新ジャンル朝倉にいじめられるハルヒ


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:長門「古泉一樹いいいいいいいいいい!!!!」

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191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 01:42:40.47 ID:ld37k/UlO

「古泉君ってさ、いつもキョンに引っ付いてるわよね」

長門さんが帰る準備をした時、涼宮さんは僕に話があると言って他の人を追い出した。

何故この人はこんな突拍子も無い事を言いながら僕を睨み付けているのだろう。
僕も彼も男で、ただ僕は彼と話すのが一番楽なだけなのに。

「男同士だからとはいえ、あんたの態度はおかしいわ」

率直な意見を言わせてもらおう。

「どうしてです?何も問題は無いと思うのですが」

192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 01:49:59.94 ID:ld37k/UlO

「大アリよ」
僕の彼に対する態度は、そんなに変なものだとは思わない。
自分で思わないのだから良いじゃないかと言ってやりたくなったが、
涼宮さんの明らかに敵意を持った冷たい瞳が恐ろしかった。

「いつも顔近付けて話したり無駄に近寄ったり? あたし見たのよ」
「それはただ純粋に彼と仲良くしたいだけです、何か勘違いを」
「なんであたしに黙って二人で一緒に出掛けてたの?」

記憶を巡らせる。……もしかすると、長門さんに合流する前……
あのHPのエンブレムの件で新幹線に乗る事になった時、
彼と駅前でたまたま会ったのを見られたのかもしれない。
でも、そんな事で?そこまで彼の事を思っているのならもっと近付こうと努力すればいいのに。

194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 01:58:51.25 ID:ld37k/UlO

「どうして? ねぇどうしてよ!」

黄色いリボンを揺らしながらこちらにずかずかと歩み寄ってきた。
……至近距離。戦闘体勢以外の何物でもない。

「あなたは少し神経質になっているのでは? 常識的に考えてください」
「すっとぼけようったってそうは行かないのよ」
ついにネクタイの根元を掴まれる。それは決して気持ちが良いものではなく、
いつも涼宮さんにやられている彼を見習いたくなった。

「みくるちゃんは気弱だし? 有希はそんな感じしないから良いけど……
 あんたあんまりキョンにベタベタしないでよ」

そういえば昨日閉鎖空間が発生していたせいで部活に行けなかった。
きっと何かあったんだ。その内容は容易に想像出来る。
精神を荒立てている彼女には何を言っても無駄だろう、しかし色々な不満が入り混じり、
僕は、僕の仕事上の禁忌を犯した。

196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 02:17:19.24 ID:ld37k/UlO

僕は彼を大切な友人だと思っている。だから余計に腹が立った。
やましい考えなんて無い。

「僕には何故あなたがここまで、他人が彼に好意を寄せる事を止めさせたいのか理解出来ません」


凛とした大きな瞳に問い掛ける。

「あなたは彼が好きなんですね?」

案の定、頬に鈍く力強い衝撃が走り、床が目の前にあった。

「あんたには関係無いでしょ!!」

見上げると、もう耳まで真っ赤にして息切れしている涼宮ハルヒが居た。
上体を起こし、憎い顔を睨みつけて追い討ちをかける。

「ほう、あなたがこんな風に団員に暴行を働くとは。余程恥ずかしいんでしょうね」

今度は蹴り飛ばされて、壁にぶつかった。なんて馬鹿力なんだろう。
三回程蹴られた時、僕はやっと後悔した。
彼女は憂いが晴れるまで暴行をやめないつもりだ。

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 02:38:31.31 ID:ld37k/UlO

腹を踏みつけられ、苦しみが増す。
起き上がる隙も与えられない位強い力で素早く蹴られ続ける。
コンピ研の人が音を聞いて駆けつけてくれないか、とか、誰かが忘れ物を取りにこないか、とか、
そんな事ばかり考えていた。
骨が本当に折れそうだ。涼宮さんの罵声は乱暴すぎて聞き取れない。
怖い、痛い、気持ちが悪い。
とうとう喉奥に不快感を感じ、僕は床に胃の中のものをぶちまけてしまう。

「汚い、自分で片付けなさい」

やっと足が数秒間止まり、一度僕の頭を踏む。
鞄を持って力任せにドアを開け、閉めもせずに姿を消した。


僕はそれから暫くずっと天井をぼんやりと眺めていた。

201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 02:45:24.69 ID:ld37k/UlO

