真紅の代わりにこなたがきたようです


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 03:02:57.63 ID:mAMcEtoD0

J「ふふふ、呪いの七色ワラ人形、今なら2つセットでおまけします、
か。買いだな。あ、っとは…。」
の「JUMく〜ん、また手紙と宅配が〜〜」
J「早く持ってこいよ!それと、居間にあるやつは今日中に
クーリングオフしなきゃいけない奴なんだからな!」
の「ふええええ〜〜ん。JUMくん〜、いい加減通販で
呪いの人形とか買うのよそうよ〜」
J「うるさいな!つべこべ言ってないで早く持ってこい!」
の「こ、これで全部だよぉ」
J「ったく、使えない奴だ。えーと、
『おきます』『おきません』
へへ、なんか変わったハガキだけど…キュッキュッ

(おきます)  おきません

これでよし、と。お、こっちは特注牛の刻に光る五寸釘かぁ!
買いっと!」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 03:07:43.74 ID:mAMcEtoD0

の「ね、ねぇJUM君…、お姉ちゃんJUM君の趣味にとやかく言う気はないわ。
でもね、もっとアクティブな趣味のほうがいいと思うの。
ほら、例えばほら、ラクロスとかどうかな?」
J「…ブンブンッ」
の「そ、そうそう〜。楽しいでしょ?ね?」
J「ふん、こんなもの」
の「あ、JUM君〜」

J「全く、鬱陶しい奴だ。あー、お茶漬けのりー、居間のやつクーリングオフ出しとけよー」
の「じゅ、JUM君…」
J「ふぅ、こんなもんかな。さて、あとはvipスレ覗いて……ん?」



J「なんだこれ?星型の、棺おけ?いつの間にこんなもんが…」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 03:11:45.94 ID:mAMcEtoD0

J「しかもやったらでかっ。開く…のか?」

カチャリ

J「お、開いた。そうだ、もう一度ハガキを。
なになに?『貴方の元に幸せをお届けします。開けたら添付されたものを
頭につけてください』か?ま、呪いの人形にしちゃ凝ってるな。どれ、
開けてみるか」

ギギィ…

J「開いたのうwwww開いたのうwwww…って、これ、女の子?
でも、人形、なんだよな?しかし…よくできてるな。人間じゃないのか?」

ペシペシ

「この青い髪なんか、手触りが全然べたついてないし、本物そっくりじゃないか。
ん…、そういえば、添付のものがあるんだよな。えっと…」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 03:15:38.32 ID:mAMcEtoD0

J「な、なんだこれ?ヘアバンド?いや、髪の毛か。青いし。
これを…どうするんだ?頭っていったって…」

ペタペタ

J「えーと、あっ、真ん中に穴が空いてるな。ここに差し込むのかな?」

スポッ

J「これで、動くはずだが…。ん、動かないぞ。おい、動けよ!
おい!おいってば!
…ちっ、こいつもクーリングオフかな…おーい、韓国のりー!」
?「…んっ、んんっ…」
J「…!?い、いま声が…」
?「カタカタ…カタ、……パチッ」
J「な、目が…開いた…?」
?「…、…」
J「な、なんだよ?」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 03:18:55.77 ID:mAMcEtoD0

ペシッ

J「痛ぁ!こ、こいつ!何しやがるんだ!」
?「なんだよぉ、今度の家来は男の子か…。そんな顔近づけないでよ」
J「は、はぁ?…ていうか、喋ったぁぁ!?」
?「ねね、名前は?」
J「ちょっ、お前なにものだよ!人形じゃないのか!?」
?「いいから、名前は?」
J「じゅ、JUM…、桜田JUMだ」
?「そうかぁ。私はこなた。らっきーめいでんの第5ドールだよ」
J「は、はぁ?なんだよそれ?っていうか、なんで喋れるんだよ?」
こ「うるさい家来だなぁ。あぁ、そうだJUM」
J「人の話を聞けっ!」

こ「チョココロネを持ってきて」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 03:21:26.48 ID:mAMcEtoD0

J「ちょ、チョココロネ?」
こ「あれ、知らないの?うん○みたいな形してて中にチョコが」
J「知ってるよ!つーか平気でそんな言葉言うなよ!」
こ「はぁ、うるさいなぁもう。…とことこ。……ん、んんっ」
J「こら、勝手に歩き回るな!ここは僕の部屋だぞ!」
こ「……っ、…くっ…」
J「……、ははーん、お前まさか、ドアに手が届かないんだな」
こ「じゅ、JUM」
J「なんだよ?」

こ「抱っこして」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 03:24:31.69 ID:mAMcEtoD0

Shift押しだるいんでjでいいか

j「こ、こうか?」

べしぃっ

j「いってぇ!そのアホ毛で叩くな!」
こ「なんだ、女の子の抱き方も知らないんだ。まったくもう…」
j「どど、どうすんだよ!」

j「…あの、なんでおんぶなの?」
こ「ん?なんとなく」
j「普通に抱くのはなんでダメなんだよ」
こ「さぁねぇ。男のマスターは初めてだし、なんかヤだった」
j「意味わからん…」
こ「そこで下ろして。早くチョココロネちょうだい」
j「ったく、勝手なこと言いやがって…チョココロネなんかあったっけなぁ」

ゴソゴソ…

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 03:29:21.06 ID:mAMcEtoD0

j「お、あったあった。のり茶漬けのやつ、たまには気が利くな」
こ「…ばろばろ探偵か。興味深いな」
j「おいこなた!持ってきたぞ、ほれ」
こ「袋から開けてよ」
j「そのくらい自分でやれ」

…ごすっ

j「いってぇぇぇ!!!」
こ「まーだ自分の立場がわかってないみたいだねぇ」
j「…くくく、この暴力人形め」

パリパリ

j「ほらよ、そこのコンビニで買った奴だから、味の保障はしないぞ」
こ「どうもどうも。あむっ…もぐもぐ。…うん、確かにあんまり美味しくねいね」
j「頼んでおいて、ったく」
こ「パン生地も安いものだし、長時間放置されてへにゃへにゃになってるし、
チョコクリームも無添加のものじゃない。しかも出来たての温かさがない。
これじゃチョココロネとは言いがたいね」
j「はいはい、悪かったね」
こ「でも、食べると安心する味だね。この素朴さも、悪くないかな」
j「(生意気な奴だけど、そういう顔すれば普通にかわ、可愛いのにな…)」

こ「……!来る!」
j「へ?なにが?」

ガシャアアアアン!!!!

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 03:32:53.89 ID:mAMcEtoD0

j「な、なんだぁ!?」
こ「JUM、こっちに!」
j「うわっ!…ってなんだあの人形!?」
こ「セバスチャンの人形…やっぱり」
j「あれ、なんだ、顔は変だけど普通のにんgy
セ「……ひゅっ!」

ゴスッ

j「……、ハガキが壁に!?」
こ「あれはただの人形じゃないよ」
j「え、いやぁ、手の込んだ芸だよね、はは」
セ「ヒュンヒュン」

ドスドスッ

j「ひぃっ!」
こ「あの人形は、君を殺しに来たんだよ」
j「え!?な、なななんで!?」
こ「私を持ってるから。らっきーめいでんの持ち主は、命を狙われちゃうの」
j「そ、そそそそんなぁ!」
セ「ヒュン」

ピシッ

j「あ…あああああ…」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 03:35:51.36 ID:mAMcEtoD0

セ「…すらっ」
j「ひっ、は、ハガキだったらまだいいけど、それはダメだ!死ぬ!!」
こ「そだね。このままじゃ、君死ぬね。だから、死なない方法を教えてあげる」
j「な、なななんだよ!?」
こ「契約を結ぶの。ここ、泣きボクロに契約の証を」
j「け、けけけ契約ってなんだよ!!?」
セ「ヒュンッ」
こ「くっ!」

カキンっ

j「ひ、ひいいいいい!」
こ「早くして。でないと、死ぬよ?」
j「く、くっそおおおお!わかったよ!す、すればいいんだろ!」
こ「早く!」
j「くっ……」

チュッ

こ「…いいこだね、JUM」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 03:37:09.52 ID:mAMcEtoD0

パアアアアッ!!!

j「な、なんだ?」
こ「さて、ミーディアムが出来たところで、反撃開始だね」

                      ,ィ, ------ 、
            , . :―――: . 、. . {:/         \    r――ァ,ィ= 、 r― 、 r―‐ァ‐ァ ,ィ==ァr 、 rァr―‐ァr― 、
             /: : : : /: : : : : : : : : :ー┐     \   ^| l⌒{ { } } | }_)_} | 「_´ | | { { ___| トヽl | | 「_´ | }_)_}
            /: : : : :/: : : : : : : : : : : : : :/⌒ニ= 、    ヽ  | 「 ヽ'._'ノ | | \│廴_.| | ヾ、 7.{| | ヽ j│廴_.| | \
          ′ : / : : : : : : : ,イ: :/ : / : : : \ \   /ニニニニニニ二二二二二二二二二二二二二二二二二二
        |: : ,イ〃: : : : _ / //j: : :,イ: : : : : : :\  / '⌒}  「|)) / r――――――――――――――──―
        |: ://: : : : />x ' / : / |: : : : : ヽ: : ヘ /   , 廴. |」  / /
        レ': :/: :, :イ圷アfァ /: /≦: : : : }: :ヘ\ハ 7二二二二二ノ    , ィ――イ ̄ヽ/^^^^^^^^ー―ァ
        / V:':イ^V :| 弋zリ //んア/ : : : j\:ハ ヽ}  ___      ≦  ̄           /          /ィー- 、
         ,イ : : ーヘ :|xx ,  /  ゞ' {:j:∧: / ̄.V    / / ̄ ̄ ̄ ヽー 、          j             /
       / : : : : : ∧{  ー、_,   x‘j / j/ ∨ ハ    / ,   (⌒ ー┘  \     , ィv、_y、__        /
.       / : : : : : : ://, ィ≧ー---=≦´:ハ     ∨ ハ  / /ヽ、_  ̄ `ヽ  /⌒ヽf^^´      `^^"'ァ   /
      /: : : : : : : //     \: /つ `ヽ.ィf⌒ヽ ∨ ハ/ /┌‐┐ ̄ )  }      {    /    j  }  /
     ′ : : : : : //      ≧ーイ^ く \\ノ ∨   /  \ ー '  ノ      ノ  ヽ /      〉 {  」
    /: : : : ,イ: //              \ ヽ }    ̄´      ー― '       ヽ ━j ヽ ━━    V´-}
.   /: : : ///┘               }/                        〈x  |    xxxr―'  /
   ム イー―、rァ .ィァ ,ィr== 、 r 、 rァ ィヵ r=rァ=ァ ィヵ                   {   !       | f`ーく ___ , ―― 、
         | レ' < { {  } } | ト\l | // ハ   | |   // ハ                    ', , ―― 、     |  /:/
         | 「\ヽヽ'. __ノノ | | ヽ. j/,厂 ハ │! / 厂 ハ       __{⌒ヽ x‐、  }       __ノ  /:/ {
二二二二二二二二二二二二二二二二二二ニニニニニニヘ     /   r-く./ /  `ー―r―‐イ/  /ァ'⌒ヽー 、
――――――――――――――─── 、ハ イ|  「|))  ',   /  ヽ ヽ  /     _ >   {  イ´ /    ヽ_
                          V ヽ l」  |」     ',  {  ヽ /{  } ,  ' ⌒ 7:| {    / { /
                             ヽ、二二二二{ ̄   }≧ー'   ィ-/     {::| f--≠┐ rヽ   /

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 03:41:11.04 ID:mAMcEtoD0

こ「ふんっ」

バキッ ドッシャアアアアアッ!!

j「す、すごい…」
こ「伊達に通信空手を習ってないよ」
セ「すらっ」
j「ひぃ!ここ、こなた!あれはやばいって!あれは!」
こ「黙ってて。君がいれば、こんなもの」
セ「ヒュンッ!」

パシッ

こ「ふんっ!」

ビキビキ…バキィンっ

j「す、すごい…あれを、握りつぶした!?」
こ「さて、遊びはこんなもんにして、いい加減黙ってもらおうかな。はっ!」

ドガァァッ!

j「ま、回し蹴り…」
セ「………」
こ「さてと、仕上げだね。よっと。シャアアアアア」
j「あ、アホ毛から何か出てる?」
セ「…っ!…っ、……っ」
こ「はい、おーしまい」
j「お、終わった…のか?」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 03:48:48.75 ID:mAMcEtoD0

j「おいこなた!今の…うっっ!」
こ「あれれ?あのくらいでバテたの?体力ないんだね〜」
j「そ、そんなことより!何したんだ今の?」
こ「ふぇ?正拳付入れて回し蹴りを」
j「だーかーら!そのアホ毛から出したやつだよ!>>19じゃないけど
僕もわけわかんねぇよ!」
こ「ん、あぁ。この人形、誰かに操られてたみたいだから、
私の人工精霊のアホーリエで浄化したんだよ」
j「じ、人工精霊?」
こ「ま、簡単に言えば使い魔みたいなものかな。
で、JUM?」
j「な、なんだよ?」

こ「訊きたいのはそれだけ?」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 03:59:31.59 ID:mAMcEtoD0

j「いや…っていうか、お前何者なんだ?ただの人形じゃないだろ。
なんでそんな力があるんだ?」
こ「らっきーめいでんのこと?まぁいいか。ミーディアムになったんだから、
教えてあげるね」
j「そのミーディアムってのも気になるんだけど」
こ「ミーディアムっていうのは、私、らっきーめいでんに力を与える人のことをいうよ。
今はJUMだけどね。で、らっきーめいでんていうのは、『嫁』になるために
生まれた存在なの」
j「嫁?」
こ「そ。7体までいるらっきーめいでんの中で、最もVIPPERの中で『嫁』
に相応しいドールを決めるの。それが『萌えドリル』ね。
私達は、萌えドリルで嫁になるために生まれたの」
j「そ、そうなのか…って、お前のようなやつがまだ6体もいるのか!?」
こ「そだよ。今更気づいたの?」
j「なんだよそれ…。意味わかんねぇ」
こ「ま、契約しちゃったからにはもうJUMは私の手となり足となるしかないんだけどね」
j「お前ちょっと待て…、ん?なんか目の辺りがムズムズする…ってなんじゃこりゃああ!」
こ「契約した証拠だよ。これで私とJUMは泣きボクロ仲間〜♪」
j「ふ、ふざけるなあああああ!!!」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 04:06:20.92 ID:mAMcEtoD0

の「JUM君〜、ってあら?その子…」
J「げげっ!塩のり!」
の「あら〜可愛いわね〜。お人形さん??」
こ「君、名前は?」
の「私?桜田のりよ。あなたはなんていうの?」
こ「私はこなただよ。しばらくここに住ませてもらうよ」
j「はいはい…ってちょっと待てええええ!!!」
の「え?え?JUM君、そういう趣味があったの?で、でも大丈夫!
年頃の男の子がそういうの好きなの、本で知ってるから!」
こ「あーあ、久しぶりに動いたらお腹空いちゃった。JU-M、チョココロネちょうだい」
の「あ、ということは、家族が増えるってことなのよね?
あぅ〜、お姉ちゃん嬉しい〜、今までJUM君と二人っきりだったから
寂しくて〜、こなたちゃん、よろしくね〜」
こ「そんなことよりチョココロネ〜」
j「ふ、ふ、ふ…」
こ「あぅ、出られないよこれじゃ。JUM、だ〜っこ」
の「今日はこなたちゃんの歓迎会ね♪お姉ちゃん気合いれてお料理作らなきゃ♪」
j「ふ…

ふざけるなああああああ!!!とっとと出てけーーーーーーーー!!!!」


かくして、桜田JUMの新しい生活が始まったのであった

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 04:10:44.45 ID:mAMcEtoD0

?「……ッ、ぐすっ」
??「はぁ、はぁ…ただいま、ゆたか。遅くなってごめんね」
ゆ「巴…、遅いよぉ」
と「ごめんごめん、部活が遅くなっちゃって」
ゆ「じゃあ、髪梳かして。巴上手だもん」
と「うん、わかった…」

すっすっ

ゆ「んふふ、巴のそれ、すっごく気持ちいいな」
と「ありがとう、ゆたか」
母「ともちゃーん、ちょっといいかしら〜」
と「あ、はーい。ごめんねゆたか、少し待ってて。この中で大人しくしててね」
ゆ「え、また行っちゃうの…?またゆたかを独りにするの…?」
と「ごめんね、すぐ戻るから…」

ゆ「う…寂しいよぉ……」

ギギィ…パタンッ

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 04:16:45.24 ID:mAMcEtoD0

-明けて

と「じゃあゆたか、夕方には帰るから」
ゆ「うん、絶対だよ?忘れちゃ、嫌だよ?」
と「うん、じゃあ、行ってきます」

パタン

ゆ「早く、夕方にならないかな…」

の「小倉屋の!新作カスタードコロネ!ねね、食べてみて♪」
こ「…チョコがよかったんだけどな…」
の「ふぇ?」
こ「チョココロネにしてよ。私カスタードあんまり好きじゃないんだもん」
の「は、はい…っ」
こ「ふぅ…さすが姉弟、役に立たないところは同じなんだね」
j「…言うな」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 04:20:50.43 ID:mAMcEtoD0

