みくる「ハルヒ、お茶買ってきなさい」


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532 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 06:10:37.74 ID:XlvhgBtzO

11月も終わり、一段と寒さを増し、身を震わせながら布団から出るようになった12月。
クリスマスや年越し等、恋人がいる方は日本の経済に一杯貢献してやれ、独り身の俺には無縁の話しだ。
ざまぁみろ。財布まで寒くなるのは嫌だからな。と思って居たんだが俺も日本経済に貢献しなくてはいかんらしい。
そんな厄介事を持ち込んでくる奴は決まってハルヒだったんだが、今回は意外な人物だった。

 いつもはダイブで起こしてくれる妹も今は布団中に潜り込んでくるなり、キョン君あったか〜い。とか言いながら体を寄せてくるもんだから邪魔でしょうがない。
しょうがないので、俺は布団の温もりか身を離し、震えながら着替えて、歯磨いて飯を食べる。暖かい味噌汁を飲んだ時の胃に感じるあれは、何度経験してもたまらん。あぁ日本人でよかった。
学校にもまだ暖房は入ってない。なので校内に入っても寒いのには変わらない。
昼には気温も多少上がり、震えるほどでは無くなが、朝はやっぱり寒い!あぁさぶっとつい言ってしまう俺も誰が責められよう。
いるのだ、責める奴が。そう皆さんご存知“涼宮ハルヒ”だ。
『男子はいいじゃない、ズボンなんだし。』
ホントまぁこのクソ寒い中、生足でご苦労様ですハルヒ様。そう言いながら俺は珍しく俺より遅く登校してきた団長様にあいさつする。
ハルヒはダッフルコートの着て、来るべき冬に備えていたが、スカートよりコートが長いのか、足は北風に身を晒していた。
『あんたもスカートにして外歩いてみなさいよ。ものっすごく寒いんだから!ニーハイ様様よ。ほれ』
コートを脱ぐと短いスカートに膝上までの長い靴下、そのわずかな隙に見えるふとももを見せびらかすように足を上げる。
わかったから足を上げるのはやめろ!ぼやいた俺が悪かった。お前は足を見せたいのだろうが、俺はスカートの中から見えてる黒い布に目がいっちまう!決して口には出せないがな。ありがとうハルヒ。
まぁ座れよと、ハルヒを席に誘導し、しかし最近一段と寒くなったな。と、ハルヒに話してるうちにHRのチャイムが鳴り、退屈な授業が始まった。

授業が睡魔との戦いなのは今に始まった事じゃないが、冬場は特に辛い。やはり本能的に寝ようとしているのか、睡魔の野郎が超絶強化で襲ってくる。
そりゃあ負けるよ。大体、理性が本能に勝てるわけがない。しょうがないさ。

537 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 06:33:54.75 ID:XlvhgBtzO

