キョン「ここはどこだ…?つーか俺は誰だ?何も思い出せない…」


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174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 16:53:41.79 ID:PpLiQoWH0

つたない文章かもしれんが、付き合ってくれ


ライトアップされていた周りの風景が一瞬にして暗くなる。
息が苦しい。息をしようと口をあけると何か液体が入ってきた。水中?
頭上に微かな光。
手を懸命に動かし、真っ暗な海の底からやっとのことで海面から顔を出すことができた。
と同時に目が覚めた。
夢か…
体を起こす。
ん?ここはどこだ?

「キョンくん。ご飯〜」
そういいながら女の子が入ってきた。
女の子は驚いたような目で俺を見つめ、
「お母さ〜ん。キョンくんがへ〜ん。もう起きてる」
とすぐに出て行ってしまった。
キョン…それが俺の名前?今気づいた。名前も分からない。
寝起きで頭が回転していないのだろうか。頬を何度か叩くが、全く思い出せない。
なんで?
頭を『記憶喪失』という言葉がよぎるが
んなこたない、ととりあえずは成り行きにまかせて振舞うことにした。
ボケが来るには早すぎる。すぐに思い出すだろ。

なぜこんなに素直に受け入れることができたのかわからなかったが、
後になって考えれば、記憶喪失と同じくらいひどい状況を
何度も潜り抜けてきたから、かもしれないと思う。

175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 17:02:14.22 ID:PpLiQoWH0

朝飯を食べ、制服(らしきもの)に着替え家を出る。
…さてどっちだ?どっちに行けばいい?
そう思っていると、タクシーが家の前に止まった。
反対側のドアから俺と同じ制服を着た男が出てきた。
「奇遇ですね。よかったら乗っていきませんか?」
なんてタイミングの良さだ、と不思議に思うが、
今の俺の状況からしてこの提案を断る理由はない。

タクシーの中で、そいつは良くしゃべった。
学校のこと、特に部活についてよくしゃべっていた。
俺はというと、何も思い出せないので、相槌を打つだけだ。
…『SOS団』?
なにやら『世界をおおいに盛り上げるための涼宮ハルヒの団』らしい。
なんだそりゃ?何で俺はそんなわけのわからん部活に入っている?
正常な精神の持ち主なら笑い飛ばしていただろうが、
何せ今俺は正常ではない。
かくいうこいつだって、そんなわけ分からん部活に入っているんだから
気がしれん。

176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 17:06:29.95 ID:PpLiQoWH0

1年5組の下駄箱から自分の名前を見つける。
『SOS団』というおかしな部活について聞かされたが、
それ以外の情報は今の俺にとって天の恵みだ。
よくしゃべる奴で、時々顔を近づけてきたのは気持ち悪かったが…
そういえば、あいつの名前を聞かなかったな。
ま、放課後になれば分かるか…って俺はこんな状況でも部活に行く気なのか。
そうだよな…
せめて今日ぐらい休みをもらったって文句は言われないだろ?

「何で!どうして休むの!?
 あんたはSOS団団員のその一なのよ。その自覚はあるの?
 それにSOS団は年中無休。一人でも欠けることを許さないんだから。
 休んだ分は休日の探索でのおごりについて回ってくるわよ。
 それでもいいって言うなら、さぁ私に理由を説明してみなさいよ」

ちょっと待て。どうして俺はこんなに怒鳴られている。

177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 17:12:52.34 ID:PpLiQoWH0

教室を見つけ中に入ると、朝のタクシーの男が言っていたように、
窓際最後列に黄色いリボンをした女の子が座っていた。
窓の外を見ていた女の子は、ガラスに映る俺の姿に気づくと
「遅い」
と口を尖らせながら言った。
かわいい。ものすごく美人だ。
髪の毛は肩までの長さだろうが、後ろで一つにまとめている。
そして、自分がSOS団に入ったのはこのせいだ、と確信した。
こんな美人が部長をやっている部活。
休むのを取り消したくなったが、高校生活は長い。
今日くらい休んでも先はある。
そう思い、話しかけたのだが…