こ「ねぇJUM、寒いんだけど」
j「お前が開けたんだろ!こっちだって困ってるよ!」
こ「私がやったわけじゃないし。…はぁ、しょうがないな。ほら」

ピクピクッ

j「(あのアホ毛は触覚か?)」

ピキピキッ…ピキ

j「す、すげぇ、元通りになったな」
こ「これでいいでしょ。じゃ、チョココロネ買ってきてよ」
j「…くそ、お前が来なきゃこんなことには…」

の「はぁ、やっぱカスタードじゃダメか…。あら?」
と「こんばんは。これ、学校で配られたプリントです」
の「あらあら、わざわざありがとう。ね、お茶でも飲んでいかない?」
と「…用事がありますので」
の「い、いいじゃない、お茶くらい〜」
と「……わかりました」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 04:29:47.93 ID:mAMcEtoD0

と「…ふぅ」
の「ほら、こっちこっち。小倉屋のカスタードコロネなんだけど、ど、どぉ?」
と「……」
の「あ、あははは…はは」
と「そろそろ、失礼します…あっ…」
の「と、巴ちゃん!?しっかり!」
と「だ、大丈夫です…」
の「ダメよ!少し横になってて、お茶いれてくるから」
と「はぁ…はぁ…(ゆたか…ごめん、また遅く…なっちゃうかも)」

と「色々、お世話になりました」
の「いいのよ〜、いつでも来てね」

j・と「…あっ」

と「……」
j「……」
と「……。」
j「…っっ!!」
の「巴ちゃ…あ、JUM君!」

ダダッ

と「…お邪魔しました」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 04:33:15.13 ID:mAMcEtoD0

こ「ん?アホーリエ、どこに行くの?」
アホ「ぶ〜〜〜ん」
こ「…?」
j「……」
こ「JUM、また寝て…」
の「こなたちゃん、ちょっと」

の「今日は、私と一緒に寝ない?」
こ「ふぇ?どして?」
の「JUM君、時々ああなっちゃの。そういう場合、しばらく放っておくのがいいって
あったから。だから、ね?」
こ「ん、わかったよ」
の「あ、ありがとう、こなたちゃん」
こ「でも…」
の「ん?」
こ「本当に、それでいいのかな」
の「え?」
こ「本当に、それでJUMのためになるのかな」
の「……」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 04:41:18.34 ID:mAMcEtoD0

―夜

ゆ「うそつき…巴のうそつき…」
と「ごめんなさい、ちょっと遅くなっちゃって…」
ゆ「夕方には帰るって言ったのに…やっぱり巴もうそつきさんだ」
と「ゆ、ゆたか…」
ゆ「前の人もそうだったよ。みなみちゃんと無理矢理戦わせて、
それ以外あたしのこと全然構ってくれなかった。棺おけに入れて、
そのままどっかに行っちゃったし…巴も、一緒だよ」
と「ご、ごめんゆたか!今度はちゃんと帰ってくるから!だから」

母「ともちゃーん、ご飯よ〜」

ゆ「…行っちゃうんだ」
と「え?」
ゆ「いっつもそうやってあたしに嘘ばっかいって、結局は行っちゃうんだ」
と「ち、違うの!ゆかた!」
ゆ「もう、ずっと一緒にいよ?巴…」
と「あっ…だめ!やめてゆたかぁ!」
ゆ「もう、ずっと一緒だから…」
と「いや!いやああああ!!!」

母「ともちゃ〜ん?」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 04:44:09.86 ID:mAMcEtoD0

アホ「ぶーーーーん」
こ「あ、アホーリエ、一体どこに…え?そう、そうかぁ、やっぱり」
アホ「ブーンブーン」
こ「窓?それくらい自分で…」
の「はぁ、さっぱりさっぱり…あ!流れ星!待てぇぇガツーン!!!
はぅorz」
こ「ねぇ、のりのり〜」
の「は、はぃぃぃ」
こ「この家に、同人誌はないの?」
の「ど、同人誌〜?」
こ「ぶっちゃけ紙ならなんでもいいんだけど」
の「あ、じゃあこのキッチンペーパーでいい?」
こ「……もうちょっと大きく切って」
の「あ、はい。ビリビリッ」
こ「うん、OKかな。ちょっと出かけてくるよ」
の「…!?え??え??」
こ「ミーディアムがいないと30分は限度だけど、ね」
の「JUM君には…言ったの?」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 04:48:34.13 ID:mAMcEtoD0

こ「ん?放っておくのがいいんでしょ?」
の「それは…本に書いてあったから…」
こ「のりりん、JUMのことを一番わかってるのは、
本じゃないと思うんだ」
の「…!」
こ「一番ダメなのは、独りのままダメになっていくことだよ。
放っておくのも悪くはないけど、やっぱりみんなで楽しくが一番だよ」
の「そ、そうだけど…」
こ「とりあえず、のりりんはJUMのところにいてね。
放っておいたままだと、取り返しのつかないことになりそだしね」
の「……ねぇ、こなたちゃん」
こ「ん?」
の「えと、同人誌、何が好きなの?」
こ「そうだな〜、今はハルヒかな。百合系がいいかも」
の「そ、そう…JUM君が起きたら、頼んでみるわね」
こ「ん、ありがとぉ。じゃあいってきます」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 04:55:06.10 ID:mAMcEtoD0

と「こ、ここどこなの?」
ゆ「巴は、ここでずっとあたしと一緒にいるんだよ。
もう独りにしちゃ嫌…」
と「ずっとって…そんなことできるわけ…」
ゆ「また、嘘つくんだ。ずっと一緒にいてくれるって言ったのに…
ゆたかのこと嫌いなの?」
と「き、嫌いじゃない!…けど、けど、こんなの違うよ、絶対違うよ」
ゆ「あ、…ともえ、行っちゃだめええええ!!!」
と「あっ…!く…っ」
ゆ「もう、どっかに行っちゃ嫌だよ…みなみちゃんみたいに…」
と「う…うぅっ…」


こ「こりゃゆーちゃん!ちょっと待ちなさい!」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 05:01:20.76 ID:mAMcEtoD0

ゆ「え?お、お姉ちゃん!お姉ちゃんなの!?」
こ「久しぶりだね〜ゆーちゃん。元気?」
ゆ「お姉ちゃん、お姉ちゃんも私と一緒にいてくれるの?」
こ「え、違うよ?私は萌えドリルをしにきただけだし」
ゆ「え…っ?」

白石「ここで萌えドリルの簡単な解説だー!
らっきーめいでんは、互いの『萌え魂』を競って戦うのだ!
勝ったドールは相手の萌え魂を手に入れることによってぇ!
みんなの『嫁』に近づくことができるのだ!
それがぁ!らっきーめいでんの宿命っ!そこに萌えるぅ!憧れるぅ!」

こ「そういうことだよ。そこのミーディアムさんと一緒にいたいなら、
私を倒せばおけーじゃん?それとも、ゆーちゃん私に勝つ自信ないのぉ?」
ゆ「う…う…ばかぁ…お姉ちゃんの…ばかぁ!」

ビキビキッ!
地から双頭の赤い閃光が突き出た

こ「ん!っと。相変わらず変わらないねゆーちゃんは!」

しかし、こなたは余裕の与太郎で回避した

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 05:07:02.87 ID:mAMcEtoD0

赤い閃光は二つでは済まない
ゆたかの怒りによって、縦横無尽にこなたの心臓目掛けて突き進む
しかし―

こ「結局いつも同じ攻め方だね!それじゃあ私の萌え魂を取ることはできないよっ!」

既に閃光の出場所がわかっていたこなたは、それを蹴りで粉砕する

ゆ「そんなことないもん!ここは、あたしの世界、あたしに有利に戦えるんだよっ」
こ「ん!?」

変化が訪れた
こなたの周りを取り巻いていたにゃもー(尻尾しかない猫のようなもの)
が、突如こなたを包囲したのだ

こ「くっ…!これは、予想GUY!」
ゆ「ふふふ、動けないでしょ、いっけえええ!」

身動きが取れないこなたに向かって、赤き裂光が炸裂した

ゆ「や、やったぁ!勝ったよぉ!」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 05:13:09.22 ID:mAMcEtoD0

こ「なーに勝利宣言してんのさ」
ゆ「う…ど、どうして?どうして効いてないの?」
こ「このアホ毛、タイミングよく使えばゆーちゃんの攻撃を吸収できるんだよ。
だから、ちょっとパワーアップしたもん♪」
ゆ「そ、そんな酷い仕様だったなんて…むぅぅー!」
こ「…っ!?」

しかし、こなたの余裕はそれまでだった
にゃもーの持つ長い尻尾が、こなたの身体を締め上げたのだ

こ「くっ…!このくらい、いつもだったらなんてことないのに…!
ミーディアムがいないと、そうもいかないか…」
ゆ「うふふ、お姉ちゃん、とどめだよ!」

ゆたかの閃光が、一直線にこなたへ走った
狙うは、萌え魂のある左胸
それは、完全に捉えた  はずだった

こ「…っ」
ゆ「ど、どうして?」

にゃもーの姿がかき消える。物理法則に従って、
こなたの身体は地に落ち、閃光は目標を失ったまま、虚空へ消えていった

と「はぁ…はぁ…っ!」
こ「あーあ、ゆーちゃんミーディアムの力使いすぎだよ、このままじゃ死んじゃうよ?」
ゆ「……え?」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 05:19:37.00 ID:mAMcEtoD0

ゆ「巴、巴!ダメ!死んじゃいやぁ!」
こ「ゆーちゃん、そのミーディアムを救いたいなら、わかるよね?」
ゆ「う、うん…」

ゆたかの唇が、巴の足に触れた
…ちょっとだけ、巴の背が伸びた

ゆ「あたしの、負けだね…。いいよ、お姉ちゃん、あたしの萌え魂、あげるよ」
こ「ん、早まんないで、ゆうちゃん、萌え魂もらうかは私が決めるよ」
ゆ「でも、ミーディアムいないと、あたしなんかただのチビキャラだし…」
こ「いやぁ、ゆーちゃんは需要ばっちりだよぉ。…ん〜、そうだなぁ、じゃあ」

の「こなたちゃん…30分経ったわ。…、JUM君?どうしたの?」
j「こな…いや、なんでもないよ」


こ「のりりん、JUMのことを一番わかってるのは、
本じゃないと思うんだ」


42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 05:27:54.49 ID:mAMcEtoD0

の「…JUM君!こなたちゃんが、この中に入ったきり帰ってこないの」
j「この中って、キッチンペーパーかよ?」
の「そ、そうだけど…なんか行ってくるとかなんとか…」
j「こんな何の変哲もない紙にか…?…あっ」

ドーン

j「いっててて…ってこなた!お前」
こ「……ふぅ、遅いよ、JUM」
j「何やってんだ!」
こ「ちょっと萌えドリルしただけだよ。のりりんに許可はもらったし」
j「…(アホ毛が、いつもより萎んでる…。こいつ本当に…戦ったのか?)」
の「ふわー!この子なんて言うの?この子なんて言うの?この子なんて言うの?この子なんて言うの?この(ry」
ゆ「ん?ゆたかだよ、ゆーちゃんって呼んでね。あ、そうそうJUM、
あの子しばらくウチに置いておくから。あんな可愛い子、外に野放しにできないっしょ?」
j「み、認めないぞ、僕はみとめ」
こ「あっちゃ〜、もうすぐハルヒのやる時間じゃないか。じゃ、そういうわけで
私はこの棺おけで観るついでに寝るから、JUMも寝なよ。夜は深夜アニメの時間だよ」
j「おいこら!それならそこのテレビでっ…ってちがーーう!こら開けろ!
勝手に閉めるな!開けろーーーーーーーーーー!!!!」

かくして、桜田家に第6ドール「ゆたか」が住むようになったとさ

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 06:17:12.33 ID:mAMcEtoD0

?「ふふふ…やっと見つけたわ。

-桜田家

こ「ふぁあああ…、やっぱりあの回の作画はやっぱ手抜きだよなぁ。
あ、こらゆーちゃん、早く起きなさーい」
ゆ「ん、んん…もう朝ぁ?」
こ「そだよー。早く起きないとダメだよ」
ゆ「も、もうちょっと寝るぅぅぅ」
こ「ダメだよ〜朝は早く起きないと〜」
j「怒りメーター:|||||      」
ゆ「眠いんだもん〜、あと5分〜」
こ「のりりんが困るでしょ〜?ほらはやく〜」
j「怒りメーター:|||||||||    」
ゆ「お願い〜もうちょっとで何かつかめそうなの〜」
こ「何をつかむのさ〜、ほらおっきおっき〜」
j「怒りメーター:|||||||||||||||||」

j「あーもう毎朝毎朝うるさいなー!僕の部屋で何してんだったくー!」
こ「JUM、朝からうるさいよ〜」
ゆ「あぅぅ、目覚めちゃったぁ」
j「朝っぱらからうるさいんだよ!少しは静かにしろー!」
こ「もう、家来のくせに生意気だ。あ、そうだ。ゆうちゃんこれでドア開けてよ」
ゆ「う、うん…んしょ、んしょ…あっ!」
こ「もう〜何やってんの〜」

j「まったくもう、ほら開けてやったぞ」
こ「ん、ご苦労であった〜♪」
j「……」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 06:23:27.17 ID:mAMcEtoD0

ゆ「…」
j「…('A`)」
ゆ「……」
j「…(#'A`)」
ゆ「………」
j「

     /\___/ヽ
    /ノヽ       ヽ、
    / ⌒''ヽ,,,)ii(,,,r'''''' :::ヘ
    | ン(○),ン <、(○)<::|  |`ヽ、
    |  `⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒´ ::l  |::::ヽl
.   ヽ ヽ il´トェェェイ`li r ;/  .|:::::i |
   /ヽ  !l |,r-r-| l!   /ヽ  |:::::l |
  /  |^|ヽ、 `ニニ´一/|^|`,r-|:「 ̄


ゆ「ひっ! うわあああああああああああん!!!!!!」

j「はぁ…子どもって苦手だ。ほんと、苦手だよ」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 06:30:26.15 ID:mAMcEtoD0

?「バロス探偵!現場にこんなものが!」
バ「バーローwwwwそれは犯人のフェイクだよwwwww
そんなもん何の証拠にもなりゃしねえwwwww」
?「な、なんだって!では証拠が…!」
バ「証拠ならとっくに見つけてるよwwww」

こ「…、…っ!?」
の「は〜い、今日はみんな大好きはなまるハンバーグよ〜」
ゆ「……」
の「あれ、ゆたかちゃん、ハンバーグ苦手?」
ゆ「あたし…ビローンってしてるのがいい」
の「び、ビローン?」
ゆ「白くて長くて、ビローンってしてるの」
の「ふむふむ…、あ、もしかしてこれ?ガム?」
ゆ「違うよ…」
の「あら、そ、そう?こなたちゃ〜ん。ゆうちゃんの好きなものって知ってる〜?」
こ「えー?みなみでしょ?確か第」
ゆ「ち、違うよ〜!確かにみなみちゃんは好きだけど〜、食べ物じゃないもん!」
の「うーん、困ったわね」
ゆ「あたし、ご飯いいです…」
の「あ、ゆうちゃん!」


薔薇人形設定の都合、全員名前呼びにしております

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 06:40:22.23 ID:mAMcEtoD0

j「…はぁ。ん?」
ゆ「こ、こんにちは」
j「なんだよ、何か用か?」
ゆ「JUMは…、学校行かないの?」
j「…っ!」
ゆ「のりさんも行ってるし、巴も行ってた…。JUMは」
j「いいんだよ!僕は行かなくたっていいんだ!あんなところ…行くもんか!」
ゆ「……、JUM、あたしと似てるかも」
j「…?」
ゆ「あたしも、ずっと独りだったの。その星箱の中でずっと独りぼっちで、
前のマスターも、あたしを入れたままどこかに行っちゃったから…」
j「……お前なんかと、一緒にするな」
ゆ「でも、あたしビローンってしたのが好きだったの」
j「ビローンってしたやつ?」
ゆ「白くてね、少し長くて、温かいんだ」
j「…なんだよそれ。……、あ」
ゆ「あれ?JUMどこ行くの?あたしも一緒に」
j「うるさいな!どこだっていいだろ!」
ゆ「あっ……、うっ……」
j「…っ、くそ。だから、子どもは苦手なんだ。…ついて、くるなよ」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 06:46:01.46 ID:mAMcEtoD0

j「なぁ、こなた」
こ「んー?」
j「あの、ゆたかってやつ、なんでここに居させてんだよ」
こ「あぁ。ミーディアムとの契約が切れちゃったんだよ。
だから、もうゆーちゃんはただの人形のようなもんだね。
らっきーめいでんは、ミーディアムから力をもらって動いてるの。
ゆーちゃんがああしていられるのは、私が力を与えてるからなんだ。
だから、ゆーちゃんをここに置いたんだよ。わかってほしいけど」
j「…ちっ。
  (だから、子どもは嫌いなんだ。あんな顔で、泣いて…!)」


バタンッ

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 06:53:24.05 ID:mAMcEtoD0

ゆ「お、お姉ちゃん…」
こ「ん、ゆうちゃんは気にしないでいいよ。私は全然構わないんだから」
ゆ「う、うん…」
こ「ちょっと私トイレに行ってくるよ。……ん?」

廊下に、何かがばらまかれてあった
それは、桃色の髪の毛。しかし、ただの髪の毛ではない
幾重にも重ねられた、房に相当する髪だ

こ「こ、これは…っ!?」

轟音がした―
桜田家に掲げられている、日めくりのカレンダーから、嵐が吹き荒れた
嵐と共に、光が放射線を描いていた

こ「ゆうちゃん!後ろに下がって!」
ゆ「ふわああん!」
こ「こ、この力は…まさか!」

カレンダーから、ソレは現れた
ゆっくり、落ちていた髪と同じものをなびかせながら
ソレは、こなたと同じく、アホ毛が存在していた

?「おはらっき〜☆586920時間と37分ぶり、あきら様の登場〜☆」
こ「あき、ら…!」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 07:01:09.21 ID:mAMcEtoD0

