涼宮ハルヒが大学生になったんだってさ


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:【艦これ】吹雪「パンツ…ですか?」その2

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616 名前: 神(福岡県)[] 投稿日:2007/04/25(水) 23:33:37.40 ID:Vb1Zo9ls0

月日が経つのは早いものだと改めて思う
この前ついに俺は20歳になり、今は成人式に出るために電車に乗っている
高校を卒業して早3年
俺たちはバラバラの大学に進学した
結局3年間ハルヒは俺の後ろの席を譲ることなくずっと座っていた
ここまで来ると少し笑えてくる
そう、そのハルヒとも別々の大学に進学したのだ
宇宙人も、未来人も、超能力者もいない大学にな

俺はいたってなんの変哲のない一般人だ
そんな一般人の周りにあのころのような非現実的なことがおこるはずは無く
なんでもない日常を過ごしていた
やっぱり俺はあの非日常な日常が、非常識なSOS団が好きだったのだと思い知らされる
本当の大切さは失ってから気づくと言うが
まさかここまでとは思ってなかった
しかしもうあのころには戻ることは出来ないのだ
俺たちが歩み始めた道は違う道だったのだから
悔やんでも仕方ないことは知ってる
だけでこればっかりはどうしようもないだろう?


そして今日、俺はハルヒと再会した

625 名前: 神(福岡県)[] 投稿日:2007/04/25(水) 23:44:51.75 ID:Vb1Zo9ls0

>>616

成人式で懐かしい面々と再会した
谷口、国木田、その他クラスメイト
その中でも一際目立っていた女──涼宮ハルヒ
晴れ着を着ているあいつは、認めたくは無いが、きれいだった
不覚にも見とれてしまっていた俺はあいつと目が合いそうになり、なぜか急いで目を伏せた
なぜかは自分でも分からない
だがそんなことより
そんなことより気付いてしまったことがある
俺だって3年間ほぼ毎日あいつと顔をあわせてたんだ、自信はある
あいつの笑顔は
俺から見たらどうやっても──笑っているようには見えなかった
SOS団のいたころに比べると、まったく違う顔だった
今のあいつの笑顔には疲れやいろいろややこしいものが見え隠れしていた
とても、見てられなかった


谷口が同窓会をすると言っていた
お前もくるのか?ハルヒ?

631 名前: 神(福岡県)[] 投稿日:2007/04/25(水) 23:58:43.96 ID:Vb1Zo9ls0

>>625

同窓会は俺たちの通っていた学校の近くの居酒屋であるらしい
俺が中に入っていくともう結構な人数が来ていた
思わずあいつの姿を探してしまう
どうやら来ていないようだ
「キョン!やっと来たか!」
谷口がつっ立っていた俺に声をかける
「まぁ座れよ!」
互いに軽く近況報告したあと雑談した
それとなく切り出してみる
「あいつは・・・ハルヒは来るのか?」
「どうだろうな、俺にも・・・っと、噂をすればだ」
ちょうどハルヒが入ってきた
ハルヒは俺を一瞥したあと女子の集団に入っていく
その中で笑うハルヒはやっぱり・・・

騒ぎもひと段落してきて一人で飲んでいると話しかけられた
「横、いい?」
ハルヒだった
「ああ」
なぜか目を合わせられない
なんでも無い話を続けていく
だんだん周りも少なくなってきていた
「でね、あいつ浮気なんてしやがったのよ?」
どうやらもうハルヒはだいぶ酔ってしまってるようだ
グチが始まっていた
俺は彼氏がいることにおどろきつつも
適当に相槌をうって話を聞いていた

639 名前: ひちょり(福岡県)[] 投稿日:2007/04/26(木) 00:07:41.05 ID:+W7/qTjG0

>>631

「最初はね、この人ならって思ったの」
ハルヒはさらにペースをあげて飲み続ける
「なのに!他の女なんて抱いて・・・」
・・・みてられない
「私だってちゃんといい女の子でいたのに!」
「・・・ハルヒ」
「体だって許したのに・・・!」
「・・・もうよせ」
ハルヒは泣き出していた
「もう今は・・・最初から好きだったのかさえ分かんなくて・・・!」
「・・・おいっ」
ハルヒは止まらなかった
「もうなんなのよ!分けわかんない!」
「もういや!だいっキライ!!!」
「ハルヒ!!!」
俺は思わず抱きしめた
腕の中のハルヒはあのころからは想像できないほど軽くて
悲しいほどに小さかった


