ハルヒ「キョン! ……頭撫でなさいよ……」


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821 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/11(金) 00:07:41.29 ID:WUJgTj7Y0

「キョン!私の頭を撫でなさい!」
「…は?」
自然に口から出た第一声はこれである。
どうせまた突拍子も無い事を思いついたか、昨日見たテレビや雑誌にでも影響されたのだろうと呆れつつも、一応理由を聞
くことにした。
「何故俺がそんなことをせにゃならんのだ」
「頭を撫でてもらうと気持ちがいいってテレビで見たの。本当かどうか確かめなきゃいけないじゃない!」
…まぁそんなことだろうとは思ったよ。
「そんなことは聞いてない。俺が聞いているのは俺がそれを実行しなければいけない理由についてだ」
「バカね、そんなの決まってるでしょ?古泉君が今日バイトで来てないからよ!」
なら長門や朝比奈さんが居るじゃないか。
「駄目よ。異性じゃないといけないんですって」
はいはい、そうですか。
「もう、面倒くさい!団長命令よ、今すぐ頭を撫でなさい!!」
はぁ…、こうなったら手がつけられないのがうちの団長様の面倒なところなのだが、いっそこうなったら逆にハルヒが恥ず
かしくなるくらいに優しく撫でてみたらどのような反応をするのだろう?という悪戯心が俺の好奇心を刺激した。

823 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/11(金) 00:08:52.29 ID:WUJgTj7Y0

「よし、わかった。撫でてやるからこっちに来い」
ハルヒは一瞬目を見開き輝いた笑顔になったが、すぐにムスッとした表情に戻し、そっぽを向いて悪態をついた。
「し、仕方ないわね、ギブ&テイクよ。わざわざ団長が動いてあげるんだから、心をこめて撫でなさい。これで気持ちよく
なかったら死刑よ!」
ハルヒよ、お前の世界のギブ&テイクはギブとテイクがつりあって無くても成り立つんだな。というか、気持ちいいかよく
ないかなんて俺は知らんぞ?俺の発言でもないのにそれで生死が決定してしまうのか。不条理極まりない話だ。
と、そうこう考えているうちにハルヒが俺の隣に来てちょこんとしゃがみこんだ。
「ほら、早く撫でなさい」
さて、一体どのような反応を示すか少し楽しみだ。
ハルヒの頭を丁寧に、優しく、髪を滑らすように撫でてやった。
「ん、……んー…、む………ふふ………」
「………」
ハルヒは目を瞑り、まるで子供のようにあどけない表情になり、時折やや微笑んだ口からは静かな笑い声がこぼれた。
これは意外だ。ハルヒのこんな珍しい表情を拝めるなんてそうそうない。
俺の悪戯心も捨てたモンじゃないな。
珍しいものを見れたので満足した俺は、撫でるのを止めてハルヒに終了の言葉をかけた。
「ほら、終わったぞ。どうだ、気持ちよかったか?」
ハルヒは終わった事に気付かないでいたのか暫くその表情を変えなかったが、俺がそう告げるとハッと我に返りつまらなそ
うな顔をして立ち上がり、声高らかにこうのたまった。
「あ、あんまり気持ちよくなかったわ!この程度で気持ちいいなんてあのアイドルも大したことないわね!」
まったく、素直じゃないなうちの団長様は。まぁこれ以上何も命令されなければ俺は何も言うことなしなんだがな。
だが俺は次のハルヒの発言に言葉を失った。

825 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/11(金) 00:10:21.97 ID:WUJgTj7Y0

「キョン!次は、う、内腿を撫でなさい!」
「なっ…!」
…あの、ハルヒさん?今なんとおっしゃいました?
「何度も言わせないでよ!内腿よ、う・ち・も・も!こ、ここも気持ちいいってテレビで…」
たぶんそれは違う意味で気持ちいいと言ったんだと思うぞ、そのテレビの中の人は。
気が付けば長門もこちらをじっと観察してるし、朝比奈さんも困った表情でオロオロしながらこちらを見ている。
ああ、朝比奈さん、俺は別にやましい事をしようとしているわけではないのですよ。だからそんな目で俺を見ないでくださ
い。
「さあ、早く!」
そう言うとハルヒはやや足を広げ、仁王立ちの状態で俺の前に立ちはだかった。
これはもう、引くに引けない状況だと悟った俺は、意を決して言うことを聞くことにした。
「わ、わかった。撫でる、撫でるからそんな睨むな。こ、これはお前が言い出した事だからな?後で変態だとかセクハラだ
とかわめくなよ?」
「いいから早くしなさい!」

