じゃあ俺は帰る――』

長門「(初めから拒んでいた。それなのに結果的に使役させている)」

長門「(恐らく今回のことで嫌われ――)」
ギュッ(布団を握り締める)

長門「(善意への付け入り。私欲の為の欺瞞。  好意的な要素ゼロ)」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:25:52.58 ID:NSELThAeO

長門「……嫌い」

キョン「ん?」

長門「……あなたはわたしが嫌い」

キョン「?? また熱でも出てきたか?」

長門「看病を頑なに拒否していた」

長門「統計的に考えて好意を持った者に対し頑なに看病を拒むとは考えにくい」

長門「よってあなたは私に好意を抱いていないと推測できる」
ギュッ

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:26:37.69 ID:NSELThAeO

キョン「……それはあくまで推測の域を出ないな」

長門「そんなことはない」

キョン「おい、本人が言っているんだぞ」

長門「ではなぜ」

キョン「あー……」


キョン「好んで風邪引いたなら看病する必要はないと思ってな」

長門「!?」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:28:22.99 ID:NSELThAeO

キョン「次からは――」

キョン「雑誌はちゃんと持ちかえるか、記事に赤丸やドッグイヤーはつけないことだな。隠す気ならだが」


長門「!! でもあなたがあの雑誌を読んだことは私の記録にない」

キョン「自発的に読んだわけじゃないからな」

長門「?? コホッ」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:29:34.63 ID:NSELThAeO

キョン「お前もよく知っているやつなのだが」

キョン「世の中には雑誌を投げるやつもいてな」

『このっこの! あんたって鬼ね! 罰として付き添いで看病もするの、団長命令よ!!』

長門「!!! クシュン」

キョン「元々の馬鹿でかいフォントに加えあのサービスだ、実に目に付きやすかったぞ」

長門「…………」

キョン「そりゃもう床に落ちててもわかるほどにな。わかったら寝ろ」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:30:38.99 ID:NSELThAeO

長門「……もう一つ」

キョン「まだ起きてたのか?」

長門「……だったらなぜ、いま看病しているの?」

キョン「それは………気付いちまったからな」

長門「嘘に?」

キョン「いや違う」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:31:42.04 ID:NSELThAeO

キョン「ここに着いた時、一瞬だがお前がよろめいた」

『ほら 着いたぞ。じゃあ俺は帰るな、おだいじに』
『……そう ゴホッゴホッ ヨロッ』

キョン「『演技だろう』、俺はそう考えた。お前は驚いた顔をしていたが作戦の一部だろうと」

キョン「だが万が一、万が一にもだ」

キョン「『それが演技でなかったら』、そう思ったら帰れなくなった」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:33:37.21 ID:NSELThAeO

長門「……」

キョン「次はお前の番だ。どうしてこんな愚行に踏み切った?」

長門「本に書いてあった」

キョン「あの雑誌か?」

長門「別の小説。そこにこんなことが書いてあった」

【風邪は誰かに心配してもらうために引くんじゃないか?】

長門「加えてあの記事に感化されたのも事実」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:34:34.47 ID:NSELThAeO

キョン「なるほどな」

長門「待つことには慣れている。でもそれと『待つことが好き』とは合致しない」

長門「ただ興味を引きたかった。その対象はあなた以外に該当しなかった」

キョン「……それは光栄だ」

長門「ただそれだけ プイッ」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:36:16.85 ID:NSELThAeO

キョン「……長門」

長門「……なに?」

キョン「もしも――」


キョン「風邪を引いたのがお前じゃなかったら俺はこうしていたかわからん」


長門「?」

キョン「古泉や朝比奈さん、ハルヒだとしてもだ。ここまで面倒をみたかは断言できない」

キョン「だが俺は今こうしてお前の傍にいる。お前の看病を好んで務めている」


キョン「それじゃダメか?」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:37:46.27 ID:NSELThAeO

長門「……かった」

キョン「なんだ?」

長門「……よくきこえなかった」

キョン「…………」

長門「だから もう少し近くで言ってほしい」

キョン「……やれやれ。構わんぞ、何度でも言ってやるさ」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:39:11.57 ID:NSELThAeO