こ「目覚めてたんだ、あきら」
あ「あれぇ〜?知らなかったの〜?あきらすーっごくアピールしてたのにぃ」
こ「…あのセバスチャンを操ってたんだね」
あ「ごめーいとう〜あきら感激〜。あれあれ?ゆたかちゃん、
こなたちゃんに負けたのにどうしているのかな〜?あきらすっごい気になる〜」
こ「私の元に置いてるんだよ」
あ「あれあれ〜?萌えドリルでは〜、負けたドールは勝ったドールに
萌え魂を捧げるんじゃなかったっけ〜?そんなんでいいのかな〜?」
こ「別にいいじゃん。私には私のやり方があるもん」
あ「ふ〜ん、美水さんの掟に反してもなんだ〜??」
こ「…、言いたいことがあるなら、今から勝負する?」
あ「も〜怒ったらかわいい顔が台無しだよ〜?あきらには、到底適わないけどっ」
こ「…うっさいなぁもう」
あ「あ〜でも、今は別にそういう気ないの〜。あいさつしにきただけなの〜」
こ「……そう」
あ「じゃ、ばいに〜♪」
こ「…くっ!」

あきらが帰っていく。一際激しい風が吹き、あきらはカレンダーへと消えていった…

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 07:10:37.33 ID:mAMcEtoD0

j「…ふぅ、…あ!」

?「でさ〜、そのゲームまじでむずいってのよ」
?2「俺も〜。どうしてもLSUでミスっちまうんだよな〜」
?「つーかよ、なんでやまとは攻略できねんだよ?」
?2「そんなこといったらこうちゃん先輩だってじゃねぇか。くっそー!角●め!」

j「……、ふぅ。やっぱり、あそこしかないか…」

j「す、すいませ」
と「あっ…桜田君、どうして」

-どっかで

と「よく、ゆたかの好物がわかったわね」
j「たまたま、きしめん動画見ててピンと来たんだよ」
と「なによそれ。…まぁ、いいか。じゃあ私、かえ」
j「なぁ、あの…あいつら、どう思う?」
と「……。ある日ね、電話がかかってきたの。
 『おきますか?』 『おきませんか?』って。
最初は恐かった。寝てる間に捨てようかとも思ったんだけど、ゆたかと
暮らして、わかったんだ。この子も、寂しかったんだって」
j「…」
と「あの子たちが、何をしようかって、私にはわからない。でも、
あの子達は、桜田君を必要としてる。こなたって子もね。…ゆたかを、お願い」

j「……、くそっ、どいつもこいつも…」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 07:19:42.42 ID:mAMcEtoD0

-家

j「……」
の「あ、おかえりなさ〜いJUM君」
ゆ「お、おかえりなさい…、大変だったんだよ、もう。さっきあき」
こ「あーあー、なんでもないよ〜。お帰りJUM〜」
の「あれれ?JUM君何持ってるの?」
j「え!?い、いや、これは…」
こ「お?生きしめん?なんだ、JUMはきしめんが好きなんだ?」
j「い、いや、そういうわけじゃ…」
ゆ「うわ〜ビローンってしてるやつだ〜!JUM〜ありがとう〜」
j「ちょっ!いきなり抱きつくなっ!」
ゆ「JUM〜大好き〜あはは」
j「こら!やめろっての!!」
の「うふ、JUM君、少しずつだけど、変わってきてるかな…」
こ「ふぅ…あきらが、目覚めていたなんて…」


次は、多分あの双子キャラが登場   するかもね

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 17:26:10.20 ID:mAMcEtoD0

こ「でさぁ、やっぱりアニメの見所は萌えだと思うんよ。燃えもいるけど、
その差分でエロとお色気シーンをだね…」
ゆ「お、おおおお姉ちゃん!私達(一応)未成年なんだから、
だめだよそういうのは…」
こ「いいじゃん〜、作られて結構経ってるんだし、中身はおっとなっだよ〜♪」
j「…お前らなぁ、ちょっとは静かに…」

ゴォォォォォォ

j「ん…っ!?」

ビシッ…ビキビキビキ…バリーン

j「うわあああああ!!な、なななんだぁ!?」

………パカッ

?「…はぁ、どこよ、ここ」
こ「あら、かがみじゃないか」
ゆ「あー、かがみ先輩だ〜。お久しぶりです〜」
か「こ、こなた、それにゆたかちゃん…」
j「ま、また一体増えた…?」

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 17:28:00.06 ID:mAMcEtoD0

ヒュゥゥゥゥ…

j「ぐぐぐ…寒い…くそ」
こ「さーて、そろそろグレンのやる時間だよぉ。
ゆーちゃんも早く寝ようね。かがみ、事情はあとで聞くから一緒に寝よ」
か「あ、うん…」
ゆ「うん!わかった〜」
j「おいこらこなた!まずはこの窓直してから寝ろ!!」
こ「ん〜?気遣いなんかいいってば〜。この箱は風を通さないもん」
j「そういうことじゃない!これじゃ寝れないだろうが!!」
こ「おやすみぃ」 パタン
ゆ「おやすみなさーい」 パタン
j「おいこらああああ!」
か「……」
j「……、な、なんだよ?

か「……うるっさい」  パタン

j「ってー!元はといえばお前はぶっ壊したんだろー!あーちくしょおおおお!!!!」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 17:34:48.35 ID:mAMcEtoD0

トロイトの7話見て真紅にKOされそうになったんだZE

-明けて

の「あらー、今度のお人形ちゃんはかがみちゃんって言うのね〜。可愛い〜」
か「…」
こ「かがみー?元気ないね。そういえば、つかさはどうしたの?」
ゆ「ほんとだ、そういえばつかさ先輩がいないです」
j「…なんだよ、そのつかさって」
こ「かがみはつかさと双子のドールなんだよ。つかさのほうが妹なんだけど」
j「こいつの双子…?ていうか人形に双子もあんのか?」
の「か、かがみちゃん〜、お菓子、食べない?」
か「人間なんか…人間なんか嫌い!」
j「うわっ!」
の「ひゃっ!かがみちゃん!?」
こ「かがみぃ!お菓子投げたらもったいないよ!」
か「うるさいうるさい!こんなもので私を釣ろうとして!また太らす気なんでしょ!
だから人間は嫌いなのよ!!あーもう!くそー!」

の「かがみちゃん!」

か「…っ!」
の「食べ物で遊んじゃ、ダメでしょ」
か「……っ」
こ「あ、ちょっとかがみ!…かがみったら、何があったんだろ」
j「なんなんだよ、あいつ…」

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 17:50:15.53 ID:mAMcEtoD0

少し吊ったら落ち着いたかしら〜!

の「ふんふふんふ〜ん♪」
か「…」
の「あら、かがみちゃん、昨日は…」
か「…金魚、飼ってるの?」
の「え?えぇ。安物だけどね」
か「エサ、あげすぎよ」
の「え??」
か「もうお腹一杯、って顔してる。与えすぎない愛情も問題だけど、
過剰な愛情も考え物よ。私も、それで昔ちょっと困ったし」
j「…なんだぁ、お前居座ったと思ったらのり弁に説教かよ?」
の「じゅ、JUM君、そういうわけじゃ…」
こ「まぁまぁJUM、そう突っかからないの。それに、かがみはJUMにとって
結構役に立つ存在かもしれないよ??」
j「…はぁ?」
か「こなた、私はこんな奴なんか…!」
こ「まぁまぁ、お菓師のかがみん、JUMにはいいきつけ薬になるかもよ?」

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 17:56:21.96 ID:mAMcEtoD0

j「いい!こんなやつの力なんか!僕は必要なんかじゃない!」

こ「かがみー、お願いできる?」
か「…こんな奴になんか使いたくないけど…仕方ないわね。
……『ツンデリーム』」
j「…!?」
か「扉を…開けるわ」

―JUMの扉が、ゆっくりと開いた

j「……、う!?」
か「早く起きなさいよ、こら」
j「ちょっ、お前!…ぁ?」


いや、闇ではない。曇天だ
本来青が広がっているはずの景色
それは、今闇のような黒い雨雲に包まれている

か「あー、なによこれ。今まで見た夢で一番気分悪くなるわ」
j「お、お前が連れてきたんだろ」
か「ここはあんたの夢の世界よ。あんたが一番よくわかってるんじゃないの?」
j「僕の…夢?」

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 18:01:40.25 ID:mAMcEtoD0

の「ほ、ほんとのほんとに大丈夫なの?」
こ「他人の夢に入ることができる、それがかがみんのツンデリームの
力だよ〜。問題ないってば」
の「で、でも…」
こ「……むぅ、ちょっと見てくるよ。二人だけじゃちょっち心配だし」
ゆ「じゃあ、あたしも〜」
の「わ、私も!」
こ「のりりん、恐くない?」
の「…っ、で、でも、少しでも、JUM君の心を、見ることができるなら…私」
こ「のりりんは、いいお姉ちゃんだね。でも、やっぱり待ってて」
ゆ「すぐ帰ってくるよ〜」

こ「きっと、のりりんには見られたくないものがいっぱいあるかもしれないしね」

の「……JUM君」

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 18:11:09.76 ID:mAMcEtoD0

出来るだけ内容は本編に準じるので、適時第一期を見直してるです
やたら遅いときは寝てるか二期を見てるかのどっちだかと思いやがれです

ゆ「あれぇ?これ、参考書?」
こ「ん、そうだね。すごい数だ」
か「あっ、こなた!ゆたかちゃん!」
こ「おぉ、かがみんー!」
か「あーよかった。あんな奴と二人きりなんてまっぴらごめんだったわ」
j「…そりゃこっちのセリフだ…ん?」

何かがこちらへ向かってくる
ゼンマイの音がする ブリキの人形だ
それは確かに立って歩いてはいるものの、いつ倒れてもおかしくないような
そんな不安定さを露にしていた

か「…、あんたの、名前?」
j「……っ」
?「みんなー、席につけー」
j「!?」

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 18:13:09.79 ID:mAMcEtoD0


それも、聞き覚えがある声
その声を発しているのは、人ではなかった

?A「なんだ、桜田は今日も欠席か〜」
?B「マジ?なんかあったのかよwww」
?C「別に、いいんじゃね?いてもいなくても変わんないし」
>>92「あきら様萌え〜」

クスクス…うふふふ… JUMを嘲笑するような声が、辺りに浸透していった
まるでそれが、過去に本当にあったかのような―

ゆ「お花がおしゃべりしてるよ〜、お姉ちゃん!」
j「…くっ」
?A「わ、おまっ、こっち来んな!」
ゆ「のりお姉ちゃんに摘んでいったら、喜ぶかなぁ?」
ゆ「…そだね。持ってったら?」

こなたが、意地悪そうにそう言った―

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 18:31:53.07 ID:mAMcEtoD0

j「くっ…!」

逃げた。JUMはその場を駆け抜けた
聞きたくもない、聞きたくもない!あんな奴らのいうことなんか!
そんな、現実ではない、しかしJUMが想う現実から、JUMは逃げ出した

j「はぁ、はぁ、はぁ、…うあっ!」 コケッ

いつの間にか、辺りは森のようなものになっていた
どれだけ走ったのかはわからないが、もうあの声は聴こえない
安堵に似たようなものを感じたJUMは、木々にとまっている何かに目をやった

「あ…あ?」

ミニカーだった。JUMが唯一、心を潤すことができる、救いのような存在
ただし、ミニカーには羽が生えていた。まるで蜜を求める虫達のような、
羽を。やがてミニカーは数を増していき、それに比例して、JUMの
笑顔も増していった

j「は、ははっ、あはは」

JUMはミニカーを追い求めた
自分にはこれしかない。だけど、これが何よりも愛おしく、大好きであるから

ゆ「あ、JUMだ〜。あたしも追いかけようかな〜」
j「あはは!ははっ!待てよー!」
か「…なによ、いい歳あんなもん追いかけて」
こ「なぁんだ、結構可愛い顔できるじゃん」

こなたもまた、自らの顔が綻んでいることに気がついた

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 18:49:35.54 ID:mAMcEtoD0

しかし、幸せはすぐに過ぎ去った
風、それも暴風。ミニカーはその見えない存在感に圧されたのか、
木々から足早に立ち去っていった

j「…っ?え?」

紙切れだった。JUMの周りに、風と共に現れたもの
やがてそれは、巨大な人形を模りながら、JUMの眼前に立ちふさがった

紙「……!!!!」
j「うわあああ!なんだこいつ!!」

j「くっ、追いかけてくる!くそっ!」
か「全く、背だけじゃなくて肝っ玉まで小さいのね」
j「おまっ!なんで飛んでるんだよ!」
か「あんただけよ、出来ないのは。あんたは、あんたの狭い視野で決め付けるから、
いつまで経っても見た目も中身もチビなのよ」
j「な、なんだ…とぉっ!?」

突如、JUMの足元が割れ出した
JUMを押し上げるようにして現れたのは、無数の机だった―

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 19:01:38.01 ID:mAMcEtoD0

ここからちょっとアレンジいれます

j「う、うわああああっ!」
か「こらあんた!そっから飛び降りなさい!食べられるわよ!」
j「い、いいんだ…。僕なんか…生きていても仕方ないんだよ…」
か「は、はぁ!?」
j「そうだよ…僕は、いつまで経っても、変われないんだ…ずっと、ずっと」
か「う、うるさいわね!自分だけが特別だなんて思わないで!」
j「え…?」
か「わ、私だって…あ、あいつら……さおと、…やのと出会うまでは、
私だってあんたと似たようなもんだったのよ」
j「そ、それってどういう…」
紙「…ー!…ー!!」
か「あたしはね、昔っからセコイことが大嫌いだったの。
でもさ、子どもってやんちゃできかんぼうでしょ?私、そんな子達と
あまり仲が良くなれなかったの。イジメられたりもしたわ。
だけどね、信頼できる友達が、できたの。それで、私わかったの!」
j「…!?」

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 19:01:55.34 ID:mAMcEtoD0

か「みんな、『不完全』ではあるけど、その中で『役立たず』なんか誰一人いないってこと!
どんなにダメな奴だって、誠意があれば、きっと誰かが駆け寄ってくれる!
現に私にも、あんな奴らだけど、友達になれた!私ができるんだから、
あんたにだって、できるでしょ!違う!?」
j「ぼ、僕は…」
紙「…ーー!!…ーーーっっ!!」
j「う、うわっ…!」
か「早く!飛び降りなさい!この…臆病でチビでどうしようもないダメ野郎ーーー!」
j「…ざけるな、この、この生意気で、正義ぶってて…釣り目の馬鹿人形ーーー!!!」

ほんの一握りの勇気。それはとても小さくて、儚い
だがしかし、それを掴むのはもっと難しい。JUMは、見えているけど、
取ろうともしなかった、その小さい小さい勇気を、今やっと手に取ったのだった

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 19:07:45.85 ID:mAMcEtoD0

j「うわっ…うわわっ!!!」

落ちた。と同時に、JUMを食べ(?)ようとしていた巨人も、
地に落ちた。やがて巨人は紙となり、その身体を雲散させていった

j「いってて…ぇ」
か「ふぅ、あんたにしちゃ上出来かしらね」
j「当たり前だ。こんな紙で出来たやつなんか」
こ「ん、そだね。そりゃただの紙だよ。mのフィールドにすら入れないただの紙だよ」
j「な、なんだよmのフィールドって」
こ「それは…」
か「なんだ。結構綺麗じゃない」
ゆ「ほんとだぁ、すっごい綺麗〜」
j「…くっ、どこが綺麗なんだ!こんな世界の!」
こ「まぁまぁ落ち着きなされ。ほら、あそこ」

こなたが指差したところ。そこは、熱砂の広がる砂漠に広がる、
オアシスのような小さな泉だった

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 19:15:06.27 ID:mAMcEtoD0

こ「ほら、中央に石があるっしょ?あそこまで行くよ〜」

ジャブジャブ…

j「あの、なんでこういうときだけ飛ばないんだよ」
こ「いいのいいの〜。これはこれで楽チンだし」
j「(頭になんか柔らかいのが当たってるけど…気にしたら負けだ」

j「…これは」
こ「これが、今のJUMだよ」
j「これが?こんなやせ細ったガリガリの金魚が?」
か「このギョピちゃんは、あんたの心を表してるの。水は心を包む世界を、
そしてギョピちゃんの体型は今のあんたの成長度をね」
こ「でも、水は濁ってるし、エサも少ないね」
ゆ「これじゃあ、金魚さん可哀想…」
か「池師の酢があれば、水は綺麗にできるのに…」
j「池師?」
こ「つかさのだよね?今はいないから、どうしようもないよね」
か「今はこれだけしかできないわ…ツンデリーム」

かがみの指から、淡い光が現れた
それは小さな粒状の茶色い塊となり、かがみの手の中に収まった

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 19:21:49.47 ID:mAMcEtoD0

か「さ、エサをもっと満たして。おいしいおいしいエサになり、
ギョピちゃんに栄養を分け与えて」

そうかがみが言うと、一つだった塊が、二つ、三つと
数を増やしていった

か「健やかに、伸びやかに、た〜んとお食べ〜」

チャポン…
エサが、濁った水の中に落ちた
やせ細ったJUMの金魚が、それをゆっくりと、咀嚼した
骨が浮き出た身体が、少しだけだが、肉身を帯びていった

か「ダメね…水が汚すぎてこれ以上は無理。ごめんねギョピちゃん…」
ゆ「でも、少しだけど元気になったみたい」
j「いや、いいよ、謝るのはこっちの…」
か「はぁ!?誰があんたに謝ったと思ってんの!?身の程を弁えなさいよ!」
j「こ、この強情人形!そっちこそ何様なんだ!」