それなりに楽しかった部活の思い出が色褪せていく。
これからの事を考えても、もう不安しか出てこない。
あんなに怒るなんて予想が出来なかった。でも僕は反抗しては駄目だったんだ。
彼女が望んでいる事を自ら壊してしまったんだと今更気付いた。

だが、どちらにしろこうなっていたのだと、後から解る事になる。
それは僕にとって本当の地獄だった。

206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 02:56:02.44 ID:ld37k/UlO

立ち上がる気力が少し湧いて、床を掃除して帰った次の日の朝、
全身が痛くて起き上がれなかった。

……彼女は僕が休んでも怒りはしない、むしろ喜ぶだろうと考え、学校を休んだ。


何の薬を飲めばいいかも解らず、かかってくる電話の音が入ってこないように
携帯をサイレントモードにしてずっと眠り続けていたが、静寂は玄関のチャイムの音で打ち破られた。
……このしつこさは圭一さんかな。痛む体を必死で引きずる。
来られてしまったからには出るしかないだろう、相手からしてもある意味最終手段だ。


だが、インターホンに映っていたのは予想外の人物だった。

208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 03:11:25.83 ID:ld37k/UlO

僕が一番見慣れた同級生。

通話ボタンを押してやりとりを始める。

「……どうして、来たんですか」
「やっと出たか……いいから開けろ」

彼相手なら言われた通りにするのが良いと思い、鍵を解除し、そのドアを開いた。

「うわっ!?」

入ってきて僕の姿を見た第一声がこれだった。そんなに酷いのかな。
そういえば昨日帰ってから着替えてもいない。
面倒だし疲れたからその場に座り込む。

「古泉! やっぱり痛むのか!?」
「……ベッドまで運んでください……」
正直喋る事すらも辛いし、彼は事情を知っているようだし、たまには甘えても良いだろう。


彼は僕を抱き上げてくれた。

221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 08:43:33.26 ID:ld37k/UlO

ベッドの上にゆっくり降ろしてもらい、言いようのない脱力感を覚える。
布団までかけてもらって何だか申し訳ない気分を覚えた。

彼がベッドの横に座り込む。
背中を向けられたせいで顔は見えないが、うなだれている事だけはわかった。

「……ハルヒは何も言わなかったけどさ、長門から聞いたんだ……。
 古泉がハルヒにボコボコにされたって。
 詳しくは知らないんだ、何があったか、……教えてくれないか?」

良かった、僕に対して怒ったりしてない。
だが気分が重い。今更躊躇うのもおかしい気がするが、原因が原因だから……
この人は何て思うのだろうか。

222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 08:58:03.04 ID:ld37k/UlO

黙っていると、彼は僕の顔を見た。
「……言うの、辛いか? それとも、俺のせいだから俺に気を使ってるのか?」

どこまで知っているのかは分からないが、意を決して全てを話した。
僕とあなたの関係が疑われている、という事も言った。
彼の表情はしかめっ面で凍り付いている。
きっと、こんな話があってたまるか、とか思っているんだろう。僕もそう思う。

223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 09:22:38.85 ID:ld37k/UlO

「……以上です。……ふふ、馬鹿な話ですよね……、彼女が僕まで疑うほど過敏だとは」

顔に嫌悪感が滲み出てしまっていたのだろうか、妙に複雑そうな顔をして見つめてきた。

「ああ、あなたが嫌いなんじゃないです。
いえ、むしろ友人として好意を抱いているので、変な風に疑われるのが悲しかったんですよ」

余計に苦虫を噛んだような顔になってしまった。それに、心なしか顔が赤い気もする。
妙に不安を煽られた。

「どうしたんですか……?」
「い、いや、何でもない! ……せめてもの償いとしてなんか看病させてくれ」

そこでやっと疑問を思い出す。

「ところで……この時間はまだ部活中ですよね?」
「……サボったよ、理由聞いたら、これこそ余計な行動だったな……すまん」
「でも有り難いですよ。体が痛くて全然動けませんし、大声も出せませんし……、
 看病してくれる人が丁度欲しかったんですし。
 いつも冷たいあなたが僕の為に来て下さったという事実は純粋に嬉しいです」

