涼宮ハルヒが○○になったんだって


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272 名前:通訳(コネチカット州)[] 投稿日:2007/04/28(土) 00:39:32.28 ID:Q2/y4RU/O

俺は頭を抱えていた。
高校を出て早七年にもなる。
俺は高校を卒業後、親戚の工場に雇ってもらっていた。
七年間一度も休むことなく、工場長である親戚の信頼を高く得るところまで来ていた。
収入はまずまず。
生活にはまったく困らない。
そんな現状だ。

仕事という新しい生きる場を得て、俺はこの荒波を生きている。

そんな俺が頭を抱えている。

そうだ。他でもないハルヒが今、病院で苦しんでいる。
相当痛いのか、断続的に続く悲鳴は鳴り止まない。

担ぎこまれてからしばらく経ったが、俺は不安の闇に包まれている。

工場で働いていることが幸いし、倒れたハルヒを病院に担ぐことは出来たが、ここから先、俺に出来ることは何もない。

高校を出て七年。
晴れ渡る今日この頃、俺はそんなこんなで頭を抱えて祈っているのであった。

273 名前:生き物係り(コネチカット州)[] 投稿日:2007/04/28(土) 00:49:59.93 ID:Q2/y4RU/O

思えば、ハルヒとの出会いは高校一年の時。
不安や期待、様々な思いを抱いていた桜の舞う季節。

入学という新たな門出には不釣り合いで、異様とも言える自らの世界を早速作り出そうとしていた涼宮ハルヒに出会ったのだ。

自己紹介はとんでもないものだった。
狂っているのかとさえ思った。
あれがまともと言えるなら、俺が例え蝿を生で食うような人間であってもまだまともだと言い切れる。

それ程にインパクトと狂人めいた自己紹介だった。

俺は苦虫を潰したような表情でハルヒを見ていた。

自慢ではないが、常識人であり一般人であると俺は自分を評価している。

こんな狂ったやつの相手をしているような暇はないし、そんなお人好しでもない。
俺はこの涼宮ハルヒにだけは関わらないでおこう。
そう決意を決めた。
後から考えれば、この先巻き込まれた世界では、こんな決意は糞にも劣っていたわけなのだが…

275 名前:通訳(コネチカット州)[] 投稿日:2007/04/28(土) 01:01:31.91 ID:Q2/y4RU/O

何も起こらない。
自由で、平和で、それでいて居心地の良い世界。

俺の理想としていた世界。

入学と同時に、何故かは分からないが涼宮ハルヒのお眼鏡にかなってしまった俺には、理想郷とも言える甘くて幻想の世界だ。

この頃から、注げばコップから簡単に零れてしまうような元気な女であったハルヒ。

いつも俺に何かと命令し、喫茶店では財布要因として配置され、たまに狂人に巻き込まれたことを嘆くような日常だった。

SOS団という、なんともまあ奇妙な目的と奇妙な仲間達を集めて作った活動団体。

そこが俺の居場所であり、俺の思いを乗せていた理想郷を奪った長いトンネルでもあった。

活動内容は至って簡単だ。
ただただハルヒの思うがままに行動していく。

多少その日その日と内容は違ってくるものの、結局はハルヒの意向で進む日常だった。

いつからなのかは、七年の歳月を重ねた今でさえ分からない。

そんな暮らしを楽しんでいる自分は、いつから其処にあり、いつから目を輝かせていたのだろうか。

276 名前:生き物係り(コネチカット州)[] 投稿日:2007/04/28(土) 01:12:42.28 ID:Q2/y4RU/O

この活動団体は、俺とハルヒだけではない。

無口で読書が趣味の長門有希。
理屈屋で皮肉屋な男、古泉一樹。
そして、俺がこの活動団体で唯一の癒しの酸素を分けてもらっている朝比奈さんだ。

一見、普通の…
って、そんなはずはない。
皆それぞれ、一般人とは言えない存在らしいのだ。

俺はそれを身を持って知らされたし、彼らに助けられもした。

狂人の下に集った狂人達は、結局は俺の良い仲間だったのだ。

みんな、今何してるかな。
聞いたところによると、長門は占いをやっているそうだ。
無口で本が好きで、それでいて頼れる。
そんな長門が胡散臭い占いをやっている理由は分からないが、とても満足した生活をしているのだ、と言っていた。
週一でとる連絡には、滅多に聞くことの出来ない、長門の嬉しそうな声がいつも聞こえてくるのだった。