こ「ふふ、仲が良くて何よりだぁね。さて、ギョピ、これ以上育つかは、
キミとJUM次第だよ。…お日様もあるし、エサをくれる人もいる。そうだよね」

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 19:26:21.28 ID:mAMcEtoD0

こ「あ、そうだ、そろそろ帰らないと」
j「へ?」
こ「夢の中にいたまま時間が経つと、二度と戻れなくなっちゃうんだ」
j「ど、どうやって戻るんだよ?」
か「あんたの世界でしょ?あんただけしかわかるわけないじゃない」
j「…」

ヒュ〜ン

j「なんだよ、僕も飛べるんじゃないか」
こ「当たり前じゃん。JUMの世界なんだから」
j「教えてくれたっていいじゃないか…」
か「気づかないあんたが間抜けなだけでしょ」
j「なんだと!この…」
か「あっ!」
j「うおっ、……っとと、全く気をつけろよ。ほら、ちゃんと掴ってろ」
か「……、…り、がと」
j「ん?なんか言ったか?」
か「別に〜。まぁいいわ。汚い服だけど、掴んどいてあげるわ、ふん!」
j「…の野郎、落とすぞ」


―そして、JUM達は現実の世界へ戻ってきた

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 19:32:25.94 ID:mAMcEtoD0

の「JUMく〜ん、まだ起きないのぉ?」
j「…ぅ、うぅ…ん?」
の「JUMく〜〜〜ん!!!やっと起きてくれた〜〜〜!うわーん、心配したんだよ〜〜」
j「抱きつくな!…ったく、あ、ばろばろ探偵がやるじゃないか」

?「ばろばろ君!もしかして!犯人は!」
バ「バーローwww何第三者ぶってんだよ。おめーが犯人だバーローめwwww」
?「なっ!私の完璧なアリバイがっ!」
バ「おめーのアリバイは完璧すぎたんだよwwww普通に考えて気づくだろwwww」

こ「うん、ばろばろは天才だね」
ゆ「す、すごい…絶対あの人は犯人じゃないと思ってたのに」
か「ったく、あーいうの苦手だわ(ポリポリ)」
j「お、お前!なんでまだいるんだよ!!」
こ「ん?私が許可したんだよ〜。かがみん、理由があってミーディアムのとこに
戻りたくないんだってさ」
j「ふざけるな!勝手に決めるな!」
こ「あれぇ、忘れたの?JUMは私の家来だよ?JUMのものは私のもの。私のものは私のもの」
か「ちょっとあんた、お菓子が切れたわ。持ってきてよ」
ゆ「ふわああああ!負けないでぇばろばろ探偵!」

j「あーもう!お前らまとめて出てけええええーーーーーーーーーーーー!!!」

かくして、桜田家に第3ドール「かがみ」が加わった。かがみの真意とは?
そして、双子の妹である「つかさ」とは?

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 19:39:54.97 ID:mAMcEtoD0

次はみんなお待ちかねの「つかさ」の登場?
アニメ五話にあたる「階段」はとりあえず飛ばします。
でも面白いよね、五話

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 21:27:54.00 ID:mAMcEtoD0

みんなの平均的な愛情に感動した!

j「……そういえば」
こ「どしたの?チョココロネ食べる?」
j「いらねーよ。…かがみだっけ?あいつに妹がいるってのは…」
こ「あぁ、つかさのことね。第4ドールだよ」
j「どういう、やつなんだ?」
こ「あれぇ、気になるぅ?」
j「べ、別に!ただ、お前らの言う、『かがみとつかさがいないのはおかしい』
って雰囲気が気持ち悪いだけだ」
こ「またまた素直じゃないな〜。つかさはねぇ、悪く言うとお人よしかな」
j「なんでそれが悪い言い方なんだよ」
こ「頼まれたら断れない、素直でいい子なんだよ。いい子すぎるっていうのかな。
かがみの無鉄砲さを落ち着けたりもしてくれるけど、
つかさの正直すぎるところをかがみがフォローしたりもしたしね。
二人で一人って感じなんだよ」
j「…そうか」
こ「ほんと、素直なところで損してなきゃいいんだけどね〜」
j「素直で…正直…か」

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 21:35:15.71 ID:mAMcEtoD0

-どっか

?「…ずき、かずきぃぃぃ!!!かずきどこだぁぁぁ!!!」
?「ま、マスター」
爺「お、おぉ…かずきぃ!こんなところにおったか」
か?「ご、ごめんなさい」
爺「ささ、今日はお前の大好きなバリバリ君をもらってきたぞ。一緒に食べよう」
か?「で、でもマスター、入れ歯じゃなかったっけ…?」
爺「気にするな、まだまだこんなもの…ぱりっぱりっ…ぐ、ぐぐ」
か?「だ、だめですよ!私が、柔らかくしてあげますから…」
爺「すまないな、いつも」
か?「い、いえ…ちゅぱっ…じゅるっ…んっ、んっ…はい、マスター」
爺「おぉ、このくらいの柔らかさがちょうどいいのう」
か?「あ、ありがとう、マスター。(…お姉ちゃん、心配してるかな…)」

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 21:42:17.28 ID:mAMcEtoD0

あ、六話すっとばしてた
こっち先ににしよ

ば「くそっwwww黒の組織のやつらwwww俺を独りでおびき寄せやがってwwww」
ジン「ふふん、やってきたなばろばろ、いやバロス」
ば「てめwwww人の本名ばらしてんじゃねぇよバーローwwwww」
ジン「独りでやってきたのが貴様の運のつきだぁ、さぁ、決着をつけようか」
ば「バーローwwwwてめぇ独りで何ができるってんだwwww」
ジン「減らず口はそこまでにしときな…ひーっひっひ!」
ば「うおwwwwテラヤバスwwwwやっぱ独りじゃ、キツスwwwwwうわああwwww」


か・ゆ・の「ひぃぃぃぃぃ!!!!」
j「ったく、たかが人形劇だろ」
の「おおお、お姉ちゃん独りで買い物なんかいけないわっ!JUM君!一緒に」
j「独りで行ってこい!いくつだ!」
ゆ「ここ、こわいよ〜」
か「こ、こんなの、恐いうちに入らないわ、よ。ぜ、ぜ〜んぜん、恐くなんかないわ!」
こ「……」
j「はぁ、ったく、付き合ってらんないよ。よっこいせ」

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 21:47:25.53 ID:mAMcEtoD0

('A`))))) (=ω=.)))))

(((((( =ω=.) ((((('A`)

j「おい、こなた」
こ「な、なに?早くどこに行くか決めてよっ!」
j「はっはーん、もしやお前、さっきので独りになるのが恐いんだな?www」
こ「……っ///」
j「ふん、怪奇現象そのもののくせに、なにいっちょまえに恐がってんだか…」

ゲシッ

j「いてぇーーー!本性表したな!この暴力人形!」
こ「うっさい。次は頭蹴るよ?」
j「上等だー!やってみろこの」

ゴンっ

j「てめーーーー!本当にやりやがったなぁぁ!」
こ「次は耳だよ」
j「ふざけるなー!どこの大佐だお前はああああ!!!」

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 21:55:20.27 ID:mAMcEtoD0

-んで

こ「JUM、窓開けてよ」
j「はぁ?それくらい自分でやれよ」
こ「…

         _rソ⌒'ー-z┐ __ イ}_'/_}:iー' ,- 、 l/    _´ヽ/=、! 、〉
         {__」、___  / _, =:z'-、__」´   }ー' 1 Y   / フ  \>! ヽ
             〈/ /.:V / /´ /i水 ' i  / ハ  ヽ/   /! トヽ
            _.:'_/、    \ / /};l   Y,/ {  {,、_ __, ィノレ'j/
      _ - −, ' /'  l .:/  / /イ;/  /´ r、 \ iー-{二 ┐
   ,. '´   / /   /.:::イ   ,/ /!イ;_ /   ´   rー‐' , ┴i、l   , -−-
  /    / / ヽ_.:.:.:.:::::l   l! /.:└i´    l     ̄{└〈_,- 〉//    ',
 ヽ、 __ / /_  ,  / ̄ ̄ \|l l_r┘/   l      /入__ / 「/      |
_, -'―_-'_.」´.:.:.:.:./       i \_ノ -―‐ 、 \    \ヽ/ /         {
L.z<‐、.:.:. _/       l: ./ \ - ー.、 \  \ _, - '´ /., -- 、      |
_.二r…' ´           〉: : : .  \、__ ヽ - /   /. :/    〉: : : : .  l
ー=ニ| . : : :, :-―-、: : : .   /: : : : : .       ̄'´    /: : : /     ̄ヽ:、: : : .|
く ̄ 」: >'― - 、: : ヽ: : . . ∧: : : : : : : .         . l : : : { ヽ _    l: :ヽ: :}

まだ自分の立場がわかってないみたいだねぇ」
j「くっ…こいつ…大型AAまで持ち込みやがって…」

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 21:59:04.87 ID:mAMcEtoD0

こ「JUMは…気づいてないんだ」
j「はぁ?何がだよ」
こ「……」
j「な、なんだよ」
こ「

   / : ,. -/: : : : : : : : /: /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
. /,.. '´/: : : :/: : : : /: : : l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
//   / : : : : /: : : : : /: : : :,! : : : : : : l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
.    /: : : : : /: : : : : /: : : /.|: :|: : : : : |: : : :l: : : : : : : : : : : : : : : : : l
   /: : : : : /: : : : : /-‐ x' !: :|: : : : : |!: : : :l: : : : : :ヽ::::: : : : : : : : :|
   !: : : : :/: : : : : / : : :/ ヽ| : | : : : : | l : : : |: : : : : : :ヽ:::ヽ : : : : : |
.   !: : : :,.イ: : : : : :l : : /   l : !: : : : :| ,.x-‐‐!-、: : : : : ハ::::ハ: : : : : !
  |: : :/ !: : : : : :|: : /     l: |: : : : :|  ヽ: : !、: ヽ、 : : : l::::::l: : : : :|
  |: :/  |: : : : : : ! ll`!‐- 、 l |、: : : :|  ヽ: :| ヽ: :!: : : : :l:::::::!: : : l
  |:/   l: : : : : イ l |   ,!`'.| ヽ: : | - ..__ヽ| ヽ: l: : : : :l、:::::l: : :!
      |: : : : :l l:|  r'ー',ノ    ヽ: |  |  `丶、ヽ:|: : : : :|:ヽ::l : |
        !: : : ,.!: |!  ` '´     ヽ!  r'、__ ,./'/l: !ヽ : : |):ヽ|: l
       ', : / | : '、 '"'"  ,      ヽ._,. ' l:∧!: 〉、 ,.! '´ ,):| 私の、本当の気持ち…♪
         ヽ:l !: : :`ヽ、   、_     '"'" ・ l/: : : :l/  /: l
        '.| | : : : :|:l/丶、  `ー'     r‐〈: : : : /  /、 : |
          l: : : : |:| l:.:.:.:.:` ー,┬ '' ´ ,〉、r'ー-'、 /=-ヽ: :!
         /! : : : |:! |:.:.:.:.:.:./ '   , ':/:.:.}-- ..__, !'" `ヽ:|
           / !: : : :|:! l:.:.:.:.:.:l`ヽ、  / /:.:.:.l.__,. l_,. --、:}:l
        {   !: : : |:| |:.:.:.:.:.|   `/ /:.:.:.:.:{     l     ヽ!



j「こ、こなた…っ///」

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 22:04:10.05 ID:mAMcEtoD0

こ「……ぷぷっ、あははは!本気にしてるよー!だっさー!」
j「お、お前…!この、ドグサレ人形がー!」


ゆ「お菓子でも食べようかなー」
か「…ささっ」
ゆ「あれぇ、かがみ先輩どうしたの?」
か「べ、べべべ別に?独りでいると恐いとかそういうんじゃないんだからね!
あんたが独りじゃ寂しそうだから、一緒にいてあげるだけよ!」
ゆ「あ、あたし何も言ってないよぉ…」
か「ほ、ほら!もっとくっつきなさいよ!でないとあんた、泣き出すでしょ!?」
ゆ「い、いえ、さすがにそこまでは…」

j「…ーーーー!…!……!!」

ゆ「上で、二人とも何してるのかなぁ」
か「さ、さぁ?見てくれば?」
ゆ「あ、うん。そうするね〜」
か「ちょ、ちょっと待ちなさい!あんた独りじゃ頼りないから、私もいってあげるわ!
別に独りが恐いとかそういうんじゃないからね!」
ゆ「…まだ何も言ってないのに」

左手の人差し指に激痛がしたんでちょっとROMります

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 22:31:26.83 ID:mAMcEtoD0

落ち着いてきたんで書き始め。あ、腹減ったなぁ・・・
>>145
恥ずかしながらソイツです。でも今回エロはないです(エロっぽい描写はしたいですが)

こ「…」
j「…おい、何か言いたいことがあるんじゃないのか?」
こ「…何か言ってほしいのん?」
j「……ふん」
こ「…素直じゃないね」
j「くっ…!お前にだけは言われたくない!」
こ「JUMは何か言いたがってるのはわかるよ。でも、言い方がわからない。
…迷ってるんでしょ?」
j「ま、またそういう抽象的なこと言って誤魔化す気だな!?」
こ「JUM、JUMの心は、今どこにあるの?」
j「……!」
こ「JUMはどこに行きたいの?JUMはどうしたいのかな?」
j「ぼ、僕は…」

か「ひゃああああああ!!!!」

こ・j「!!」

147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 22:36:08.79 ID:mAMcEtoD0

か「あ、あうあう…」
こ「かがみ!どうしたの!?」
か「あ、あれ…」
こ「…、あ!」

あ「おはらっき〜☆久しぶり〜のあきらだよ〜」
ゆ「ふわあああ、お姉ちゃぁぁん」
こ「あ、あきら!ゆたかを返してよ!」
あ「おやおや?こんなイラナイ子、すぐ返してあげるよ〜?でもでも、
あきらのお願い聞いてプリ〜ズッ」
こ「わかってるよ…萌えドリルでしょ?」
あ「そっ♪わかったらすぐに来てねっ。じゃ、ばいに〜」
こ「あきら!」
j「お、おい!迂闊に誘いに乗ったら!大体あいつは…!」
こ「あれはあきらだよ。第1ドールのね。罠かもしれない。わかってるよ。
でも、私は行かなきゃ。ゆうちゃんを助けるために」

スッ―

j「く、くそ!」 スッ―
か「わ、私を置いていかないでよー!」


あ「ふっ、馬鹿なやつら、まんまとハマったわ」

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 22:43:51.72 ID:mAMcEtoD0

―そこはスタジオだった
今にも何かの番組が始まるかのような、そんな場所
しかし、どこかそれは歪で、ゆがんでいた
それがなんなのかは定かではない
それでも、確かに、その気持ち悪さは在った

j「な、なんかパステルっぽいな」
こ「さすが、司会をやってるだけあって明るいとこだね」
か「そうね…でも、必ずしもそうではないわね」
j「え、な、なんだあれ!?」

異様、だった
本来ステージを茶の間に届けるはずの、カメラなどの機材
それらが、無残にも破壊しつくされていた
華やかな画面に映らないその部分だけ、生々しい傷跡が残っていた

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 22:44:09.77 ID:mAMcEtoD0

こ「(あれが、あきらの本性なんだよ。表向きはアイドルっぽいけど、
ひとたび皮を剥けば、ああいう残虐性がある…)」
か「うっ…こ、これ」
j「これは…っ!」

何かの人形だった。短髪の一重の男性の顔をした人形
それら全て、直接手でもぎ取られたかのように首をへし折られていた

か「私達も…萌えドリルに負けたら、こんな風に」
こ「負けなきゃ、、いいんだよ」

こなたが、その人形を見つめながら言う

こ「萌えドリルで、負けなきゃいいんだ!」

自分自身に、言い聞かせるように―

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 22:51:08.64 ID:mAMcEtoD0

あ「あ、いらっしゃ〜い、どう〜?私の世界は〜?」
ゆ「お、お姉ちゃん〜」
こ「あきら…!相変わらず、あきららしいとこだね」
あ「あきらビックリ〜。こんなイラナイ子のためにわざわざやってくるなんて〜
超〜信じられな〜い。こなたちゃんはぁ、もう少し頭脳派だと思ってたのに〜」
ゆ「お、お姉ちゃんを馬鹿にしないで!あたしは、みなみちゃんと一緒に
需要があるし!あきらのほうが人気ないよ!イラナイって言ったほうが
イラナイ子なんだよ!」
あ「てめぇ…」

ヒュッ!