額を押さえて申し訳無さそうにする彼に、少しでも気休めをさせようと冗談混じりに笑ってみせた。

226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 10:03:37.17 ID:ld37k/UlO

それに対し、彼は複雑そうだったが、少しだけ笑ってくれた。

「はは……冷たくて悪かったな」
「ふふ。あなたが冷たいのがせめてもの救いだったかもしれません」

僕も笑ってみるが、また彼は何か思い出したように黙り込んでしまった。
何というか、やけに胸騒ぎがした。こちらも色々話したんだし、聞いてみる事にした。

「……さっきからどうしたんですか? 様子がおかしいように見受けられるのですが」
「っうるさいな!お前には関係無いだろ!!」

突然大きな声で怒鳴られて、体が竦む。


『あんたには関係無いでしょ!?』

230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 10:45:09.37 ID:ld37k/UlO

思い出して胸が痛む。彼の顔も涼宮さんと同じで赤かった。……どうして。

拳が飛んでこない辺りまだマシだ。でもどうして怒られないといけないんだろう。どうして?

痛みを堪えて起き上がる。
腹が立って泣きそうになって、それを誤魔化す為に相手の服を掴んで一気にまくし立てる。

「どうして!?関係無くないでしょう!?どうして僕はいつも部外者扱いなんですか!?」

部外者扱いと自分で言って余計に悲しくなる。
彼の目から、今の僕はどう映っているのだろうか。彼は青ざめて口を押さえた。

「……ご、ごめん……悪かった」

沈黙。
昨日睨まれている時間は居心地が悪い長さに思えたが、
今睨んでいる側からすれば焦れったいような長さに感じる。
彼は今きっと居心地が悪いと思う。でも……

「涼宮さんがあんなに神経質になった切欠とか、心当たりがあるならちゃんと言ってください!」
「そっ、それは……」
「ど……して、言わなっ……、うっ、……」

駄目だ、大きな声を出すと苦しくて堪らなくなる。
凄く惨めな気分になる。昨日吐いてから何も食べていないのにまた吐きそうだ。

233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 11:18:53.57 ID:ld37k/UlO

「大丈夫か!?」
背中をさすってもらえて、少し楽になる。
これでも心配してくれているんだと実感して、彼に謝りたくなった。
きっと事情があるんだろう、この人は素直じゃないし……

ゆっくりと横になり、自分の体に負担をかけないように小さな声で話す。

「お騒がせ、しました……もう大丈夫、です」

「……ごめん、俺、居ない方がいいか……?」
「いえ……、僕こそすみません、……よかったら、付き添っていてください」

いつになく不安そうだった彼の顔に、優しげな笑みが広がった。

241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 11:51:33.31 ID:ld37k/UlO

何をすればいいかと聞いてくる彼に最低限の指示をして、夜6時には帰らせようと思ったのだが、
家にあった材料で料理までしてもらえた。
食えるときに食っとけ、それだけ言って彼は帰った。
具合も悪かったし少ししか食べる事が出来なかったが、彼には美味しかったと伝えておこうと思い、また眠りについた。

翌日は少し動けるようになったが、やはり精神的にも辛い。また学校を休んだ。

243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 12:10:56.18 ID:ld37k/UlO

朝学校に電話した後は夕方頃まで寝たり起きたりを繰り返し、
とりあえず明日は行こうと腹を括ってお風呂に入る事を決める。

……脱いだとき、自分の体に痣が出来ている事にやっと気付いた。
涼宮さんの顔を思い出して胃が痛くなる。
だが行ってみれば何かが変わるかもしれない、また関係が修復出来る事を望んで朝を待った。


翌日、登校途中に涼宮さんと出くわした。
幸い人が多く、一瞥しただけでさっさと行ってくれたが。
……坂道が辛い。

245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 12:28:00.72 ID:ld37k/UlO

その日、恐る恐る部室に顔を出すと、朝比奈さんが喜んで出迎えてくれて嬉しかった。
……いつも通り団長席に座っている涼宮さんが、僕に氷のような視線を突き刺してくる。
長門さんは、何故か僕の椅子を見つめている。何とか出来るならして欲しい。
あんな疑いはすぐに晴れて欲しいし、そもそも敵意を持たないで欲しい。