278 名前:生き物係り(コネチカット州)[] 投稿日:2007/04/28(土) 01:20:09.81 ID:Q2/y4RU/O

古泉はと言うと、これまた何故かは分からないが、宝捜しをしていた。
トレジャーハンターというやつだ。
もともと古泉は頭の切れる男ではあった。
頭脳も優秀で、国外に向かっても言語的な不安はまったく無かったのだろう。
わざわざ大学に行ったのは、様々な国の言葉を覚える為だったと聞かされたのは、実は古泉が宝捜しで国外に行った後だった。

月に一回、必ず送られてくる手紙。
そこには古泉が描く夢が語られ、たまらなく熱い人生を謳歌している彼の言葉が、毎週埋め尽くされている。
きっと、奴も有意義で意味のある人生を送っているのだろう。

281 名前:通訳(コネチカット州)[] 投稿日:2007/04/28(土) 01:27:41.65 ID:Q2/y4RU/O

そして、我が心の花である朝比奈さん。
朝比奈さんは、なんと農家に高校卒業後すぐに嫁いだ。
一番以外ではあったが、彼女も幸せそうだった。
相手の方はどう知り合ったのかは知らないが、朝比奈さんのどんな行動をも優しく呑み込んであげられる。
そんな雰囲気の方だった。
毎朝せっせと旦那と汗を流して作っている米は、とても美味しい。

毎月必ず朝比奈さんの家から取り寄せている米は、俺の命の源だ。

今まで農家の人間をあまり重要視していなかった俺だが、日々の生活を営む中で、朝比奈さんを通し認識を改めた。

三人の子供に恵まれた、元気印の朝比奈さんは、今日も旦那とせっせと汗を流し、美味しい米を作ってくれている。

283 名前:通訳(コネチカット州)[] 投稿日:2007/04/28(土) 01:33:47.95 ID:Q2/y4RU/O

ハルヒとSOS団。
始めは狂人達との地獄のパレードの開始かと思われた世界も、実はただの幸福への道しるべだった。

ここで出会ったハルヒを含む四人の大切な仲間たち。

俺を希望の世界へと導いてくれた仲間たち。


そうだ―――
みんな笑って、幸せに暮らしてる。
頭を抱えている暇なんてない。
今は、ただハルヒを応援するだけだ。
苦しんでるあいつを、生意気だけど可愛いハルヒを。

285 名前:通訳(コネチカット州)[] 投稿日:2007/04/28(土) 01:43:23.02 ID:Q2/y4RU/O

俺は、それまで重くなっていた腰と抱えた頭に喝を入れ、勢いよく立ち上がった。
いつハルヒが出てきても、安心していられるように。

ガチャッ

赤いランプを帯びた扉が開いた。
俺は不安を取りのぞき、軽くなった体躯を浮き上がるような動きで扉を開く。


――元気な男の子ですよ――

ハルヒが赤ん坊を抱いていた。
涙は出なかった。
ただ、嬉しかった。
泣くよりも歓喜が強かった。
いつもの強気なハルヒからは想像も出来ないような暖かく、安らぎのある空間に一帯が包まれていた。

「キョン……ん〜ん………おめでう。パパ」

変わらずに、そして強い優しさを持った瞳。
SOS団結成から仕組まれていたのかも知れない歯車。
ぴったりと噛み合い、そして今、晴れた今日の空から、幸せは降り注いでいた。
END

287 名前:生き物係り(コネチカット州)[] 投稿日:2007/04/28(土) 01:47:15.14 ID:Q2/y4RU/O

実は自分、ハルヒはアニメの一話しか見ていないんです。
世界観もあまり分からないまま、こんな駄文を投稿して、神スレを汚してしまい申し訳ありませんでした。

過疎ということで書かせていただきましたが、本当に話しの筋がないような文ですね…
即興で調子に乗ったのが全ての失敗。

切腹してきます。
本当に駄文申し訳ありませんでした。

289 名前:生き物係り(コネチカット州)[] 投稿日:2007/04/28(土) 01:53:45.44 ID:Q2/y4RU/O

いや、本当にどうもです。
なんかもう読んでいただいただけでも感無量です。

神降臨までの保守も兼ねているので、感想いただけとは…ありがとうでした。



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