あきらのアホ毛が、ゆたかの頬に赤い筋を作る

ゆ「あっ…あっ…」
あ「てめぇの置かれた立場ってもんを把握しとけ、ザコが」
こ「来いっていうから来たんだよ。早くゆうちゃんを返してよね」
あ「え〜?別にいいけど〜、お願いがあるの〜、聞いてくれるかな〜?」
こ「予想はできてるけど、どうぞ」
あ「こなたちゃんの〜萌え魂がほしいな〜。ゆたかちゃんと引き換えならいいよ〜」
こ「相変わらず、進歩のない要求だね…」

155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 22:57:15.25 ID:mAMcEtoD0

あ「あれあれー?ゆたかちゃんいらないの〜?」
こ「萌え魂渡しちゃったら、萌えドリルに参加できないし。
そんなことするくらいだったら、腕ずくでゆうちゃん取り返すよ」
あ「ちっ…いきがりやがって。もう〜、あきら困っちゃう〜。
じゃあじゃあ、萌えドリル始めよ〜それー!」

あきらのアホ毛が光る。と同時に、無数の桃色の刃がこなたたちに襲い掛かる

こ「くっ…!」
か「きゃああ!」

こなたは人工精霊で、かがみはツインテールを身にまとってそれを防ぐ
しかし、全てを防ぐことはできない。漏れた刃が、こなたに向かう

こ「うっ…!!!」

ザクッ

こ「セ、セバスチャンの人形?」
あ「白石の人形か。ふんっ、裏切りドールが、小賢しい」

あきらの眼光が、鋭くなった

156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 23:04:16.82 ID:mAMcEtoD0

あきらのアホ毛が、十字を切るようにして舞った
その軌跡が、そのままセバスチャンの身体を引き裂いた

セ「……っ」
こ「あっ…!」

ボトッ

四肢を引き裂かれたセバスチャンは、物言わぬ骸と化した
そして、もう二度とこなたを守ることはなかった

あ「うふふ〜。さてさて、時間がもったいないからフィニッシュだよ〜、それ!」
こ「…うぁっ!」

あきらの刃が、今度はこなたの四肢を縛り上げた
そのままこなたは、両手両足を開かれたまま、宙に上げられた

157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 23:04:31.32 ID:mAMcEtoD0

こ「う…ぁ…ぁんっ」
あ「もっかいだけ言ってあげる〜、萌え魂ちょ〜だいっ。
そうすれば下ろしてあげるよ〜」
こ「い、いやだね…絶対に、絶対にノゥ!!」
あ「…なら、とっとと死ね」

あきらのアホ毛が、大剣へと変わった その切っ先は、言うまでもなく
こなたの心臓に向けられていた
こなたの手足を締め上げる力も、強くなっていく

こ「くっ…ぁ…ぁぁぁっ……!!」
あ「じ・エンド。とっとと死ねやぁ!」

j「こなた…、こなた!」

あきらの剣が、こなたに振り下ろされた

165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 23:54:53.63 ID:mAMcEtoD0

こなた…こなた…!
頼んでもいないのに、突然やってきた暴力人形
いきなりチョココロネを出せとか、何かにつけて蹴ったりして、
本当に最悪だった。幸せどころか、いい迷惑だった
いなくなっちまえばよかった
そうすれば、またいつもの生活に戻れる

でも、それでいいのか?こなたが来なかったら、僕は一生あのままだったのか?

そう考えると、こなたの顔が脳裏に甦る
澄ました顔、何考えてるんだかわからない顔
戦ってるときの真剣な顔、僕に呆れてる顔

そして、今苦しんでる顔

嫌だった。そんな顔、やめてほしかった
またいつものように、馬鹿にして呆れて、そして、笑ってほしかった
そう、願った ただ、それだけ


j「こなたあああああああ!!!!!!」

JUMの泣きボクロが、青く輝き始めた

166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 00:00:31.03 ID:ZjEytSNf0

それと同時に、こなたのアホ毛も大きく輝き始めた
それは、あきらの剣に劣らないほどの、大きな盾となった

あ「なっ…!」

ガギィンンッ

こなたの青い盾が、あきらの大剣を弾き返した
予想GUYの出来事にあきらは身を崩す

こ「はぁぁぁぁっ!!!」

こなたの回し蹴りが、あきらのみぞに叩き込まれた
あきらはその衝撃で、スタジオ控え室方面に激突した

あ「がはっ…!そんな、なんで…!?有り得…ないっ!」

あきらの刃が再び乱舞する。先ほどよりも多く、そして大きく
しかし、こなたの前に展開した盾によって、全てなぎ倒された

169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 00:23:51.75 ID:ZjEytSNf0

あ「ううっ…くっ、あたしの…あたしの世界で…あたしが、負けるなんて!」
こ「あきら!トドメ」
あ「…くっ」

あきらの姿が、背景と同化していく
それは、言うまでもなく『敗北』を意味していた
しかし、敗北というよりは、『撤退』といったほうが相応しかったかもしれない

-そして、再び現実へ

j「はぁ…つ、疲れた…」
ゆ「お姉ちゃんに、力を分け与えたから、かな」
j「もう、もう勝手にしてくれぇぇ…あっ」

JUMの手にあったもの、それはあの引き裂かれたセバスチャンの人形だった

j「こいつ…死んじゃったのか?」
こ「ううん、私達人形に『死』はないよ。でも、遠いところに、行っちゃったんだね。
例えば、富士の樹海とか…」
j「……こいつ、可哀想だな」
か「あんたにしちゃ、珍しいこと言うのね」
j「……そうだ!確かこの辺に、裁縫道具が!」

ガサゴソガサゴソ

j「あった!こなた、それ貸してくれ!」

170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 00:33:10.18 ID:ZjEytSNf0

j「い、いっとくけど、元通りってわけにはいかないからな!
でも、このまんま家に置いておくのは、気味が悪いっていうか…
か、勘違いするなよ!別に可哀想とかそういう意味じゃないんだからな!」
か「…さっき言ってたじゃん」
j「ん、んっしょ、これで、どうかな」
こ「す、すごー。JUM、こんなことできたんだね」
j「べ、別に。小さい頃かじってただけだよ」

しかし、奇跡はそれだけではなかった。元通りになったセバスチャン、
もはや魂がなくなったも同然のその肉体に、光が満ち溢れた
セバスチャンは何かを叫びながら、またいつもの陽気な顔に戻っていった

こ「す、すごい。一度離れた魂を元に戻せるなんて…」
ゆ「JUM〜すごいねー!」
か「大した奴だ…」
こ「すごいよ、ほんと。まるで一日中プログラミングしていられる鋼鉄の指だね」
j「…あんまり嬉しくないのはなんでだ?」
こ「ま、やっと主人公っぽくなってきたみたいだね。これで即死回避ってとこかな」
j「なんだとー?くそっ、少しでも見直した僕が馬鹿だったよ」
こ「……っ!?」

ピキッ―ビキッ―

j「おい、こなた、どうしたんだよ?」
こ「………」

173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 01:00:48.21 ID:ZjEytSNf0

こなたが眠ってから、数日が経った
あの日、あきらと戦ったあの日以降、こなたはパタリと動かなくなってしまった
かがみもゆたかも、それを後から知った
ネジが切れたのだろう。そう思って一度ネジを回してはみたものの、
全く効果はなかった

j「こなた…お前を助けるために戦ったのに…お前が目覚めないんじゃ意味ないじゃないか」
の「じゅ、JUM君…」
j「どうしてこいつがこんな目に!こいつはただ、ゆたかを助けるために
戦っただけじゃないか!どうしてこなただけが!!」
の「JUM君…、その、ゆたかちゃんなんだけど…」
j「…?」

居間にいき、すぐにのりの言いたいことがわかった
ゆたかもまた、眠ってしまったのだ
以前、こなたが言っていた言葉

こ「ゆーちゃんがああしていられるのは、私が力を与えてるからなんだ」

その力を与えている存在が眠ってしまうとどうなるのか。
想像するに難くはなかったのだった。

176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 01:22:19.20 ID:ZjEytSNf0

居間の椅子には、こなたとゆたかが肩を寄り添って眠っている
のりの配慮だった。せめて、眠ってる間でも二人を一緒にいさせてあげようとしたのだ

の「どうしちゃったの…こなたちゃんとゆたかちゃん」
j「…ふん、厄介払いが出来て清々したよ」
の「ちょ、ちょっとJUM君!そんな言い方っ!」
j「出かけてくる」
の「JUM君!」
か「…のり」
の「かがみちゃん…」
か「私もよくああいう態度取るからわかるけど、あいつも辛いのよ。
だから、少しでも元気出そうと憎まれ口叩いてるんだと思う」
の「わかってる…わかってる…けど、かがみちゃんは、直し方知らないの}
か「…知ってたら、とっくに直してるわよ…」

かがみは、力なく呟いた

177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 01:42:02.54 ID:ZjEytSNf0

今思ったんだけど、酉っているのかな。


j「…らっきー・めいでん、と。Hの9か。
えーと、Hの9、9っと…あれ?なんもないぞ?」
?「あぁ、そこの本は全部移転になったんだよ」
j「どこにですか?」
?「あそこだよ」

図書館の館員が指差したところ、そこは

j「…ま、マジかよ」

JUMの母校だった

178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 01:42:16.85 ID:ZjEytSNf0

j「…くっ、よりによってここかよ…くそ」

ササッ ササッ

j「あっ!」
?A「でさー、マジありえねーの」
?B「へ?何がー?」
?A「ナルガの天鱗、俺だけ出ねーのwww7回も狩ったのにwwww」
?B「うはwwマジかよwww物欲センサー自重wwwww」

j「…ふぅ」

-図書室前

j「ここだな。よっと。あれ、あれ?開かない!?なんで!?」
?「…何してるの?」
j「え?う、うわああああ!柏葉!」
と「そんな、驚くことないでしょ?…中、入りたいの?」
j「いや、その…」
と「いいわよ。ちょうど私も資料探しするところだったから」
j「……」

179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 02:08:50.01 ID:ZjEytSNf0

と「これよ。らっきー・めいでんの本」
j「…よく知ってたな」
と「ゆたかを預かったとき、私も読んでみたの。
ほとんどドイツ語で、あまりわからなかったけど。それで一体どうしてこれを?」
j「その、実は…いきなり動かなくなっちまって…」
と「そうなんだ。…それなら、多分このページよ」
j「え、えっと…これ、なんて読むんだ?」
と「精霊。多分、人工精霊のことじゃないかな」
j「(人工精霊…戦うときに出してたやつか…)」
と「この本、持ち出し禁止よ。書き写すなら早くしないと」
j「…あぁ」

-まぁ色々省略で

と「もうすぐ先生が来るわ。こっち!裏門、わかるわよね?」
j「あぁ…そ、その」
と「ん??」
j「わ、悪かったな…手伝わせて…」

と「まったく、素直じゃないのね…」

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 02:13:08.55 ID:ZjEytSNf0

j「かがみ、人工精霊ってどうやって出すんだ!?」
か「え、そ、それは…いつもは私達が眠ってるらっきーぼっくすに
格納されてるはずだけど…」
j「もしかしたら、直し方がわかったかもしれないんだ!」
か「え?」

j「よし、じゃあ、開けるぞ」

ガチャッ

らっきーぼっくすの中から、こなたの人工精霊「アホーリエ」が飛び出した
アホーリエはすぐに主のこなたのアホ毛に近寄ると、
頭上でクルクルと回り始めた

か「アホ毛を抜けって言ってるみたい」
j「わかった」 スポッ

抜けた穴の中にアホーリエが入り込む。やがて、穴は青い光で埋め尽くされ、
その中から見慣れた一本の毛が舞い落ちた

j「これ、あいつのか!」
か「戦ったときに、入り込んでいたのね。ほら、早くアホ毛をもう一度いれて」
j「わ、わかってるよ!」

181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 02:20:08.02 ID:ZjEytSNf0

こなたを抱き起こし、アホ毛をまた元に場所に戻した

j「こなた…おいこなた!」

最初はゆっくりと。そして、やがてそれは確かに開いていき、
翠の瞳をパチッと見開いた

こ「…」

ベシッ

j「うごぉっ…!」
こ「おっそーい。どんだけ待たせるのさー。まったく、使えない家来だねぇもう」
j「お前なー!人がどれだけしんぱ」
こ「へぇ、心配してくれたんだ??」
j「し、しんぱい…してなぃ」
こ「あーそう。でも、御礼は言っておくよ。ありがと。   …JUM」
j「……」
こ「ほらゆーちゃんも起きて。JUM、何してんのさ、早くチョココロネ買ってきてよ」
j「な、なんで僕がそんなこと!」
こ「えー、JUMの仕事でしょー?忘れたの?」
ゆ「うぅ…あと5分…」
j「聞いてないぞー!そんなこと!」
か「ふぅ、こなたが目覚めてから急に元気になったわね」
j「馬鹿言うな!!」

―てなわけで、無事こなたとゆたかは目が覚めたとさ

183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 03:30:57.94 ID:ZjEytSNf0

そろそろ寝るかもかしらー。
落ちてたらそれまでってことでとりあえず別ネタ

こなたと真紅が契約したそうです

真紅「…、…」
こ「あれー?真紅もしかしてドアに手が届かないの〜?」
真紅「…こなた、抱っこしてちょうだい」
こ「ほい」
真紅「……こ、これじゃあ届かないわ!肩に乗せてちょうだい!」
こ「えー、肩が凝るから嫌だ」
真紅「自分の立場がわかっていないようね、まったく…それだから」
こ「ネトゲでもやろーっと」
真紅「ちょ、ちょっと待ちなさいこなた!…こなた、お願い、ドアを…」

こ「(んっふっふ、これはこれで萌え)」

ゲシッ

こ「ぬひょおおおおお!!!?」
真紅「…なんて言うと思った?馬鹿にしないでちょうだい」

189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 06:37:57.60 ID:ZjEytSNf0

書きなぐってたやつを投下

もしかがみがネットゲーをしたら(某MMOを参考にしてます)

か「へぇ〜、結構キャラは可愛いのね。
じゃあ私は、…って!なんで髪型にツインテールがないのよ!
全くもう…馬鹿にしてるのかしら。じゃあポニーテールにしてっと…
職業はどうしようかしら…。適正審査?そんなのがあるんだ。やってみよ。
きゃあああ!なにこの芋虫!キモイキモイ気持ち悪い!!!!
ひゃあああこっち来ないでぇぇぇ!!!!」
こ「あー、かがみぃー、あんまりマウスをいじめないで」
か「はぁ、はぁ…え、上級もあるの?…っふふ、いいじゃない。
やってやるわよ…きゃあああ!!!なになに?なんでGがいるの!!?
なにこのキノコ!?きもちわるいいいい!!!!きゃぁぁ…!」
こ「あー、かがみぃー、そいつらは攻撃してこないよ〜」
か「え、そうなの?じゃあ先手必勝ね!食らいなさい!」
こ「あー、でも反撃は痛いよ」
か「…あ。し、死んだじゃない!あーもう、レベル7じゃまだまだね。
……えーと何々?『高いところから飛び降りれば空も飛べる気がする?』
無理にきまってるじゃない!もう。えーとえーと、『ナイフが落ちてた、どう思う?』
物騒ねぇ、もう。警察に届けるわよ」
こ「かがみぃ、さっき芋虫と戦うのにそれ使ってたよ〜」


結論:よくゲームやりながら怒鳴る人、になる

233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 20:20:39.45 ID:zCBSIw1B0

あ「あー、くそ。イライラする。こなたごときに
あたしが撤退するはめになるたーよぉ。
…こんな日は白石の人形を蹴りながら散歩ってのも悪くねーかもなぁ。
…あん?」

?「ZzzZzz」

あ「あいつ、なんでらっきーぼっくすで寝てねぇんだ?ん?
…ぷっ、ぷははははは!!!そうか!そういうことか!!
こいつぁ最高だな。いい土産話が出来たってもんだな。
さて、と。早速お姉さんに報せに行くか…くくく」


こ「ねぇ〜JUM、ノドがかわいたなぁ」
j「…なんか飲むか?」
こ「えーとねぇ、ゆうちゃん何がいい?」
ゆ「えっとぉ、私温かいお茶がいいなぁ」
こ「じゃあ私はピルクルで。猛ダッシュでよろ!」
j「…はいはい」

こ「なんか、やけに素直になったなぁ、JUM」

234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 20:25:28.25 ID:zCBSIw1B0

j「あっ」
か「……」
j「お、おい」
か「…なによ」
j「その、お前って双子なんだろ?なんで一緒にいないんだよ」
か「……」
j「…べ、別に言いたくないなら、いいよ」
か「あの子、馬鹿なんだもん」
j「え?」
か「私はやめようって言ったの。あんな爺さん放っておいて、
一緒に出ようって言ったの。それなのに、全然言うこと聞いてくれなくてっ…!」
j「お、おい!何の話だよ」

-自販機で

か「私の妹のドール、『つかさ』、私達は一緒に目覚めることが普通なの。
それで、基本的には二人で一人ってかんじで、マスターの元にいるのね」
j「あ、あぁ。お前、三津屋サイダーでいいか?」
か「うん。今回も、同じマスターと一緒になれたの…。それなのに!」

235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 20:29:02.31 ID:zCBSIw1B0

か「私達のマスターは、頭がおかしいのよ!」
j「ど、どういうことだよ?」
か「言った通りよ。死んだ息子をつかさに見立てて、
その名前で呼んだりして」
j「死んだ、息子さんを…?」
か「毎晩毎晩うめき声は上げるし、ウマウマのダンスは踊るし、
いきなり『あーいーしーてーるううう!!!』って歌いだすし…」
j「…それニコニコの観すぎ…」
か「もう堪えられないのよ!でも、私が説得しても全然聞いてくれなくて…
もう嫌なの!」
j「……その、マスターには会わないのか?」
か「会ったって同じよ。どうせ同じことになるわ」
j「そ、そうか…」

239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 20:32:33.22 ID:zCBSIw1B0

爺「かずき…かずきどこだ!かずきぃぃ!!」
か?「ま、マスター」
爺「おぉ、かずき。どこへも行っちゃいかんぞ…な?」
か?「う、うん…」
爺「もう、お前しかいないのだからな…そうだ、いいものがある。ほれ」
か?「ぜ、全自動卵割機??」
爺「どーだ、驚いたろう」

