朝倉「じゃあ、死ん キョン「好きだ!」


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546 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/16(水) 22:29:59.35 ID:6rP4TZR50

なんか遅くなりそうだから書きながら投下

「じゃあ、死んで」
そう言って彼女はナイフを振るう
もうすぐ、それは俺の喉を突き刺し・・・俺は死ぬだろう
別にこんな事言うつもりはなかった
未練たらしくこんな事を言って死ぬつもりはなかった
ただ・・・
「好きだ、涼子」
最後だから伝えたい。そういう想いの方が強かったんだ
それから先はよく覚えていない
ただ、目の前が暗くなる一瞬
彼女の震えた声が聞こえた

目が覚めて見えた教室の天井
その瞬間、俺は知ってしまった
「なぁ、長門。」
隣に目を向けると、無感情な瞳が俺を見ていた
そいつは一瞬、困ったように下を向き・・・
「あいつは、もういないんだろ?」
俺のその言葉に、小さくうなずく
「そうか。」

あいつと一緒だった時の記憶がフラッシュバックしていく
あいつが死んだ悲しみとか、生きていた喜びより、
ただもうあいつとの思い出は作れないんだという
寂しさの方が強かった

547 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/16(水) 22:30:20.56 ID:6rP4TZR50

毎日の退屈な通学路が、いつのまにか楽しみになっていたのは
学校が始まって一ヶ月くらいしたときの事だった
俺の隣には彼女がいて、俺のくだらない話をただ笑顔でうなづき、聞いてくれている
そんなカップルとしては当たり前なことも、初めて彼女を持った俺にはたまらなく嬉しかった
彼女の名前は朝倉涼子。うちのクラスの委員長
谷口が言うにはAA+の美少女だ
なんで俺がこんな高嶺の花と付き合えているのかは割愛しておく
ただ、それには「SOS団員の恋路を応援するのは団長の務め!!」とかいうハルヒと
「キョンはもう少し積極的になればモテるのに」とかいう国木田と
その他いろいろのおかげである
「なぁ、涼子?」
「何?」
「今幸せか?」
「もちろん」
そんな、昔の俺からすれば「お前ら死ねよ」とでも言いたくなるセリフも毎日言っている

まぁ、それくらいに幸せだったんだ

549 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/16(水) 22:40:16.76 ID:6rP4TZR50

>>547
そんな楽しい日々の中でも特段楽しかった日―・・・
俺達は映画館に着ていた
とりあえずどこか行こうか?ということになり昨日の深夜の電話会議の結果、
近くの映画館で上映しているという恋愛映画を見に行くことにした
恋愛映画は向こうからの要望だった
俺が出来うる限りのお洒落をして、15分前に待ち合わせ場所に行くとそこにはすでに朝倉がいた
「わるい、待ったか?」
「ううん、今来たところ」
そう言って手を繋いできた朝倉に、俺は改めて惚れさせられた
「それより、早く行って席とっておきましょ」
俺の右手を引っ張って朝倉は歩き出す
「そんなに急がなくてもまだまだ時間あるだろ?」
笑いながら俺も足を進める
何十分も前に行ったおかげで良い席がとれた
「私、こういう映画見るの初めてなんだ」
「この前見たのも似たようなもんだろ?」
「違うわよ。あれは恋愛というよりラブコメ。今度のは真剣な恋なのよ」
やけに力説する朝倉がかわいくて笑っていると
「・・・・・・」
「いてぇっ!」
笑顔で顔をつねられた

550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/16(水) 22:40:42.03 ID:6rP4TZR50

>>549
映画のタイトルはよく覚えていない
もとい、内容すら覚えていない
印象に残ったのは別れのシーン
二人は泣いてて、時折雲から顔をのぞかせる月が綺麗だった
公園で二人は泣いている
その横の大通りを車が何台も通っていく
きっと二人は悲しくて、
でもきっとそれは二人だけで、
世界は回っていくんだ

