ハルヒがバレンタインのようです


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:アスカ「二人三脚の相手がアンタぁ!?」シンジ「仕方ないだろ」

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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/05(火) 10:21:09.89 ID:eshLUyhfO

いつもは学校へ続く長くて面倒くさいこの坂道をダラダラのぼっているワケだが、今日はなぜか足取りが軽い。
まぁ言わなくても解るが、今日は全世界の男共が女子から甘いチョコレートを貰えるなんとも嬉し恥ずかしい日だからである。
まぁ俺も当然女の人に興味が無いわけでは無いので、貰えないとはわかっていても、「早く学校へ行きたい」という下心丸出しの思いが生まれるのは仕方がない。
学校について下駄箱と机の中に何も入ってないことに「まぁ当然か」と思いつつも落胆している自分が情けないが、いや、まだチャンスはある!と希望を捨てずにいた俺は結局、チョコを貰っている男共を羨ましい目で見ながら本日の授業を終わらす結果になっていた。
放課後、いつもと同じ足取りで部室に向かい、部室のドアをゆっくり開けた時、中にいたハルヒと目が合った。ハルヒは慌てて自分がしていたことを片付け、
「ち、ちょっとキョン!ノックくらいしなさいよね!」
と俺に言った。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/05(火) 10:24:49.22 ID:eshLUyhfO

「ああ、スマン」と答えた後にさっきは何をしていたのかハルヒに問うと
「べ、べつになんでもないわよ!」
なんで顔が赤くなってんだコイツは。
「なんで今日に限ってアンタと二人だけなのよ…」

ん?何か言ったかハルヒ
「うるさいわね!何も言ってないわよ!」
なんだコイツは。赤くなりながら怒ってやがる。
まあなにか機嫌があまりよくないみたいだから俺はこれ以上追求しないでいると、ハルヒがやぶからぼうに
「あんた、今日は何人から貰ったの?」
と聞いてきた。何のことだ。
「だからチョコよ!チョコ!」
「俺がそんな物貰ってるわけないだろ…」
と答えると、ハルヒから信じられないような言葉が発っせられた。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/05(火) 10:43:43.20 ID:eshLUyhfO

「あんた誰にも貰ってないなら、私があげてもいいけど…?」
…は?ハルヒが俺にチョコ?いや、今までの経験上そんなことは100%ありえん。
自分の思考回路をフル活用し、これは何かの罠だろうという結論が出たので
「別にいらん。」
と、そっけなさを装いながら返事を返した。

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/05(火) 15:56:36.06 ID:eshLUyhfO

>>21の続き
ハルヒは
「そう…。」
と呟いた。ん?なんだ?いつものハルヒらしくない。なにか元気が無さそうだな。どうかしたのか。
「別になんでもないわよ!私がアンタにチョコなんてあげるわけないでしょ!」
そんなこと最初からわかってましたとも。でも何故俺が怒られなきゃならんのだ。
「バカキョン!もう知らない!」
と言ってハルヒはカバンを持ち上げて早足で出て行ってしまった。

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/05(火) 19:03:16.64 ID:eshLUyhfO

>>84の続き
まったくハルヒのヤツは一体どうしたんだ?
とハルヒが部屋から出て行く姿を見ながら一瞬考えた俺だが、
ふと時計を見るともうすでに6時をまわっている。
団長様もお帰りになられたことだし、俺もそろそろ帰るとするか。
俺は椅子から腰を上げ、帰る支度を始めた。と、そのとき団長椅子に見覚えのある白いコートが置いてある。ハルヒのだ。
まあこんな寒い日にコートを忘れるのは気の毒だな、と思ったので俺は走ればすぐに追いつくであろうハルヒを追いかけた。

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/05(火) 19:04:38.97 ID:eshLUyhfO

予想通りに校門を出たところでハルヒに追いついた俺は、右肩をポンポンと叩いてハルヒを振り向かせた。
ハルヒは驚いた顔でこっちを見ている…
いや、もっと驚いたのは俺自信だ。
━━━━━━泣いている…?
いや、俺の見間違いかもしれない…と思いもう一度ハルヒの顔をよく見つめる。
いつも自信満々の顔を真っ赤にして瞳に涙を浮かべている。ホワィ?なぜ?
どこのどいつだ我がSOS団の団長様を泣かせヤツは!と考えているとハルヒが
「なんで…なんで優しくするのよ…わ…わたしの…こと嫌いなら…」
と、耳を澄ませないと聞こえないくらいの弱々しい声で言った。

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/05(火) 19:07:57.69 ID:eshLUyhfO

わかった、わかったから泣かないでくれ。俺が何かしたってんなら謝るから。
「なんでよ…なんで…わ…私のチョコ貰ってくれなかったのよ…」
…正直俺の頭の中は爆発寸前だった。え?今なんて言った?チョコ貰ってくれなかった?
あれって冗談じゃなかったのか…?
「冗談なワケないでしょう…わたし…昨日の夜頑張って作ったのよ…。キョンが美味しいって言ってくれるように…。」

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/05(火) 19:09:30.01 ID:eshLUyhfO

そ…そうなのか…。俺はなんということをしてしまったのだろうと今更激しい後悔をした。
俺はそれから何も言えずただハルヒを見つめるだけだった。
ハルヒは泣いている。俺はどうすればいいかわからず立ち尽くす。
弱々しいハルヒを見ていると俺は心が痛くなり
「ハルヒ、そのチョコもらっていいか?」
と聞く。
ハルヒは涙を浮かべた瞳を俺に向けて無言でチョコを差し出した。
ありがとう。そしてゴメン。
Fin


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