-割愛

爺「それじゃ、おやすみ」
か?「お、おやすみなさい」

あ「は〜い〜♪おじ〜いちゃん☆」
爺「な、誰じゃお前は!」

240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 20:37:56.68 ID:zCBSIw1B0

あ「あらあら〜、そんな険しい顔して仕事しちゃだめだよ〜??
お仕事は、いつも笑顔でに〜っこりでしなきゃ〜、ね?」
爺「な、何しにきたんじゃ!まままさか!お前もワシからかずきを
奪いに来たのか!う、うおおおお!!!」

ガシャーンガシャーン

爺「くっ…うううっ…!!!」
あ「ダメだよ〜落ち着いて〜富士の水飲んでるぅ??」
爺「う…ううううっ…!」
あ「そうだね〜。あ、あきら名案なの!かずき君をぉ、ずっとここに置いておく
ための名案発見したよ〜」
爺「な、なんじゃ、そりゃ…?」
あ「それはね〜、こういうこと♪」
爺「ぐ…ぐぉぉぉぉぉっ……!!!」

?「あらあら、あきらさん、いつも以上に過激ですね」

241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 20:43:17.75 ID:zCBSIw1B0

?「あらお爺ちゃん、いつも以上に元気ねぇ〜」
爺「あぁ。ほれ、出来立てのフィギュアじゃよ」
?「あらま〜、これはいい●レンね〜。再現度が素晴らしいわぁ」
爺「息子が家にいるのでな。まだまだ現役じゃよ」
?「え、息子さんて…」

?A「やっぱりあそこのお爺ちゃん、おかしいわよ」
?B「亡くなった息子さんのことをいつまでもいると思い込んで…」

あ「ふっ、計画通り。あとは…お姉ちゃんに教えてあげるだけ、だな」
?「ふふ、楽しそうですね」
あ「あー?なんでお前がもう出てきてんだよ」
?「いーえ、ミーディアムなしのあなたでも、まだまだ元気ですねって思っただけです」
あ「あたしをなめんじゃないわよ。アンタのほうから先に潰してやるわよ?」
?「あらあら、お元気なのはいいことですが、お命はお大事にしたほうがよろしいですよ」
あ「てめぇ…。ふん、まぁいい。あんたと遊んでる暇はないんでね」

?「うふふ…」

242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 20:48:49.52 ID:zCBSIw1B0

あ「お、あんなところに酢を発見っと。軽く挨拶にでもしてくるか」

か?「ふぅ…お姉ちゃん…」
あ「こんばんは〜、みんなのお嫁のあきらだよ〜」
か?「あ、あきら?どうして?」
あ「つかさちゃん〜いつまであのマスターさんたちといるのかな〜?」
つ「そ、それは…マスターの奥さんを…」
あ「御婆さん?の金魚ならもう死にかけてるじゃ〜ん。
そ・れ・に・つかさちゃんってあんまり色気がないから、
男の子扱いされても仕方ないよね〜。うふふ〜ん♪」
つ「……っ」
あ「でもでも〜、もし金魚を助けたくても〜、お菓師であるお姉ちゃんの
エサがないと意味ないよね〜?わかってるのかな〜??」
つ「…っ、わかってる、わかってるけど…!」
あ「じゃあじゃあ、あきらがぁ、かがみからもらってきてあげるね〜♪」
つ「えっ…ま、待って!待ってよぉ、あきらぁ!」

244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 20:53:01.24 ID:zCBSIw1B0

-桜田家

の「みんな〜、ご飯よ〜って、あら?かがみちゃんは?」
j「なんか、食欲がないって部屋にこもってる」
の「そ、そう…」
こ「かがみはあー見えても結構シスコンだからね〜。なんだかんだでつかさが恋しいのだよ」
ゆ「お姉ちゃん…かがみさんに聞こえたら怒られるよ…」
の「そっかぁ。少しソッとしておきましょうか」
j「…そうだな」


か「はぁ、つかさ…、なんであんな爺さんなんかに。
あの人間のところに来いとは言わないけど、せめてお姉ちゃんにくらい
甘えたっていいじゃない。…もう、馬鹿馬鹿っ!」

と、かがみの傍らにあった、漫画本がカタリと静かに動いた。

245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 20:57:27.85 ID:zCBSIw1B0

か「…っ!?」

本はパラパラとめくれあがり、mのフィールドを展開させた
その1ページから、あきらが身体を現せた

あ「おはらっき〜☆はーい☆ついにらっきー☆ちゃんねるもなななんと」
か「あきら!こんなところまで何しにきたの!?」
あ「あれあれー?司会の進行を妨げたらダメだよ〜?」
か「なんか用なの…?早く用件を言いなさいよ!」
あ「怒ったら可愛い顔が台無しだよ〜あきら同情ぉ〜」
か「あきら!」
あ「まぁまぁ。今回は愛する妹さんの特典映像を大放出しにきたよ〜」
か「…妹!?まさか、つかさ!?」
あ「そうそう〜。はい、こちらがその映像で〜す。現場のつかささ〜ん、聞こえますか〜?」


ちょっと20分ほど出かけてきます

252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 22:02:45.93 ID:zCBSIw1B0

やべぇ1時間かかりました

か「………っ!!!!」

かがみの目が、信じられないものを見る目に変わった。
本来らっきーぼっくすで寝につくはずのらっきーめいでん。
しかし、今つかさが寝ているのは何も敷かれていない畳の上。
しかもよく見ると、特徴的なカチューシャが壁につけられている
つまりつかさは、無理矢理畳みの上で寝ざるを得ない状況で、
今偽りの眠りについているのだ。

か「ど、どうして…?あの爺さんは…つかさのことを可愛がっていたのに」
あ「愛情の行き過ぎぃ〜ってやつかな?可哀想なつかさちゃん〜。
あの中で寝られないと、ただ目を閉じてるのと同じことだよ〜。
そんなことを続けてたら、萌え魂はあっても心が持たないかもかも〜??」
か「つ、つかさぁ!」

かがみは溜まらず、本の中へ吸い込まれていった
妹を助けたい、ただその一心で

あ「ふっ、計画通り」

259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 22:20:40.31 ID:zCBSIw1B0

つ「…ぅ…ぅ…はぁ…もう、65時間も寝てないや…はぁ…はぁ…ん?」

それは、爺さんの書斎から落ちた本だった。
本来開くはずのないハードカバーの書物。
それが今、誰かが読み始めたかのようにパラパラとめくれ上がったのだ。

つ「…っ?」

そして、紙片から光が溢れると、かがみがゆっくりと二房の髪を
靡(なび)かせながら現れた。

か「つかさ!」
つ「お、お姉ちゃん!どうして!?」
か「あんたが心配だから来たんじゃないの!」
つ「お姉ちゃん…でも私、やることが…ある」
か「あんな目に遭わせられて、まだそんなこと言ってるの!?」
つ「どうしても、しなきゃいけないの。だから、今は…」

260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 22:24:56.64 ID:zCBSIw1B0

か「まだそんなこと言って!らっきーぼっくすで寝させてもらえないのに、なんで…!」
つ「マスターの心が、壊れちゃうの。だから、私が」
か「あの御婆さんみたいに、あの爺さんはとっくにおかしいわよ!」
つ「お姉ちゃん、お姉ちゃんのエサ玉、使ってほしいの。
迷惑ばっかりかけちゃって、そんなこと頼める権利なんかないと思うけど…」
か「あんなトチ狂った爺さんのために使えっての!?冗談じゃないわ!」


爺「…、か、かずき!?」

つ「ま、マスターが」
か「…っ!?つかさ、来なさい!いい加減帰るわよ!」
つ「お、お姉ちゃん!放して…っ!」
か「ほら、早く!」
つ「あ、あぁぁっ……!!」

爺「かずき、かずきぃぃぃぃ!!!……か、ずき…」

かずきの姿は、もうそこにはなかった…

261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 22:31:46.58 ID:zCBSIw1B0

代わりに残ったのは―いやらsゲフンゲフン つかさのカチューシャだけだった

爺「かずき…う、うぁぁぁっっ……」


-どっかで

か「全く、なんであんなジジイに固執するのよ。あんたも、私と一緒に
JUMのとこに来なさい」
つ「JUM…?お姉ちゃんの新しいマスター?」
か「い、いや、まだ契約はしてないわ。でも、あたしがいないと
あいつ、何しでかすかわかんないし、間抜けだし、デリカシーないし…」
つ「そっかぁ、いい人なんだね。好きなんだ?」
か「なっ…/// なななななに勘違いしてるのよ!あんな爺さんと比べれば
少しはマシってことよ!!そうそう、こなたとゆたかちゃんもいるの」
つ「こ、こなちゃんに、ゆたかちゃんも…?懐かしいなぁ…」
か「そ、そうよ!だから、一緒に行きましょう!ね!?」

つ「 だが断る 」

265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 22:57:14.09 ID:zCBSIw1B0

か「どうして!?なんでよ!?」
つ「……」
か「なら、いいわ。姉として、無理矢理にでも言うことをきかせるわ」
つ「待ってお姉ちゃん!あたしお姉ちゃんと戦うつもりは!」
か「ツンデリーム!」
つ「くっ…ドンデカー!」
か「遅い!」
つ「はぅっ!」

一瞬の出の速さを突き、かがみの人工精霊がつかさの胸を押しやった
そのぐらつきを、かがみは見落とさなかった

か「はっ!」
つ「うぁっ…ぁぁっ!」

かがみの出した、二つの曲刀のようなものがつかさを拘束した
手加減なし、完全に身動きを許さない力加減だった

267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 23:08:59.88 ID:zCBSIw1B0

つ「ぁっぁぁぁっ…!」
か「つかさ、もう一度訊くわ。私と一緒に帰ろう?
今なら、もれなくイタリア産のバルサミコ酢もつけるわよ?」
つ「えっ、ほんt ……っ!」
か「つかさ!本当にだめなの!?」
つ「………」
か「私よりも、あんなジジイがいいっていうの?」
つ「………………」
か「つかさの………つかさの……………
           , -――- 、 _ _/ヽ
         /: : : : : : : : : : : : : : : : !-.-.‐.‐.‐. ァ
    __∧': /   . . . : : : : : /: :/: : : :`: :<
.  /:::::::::::::::::〉: : : : : : :./: : : :,:イ: :∧: :i: : . .\:`ヽ   ○
  〈::::/:::::::::::/: : : : : : :/ : : : / /: /  ',: |: : ハ: : ヽ  \
  ∨:::::::::::::/: /: : : : :/: :-∠_/_:/   |: |: : :∧: : :ヘ、  ',         ○
  〈:::::::::::::/: /: : : : :/: :.X   //   \!∧: : : :',: : : ハ\j
  /\:::::/: /|: : : : /i/  \      /`ー∨: : :l: : : :.!        o
  ,'.:: : :ヾ:./´ !: : : /  ̄ ̄ ̄       ___∨: :i:. : : :!
. i.: : : ./イ!  |: : /      __    \    /!: ;イ::. : :.i〉     馬鹿ぁぁぁぁ!!!!
. !: : : : .::|:.ヽ_j: /     /:::::`:.、   \ /、|:/:.|:::. : ,'
 j: : : : : .:!:.:/ |/ \    /::::::::::::::::::〉     ! }':.:.:|∨:/     o
 |: : : : : .:|:/    > 、j::::::::::::::::::/   , イ-<:.:.;イ:.W
 |: : : : : .:|'   /   |` ーrー-イ--‐ '  |:.:.:.∨:.!: |
 |: : : : : : !   〉     |  /ヽ  ヽ  o j:.:.:.:.:. : !: |          O」

つ「……ごめん、お姉ちゃん…」

268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 23:24:38.51 ID:zCBSIw1B0

か「うっ…うっ……うぅ……」
j「な、なんだよ……、かがみ?なに泣いてんだよ?」
か「あんたがぁ!」
j「うわっ、ちょっ!」
か「
    ノ                   }
     ヽク                  ノ }
             __,イ|__ ... .ィ  ヽソ
         , :<´ : : : |: : : : :ー<..
       /: : :/: :/} :小: : : : : : : : ≧ー
     __,/ /: : /: :/ ,| : | ∨| : : : : : 廴
    f´/ }:/.: :.ム斗' | /| `ヘ}ヽ: : : : ヘく あんたがもっとしっかりしてて…
    ∨  ,イ: : :{ :/  j/     V | : : ∨ あんたがもっとかっこよくて…
     ヽ、{∧ 圷旡≧/ / /≦乏ア:| ト、:ハ      あんたがもっと頼れる奴だったら…
      |:ヽ}ヘ:/ |  |/ / / / | | W |:「ヽ}
      |: :|:`ー.、|  | , -- 、 | | {ム/:{
      |: :|: : :|:|> 、ー'⌒ー'_. イ: : |: :|
      |: :|: : :|:|  ,.≦厂 「x  |: : :|: :|
      | : ', : :',|/  {___7`ーl: : :|: :|

そうすれば…あの子はあんなジジイのところになんか行かなかったよぉぉ!!!」
j「ちょっ!何言ってんだよ!……ったく、なんだってんだ?」

270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/03(木) 23:28:02.80 ID:zCBSIw1B0

こ「ふわあああぁぁぁ……なんだよぉ、もう」
ゆ「ふわぁ……、あれ、かがみさん、泣いてるの?」
こ「ちょっとJUM〜、私の嫁になにしてのさ〜」
j「な、なんもしてない!僕は何もしてないぞ!」
こ「素直に言えば、今なら蹴りで済ませてあげるよ〜〜??」
j「ちょ待て!どっちにせよ蹴るのかよ!勘弁してくれ!」

か「あっ、…夢の扉が、開いてるわ」
こ「え?」
j「夢の扉って、この前見せたやつか?お前以外でそれができるやつって…」
か「つかさ…あなた、一体何をしようとしてるの……?」

つかさの目的は―
あきらの目的は―
そして、
あきらの前に現れた謎の存在とは一体―

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 12:40:08.81 ID:zBMoL9hv0

j「それで、つかさは爺さんの夢の中にいったってことか?」
か「そうかも…。だけど、爺さんはともかく、御婆さんの心は
もうどうにもならないってわかってるのに、あの子きかなくてさ…」
こ「ふ〜むぅ、なんか事件の匂いがするぜよ」
ゆ「事件?バロス探偵のこと??」
こ「ん、それもあるけど」
j「あんのかよ」
こ「な〜んか引っかかるんだよねぇ」
か「何が?」
こ「いやぁ〜、あきらのことだよ。つかさはあきらに何か言われたっぽいよねぇ。
あきらが一枚噛んでるんじゃないかと私ぁ思うわけ」
か「…まさか、ちょっとこのノート借りるわ!」
j「ちょ、なにするんだ!」
か「mのフィールド、行かなきゃ!」
こ「あれぇ、もしかして独りで行く気なの?」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 12:44:29.44 ID:zBMoL9hv0

か「そ、そうよ!これは私とつかさの問題なの。あんた達は関係ないわ!」
j「やれやれ、今まで散々迷惑かけたくせに、今更何言ってんだよ」
ゆ「じゅ、JUMさん…!」
こ「かがみ〜、JUMはね、もっと迷惑かけろって言ってるんだよ」
か「え?」
こ「なんだかんだ言って、JUMは悪い子じゃないよ。私が保障するよ」
か「……、わ、わかったわよ。あ、足手まといにならないでよね!」
j「ったく、口の減らない奴」
こ「かがみはいっつもあんなかんじだよ〜」
j「ふ〜ん、どうだか」


か「(やっぱり、JUMっていいやつかも…な)」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 13:03:05.68 ID:zBMoL9hv0

-mのフィールドを抜けた
その先にあったのは、古い家屋だった

こ「ここは…」
ゆ「お、御婆さんが寝てるよ!?」
か「気にしないで。どうせ起きないから」
j「ここ、普通の家じゃないか。家宅侵入罪にならないのか?」
こ「細かいことは気にしない気にしない〜」
か「この御婆さんはね、私が初めて来たときからずっと寝たきりなの。
目覚めるはずないのに、つかさは何躍起になってるんだか…」
こ「…あ、夢の扉だよ?」
ゆ「なんか落ちてるみたい」

夢の扉がそこにはあった。すぐそこで眠っているのは、爺さんである。
だが、ただそれだけではなかった。
爺さんの夢の扉の配下にあったもの。それは―彼女達がよく知る、
桃色の髪の毛だった

こ「やっぱり、あきらが何か企んでるんだね。みんな、行こう〜」
j「え、えっと…失礼します…」

一行は、夢の世界へと入り込んでいった

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 13:06:49.63 ID:zBMoL9hv0

こ「ふ〜む」
j「み、見事にフィギュアばっかりだな。あ、ゴールドライタン…」
か「あの爺さん、フィギュア屋をやってたから」
ゆ「たくさんあるね〜。お人形さんもあるよ」
こ「たっくさんのフィギュアに、辺りは闇。ふむふむ、これは中々深刻だぁね」
か「こなた、あんたフィギュア好きでしょ?興味とか引かれないわけ?」
こ「いっや〜所詮夢の存在だからね〜。手に入らないってわかってるから
子どもみたくはしゃいだりはしないよ〜」
j「(現実だったらはしゃぐのかよ…)」

か「あ!あそこ!つかさよ!」
こ「よっし!200m走24秒台の私に任せなさい!…とう!」
j「おもっくそ飛んでるがな」
ゆ「お姉ちゃん、ここでは走るのはあまり意味ないよう…」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 13:12:54.49 ID:zBMoL9hv0