その後はよく覚えていない
朝倉に起こされたときには二人は笑顔で自転車を二人乗りしていた
まぁ、いろいろあって二人はまた結ばれたんだろう
そう納得しているとまた頬をつねられた
その日の帰り道はずっとお説教だった
デリカシーがないとか、
男ならあのシーンの時に・・・とか朝倉はぶつぶつ言っていた
だからお詫びじゃないけど、少し勇気を出してみた
「なぁ、涼子」
初めて名前で呼んだ
驚いた顔でこっちを見る朝倉
「・・・・・・。」
そしてそっと口付けをする
それが二人の記念日で、最高に幸せだった日だった

555 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/16(水) 22:50:12.63 ID:6rP4TZR50

そして、楽しい時間はあっというまに過ぎていった
付き合ってからの時間はまさにあっというまだった
朝倉用に作った携帯の受信フォルダはもう二週目を回っている
映画も一通り見てしまったし、近場のデートスポットは行ってしまった
その日も、夜遅くに朝倉に「次はどこ行こうか?」なんて電話で話し合ってたときのことだったと思う
数秒の沈黙があった
「ねぇ、今から会えない?」
そう、彼女のほうから誘ってきた
「今からか?別にいいけど、夜も遅いから明日じゃダメか?」
「ううん・・・今会って話したいことがあるの」
その時は何も思わなかったけど、今から思えば容易に想像できた
その日、公園で俺達は別れた
自転車をかっ飛ばして公園にたどりつくと、
彼女は泣いてた。理由は知らない
ただ俺は隣で彼女が口を開くのを待っていた
でも彼女はたった一言
「―別れましょう」
そう言って走り去っていった
実感なんてものはなかった
ただ―
「別れ際にキスなんてするなよな・・・」
・・・そう言っても、伝えたい相手はとうにいない
帰り道、国木田に電話してやっと実感した
―あぁ、俺達は別れたんだ
そう言って号泣した俺は電話の向こうの国木田に多大な迷惑をかけた

その夜はとても澄んでいて、時折雲から顔をのぞかせる月が綺麗だった
まるであの日の映画みたいな出来事にラストシーンがフラッシュバックする
きっと俺達は大丈夫。また結ばれる
そんな風に想ってた

564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/16(水) 23:12:17.49 ID:6rP4TZR50

「なんですってぇ!?あんたたち誰の許可もらって別れてるのよ!?」
・・・別に誰かの許可がいるとは聞いてないが?
「私がくっつけてあげたのよ!私の許可が必要にきまってるでしょ?」
そう言ってハルヒはじとっとした目で俺を見つめてきた
「・・・ちょっと朝倉さんと話してくる」
そう言って歩き出したハルヒの腕をつかんで引き止める
「やめてくれ。そのことはもう充分なんだ」
「・・・まぁいいわ。・・・じゃあ別れたんだから今度の不思議探検には参加するのよ」
今までの分、こき使ってあげるわ と捨て台詞を残してハルヒは席に戻った

それから気づいたことがある
「なぁ朝倉、昨日の・・・
「ごめんなさい、今忙しいんだ。またね」
明らかに、目に見えて、俺達の距離は開いていった
映画みたいな展開なんてそうそうないんだよ
そういやそんなことを谷口が箸を片手に力説していたな
そんな日々が続いた日、下駄箱に手紙が一通入ってた
見覚えのある文体。少し丸みを帯びている文字が送り主をイメージさせる
授業は全く頭に入らなかった
ただ放課後が待ち遠しくて、

扉を開けると目に入ったのは、綺麗な夕日を背に立つ朝倉の姿
「・・・二人きりで話すのは久しぶりね」
「入って」
ゆっくりドアを閉める
期待に胸が膨らむ。心臓の鼓動が早い
そんな期待とは裏腹に、彼女は言う
―まぁ、どんな人生歩いてきた奴だろうとその言葉は予想できないとは思うけどな

「お願い、死んで」

565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/16(水) 23:21:23.25 ID:6rP4TZR50