キョン「よし、もうお喋りは終わりだ。本当に寝た方が良い」

長門「その前に体温が下がったか確認してほしい」

「はいはい」  ピトッ


長門「(……『ステップFinal もちろんチュー!! 風邪の菌をどっぷり送りこんで今度はあなたがカレのお世話しちゃえ』)」


長門「(……『ステップFinal もちろんチュー!!』)」


長門「(……『チュー!!』)」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:41:19.21 ID:NSELThAeO

キョン「さっきより下がってるみたいだな。上がる前に眠れば明日には治っているかもな」

長門「……(コクッ)」

長門「……(『ステップFinal』は不必要な情報。遂行の必要なし)」

キョン「これに懲りたら今度からはもっと軽いイタズラにしろよ」
ナデナデ


長門「(遂行の必要なし)」

ナデナデ
長門「(現時点では)」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:44:01.56 ID:NSELThAeO

長門「…………大切なことを伝え忘れた」

キョン「まだ起きてるのか!?」

長門「…………明日は休日」

キョン「そういやそうだな 元気になったら図書館でも行くか?」

長門「……(コクッ) ケホ――ん゙っ ん゙っ!」

キョン「おい! 無理やり咳を堪えるな。治らなくても看病しててやるから」


長門「ゴホッゴホッ……手を握って」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:46:15.10 ID:NSELThAeO