……涼宮さんに情報操作するのは禁止されているんだろうな……

溜め息が出そうになるのを堪え、自分の定位置に座ろうとした時、
背もたれの上の部分に画鋲がセロテープで張り付けてあった。

249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 12:56:55.27 ID:ld37k/UlO

危うく手を刺す所だった。ああ、長門さんは警告していてくれたんだ。
目立つ部分。これも涼宮さんからの一種の警告なのかもしれない。

彼は黙って手を組んで俯いていたが、僕が画鋲に気付いてセロテープを剥がすと
純粋に緊張を解したらしく、肩を落とした。
大丈夫、きっと涼宮さん以外はまだ味方だろう。
座る所や背もたれにも画鋲がないか確かめて、椅子に座ると、長門さんに本を渡された。
読んでみると、4P目くらいに大きめの栞が挟んであった。

『私が本を閉じる前に音で合図をするから、それまでに帰る準備をすること。
 今日はこの本を読んでいて』

手書きなのにワープロで打ったような明朝体に、余計に恐怖を感じさせられた。
裏にも何か書いてある。

『暫くの間、私と朝比奈みくる、機関の人間以外からは逃げて』

勿論長門さんでも朝比奈さんでもなく、機関の人間でもない、
目の前の人物に見られていないかヒヤリとしたが、彼は自分の手元を見ていた。

……暗に、彼からも逃げろという事か。
何故なのかは解らないが、長門さんがこんな事をするからには確実に何かある。
確信を持って、僕は気を張り巡らせて本に目を落とした。

250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 13:13:36.65 ID:ld37k/UlO

読み進めていったが、あまり面白くない。本に集中し過ぎないための配慮だろうか。
だが、一応本に目は向けているので誰からも声がかかる事は無かった。

朝比奈さんは部室の異様な空気に気付いていないだけ、癒しオーラを発揮していたのだが……

「お茶出来ましたよぉ、……あれ? これなんですか?」

僕の手元に置いてあった、セロハン付きの画鋲を指差した。
僕は聞いていないフリをして本のページをめくる。

「あ、朝比奈さん、気にしないでください」
「そうですか……? わかりましたー」

彼と朝比奈さんの会話はそこで途絶えた。


――――
さっき長門の栞の文章がおかしかったが
他にもおかしい所かなりあるだろうし適当に脳内保管してくれ

253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 13:33:52.29 ID:ld37k/UlO

『くる〜きっとくる〜♪』
「うおっ!?」

帰るには十分な時間になった頃、長門さんの方から突然ボリューム最大位の
音質の激しく悪い電子的着信音が鳴ってびっくりした。
声を上げた彼の方を見ると、僕よりも驚いたらしく、お茶と思わしき液体が胸元にかかっている。
しかし気を取られずにすぐ帰れるように準備をすると、長門さんはもう本を閉じてしまった。

「でっではこれで!さよなら!」

急いで部室を飛び出し、出来る限り早く旧館から逃げた。
もしかして歩いている学生からも逃げるべきなんだろうか……
考えれば考えるほど恐ろしくなって、壁際に沿って早足で歩いた。

255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 13:53:12.37 ID:ld37k/UlO

タクシーを呼んでおけば良かったと後悔したが、誰も追ってこず、無事に自宅に着けて安心した。

あの画鋲にはどういう意味があったのだろうか。部室に来るなという事だろうか。
それならむしろ気が楽なのだが……
そういえば長門さんとしても、僕は部室には行かない方が良いのだろうか?
久々にメールで聞いてみる事にして、ベッドに倒れ込んで携帯を弄る。


『もう部室行かなくて良いですか?』

259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 14:20:15.29 ID:ld37k/UlO

長門さんからの返信が異様に早いと思ったら、案の定単文だった。
『だめ』
僕も張り合うように早く返信する。
『どうしてです?』

『涼宮ハルヒは構わない。だが彼が危険』
『何故彼も危険の対象なのです?』

ここで少し返信が送れたので長文を期待していたのだが……

『教えると余計に危険。とにかく彼には刺激を与えないように突き放す方がいい』

難しい事を……。

『涼宮さんに対しては?』
『近寄らなければいい。二人きりにならないようにして。彼とも』
『わかりました、他には何かあります?』
『彼に冷たくするかの判断はあなたに任せる。ただし部屋には絶対に入れないこと。では』
『ありがとうございます。失礼しました』