その瞬間、ナイフが振るわれる
軌跡が見えるほどに速く、鋭く
それは間違いなく俺の急所を狙っていた
「・・・どうしたんだよ朝倉!!」
「・・・なにするんだよじゃなくてどうしたんだよ・・・か」
とっさに避けて倒れた俺を見下ろして朝倉は呟いた
「最後まで私を一番に見てくれるのね」
ナイフを持ち替えてこっちを振り向いた朝倉の顔は涙で濡れていた
「なんでよ・・・なんでそんな風に私を見るの?」
その時俺は「・・・なんで泣いているんだろう?」
何が彼女を悲しめているのだろうと考えていた
「そんな目で私を見ないでっ!!」
勢いよく突っ込んできた朝倉を受け止めようとするあたり、
自分は本当どうにかしていたのかもしれない
今から思えばそんな風に思えるが、そのときの俺は必死だった
まさか殺そうとした相手が、腕を広げて受け止めようとしてたとは予想できなかったのか、
朝倉の足がもつれ、ナイフが上にあがる
そしてそのまま、俺達は抱き合うようにして倒れた

570 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/16(水) 23:35:37.58 ID:6rP4TZR50

それから数分は朝倉の泣き声が聞こえた
俺の胸に頭をのせて、彼女は泣いている
「なぁ、なにがあったんだ?」
そう聞いてから長い沈黙があった
それからはまるで映画のような話をえんえんと彼女は語っていた
俺を殺せばハルヒはなんらかのアクションを起こす
ようやくすると目的はそんなもの
朝倉は長門と同じなんたらインターフェイスで、人間じゃない
初めて知った彼女の本当の姿

そして、
「私だってあなたを殺したくないっ!!」
彼女が一番伝えたかった想い

571 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/16(水) 23:38:44.09 ID:6rP4TZR50

俺はずっと考えていた
どうすれば彼女は幸せなんだろう?
彼女の泣き顔はかわいいけど、あまり見ていたいものじゃない
「そうか。朝倉」
だから俺は決意した
「俺は死ぬよ。お前は生きてくれ」
元より、彼女のために自分を犠牲にしてきた恋だった
ハルヒが言ってた「恋なんて病気」というのもうなずける
本当に、病気だ
・・・どうしようもない
「・・・もう泣かないでくれよ」
そっと、彼女の体を起き上がらせる
そしてナイフを持つ手に触れる
「・・・恋人に殺されるってのも案外幸せかもな」
その手を上げていく
「・・・私達、もう恋人同士じゃないわよ」
グズグズになった顔で朝倉は言った
「なら好きな人だ。俺にとっては、それは変わらない。」
もう届かない位置で手を離す。
一瞬、目を閉じて・・・やっぱり開けることにした
最後の風景だ
「笑ってくれよ・・・なっ?」
彼女を見ていたかった
彼女は結局笑わなかった
ずっと泣きじゃくってた

574 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/16(水) 23:46:51.54 ID:6rP4TZR50

「大丈夫?」
長門の声で意識を戻す
「あぁ。大丈夫だ。なんでもない」
そう言って立ち上がる
「・・・ごめんなさい」
「別に長門が謝ることじゃないだろ?」
むしろ俺の命を助けてくれたんだからお礼を言わなくちゃな
そう、俺の後ろにいる長門に声をかけて教室を出た
不思議と泣かない自分がいた
一瞬の別れで泣いた自分は
一生の別れでは泣けなかった
ただ心にぽっかり空いた穴を見ている
大きすぎる
そう。大きすぎるんだ
どうやって帰ったのか覚えていない
その日の記憶はそこで止まっていた
ずっと、付き合っていた頃の朝倉の笑顔を思い出そうとしていた

577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/16(水) 23:54:58.16 ID:6rP4TZR50