キョン「どうかしたか?」

長門「……情報のダウンロード?」

キョン「(疑問系?) まぁいいぞ、ほら」
ギュウッ

キョン「まだかかりそうか?」

長門「……………………」

キョン「長門?」

長門「……………Zzz」

キョン「ハァ やれやれ」

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:47:29.60 ID:NSELThAeO

〜翌朝〜
長門「スースー……スースー……ん……朝…」

キョン「起きたか ハクシュッ!」

長門「風邪……感染?」

キョン「いや、朝は冷えるだけだ。それよりお前はどうだ?」

長門「……体温・体調共に正常。完治したものと判断する」

キョン「そうか、じゃあ今日ぐらいはゆっくりす」

♪あるー晴れーた日ーのことー

キョン「……そうもいかんらしい。 ハルヒから電話だ」

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:49:43.94 ID:NSELThAeO

〜喫茶店〜
キョン「呼び出したりしてどうした? 谷口狩りの成果報告か?」

ハルヒ「……昨日、谷口を確保して詳細を質問したの」

ハルヒ「初めはなかなか話そうとしなかったんだけど……問い詰めたら諦めて白状したの」

キョン「そうか。で、内容は?」

古泉・みくる「・・・・・・」


ハルヒ「……『長門に頼まれた』って」

キョン「!?」

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:51:00.01 ID:NSELThAeO

ハルヒ「有希、嘘よね? 谷口の出任せよね?」

長門「……真実。わたしが依頼した」

キョン・ハルヒ・古泉・みくる「!!!」

みくる「どうして……そんなことを…?」

長門「風邪を引きたかった」

ハルヒ「風邪を?」

長門「(コクッ) 正確には特定の人物の興味を引くための手段として用いた。感染源は朝比奈みくるではない」

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:52:25.10 ID:NSELThAeO

長門「軽率かつ愚かな行動だったと反省している。 ごめんなさい」


ハルヒ「気を引きたかった……?」
ハルヒ「そんなことの為にみんなに心配かけ――」

古泉「ちょっと失礼します。 長門さん、当初の目的は達成されましたか?」

長門「…………(コクッ)」

ハルヒ「え? でも昨日、有希はキョンが看病――ってことはまさか……」

長門「…………」

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:54:10.53 ID:NSELThAeO

ハルヒ「……とにかく」


ハルヒ「事情はわかったわ……まぁ過ぎたことをとやかく言っても不毛だからね」

ハルヒ「ペナルティを課してこの話は終わり。みんな良いわね?」

長門「……」

みくる「わ、わたしは……」

古泉「……僕は皆さんに異議がなければそれで」


キョン「あー……ハルヒ、一つだけいいか」

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:55:57.20 ID:NSELThAeO

ハルヒ「……なによ」

キョン「ここは一つ、長門の為に動いた谷口の漢らしさと、真実を話した長門の誠実さに免じてやっては――」

ハルヒ「却下。理由が何であれ悪事に加担することと漢らしさは別。それに誠実だろうが張本人は裁かれて然るべきよ」

キョン「だがな……」

長門「(フルフル) 弁護は不要。自ら招いた結果の責任は自らが負うのが道理」

ハルヒ「……覚悟はできてるみたいね」

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:57:02.81 ID:NSELThAeO

ハルヒ「さて、SOS団を巻き込んで大騒動を起こすなんて重罪よ、極刑に値するわ」


ハルヒ「……まぁでも谷口のアホが最後まで秘密を守ろうとした点は立派ね」

ハルヒ「……あと有希が素直に認めて反省してる点も評価してもいいわ」

長門「…………」

ハルヒ「ただ情状酌量しても無罪放免とは問屋が卸さないわ」

ハルヒ「それ相応の罰を与えるわよ、いいわね有希?」

長門「(コクッ)」

ハルヒ「じゃあ決まったわ――っとその前にキョン」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 00:57:57.47 ID:NSELThAeO

ハルヒ「あんた風邪引いてるわよね?」

キョン「は?」

ハルヒ「は?じゃないの、あんたは風邪引き、いいわね!?」

キョン「待て、俺は風邪なんて引いて」
ハルヒ「黙ってなさい! 今からペナルティの発表よ」

ハルヒ「有希。あんたはみんなを困らせた挙げ句、キョンに風邪をうつした。これは重罪ね」

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:00:47.06 ID:NSELThAeO

キョン「だから俺は風邪など引いていない、健康そのものだ!」

みくる「あの…わたしもキョンくんは元気に見え……ます…」

古泉「…正直なところ、僕としても昨日のことは迷惑とは感じていませんが……」

ハルヒ「うるさい! もう罰は決まってるの、今更なにを言っても変わらないわよ!!」

ハルヒ「有希、罰としてあんたは――」


ハルヒ「今日一日キョンの看病をすること」

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:02:22.59 ID:NSELThAeO

キョン・長門・古泉・みくる「!?」

ハルヒ「……きこえなかったの? あんたは責任もって貴重な休日をキョンごときに費やすの」

長門「…………了解」

ハルヒ「そしてあんたたち二人の抜けた穴を埋めるのが谷口のペナルティよ」

みくる「二人?」

ハルヒ「これ以上風邪引きを増やすわけにはいかないでしょ、だからキョンと有希は隔離」

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:03:59.58 ID:NSELThAeO

古泉「これはまた……随分と思い切った判決ですね」

ハルヒ「確かに谷口に至っては褒美に近いわよね。SOS団の手足となって働けるんだもの」

長門「…………」

ハルヒ「あたしの寛大さに感謝ってとこね」

長門「…………質問がある」


ハルヒ「……なによ」

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:05:53.27 ID:NSELThAeO

長門「……罪状と罰則が不釣り合いに思える。わたしに彼を看病する資格はない」
ハルヒ「資格もなにもあたしが決めたの、誰にも異議申し立てはできないわ。ほら、とっとと出て行きなさい (シッシッ)」

キョン「だが」

ハルヒ「早く行きなさい!!」

キョン「やれやれ 行くぞ長門」

長門「!! (コクッ)」


ハルヒ「あ…… (今日だけ……今日だけだからね…)」

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:06:59.08 ID:NSELThAeO

みくる「涼宮さん……良かったんですか?」


ハルヒ「何が?」

みくる「だって涼宮さんキョンくんのこと――」
ハルヒ「ち、違うわよ!! あたしは別に……ゴニョゴニョ ほ、ほら有希は病気だからお見舞い代わりにキョンのレンタルよ」

みくる「病気? 風邪はもう治ったみたいでしたけど」

ハルヒ「それとは別。有希のは風邪よりもっとやっかいな熱病の一種よ」

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:07:52.32 ID:NSELThAeO

みくる「熱病……ですか?」

ハルヒ「そう。キョンのせいでかかったみたいね」

みくる「わたし全然わかりませんでしたぁ……」

古泉「さすがは涼宮さんと言った次第です、長門さんは感情表現が苦手のようですから」

ハルヒ「当然よ!! あたしは団長だし、同じ症状の」
古泉・みくる「同じ症状?」

ハルヒ「…………」

古泉・みくる「…………」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:10:01.43 ID:NSELThAeO