今日俺はハルヒを

抱いた

650 名前: ひちょり(福岡県)[] 投稿日:2007/04/26(木) 00:19:27.92 ID:+W7/qTjG0

>>639

抱いてる間中
ハルヒは泣きながら俺の名前を呼び続けていた
俺は、なにも出来なかった


それから数ヶ月経った
また俺はいつもの日常に戻っていた
あの日、ハルヒは朝には姿を消していた
あれからハルヒとはなにもない
そして一通のハガキが届いた
ハルヒからだ
あんなことをしてしまった後だ、少し緊張して開けてみる
それは入籍の報告だった
写真のなかのハルヒの笑顔にはやっぱりあのころの輝きはなくなっていた
後から聞いた話によるとどうやら出来ちゃった婚らしい
きっとあのとき話していた彼氏だろう
どうしようもない感情に襲われた
だが、だからといって俺は何をしてやれた?
すでにお前は俺の後ろの席にはいない
お前のために俺が何をしてやれた

俺の色褪せた日常の中で眩しいほど輝き続ける高校生活3年間の思い出
そして、その中で他のなによりも輝いていたアイツの笑顔
もしあの頃、俺達がお互いにもう少し素直になれていたら
こんな未来を選ばずにすんだんだろうか・・・
などと答の出ない疑問を思い浮かべながら
俺は今日も色褪せた日々を生きている

656 名前: ひちょり(福岡県)[] 投稿日:2007/04/26(木) 00:22:59.29 ID:+W7/qTjG0

>>650

うん
ただあの話を補完しただけなんだ
ほんとはこっからどうにかハッピーエンドに持ってきたかったんだけど
もう寝ないといけないから

ほんとごめんな


書いてたら鬱なってきた


もし、明日ここが残ってたら・・・
どうにかしてやろうと思ってます

ノシ

224 名前:ぬこ(福岡県)[] 投稿日:2007/04/27(金) 22:06:19.90 ID:QJjHDxEK0

ハルヒから入籍の手紙が届いてから数日
俺はなんとも説明しがたい感情に襲われていた
本当にこれで良かったのか──?
そんな思いが頭の中をまわり続ける
しかし結論はすでに出ている
この答えは他でもない、そうハルヒが出した答えだ
俺がとやかく言う筋合いはまったくない
それにもう何もかも手遅れだ
結婚してしまったんだ
それに・・・子供もいる
俺にその家庭を壊す権利など・・・決してありはしないだろう

だが・・・だが・・・
こんなの・・・
間違ってるだろ!?
分かってる、分かってるんだ
俺がバカなこと言ってるって
これは俺のエゴなんだって
でも納得なんて出来るわけがない!
だって・・・あいつの笑顔には・・・!
・・・

やっと分かった
今さら・・・だけど、分かってしまったんだ
俺は
俺はハルヒのことが好きだったのだと・・・!
そうだ・・・そう・・・今だって
俺は、あいつを

好きなんだと・・・!

230 名前:ぬこ(福岡県)[] 投稿日:2007/04/27(金) 22:11:25.70 ID:QJjHDxEK0

そうさ
あのころの俺は文句をたれながらもいつだって楽しんでいた
SOS団を楽しんでいたんだ
そしてその中心にいるあいつ
涼宮ハルヒ
いつしか好きになっていた
理由なんてない。必要ない
ただあいつが好きだと、それだけで十分だ
だからこそ
俺は今苦しい思いをしてるんだろう!?
あいつが今幸せそうにしてるならきっと諦められた
だけど、今のあいつは・・・?
俺には決して幸せそうには・・・見えはしない
前に会った時だって・・・
なんで俺は気付いてやれなかった
なんで俺は何もしてやれなかった
あんなに・・・あんなに辛そうにしてたのに
SOS団の時のあいつは、あいつの笑顔は
恐れるものなど何もなく、全てを吹き飛ばす勢いで
いつでも俺に、俺たちに降り注いでいた
あの笑顔が無くて、何がハルヒだ
俺はそんなの認めない
認められるわけが無い