そういえば大分体も回復してきた。
あれだけ走れたのはもしかして……、……長門さんが気に入りそうな本でも調べておこうか。

物思いに耽りながら、久々に人間らしく生活をして、10時までにさっさと寝た。

265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 14:50:23.12 ID:ld37k/UlO

質素なパンでも、少しものを食べなかっただけで凄く美味しく感じるのはやはり本能なのか。
そんなのんきな事を考えながら登校して、放課後まであまり教室の自分の席から動かないようにした。
長門さんのおかげで少し余裕が出て来た。近寄らなければいいんだ。
何故彼に近寄ってはならないのかが疑問だが……
長門さんによると気にしない方が良さそうだし、あまり問題視しないようにした。


放課後。前までは待ち望んでいたのに、今では一番嫌な時間かもしれない。

部室に行く途中の階段で、今一番嫌いな人物は、僕を待ち伏せていたらしい。
目が合うと、にやりと黒い笑みを浮かべた。

267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 15:09:33.58 ID:ld37k/UlO

「古泉君、キョンからあんたに手紙よ。これに逆らったらまた殴るから」

階段の上から一枚のメモ用紙をひらりと落とし、彼女は部室へ行った。
メモを拾いに行き、内容を確認する。


――――

お前気持ち悪いんだよ。
れんじつ連夜顔近づけやがって。
おれにもう関わらないでくれ。
しかたないからお前が部室に来るのは
ん……まあ許容するとして、
じつのところ部室にも来てほしくない。
て俺何書いてるんだろうとにかく

部室には来てもいいが俺に関わるな

――――

……解りやすいが下手な縦読みだった。
きっと涼宮さんは彼がこういう内容のものさえ書けば満足だったんだろう、多分縦読みには気付いていない。
ネガティブな人なら悪い意味に取りそうだな、と思いつつ、メモを持って部室へ向かった。

269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 15:23:58.49 ID:ld37k/UlO

部室に入ると、上機嫌な涼宮さんと、額に手を当てている彼の姿があった。
そして長門さんの冷ややかな視線。それは彼に向けられていた。
何だろう。
……彼から離れないと殴られるので、椅子を部室の隅に持っていって座った。
なんだか不満そうな顔。縦読みに気付かなかったのかと思っていそうだ。
でも縦読みの事をここで言うわけにはいかない。
僕は長門さんから借りっぱなしの本を開いた。

270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 15:35:50.83 ID:ld37k/UlO

下校時間が来ると、また長門さんの携帯の着信が鳴った。
「長門!その音楽やめろよ!」
不機嫌そうに彼が言うのを一瞥し、さっと部室を出ていくと、彼が手ぶらで追いかけてきた。

「待てよ古泉!」
びっくりして、更に全力で逃げてしまった後で後悔する。

『彼を刺激しないように』

暫くすると彼の姿はもう後ろには無かったが、長門さんからの文章が頭から離れなかった。
怖い。僕の立場だったらこんな態度を取られたら怒るだろう。
彼にも、もう会いたくなくなった。
今日は先にタクシーを呼んで、待機して貰っておいた。
見慣れた黒い車の中は、もしかすると家より安心出来る場所かもしれなかった。

274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 16:04:38.03 ID:ld37k/UlO

車の中、新川さんは神人の件について一言も喋らなかった。
ただ、無理はしなくていい、それだけ言ってくれた。
凄く嬉しいし安心した。改めて仲間の存在の大切さが身に染みる。
……涼宮さんはどうすれば許してくれるのだろうか。

家の中で過去に思いを馳せ、ぼんやりしていたからすっかり忘れていた。
……いや、どっちにしろ、鍵をかけておく事は最初から思い付かなかったかもしれない。

281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 16:52:56.28 ID:ld37k/UlO

玄関のチャイムが鳴った。
まさか彼が家まで追いかけてくるなんて事は有り得ないはずだ。
違う人がいい。森さんや、長門さんが良かったのに、僕の願いはあっさりと打ち破られる。


「あ……」

玄関に、彼が立っていた。

289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 17:02:58.99 ID:ld37k/UlO