浅い眠りに入る寸前のところで、背中にシャーペンが刺さる、チクチクした痛みを感じた。
何だよハルヒ。ゆっくり体を起こし少しだけ顔を後ろに向ける。授業中なのであまり目立つ動きは出来ない。
ハルヒは無言で小さく折った紙、手紙みたいな物を渡してきた。
不審に思いながら手紙を受とり目を通す。なになに。
「あんたクリスマスとか予定ある?もちろんないわよね?そのまま空けときなさい!いいわね!」
ケンカを売ってるのか?これは。まぁどーせ予定なんかないし、去年みたくSOS団の活動だろ?わかってるよ。
みたいな事を同じ紙に書いて返したが、直ぐさま戻って来た。なんなんだ一体?戻って来た紙にはこう書いてあった。
「このバカ!今年は去年みたいなことしないわよ!そうじゃなくて、あたし個人が、あんたが持て余してるクリスマスの時間をくれと言ってるの!」
さっぱりわからん。つまり何が言いたいんだ?簡潔に言ってくれ。
「12月24日と25日あたしとデートしろ!出来れば泊まりで!!わかったか?!」
しばらく思考が停止した。そっと振り向くと、ハルヒは耳まで真っ赤にして机に突っ伏していた。
たまに、ちらっとこっちを見ては真っ赤になり、明らかに挙動不審になっている。こいつ、かわいいな。
さて返事だが、まず自分の気持ちを整理しよう。
俺はハルヒが嫌いなわけではない、寧ろ好意を持ってはいる。それが恋愛感情なのかは自分でもよくわからないが、仮に付き合う事になっても構わない。ならば返事は決まってるな。
わかった。じゃぁクリスマスの予定はハルヒとデートだな、泊まりで。
ハルヒに紙を渡したところで授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、昼休みが始まる。ハルヒは俺の返事を確認すると顔を真っ赤にしながら教室を飛び出して行った。
昼飯は決まってアホの谷口と国木田の3人で食べていたが、今日は国木田が風邪で休みなので谷口を置いてSOS団本拠地である文芸部の部室で食べることにした。
なんせあそこは暖房が効いてるし、お茶だって飲める。アホと食ってもつまらんしな。
部室には長門がいつも通り本を読んでおり、部屋は暖房で温められていた。ここで弁当食べてもいいか?と言う俺にコクンと頷いてまた本を読み始めた。
俺は長門の分のお茶も作り、そっと長門の前に置いてから椅子に座わり、弁当を広げた。

547 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 06:59:41.98 ID:XlvhgBtzO

しかし、ハルヒの誘いにはびっくりだな。というか付き合ってもない、告白すらしてない男女が、クリスマスを泊まりがけで過ごすのはどうなんだ?
やっぱりまずいよな、まず告白して、付き合うって形にするべきか。しかし、俺はハルヒと付き合いたいのか?
確かに付き合っても構わないとは思った。構わないとは何だよ、俺は何様だ!認めろ。
俺はハルヒが大好きなんだな。
放課後、いつもの様に朝比奈さんのお茶をススリ、体も心も温める。
『そうそう、今年のクリスマスなんだけど』
ハルヒが切り出す。今年はハルヒとデートだ。答えの分かっている俺は余裕で茶をススル。
『各自自由に「うちでパーティー」よ?』
誰だ割り込んだのは。それは意外な人物だった。
「私の家でパーティーをすることを推奨する」
そう、長門である。
『有希?あなた本気?』
「本気?…だめ?」
ダメだ、俺はハルヒと一夜を!
『駄目じゃないけど…わかったわ。今年は有希の家でクリスマスパーティーよ!』
えぇ!じゃあ一夜は?メイクラブは?
「準備はしてある。あとは当日来てくれればいい」
えらく準備がいいな。なにか裏がありそうだ。
まぁ決まってしまったものは仕方ない。みんなで雑魚寝なら色々楽しそうだしな。
『そうですね、色々とね』
やめろ古泉、視線が熱い!

んで当日。パーティーは夕方からなので、俺は朝からハルヒを呼び出しデートをすることにした。楽しい一夜が無くなったんだ。デートくらいいいだろ。

548 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 07:02:01.97 ID:XlvhgBtzO

んで当日。パーティーは夕方からなので、俺は朝からハルヒを呼び出しデートをすることにした。楽しい一夜が無くなったんだ。デートくらいいいだろ。
待ち合わせは場所には既にハルヒが来ており、身を震わせていた。
『悪い、待ったか?』
聞くまでもなかったな、スマン。ハルヒは喋るのも面倒くさそうに、喫茶店を指差し歩いていった。
中は暖房で温められており、ホットティーを飲む頃には何時ものハルヒに戻っていた。
『で、こんなな朝早くから何の用?』
決まってるだろ?パーティーの前に、お前と二人で過ごしたかったんだよ。
ハルヒは顔を赤くしながらしばらく動かなかったが
『そ、そうね!そういう事なら仕方ないわね!付き合ってあげるわよ。』
と言っていた。やっぱり可愛いな、こいつ。しばらく照れるハルヒを見ていると『なによ?なんか着いてる?』
と聞いてきたので、やっぱりハルヒは可愛いなと言ってやった。
『今日のあんた、何かおかしいわよ?』
そうか?いつもより素直なだけだろ?と反すと赤くなり俯いて、う〜と唸っている。あぁ可愛いよハルヒ。
ハルヒとのデートはどこに行くわけでもなく、喫茶店で暖まった後はブラブラとウィンドウショッピングを楽しんだ。