もしかしたら全部俺の勘違いかもしれない
ただのひとりよがりなのかもしれない
だから話をしないと
直接会って二人で

俺はハガキに書いてある番号をかけた

232 名前:ぬこ(福岡県)[] 投稿日:2007/04/27(金) 22:15:41.46 ID:QJjHDxEK0

「・・・久しぶりね」
見た目にはハルヒはまだ妊娠してるようには見えなかった
ハルヒは以前よりすこしやさしい顔をしていた
子供を持って母親と言うやつになるとこういうものなのだろうか
「ああ・・・」
なかなか言葉が出てこない
会おうと言ったのは俺の癖になんて様だ
「元気、してた・・・?」
俺たちはあのころよく集まっていたいつもの喫茶店に来ていた
昔のハルヒを思い出す
しかしやはり違う気がする
「ああ・・・」
会話が続かない
どうにかして切り出さないといけないと思っても言葉が出てこない
沈黙が続くだけだった
やっと言葉をひねり出す
「おまえこそ、最近どうなんだ・・・?」
出てきた声は自分でも驚くほどかすれた声だった
「どうって・・・どうもしないわよ・・・・・・どうしたの?大丈夫?」
なんてこった
俺が逆に心配されてどうするんだ
とんだ笑もんだ
そう、俺は聞かないといけないんだ
全てを──

234 名前:ぬこ(福岡県)[] 投稿日:2007/04/27(金) 22:20:59.11 ID:QJjHDxEK0

「・・・結婚したって聞いた時はびっくりしたよ
結婚生活は、うまくいってるか?」
途端、ハルヒの顔色が変わった
「もちろんよ、うまくいってるに決まってるじゃない」
嘘だ
これでも3年間ずっと一緒にいたんだ
そんなバレバレの嘘、見抜けないわけ無いだろう
「・・・」
だまってハルヒをみつめる
「何よその目、信じてないの?」
ハルヒは厳しい目で俺を見つめ返した
「・・・」
俺は黙って見つめ続ける
「・・・もし、もしの話よ?
その結婚生活がうまくいってなかったからってあんたに何の関係があんの・・・!?」
ハルヒの口調が少しづつ荒立ってきた
「なに?あの夜のこと?勘違いしないでよね!あれは酒の勢いよ!
じゃなかったらだれがあんたなんかに抱かれるもんですか!!」
「・・・」
「・・・それだけで保護者面!?思い上がりもいいとこね!」
ハルヒの目には涙が浮かんでいた
「・・・バカにしないでよ!あんたなんかいなくたってなんとかなるわよ!!!
帰って!話すことはなにm・・・!!!!」
俺は思わず抱きしめた
見てられなかった
腕の中でハルヒはつぶやいた
「なによ・・・これじゃ・・・あの時と一緒じゃない・・・また抱きたいの・・・?」
俺はハルヒを少し離し目を見ながら言った
「どうしたんだ・・・?いいから・・・言ってみろ・・・?」