なんでもないです。行きます。
意味もなく敬語になるが、誰だってそうなるだろ?
「当たり前よ。休むなんて許さないんだから」
…前言撤回。なぜ入ってしまったんだろう…

178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 17:23:08.35 ID:PpLiQoWH0

頭の中を必死でかき回してどうにか思い出そうとしている間に
もう放課後になってしまった。
結局何も思い出せずじまいか。
「キョン。先に言ってて。私掃除当番だから」
了解です。

昼休みには、来ないと死刑、とまで言われた。
死刑は嫌だし、明日以降後ろから変なオーラを出されていても困る。
仕方なく部室へと足を運ぶ。
言われた部屋に着くと『SOS団』と書かれた紙が
ドアの上に張られている。
反対側から見ると『文芸部』の鏡文字。
ドアをノックすると、は〜い、というかわいらしい声が中からした。ノブを回す。
そこには、かわいらしい女の子がメイドの服装をしていた。
ホワイ!なぜ!
今一度ドアの文字を見るが『SOS団』と書かれている。
何をやっている部活なんだ。

179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 17:34:51.44 ID:PpLiQoWH0

どんなあほ面をしていたのだろう。
その女の子は、不思議な顔をしていたが、やがて
「あ、そっか。キョンくん、ごめんなさい。」
とお盆を持ちながら頭を下げた。
何が?と聞こうかと思ったとき、
「おやおや、みなさんおそろいですね」
と声がした。朝のにやけ面だ。
二人しかいないのに何がおそろいなものか。
にやけ面は俺の脇をとおり本棚の前のいすに座る。
そこで気がついた。
今まで全くといっていいほど気づかなかったが、部屋の隅に女の子がもう一人座っている。
読書中らしくほとんど動かない。
「さぁこちらへ掛けてください。涼宮さんが来る前に説明しなくてはいけませんから」
何を言っているのか分からなかったが、とりあえずは言われたとおりにする。
メイド服の女の子も俺の隣に座る。

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 17:47:25.10 ID:PpLiQoWH0

「詳しい話は後にしますが、とりあえずは自己紹介ですね。
 僕は古泉一樹です。はじめまして」
ちょっとまて。俺たちは初めましてじゃないはずだろ。
「そうですが。今のあなたにとっては『はじめまして』がふさわしいと思いまして」
どういうことだ。
「手っ取り早く済ませましょう。記憶がないのですよね」
…なぜ知っている。というより、まだ決まったわけじゃない。
「その話も後にします」
と手を俺の隣の女の子に向ける。
「あ…あの、初め…やっぱ変ですよね。こんにちは。 朝比奈みくるです。」
と最高の笑顔で応えてくれる。
メイド服姿というのもまた愛らしい。
「そして最後に」
と古泉一樹が読書娘に顔を向ける。
「………長門有希」
言葉を発するときのみ顔を上げたが、またすぐに本へ視線を戻した。
「名前だけ知っていれば、まぁ大丈夫でしょう。
 あ、くれぐれも涼宮さんには内密に」
と人差し指を口に当てた。気色悪い。朝比奈さんなら許せるが、お前がやるな。
なぜ?と聞く前に、ドアが勢いよく開き本人が入ってきた。
「さぁ今日も張り切っていきましょう!」

181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/10(木) 18:08:12.65 ID:PpLiQoWH0

親に勉強もしないで何をしていた?
と聞かれても納得させられるような回答はできない。
俺は古泉とボードゲーム。
涼宮さんは、パソコンをいじっていた。
たまに朝比奈さんにちょっかいを出していた時は
素直に俺も混ざりたいと思った。
朝比奈さんは、勉強。明日小テストがあるらしい。
長門さんはずっと読書。
俺の記憶にも『俺を探さないで何やっていた!』と怒られそうだ。

涼宮さん以外の人間は俺の状態を分かっているようだが、
涼宮さんは気づいていない。
今日一日、ばれないように過ごすために涼宮さんには気を使った。
…かと言えばそうでもない。機嫌が悪いのか全く話さなかったからな。
古泉とボードゲームをやりながら、明日は病院に行こうと思った。
日も沈み、下校時間が近くなり、
涼宮さんが「帰る」と支度をし始めると揃って帰り支度を始めた。
お前ら、何しにここへ来ている。