826 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/11(金) 00:11:46.14 ID:WUJgTj7Y0

恐る恐るハルヒの内腿に手を伸ばす。
「スカート捲ったら、死刑なんだから…!」
「………」
緊張しつつも、内腿に手をあてそっと撫でてやる。
「んんっ…!………ん……んぅ………んっ………はぁ………うぅんっ!…………」
室内にハルヒの悩ましい声が響く。
長門も朝比奈さんも見ているというのに、ハルヒは顔を紅潮させて、おそらく、興奮している。俺は俺で、俺も健康な男子
高校生だったようで、そのハルヒの口から漏れる声に興奮していた。
流石にこれ以上はヤバイと判断した俺は、そっとハルヒの内腿から手を引いた。
「あ…」
ハルヒの口から小さく、残念そうな声でそう聞こえた、気がした。
「………………」
静まり返った文芸部部室のなんと気まずいことか。
「こ、これも大したことなかったわね!あ、あはははは!」
沈黙を破ったのは、その沈黙を作り出した張本人、涼宮ハルヒその人であった。
なんとなく空気が良くなったような、そうでないような微妙な感じの時にまたもやハルヒはこの俺に命令してきた。

828 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/11(金) 00:13:04.25 ID:WUJgTj7Y0

「こ、今度はむ…胸を撫でなさい!」
「ぶっ…!」
はいかしこまりました喜んで、と自分の胸を撫で下ろす俺…という落ちでは済まないだろその発言は!いったいハルヒは何
を考えているのか…
「こ、これもテレビで…」
「いい加減にしろ!」
ハルヒと同時に朝比奈さんまでもがビクッと反応する。
「そんなに俺をからかって楽しいか?人をおちょくるのも大概にしろ!そうやって俺が困るのを見て楽しむんだろ!?」
「わ、わたしは、ただ…」
「言い訳なんて聞きたくないね。人を困らせて喜ぶなんて最低だな!もうお前の言う事は聞かないからな!」
「……………」
シンと静まり返った室内は先程同様、気まずい空気が流れていた。ハルヒは俯き、俺の側に佇んでいた。
「…わかったわよ」
そう言うとハルヒは俯いたまま、部室のドアを力いっぱい壊れるんじゃないかと思うほどの力で閉め、走り去ってしまった。
「……………」
再び部屋の中は嫌な沈黙に包まれ、3人とも閉められたドアを呆然と見ていた。
俺は間違ったことは言ってないはずだ。なのに、それなのに何故か胸がキリキリと痛くて仕方ない。
…あいつ、泣いてた、かな。
「あの、キョンくん…」
「追いかけるべき」
ああ、わかってる。わかってるんだが…
「涼宮さんはきっと悪気があってやった訳じゃないと思うんです。だから…」
「あなたは、涼宮ハルヒを、追いかけるべき」
…そうだな。こうしていてもラチがあかない。スッキリさせるためにも追いかけていってやるとするか!

831 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/11(金) 00:14:50.86 ID:WUJgTj7Y0

「いってらっしゃい、キョンくん」
「………」
二人に見送られ、俺は部室を飛び出した。
といっても、ハルヒは一体何処に行ったんだ?ええい、こういうときは屋上と相場が決まっているよな、うん。特に行くあて
もないのでとりあえず屋上から行ってみる事にした。
「………」
まさか一発目で当てるとは。俺の感もなかなか冴えてるじゃないか。
ハルヒは目を潤ませ、今にも泣きそうな顔で手すりにつかまっていた。
「ハルヒ…」
「な、キョン!?な、なによ、一人にしておいてよ!」
ハルヒはこちらに背を向け、少し鼻声でそう言った。
「俺はもうお前の言うことは聞かないって言ったぜ」
「………」
意を決して、俺は思ったことを全て吐き出す事にした。
「悪かったよ、怒鳴ったりして。俺もちょっと言いすぎた。でも俺も健康な男子高校生だ、あまり変なことをさせると、その、
歯止めがきかなくなる。だからあんまり変な命令はしないでくれ。と言ってもいつも無茶な命令ばかりだけどな。それでも可
能な限り、ある程度、たまには、お前の命令を聞いてやってもいいぞ?だから、その、戻ってきてくれ。団長あってのSOS団
だろ?俺たちにはお前が必要なんだよ!だから、な?機嫌を治して一緒に帰ろうぜ」
「だったら、私の言う事、聞きなさいよ…」
「おう、何だ?可能な限り聞いてやるぞ!」

「キョン! ……頭撫でなさいよ……」


fin

859 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/11(金) 01:05:18.46 ID:WUJgTj7Y0