か「はぁ…はぁっ、見失ったわね。つかさのくせに、なんであんな
速いのかしら??」
こ「まぁ、この世界に行きなれてるんじゃないかな。
何度も来てれば飛びやすいってのはあるしね」
j「(じゃあつかさは、爺さんをなんとかしようと何度も何度も
夢の世界にいたってことか…かがみじゃないけど、どうしてそんなに…)」
ゆ「お姉ちゃん、あのフィギュアすっごい大きいよ」
こ「おぉ〜、これまたでっかいねぇ」
か「ちょ、みんな!あそこ見て!」

かがみが指差した先、家の形をしたフィギュアの内部に、
つかさが倒れているのがわかった

か「つかさ!つかさぁ!」
こ「気を失ってるみたいだね。JUM、開けて」
j「わ、わかった。ふんぬっ………ぐぐぐ、…うぁっ!!」

割と容易く、ドアが開いた

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 13:17:24.54 ID:zBMoL9hv0

か「つかさ!起きなさいよ!つかさ!(ベシベシ)」
j「お、おい。もうちょっと優しく起こしてやれよ…」
か「なに!?あんたつかさには何か優しいわねぇ?」
j「い、いや、そういうつもりじゃないんだが…」
こ「(むっふっふ、かがみん、いいヤキモチだ、GJ!)」
か「ほらつかさ!起きなさいってば!(ベシベシベシ)」
つ「う、うぅん…いた、いたぁい」
か「つかさ!もう〜、心配ばっかかけて…」
つ「お姉ちゃん、それに…みんなぁ」
こ「いや〜無事でよかったよぉ。…あれ、つかさ、ドンデカ(人工精霊)は?」
つ「え??あれ??」

あ「お探し物は〜これですか〜〜??」

遥か上空―
ドンデカを指で弄繰り回す、あきらの姿があった

あ「ふふふ〜、お爺ちゃんに優しくすると、いいことがあるのね〜あきらやっさし〜」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 13:22:37.14 ID:zBMoL9hv0

か「ちょ、あんた!つかさのドンデカーを!」
あ「うふふ〜♪けっこぉ簡単に手に入ったの〜」
か「あんたねぇ、どうやって夢の世界に入り込んだのよ!?」
あ「え〜?あきらぁ、つかさちゃんが開けてくれたから
入っただけだよ〜〜?あんまり怒っちゃだめだぴょ〜ん♪」
か「え……!?」
あ「お爺ちゃんがね〜、自分で夢の扉を閉めようとしてるのを知った上でぇ、
つかさちゃんは夢の扉を開けたの〜。そうだよね?つかさちゃん」
か「あんた!いつまであんなボケジジイを!」
つ「やめて、マスターを、悪く言わないでよ…」
か「あんたねぇ〜〜!」
j「落ち着けって!かがみ!」
あ「う〜ん、でもでもぉ、あきらドンデカーだけじゃちょぉっと物足りないかもぉ、
ねぇ〜かがみちゃん〜、ツンデリームも欲しいな〜。ちょうだ〜い」

こ「いい加減にしな、あきら。ドンデカを返して」

こなたが、あきらの元へ詰め寄った

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 13:27:14.73 ID:zBMoL9hv0

あ「あれれ〜?こなたちゃん知らないの〜?」
こ「…??何が??」
あ「お爺さんはぁ、あきらにと〜っても優しいの。だ・か・ら」

突如、ロケットパンチが炸裂した

こ「…っ!?」
あ「ここにあるフィギュアは、全部あきらの思うがままなんだよ〜うふふのふ〜」
こ「そういう、こと…っ!うぁっ!!」

追撃は、熱線のようなものだった。咄嗟にこなたは回避したが、
たった今こなたが立っていたところは、熱によって溶解していた

こ「かがみ!あきらはゆうちゃんとJUMで何とかするから、
つかさを連れて逃げて!」
か「わ、わかったわ!」
つ「あ…夢の扉…」

つかさが言うよりも早く、この世と現世を繋ぐ扉が、閉まった

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 13:34:16.39 ID:zBMoL9hv0

あ「ふふふ〜、まぁいいや。楽しもうね〜二人とも♪」

-あきらが、不敵に笑った

j「ん?あれは…」
か「世界樹ね。あそこに飛び移るわよ」
j「え?うわあああああ!!!」

今まで重力がなかったのに、いきなりそれが現れた
JUM達は必死に世界樹にしがみつき、枝へと無事飛び移った

j「でかいな。これが、爺さんの木?」
か「んなわけないでしょ。ここは枝よ。夢っていうのはね、
世界樹を通じて無限に枝に分かれていくものなの。
夢と夢は交わらないけど、その存在は」
j「ごめん、三行で頼むわ」
か「枝がある
夢が似ている
ねこかわいい」
j「ん、なるほどなぁ、イマイチよくわかんないけど」
か「爺さんの苗木はもっと上ね。行くわよ」

三人は、世界樹を登っていった

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 13:41:21.34 ID:zBMoL9hv0

か「この枝の先が、御婆さんの夢の世界」
j「すっげぇ細いな」
つ「心が枯れかけてるの…今にも、折れそうで…」
か「とにかく、先へ行くわよ」
j「あ、あぁ」

今にも枯れて折れてしまいそうな枝
三人はそこを一歩一歩と進んでいった
やがて夢の扉が彼らを出迎え、夢の世界へといざなっていった

j「…ん?何もない、な」
か「だから言ったでしょ。心が空っぽなの」
つ「お爺さんの一人息子の、かずき君を交通事故で亡くしてから、
マスターの奥さんはずっと眠ってるの。だから、御婆さんの心に何かあったって思ったの」
か「御婆さんの心をなんとかすれば、お爺さんも心が元通りになる。
御婆さんを救えば、爺さんも救える。…って、なんで私が説明しなきゃいけないのよ」
つ「お姉ちゃんには迷惑ばかりかけちゃったし…お姉ちゃんは別のマスターを…」
か「何水臭いこと言ってんのよ…ここまで来たら、最後まで付き合うわよ」
つ「お姉ちゃん…ありがとう」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 13:46:02.57 ID:zBMoL9hv0

?「もういいよ、もういい」
か「…?誰?」
つ「もしかして…かずき君?」
j「こ、これがかずき…?」
か「木なんか、探さなくていいよ」
か「な、なんで?」
つ「どうして?」
か「だって、この世界に、僕がいるから…」
j「…!?」
か「ここは何もない世界。恐い人も、車もない。だから、お母さんと一緒に、
静かに暮らそうって言ってるんだ。ずっと、一緒に」

j「それじゃあ、爺さんはどうなるんだ?」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 13:50:46.60 ID:zBMoL9hv0

か が二つあるね。かずき→kz で

kz「…っ!」
j「確かに、君を亡くして辛いとは思っただろうさ。でも、
何も不自由ない、そんなところに引きこもってたら…」

そのとき、JUMの口が止まった
そう、かずきは自分と同じなのだと。現実から目を背け、
何も困らない、自分が困らないために全てから逃げ、安住の地に
引きこもる。そんなかずきと、自分が似ていたから―

kz「お母さんは…お母さんは…!」
j「爺さんも、寂しいんだ、ずっと独りで。それに…婆さんも、まだ死んでないんだ。
二人を…現実から帰してあげなよ」
kz「お母さん…お父さん…僕は…」

かずきは、迷っていた。そうすれば、今度は自分が孤独になってしまう
しかし、かずきはもはやこの世の人間ではないのだ
二人を苦しめているのは、他ならぬ自分だから―

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 13:56:14.97 ID:zBMoL9hv0

?「うふふ…ふっふっふ〜」
j「なっ、なんだ?」
か「もしかして、あきら?仕方ないわね。一旦退くわよ!ツンデリーム!」

かがみの人工精霊が輝きだす。すぐに、夢の扉がその場に現れた

か「さ、早く行くわよ!」
つ「お姉ちゃん、かずき君は…」
か「…今はそんなこと言ってる場合じゃ、ないわよ!」

そして、三人は再び現世へと戻ってきた

か「早く、早く夢の扉を閉めないと」

遅かった。すぐ傍にあった家屋の窓ガラスが、何かに押し付けられるようにして破れた

あ「は〜い、みんなのアイドル、あきらだよ〜」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 14:00:54.76 ID:zBMoL9hv0

か「…!こなたとゆたかちゃんはどうしたのよ!」
あ「あれれ〜?そういえばいないよね〜。まだ夢の世界にいたり〜なんて?」
か「くっ、ツンデリーム!」

かがみの双刃があきらに突き進む。しかし、あきらはそれで指で弾いた

あ「マスターのいないかがみちゃんなんか、あきらの敵じゃないも〜ん」
つ「私だって…!えい!!」

つかさのカチューシャが、巨大なハサミとなってあきらに向かう、が

あ「ドンデカーがいないんじゃ、つかさちゃんのはただの100円のハサミだよね〜」

あきらに当たることなく、砂と化した

あ「さーて、負ける要素がないので、ドンデカーももらうよ〜?覚悟は、いいかな〜!?」

あきらの頬が、邪悪に綻んだ

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 14:04:57.82 ID:zBMoL9hv0

あ「えい!」

あきらが人工精霊を使役した。巨大な球体へと変化したそれは、
真っ直ぐとかがみの前へ去来した

か「い、いやぁぁぁ!!」
j「くっ…!!!」

受け止めた
JUMだった。かがみに当たるすんでのところで、JUMはドンデカーの
エネルギー体を抑え込んでいた

か「ちょ、やめてよ!あんたに助けられるほど、私は落ちぶれちゃいないわよ!」
つ「だめだよぉ!JUM君、放して!」
か「こ、こらJUM!聞いてるの!?」
j「き、聞いてるさ。だけどな…僕だって、僕だって…!
ヘロヘロなお前らを黙って見過ごすほど、
落ちぶれちゃいないんだよーーーーーーーーーー!!!」
か「じゅ、JUM…」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 14:11:04.21 ID:zBMoL9hv0

あ「ふふ〜、どれだけ耐えられるのかな〜〜?かな〜〜?」
j「くっ…う、…うああああああ!!!」
つ「ドンデカー!もうやめてぇ!!」
あ「ドンデカーはもうあたしのなんだよ〜?つかさちゃんの言うことは
もう聞かないよ〜〜??」
j「ぐああああ!!!うっ…ぁぁああっ!!!」
か「JUM!JUM!!! …もうやめてぇ!お願い…。あきら、ツンデリームを渡すから、
お願い…もうこれ以上、JUMを傷つけないで…」
j「だ、だめだ、かがみぃぃ!!」
あ「最初っからそうすればいいのに〜。あきらちょっとプンプンだよ〜」
か「ツンデリーム…」

かがみの手から、小さな精霊が現れた。今生の別れにも似たかがみの前を、
静かに泳いでいた。やがて、ツンデリームはあきらの元へ渡っていった

つ「お、お姉ちゃん…」
j「だめだ、やめろ…やめろかがみぃぃぃ!!!!」

あ「ふふふ…ったく、手間かけさせやがってよ…。いただきっと」

かがみの人工精霊は、なくなったのだった―

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 14:14:47.04 ID:zBMoL9hv0

ゆ「はぁ、お姉ちゃん…出られないね」
こ「うーむぅ、今回出番が少ないし…色んな意味でピンチだねぇ」
ゆ「あううう、…あ!お姉ちゃん!バロスだよ!」
こ「ふぇ?」

ゆ「バロス探偵のフィギュアだ〜」
こ「あらら、なんでこんなところに」
バ「ここから出る方法を、教えてあげる」
こ「ん!?」
kz「その代わり、お父さんとお母さんに伝えて欲しいんだ」
こ「ん?何かな?」
kz「離れていても、僕はずっと、二人の傍にいるって、お願い」
こ「ん、わかったよ」


kz「僕はもう、大丈夫だから……」


かずきは、そう言って静かに目を閉じた

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 14:20:39.94 ID:zBMoL9hv0

こ「ん、そうかぁ…ツンデリームも…」

爺「かずき!かずき!!ここか!?」

全員「   あ    」
つ「ま、マスター」
爺「ん、なんだお前は?かずきを攫いにきたのか?」
j「ち、違いますよ!」

婆「…んっ、んんっ」

つ「…え?」

長い間 それも何十年。閉じられていた瞳が、ゆっくりと、開いた

つ「わぁ…!」
爺「マツ…!」
婆「あなた…かずきが…かずきがね…」
爺「かずき!?かずきが?」

そう言って、爺さんはつかさを見た。しかし、今までは違う目だった
もうかずきはいないのだ、と。目覚めたマツの視線が、それを物語っていた

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 14:24:03.86 ID:zBMoL9hv0

-桜田家

j「なになに?メホホブルササンGセットで2000円?どうすっかな〜、これ」
?「JU〜M!」
j「うお、なんだこの強情にんgy」
ゆ「ゆたかだよ〜。かがみさん達はもう帰ったじゃない」
j「そ、そっか…」
こ「あれれー?かがみがいなくなって寂しいのかなぁ?だが残念、かがみは私の嫁なのだよ」
j「だ、誰が!余計なのが減って清々してるよ!」
こ「んふふ、やっぱり素直じゃないねぇ」

こなたはそう言って、穏やかに微笑んだ

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 14:29:31.80 ID:zBMoL9hv0

-爺さん家

つ「はい御婆ちゃん!お茶だよ」
婆「おぉ、ありがとう」
爺「わしにも注いでくれんか、つかさ」
つ「あ、はーい」
か「全く、調子いいんだから…熱っ!」
爺「どれ、貸してごらんなさい。こうするとな、いい具合に冷めるんじゃよ」
か「そ、それくらい…、知らなかった…。むぅ///(ズズ)」
婆「つかさの淹れるお茶は美味しいねぇ」
つ「ありがとう〜御婆ちゃん!」

もはや、つかさはかずきではなかった。しかし、かずきが死んでしまっても、
いつまでも、忘れることなく、かずきは爺さん、婆さんの記憶に残ることだろう。
死は悲しいものだ。しかし、死に縛り付けられて生きることは、もっと悲しいのだ。
つかさは、自分で淹れたお茶を一口飲んだ。

つ「―美味しい」

少しだけ、晴れやかな顔をして笑った

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 15:02:18.83 ID:zBMoL9hv0

あ「ふっふっふ、ようやく人工精霊が二体…あとはこなたと
ゆたかのがあれば…」
?「あらあら、中々順調のようですね、あきらさん」
あ「あぁ?なんだお前か。何の用だ?」
?「いいえ。特に用はないのですが、マスターが買出しに行ってて退屈でしたので」
あ「へ〜。お前んとこのマスター、確か…」
?「はい。ご存知の通りですよ」
あ「最後まで言わせないんか」
?「お楽しみは後々まで取っておいたほうがいいかと」
あ「ふんっ。あたしゃぁあたしのやりたいようにやる。
そう、萌え魂を手に入れて…嫁になるためにな…」
?「頑張ってくださいね」
あ「言われなくてもな」

?「そう、頑張ってくださいね…、あきらさん」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 15:08:53.64 ID:zBMoL9hv0

-桜田家

か「はぁ…困ったわね」
つ「そだね。ごめんねお姉ちゃん、私のせいで…」
か「済んだことはしょうがないわよ。それより、これからのことを考えましょう」
j「あーのーなぁ、なんでお前らここにいるんだよ!」
こ「ん〜?別にいいじゃん。またあきらがあの家で二人を襲ったら大変だし。
ここに少し居させたほうが色々安全じゃん」
j「そーじゃなくてだなぁ!あーもう!これ以上呪い人形を増やすなー!」
ゆ「……」
こ「ん?ゆーちゃんどうしたの?」
ゆ「ん、な、なんでもないよ。……はぁ(みなみちゃんは、この時代に目覚めなかったのかな)」
j「あーもう。ちょっと出かけてくる」
こ「あれ?珍しいね。どしたの?」
j「うるさいな。どこだっていいだろ」

バタンッ

こ「なーに怒ってんだか」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 15:21:28.11 ID:zBMoL9hv0

j「…ったく、これじゃいつまで経っても気が休まらないじゃないか」
と「あ…」
j「あれ、柏葉。何やってんだ?」
と「ちょっと、最近寄るようになったんだ」
j「ん?人形屋か?」
と「そう、腕はいいと思うわ。らっきーめいでんに劣らないと思う」

JUMは、巴の示した店を見上げた

【ENJU DOLLS】

控えめなルーフには、そう描かれていた。

j「塊(えんじゅ)…か」
と「ねぇ、良かったら一緒に見ていかない?」
j「ん、まぁ…いいけど」

巴が、JUMの手を引いて店へ入っていった

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 15:37:29.12 ID:zBMoL9hv0

?「いらっしゃいませ〜」
j「あ、ええっと…」
?「おや?男の子か。珍しいね」
j「えと、その…」
と「そんなに恐がらなくても大丈夫よ」
?「いやぁ、男の子での来客はとても嬉しいなぁ」
j「え?」
?「普通、人形って女の子が好きなものだろ?だけど、そんなの関係ない。
綺麗なものを好きになるのに、性別は意味を成さないのさ」
j「は、はぁ…」
と「ね、優しいでしょ?」
j「あ、あぁ。…あの」
?「ん?なんだい?」
と「この人形は…お兄さんが作ってるんですか?」
の「僕のことは野間って呼んでくれるかな。えーとね、店の名前にもなってる、
えんじゅって人が全部作ってるんだよ」
j「そうですか…」

?「…やっと、見つけた…ゆたか」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 15:43:58.20 ID:zBMoL9hv0

?「7回目にして…ようやくゆたかの居場所を突き止めた…
これより…ゆたか奪還作戦に移る…でも、その前に…

チュルチュル…

やっぱり…仕事の前のうどんは…おいしい…ちゅるちゅる。
ふぅ、お腹も膨れたし…ゆたか…どこ。……ペタカート」

謎のドールの指から、緑色の精霊が舞い降りる

?「一階の様子を…お願い。ゆたかがいるかも…お願い」

ドールがそう命ずると、ペタカートはひらひらと桜田家の中へ
侵入していった。

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 15:54:30.10 ID:zBMoL9hv0

つ「でねお姉ちゃん、クッキーの生地は万遍なくこねるんだよ」
か「こ、こう?うわ、意外と力いるわね、これ」
こ「ふふん、こんなもの慣れってこだよ。かがみんの怪力だったら、
すぐに柔らかくなるんじゃない?」
か「なっ!言うにこと欠いてあんたはー!!」
ゆ「う、うーんっっ!全然だめだよ〜お姉ちゃん〜」
こ「どれどれ、貸してみなさい。お姉ちゃんに任せなさい♪」
ゆ「ごめんね、お姉ちゃん、いつもいつも迷惑かけちゃって…ぐすっ」
こ「はいはい泣かないの〜。可愛い顔がもっと可愛くなっちゃうよ…うへへ」
か「そこ!からかうな!!」
つ「ほらお姉ちゃん〜、こねこね〜」
か「わ、わかってるわよ…」


?「…お帰り。どう、だった…?え…?……、そう。そう、か…
なら、私が…行ってあげるしか…ない…」


ドールの身体が、心が、猛々しく燃え上がった

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 16:10:23.86 ID:zBMoL9hv0

?「もはや、退路はない…」

ドールが、鞄から何かを取り出した。
ピアニカだった。ドールはそれを持ち、ゆっくりと息を吸い込んだ

?「今助け出してあげるからね…ゆたか。
……軍神と…戦塵のマーチ…!!」

端正な指使いで、曲を奏でる
勇猛なる力強いメロディーは、桜田家のガラス窓をいとも容易く粉砕した

こ「…なっ!?」
つ「ななな、なに〜〜?」
ゆ「あ、あれは!」

み「久しぶり…らっきーめいでんの皆…。「みなみ」です…」

そう告げると、みなみは優雅に一礼した

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 16:21:42.12 ID:zBMoL9hv0

ゆ「み、みなみちゃん!?」
み「ゆたか…迎えにきたよ…さぁ、私と…かえr」

パンッ!