帰り道も特に何もなく、今の俺にとっては『初めての道』を歩いた。
朝比奈さんとの別れ際に
「7時に光陽園駅前公園で」
と耳元で言われたときには、にやけた顔を出さないように努力した。
俺もなかなか素敵な人生送ってたじゃないか。


やっべ寂しくなってきたwww誰かいたら辞めろとでもいいから罵ってほしいんだがwwww

187 名前:5番煎じ[] 投稿日:2008/04/10(木) 18:21:45.00 ID:PpLiQoWH0

>>181

予想はしていた。
しかし、正直なところ期待していた。
誰だって期待するだろ。
女の子との待ち合わせ。夜の公園。
しかしだ。
…なぜお前がここにいる。
「詳しくは後で説明すると言ったでしょう」
待ち合わせ場所には私服の古泉が待っていた。朝比奈さん、長門さんもいる。
座っていた長門さんが立ち上がり、歩き出す。
つられて古泉、朝比奈さん、そして俺も。

豪勢なマンションの7階。
その一室でお茶を飲んでいる。
ここにくるまで誰一人として話さず、マンションの玄関を抜け、
エレベーターに乗り、この部屋の敷居をまたいだ。
長門さんの部屋らしいが家族の人は見えない。
「さて、僕がお話しすると長くなるでしょうから、 ここは長門さんにお任せしましょう」
と古泉が仕切る。
長門さんは持っていた湯飲みをテーブルの上に置くと、
じっと俺を見て話し始めた。

190 名前:五番煎じ[] 投稿日:2008/04/10(木) 18:33:00.48 ID:PpLiQoWH0

>>187

………
………
………

信じられない話の連続だ。
言葉を挟む間なく一気にまくしたてる長門さん。
それについて、一切、古泉と朝比奈さんは口を出さない。
口を出さないからといって、本当のことを言っているとは限らない。
3人とも電波な可能性もあるからな。
長門さんと古泉はいいとしよう。だが、朝比奈さんのことは…残念だった。

「ということです」
と古泉が『物語』の終わりを告げた。
長門(以前の俺は『さん』付けでなかったようだ)は
湯飲みを取り、お茶をすすり始める。
「ごめんね、キョンくん。信じられないかもしれないけど」
信じられないですよ、朝比奈さん。
今のこの状況よりもその『物語』を信じていた『以前の俺』のことがね。

191 名前:5番煎じ[] 投稿日:2008/04/10(木) 18:45:22.54 ID:PpLiQoWH0

>>190

ということは、未来人である朝比奈さんが、俺の記憶喪失について知っていて
二人に相談した、ということでいいのですか?
と一応分かった振りをして質問する。
「はい。あ、でも長門さんは気づいていたみたいですけど」
と横目でちらりと長門のほうを見る。
それを聞いた古泉が、わざわざ朝俺を迎えてくれ、学校その他もろもろについて
説明してくれた、というわけか。
「さすがですね。そのとおりです」
でも、記憶喪失を防ぐことはできなかったのですか?
前から知っていたのでしょう。
「それは、規定事項だからです」
わけわからん。が、なんとなく分かる気もする。
どうすればいい?どうすれば記憶が戻る?
「今から取り戻しに行きます」
どこへ?
「えっと…昨日の夜のキョンくんの部屋です」
帰ろうかと思った。付き合いきれん。

192 名前:五番煎じ[] 投稿日:2008/04/10(木) 18:53:17.54 ID:PpLiQoWH0

>>191

俺が立つ前に長門が立ち上がる。
「……時間」
朝比奈さんがあわてて時計を見る。
「あっ、あっ、ホントです。急がなくちゃ」
もう頭が痛い。
俺は記憶喪失だぞ。
それだけで頭が痛いって言うのに、どうしてこんなことに巻き込まれなくてはいけない。
意味もなく叫びたい気分になってきた。
…しかし、よく考えると記憶が戻ったら俺はこんな奴らを相手にしなくてはいけないのか。
それはそれで、頭が痛い。
朝比奈さんの言うとおり、過去に戻れるなら、
高校に入りたての自分に出会って、関わらないように何時間でも説得するだろう。