……まさか勝手に入ってくるなんて思わなかった。なんて人だ。

『絶対に部屋に入れるな』
『刺激しないように』

「か、勝手に入ってこないでくださ……」
「この前入ったばかりじゃないか、大して変わらないだろ」

不愉快そうな面持ちで、ずかずか上がってくる。もう声が出ない。
「お前、何で本当に俺を避けるんだよ? あれはハルヒの命令だったんだぞ、俺の本心なわけないだろ」

肩を掴まれる。若干相手の方が身長が低いが、その力が強くて、かなわないような気がして怖い。

「す、涼宮さんに、さからっ」
「メモの縦書き……気付かなかったのか?」
「気付きましたよ、でも」
「じゃあ何でだ?」
「え?」
「何で今も俺を避ける」

良いんだろうか、長門さんからの命令のことを話しても。

296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 17:17:03.62 ID:ld37k/UlO

「……俺も信用出来ないって言うのかよ」

なんでこの人はこんなに怒っているんだろう。肩が痛い。
なんだか彼が異様なものに思えてきて、肩にある手を払い飛ばして部屋の奥まで後退りする。

「待ってください、違うんです、話を聞いてください!」
「なんなんだよ!」
「あなたから離れないと涼宮さんに殴られるんです!」
「じゃあ俺が守ってやるから避けんなよ!」

守ってやるなんて何を言っているんだろう。何かおかしい。今の彼は明らかにおかしい。

「いつも僕に気色悪いとか言ってるくせに、何故自分が避けられると怒るんです!?」
「あんな事本気で言ってるわけないだろ!!」

297 名前:きんもーっ☆[] 投稿日:2008/03/09(日) 17:26:35.29 ID:ld37k/UlO

ふと、真剣な表情になり、こっちへ歩み寄ってきた。
意味がわからない。寄らないでほしい、もうあなたは信用出来ない。
更に後退りすると、壁に背中が当たる。どっちにしろ狭い部屋だし逃げきるのは難しいだろう。
近付いてくる彼。覚悟を決めて、逃げる事をやめる。

今度は優しく肩に手を置いてきただけだった。
そのままで彼が黙っているから長時間の睨み合いとなったが、やがて彼は唇を開いた。


「古泉、俺はお前が好きなんだ」

302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 17:35:16.66 ID:ld37k/UlO

僕の中で世界が灰色に染まり、凍りついたような気がした。
さっきの言葉は聞き間違いだ、絶対にそうだ。でも、本能が警報を鳴らしている。


『私と朝―――以外からは逃げて』


まさか。そんな事は有り得ない。そうですよ、この人はそんな人じゃない。

「ご冗談を……」
鼻で笑ってやるという抵抗も虚しく、彼に首を掴まれた。

「信じられないのか? お前はどこまでも俺の事を信用しないのか!?」

頭の奥が何とも言えない感覚に陥る。まだ絞められてもないのに異常な苦しさを感じる。

もしかしたら言動次第で殺されるかもしれない。
迂闊に何も言えずに、ただ彼の怒った顔を見つめていた。

304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 17:45:08.87 ID:ld37k/UlO

やがて痺れを切らしたのか、彼は僕の背中を床に叩きつける。また体が痛んだ。

ああ、考えてみれば色々と辻褄が合う。
僕の言葉で涼宮さんが怒ったのも、彼の気持ちが……
もう知っているんだろう、彼女も長門さんも。

だがこんな事をされて黙っていられない。許せない。
僕がお前のせいでどんな目にあったか知っているくせに、……許さない。

「こんな事して何になるんだ、いい加減にしろ!!!」

怒鳴りつけて押し退けようとしたが、上から押さえつけられる力に勝てなかった。
彼の目の色が変わったのを見て背筋どころか体全体が冷たくなる。

309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 17:56:47.95 ID:ld37k/UlO

殴られるのかと思ったら、そうではなかった。
帰ってきてから着替えていなかった制服のシャツのボタンを乱暴に外された時、
やっとその意図がわかり、世界その物が憎く思えた。


――気持ちが悪い。

自衛のためか、嫌悪感からか、僕は本気で彼に殺意を抱いた。

彼のネクタイを引っ張り、体を横に思い切り回転させてからの記憶が途絶え、
僕はいつの間にか立ち上がって彼の腹を蹴り続けていた。

317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 18:15:27.50 ID:ld37k/UlO