549 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 07:02:45.74 ID:XlvhgBtzO

何を見てもきゃっきゃはしゃぐハルヒを見て俺も楽しい思いだった。
何もなくていい、ただ、ハルヒが居れば。寒さのせいか、午後には手を繋いで町を見てまわっていた。
『そろそろ有希の家行く?ちょっと早めだけど』
そうだな、準備出来てると言っても料理くらいは手伝わないとな。
長門の家着くと驚いた。あの殺風景だった部屋が、手づくりの飾り付けとクリスマスツリーに彩られ、こたつの上には鍋まで用意してあった。
これ全部長門が用意したのか?
『そう』
『言ってくれれば手伝ったのに』
『無問題』
長門、日本語でいいぞ。どのくらい時間かかったんだ?
『約3日と24分35秒33』
そうか、じゃあ今日は長門の好意に甘えて、楽しませてもらうよ。ありがとな、長門。
『……別に』
少し照れてるような気もする。こいつも女の子だもんな。
みんなが揃うのを待ち、食器を準備してグラスを持つ
『では!長門有希主催!クリスマスパーティーに乾杯!』『乾杯!』
ハルヒの音頭に続きグラスを合わせる。鍋もうまいし長門も楽しそうだ。ここに酒でもあれば

550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 07:03:24.64 ID:XlvhgBtzO

『ある』
え?あるのか?
『ビールとワイン。どっち?』
『ちょっと私達はまだ未成年で』
いいじゃないか、今日くらい。それにハルヒ、酔った長門を見たいとは思わんか?
『そりゃあ気になるわね。よし、有希!持って来て』
『いやぁ楽しくなりそうですね、色々と』
だから熱い視線で俺を見るな!

605 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 10:48:02.43 ID:XlvhgBtzO

『では!長門有希主催!クリスマスパーティーに乾杯!』『乾杯!』
ハルヒの音頭に続きグラスを合わせる。盛り上がるに連れて、クリスマスパーティーから仮装パーティーに変わり、女性陣は全員ミニスカサンタになっていた。こりゃいい目の保養だ。
鍋もうまいし、長門も楽しそうだ。ここに酒でもあれば
『ある』
え?あるのか?
『ビールとワイン。どっち?』
『ちょっと私達はまだ未成年で』
いいじゃないか、今日くらい。それにハルヒ、酔った長門を見たいとは思わんか?
『そりゃあ気になるわね。よし、有希!持って来て』
『いやぁ楽しくなりそうですね、色々と』
だから熱い視線で俺を見るな!
『さぁみんなグラス持って!かんぱ〜い!』
2度目の乾杯はみんなアルコールだ。俺と古泉はビール。長門とハルヒはワイン。朝比奈さんはカルーアミルクで、それぞれアルコールが入る。
これがまた鍋に合うんだ!か〜たまらん!
1時間も経つと、みんなアルコールが廻って来たのか発言がおかしい。
『みっくるちゃ〜んぬげー!!』
『いいですよ〜…ほら、これで満足かしら?』
朝比奈さん脱いじゃったよ!おっきなスイカが無防備に!!
『あら、キョン君そんなに見ないで、恥ずかしいわ』
っていいながら近づいてくるのは何故ですか?!
『あら?もうテント張ってるわよ?こんなにおっきくして。可愛い。私の触りたいの?いいわよ』
甘えた声で攻めてくる朝比奈さん。なんと俺の息子を押さえられ、手はスイカに押し付けられた!
ちょっと朝比奈さん酔いすぎです!あぁでもこの気持ち良さはたまらん。そんなに擦ったら、…もう。
『だめーキョンは私の!私はキョンが大好きなんだから!みくるちゃんにはあげないの!』
ハルヒが、俺と朝比奈さんの間に入る形で抱き着いて来た!おい、古泉!助けろ!
『ケタケタケタwwwwwwww』
駄目だ、笑い上戸になってる。
『みくるちゃんには負けるけどあたしだってあるもん!ほら!触って!』
今度ははハルヒに両手を取られ揉む形に!いやぁ、ハルヒも出来上がってるなぁ。やわらけぇなぁおい!ってかお前ら酒弱すぎるだろ!
長門何とかしろ!