「ごめんね。キョンくん」
声がしたと同時に目の前が歪みブラックアウト。
…もう…誰かかわってくれ。

199 名前:五番煎じ[] 投稿日:2008/04/10(木) 19:09:12.05 ID:PpLiQoWH0

ここからはカマドウマ展開で参ります

>>192

気づくと薄暗い部屋にいることに気づく。
古泉、長門、朝比奈さんも周りにいて、古泉は人差し指を立て口に当てている。
しゃべるな、ということだろうが、お前がやるな、気色悪い。
周りを見ると、朝起きた部屋と同じだと気づく。
ベッドを見ると、なんと俺が寝ていた。
え!?っと驚きの声を上げたかったが、長門の右手が素早く俺の口を押さえた。
次に長門は左手を前に出し、何事かしゃべり始めた。
早くて全く聞き取れない。途端に部屋が崩れ出した。
ここでも驚きの声を上げたかったが、口は長門の右手によってふさがれている。
そして、見渡す限り砂漠になった。

200 名前:五番煎じ[] 投稿日:2008/04/10(木) 19:11:31.66 ID:PpLiQoWH0

>>199

「もうしゃべってもいいですよ」
さわやかな表情で古泉が言う。
「キョンくん、大丈夫ですか?気持ち悪くないですか。」
朝比奈さんが心配そうな目をしている。
俺は、大丈夫ですよ、と答え周りを見る。

もう状況はさっぱりだ。ここはどこだ。
「位相がずれた異空間」
長門が答えるが、何のことかわからない。もっと分かるように説明してくれ。
「無理。あなたにはまだ理解できない。また、説明している時間もない…来た」
長門が指差した方向を見ると、そこには奇妙な物体…いや生き物か。
絵でしか見たことがないが、夢を食らう獏に近い。
「情報生命体の一種。人の持つ『データ』を食料としている」
『データ』というのが記憶のことか?
「そう」
夢じゃなく記憶を食べるのか。
じゃ、俺の記憶が食べられる前にやっつけてくれよ。
「それはできない」
なぜ?
「えっと、それは規定事項だからです」
長門ではなく、朝比奈さんが答えてくれた。
規定事項って。俺の記憶がなくなっちゃうんですよ。
「それは・・・記憶が食べられる前にやっつけてしまったら
 ここにいるキョンくんが存在しないことになってしまうので…」
さっきと同じくなんとなくは分かるが理解できん。
最初から『記憶を食べられる俺』がいないような未来にすればいいのではないか。

…そして気づいた。俺、今の状況を受け入れてるんだな。

202 名前:五番煎じ[] 投稿日:2008/04/10(木) 19:23:42.97 ID:PpLiQoWH0

>>200

「はい、食べられました」
と古泉がうれしそうに言う。
獏似の巨大生物…情報生命体だっけか、を見るとなんとなく満足した表情で心なしか腹が膨れている。
もういいだろ。
長門がうなずく。
どうやってやっつけるんだ。
「任せてください」
古泉が親指を立て、グッっとする。
もういい、さっさとやれ。

古泉の右手に光る赤い球。
何度も言うが、もう本当にわけわからん。
古泉はその球を下に落とし、サッカーボールの要領で蹴る。
ふんもっふ。
…掛け声がなんとも言えずださい。
そして球は…といえば外れてる。

その外れた球によりこちらに気づいた獏は突進してくる。
「はずしちゃいました」
手を頭に乗っけてすみません、と頭を下げる。
顔がにやけてるから心から謝っているのか分からん。
俺は逃げようとするが、背中をあわあわ言っている朝比奈さんに捕まれ動けない。
長門は全く動こうとしない。