反応してくれた人ありがとう。正直スルーされるか叩かれると思って恐怖と寒さで指が震えてたよw
折角だからお礼も兼ねて何か…

冬、外の待ち合わせ場所で他団員を待っている二人
ハルヒ「寒いわね…。キョン!なんとかして!」
キョン「なんとかって…」
ハルヒ「そうだ、あんたのコート貸しなさいよ!」
キョン「冗談じゃない。それじゃあ俺が凍え死ぬ」
ハルヒ「じゃあ何か暖まる方法を考えなさい!」
キョン「ん〜…」
ハルヒ「何よ、うなってないで早く思いつきなさいよ!」
キョン「…」
ハルヒ「な、なによ」
キョン「…」
キョン、コートの前を開けハルヒを包み込む
ハルヒ「な、何をするのよ!」
キョン「仕方ないだろ、俺にはこれしか思いつかんかった。…嫌か?」
ハルヒ「い、嫌に決まってるじゃない!嫌、だけど…寒いのはもっと嫌だから
    今は仕方なくこうしていてあげる…///」
キョン「だよな、仕方ない、よな…///」
ハルヒ「みんな、来ないわね…///」
キョン「そう、だな…///」

みくる「出て行きずれぇよwwwww」
古泉「困ったものです」
長門「今すぐ介入すべき」

899 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/11(金) 02:19:50.95 ID:WUJgTj7Y0

これはスレが3日落ちする前にがんがん書き込んじゃってもいい流れか?

>>831の続き気味に
屋上、柵に寄りかかるキョンと向かい合うハルヒ
キョン「ほら、撫でてやるよ」ナデナデ
ハルヒ「ん…ん〜、んー!キョーン♪」
キョン「うおっ、飛びつくな、危ないだろ、こら、ハルヒ!」
メキメキ…ガシャン!(柵が壊れる)
キョン「うわぁっ!!」
ドンッ(ハルヒを突き放す)
ハルヒ「えっ…」
キョン「ハルヒ、お前だけでも…」
………グシャ
ハルヒ「え…嘘でしょ……キョン……ねぇ、…キョン………」

ハルヒ「キョーーーーーンっ!!!!!」
キョン「うおっ、な、なんだハルヒ?」
ハルヒ「え?ゆ、夢…?」
SOS団、部室内
ハルヒ「夢、だったのね…はは…」
キョン「どうしたんだ?顔が青いz」
ギュッ!!
キョン「おふっ!」
ハルヒ「よかった!夢でよかった!生きててよかった!!」
キョン「ハルヒ、ちょ、苦しい…」
ハルヒ「…ハッ、………な、なんでもないわよ、バカ!バカキョン!///」
ハルヒ「(ホントに…よかった……///)」

909 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/11(金) 02:31:46.59 ID:WUJgTj7Y0

>>889のキョンサイド

ガチャ
キョン「ん?まだ誰も来てないのか?」
ハルヒ「zzz」
キョン「…と思ったらハルヒが居るじゃないか。寝ていて気付かなかったぜ」
SOS団、部室内
キョン「こうして静かにしていると可愛げもあるってもんなんだがな…」
ハルヒ「zzz…ん〜…」
キョン「ん?なんかうなされてるな」
キョン「……………頭、撫でてみようかな………」
キョン「…はっ、何を考えているんだ俺は」
キョン「でも少しくらいなら………」
キョン「そーっと、そーっと……」

ハルヒ「キョーーーーーンっ!!!!!」
キョン「うおっ、な、なんだハルヒ?」
ハルヒ「え?ゆ、夢…?」
ハルヒ「夢、だったのね…はは…」
キョン「どうしたんだ?顔が青いz」
ギュッ!!
キョン「おふっ!」
ハルヒ「よかった!夢でよかった!生きててよかった!!」
キョン「ハルヒ、ちょ、苦しい…」
ハルヒ「…ハッ、………な、なんでもないわよ、バカ!バカキョン!///」
キョン「(なんだかわからんが、少し得した気分だな)」

929 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/11(金) 02:50:38.85 ID:WUJgTj7Y0

ハルヒ「キョーン♪」ナデナデ
キョン「うおっ、な、何すんだハルヒ、やめろよ」
ハルヒ「あ…ごめ、ん……」
キョン「あ、いや…」
ハルヒ「………」
キョン「………」
ハルヒ「………」
キョン「そ、それは俺の役目だろ!?」ナデナデ
ハルヒ「な、なによ、別に私がやってもいいでしょ!?///」
キョン「たまに、だったら、この役目譲ってやるよ///」
ハルヒ「な、き、キョンのくせに生意気よ!///」



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