ハルヒ「……認めるわよ。あたしはキョンが好きよ」

みくる「わぁ、素敵です」
古泉「羨ましいかぎりです」

ハルヒ「だからって有希を妨害する気は無いし今まで通りキョンには接していくわ」

ハルヒ「まあ結果は一目瞭然ね。何せキョンはあたしにベタ惚れだもの。でもライバルくらいいなきゃ…ね……」

みくる「?……あの、涼宮さ…」


ハルヒ「でも有希も相手が悪かったわね…だってキョンの好きな人は……」


ハルヒ「…あたし………だから……だから………ヒック……ヒック…」

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:14:36.66 ID:NSELThAeO

古泉「……(スッ)」 つ◇

ハルヒ「まさかヒックあのバカキョンに惚れる人間が グスッ 地球上にいたなんてねヒックおかしくてグスッ涙が出るわ」

みくる「泣かないで…ください……涼宮さんは素敵な女性ですから… ふぇっ……ふぇっ…」

ハルヒ「…なに言ってるのみくるちゃん、泣く必要なんてないわよ。まだ決まったわけじゃないもの」

ハルヒ「みんなでやった野球もそうだったでしょ? どれほど負けてても最後に逆転したら勝ちなのよ」

古泉「諦めるまで勝負はわからないということですか」

みくる「キョンくんは幸せ者ですね…… ふふ」

ハルヒ「グスッ ほら、二人とも早く出掛けるわよ!!」

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:15:53.74 ID:NSELThAeO

〜長門サイド〜
キョン「さて せっかく団長のお許しが出たことだ、どこか行くか?」

長門「………図書館」


キョン「しかしお前があんなことをするなんて今でも信じられんな」

長門「……涼宮ハルヒは異性を引き付ける能力を持っている。わたしには無い能力」

キョン「空間を――とやらとは別の能力なのか?」

長門「別物。俗に『魅力』と呼ばれるもの」

キョン「……それは能力とは呼ばん」

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:19:21.00 ID:NSELThAeO

長門「でもあなたが少しづつ惹かれていたのは事実」

キョン「……そうなのか?」

長門「たぶん」

キョン「どっちだ」

長門「少なくてもわたしにはそう思えた。だからあの雑誌に従った」

長門「普段通り過ごしていたらわたしに勝ち目は無い。新たな情報が必要とされた」

キョン「……そうか」

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:21:14.11 ID:NSELThAeO

キョン「ところでだ長門、お前『朝比奈さんは感染源でない』と言ったな」

長門「言った。昨日の言葉はカモフラージュ。原因は恐らくわたし自身」

キョン「俺が思うにお前は記事を読んだ時点で風邪を引いていたんだ」


長門「……可能性はある」

キョン「そうでもなきゃお前があんな奇行に走るはずないだろうからな」

長門「確かに現時点ではあれは正常な行動ではなかったと判断できる」

長門「でもあなたの傍にいたいと考えたことは今も正常と確信している」

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:22:13.50 ID:NSELThAeO

〜図書館〜
キョン「今日は人が少な」
長門「待ってて」

キョン「(入るや否や本。やはり本>俺なのか)」

長門「……よい…しょ」  ドサッ

キョン「……そんな大量に持って来なくても本は逃げんぞ」

長門「席を外す回数を減らしたい」

キョン「横着をするな」

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:25:04.49 ID:NSELThAeO

キョン「じゃあ俺も本を選んでくる」

長門「横着ではない」

キョン「(怒ったのか?) すまん、さっきのは冗だ――」

長門「あなたの傍を離れる回数を減らしたい。それだけ」


キョン「――長門、やっぱりその本の山から一冊貸してくれ」

長門「?? ……はい」 つ本

キョン「……本を取りに行くのも面倒だからな」

長門「……」

キョン「……それだけだ」

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:27:11.52 ID:NSELThAeO

長門「ジーッ」

キョン「……どうした」

長門「ジーッ」

キョン「……視線は本に向けたほうが有意義だぞ」

長門「ジーッ (パチッ パチッ)」

キョン「……瞬きはそんな力強くしなくて大丈夫だ」

長門「チッ チッ」

「(次は舌打ち…? …意図がわからん)」