み「ゆた…か?」
こ「おぉう、ゆーちゃんだいた〜ん」
ゆ「みなみちゃんの馬鹿っ!どうしてこんなことするの!?」
み「それは…ゆたかが…泣いていたから…」
ゆ「それは私がドジだったからだよ!私が泣いてたからって、
どうしてJUMのお家の窓ガラス割るの!」
み「ゆたか…JUMって…」
ゆ「直して!でなきゃ私、みなみちゃんんこと…っ!」
み「…そう、か。こなたさん、あなたの…せいですね」
こ「え、えぇ!?」
み「あなたが…ゆたかをかどわかしたから…ゆたかがこんなことを…」
こ「ちょ、ちょっと待ってよ!ゆうちゃんの話聞いてたの!?」
み「…退路は、ない。……咆哮と…慟哭のオペラっ!」

叫び声のような、泣き声のような、激しい旋律が居間を包み込んだ

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 16:32:42.53 ID:zBMoL9hv0

こ「うぁぁぁっ…!」
か「耳が…いたぁっ!」
つ「ふええええ…みなみちゃん…やめてよぉっ!」
ゆ「はぅぅぅ…どうして…みなみちゃん」
み「さぁゆたか、一緒に…帰ろう」
か「ったく、黙ってればいい気になってー!」
み「人工精霊のいないあなたちに…私は…止められない…」
つ「え?」
か「ど、どうしてそれを…!」
こ「もしかしてみなみちゃん、あきらとつるんでるの!?」
み「知らない…でも、あきらが…私に愚痴をよく言いにはくる…それに」
こ「それに?」
み「…これ以上は、余計…剣舞と…演舞の…ワルツ」

異なる二つの音色が、交互に繰り出される。一つは家財をえぐりだし、
もう一つはドール達を吹き飛ばす

こ「くっ……!」
み「そろそろ…とどめ…」

みなみが、ここぞとばかりに息を吸い込んだ…

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 16:48:40.95 ID:zBMoL9hv0

?「……〜♪…〜♪
あ、天使さん…。今日も来てくれたの?」
あ「あんた、まーだ死んでなかったの?しぶといのね」
?「ほんと、しぶとくてごめんなさい。でも、この前袖口が
熱かったから、戦ったんでしょ?他のドールと」
あ「ま、そのおかげで二つの人工精霊を手に入れたわけよ」
?「天使さんは、どうして人工精霊を集めてるの?」
あ「そんなこと、あんたに話す必要ないでしょぉ?」
?「そうね。天使さん、早く私を殺してね」
あ「……」
?「どうしたの?」
あ「なんでそんなに死にたいわけ?あんたまだ若いじゃん」
?「……だって私は、ジャンクだから。イラナイ子なの」
あ「ジャン…ク」
?「不完全なの。生きるのもまともにできない、欠損した人間なの。
そんなのがおめおめ生きながらえても、苦しいだけでしょ?」
あ「…そーね。その通りね」
?「だから、もっと私の力、使ってね」
あ「ふん、言われなくてもそのつもりよ」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 16:59:24.06 ID:zBMoL9hv0

み「さぁ…終わりにする…っ。攻撃と暴力の…」
ゆ「 ダメぇぇぇぇーーーー!!!! 」

ゆたかが吼えた
ゆたかから無色の衝撃波が走り、みなみに炸裂した

み「ぐ…っ…ぅ」
こ「ようし、かがみ!」
か「わかってるわよ!それ!」

かがみの双刃が、みなみの両手を壁に押さえつけた
ゆたかの攻撃もあってか、みなみはそれ以上抵抗はしなかった

み「く…ゆた…か」
ゆ「みなみちゃん…もうやめて…お願い」

ゆたかがゆっくりとみなみに歩み寄る。俯いたみなみの表情は、
長い前髪のせいではっきりとはわからない
だから、ゆたかはみなみの頭を抱きしめた

ゆ「みなみちゃん…会いたかった…」
み「私も…ゆたか…」


こ「あのー、イチャイチャするのは結構なんだけど、家の中片付けてくんないかな」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 18:04:39.83 ID:zBMoL9hv0

ゆ「みなみちゃん…目覚めてたんだ?」
み「…うん」

ようやく落ち着いたみなみは、桜田家の居間を元に戻し、
ドールと共にクッキーをかじっていた

ゆ「それで…本当に私に会うためにやってきたの?」
こ「いや、そうだと思うけどねぇ」
か「…まじ?」
み「それもあるけど…半分は…違う…あきらが、あの子と手を組んでる…
それを…報せにきた…」
つ「あの子?…ええと、あれ?もう6人全員揃ってるよね?まだ、いたっけ?」
み「名前は…聞いてない。だけど、らっきーめいでんに…もう一体いる…
それとあきらが…組んでる」
か「もう一体って、名前知らないの?」
こ「ふ〜む。なんだかややこしいことになってきたね〜。JUMがいないだけマシだけどさ」
ゆ「みなみちゃん、もう一人のこと、知らないの?」
み「……そういえば…人形屋さんに…出入りしてるって…あきらが…言ってたた…」
こ「人形…屋さん…?」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 18:08:48.04 ID:zBMoL9hv0

誤字多すぎ しっかりしろ私

-えんじゅの店

の「っていうかんじなんだよ」
j「そうなんですか…」
と「桜田君、私、そろそろ」
j「わかった。じゃあ、今日はこれで失礼します」
の「また来てね。桜田君だったら歓迎するよ」
j「ありがとうございます」

と「どうだった?」
j「結構、いいとこだな。えんじゅさんだっけ?今日はいなかったのかな」
と「さぁ…。私も来るのは二度目だから、見たことはないわ」
j「そうか。いつか、会ってみたいな」
と「あの子たちの、マスターだから?」
j「それもあるけど、やっぱり作ってる人の話も、聞いてみたいしな」
と「そう。じゃあ、またね」
j「あぁ。…さて、帰るかな」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 18:11:23.54 ID:zBMoL9hv0

-再び、えんじゅの店

の「えんじゅさん、彼、結構興味深いね」
え「…そう」
の「まだ尋ねるには早いかな?」
え「…さぁね」
の「また、新しいの作ってるんだ」
え「…あぁ」
の「そっちばっかり没頭したら、あの子が嫉妬するよ」
え「…大丈夫。あの子以上のものなんか、できっこない。
あの子が…最高傑作なんだから」
の「…さいですか」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 18:17:59.45 ID:zBMoL9hv0

j「ただいま」
こ「お帰り。遅かったねぇ」
j「まぁ、たまにはそのくらいにはなるさ」
こ「今日はのりの帰りが遅くなるってさ。電話で言ってた」
j「ん、そうか」
こ「かがみたちも、今日は帰ったよ」
j「うん…」
こ「JUM、いつもだったら『うるさいのが減って嬉しい』とか言わない?」
j「…それは前までだ。でも、あいつら人工精霊、あきらに取られちゃったんだろ?
そう思うと、軽々しく憎まれ口叩けないっていうか…」
こ「可哀想…って思ってる?」
j「そんなんじゃない!…けど、どうしてって思う。なんであきらって奴は、
あんなに戦いばかりしたがるのかって。お前ら姉妹なんだろ?なのに…どうして」
こ「あきらはね、一番嫁になりたがってるんだよ。第1ドールっていうのもあるけど、
私達以上に執着が強いんだよ」
j「なんで…そんなに」
こ「あの子は…あの子は…」

ゆ「きゃああああ!!!」

こ「…っ!?ゆうちゃん!!」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 18:22:55.09 ID:zBMoL9hv0

あ「おはらっき〜☆あれあれ〜?ゆたかちゃん独りなの〜?
じゃあじゃあ、早速だけどゆうちゃんの人工精霊もらっちゃうよ〜。
いいよね?あ、奮発して萌え魂でもいいよ〜」
ゆ「…だ、だめ!」

こ「ゆうちゃん!」
j「ゆたか!」
ゆ「お姉ちゃん…じゅ、JUMさん…」
あ「ちっ、またあんたらか。…わ〜ぉ、妹想いのお姉ちゃん華麗に参上ぉ〜。
これは燃える展開ですね〜!」
こ「あきら、今度はゆうちゃんの『ベリーロリ』を奪う気なの?」
あ「あれれ〜?なんでわかっちゃったの〜〜?あきらおどろき〜」
こ「今までの行動見てりゃそりゃわかるって…」
あ「そっか〜、じゃあじゃあ、ばれてるなら少し今日は大胆にいっくよ〜それ!」

あきらの手から、三つの人工精霊が現れた

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 18:27:05.37 ID:zBMoL9hv0

あ「さ、いっくよ〜、それ!」

あきらの声に応じるかのように、ドンデカーがゆたかに向かってくる

ゆ「う…くっ!ベリーロリ!」

ゆたかの人工精霊が舞い降り、ドンデカーの攻撃を衝撃波によって押し返す
しかし―

あ「うふふ〜。ツンデリーム!」

背後に回っていたつがいの刃が、ゆたかの背に激突した

ゆ「く…ぁっ…!」
こ「ゆうちゃん!」
あ「行かせないよ〜〜、『ミサキイ』!」

あきら自身の人工精霊がこなたの行く手を阻む
こなたの一歩先を、無数の剣が突き刺さった

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 18:31:15.58 ID:zBMoL9hv0

こ「アホーリエ!」

こなたもまた具現する。晴れるような色をした盾が、
剣の壁を叩き潰す

あ「ちっ!…くっ!」
ゆ「それなら…!後ろにも壁を作るよ」

ゆたかの衝撃波が、ゆたか自身を守る鎧となった
盾と鎧―相対せしは、剣と刃と、鋏

あ「なら、まとめて潰す…!」

剣と鋏がこなたの盾に切りかかり、鋏がゆたかの暴風壁にめり込んだ

ゆ「えっ…!そ、そんな!」
あ「ふっ、ドンデカーの効力は相手の防御壁を切る力がある…
長い間寝すぎて忘れちゃったのかしらねぇ??」
ゆ「うう…だめ…防げないよ…っ!」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 18:35:59.00 ID:zBMoL9hv0

み「破壊と…破滅の…ロンド」

目まぐるしいディスハルモニーが駆け巡った
みなみの攻撃だった。その脳が揺れるような音色で、
ドンデカーとツンデリームの攻撃がピタリと止まった

あ「くっ…みなみ!」
み「私は…ゆたかを守ると言った…あなたに加勢する気は…ない」
あ「ちっ、三対一じゃ少し不利ね…いいわ!今日は退いてあげるわ。
人工精霊も返してあげる。それじゃあね…ばいに〜」

あきらは、そう言うと虚空へ飛び去っていった
自由になったドンデカーとツンデリームは、元の持ち主のもとへ飛来していった

こ「…はぁ、はぁ。どうして…?あっさりすぎない?」
ゆ「でも…助かったぁ」
j「確かに…あいつにしては、気前も良かったな」
み「(何か、企んでいるかもしれない…油断は、いけない…)」

様々な想いが、みなの心を交錯していった―

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 18:40:52.67 ID:zBMoL9hv0

?「あら?どうかしたのですか?」
あ「…とぼけるんじゃないわよ!あんたの…あんたの言ってたこと、
全部でまかせだったじゃないの!あんなんで…あんなんでめぐは助かりっこないでしょ!」
?「でまかせなんて、失礼ですね…。現にあなたは、人工精霊を
三つも持ち、力を得ていたじゃないですか」
あ「めぐが助からなきゃ、そうじゃなきゃ意味がないのよ!…大体、
三つあったって、不利だったわ。そうよ、あたしはいつも独り…
独りじゃあいつらには勝てやしない…そうでしょ?」
?「私が、ついていますから」
あ「……くそったれ」
?「でもね、あきらさん。もっといい案があるんですよ?」
あ「…あ?」
?「それは……」

あ「そう、ね。あたし達らっきーめいでんは、そのために生まれてきたんだから…
そうよ、もう徹底的にやってやる…あいつらを…完全に潰すわ」
?「そうです、その意気ですよ、あきらさん」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 19:02:56.48 ID:zBMoL9hv0

ぐぁぁぁ…空腹なのに食欲がない…っていうか気持ち悪い ・・

か「こ、こなた!ツンデリームとドンデカーが戻ってきたって本当なの!?」
こ「うん。あきらがあっさり返してくれたぉ(モグモグ)」
つ「あ、ありがとうこなちゃん…」
か「これで、私達も足手まといにならないわね」
ゆ「みなみちゃんが助けてくれたの。みなみちゃんがいなかったら…」
つ「ありがとう、みなみさん」
か「ま、まぁ礼だけは言っておくわ」
み「いえ…そんな…感謝されることでは…」
こ「ま、何はともあれ一件落着じゃーないかね?」
つ「そだね。本当にありがとぉ」
か「…それより、あいつはどこに行ったのよ?」
こ「え、また出かけてるよ。復学するからとかで、図書館で
勉強してるんだって」
つ「偉いねー。私なんかほとんどしなかったなぁ」
か「いや、そこ自慢することじゃないから」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 19:07:58.18 ID:zBMoL9hv0

j「ふーむ…Xが3で…yに値を代入して…」
と「桜田君」
j「うわぁぁっ、か、柏葉!?」
と「そ、そんな驚かなくてもいいじゃない」
j「いきなり話しかけてくるからだ、驚かせるな」
と「勉強、どう?」
j「…ん、応用がうまくいかない」
と「もうそんな進んだんだ。桜田君早いね」
j「そんなことないよ。まだわからない所はたくさんあるしな」
と「そう…ねぇ、またあそこ、寄るんでしょ?」
j「ん、あぁ」
と「今日はちょっと用事があって行けないんだ。新しいの入ってたら教えてね」
j「…わかった」
と「ありがと」

j「……まぁ、行くから別にいいんだけどな……えっと、そうするとyが……」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 19:18:48.42 ID:zBMoL9hv0

j「はぁ…のめりこんだらもうこんな時間か…あ」

JUMは足を止めた。「ENJU DOLLS」
その看板を見るだけで、JUMの疲れきった意識が再覚醒した

j「こんにちはー」
の「お、桜田君、こんにちは。今日はえんじゅさんに会ってみないかい?」
j「え…?えんじゅさんって、確か人形を作ってる…っていう」
の「そうそう。大丈夫、恐くなんかないから」
j「わ、わかりました」

の「えんじゅさーん、連れてきましたよ」
え「……」
j「…っ(綺麗な顔してるな…。外国人なのか?)」
え「……」
j「え、えっと…」
の「大丈夫、リラックスして」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/04(金) 19:22:02.47 ID:zBMoL9hv0

ペタッ

えんじゅの指が、いきなりJUMの頬に触れた
というよりは、押し付けた。JUMの何かを確かめるように。そして

え「…合格」
j「………え?」
え「ただ、髪はもう少し切ったほうがいい」
j「……っ!」
の「良かったねぇ!合格だってさ!」
え「これからは…好きなときに来るといい…」
j「あ、ありがとうございます…!」
え「……」
の「えんじゅさん、淡白だけど、君の事気に入ったから、安心して(コソコソ)」
j「は……はぁ」

だがなぜか、嬉しい気持ちになったJUMだった



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