翌日、学校では朝倉の急な転校が言い渡された
「キョン?知ってた?」
ハルヒは俺の背中を突っついて聞いてきた
「・・・知らなかった」
そう言って机に突っ伏す
とりあえず何かを考える気にはなれなかった
朝倉と過ごした日々をずっと思い出していた
この記憶だけは失くしたくないと
これだけは忘れまいと
「その日のSOS団の活動は休止よ!」
それだけ言ってハルヒは教室を飛び出していった
「それじゃキョン、一緒に帰ろうか」
国木田が俺に声をかけてきた
頷いて教室をでた
「そういやキョン!実はよ、俺バイト始めたんだぜ!」
谷口の話に適当に頷いていると家についていた
・・・とりあえず疲れた
寝たい。
布団に入って目を閉じた

581 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 00:05:39.97 ID:Es93kBDF0

夢を見ていた
朝もやのなか、子供の俺は親父の乗る自転車の後ろに乗っている
だいぶ進むと親父は自転車を止めて俺に何か言った
俺は頷いて自転車をこぐ
後ろを持って支えてくれた親父は気づけばいなくなって、
俺は何度も何度も転びながら前に進んでいく
そうしていくと、ずっと前を歩いている彼女を見つけた
・・・綺麗な夕焼けだ
追いついて自転車をおり、引きながら彼女に話しかける
少しすると彼女は何か言ってきて、また俺は頷く
歩みを止め、俺は自転車を跨ぐ
彼女はゆっくりと後ろに腰をおろし、俺の腰に腕をまわす
それを確認して俺は力強くペダルをこぐ
重い
重いけれど、それが心地よかった
俺の背中に頭をつける彼女
俺はただひたすら自転車をこいでいる
道はずっと続いていて、
俺達はずっと一緒だった

スタッフロールが終わっても、
俺達は一緒だった

586 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 00:16:16.66 ID:Es93kBDF0

・・・・待て、まだ終わってないYO

587 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 00:17:06.42 ID:Es93kBDF0

いや、終わりでもいいけど
んじゃこれからはアナザーで

588 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 00:17:47.95 ID:Es93kBDF0

目が覚めると俺は泣いていた
枕は俺の涙で湿っている
「・・・わかっていたよ」
その夢の中で俺はずっと泣いてたんだ

そうしていると携帯が鳴り出した
懐かしい、もう鳴らないはずの着信音が部屋に響く
俺はゆっくりと手を伸ばして携帯を開く
「・・・朝倉 涼子」
付き合ってから笑われた
フルネームなんて愛嬌がないわよ と
そんなことを思い出しながら震える手でボタンを押す
「・・・涼子なのか?」
声は震えていた
相手は無言で息遣いだけが聞こえる
「・・・答えてくれよ・・・なぁ涼子なんだろ?」
希望、わずかな光にすがって俺は呟く
「・・・ごめんなさい。」
そして光はさえぎられる
「・・・長門、悪い・・・今は何も聞きたくないんだ」
そう言って電話を切った
鳴り続ける携帯から逃げるように布団を被る
夢でいい、あの夢の続きでいい
何十分もずっと俺は何度も呟く
・・・ただ俺は、
「・・・俺は・・・  涼子に会いたいんだよ!!」

窓から、風が吹いた
懐かしい匂いが、部屋を包み込んだ

594 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 00:38:36.40 ID:Es93kBDF0

布団を蹴飛ばして体を上げる
窓の方を見るとそこには―
「一日と・・・ちょっとぶりになるのかな?」
閉まっていたはずの窓に彼女は座っていた
「もう、長門さんからの電話すぐ切っちゃうんだから」
そう言って彼女は笑う
「・・・夢じゃ・・・ないよな?」
「夢なんかじゃないわよ」
そっと彼女は近づいてくる
「・・・幽霊とか?」
「失礼ね、足だってちゃんとあるでしょ」
おもむろに俺の頬をつねる
「・・・ねっ?・・・痛いでしょ?」
「・・・あぁ」
俺はまた泣いた
ずっと彼女は俺を抱きしめていて
俺はずっと母親にすがる子供のように、彼女の胸で泣いてた
気がつけば彼女も泣いていて、二人して泣いた