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:28:56.68 ID:NSELThAeO

キョン「ん? お前なにを読んでいる」

長門「……(サッ)」

キョン「! おい、何を隠した」

長門「……気のせい」

キョン「……長門、後ろを見せろ」

長門「……拒否す――あっ」


キョン「『カレに積極的アプローチ 愛されウインク&ゆるふわキッス chu‐☆』  おい」

長門「…………偶然開いたページがそこだった」

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:31:46.07 ID:NSELThAeO

〜長門宅〜
キョン「で、まだ懲りてなかったのか?」

長門「……わたしだけではどうするべきか判断不能。情報が欲しい」

キョン「お前が考えたこと、思ったことをしたいようにすれば良いだろう」

長門「それは能動的な欲求に限ったこと?」

キョン「『したい』でも『してほしい』でもどっちでもいい」

長門「…………決定までしばらく時間が必要」

キョン「ゆっくり考えてくれ」

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:35:29.39 ID:NSELThAeO

長門「……耳を貸して」

キョン「決まったのか? 何でも言え」

長門「耳を……」

キョン「ほれ」


チュッ


キョン「!? おま……」

長門「唇に行なうには時期尚早。頬なら親愛の証としても用いられる。問題ない。問題ない」
長門「でも決してあなたへの感情が親愛程度だと言うことでは――」

キョン「……一つだけ確認したい」

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:36:29.14 ID:NSELThAeO

キョン「今のはお前の意志か?」

長門「……参考とした記事は存在する」

キョン「そういう意味じゃない。記事の鵜呑みじゃなく、そこにお前の意志は見られたかどうかだ」

長門「……」

キョン「……」


長門「……そう」

長門「わたし自身の意志で行なった。そうしたいと思った」

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:37:49.05 ID:NSELThAeO

キョン「そうか、ならば何も言うまい」

キョン「……ところでだ、お前に言っておくことがある」

長門「?」

キョン「耳を貸せ、実はだな……」

チュッ

長門「!!」

キョン「俺の意志だ。俺がお前のほっぺたにキスをしたかったからした」

長門「…… (予測外の行動。脳内が彼で埋め尽くされる……)」

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:41:09.17 ID:NSELThAeO

キョン「どうした? いつも以上に静かだな」

長門「……風邪は完治していない様子」

キョン「なに? また気分が悪くなったのか?」

長門「気分はむしろ良好。でも動悸や体温上昇が確認されている」

キョン「やれやれ……味気ない言い方をするな。そういうのは『ときめき』や『照れ』と言え」

長門「……それは病気?」

キョン「かも知れんな。なんせ――(チラッ)」

長門「?」

キョン「俺もお前にうつされたようだ」

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:46:41.71 ID:NSELThAeO

長門「!!」

キョン「……まぁ早いとこ治療法や特効薬を頼む」 ナデナデ

長門「……この病気は治らない。 この先もきっと重くなる」

キョン「そこだけきくと絶望的に感じられるな」

長門「大丈夫」

長門「風邪を引くから健康を考える。不安があるから幸せを感じることが可能」

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:53:12.10 ID:NSELThAeO

キョン「お前が幸せを語るとはな、誰の受け売りだ?」

ギュッ
長門「あなたが教えてくれた」

キョン「やれやれ」

ギュッ
キョン「俺はそこまで賢くない。すべてお前が考え付いたんだ」


キョン「なあ長門、お前はこの先なにがあると思う?」


長門「あるのは絶望でなく――希望」

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/01(水) 01:56:14.67 ID:NSELThAeO

おしまいです。

最後まで読んでくだすった方、支援してくだすった方、ありがとうございます。
「こんなのハルヒじゃねぇよ」って思った方、「つまんねぇ」って思った方、申し訳ないです



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