206 名前:五番煎じ[] 投稿日:2008/04/10(木) 19:42:16.47 ID:PpLiQoWH0

>>202

先ほどと同じ方法、同じ掛け声で
情報生命体を狙ってボールを放つ。今度は命中。、
みるみるうちにガラスが割れたように散っていく。
「終わり」
長門がつぶやく。
「あとは元の時間軸に戻るだけですね。
 っと、その前に部屋の再構成がまだでしたね」
周りの風景も先ほどの情報生命体と同じように崩れ始め、元の部屋に姿を戻していった。
「さて気づかれないうちに退散しますか。
 では、朝比奈さん、よろしくお願いします」
と古泉が手の甲で口を隠しながら小声で言う。
「はい。…また失礼します」
立ちくらみかと思ったが、違った。
来たときと同じように俺は意識を失う。
…朝比奈さん、俺を何のために連れてきたのですか。

209 名前:五番煎じ[] 投稿日:2008/04/10(木) 19:53:01.83 ID:PpLiQoWH0

>>206

本日三度目の目覚め。
長門の家で寝ていたらしい。
3人はすでに起きていて、
というより痛い思いをしているのは俺だけかもしれないが、
お茶をすすっている。
おい、記憶戻ってないぞ。
「やっと目が覚めましたか」
古泉がこちらを向く。
記憶がまだ戻ってない。俺はもう一度言う。
「長門さんによると食べられた記憶が戻るには一日必要なようです。
 明日の朝には戻っているでしょう」
長門を見る。
長門はこちらに視線を向け、数ミリ単位で頭を動かした。
頷いた、ととっていいのだろうか。
「キョンくんばっかりごめんね」
朝比奈さんは、今日何度俺に謝っただろう。

そこで気がついたことがある。
ちょっと待て。情報生命体なんたらをやっつけて一日後に記憶が戻るんだったな。
「そうですよ」
今、やっつけてきたのは昨日の夜だったんじゃなかったのか。
ということは今日の朝記憶が戻ってもいいんじゃないか。
「違う。一日後というのはおよそ24時間後という意味。
 また、朝比奈みくるが言った昨日の夜というのは
 正確には今日の午前2時。つまり、記憶が戻るのは明日の午前2時ということ」
なるほどね。今情報生命体をやっつけてきたのは『昨日の俺』を助けるためか。
「そういうこと」

210 名前:五番煎じ[] 投稿日:2008/04/10(木) 19:59:52.31 ID:PpLiQoWH0

>>209

3人の『物語』を少しは信じてもいい気がしてきた。
いや、少しどころではない。
今日のことは夢だった、で済ましてもいいが、
今は記憶が戻ってくれるならその『物語』を信じてもいい。
ベッドにもぐりながらそんなことを考えていた。
結果は明日の朝になれば分かる。
記憶が戻る瞬間ってどんな感じなのだろう、
と思い睡魔と闘っていたが、無理な話だった。
当たり前だよな。
記憶喪失。
おかしな『物語』。
巨大生物との対面。
一日どころか一生のエネルギーを使ったといってもいいだろう。

つまりは、寝てしまったということだ。

215 名前:五番煎じ[] 投稿日:2008/04/10(木) 20:12:12.92 ID:PpLiQoWH0

>>210

昨日と同じように朝、目が覚める。
朝飯を食べ、学校へ向かう。
今日は家の前にタクシーが都合よく止まるなんてことはなかった。
急な坂道を登り、下駄箱前で谷口と挨拶をかわす。
教室に入ると、昨日と同じ格好、同じ場所に涼宮が座っている。
自分の席に座り、声をかける。

ポニーテール似合ってるぞ。

ハルヒは窓の外から俺に視線を移す。
両手を上にあげ、振り下ろす。机が大きな音を立て揺れた。
「何で昨日は言わなかったのよ!」
その後はいつものように怒られた。
記憶喪失かと思ったじゃない、とも言われた。
昨日あんなに疎ましいと思った怒鳴り声も怒った顔も
今日はなんだかうれしいぜ。

昨日いえなかった分もう一度言おう。
似合ってるぞ。


…ハルヒ、ただいま。


終わりです
長々と駄文失礼しました



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