・・・なぜ朝倉が戻ってきたかを聞いたのは翌日の昼休みのことだった
あの後、あまりの俺の泣き声の大きさにめざめたお袋が部屋に乱入してきて
間一髪部屋を脱出した朝倉は
「また明日」と、息で曇らせた窓にそう書いて帰っていった
朝倉に理由を聞き忘れた俺は昼休み、昨日のお詫びもかねて長門に会いに行った

595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 00:40:08.56 ID:Es93kBDF0

「私にも責任がある、彼女の家にいたから彼女の電話でかけてしまったが、今思えば軽率な行動。反省している」
会って早々謝った俺に長門はそういった
「・・・なら、ありがとう長門。お前がどうにかしてくれたんだろ?」
そう言うとガラスのように透き通った目でこちらを見て、
「礼を言うなら涼宮ハルヒに言うべき。今回の件で、朝倉涼子が戻れたのは彼女のおかげ」
それだけ言って、また自分の見ている本に目を落とした
「それってどういうことだ?」
長門から聞いたのは、
ハルヒが俺のあまりにも寂しそうな姿を見て、朝倉の存在を求めたため
そのことで朝倉は何度も復活して、そのたびに情報結合とやらを解除していた長門の親玉も諦め、
あくまで、長門のバックアップ(長門の命令のみを遂行する)
という“特例”で朝倉の存在が認められたらしい

・・・ちなみに、なぜハルヒがいるのになぜ俺達が別れたのかを聞くと
「・・・あなた達が映画を見に行ったときに、SOS団全員で一緒にあなたたちの行動を監視した。
 その時、涼宮ハルヒが見た映画の影響をうけて、あなた達に別れるという選択肢が増えた」
まぁ要は・・・ハルヒのせいでもあり、ハルヒのおかげでもあるんだな・・・
気になるのは、選択肢が増えただけでそれが強制的に選ばれるわけではないということだ
「朝倉涼子はあなたとの接点が多かった。そういった理由であなたの存在の抹消という任務を任された
 ・・・彼女自身、そのことが懸念材料だった。」
・・・なるほどね。だから朝倉は俺をふったのか
いちおう、また礼をいってから部室を出た
教室に戻ると、ハルヒがえらくご立腹だった

601 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 00:56:18.24 ID:Es93kBDF0

「どこ行ってたのよ! すぐ帰ってくると思ってご飯食べないで待ってたのに!」
・・・その台詞、幼馴染が照れ隠しで怒ってる感じで頼む
ハルヒはえらいご立腹していたようだが、俺がおとなしく席につくと
「でね、キョン!あなたにビックニュースがあるのよ!このSOS団団長が自ら集めた情報なんだから!」
偉い、変わりようである
まぁそれほど言いたくてたまらなかったものなのだろう
「へぇ。なんなんだ?宇宙人でも見つけたのか?」
「そんなことなんかじゃないわよ
 まぁ・・・それはあなたが見つけてあたしに教えなさい」
そう言って迫力を出すためのハルヒなりのアイデアなのか、
わざとらしく大きく息を吸い込み・・・
「なんと!朝倉さんの転校先がわかったわ!カナダよカナダ!!」
馬鹿でかい声で、そう言い放った
・・・昨日、教室を飛び出していったのはそれが理由か
「へぇ。それがどうかしたのか?」
「・・・なによ。どうせあんたのことだから未練たらしく引きずってるんじゃないかと思って
 手紙の1つでも書けるようにって聞いてきてあげたんじゃない」
「んで、肝心な住所はどこなんだ?そもそもカナダのどこだ?」
「・・・それは自分で見つけなさい」
そう言ってハルヒはそっぽを向いてしまった
「それじゃ意味無いだろ・・・」
「なによ!国がわかっただけでもいいじゃない!」
そう言ってハルヒは不機嫌そうに窓の外を見つめていた
「・・・まぁ、それもそうだな」
今は全部言えないが、こういうことも含めハルヒのおかげなんだろう

「・・・ありがとよハルヒ」

―本当に、ありがとう

607 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 01:07:26.46 ID:Es93kBDF0