607 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 10:49:21.07 ID:XlvhgBtzO

『だめ…彼は私の…誰にも渡さない。空間情報連結「長門!それはよせ!」開始』
光に包まれた部屋はその姿をかえ、元の殺風景な部屋に戻っていた。
なんだ?何が?…みんなは?
見渡しても誰もいない。部屋には俺だけだ。長門さん?あなたは何をしたんですか?
部屋から外を見ると、さらに驚いた。空は灰色になり人の気配は無い。閉鎖空間。
こんな時は古泉か長門何だが、今のあいつらは、まるで使えない。空を見ると異変が起きた!まるでロールプレのオープニングの様に、文字か浮かび上がった。
勇者よ!今こそ旅立ちの時である!姫を救い出せるのはそなたしかいない!さぁ行け!魔王を倒し、姫を救うのだ!!
長門…お前なにやってんだよ。

617 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/02(水) 11:39:27.47 ID:XlvhgBtzO

旅立ちの準備を終え、勇者が今!解き放たれる!っておい!どうしろってんだよ。基本はまず引き出しを
「長門有希の下着を見つけた」
仕舞い、仕舞い。
「道具袋に入れた」
よし、まず家の中を片っ端から物色だな。
結果、鍋の兜と金属バット。それから風呂場から古泉を見つけ、シャワーをぶっかけて起こし、今回の事について話し合った。
『まぁリクリエーションみたいなもんでしょ。つまり中間を見つけパーティー作り、魔王を倒して姫を救えば、この空間は消えます。
あぁ、なるほど。クリスマスパーティーと勇者のパーティーが掛けてあるんですね。はははは』
俺は古泉を風呂場に連れていき酔いを醒ましてやった。
『ゴボボゴボボ!ぷはぁ、スイマセン!あばばばば!ぱぁ!もうダイジョブですから!』
暴れるから服が濡れただろ。服は乾燥機で乾かしたらいくぞ!
さて、まず外に出ると何時もの閉鎖空間と同じ見える。古泉も力を使える様だし。
『問題はこの閉鎖空間が何処まで大きいのかっと言うことですね』
だな、町全体と考えるべきか。だとすると移動は電車か。
『いえ、車を使いましょう』
お前運転できるのか?
『動かし方は知ってます。な〜に心配いりません。壊れても長門さんが直してくれますよ。それに一度走らせてみたかったんです』
ニッコリ笑いながら言うけどな、車なんてどうやって
『いいですか?まず手頃な車に狙いを付け、力を抑えてふもっふ!!!』
そういうと古泉は手頃なクラウンに小さな赤い球を放った!球は、運転席の窓を粉々に砕き消えた。
俺は呆然としていた。古泉?酔ってる?
『いいえ、あなたのおかげですっかり醒めました。怒ってはいませんよ、べつに!』
怒ってるな。
『では乗りましょう。いいですか?様するに、鍵のシリンダーに電気を流せばエンジンは掛かります。見てて下さい。雷迅拳!!』
そう言うと、古泉の拳は光、車に火が入った。ホントに動くもんだ。でも、停める時はどうするんだ?
『僕の車じゃありません。捨てて問題ないでしょ。』
こいつ、以外といい度胸してるな。



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