235 名前:ぬこ(福岡県)[] 投稿日:2007/04/27(金) 22:25:29.10 ID:QJjHDxEK0

ハルヒの家庭は、どうやらお世辞にもうまくいっているとは言えなかった
ハルヒの旦那の浮気癖は直っておらず、今でも浮気は続いている
度々、酒を飲んで帰ってきて
「子供なんてできなけりゃ・・・」
などとふざけたことを抜かしたやがるらしい
ハルヒは泣きながら、全てを俺に語ってくれた
その旦那は許すことはできない
でも俺には先に確認しないといけなけばならないことがあった
「お前は・・・その、旦那のこと・・・好きなのか」
「・・・今はもう好きじゃない・・・いいえ、もしかしたら最初から違ったのかもしれない
ただ、あのころは・・・ただ、寂しかったから・・・」
「お前は今のままでいいのかよ・・・?」
俺はもう、お前のそんな辛い笑顔は見たくないんだ
「分かんないわよ・・・だってもう、結婚しちゃったのよ・・・?
どうしようもないに決まってるじゃない?」
俺はお前の気持ちを聞いてるんだ
お前の、本当の気持ちは・・・?
「・・・」
俺は黙って待っていた
「・・・もう、こんなの・・・いや」
だったら
お前がそうだと言うのなら・・・

「俺と、一緒に・・・・・いてくれないか?」

239 名前:ぬこ(福岡県)[] 投稿日:2007/04/27(金) 22:30:01.60 ID:QJjHDxEK0

「え・・・?それって・・・どういう・・・?」
ハルヒは混乱しているようだ
俺はゆっくりと言った
「俺は、お前のことが、好きなんだ!」
一度言い出せば止まらなかった
「昔から、あのころからずっと!
最近やっと自分の気持ちに気付くことが出来た
俺は世界中のだれよりも、お前のことを愛してるんだ・・・!」
ハルヒは口をパクパクさせて驚いていた
こんなハルヒは今まで見たことが無い
こいつもこんなに驚くことがあるんだな
「・・・だめか・・・?」
ハルヒは真実なのかをどうかを問いかけているかのように俺の目を見つめた
「・・・」
沈黙が続く
するとハルヒは目を伏せて小さな声で言う
「だって・・・私はもう、結婚して・・・」
「そんなの関係ない!お前が良ければ、俺は!」
想いが次々とあふれてくる
「結婚してるとか、子供がいるとか、そんなのぜんぜん関係ない!
もしお前が嫌なら!・・・俺はもうこれ以上何も言わない・・・
でもお前がもし!もし・・・俺のことを選んでくれるのなら
俺は一生お前と一緒にいたいんだ!」
伏せたままのハルヒはどうやら泣いているようだった
もう一度問いかける
「・・・だめか・・・?」

ハルヒはゆっくりと顔を上げた
「キョン・・・!私も・・・好き・・・!」
そう、これこそが俺の望んでいた笑顔なんだ

243 名前:ぬこ(福岡県)[] 投稿日:2007/04/27(金) 22:35:19.07 ID:QJjHDxEK0

そうして俺たちは結婚した
そして、子供も生まれた
ハルヒの旦那だった男とも会ったが、それほどもめることは無かった
良かったといば良かったが複雑な気持ち
ああ、もちろん一発殴っておいたから安心してくれ
結婚までの道のりは語りきれないほどある
ハルヒの両親の説得とか子供のこととかいろいろ
語りきれないほどあるのだから、語らないことにする、勘弁して欲しい
そうだ、その子供のことなんだが
ここでとてつもなくハッピーなお知らせがある
初めて知ったときの驚きといったら言葉として表現なんかできやしない
そしてその数倍の喜びもな

だってその子供は
正真正銘の、俺の子だったからだ

そう、あの夜のだ
信じられるか?こんな奇跡
もちろん、俺の子じゃなかったとしてもちゃんと愛してやるつもりだったさ
でも、やっぱり本当の子供ってほうが嬉しい
後は、健康にすくすく育ってくれることを祈るだけだ

「ちょっとキョン!!早く来なさいよ!!!」
情けないことに、俺はどうみても尻にしかれてるようだ
でも、いいんだ
俺は、あの輝くような笑顔をいつでも見れるようになったんだから

ただ、最後に一言だけ言わせてくれ

「・・・やれやれ」

244 名前:ぬこ(福岡県)[] 投稿日:2007/04/27(金) 22:37:42.06 ID:QJjHDxEK0

終わりです

駄文に付き合ってくれた方々
どうもです

もしこれであの鬱コピペで鬱にならないようになってくれる人がいれば嬉しいです
またどこかにあれがはられてたら
そのときはまたこれを思い出していただけたらなって思ってます

それでは

ノシ



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