そして放課後、
「疲れたから今日もSOS団の活動は休止!」
ハルヒはそう言うとまたも教室から飛び出していった
なんでもあとから古泉が言うには
「涼宮さんなりの照れ隠しなんだと思いますよ」
・・・と。
まぁ自分にとっては都合がいい
長門からもらった紙を頼りに道をたどる
・・・まぁ前に長門の家に行った時と同じ道だからいちおう、念のためって事だ
そして、最後に書かれた数字を打ち込んで数秒・・・
「どちらですか?」
泣きそうになるのを我慢して自分の名前をつげる
「入って」
ゆっくりと、ドアがスライドしていく
エレベーターに乗って朝倉の部屋がある階につく
・・・どこなのか探す必要はもう無かった
通路の先には朝倉がいて俺の事をじっと見つめている
ゆっくり、朝倉に近づいていくと
「・・・・。」
抱きつかれる
「涼子」
昨日の夜、決意した
もう泣かないと
そんな決意はどこへ行ったのやら・・・
「ほんと泣いてばかりだね」
そういう朝倉の目も涙で濡れていた

611 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 01:19:11.91 ID:Es93kBDF0

初めて入る彼女の部屋・・・
「ごめんね、ちょっと散らかってるけど」
かわいらしいぬいぐるみに綺麗に並べられたアクセサリー
そして、彼女の香りで包まれる
「そんなことないよ。むしろ昨日の俺の部屋・・・汚かったろ?」
そう言ってソファーに座ると隣に朝倉も腰を下ろしてきた
「・・・実はね、緊張してて精一杯で全然見てないんだ」
もったいないことしちゃったなぁ〜と言って彼女は腕を組んでくる
「こうするのも・・・久しぶりだね」
「あぁ。別れる日、学校から一緒に帰った時以来か」
懐かしい温かさが左腕から伝わる
少し沈黙があった
「・・・あのね・・・別れようって言った理由なんだけどね」
そして口を開いた朝倉の口に指を当てる
「長門から聞いたよ。・・・ごめんな気づいてやれなくて」
「・・・あなたが気づくわけないでしょ。私の本当の姿も知らなかったんだし・・・
 それに人一倍鈍感なんだから」
「鈍感ってなんかあったか?」
特に何かした覚えは〜・・・
「そういう覚えがないから鈍感なの」
口を尖らせて不満そうに
「別れてから、ずっとあなたを見てたのよ」
そして、上目づかいで俺を見てくる朝倉
「・・・・・・」
久しぶりの感覚にとまどう
今にでも抱きしめたい衝動に追われる

617 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 01:41:02.48 ID:Es93kBDF0

・・・でも、その前にやらなくちゃいけないことがある
朝倉の腕を振りほどいて立ち上がる
朝倉は不安そうに、今にも泣き出しそうな顔で俺を見つめる
「・・・なぁ涼子」
・・・夕日の赤色が目に染みる
「もう、俺達・・・恋人じゃないんだよな」
そう言うと朝倉は泣き出した
夕日が彼女を照らす
赤く染まった頬に一筋の涙が流れる
「だから改めて言わせてくれ」
始まりの言葉―
「好きだ。俺と付き合ってくれ」
ハッピーエンドの物語の締めといこう
「・・・私も・・・好き。・・・付き合ってください」

夕日に照らされる部屋
赤く染まりいく二人
そして、夜が訪れる
まるで映画の終わりをつげるような暗転
ハッピーエンドの物語の幕が閉じる

そして唇が重なる
それが始まり
新しい、二人だけの物語
ずっと終わらない、二人しか知らない物語

―俺達はずっと一緒なんだ /end

619 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 01:43:38.59 ID:Es93kBDF0

JOJO!!!俺はハッピーエンドしか認めんぞぉ〜!!!
ってなわけでハッピーエンド
そしてもう少し綺麗に終わらせれたら良かったなぁと反省
そして何回か書いたSSの中でも屈指の甘さ
最後まで長々と読んでくれてありがとう

それじゃあ寝るよノシ
他の書き手さん頑張ってくれ!!



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