まるで涼宮さんと同じだった。
僕の口から何度も「死ね」だの「ケダモノ」だの罵声が飛び出す。
自分が自分ではないようだ。

彼は意外にもまだ余裕そうな顔で僕を見上げていた。悔しい、気に食わない。
僕の力が弱いのだろうか、相手のダメージより自分の体の痛みの方が勝っているような気もする。
彼の余裕は一体どこから出てくるのだろう。こうなればいっそ。
僕が一旦逃げた先は台所だった。今の僕には一番頼りになりそうなものを握り締める。


――――
賛否がどっちになるかわからんから刺すか掘られるか
>>316-320の多数決で

320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/09(日) 18:17:27.19 ID:PvQXCgfr0



321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 18:18:05.68 ID:U6DB/dFXO

刺した後、数日後に掘るってのは?

322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 18:18:22.12 ID:z6A/e9/8O



331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 18:54:12.31 ID:ld37k/UlO

だが、銀色に煌めいたものを怖いと思ってしまい、手が震える。
だめだ、出来るわけがない。そう思ったのが正解だったのか間違いだったのか、今では解らない。
狂っていた思考が正常になるのには時間が掛からなかった。
携帯はどこだ、……そうだ、ベッドにほったらかしのジャケットのポケットの中だ。
彼は追ってこない。アリに逃げる時間を与える猫の気分でいるんだろうか。
意を決し、彼が居た場所と近いベッドへ向かうが、携帯は既に彼のポケットの中にあった。
やはり包丁を持ってくるべきだった。後悔も束の間、僕の体に再び彼が乗ってきた。

333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 19:18:24.35 ID:ld37k/UlO

もう愕然としか出来なかった。
絶対絶命だ。

「これ、返してほしいか?」
彼が笑いながら
欲しいに決まっている。警察でも長門さんでも何でもいい、助けを求めたい。

奪い取ろうとするも、両手首を掴まれている。……だが掴んだままでは手が出せないだろう。
彼が手を離した隙をついて頬を殴り、携帯を手に取り、アドレス帳を開く。

「このっ!」
相手もムキになったらしい、僕の腹を殴ってきた。
「なんでだよ、何で俺じゃ駄目なんだ!!」

344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 20:16:27.55 ID:ld37k/UlO

乱暴に服を剥かれる。本当に本気なのか。
彼は譫言のように僕の名前を呼び続け、体をべたべた触ってくる。怖い、切実に触らないでほしい。
だが挫けずに携帯をいじると、長門さんに繋げる事が出来た。
彼女ならきっと。思いを託し、コール音が止まるのを待ったその時、携帯を投げられた。

「あっ……!」
携帯は開きっぱなしのまま、机の脚にぶつかる。
でもどっちにしろ同じ事だ、彼女なら僕からの電話を受けただけで解ってくれるはず。
後は待つだけだが、手が下半身に伸びた時、そう安心してもいられないと思った。

349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 20:40:38.68 ID:ld37k/UlO

同じ性別の人間にこんな事をされるのは恥辱以外の何物でもない。
もう彼が人間ですらないような気もする。
ベルトをつけていればよかった、すぐに下着ごとズボンを降ろされて、その時僕は初めて悲鳴を上げた。
長門さんが遅すぎるように思える。

363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 22:04:39.94 ID:ld37k/UlO

大切な友人だった。僕はそう思っていたのに、彼がこんな欲求を持っていたなんて。
涙が溢れてくる。僕はこんな人間の為にどれだけ損をしたのだろうか。

嫌悪に快感が混じってきて死にたくなったその時、ようやく長門さんが来てくれた。
遅すぎる。何故ここまで遅いのか疑いたくなるほどだったが、
常識的に考えると人間としては早すぎる方だった。

375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 22:28:19.20 ID:ld37k/UlO

彼が青ざめ、動きが止まる。きっと我に返ったんだろう。

「…………」

長門さんの南極以上に冷たい目が彼を見据えている。
僕は彼を蹴り飛ばし、布団で自分の体を隠した。

「……一応古泉一樹に注意は促した。しかし最悪の事態が現実になるとは思わなかった」

凍るような目の色に対し、淡々とした声は空気に溶けていく。

「我々には理解出来ない完璧なるバグ。しかし原因の一部は涼宮ハルヒからも検出された。
 古泉一樹、あなたは何も悲しむ必要はない」

混乱していてよく解らないが、今回も何か位相空間が発生したりしたのだろうか。

「だが、最初から彼には気をつけておくべきだった。理解出来なかった私の責任」

長門さんが、目を見開いて呆然としている彼の首根っこを掴んで僕の部屋から出て行った。
何だったのか結局よくわからない。

381 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 22:52:31.08 ID:ld37k/UlO

殆ど全裸の状態で取り残された。
助けてもらえたのは有り難いが、散々なぶられてしまった。
それも、多分彼の本意で。あれだけ泣いてもやめてくれないなんて、
考えられない、むしろこの連日の出来事が全て夢だったのではないかと思えてくる。

388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 23:23:37.26 ID:ld37k/UlO

彼は冷たかったが、それなりに良い人だった。
もしかすると、僕を突き放していたのも自制からかもしれない。
考えれば考える程僕自身が墓穴を掘っていたようにも思える。

元々仕えるべきだった涼宮さんにも嫌われて、涼宮さんの恋愛対象の人間に襲われて。
きっとバイトも随分サボってしまった事だろう……


新川さんや長門さんには悪いが、僕は自分で自分の世界を崩壊させる事に決めた。
他にも信頼していた人は沢山いる。だが……

僕はもう、刃物を人に向けるのを想像しても、全く怖くなくなった。
大丈夫だ、明日もちゃんと部室に行こう。


終わり?

392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 23:33:39.04 ID:ld37k/UlO

その後の話をちょっと
――

携帯に入った長門さんからの連絡を一応見てみると、
『涼宮ハルヒはあなたと彼の関係が壊れる事を望んだ。
 だから彼があなたに余計に好意を寄せる結果になった』

彼女は元から僕達が仲が良いことが不満だったらしい。
最近彼も随分丸くなったと思っていたが……

397 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 23:42:11.18 ID:ld37k/UlO

僕がバイトに行った日に、彼は涼宮さんを蔑ろにする発言をしたらしい。
そして涼宮さんは、彼が他の団員を好きなのではないかと勘ぐり、
いつも朝比奈さんにばかり優しくする彼から受けた憂さを晴らすついでに僕に矛先を向けた。

そこからは解るだろう、ただでさえ素直でないのに疑心暗鬼になっていた涼宮さんが、
僕の発言を受けて怒りが爆発した。
運が悪かったんだろう。


長門さんと朝比奈さんは、涼宮さんの願望に左右される必要が無かった。
僕はただの捨て駒だったのだ。

398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/09(日) 23:49:36.15 ID:ld37k/UlO

この件以前からも、いや、最初から涼宮さんには人生を狂わされていた。
だが、これまでは仲が良かった筈の涼宮さんに言いがかりを付けられて、
蹴られて怪我をさせられ、願望を受けたからといえ、友人から乱暴にされて。
僕は変な関係と疑われるのが嫌だったから涼宮さんに怒ったのに、それが原因で……

401 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/10(月) 00:00:30.99 ID:4nD3hM5gO

終焉のその日、部室で涼宮さんに物凄い形相で掴み掛かられた。
怖くも何ともない。

「あんた、キョンと……」

誰から聞いたんだろう。つけてたのだろうか。
長門さんが言うとも思えないし。

殴られる前に、背中に隠していたものをその胸に突き刺した。
あれだけ無駄にパワーが有り余っていた人間でも、刺されるとあっけなく倒れた。
死を見届ける意味もない。
包丁を抜き取り、僕は廊下でもう一人を待ち伏せした。

また鮮血が散る。大して苦労もしない数秒間が虚しいほどだった。
そして最後に、僕自身も終わりを見る事にした。


―――
これが最初の予定の正規エンドでした
保守代わり完了!みんなお疲れ様ありがとうございました\(^o^)/
古泉掘った方がストーリー的には良かったんだが描写しないあまりに……
最後に謝っておこう
ではお休みなさいませ

402 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/10(月) 00:05:15.82 ID:4nD3hM5gO

あと眠いから整合性が……すまん
ちなみに本当は長門来ない予定だった



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